JP2007219625A - 血管画像入力装置、及び個人認証システム - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化及び低コスト化を図ると共に、より安定して精細な血管画像の取得を図る。
【解決手段】少なくとも指の内部を透過する光を発する照明手段と、1ライン以上の画像読取り部を有する撮像手段と、指の部分画像を前記撮像手段に結像する結像手段とを有し、指を移動させて撮像領域を走査して一連の前記部分画像を取得する。一連の前記部分画像の相対位置情報を求め、前記指全体の血管画像を取得する画像処理手段を有する。前記相対位置情報は、前記部分画像から抽出された一連の表面画像から求める。
【選択図】図4
【解決手段】少なくとも指の内部を透過する光を発する照明手段と、1ライン以上の画像読取り部を有する撮像手段と、指の部分画像を前記撮像手段に結像する結像手段とを有し、指を移動させて撮像領域を走査して一連の前記部分画像を取得する。一連の前記部分画像の相対位置情報を求め、前記指全体の血管画像を取得する画像処理手段を有する。前記相対位置情報は、前記部分画像から抽出された一連の表面画像から求める。
【選択図】図4
Description
本発明は、指の血管画像を取得する血管画像入力装置、及びこれを用いた個人認証システムに関する。
特に、本発明は、指と撮像素子との位置を相対的に移動させることにより、指内部の透過した光により照明された指血管の画像を撮像素子で受光する血管画像入力装置、及びこれを用いた個人認証システムに関する。
近年、情報技術の著しい進歩によって電子商取引等の経済活動が普及するのに伴い、情報の不正使用を防止する目的から個人認証を電子化する必要性もまた増大している。そこで鍵のように携帯を必要とせず、利便性が高く、遺失や盗難等による不正行使の恐れも少ない個人認証方式として、指紋や虹彩、血管パターンといった個人の体の一部を鍵として用いる生体認証が注目されている。特に血管パターンを用いた認証方法は、指紋のように犯罪捜査を連想させたり、虹彩のように直接眼球に光を照射したりすることがないので心理的抵抗感が少なく、また、容易に観測できる生体表面ではなく内部の特徴のため、偽造が困難という利点がある。
このような生体内部の血管パターンは、近赤外光の光源によって対象部位を照らし、それを近赤外光に感度のあるカメラもしくはイメージセンサなどの撮像系で撮影することで得られる。血液中のヘモグロビンは、近赤外光を良く吸収するため、血管部分で光が吸収され、周辺組織に比べて暗く写る。この明暗の差による紋様が血管パターンとなる。
血管パターンを利用する血管画像入力装置として、下記特許文献1に開示されている手の甲の静脈画像を利用するものや、特許文献2に述べられている手のひらの静脈画像を利用するものがある。これらの血管画像入力装置においては手の甲や手のひらなどの大面積画像を取得するために撮像手段は、二次元固体撮像素子であり、結像光学系による画像の取得に対し撮像物体が大きくなるため撮像装置全体がかなり大きくなってしまう問題があった。
このように撮像装置の大型化を避けるため手の指の血管画像を入力する血管画像入力装置が、特許文献3,4又は5に開示されている。指は、手の甲やひらに比べて撮像エリアが小さくその点では撮像装置を小型にできる。
特許文献3,4に述べられている装置は、指を照明する光源部とカメラ部が対向配置され、少なくとも一方は指に対して非接触であり、また、カメラ部において二次元固体撮像素子が用いられている。このため、撮像装置の小型化に対しては十分ではなかった。
そこで、特許文献5に開示されているような、指を装置に載置し側方より照明する装置が考案されている。
図9は、特許文献5に述べられている指血管画像の入力装置の概略図である。
血管画像入力装置100において、指102を載置するガイド溝108の左右に指を照明する光源部104、指先に当たる部分にボタンスイッチ118がある。光源部104における遮光板116上の近赤外光源114からの光が、光源開口部106を通して指102に入射する。撮影開口部110を介してカメラ部112で指内部を透過してきた光線を利用して血管画像を撮影している。
