JP4665997B2 - 生体パターン撮像装置、生体パターン撮像方法、生体パターン撮像プログラム - Google Patents
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Description
また、この指静脈認証装置は、撮像部への外光の侵入を抑制するために遮光カバーを有する。この遮光カバーは、指の長手方向に沿って、撮影対象の指の両側に、指に接触しないように設置されている。また、近赤外光カットフィルムを用いて、指を覆うようにフード状の遮光カバーを設ける例も開示されている。
また、この指静脈認証装置は、近赤外光カットフィルムを用いて近赤外光を遮蔽し、可視光を透過するフードを設けている。これにより、不透明な穴の中に指を入れる行為に対してユーザが感じる圧迫感や不快感や不安感を軽減することができる。
更には、装置に指を入れているときに、ユーザが急激に体位を変えた場合(例えば、何かに躓いて転んだり、誰かに押されたりしたりした場合など)、指が装置に拘束されるにも関わらず、体は装置から離れようとするために、指を怪我してしまうといった不都合も生じ得る。
更に、利用者は、この装置の使用にあたって遮蔽カバーを取り出さなければならないという手間がかかり、更には、装置の機構も複雑となり故障の原因となり得る。
また、遮光カバーによって形成される空洞に指を入れるため、特許文献2のフード状の遮光カバーと同様に、使用にあたって利用者に不快感、不安感を生じさせる装置構造であり、利用者が指を怪我してしまうといった不都合が生じ得る。
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、生体パターンの撮像における外光の影響を有効に抑制する生体パターン撮像装置、生体パターン撮像方法、生体パターン撮像プログラムを提供することを、その目的とする。
ここで、本発明の実施形態の基本的構成内容について説明する。
本実施形態の生体パターン撮像装置は、図1に示すように、装置本体部である筐体104から成り、この筐体104の上面(筐体上面部)に開口部103を有する。
この開口部103は、撮像対象である手のひらが筐体上面部と接するように置かれた場合に、この手のひらによって密閉される大きさを有するものとする。
これにより、開口部103を密閉して置かれた掌を撮像する場合に、筐体外部からの開口部に入る外光を有効に抑制することができる。
尚、筐体104内部に備えられた撮像部102は、レンズを開口部側に露出した状態で筐体104内部に組み込まれている。
上記構成により、筐体上面部における開口部103に置かれた手のひらを光源101が照射し、光源101によって照らされた掌のパターン(ここでは、血管パターン)を、撮像部102が、赤外透過フィルタ109を通して撮影する。
尚、開口部103の形状は矩形、円形などであってもよく、掌によって覆われることが可能な大きさ、および形状を有していればよい。
ここで、近赤外光を用いることで、通常の白色光源を用いて可視光領域で観測するよりも、血管パターンが強調されることになる。これは、760nm近辺の波長域では、血管中を流れるヘモグロビンの吸収が大きく、背景となる体組織よりも光の反射が少ないためである。このため、近赤外光によって撮像した掌の画像は血管部分が暗く撮像される。
程度の解像度で撮像できるような画素数の近赤外域に感度がある撮像素子を用いるものとする。例えば、開口部103を掌に覆われる程度の大きさとして縦53mm×横40mmとした場合に、上記撮像素子を画素数の大きさとして縦320画素×横240画素とすればよい。また、レンズは、掌が接触する開口部103の面に焦点があうように結像系を調整する。
尚、赤外透過フィルタ109と撮像部102との間は空洞状態となっているものとする(図3)。
ここで、赤外透過フィルタとしては、光源101の波長である760nmの波長に透過特性を持つ可視光カットタイプの赤外透過フィルタを用いてもよいし、バンドパスフィルタタイプの赤外透過フィルタを用いることも可能である。
このように、センシング波長である波長以外の波長を除去することで、外乱光の影響を受けにくくなる。
尚、上記赤外透過フィルタ109は、外乱光を抑制するのみならず、撮像部102のレンズなど筺体内部の部品を埃などから保護し、直接触られることを防ぐという役目も持つため、赤外透過フィルタ109としては、広い面積であっても比較的安価な可視光カットタイプの赤外透過フィルタ(例えば、 IR−76など)を用いる。また、高価な干渉フィルタは、小面積で済ませることが可能な撮像部102のレンズの前や2次元撮像素子の前に装着するようにしてもよい。
また、開口部103の大きさは、掌によって覆うことのできる程度の大きさとし、ここでは、縦53mm×横40mmの矩形形状としている。
この筐体上面部は開口部103を有すると共に平面状であって、この筐体上面部に置かれた掌の位置を安定化させる。また、掌の平面位置が安定化することで、撮像される掌の静脈パターンの解像度が安定化し、照合精度の向上を図ることが可能となる。
この中指ガイド106、および107により、掌位置の横移動(基節ガイドに沿った移動)を抑制することができる。
