JP4664525B2 - 磁気共鳴撮像用コイルおよび磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のループを有するソレノイド型の送信、受信あるいは送受信するコイルと、RF(Radio Frequency)シールドおよびその近傍の導体部分との電磁気的結合を均一化する磁気共鳴撮像用コイルおよび磁気共鳴撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、垂直磁場型の磁気共鳴撮像装置では、主磁場が垂直方向を向いているため、水平方向に感度を有するソレノイド型の送信、受信あるいは送受信するコイルが多用されている。ソレノイド型コイルは、高感度であるため、送信時には、低いパワーで所定の出力が得られ、受信時には、高いS/N比(Signal To Noise Ratio)の磁気共鳴信号を受信することができる。さらに、ソレノイド型コイルは、感度をアップさせるため、あるいは感度領域を広げるために、多重ループ構造にした構成で使用される。このため、ソレノイド型コイルは、長い円筒形状をしたものが多く、撮像を行なう際には、被検体を内蔵した長い円筒形の形状を有するソレノイド型コイルが、磁気共鳴撮像装置の主磁場発生部の中心部に据えられる。
【0003】
この状態で、ソレノイド型コイルを使用して送信が行なわれると、送信器からコイルにRFパワーが注入され、多重ループ構造を有するコイルの各ループに、送信器からRF電流が流れ込む。そして、この各ループのRF電流により、被検体が設置された領域にRF磁場が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば多重ループ構造を有するソレノイド型コイルを使用して送信が行なわれる際に、ソレノイド型コイルの各ループに、送信器から等しい量のRF電流が流れ込まなかった。具体的には、ソレノイド型コイルを構成する各ループの位置により、各ループに流れるRF電流の大きさが異なっていた。
【0005】
特に、磁気共鳴撮像装置では、送信を行なう際に、ソレノイド型コイルの各ループに流れる送信RF電流の大きさが異なり、この送信RF電流により生成されるソレノイド型コイルの内部のRF磁場は、磁場均一度が低下する。磁場均一度が低下すると、磁気共鳴撮像装置で得られた画像は、陰影のついた不自然なものとなる。また、被検体からの磁気共鳴信号を、このソレノイド型コイルで受信する場合にも、電磁気学における相反の定理から、ソレノイド型コイルの各ループが受信する受信RF電流が異なり、ソレノイド型コイルの感度分布の均一度が低下する。そして、磁気共鳴撮像装置で得られた画像は、この均一度の低下を反映した、陰影のついた不自然なものとなる。
【0006】
これらのことから、送受信時に多重ループ構造を有するソレノイド型コイルの各ループに等しいRF電流が流れる様にして、送信の時に高い均一度のRF磁場を生成すると同時に、受信の時には高い均一度の感度分布を得ることは、安定した磁気共鳴撮像装置の画像を実現するために極めて重要となる。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による課題を解決するためになされたものであり、送信の時の磁場均一度、または、受信の時の感度均一度を向上する磁気共鳴撮像用コイルおよび磁気共鳴撮像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルは、導体をなす複数のリング要素をループ状にした複数のリングを有し、各リング要素に対し給電部を介して行なう高周波信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、前記複数のリング間の電流分布を平均化するよう、前記複数のリング要素をそれぞれ形成する所定のリング要素を異なるリング要素間で配線交換したことを特徴とする。
【0009】
この第1の観点による発明によれば、複数のリング間の電流分布を平均化するよう、複数のリング要素をそれぞれ形成する所定のリング要素を異なるリング要素間で配線交換することとしたので、各リング要素とシールドおよびその近傍に存在する電気的良導体との間に発生するインピーダンスの総和を等しくし、複数のリング要素間の電流分布を等しくすることができる。
【0010】
また、第2の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、導体をなす複数のリング要素をループ状にした複数のリングを有し、各リング要素に対して給電部を介して行なう高周波信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、第1のリングの第1の位置に所在する第1のリング要素を第2のリングの第2の位置に所在する第2のリング要素と接続し、第1のリングの第2の位置に所在する第3のリング要素を第2のリングの第1の位置に所在する第4のリング要素と接続したことを特徴とする。
【0011】
この第2の観点の発明によれば、第1のリングの第1の位置に所在する第1のリング要素を第2のリングの第2の位置に所在する第2のリング要素と接続し、第1のリングの第2の位置に所在する第3のリング要素を第2のリングの第1の位置に所在する第4のリング要素と接続することとしているので、第1、第2のリング要素で発生する浮遊容量、および第3、第4のリング要素で発生する浮遊容量を等しくすることができる。