特開平10−295674号公報
特開2004−062826号公報
特開平7−21373号公報
特開2001−273497号公報
特開2004−265269号公報
特許文献5の図9の構成における撮像手段は、特に明示されていないが、二次元固体撮像素子であり、指の先端から指の根元までを撮像するためには、指の長さに対応した撮像領域が必要となる。
図10は、この二次元固体撮像素子による指の撮像領域を示す模式図である。
図10から分かるように、カメラ部112は、二次元固体撮像素子から成る撮像素子120と、指内部を透過してきた光線を指102の静脈パターンVPを反映した血管画像として撮像素子120に結像させる結像光学系としてのレンズ光学系121とを有する。カメラ部112は、指全体の撮像領域Aを確保するため、指102との間を離して設置する必要がある。一般に二次元固体撮像素子はコストの観点から極力小さいものが要求され、レンズ光学系の縮小率は大きくなりがちであり、その結果指と撮像素子との距離は大きくなる傾向にある。またレンズの径を大きくし、画角を広く取る必要がある。
特許文献5の中には、小型化のために鏡による光学系の折り返し構造なども開示されている。しかし、固体撮像素子として二次元固体撮像素子を使用しているうえ、開示されている図面の光学的な構成も折り返しに適した方向ではなく、十分に光学的検討を加えたものとは言い難い。このように装置の小型化を考えた提案がなされているものの、上記構成での小型化ではなお不十分である。
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたもので、装置の小型化及び低コスト化を図ると共に、より安定して精細な血管画像の取得することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の血管画像入力装置は、少なくとも指の内部を透過する光を発する照明手段と、1ライン以上の画像読取り部を有する撮像手段と、指の部分画像を前記撮像手段に結像する結像手段とを有し、指を移動させて撮像領域を走査して一連の前記部分画像を取得する血管画像入力装置であって、更に一連の前記部分画像の相対位置情報を求め、前記指全体の血管画像を取得する画像処理手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、指を移動させて撮像領域を走査することにより、撮像手段を簡略化し、かつ画像処理手段を用いて指の部分画像から指全体の血管画像を再構成しており、従来の装置以上に小型化を実現し、安定で精細な画像を取得することができる。それにより、認証率の向上した血管画像入力装置、及びこれを用いた個人認証システムを安価に提供することができる。
以下、本発明にかかる血管画像入力装置の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態では、指を移動させて一連の部分画像を取得し、部分画像に写し込んだ静脈画像(血管画像)と指紋・皺画像(表面画像)を利用する。部分画像の位置情報を求め、この位置情報を用いて静脈画像を再構成するものである。
本実施形態では、指を移動させて一連の部分画像を取得し、部分画像に写し込んだ静脈画像(血管画像)と指紋・皺画像(表面画像)を利用する。部分画像の位置情報を求め、この位置情報を用いて静脈画像を再構成するものである。
(装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態における血管画像入力装置の側面図、図2は、同血管画像入力装置の基本部分についての斜視図、図3は、同血管画像入力装置の光源配置を示す断面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態における血管画像入力装置の側面図、図2は、同血管画像入力装置の基本部分についての斜視図、図3は、同血管画像入力装置の光源配置を示す断面図である。
