JP4665153B2 - 高性能自動調光遮熱ガラス調光層膜厚の決定方法 - Google Patents

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本発明は、調光機能と断熱機能を併せ持つ高性能自動調光遮熱ガラスにおける、調光膜の膜厚の決定方法及び該方法に基づいて作製された調光遮熱ガラスに関するものであり、更に詳しくは、酸化バナジウム系調光膜を被膜した透明基板よりなる、自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚として、自動調光遮熱ガラスの可視光調光率が正の値を取る膜厚の範囲、及び、低温時の可視光透過率が、調光膜の厚さの増加に対して低下しないか、もしくは、その低下率が10%以内にある膜厚の範囲、の両者を満足する値を選択することで、反射防止膜の導入がなくても、高い可視光調光率と高い可視光透過率を得ることを可能とする、酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚の決定方法、及び当該方法に基づいて作製された自動調光遮熱ガラスに関するものである。
本発明は、例えば、建築物や、自動車、列車、船舶、飛行機等の移動体に、省エネルギー、快適住居性能、環境浄化、健康志向等の複数の機能を同時的に付加することを可能とする多機能自動調光遮熱ガラスに関する技術分野において、適切な調光膜の膜厚を決定する方法、及び当該方法を利用して作製された、反射防止膜を導入しなくても、高い可視光調光率と高い可視光透過率が得られる、酸化バナジウム系調光膜を有する自動調光遮熱ガラスを提供するものとして有用であり、また、本発明は、住宅、オフィスビル等の建築物や、自動車等の移動体に、例えば、それらの窓ガラスとして適用することができ、省エネルギーを達成し、室内の快適な照度を制御することが可能な自動調光遮熱ガラスを提供するものとして有用である。
従来の調光可能な省エネルギー窓ガラスとしては、例えば、エレクトロクロミック(EC:電圧の印加により可逆的に着色と消色で調光する)やガソクロミック(GC:ガスの導入により着色と消色で調光する)ガラスが報告されている。しかし、それらの窓ガラスでは、構造が複雑であったり、調光を実施するために、余分の設備(例えば、電圧印加系やガス導入系)が必要であること等が、コストの上昇の原因となり、その普及が遅れている。また、可視光(380〜760nm)に対しては透明性で、赤外線(熱線)を反射する低放射ガラス(Lo−Eガラス)、或いは、単に、日射熱を反射する熱線反射ガラス等が報告されている(非特許文献1参照)。しかし、それらのガラスは、いずれの状況においても、固定された光学特性でもって熱線を反射するに過ぎず、例えば、冬季等に積極的に太陽光熱を室内に取り入れる機能、すなわち、環境温度に応じて、自動的に調光遮熱する機能を有するものではない。
一方、二酸化バナジウム(VO)結晶は、68℃で半導体・金属相転移により、サーモクロミック(温度による光特性の可逆な変化)特性を示し、また、タングステン(W)等の金属元素の添加により、その転移温度を室温付近まで下げることができるので、この材料を用いた、環境温度に応じて、太陽光を自動的に調節することができる窓コーティング材料が報告されている(非特許文献2参照)。二酸化バナジウム系調光ガラスは、構造が非常に簡単な上、環境温度の変化によって自然に調が行われるため、余分な設備を必要としない利点を有する。しかし、従来型の二酸化バナジウム系調光材料は、もともと、可視光を含めて短波長で強い吸収を示すため、可視光透過率が小さいという欠点がある。そこで、可視光透過率を向上させるには、適切な光学定数を持つ透明材料による、反射防止薄膜の導入が有効であるが(特許文献1及び2参照)、こうした方法は、異なる物質からなる多層薄膜系を形成しなければならないため、その製造プロセスの複雑化及びコストの上昇を避けられない欠点を有している。
他にも、熱によって調光する窓コーティング材料として、例えば、特殊ハイドロゲルを使った自律応答型熱調光ガラス等が報告されている(非特許文献3参照)。しかし、この種の材料は、優れた調光性を示す一方で、調光時には、熱でガラスが白濁となり、外が見えなくなるために、クリアな視界が常に要求される、建築物や、特に、自動車のような移動体の窓材料には適応しにくい欠点を有している。