【0012】
また、第3の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、導体をなす第1のリング要素と第2のリンク要素をループ状にした第1、第2、第3および第4のリングと、該4つのリングに対して給電する給電部とを有し、前記給電部を介して各リング要素に行なう高周波信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、前記第1のリングの第1のリング要素と第3のリングの第2のリング要素を接続した第1のエレメントと、前記第1のリングの第2のリング要素と第3のリングの第1のリング要素を接続した第2のエレメントと、前記第2のリングの第1のリング要素と第4のリングの第2のリング要素を接続した第3のエレメントと、前記第2のリングの第2のリング要素と第4のリングの第1のリング要素を接続した第4のエレメントと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この第3の観点の発明によれば、第1のリングの第1のリング要素と第3のリングの第2のリング要素を接続した第1のエレメントと、第1のリングの第2のリング要素と第3のリングの第1のリング要素を接続した第2のエレメントと、第2のリングの第1のリング要素と第4のリングの第2のリング要素を接続した第3のエレメントと、第2のリングの第2のリング要素と第4のリングの第1のリング要素を接続した第4のエレメントと、を備えることとしているので、第1〜4のリングを備えたソレノイド状コイルの内部に磁場空間を生成することができる。
【0014】
また、第4の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、第3の観点に記載の磁気共鳴撮像用コイルにおいて、前記給電部は、前記第1のリングおよび第2のリングに対して給電する第1の給電部と、前記第3のリングおよび第4のリングに対して給電する第2の給電部とを有することを特徴とする。
【0015】
この第4の観点の発明によれば、給電部は、第1のリングおよび第2のリングに対して給電する第1の給電部と、第3のリングおよび第4のリングに対して給電する第2の給電部とを有することとしているので、第1および第2の給電部で配線交換をすることができる。
【0016】
また、第5の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、第3または4の観点に記載の磁気共鳴撮像用コイルにおいて、前記第1のリング要素と第2のリング要素は、長さおよび形状が略同一であることを特徴とする。
【0017】
この第5の観点の発明によれば、第1のリング要素と第2のリング要素は、長さおよび形状が略同一であることとしているので、第1および第2のリング要素を備えたソレノイド状のコイルの各リング要素とシールドおよびその近傍に存在する電気的良導体との間に発生する浮遊容量を等しくすることができる。
【0018】
また、第6の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、第3〜5のいずれか一つの観点に記載の磁気共鳴撮像用コイルにおいて、前記第1、第2、第3および第4のリングは、それぞれ等間隔で配設されていることを特徴とする。
【0019】
この第6の観点の発明によれば、第1、第2、第3および第4のリングは、それぞれ等間隔で配設されていることとしているので、リング要素の内部に均一な磁場空間を生成することができる。
【0020】
また、第7の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、第3〜6のいずれか一つの観点に記載の磁気共鳴撮像用コイルにおいて、前記第1のリング要素および第2のリング要素は、それぞれ半円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される前記第1、第2、第3および第4のリングは、円形の形状を有することを特徴とする。
【0021】
この第7の観点の発明によれば、第1のリング要素および第2のリング要素は、それぞれ半円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される第1、第2、第3および第4のリングは、円形の形状を有することとしているので、第1〜4のリングの内部により均一な磁場空間を形成することができる。
【0022】
また、第8の観点の発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルによれば、第3〜6のいずれか一つの観点に記載の磁気共鳴撮像用コイルにおいて、前記第1のリング要素および第2のリング要素は、半楕円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される前記第1、第2、第3および第4のリングは、楕円形の形状を有することを特徴とする。
【0023】