本実施形態において、指1が載置されるガイド板2の下方に結像手段である結像光学系と、画像読取り部を有する撮像手段である固体撮像素子7が配置される。また、指1の側面上部と側面下部に照明手段である光源41,42が配置される。ガイド板2上に沿って、指1を走査すること、すなわち一定方向(図中矢印Pで示す水平方向)に移動して撮像領域を走査する。これにより、主に指1の第1関節と第2関節との間の部分に存在する皮下の静脈と指紋・皺を同一の固体撮像素子7で撮影する。ガイド板2の画像取り込み部分には、可視光カットフィルタ3が設置されている。光源41,42により指1を照射しながら、指1を走査させて一連の指静脈画像の部分画像(フレームごとの画像)を取得する。取得した一連の部分画像を使って全体の静脈画像を再構成する。これから静脈パターンを抽出し、特徴点抽出のアルゴリズム等を用いて認証を行う。
本実施形態は、部分画像に静脈画像と指紋・皺画像を写し込み、全体画像再構成のための位置情報として、まず、その指紋・皺画像を使う。静脈パターンは一般に粗い。指1を走査させながら、重なり部を有する一連の部分画像を取得しても、重なり部分の画像が粗くて、重なり情報から全体画像を再構成しても、精度の悪いものになる。そこで精度良い再構成を、静脈画像でも実現するために、1つの撮像素子で、静脈情報、皮膚表面情報を含んだ部分画像を得るようにする。この皮膚情報は、指紋に代表されるように、静脈に比べ細かいパターンとなっているので、重なり部の指紋情報から、その部分画像の位置情報を取得することができる。
この位置情報を用いて、静脈の全体画像を再構成することができる。同一の撮像素子で、静脈画像に加え、位置情報検出のための指紋・皺画像も取得できる。エンコーダ等のような位置情報検出のための特別な装置を用いることなく、結像光学系や取り込み系も共通化できる(1つのものでよい)ので、装置全体を従来のものよりも小型化でき、低コスト化することができる。
近赤外光としては、一般に血管以外の生体に吸収されにくく、血管のコントラストを得やすい700−1000nmを用いるが、本実施形態では950nmの波長を用いた。第1の照明手段である近赤外光の光源41を指1の側面上部に配置する。この近赤外光を指1の側面に照射し、指内部を散乱透過してきた近赤外光により指内部の静脈が照明される。矢印は指内での散乱透過光Qを示す。このとき指表面の散乱反射光が、極力結像光学系に入らないようにする。
指1から出てきた静脈画像を含む透過近赤外光は、可視光カットフィルタ3を介して結像光学系に入射する。また第2の照明手段である別の近赤外の光源42を指1の側面下部に配置する。これらは可視光カットフィルタ3を介して、指1の腹部表面を照射する。ここでは指表面画像(指紋や皺)を取得するために、指表面の散乱反射光を利用している。
近赤外光は生体での吸収は少ないが、生体での散乱は大きい。特に表皮成分は散乱が強い。この特性を用い近赤外光の表皮部分の散乱反射光を用いることにより、指表面画像を得ることができる。可視光カットフィルタ3を用いているので、外光の影響を排除することができる。光源41と光源42の光量は、指の静脈パターンと指紋パターンが共に画像に写し込まれるように調整する。つまり光源41による透過光が、光源42による散乱反射光により遮蔽されない条件とする。
結像光学系として、反射鏡5を介して屈折率分布型レンズアレイ6を配置する。これにより指の走査方向に結像光学系を配置できるので、装置を大幅に小型化できる。ただし皮下の静脈は、指紋・皺と同一面になく、また立体的に分布しているので、結像光学系の被写界深度は極力深いものを選択する。更に反射鏡を使い折り曲げ光学系を使う場合は、短焦点レンズを使っても小型化することができる。結像部分には、少なくとも1ラインのライン状の固体撮像素子7を配置する。固体撮像素子7は、指1の走査範囲と撮像範囲を考慮し、光学系の配置を考慮すると短冊状の形態が好ましい。具体的には、複数ラインからなる短冊状の形態、つまり複数ラインから成るライン形状のものを用いた。
(画像の取得方法)
次に、前記血管画像入力装置により取得した指画像(静脈画像と指表面画像)の部分画像と、それを用いて全体画像の再構成を実現する方法を説明する。