特開2004−4795号公報 特開2003−94551号公報 ニューガラスハンドブック、ニューガラスハンドブック編集委員会編、1991年、丸善 S.M. Babulanam, T.S. Eriksson, G.A. Niklasson and C.G. Granqvist: Solar Energy Matrials 16(1987)347 太陽エネルギー、1997年、第23巻、第49頁
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記の諸問題を解決するために、多くの実験を積み重ねた結果、薄膜系光学原理及び調光膜の物性に基づいた、新しい構造決定法を採用することにより、酸化バナジウム系単層薄膜系の高性能自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚の新しい決定方法、及び、当該決定方法に基づいて作製された高性能自動調光遮熱ガラスを提供することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、低温時の可視光透過率がほとんど低下することがなく、なおかつ可視光調光率を最大限に向上できる薄膜構造の決定方法、及び、当該方法に基づいて作製した、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することを目的とするものである。また、本発明は、光学原理及び光学計算に基づいて、酸化バナジウム系調光膜の適切な厚さを決定することにより、反射防止被膜を施さなくても可視光透過率の低下がほとんどなく、かつ、最大限に可視光調光率を向上できる、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することを目的とするものである。また、本発明は、太陽光(300〜30000nm)エネルギーの半分を占める、可視光領域(380〜760nm)の調光率を向上することにより、省エネルギー対策に大きく寄与することを目的とするものである。また、本発明は、可視光の透過率を高く維持することにより、常に透明で、良好な視界を確保することができる、窓ガラス等に有用な、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することを目的とするものである。更に、本発明は、簡単な構造で、高価な付帯設備を必要としない、高性能自動調光遮熱ガラスの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するための、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)透明基板表面に酸化バナジウム系調光膜を被膜した自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚を決定する方法において、酸化バナジウム系調光膜が、酸化バナジウム、金属元素を添加した酸化バナジウム、非金属元素を添加した酸化バナジウム、又は化合物を添加した酸化バナジウムのいずれか一つであり、その膜厚を、50〜90nmの範囲で、
(a)自動調光遮熱ガラスの可視光調光率酸化バナジウムの20℃における半導体相の可視光透過率からその80℃における金属相の可視光透過率を引いた差が、正の値を取る膜厚の範囲、及び、
(b)20℃における低温時の自動調光遮熱ガラスの可視光透過率が、調光膜の厚さの増加に対して低下しないか、もしくは、その可視光透過率が10%以内しか低下しない膜厚の範囲、
の両者を満足する範囲から選択することからなる、反射防止膜の導入がなくても、可視光透過率の低下がほとんどない、酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法であって、
自動調光遮熱ガラスの透過率の値(T)が、下記の、数式1及び数式2に基づいて光学計算により求められること、及び自動調光遮熱ガラスの可視光透過率の値(Tlum)が、数式3により求められること、を特徴とする酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
(ただし、透明基板上に屈折率nと厚さdを持つ酸化バナジウム系調光膜を被覆した自動調光遮熱ガラスにおいて、t及びrが空気・薄膜界面、t及びrが薄膜・透明基板界面でのフレネル透過係数及び反射係数を表し、n及びnが空気及び透明基板の屈折率であり、δが数式8で表される、波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、を表す。)
(ただし、δが波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、nが薄膜の屈折率、dがその厚さ、を表す。)
