JP4665214B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
即ち、図6において、車両前照灯1は、LEDヘッドランプとして構成されており、前面が開放した樹脂製の筐体2と、この筐体2内に設けられた複数個(図示の場合、三個)のLEDランプユニット3と、上記筐体2の前面を覆うように筐体2に取り付けられた透光性樹脂材料から成る前面レンズ4と、から構成されている。
さらに、上記各LEDランプユニット3は、図示の場合、互いに一体に構成されていると共に、筐体2の背面に対して支持されている。
その際、各LEDランプユニット3は、筐体2の背面から外部に露出している部分がヒートシンク3dを構成するようになっている。
このため、前面レンズ4から前方に向かって照射される光の一部が、この前面レンズ4の外面への着雪によって遮光されるので、前方への照射光の光量が少なくなり、視認性が低下してしまうことになる。
しかしながら、このようなヒータ6の設置は、前面レンズ4の光透過率を低下させることになり、前方への照射光の光量が低下すると共に、前面レンズ4へのヒータ6の付着性(取り付け)の問題があり、さらには樹脂製の前面レンズ4の断熱作用により、前面レンズ4の外面が十分に加温されず、温度ムラが発生することがある。
この構成によれば、炭素系発熱体が給電により発熱し、前面レンズを加熱することになる。従って、前面レンズの温度が比較的高くなるので、例えば降雪時等に、前面レンズの外面に雪が付着すると、前面レンズの熱によって溶けることになり、前面レンズに雪が堆積してしまうようなことはない。
この自動車用照明灯によれば、加熱体が給電により発熱して、光透過カバーの温度が比較的高くなる。これにより、光透過カバーの前面に付着した氷雪が融解されることになり、光透過カバーに雪が堆積してしまうようなことがない。
従って、前面レンズに付着した雪が、前面レンズの温度上昇によって融解することになるので、前面レンズに雪が堆積してしまうようなことはない。
また、上記可視光カット手段が、補助光源から前面レンズへの光路から退避可能であるので、前面レンズの外面への着雪を融解させるとき、可視光カット手段が光路中に挿入された状態にて、ハロゲン電球から可視光カット手段を介して赤外光のみを前面レンズに照射することになる。このため、LEDランプユニットによる前方への光の照射領域以外への可視光の照射が防止され得ることになると共に、補助光源を補助灯として使用するときには、可視光カット手段を光路から退避させることによって、ハロゲン電球からの可視光が、前面レンズを通って自動車の進行方向に対して側方に照射され、補助灯として作用することになる。
さらにまた、上記補助光源からの光が、上記前面レンズのLEDランプユニットからの光入射領域の下方領域に入射するので、前面レンズのLEDランプユニットからの光入射領域の下方領域に対して、補助光源からの光が入射することにより、前面レンズの下方領域が加熱され、熱が前面レンズの光入射領域に伝達される。従って、前面レンズのLEDランプユニットからの光入射領域付近も温度上昇することになるので、この光入射領域付近にて前面レンズの外面に付着した雪が融解し始めると、前面レンズの表面に沿って下方に移動するので、LEDランプユニットからの光の光量低下がより迅速に排除され得ると共に、下方に移動した着雪は、補助光源からの光の入射により融解され得る。
また、補助光源は、前面レンズへの着雪の融解だけでなく、フォグランプまたはAFSにおける追加光源式側方照射ランプ等の補助灯の光源として作用するので、使用頻度が高くなり、有効に利用することができる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明を適用した車両前照灯の第一の実施形態の構成を示している。 図1において、車両前照灯10は、LEDヘッドランプとして構成されており、前面が開放した樹脂製の筐体11と、この筐体11内に設けられた複数個(図示の場合、三個)のLEDランプユニット12と、上記筐体11の前面を覆うように筐体11に取り付けられた透光性樹脂材料から成る前面レンズ13と、補助光源としてのフォグランプ20と、着雪センサ30と、から構成されている。
さらに、上記各LEDランプユニット12は、図示の場合、互いに一体に構成されていると共に、筐体11の背面に対して支持されている。
その際、各LEDランプユニット12は、筐体11の背面から外部に露出している部分がヒートシンク12dを構成するようになっている。
即ち、上記筐体11に対して、フォグランプ20及び着雪センサ30が組み込まれている。
その際、筐体11は、少なくともLEDランプユニット12とフォグランプ20との間の領域に断熱部11aを備えている。これにより、フォグランプ20は、LEDランプユニット12に対して熱遮蔽されることになる。
その際、上記フォグランプ20からの光L2は、上記前面レンズ13の前述した各LEDランプユニット12からの光L1が入射する光入射領域13a全体に入射するようになっている。
そして、上記着雪センサ21は、光学センサの検出信号に基づいて、前面レンズ13の外面への着雪の有無を検知するようになっている。
尚、フォグランプ20は、前面レンズ13への着雪の有無と関係なく、スイッチ33をオンすることによっても、駆動回路32により点灯され得るようになっている。
従って、判定回路31は、着雪センサ21の検出信号に基づいて、確実に着雪を検知することができる。