次に、前記血管画像入力装置により取得した指画像(静脈画像と指表面画像)の部分画像と、それを用いて全体画像の再構成を実現する方法を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態における位置情報検出方法と全体画像再構成方法を説明する図である。
図4(a)は、一連の指画像(静脈画像と指表面画像)の部分画像、図4(b)は、図4(a)の部分画像から指表面画像のみを、図5に示す方法により抽出した部分画像を示す。図4(c)は、図4(b)から、各部分画像の重なり情報(位置情報)を利用して再構成した指表面画像の全体画像を示す。
画像読み取りを開始し、指を走査させながら複数ラインからなるライン形状の撮像素子を用いて、一定期間ごとに(一定フレームレート)撮影する。このとき図4(a)に示すように複数の短冊状部分画像が得られる。前記一定期間は、予想される最大走査速度で、指を走査した場合にも、撮像素子が、毎回、前回撮影した指の範囲の一部を含んだ指の範囲を撮影できるように定める。このようにして取得した部分画像を組み合わせて全体画像を再構成する。各部分画像の重なり情報を利用して指表面画像の全体画像を再構成するが、最も単純な方法は、各部分画像を平行移動させながら、それぞれの画像が一致するときの移動量を求める。この各部分画像ごとの平行移動量が位置情報となる。
各部分画像は、それぞれが隣合う部分画像と重なり部分を有しているが、単純な連続画像ではない。またそれぞれの部分画像には、静脈の部分画像と指紋の部分画像が写し込まれている。本実施形態においては、部分画像に写し込まれた指紋・皺画像を使って、この部分画像の位置情報を求める。
まず、これら部分画像から静脈画像と指表面画像を分離し、指表面画像を抽出する。次に、これら指表面画像(指紋や皺)を用いて、各部分画像の位置情報を求める。元の部分画像から指表面画像のみを分離することで、部分画像ごとの位置情報検出の精度を上げることができる。このとき静脈画像は位置情報検出には使わないので、分離しないとノイズとなる。この位置情報を使って、指領域全体の静脈画像を再構成する。
以下、部分画像から指表面画像のみを分離する方法の原理を説明する。
図5は、血管パターン(静脈)と指表面の指紋・皺パターンの分離を示す図、図6は、両パターンの空間周波数成分で表す図である。
図5(a)に示すように、一般に血管パターン(静脈)は、指表面の指紋・皺パターンに比べ粗い。血管パターン(静脈)と指表面の指紋・皺パターンの写った画像をフーリエ変換して、空間周波数成分で表すと、模式的に図6のようになる。指紋・皺パターンは高周波側に、血管パターン(静脈)は低周波側に分布する。そこで閾値としてu0を設け、u0以下の低周波成分を除去する処理を行うことにより、指紋・皺パターンのみを抽出することができ、図5(b)のような指紋・皺の画像が得られる。同様に高周波成分のみを除去すれば、図5(c)のような血管パターンのみの画像が得られる。本実施形態では、位置情報を得るために、高周波側に分布する指紋・皺画像を利用する。
この方法により、各部分画像ごとに指紋・皺画像を抽出した部分画像が図4(b)となる。この部分画像はそれぞれ隣合う部分画像と重なり部分を有しているので、その重なり部分を一致させる処理をすることにより、図4(c)に示す指表面画像の全体画像を再構成することができる。図4(c)では指表面画像の全体画像を示しているが、指表面画像の全体画像を再構成することは必ずしも必要ではなく、それぞれの部分画像の相対位置情報、すなわち重なり部分から求められるずらし量が得られればよい。このとき得られた部分画像の相対位置情報を用いて、指画像(静脈画像と指表面画像)の全体画像を再構成する。この再構成された全体画像から、前記方法で静脈画像を抽出する。なお、指全体の表面画像を取得した場合、第3の実施形態に記載されているように個人認証システムとして利用することができる。
上記の場合、再構成した後の全体画像から、静脈全体画像を分離抽出したが、部分画像から指紋・皺画像を抽出する際、静脈画像を抽出してもよい。抽出した指紋・皺の部分画像から相対位置情報を取得し、この情報を用いて、抽出した部分静脈画像をつなぎ合わせ、全体画像を再構成してもよい。ただしこの場合計算量が増えてしまう可能性がある。