(ただし、T(λ)が波長λでの透過率、φ lum (λ)が波長λでの準比視感度、を表す。)
(2)自動調光遮熱ガラスの可視光調光率を、その最大値から選択することを特徴とする前記(1)に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
(3)酸化バナジウム系調光膜が、金属バナジウム又は合金ターゲットを、反応性スパッタすること、又は酸化バナジウム化合物ターゲット又は他物質添加の酸化バナジウム化合物ターゲットを、反応性スパッタ又はスパッタすることにより作製されたものであることを特徴とする前記(1)に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
(4)酸化バナジウム系調光膜が、単層透明基板の、室内側或いは室外側のいずれかに形成されるか、又は、複層透明基板の、両内側或いは両外側のいずれかに形成されたものであることを特徴とする前記(1)に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
(ただし、透明基板上に屈折率nと厚さdを持つ単層薄膜系において、t及びrが空気・薄膜界面、t及びrが薄膜・透明基板界面でのフレネル透過係数及び反射係数を表し、n及びnが空気及び透明基板の屈折率であり、δが数式11で表される、波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、を表す。)
(ただし、δが波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、nが薄膜の屈折率、dがその厚さ、を表す。)
(ただし、T(λ)が分光透過率、Φ(λ)が標準分光比視感度、を表す。)
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、透明基板表面に酸化バナジウム系調光膜を被膜した自動調光遮熱ガラスの、調光膜の適切な膜厚の決定方法であって、薄膜系の光学原理及び調光膜の物性に基づいた、新しい、精密な、構造決定方法を提供するものである。本発明の決定方法によれば、複雑な実験操作を、多数回にわたり繰り返すことなく、適切な調光膜の膜厚を、簡便に決定することが可能であるばかりか、反射防止膜の導入がなくても、高い可視光調光率と高い可視光透過率が得られる、優れた自動調光遮光ガラスを提供することが可能である。本発明は、適切な調光膜の膜厚を決定することにより、可視光調効率を正の値に調整することが可能であり、しかも、低温時(半導体相)の可視光透過率が、調光膜の厚さの増加に対して低下しないか、もしくは、その低下率が10%以内にある、調光膜の膜厚の範囲が存在することを、基本とするものである。本発明の、薄膜系の光学原理及び調光膜の物性に基づいた決定方法が、実際の自動調光遮熱ガラスの作製に有用であることは、数多くの実験例に基づいて確認された。また、本発明の決定方法は、各種の透明基板上に設けた調光膜を有する自動遮光遮熱ガラスに広く適用できるものである。
本発明において、「ガラス」とは、透明基板全般を包含するものであり、いずれの材質であってもよい。例えば、石英ガラス、PMMA等の有機ガラス、シリコン単結晶、サファイア、耐熱ガラス、強化ガラス、一般の窓ガラス等が例示され、その構造は、単層構造、複層構造等、何れのものであってもよい。また、可視光調光率とは、酸化バナジウム系薄膜の、低温時(半導体相)と高温時(金属相)の可視光線の透過率積分値の差であり、(半導体相透過率−金属相透過率)で定義される値である。
本発明の、高性能自動調光遮熱ガラス調光層膜厚の設計方法の、光学原理、計算法について、以下に説明する(例えば、 O. S. Heavens: Optical Properties of Thin Solid Films: Dover Publication, New York, 1991参照)。
ガラス基板上に屈折率nと厚さdを持つ単層薄膜系において、系の透過率Tは数式13で表される。ここで、t及びrが空気・薄膜界面、t及びrが薄膜・ガラス界面でのフレネル透過係数及び反射係数であり、n及びnが空気及びガラスの屈折率である。
また、波長λの光が、ある角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れδは、数式14で表される。