この第8の観点の発明によれば、第1のリング要素および第2のリング要素は、半楕円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される第1、第2、第3および第4のリングは、楕円形の形状を有することとしているので、被検体により適合した感度の良いソレノイド状のコイルであることを特徴とする。
【0024】
また、第9の観点にかかる磁気共鳴撮像装置によれば、垂直方向に静磁場を発生する垂直磁場型の磁気共鳴撮像装置であって、垂直方向に均一な磁場領域を発生する静磁場発生手段と、前記磁場領域の静磁場強度を変化させる勾配磁場発生手段と、被検体を前記静磁場発生手段の中心近傍に配設する配設手段と、前記磁気共鳴撮像用コイルを用いて磁気共鳴信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行い、前記被検体の断層画像情報を取得する制御手段と、前記制御手段により得られた断層画像情報から断層画像を生成し表示する画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この第9の観点の発明によれば、垂直方向に均一な磁場領域を発生する静磁場発生手段と、この磁場領域の静磁場強度を変化させる勾配磁場発生手段と、被検体を静磁場発生手段の中心近傍に配設する配設手段と、磁気共鳴撮像用コイルを用いて磁気共鳴信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行い、被検体の断層画像情報を取得する制御手段と、この制御手段により得られた断層画像情報から断層画像を生成し表示する画像処理手段と、を備えることとしているので、均一な感度分布を有する断層画像を取得することができ、断層画像を診断する場合により広い領域を診断することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる磁気共鳴撮像用コイルおよび磁気共鳴撮像装置の好適な実施の形態について説明する。
【0027】
まず、本実施の形態にかかる磁気共鳴撮像装置の全体構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である磁気共鳴撮像用コイルを使用した磁気共鳴撮像装置の全体構成を示す模式図である。図1において、この磁気共鳴撮像装置は、大きくは、マグネット部101、テーブル部102、および制御処理部103から構成される。
【0028】
マグネット部101は、上下に対向配置される一対の静磁場発生部4、勾配コイル部3、およびシールド2を有している。対向配置された二つのシールド2間には、被検体5が配置される空間が形成される。上下二つの勾配コイル部3は、勾配駆動部14を介してスキャンコントローラ部13に接続される。また、上下二つのシールド2は、勾配コイル部3と送受信型のソレノイドコイル1との電磁気的結合を防止するために挿入された、所定の厚みを持つ銅板である。
【0029】
テーブル部102には、シールド2間に形成された空間を移動するクレードル部6が設けられ、このクレードル部6上には、被検体5が載置される。クレードル部6は、マグネット部101の中心部に移動した際、被検体5の撮像部位がこの中心部に配設されるように移動制御される。
【0030】
送受信コイルとしてのソレノイドコイル1は、テーブル部102に配設されており、マグネット部101の中心近傍に位置されている。このソレノイドコイル1は、送受信部7、検波部8、およびA/D変換部9を介して計算機10に接続される。計算機10には、操作部11および表示部12が接続されるとともに、スキャンコントローラ部13が接続される。スキャンコントローラ部13は、送受信部7、RF発振部20、A/D変換部9、および、勾配駆動部14の各部を制御する。RF発振部20は、検波部8に接続される。
【0031】
つぎに、図1に示したソレノイドコイル1の具体的な構成について説明する。図2は、図1に示したソレノイドコイル1の具体的な構成を示す図である。ソレノイドコイル1は、入出力ポート201、第1および第2の給電部202および203、第1の導体であるエレメント204、205および第2の導体であるエレメント206、207を有している。
【0032】
入出力ポート201は、送受信部7と給電部202および203との間を、同軸ケーブルにより接続しており、送受信部7から送られてきた送信信号を給電部202および203に分配し、また、給電部202および203からの受信信号を送受信部7に送信する。
【0033】
給電部202および203は、入出力ポート201とエレメント204〜207との間のインピーダンス整合を行ない、送信信号あるいは受信信号を損失なく相手側に送る機能を有する。また、給電部202および203は、入出力ポート201から入力した送信信号をインピーダンス整合の後に分岐し、複数の出力を備えることで、均一な磁場領域を広げる、あるいは、受信感度領域を広げる働きも有する。
【0034】