尚、突起形状の代わりに中指に相当する部分に窪みを設けることにより、上面に置かれる手の中指の中指ガイド106としてもよい。
また、筺体上面部には、掌の配置の誘導、及び、開口部103における手109と上面部との隙間を小さくなるように掌の形状に合わせて凹凸形状を有する構成としてもよい。
この構成により、利用者の掌が筐体上部に置かれたことを自動的に検出し、撮像に適したタイミングで掌パターンの撮像を行うことができる。
光源制御部501は、光源101における点灯および消灯を制御する点灯制御機能を備えている。光源制御部501は、画像記憶部503から照合部への画像出力されたことを検知した場合に、光源101を消灯する。
画像取得部502は、撮像部102により撮像された画像を取得すると共に、当該取得された画像を画像記憶部503に格納する画像取得格納機能を備えている。
ここで、画像取得部502は、撮像部102から定期的に画像の取得を行っているものとする。尚、画像取得部502の画像取得格納機能は、光源101が点灯されている場合に、実行される設定としてもよい。
更に、画像差分判定部504は、算出されたフレーム間画像における画像差分値と、予め設定された画像差分閾値と比較して、フレーム間画像に変化があったか否かを判定する差分閾値判定機能を有する。
ここで、フレーム間画像差分が、しきい値よりも大きければ、認証判定対象物(掌)が開口部103に置かれたと判定すると共に、状態フラグを「掌有り」を示す情報に更新する。
このとき、つまり、撮像された掌のフレーム間画像に画像差分がないと判定された場合に、画像差分判定部504は、画像記憶部503に記憶されている画像を、照合に用いる画像(照合用画像)として照合部505に出力する照合画像出力機能を有する。
また、照合部505は、画像記憶部503から出力された画像と、予め登録設定された登録画像との間で照合を行い、個人認証判定を行う画像認証判定機能を備えている。
更に、照合部505は、上記照合結果を出力表示する認証結果出力手段507が接続された構成としてもよい。
次に、上記実施形態1における生体パターン撮像装置の動作について説明する。
まず、画像取得部502が、撮像された生体部位のパターン画像を取得し、画像差分判定部504が、前記パターン画像と予め取得された前状態パターン画像との画像間差分を算出すると共に、前記画像間差分に基づき前記開口部に前記生体部位が置かれたことを検知する。次いで、照合部505が、前記パターン画像に基き個人認証を行う。
ここで、しきい値よりも大きければ、画像差分判定部504は、認証対象物である掌が置かれたと判定し、状態フラグを「掌有り」に更新する(ステップS106)。
また、銀行のATM端末などへの応用では、利用者のカードが挿入された場合など、生体認証が必要な段階になったときに上記認証動作を開始する設定としてもよい。
また、生体組織は比較的近赤外光を透過しやすいが、完全に透過するわけではなく、特に掌のように厚みがあり、骨格もある部分では遮蔽効果が高く、多くの光(外乱光)を遮断することができる。このため、より外乱光を有効に遮断することができ、安定に認証対象となるパターンを撮像し、頑強に精度よく認証動作を行うことが可能となる。
この場合、手のひらにおける皮膚表面の凹凸を撮像するために、なるべく皮膚表面の凹凸による影ができた方が望ましいため、光源101を、一方向から照射を行うように設定してもよい。
近赤外光の波長を用いた場合、血管パターンと皮膚紋様パターン(掌紋)が重畳したパターンが画像として得られるが、このような画像を生体認証用のパターンとして撮像してもよい。
このような重畳パターンを認証するためのパターンマッチング技術としては、例えば、本願発明人による特願2007−113264号に記載された2次元パターンのマッチング技術を用いることができる。
次に、本発明に係る実施形態2の生体パターン撮像装置について説明する。ここで、前述した実施形態1と同一の部分については、同一の符号を付するものとする。
この実施形態2は、図5に示すように、装置の構成部分は前述した実施形態1(図1)とほぼ同一の構成を備えており、開口部103の周囲にクッション部材であるクッション208を設けた点が実施形態1の場合と相違する。
これにより、掌と筺体上面の接触面との間の間隙から筐体内部へと漏入る外光をさらに抑制することができる。
本実施形態の生体パターン撮像装置は、図5に示すように、装置本体部である筐体104から成り、この筐体104の上面(筐体上面部)に開口部103を有する。
この開口部103は、撮像対象である手のひらが筐体上面部と接するように置かれた場合に、この手のひらによって密閉される大きさを有するものとする。
これにより、開口部103を密閉して置かれた掌を撮像する場合に、筐体外部からの開口部に入る外光を有効に抑制することができる。
更に、クッション208の形状は、形状の加工が容易な環状円形としている。また、本実施形態では、この環状のクッション208に合わせて開口部103を円形形状としている。
このように、クッション208を、弾力性を持つ素材により構成することにより、開口部103に置かれた掌と筺体上面とを、有効に密着させることが可能となる。