ただし、δが波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、nが薄膜の屈折率、dがその厚さである。すなわち、決まった光学系と入射条件に対して、tとr(i=1,2)が一定である、従って、透過率Tが、薄膜の屈折率nと厚さdに依存し、位相の遅れδによって、周期的に変化し、干渉等の光学現象を起こす。系の可視光透過率の値(Tlum)は、数式15で表される。
ただし、T(λ)が波長λでの透過率、φ lum (λ)が波長λでの準比視感度である。
調光材料となる二酸化バナジウム薄膜は、温度によって相転移温度より低温時の半導体相と相転移温度より高温時の金属相との間に可逆的な相転移を起こし、光学特性が大きく変わる。薄膜が相転移を起こす際に、体積の変化、すなわち厚さの変化はほとんどないが、光学定数となる屈折率が大きく異なるため、透過率に差が生じる。屈折率の違った半導体相と金属相では、位相の変化が、明らかに異なるため、調光率の大きさも膜厚によって周期的に変化する。更に、この調光率の値が大きいほど、夏季には、金属相の低い透過率により日射の遮蔽率が高く、冬季には、半導体相の大きな透過率により日射の透過率が高い、ことになり、省エネルギーならびに快適環境の創生に寄与することになる。
二酸化バナジウム薄膜光学系の調光原理を図1に示す。波長λの光が調光薄膜系に入射する。Iは入射光、T及びRは透過率及び反射率、nは膜の屈折率、sは半導体相、mは金属相を表す。透過率Tが、数式13により、位相変化δに依存するので、透過率は、半導体相及び金属相の屈折率によって異なる。また、半導体相と金属相の透過率の差ΔT(調光率)が膜厚に依存するとともに周期的に変化する。
本発明では、以上の光学原理に従って、調光薄膜系可視光透過率の膜厚依存性を半導体相、金属相別に計算してプロットし、その両者の差が最大となる膜厚が、最大の調光率を持つ高性能自動調光ガラスの調光膜の好適な厚さであることが見出された。また、干渉効果により可視光透過率が膜厚に対して周期的に変化するため、半導体相の可視光透過率が膜厚の増加とともにほとんど低下しない膜厚範囲があり、これは、調光系の可視光透過率の向上につながる。すなわち、反射防止膜の導入がなくても、高い調光率と同時に、高い可視光透過率を得ることが可能である。
光学計算には、特性マトリックス(Transfer-Matrix)法(例えば、 B. Harbecke: Appl. Phys. B 39 (1985) 165参照)に基づき、自作プログラムにより行った。可視光透過率について、材料の光学定数から透過スペクトルを計算し、明所視標準比視感度曲線上で積分した値を使用した。調光薄膜系の反射スペクトルや透過スペクトル等の光学特性は、薄膜光学の計算によって知ることができるが、そのためには、薄膜及び基板の複素屈折率と各層の膜厚が必要である。ガラスの複素屈折率については、各種文献があり、これを調査することによってある程度信頼できる複素屈折率が得られるが、二酸化バナジウムの複素屈折率についての文献は存在するものの、その信頼性については不十分である。従って、ここではエリプソメトリを用いて二酸化バナジウム薄膜の複素屈折率の決定を行った。
反応性スパッタ法により二酸化バナジウム薄膜を作製した。透明基板はガラスとし、エリプソメトリに透過スペクトルの解析を組み合わせることによって、より信頼性の高い複素屈折率を得た。また、低温半導体相と高温金属相の複素屈折率を求めるために、試料温度の制御を行い、低温半導体相測定は室温で、高温金属相測定は90℃で行った。エリプソメトリでは、試料表面から反射される光の偏光状態の変化を測定する。この変化は、試料の複素屈折率、及び膜厚、基板によって決まるので、逆に偏光状態の変化から試料の膜厚、複素屈折率を知ることができる。測定値は、通常、エリプソメトリックパラメータ(ΨとΔ)と呼ばれる複素反射係数の比の振幅及び位相に次式で関係する量となる。
ただし、Rp、Rsはp偏光及びs偏光が試料面に入射した際の複素屈折率である。
本測定では、エリプソメーターとしてJ.A.ウーラム社のM2000型を用いた。測定波長は370nmから1700nm、入射角は50度、60度、70度とした。また、エリプソメトリックパラメータと共に透過スペクトルの測定を行い、ΨとΔを解析して複素屈折率と膜厚を導出する過程で透過スペクトルとも矛盾のないようにした。これによって、より信頼性の高い複素屈折率の決定が可能となる。ΨとΔの測定値から複素屈折率と膜厚を導出するには、次式で与えられるMSEを最小化(フィッティング)して行った。