また静脈と指紋・皺が写ったままの部分画像から、部分画像の相対位置情報を求めてもよい。その情報を用いて静脈、指紋・皺画像の全体画像を再構成する。この全体画像から、前記方法により静脈パターンの全体画像を抽出してもよい。相対位置情報の精度が落ちるが、計算量は最も少なくなる可能性がある。
上述したように、血管を撮影する撮像素子で撮影した画像を用いて部分画像の位置情報を求めているので、位置情報を検出するための特別な機構を必要としない。その分小型化できる。同時に画像を取得して、後から分離しているので、フレームレートに何ら影響ない。静脈情報だけでなく、指紋情報からも認証を行うことができ、認証精度を上げることができる。光源の構成、光源選択等の制御だけを行えばよいので、撮像素子側には何ら特別なものは求められない。
なお、照明手段について指1の側面上部に光源41を、指1の側面下部に別の光源42を載置した例について説明したが、照明手段は、指1の側面上部に光源41のみでもよい。光源41は、指1の内部を透過する光を発するものであるが、光源の照明条件、例えば指1に対する照射角度を変えることにより、静脈パターンのみならず、指紋・皺も写すことができる。また、光源41を、反射光が直接センサに入らないようにしながら、指先下部あるいは指腹下部に配置することもできる。光源41は指内散乱光を生成するためにあるので、画像取り込み部より前後に離れて配置できる。側面上部に光源を配置する場合よりも、静脈に近い指の腹側から光を指内に入射させるので、静脈を有効に照明することができる。照射光を有効に使うことができる。この配置により更に小型化をすることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態における血管画像読取り装置の基本構成は第1の実施形態と同様である。指紋・皺パターンと静脈パターンを比較すると、両者は空間周波数の分布が異なる。第1の実施形態では、その性質を利用して両者を分離した。指紋・皺パターンに比べ、静脈パターンは粗いので、その部分画像は必要以上に細かく撮る必要はない。一方位置情報を検出するために指紋・皺パターンは、細かく撮る必要がある。
本実施形態における血管画像読取り装置の基本構成は第1の実施形態と同様である。指紋・皺パターンと静脈パターンを比較すると、両者は空間周波数の分布が異なる。第1の実施形態では、その性質を利用して両者を分離した。指紋・皺パターンに比べ、静脈パターンは粗いので、その部分画像は必要以上に細かく撮る必要はない。一方位置情報を検出するために指紋・皺パターンは、細かく撮る必要がある。
そこで本実施形態では、一定の早いフレームレートで指紋・皺のみの部分画像を取得し、必要に応じて静脈の部分画像を取得する。つまり光源42の点灯周期と、光源41の周期を変え、光源42の点灯周期は基本フレームレートに一致させ、光源41の点灯周期はそれよりも遅い周期とする。部分静脈画像を撮るときは指紋・皺画像も同時に撮っても撮らなくともよい。光源41と光源42を同時に点灯させないという条件で、別々に撮れば、それぞれの画像に最適化された照明条件とすることができるので、分離されたそれぞれの部分画像から全体画像を再構成する場合、再構成の精度を上げることができる。また一般に静脈画像を取得する場合の方が感度を必要とする場合が多いので、部分静脈画像を取得するときは、更に撮像素子の蓄積時間を、指紋・皺の部分画像を取得する場合に比べ長くし、高感度状態で撮影してもよい。
[第3の実施形態]
次に、上記の血管画像入力装置を用いた個人認証システムの実施形態を説明する。
次に、上記の血管画像入力装置を用いた個人認証システムの実施形態を説明する。
図7は、本発明による第3の実施形態を構成する個人認証装置のブロック図、図8は、同実施形態を構成する血管画像入力装置のブロック図である。
図7に示す個人認証システムは、前述の固体撮像素子7から構成される撮像部201、その周辺回路部202、LEDチップに搭載されるLED203を有する血管画像入力装置200と、この血管画像装置200に接続される血管画像照合装置300とを備える。周辺回路部202は、前記固体撮像素子7に形成されている。