つぎに、図2に示した給電部202および203の具体的な構成について説明する。図3は、図2に示した給電部202および203の具体的な構成を示す回路図である。送受信部7からの送信信号は、入出力ポート201で分流され、給電部202および203に送られる。給電部202および203に送られた送信信号は、コンデンサ210、211およびコンデンサ212、213を用いてインピーダンス整合された後、エレメント204〜207に送られる。また、受信信号は、エレメント204〜207から、送信時とは全く逆の経路を通って送受信部7へ送られる。
【0035】
また、入出力ポート201と給電部202とを接続する2本の信号線は、給電部202内でインピーダンス整合の後に、各々の信号線が2本のエレメント端204a、205aおよび206a、207aに分岐され、各エレメント端とエレメント204、205および206、207が接続される。また、入出力ポート201から給電部203への2本の信号線も同様に分岐され、各々が2本のエレメント端204b、205bおよび206b、207bに分岐され、各エレメント端とエレメント204、205および206、207が接続される。
【0036】
ここで、給電部202に接続されたエレメント204〜207の他端は、給電部203に接続され、エレメント204、205およびエレメント206、207とは、ソレノイドコイル1において給電部202、203と反対の位置で交差する配線になっている。また、ソレノイドコイル1は、給電部202、エレメント204あるいは205、給電部203、エレメント206あるいは207の電気経路で閉ループを形成している。
【0037】
つぎに、図2に示したエレメント204〜207の具体的な形状について説明する。図4は、図2に示したエレメント204〜207の形状を個別に示した図である。エレメント204〜207は、銅パイプ等の導体で形成され、円筒形のパイプを巻く様な形で形成されている。
【0038】
図4(A)のエレメント204は、第1のリング要素404a、接続部404b、第2のリング要素404cから成り、図4(B)のエレメント205は、第1のリング要素405a、接続部405b、第2のリング要素405cから成り、図4(C)のエレメント206は、第2のリング要素406a、接続部406b、第1のリング要素406cから成り、図4(D)のエレメント207は、第2のリング要素407a、接続部407b、第1のリング要素407cから成る。
【0039】
ここで、リング要素404aと406a、リング要素405aと407a、リング要素404cと406c、リング要素405cと407cとから、円形の第1〜4のリングが生成される。そして、この第1〜4のリングは、等間隔に配置され、これらのリングにより生成される円筒形状の内部に、送信の場合は、均一な磁場領域を、さらに、受信の場合は、均一な感度領域が形成される。
【0040】
また、接続部404b、405b、406b、407bは、4つの円形の第1〜4のリングから構成される円筒形状の給電部202、203の反対側で交差する。各接続部404b〜407bが交差する際には、互いに電気的に接触するのを防止するためガラスエポキシ基板等の絶縁体で絶縁する。さらに、接続部404b〜407bが交差する場所では、容量性の電気的結合が生じる。この容量性の電気的結合を減らすため、交差する場所でガラスエポキシ基板を厚くし、接続部404b〜407b間を離すことがおこなわれる。
【0041】
つぎに、ソレノイドコイル1の動作について説明するが、その準備としてソレノイドコイル1とシールド2の電気的な結合について説明する。
【0042】
ソレノイドコイル1とシールド2とは、電気的には、容量性の結合を生じ、その様子を図5に示す。図5は、図1に示したマグネット部101およびソレノイドコイル1をマグネット部101内に設置した際の電気的特性を示す断面図である。シールド2は、平面状の銅板であるため、銅棒から成るソレノイドコイル1との間には、図5中の点線で示した浮遊容量が生じる。シールド2が平面的に大きな広がりを持つ構造を有し、かつ、上下両面に存在するため、この浮遊容量は、大きなものとなる。
【0043】
図6は、図5で示したシールド2およびソレノイドコイル1の位置関係を示すため、上方からこの二つを見た図である。ソレノイドコイル1は、通常の使用状態では、磁場均一度の最も良い、シールド2の中心に配置される。ここで、ソレノイドコイル1とシールド2間で生じる浮遊容量は、ソレノイドコイル1を構成する各リング要素の総和となる。ここで、電気容量は、対向する導体部分の面積および距離に依存するので、各リング要素とシールド2間の浮遊容量は、各リング要素の位置により異なる。例えば、シールド2の中心近傍に位置するリング要素405aの浮遊容量は、より外側に位置するリング要素404aよりも大きい浮遊容量を有する。
【0044】
リング要素405aの浮遊容量をC1とすると、シールド2が円形であること、および、ソレノイドコイル1が対称構造を有し、かつソレノイドコイル1の中心がシールド2の中心と一致するため、ソレノイドコイル1の内側に位置する4つのリング要素405a、406c、404c、407aは、同一の浮遊容量C1を有する。同様にして、ソレノイドコイル1の外側に位置する4つのリング要素404a、407c、405c、406aは、同一の浮遊容量C2を有する。また、接続部404b〜407bは、ほぼ同一位置に存在するため、同一の浮遊容量C3を有する。
【0045】