ただし、Nは測定されるエリプソメトリックパラーメータ対の数、Mは複素屈折率等の未知数の数、上付きのmodとexpはモデル計算によって得た。また、実験によって得られたエリプソメトリックパラメータ、σは、それぞれの測定誤差である。未知数としては、各波長での複素屈折率や膜厚のほかに、コーシーモデル、ローレンツモデル等の光学モデルを用いた場合には、それぞれのパラメータが未知数となる。
本測定では、二酸化バナジウムの複素屈折率を実験により直接求めたが、そのほかに、ローレンツモデルを用いてフィッティングを行った。ローレンツモデルでは古典的な振動子を組み合わせたモデルの次式を用いる。
ただし、εは複素誘電率であり、複素屈折率nとは次式の関係にある。
また、ε∞は高振動数領域での誘電率、Aはk番目の振動子の振幅、Eは中心エネルギー、Bkは幅を表し、hνは入射光のエネルギーである。自由電子による光学特性を記述するドルーデの式もEを0とすることにより、ローレンツモデルに取り込むことができる。光学薄膜モデルとしては、当初、ガラス基板上に二酸化バナジウム薄膜といった最も単純なモデルを採用したが、MSEを十分に小さくすることができなかったので、薄膜表面に二酸化バナジウム薄膜に空隙が存在する層(表面層)を仮定し、再度フィッティングを行った。この層は、薄膜表面に数nmから数十nm程度の表面粗さが存在する場合にエリプソメトリによく導入されるものであって、表面粗さを一枚の層とみなし、膜厚及び充填率を求めることができる。
表面層の複素屈折率は、当然二酸化バナジウムの複素屈折率と相関している。この複素屈折率を計算する方法としては、マックスウェルガーネット等のいくつかの方法が知られているが、ここでは、次式で得られるブラッグマン有効媒質近似(EMA)を用いた。
ただし、AとBは二酸化バナジウムと空気を表し、fとfはそれぞれの体積割合、εとεはそれぞれの複素誘電率、εは混合層の複素誘電率である。
その結果として、二酸化バナジウム薄膜の低温半導体相及び高温金属相における複素屈折率をエリプソメトリで決定した。直接光学定数を決定した場合と、ローレンツモデルを用いた場合についてフィッティングを行った。低温半導体相、高温金属相ともに、モデルを用いた場合と用いない場合とで、ほぼ一致した膜厚、光学定数を得ることができた。これらの値を光学計算に応用した。
光学計算から得た、調光膜の半導体相及び金属相の可視光透過率、及びその差である調光率の膜厚依存性曲線を、図2に実測値とともに示す。(図2において、破線及び実線で示された曲線は計算値を示し、四角形の点は実測値を示す。)参考のために、太陽光スペクトル(AM1.5)で積分した太陽光透過率を、半導体相と金属相ごとに、図2の右上に示す。図2によれば、膜厚が約80nm付近(正確には、83nm)で最大の可視光調光率が得られ、尚かつ、約50nmから90nmの範囲では、半導体相の可視光透過率の低下が少なく(<10%)、干渉効果によって、増加の傾向さえ示す波長範囲があることが分かる。
バナジウム系薄膜の作製については、例えば、金属バナジウムターゲットを酸素含む雰囲気中でスパッタすることによる反応性スパッタ法、或いは二酸化バナジウムターゲットをスパッタすることによるスパッタ法がよく使われるが、スパッタ条件を精密に制御することにより所定結晶相を形成することが可能である。薄膜の調光温度を室温付近(例えば、30℃、目的に応じて自由に設定することが可能である。)に設定するために、二酸化バナジウムにタングステン等の元素の添加が行なわれる(例えば、特開平7-331430号公報、特開平8−3546号公報、特開2003−94551号公報、特開2004−4795号公報参照)。タングステンの添加は、二酸化バナジウム系調光温度の制御に非常に有効である。しかし、調光温度の制御のためには、二酸化バナジウムへ、他の金属、或いは非金属の添加、例えば、Mo、Nb、Ta、F、N等を添加することも有効である。また、調光系色調の調整のためには、他の元素の添加や、薄膜層の導入等が有効である。
このように、酸化バナジウム系薄膜の作製にはスパッタ法が好適である。例えば、タングステンとバナジウムの合金ターゲットによる反応性スパッタ、タングステンターゲットとバナジウムターゲットによる二元同時スパッタ、タングステンの酸化物とバナジウムの酸化物の混合物によるスパッタ、或いはタングステンの酸化物ターゲットとバナジウムの酸化物による二元同時スパッタすることによって、二酸化バナジウム系調光膜が形成される。本発明の作製に使用したスパッタ法は、大面積窓を均一にコーティングするために最も適切な方法の一つである。以下に、本発明の調光薄膜の製造の具体例として、スパッタ法を一例として説明するが、その他の方法、例えば、真空蒸着法、ゾルゲル法、スプレー法、CVD法等についても、本発明の調光薄膜として、所定の構造及び諸特性を得られる限り採用することが可能である。