図8に示すように、周辺回路部202は、制御回路(駆動回路)1021と、クランプ回路1022と、A/Dコンバータ1023と、通信制御回路1024と、レジスタ1025と、LED制御回路1026と、タイミング発生器1028とを含む。
制御回路1021は、撮像部201の動作を制御するものである。A/Dコンバータ1023は、撮像部201から出力される指の血管画像に関する画像に応じたアナログ撮像信号を、クランプ回路1022を介しアナログ信号からデジタル信号に変換するものである。レジスタ1025が接続される通信制御回路1024は、A/Dコンバータ1023にて変換されたデジタル信号を血管画像の画像信号として外部の装置(インターフェースなど)にデータ通信するためのものである。LED制御回路1026は、LED203の発光を制御するものである。タイミング発生器1028は、外部の発振子1027から供給される基準パルスに基づき上記回路1021〜1026の動作タイミングを制御する制御パルスを発生する。
周辺回路部202を含む回路は、上記に限らず、別種の回路を含めてもよい。他方、上記の回路の一部を不図示の別チップとしてもよい。
血管画像照合装置300は、入力インターフェース211と、血管画像照合手段である画像処理部212と、血管画像登録手段である血管画像データベース213及び出力インターフェース214とを備える。
入力インターフェース211は、周辺回路部202の通信制御部から出力される通信データが入力され、画像処理部212は、入力インターフェース211に接続される。画像処理部212には、血管画像データベース213及び出力インターフェース214が接続される。出力インターフェース214は、使用やログイン等に際しセキュリティ確保等のため個人認証が必要とされる電子機器(ソフトウエアも含む)に接続される。
ここで、血管画像データベース213には、予め個人認証すべき対象者の指の血管画像が登録されている。ここでの対象者は、一人でも複数人でも構わない。
対象者の血管画像は、対象者の個人認証情報として、初期設定時や対象者追加時などに予め血管画像入力装置200から入力インターフェース211を介し入力される。
血管画像入力装置200により読み取られた血管画像は、入力インターフェース211を介し画像処理部212に入力される。画像処理部212は、血管画像データベース213の登録画像と一致するか否かを既知の血管画像照合用画像処理アルゴリズムを基に照合し、血管画像の一致又は不一致という照合結果を個人認証信号として出力インターフェース214を介し出力する。
なお、この例では、血管画像入力装置200と血管画像照合装置300を別デバイスで構成しているが、本発明はこれに限らず、必要に応じ血管画像照合装置300の少なくとも一部の機能を血管画像入力装置200の周辺回路部202内に一体に構成してもよい。また、この例の個人認証システムは、個人認証が必要とされる電子機器内に一体に組み込んで構成しても、電子機器と別体で構成しても構わない。
また、実施形態1から2の血管画像入力装置を用いた個人認証システムでは、取得した血管画像と指紋画像(表面画像)の両方を使って、個人認証を行うこともできる。例えば血管画像が登録血管画像と一致する場合と、指紋画像が登録指紋画像と一致する場合で、セキュリティを高めることができる。血管画像あるいは指紋画像の画像認証だけでは認証率が低い場合、両方の画像を取得し、どちらか一方の画像が一致すること認証を行い、認証のエラー率を下げることもできる。この場合、血管画像入力装置200及び血管画像照合装置300は、指紋画像と血管画像の両者を対象とした装置となる。
1…指
2…ガイド板
3…可視光カットフィルタ
41,42…光源
5…反射鏡
6…屈折率分布型レンズアレイ
7…固体撮像素子
2…ガイド板
3…可視光カットフィルタ
41,42…光源
5…反射鏡
6…屈折率分布型レンズアレイ
7…固体撮像素子
Claims (16)