ここで、リング要素404a、接続部404b、リング要素404cからなるエレメント204の有する浮遊容量は、C1+C2+C3となる。同様にエレメント205〜207の有する浮遊容量も、C1+C2+C3となり、エレメント204〜207は、すべて同一の浮遊容量であるC1+C2+C3を有することになる。
【0046】
また、シールド2の近傍の存在する電気的良導体も、シールド2と同様の中心対称の構造を有するため、エレメント204〜207は、小さいながらすべて同一の浮遊容量を有する。これにより、エレメント204〜207は、マグネット部101の内部でも、浮遊容量も含めて、すべて同一のインピーダンスを有する。そして、送信時には、送受信部7から給電部202、203に均等に電流が流れ込み、エレメント204〜207には等しい電流が流れ、受信時には、被検体5からの核磁気共鳴信号を等しい感度で受信できる。
【0047】
上述してきたように、本実施の形態では、エレメント204は、給電部202のエレメント端204aからリング要素404a、接続部404b、リング要素404cを経て、給電部203のエレメント端204bに接続され、またその他のエレメント205〜207も同様の配線により、主としてリング要素404a〜407aおよび404c〜407cで発生するシールド2との浮遊容量が、すべてのエレメント204〜207で等しくなり、浮遊容量を含めたエレメント204〜207のインピーダンスがすべて等しくなる。このため、送信の場合には、送受信部からの送信電流が、すべてのエレメント204〜207に等しく分流されることで、より均一な磁場空間がソレノイドコイル1内に発生する。また、核磁気共鳴信号を受信する場合には、電磁気学における相反の定理から、ソレノイドコイル1のすべてのエレメント204〜207が等しい感度を有し、ひいては、感度むらのない高品位の磁気共鳴画像を取得することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、二つの給電部202、203を有し、各給電部内で信号線を二つのエレメントに分岐する場合について説明したが、4つの給電部を有し、各給電部の信号線を分岐することなく一つのエレメント端とした場合でも、各エレメント端を本実施の形態と同様に接続することにより実現することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、4つのリングからなるソレノイドコイル1について説明したが、エレメント204と205、およびエレメント206と207の各々を一体化し、第1および第2の導体である二つのエレメントとすることで、第1および第2の開ループからなる磁気共鳴撮像用のソレノイドコイルにも適用することができる。この場合は、給電部202、203内でエレメントを分岐せず、エレメント204、205、を1本のエレメントで形成し、さらに、エレメント206、207も1本のエレメントで形成することにより実現することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、二つのリング要素から生成される第1〜4のリングは、円形であるとしたが、これに限らず、楕円形、あるいはその他形状でも実現することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、送受信用のソレノイドコイルについて説明したが、該コイルを送信専用コイル、あるいは受信専用コイルとしても実現することができる。この場合には、別途受信コイル、あるいは送信コイルを設け、送受信部7を送信部、および受信部の2系統に分離し、各々を送信コイルおよび受信コイルに接続することにより磁気共鳴信号の送信、および受信を行なうことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のリング間の電流分布を平均化するように、複数のリングをそれぞれ形成する所定のリング要素を異なるリング要素間で配線交換したので、各リング要素とシールドおよびその近傍に存在する電気的良導体との間に発生する浮遊容量の総和を等しくし、各エレメントのインピーダンスを浮遊容量を含めて等しくする。これにより、送信の場合には、すべてのエレメントに等しい電流が流れ、より均一な磁場を形成し、受信の場合には、電磁気学的な相反の定理より、より均一な感度領域が得られる。そして、ソレノイド型コイルから得られる磁気共鳴信号から生成される人体の断層画像も、均一で感度むらの無い、高品位のものとすることができる。さらに、上下のシールド間隔の狭い狭ギャップ型の垂直磁場型磁気共鳴撮像装置では、浮遊容量が大きくなるため、均一な磁場領域および感度領域を得る効果はさらに大きくなる。そして、均一な磁場領域および感度領域が大きくなるため、全身用送受信コイルを準備しなくても被検体の撮像ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気共鳴装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の磁気共鳴撮像用コイルを示す図である
【図3】磁気共鳴撮像用コイルの入出力ポートおよび給電部の回路図である。
【図4】磁気共鳴撮像用コイルのエレメントを個別に示した図である。