本発明の、酸化バナジウム系調光膜は、単板窓ガラスの場合には、ガラスの室内側及び室外側のいずれに薄膜系を置くことが可能である。ペアガラスの場合には、室内側及び室外側のほか、目的に応じてペアガラスの両内側に置くことが可能である。すなわち、ガラスに対する薄膜系の位置等は、必要に応じて適宜変化させることが可能である(図3参照)。
本発明の設計方法に基づいて製造された高性能自動調光遮熱ガラスは、前記のようにガラスに酸化バナジウム系調光薄膜を被膜し、夏季等の気温が高い時には、調光膜が金属状態となって過剰の日射を遮蔽して冷房負荷を低減し、冬季等の気温の低い時には、調光膜が半導体状態となって太陽光熱を室内に透過させ、快適さを増すとともに暖房負荷を節約するものである。本発明は、反射防止膜を施さなくても、可視光調光率が最大で、且つ可視光透過率の低下がほとんどない、高性能自動調光遮熱ガラスを設計し、製造することを可能とするものである。
本発明の、多機能自動調光断熱ガラスの構造、及び作用の概略と効果を、図3で説明すると、単板ガラスの室外側、或いは室内側のいずれかに、二酸化バナジウム系調光層を好適膜厚でコーティングし、もしくは、複層ガラスの両内側、或いは両外側のいずれかに、二酸化バナジウム系調光膜をコーティングして高性能自動調光遮熱ガラスを形成する。
調光層の調光温度を、例えば、25℃に設定すると、夏の場合には、環境温度が25℃を超えるので、調光層が金属特性となり、過剰の日射を反射する。冬の場合には、環境温度が25℃を下回るので、調光層が半導体特性となり、太陽光熱を室内に透過させ、暖房負荷を低減すると同時に、快適な環境作りにつながる。単板ガラスで、室外側に調光膜を設ける場合を図3(a)に、室内側に設ける場合を(b)に示し、複層ガラスでの調光膜の位置を、(c)〜(f)に示す。調光温度やガラスに対する調光膜の位置等は、必要に応じて自由に設定することができるので、調光膜の位置を特に制限するものはない。
これまでの説明から明らかなように、本発明の最も重要なポイントは、光学薄膜の基礎理論及び二酸化バナジウム系材料の相転移特性をうまく組み合わせて利用することにより、調光ガラスの調光膜の好適な厚さを決めることを可能とする設計方法を提供することにある。その方法を用いると、調光膜厚の変化にともなう、可視光透過率の低下がほとんどなく、且つ、可視光調光率が最大となる調光ガラスの製造が可能となり、薄膜系の調光温度、位置等を的確に設定することによって、高性能自動調光遮熱ガラス提供することが可能である。
本発明により、(1)環境温度の変化だけで自動的に調光する高性能自動調光遮熱ガラスにおいて、光学原理及び材料特性に基づく新しい構造設計法により、反射防止層を導入しない簡単化した構造を可能とし、また、可視光透過率が高く、なおかつ、調光率がほぼ最大となる高性能自動調光遮熱ガラスの提供を可能とする、(2)構造が簡単な上、自動調光遮熱機能、高い可視光透過機能、紫外線遮断機能等を統合した、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することができる、(3)建築物や自動車等移動体の、省エネルギー、健康の快適化に最適なガラスとして、建築産業その他産業界への応用が期待できる、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することができる、(4)可視光の透過率を高く維持することにより、常に透明で、良好な視界を確保することができる、窓ガラス等に有用な、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することができる、(5)簡単な構造で、高価な付帯設備を必要としない、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することができる、(6)本発明の調光膜の膜厚決定方法を用いることにより、簡便に、かつ高精度に、優れた調光機能を発揮する調光膜を具備した自動調光遮熱ガラスを設計し、製造することが可能となる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、二酸化バナジウム系調光膜を有する自動調光遮光ガラスを作製するとともに、光学原理に基づいてその特性を光学計算により求めた。
(1) 調光膜の作製とその特性の測定、ならびに光学原理に基づく膜特性の光学計算