- 少なくとも指の内部を透過する光を発する照明手段と、1ライン以上の画像読取り部を有する撮像手段と、指の部分画像を前記撮像手段に結像する結像手段とを有し、指を移動させて撮像領域を走査して一連の前記部分画像を取得する血管画像入力装置であって、更に一連の前記部分画像の相対位置情報を求め、前記指全体の血管画像を取得する画像処理手段を有することを特徴とする血管画像入力装置。
- 前記指の部分画像は、血管画像及び表面画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の血管画像入力装置。
- 前記画像処理手段は、前記相対位置情報を前記部分画像から抽出された一連の部分表面画像から求めることを特徴とする請求項2に記載の血管画像入力装置。
- 前記部分画像から表面画像の抽出は、フーリエ変換された画像の空間周波数成分により分離して行うことを特徴とする請求項3に記載の血管画像入力装置。
- 前記画像処理手段は、前記相対位置情報を前記血管画像及び表面画像を含む一連の部分画像から求めることを特徴とする請求項2に記載の血管画像入力装置。
- 前記画像処理手段は、前記相対位置情報により指の全体画像を求め、前記全体画像から血管画像を抽出して前記指全体の血管画像を再構成することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の血管画像入力装置。
- 前記画像処理手段は、前記指の部分画像から血管画像を抽出し、前記抽出した一連の部分血管画像から前記相対位置情報により前記指全体の血管画像を再構成することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の血管画像入力装置。
- 前記照明手段は、指の内部を透過する光を発する第1の照明手段と、更に指の表面を反射する光を発する第2の照明手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の血管画像入力装置。
- 第1の照明手段の点灯により前記指の部分血管画像を結像させ、第2の照明手段の点灯により前記指の部分表面画像を結像させることを特徴とする請求項8に記載の血管画像入力装置。
- 前記第1の照明手段の点灯周期は、前記第2の照明手段の点灯周期よりも遅いことを特徴とする請求項9に記載の血管画像入力装置。
- 前記撮像手段における前記指の血管画像の像蓄積時間は、前記指の表面画像の像蓄積時間よりも長いことを特徴とする請求項9又は10に記載の血管画像入力装置。
- 第1の照明手段と第2の照明手段は、同時に点灯させないことにより前記指の部分血管画像と部分表面画像を分離して取得することを特徴とする請求項9に記載の血管画像入力装置。
- 前記画像処理手段は、更に前記指全体の表面画像を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の血管画像入力装置。
- 指の内部を透過する光を発する照明手段と、1ライン以上の画像読取り部を有する撮像手段と、指の部分画像を前記撮像手段に結像する結像手段とにより、指を移動させて撮像領域を走査して一連の前記部分画像を取得する血管画像取得方法であって、更に画像処理手段により一連の前記部分画像の相対位置情報を求め、前記指全体の血管画像を取得することを特徴とする血管画像取得方法。
- 請求項1に記載の血管画像入力装置により読み取られた前記指全体の血管画像を被検体の識別情報として予め登録する血管画像登録手段と、前記血管画像入力装置により読み取られた前記指全体の血管画像と前記血管画像登録手段の登録画像とが一致するか否かを照合し、その照合結果を個人認証信号として出力する血管画像照合手段とを備えたことを特徴とする個人認証システム。
- 請求項13に記載の血管画像入力装置により読み取られた前記指全体の血管画像及び表面画像を被検体の識別情報として予め登録する画像登録手段と、前記血管画像入力装置により読み取られた前記指全体の血管画像及び表面画像と前記画像登録手段の登録画像とが一致するか否かを照合し、その照合結果を個人認証信号として出力する画像照合手段とを備えたことを特徴とする個人認証システム。
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