【図5】マグネット部とソレノイドコイル間に生じる浮遊容量を示した断面図である。
【図6】ソレノイドコイルとシールドの上方から見た位置関係を示した図である。
【符号の説明】
1 ソレノイドコイル
2 シールド
3 勾配コイル部
4 静磁場発生部
5 被検体
6 クレードル部
7 送受信部
8 検波部
9 A/D変換部
10 計算機
11 操作部
12 表示部
13 スキャンコントローラ部
14 勾配駆動部
20 RF発振部
201 入出力ポート
202、203 給電部
204、205、206、207 エレメント
204a、205a、206a、207a 第1の給電部のエレメント端
204b、205b、206b、207b 第2の給電部のエレメント端
210、211、212、213 コンデンサ
404a、405a、406a、407a リング要素
404c、405c、406c、407c リング要素
404b、405b、406b、407b 接続部

Claims (9)

  1. 導体をなす複数のリング要素をループ状にした複数のリングを有し、各リング要素に対して給電部を介して行なう高周波信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、
    前記複数のリング間の電流分布を平均化するよう、前記複数のリングをそれぞれ形成する所定のリング要素を異なるリング要素間で配線交換した
    ことを特徴とする磁気共鳴撮像用コイル。
  2. 導体をなす複数のリング要素をループ状にした複数のリングを有し、各リング要素に対して給電部を介して行なう高周波信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、
    第1のリングの第1の位置に所在する第1のリング要素を第2のリングの第2の位置に所在する第2のリング要素と接続し、
    第1のリングの第2の位置に所在する第3のリング要素を第2のリングの第1の位置に所在する第4のリング要素と接続したことを特徴とする磁気共鳴撮像用コイル。
  3. 導体をなす第1のリング要素と第2のリンク要素をループ状にした第1、第2、第3および第4のリングと、該4つのリングに対して給電する給電部とを有し、前記給電部を介して各リング要素に行なう高周波信号の送信および受信の内少なくとも一方を行なうソレノイド型の磁気共鳴撮像用コイルであって、
    前記第1のリングの第1のリング要素と第3のリングの第2のリング要素を接続した第1のエレメントと、
    前記第1のリングの第2のリング要素と第3のリングの第1のリング要素を接続した第2のエレメントと、
    前記第2のリングの第1のリング要素と第4のリングの第2のリング要素を接続した第3のエレメントと、
    前記第2のリングの第2のリング要素と第4のリングの第1のリング要素を接続した第4のエレメントと、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮像用コイル。
  4. 前記給電部は、前記第1のリングおよび第2のリングに対して給電する第1の給電部と、前記第3のリングおよび第4のリングに対して給電する第2の給電部とを有することを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴撮像用コイル。
  5. 前記第1のリング要素と第2のリング要素は、長さおよび形状が略同一であることを特徴とする請求項3または4に記載の磁気共鳴撮像用コイル。
  6. 前記第1、第2、第3および第4のリングは、それぞれ等間隔で配設されていることを特徴とする請求項3、4または5に記載の磁気共鳴撮像用コイル。
  7. 前記第1のリング要素および第2のリング要素は、それぞれ半円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される前記第1、第2、第3および第4のリングは、円形の形状を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴撮像用コイル。
  8. 前記第1のリング要素および第2のリング要素は、半楕円形の形状を有し、該第1のリング要素および第2のリング要素により形成される前記第1、第2、第3および第4のリングは、楕円形の形状を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴撮像用コイル。
  9. 垂直方向に静磁場を発生する垂直磁場型の磁気共鳴撮像装置であって、
    垂直方向に均一な磁場領域を発生する静磁場発生手段と、
    前記磁場領域の静磁場強度を変化させる勾配磁場発生手段と、
    被検体を前記静磁場発生手段の中心近傍に配設する配設手段と、
    前記磁気共鳴撮像用コイルを用いて磁気共鳴信号の送信および受信の内の少なくとも一方を行い、前記被検体の断層画像情報を取得する制御手段と、
    前記制御手段により得られた断層画像情報から断層画像を生成し表示する画像処理手段と、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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