エリプソメトリを用いて二酸化バナジウム薄膜の複素屈折率の決定を行った。更に、低温半導体相と高温金属相の複素屈折率を求めるために、試料温度の制御を行い、低温半導体相測定は20℃で、高温金属相測定は90℃で行った。
膜特性の光学計算は、特性マトリックス(Transfer-Matrix)法により行った。調光膜及びガラスの光学定数を使って透過及び反射スペクトルを形成した。可視光透過率は、透過スペクトルを明所視標準比視感度曲線上で積分した値を、同じく太陽光透過率は、透過スペクトルを太陽光スペクトルAM1.5上で積分した値を使った。また、二酸化バナジウム薄膜の厚さを20〜120nmの範囲で変化させて、半導体相及び金属相可視光透過率の膜厚依存性曲線を作成した。
薄膜作製には、汎用型マグネトロンスパッタ装置を用いた。当該装置には、カソードを3基まで配置でき、それぞれに、高周波電源又は直流電源を接続してあり、任意に電力を制御することができる。基板を回転することができ、基板温度は、室温から800℃までに精密に設定される。カソードに、市販のバナジウムターゲット(V、Φ50nm、純度99.9%)を設置した。真空系を、2.5×10−6Pa以下に排気した後、アルゴン及び酸素ガスを導入して成膜を行った。基板温度を室温から500℃までの範囲に設定し、基板として、石英ガラス、シリコン単結晶、サファイア、耐熱ガラス等を使用した。
光学計算と合わせて、透明基板上にVO薄膜を20nm〜120nmの範囲で形成した。石英ガラス基板上に形成した薄膜を、温度を制御することが可能な分光光度計を用いて、20℃(二酸化バナジウム系半導体相)及び80℃(同金属相)での分光透過率、同反射率を測定した。更に、波長2000nmの透過率の温度変化を取り、透過率・温度曲線から材料の調光温度を決めた。それら結果を、図2及び図4に示す。
(2)結果の考察
二酸化バナジウムの半導体相及び金属相の可視光透過率(Tlum)の、膜厚(dvo2)依存性を、計算値、実測値の別に図2に示すが、両者は一致した値を示している(図2において、破線及び実線の曲線は計算値を示し、四角形の点は実測値を示す。)。太陽光スペクトル(AM1.5)で積分した太陽光透過率の膜厚依存性を、半導体相及び金属相別に図2の右上に示す。可視光領域では、透過率の膜厚依存性が、半導体相と金属相で大きく違っていて、膜厚が約80nm付近で、その差、すなわち、可視光調光率がほぼ最大となる。また、約50〜90nmの範囲では、厚さが増加しても、半導体相可視光透過率の低下がほとんどない。図4に、厚さ約80nmの二酸化バナジウム薄膜の分光透過率スペクトルを示す。半導体相の透過率が可視光範囲をはじめ、ほぼ全波長範囲で金属相のそれをはるかに上回る。夏では透過率の低い金属相により過剰の日射が遮蔽され、冬では透過率の高い半導体相により積極的に日射を室内に取り入れることで、快適性と省エネルギー効果が期待される。
比較例1
従来型の最適膜厚が正確に決まっていない、二酸化バナジウム薄膜の分光透過率スペクトルを、厚さ50nmの例として図5に示す。赤外部分では半導体相の透過率が金属のそれより高いものの、太陽エネルギー割合の半分を示す可視光(380〜760nm)では、逆に金属相の透過率が高く、すなわち、負の調光率を示す。調光率の低下は、省エネルギー効果と、快適性両方に悪い影響をもたらすことは言うまでもない。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内である限り、どのようにでも実施することができる。
以上詳述したように、本発明は、二酸化バナジウム系単層薄膜系高性能自動調光遮熱ガラスの新しい調光膜の膜厚の決定法、及び、当該方法に基づいて作製された、高性能自動調光遮熱ガラスに係るものであり、本発明により、低温時の可視光透過率がほとんど低下なく、なおかつ可視光調光率を最大限に向上することができる薄膜構造の決定方法、及び、当該方法に基づいて作製された、高性能自動調光遮熱ガラスを提供することを可能とするものである。また、本発明は、光学原理及び光学計算に基づいて、二酸化バナジウム系調光膜の厚さを適切に決定することにより、反射防止被膜を施さなくても可視光透過率の低下がほとんどなく、かつ、最大限に可視光調光率を向上することができる高性能自動調光遮熱ガラスを提供し、太陽光エネルギーの半分を占める、可視光領域の光調率を向上させることにより、省エネルギー対策に大きく寄与するものである。また、本発明は、簡単な構造で、高価な付帯設備を必要としない、高性能自動調光遮熱ガラスの提供を可能とするものであり、建築物や自動車、列車、船舶、飛行機等の移動体に、省エネルギー、快適住居性能、健康志向等複数の機能を同時的に付与することを可能とする多機能自動調光遮熱ガラスとして、例えば、住宅、オフィスビル等の建築物や自動車等の、窓ガラス等に適用することによって、省エネルギーや室内快適性、照度の制御等が可能な自動調光遮熱ガラスとして有用である。