そして、フォグランプ20から出射した光L2は、前面レンズ13の光入射領域13aに入射する。この場合、光L2は、ハロゲン電球21による光であるので、赤外光を多く含んでおり、この光入射領域13aを加熱することになる。
図4は、本発明を適用した車両前照灯の第二の実施形態の構成を示している。 図4において、車両前照灯40は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であって、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯40は、図1に示した車両前照灯10とは、フォグランプ20の光L2が、前面レンズ13の前述した光入射領域13aの下側の下方領域13bに入射するように構成されている点でのみ異なる構成になっている。
そして、フォグランプ20から出射した光L2は、図4に示すように、前面レンズ13の下方領域13bに入射し、この下方領域13bを加熱する。これにより、この熱が前面レンズ13の光入射領域13aにも伝達され、この光入射領域13aも温度上昇することになるので、この光入射領域13a付近にて前面レンズ13の外面に付着した雪Sの接触面付近が融解する。
そして、前面レンズ13の下方領域13bがフォグランプ20からの光L2でより高い温度に加熱されていることにより、下方領域13bにて雪Sが確実に融解され得ることになる。
図5は、本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示している。
図5において、車両前照灯50は、すれ違いビーム用のLEDランプユニット及び走行ビーム用のハロゲンランプユニットを備えた所謂四灯式ヘッドランプとして構成されており、前面が開放した樹脂製の筐体51と、この筐体51内に設けられた複数個(図示の場合、三個)のLEDランプユニット52及びハロゲンランプユニット53と、上記筐体51の前面を覆うように筐体51に取り付けられた透光性樹脂材料から成る前面レンズ54と、補助光源としてのフォグランプ55と、着雪センサ56と、から構成されている。
これに対して、LEDランプユニット52は、図示しないシャッタ等によりカットオフラインを形成して、所謂すれ違いビームの配光パターンを形成するようになっている。
尚、上記赤外光L2’は、前面レンズ54のうち、LEDランプユニット52からの光L1が入射する光入射領域52a全体に入射するようになっている。
また、ハロゲンランプユニット53に給電することにより、ハロゲンランプユニット53から光L3が出射し、前面レンズ54を介して前方に向かって照射され、例えば走行ビームの配光パターンの範囲を照明するようになっている。
そして、フォグランプ55から出射した光L2は、前面レンズ54の光入射領域54aに入射する。この場合、光L2は、可視光カットフィルタ55aを透過した赤外光L2’であるので、この光入射領域54aを加熱することになる。
この場合、前面レンズ54を透過した光L2’(赤外光)は、自動車の前方に対して斜め側方に照射されるが、赤外光であるため、幻惑光となることはない。
11,51 筐体
11a 断熱部
12,52 LEDランプユニット
12a,52a LED素子
12b,52b リフレクタ
12c,52c 投影レンズ
12d,52d ヒートシンク
13,54 前面レンズ
13a,54a 光照射領域
20,55 フォグランプ(補助光源)
21 ハロゲン電球
22 リフレクタ
30,56 着雪センサ
31 判定回路
32 駆動回路
33 スイッチ
52 ハロゲンランプユニット
52a ハロゲン電球
52b リフレクタ
Claims (5)
- 前方が開放した筐体と、この筐体内で前方に向かって光を照射するように配置されたそれぞれ少なくとも一つのLED素子を有する少なくとも一つのLEDランプユニットと、上記筐体の開放した前面を閉じる透光性材料から成る前面レンズと、を含んでいる車両前照灯において、
さらに上記筐体内にて自動車の前方に対して外側方に向けて設けられ、ハロゲン電球を含む赤外光成分を照射する光源から成り、上記前面レンズにおける上記LEDランプユニットからの光入射領域の下方領域に赤外光成分を照射する補助光源を備えており、
上記補助光源が、上記前面レンズへの光路から退避可能な可視光カット手段を有し、
上記補助光源からの赤外光成分が、上記前面レンズに対して入射することにより、上記前面レンズの外面への着雪を融解させることを特徴とする、車両前照灯。 - 上記筐体及び前面レンズにより画成される内部空間内に、前面レンズの外面への着雪を検出するセンサが設けられており、
このセンサが着雪を検出したとき、上記補助光源が駆動されることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。 - 上記補助光源が、フォグランプ、または追加光源式側方照射ランプを含む補助灯として作用することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
- 上記補助光源からの光が、上記前面レンズの面のうち少なくともLEDランプユニットからの光入射領域に入射することを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の車両前照灯。
- 上記補助光源が、LEDランプユニットに対して熱遮蔽されていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の車両前照灯。
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