弾力性を持つ素材を用いたクッションを筺体上面部に装着すれば、個々人の掌の形状に合わせてクッションが変形することで、掌とクッションが密着し、隙間をなくすことが可能となり、外乱光の侵入を防ぐことが可能となる。
また、掌認証の動作ステップについては、第1の実施形態と同様である。
また、セキュリティ目的のみならず、勤怠管理や身分証明証の二重登録確認など業務運用に必要なシステムで利用することも可能である。
102 撮像部
103 開口部
104 筐体
105 基節ガイド
106,107 中指ガイド
108 手
109 赤外透過フィルタ
208 クッション
501 光源制御部
502 画像取得部
503 画像記憶部
504 画像差分判定部
505 照合部
506 登録画像記憶手段
507 認証結果出力部
Claims (6)
- 一方の面に開口部を有する筐体を備えた生体パターン撮像装置であって、
前記開口部は手のひらが置かれることにより密閉状態に覆われる程度の大きさを有し、
前記開口部に置かれた前記手のひらにおける皮膚紋様を撮影する場合に前記手のひらに対して一方向から照射し、また、前記手のひらにおける血管パターンを撮影する場合に前記生体部位に対して異なる両方向から照射する光源と、前記照射された手のひらを撮像する撮像部とを前記筐体内部に備え、
前記筐体における前記開口部を有する外面に弾力性を有する素材からなるクッション部材を前記開口部を囲み備えたことを特徴とする生体パターン撮像装置。 - 前記請求項1に記載の生体パターン撮像装置において、
前記撮像される手のひらのパターンは、血管パターン、皮膚紋様パターン、または、これら複数が重畳されてなるパターンのいずれか一つであることを特徴とする生体パターン撮像装置。 - 請求項1に記載の生体パターン撮像装置において、
前記筺体は、前記開口部を有する外面に前記手のひらの位置合わせを行うガイドを有し、前記ガイドは、手の基節における掌側の窪みに合わせて設けた形状を有する基節ガイド、中指の長手方向に沿った中指ガイド、又は、これら複数のガイドが併用された併用ガイドから成ることを特徴とした生体パターン撮像装置。 - 前記請求項1又は3に記載の生体パターン撮像装置において、
前記撮像された手のひらのパターン画像を取得する画像取得部と、前記取得されたパターン画像とそれ以前に予め取得されたパターン画像との画像変異度を示す画像間差分値を算出する画像間差分算出部と、前記画像間差分値に基づき前記開口部に置かれた手のひらが静止状態であるか否かを判定する生体部位検知判定部と、前記開口部に置かれた手のひらが静止状態であると判定された場合に前記パターン画像に基づき個人認証を行う画像認証部とを前記撮像部に併設したことを特徴とする生体パターン撮像装置。 - 手のひらが置かれることにより密閉状態に覆われる開口部を一方の面に有する筐体と、前記開口部に置かれた前記手のひらにおける皮膚紋様を撮影する場合に前記手のひらに対して一方向から照射し、また、前記手のひらにおける血管パターンを撮影する場合に前記手のひらに対して異なる両方向から照射する光源と、前記照射された手のひらを撮像する撮像部とを前記筐体内に備えると共に、前記開口部を囲む筐体外面に弾力性を有する素材からなるクッション部材を備えた生体パターン撮像装置にあって、前記撮像した手のひらの画像に基づき個人認証を行う生体パターン撮像方法であって、
前記撮像部が、前記クッション部材に置かれた手のひらを前記光源による照射を切り換えて撮影した前記手のひらのパターン画像を取得し、前記パターン画像とそれ以前に予め取得されたパターン画像との画像変異度を示す画像間差分値を算出し、前記画像間差分値に基づき前記開口部に置かれた手のひらが静止状態である判定された場合に、前記取得したパターン画像に基く個人認証処理を行うことを特徴とする生体パターン撮像方法。 - 手のひらが置かれることにより密閉状態に覆われる開口部を一方の面に有する筐体と、前記開口部に置かれた前記手のひらにおける皮膚紋様を撮影する場合に前記手のひらに対して一方向から照射し、また、前記手のひらにおける血管パターンを撮影する場合に前記手のひらに対して異なる両方向から照射する光源と、前記照射された手のひらを撮像する撮像部とを前記筐体内に備えると共に、前記開口部を囲む筐体外面に弾力性を有する素材からなるクッション部材を備えた生体パターン撮像装置にあって、前記撮像した手のひらの画像に基づき個人認証を行うための生体パターン撮像プログラムであって、
前記クッション部材に置かれた手のひらを前記光源による照射を切り換えて撮影した前記手のひらのパターン画像を取得する切り替え照射機能と、前記取得したパターン画像とそれ以前に予め取得されたパターン画像との画像変異度を示す画像間差分値を算出する画像差分算出機能と、前記画像間差分値に基づき前記手のひらが静止状態で前記クッション部材に置かれているか否かを判定する生体部位検出判定機能と、前記手のひらが前記クッション部材に静止した状態で置かれていると判定された場合に前記取得したパターン画像に基く個人認証処理を行う画像認証機能とを、前記生体パターン撮像装置が備えたコンピュータに実行させることを特徴とする生体パターン撮像プログラム。
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