酸化バナジウム薄膜光学系の調光原理を示す。 調光膜の、半導体相及び金属相の可視光透過率及び調光率の膜厚依存性を、理論計算値を曲線で、実測値を四角形の点で示す。 自動調光断熱ガラスの構造及び作用効果の概略を示すものであり、(a)と(b)は単板ガラス、(c)〜(f)は複層ガラスの場合の、調光膜の位置関係を示す。 厚さ約80nmの二酸化バナジウム薄膜の、半導体相及び金属相の実測分光透過率を示す。 厚さ約50nmの二酸化バナジウム薄膜の、半導体相及び金属相の実測分光透過率を示す。
符号の説明
(図1について)
:入射光
T:透過率
R:反射率
n:膜の屈折率
s:半導体相
m:金属相
(図2について)
lum:可視光透過率
ΔTlum:可視光調光率
lum−S:可視光半導体相透過率
lum−M:可視光金属相透過率
sol:太陽光透過率
sol−S:太陽光半導体相透過率
sol−M:太陽光金属相透過率
vo2:膜厚

Claims (4)

  1. 透明基板表面に酸化バナジウム系調光膜を被膜した自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚を決定する方法において、酸化バナジウム系調光膜が、酸化バナジウム、金属元素を添加した酸化バナジウム、非金属元素を添加した酸化バナジウム、又は化合物を添加した酸化バナジウムのいずれか一つであり、その膜厚を、50〜90nmの範囲で、
    (1)自動調光遮熱ガラスの可視光調光率酸化バナジウムの20℃における半導体相の可視光透過率からその80℃における金属相の可視光透過率を引いた差が、正の値を取る膜厚の範囲、及び、
    (2)20℃における低温時の自動調光遮熱ガラスの可視光透過率が、調光膜の厚さの増加に対して低下しないか、もしくは、その可視光透過率が10%以内しか低下しない膜厚の範囲、
    の両者を満足する範囲から選択することからなる、反射防止膜の導入がなくても、可視光透過率の低下がほとんどない、酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法であって、
    自動調光遮熱ガラスの透過率の値(T)が、下記の、数式1及び数式2に基づいて光学計算により求められること、及び自動調光遮熱ガラスの可視光透過率の値(Tlum)が、数式3により求められること、を特徴とする酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
    (ただし、透明基板上に屈折率nと厚さdを持つ酸化バナジウム系調光膜を被覆した自動調光遮熱ガラスにおいて、t及びrが空気・薄膜界面、t及びrが薄膜・透明基板界面でのフレネル透過係数及び反射係数を表し、n及びnが空気及び透明基板の屈折率であり、δが数式2で表される、波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、を表す。)
    (ただし、δが波長λの光が角度θで薄膜系を通過する時の位相の遅れ、n が薄膜の屈折率、dがその厚さ、を表す。)
    (ただし、T(λ)が波長λでの透過率、φ lum (λ)が波長λでの準比視感度、を表す。)
  2. 自動調光遮熱ガラスの可視光調光率を、その最大値から選択することを特徴とする請求項1に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
  3. 酸化バナジウム系調光膜が、金属バナジウム又は合金ターゲットを、反応性スパッタすること、又は酸化バナジウム化合物ターゲット又は他物質添加の酸化バナジウム化合物ターゲットを、反応性スパッタ又はスパッタすることにより作製されたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
  4. 酸化バナジウム系調光膜が、単層透明基板の、室内側或いは室外側のいずれかに形成されるか、又は、複層透明基板の、両内側或いは両外側のいずれかに形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸化バナジウム系自動調光遮熱ガラスの調光膜の膜厚決定方法。
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