JP2005506167A - 2つの平行な端部導体を持つ無線周波数コイル - Google Patents

2つの平行な端部導体を持つ無線周波数コイル Download PDF

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Abstract

本発明は、磁気共鳴イメージング装置で使用する無線周波数コイル(RFコイル)(19)に関する。前記RFコイルは、複数の平行なバー形電気導体(37)を有し、前記バー形電気導体は、仮想的な円柱(39)上に規則的な間隔で配置され、無線周波数シールド(RFシールド)(49)により囲まれる。前記バー形導体は、前記装置の測定体積(11)を囲み、前記バー形導体に対して直角な面に延在する電気端部導体(43,47)によって端部位置(41、45)の少なくとも1つにおいて相互接続される。本発明によると、他の電気端部導体(51、53)が、前記端部導体(43、47)に近く且つ平行に配置され、前記他の端部導体は、好ましくはフランジ形電気導体(55、57)によって前記RFシールド(49)に電気的に接続される。前記端部導体(43、47)及び前記他の端部導体(51、53)は、共同で送電線を形成する。結果として、前記端部導体(43、47)における電流により生成された不所望な電磁界(b1)は、前記他の端部導体(51、53)における電流により生成された電磁界(b2)により補償される。従って、前記端部導体(43、47)の電磁界は、不所望な損失効果及び前記測定体積(11)内に存在する患者の体における温度増加を引き起こさない。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置で使用する無線周波数コイルに関し、前記無線周波数コイルは、少なくとも実質的に仮想的な円柱に沿って配置された複数の規則的に間隔をあけた実質的に平行なバー形電気導体と、前記円柱のまわりに配置された無線周波数シールドとを備え、前記バー形導体は、前記バー形導体に対して直角な面内に延在する電気端部導体(electric end conductor)により、前記導体の端部の少なくとも一方で相互接続される。
【0002】
本発明は、更に、測定体積において主磁界を生成する磁気メインシステムと、前記主磁界の少なくとも1つの勾配を生成する磁気補助システムと、前記測定体積において無線周波数信号を生成する無線周波数送信コイルと、実行中に前記測定体積に存在する対象により生成される無線周波数信号を受信する無線周波数受信コイルと、前記受信された無線周波数信号を前記対象の画像に変換するプロセッサとを備えた磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭の段落で述べられた型式の無線周波数コイルと、このような無線周波数コイルを備えた、冒頭の段落で述べられた型式の磁気共鳴イメージング装置とは、米国特許出願公開公報第4,737,718号において開示される。前記既知の無線周波数コイルは、いわゆるバードケージコイルである。前記既知のイメージング装置は、核スピン共鳴法によって生きている対象の内部の画像を作成するために使用される。前記イメージング装置の磁気メインシステムによって、実質的に一定の磁界強度及び実質的に一定の方向を持つ主磁場は、前記測定体積において生成され、ここに前記対象が配置される。磁気補助システムによって、前記主磁界の勾配は、3つの直交する方向に生成される。前記対象の画像を作成するために使用される原子核の磁気核スピン共鳴周波数は、前記結果として生じる主磁界の磁界強度に比例するので、前記対象における連続した位置は、前記勾配を変えることにより選択される。各選択された位置に対し、周波数が前記選択された位置における前記核スピン共鳴周波数に等しい無線周波数信号は、前記無線周波数送信コイルによって前記測定体積において生成され、無線周波数信号は、前記無線周波数受信コイルによって受信され、前記無線周波数信号は、引き起こされた前記核スピン共鳴の結果として前記選択された位置において生成される。前記既知のイメージング装置において、前記無線周波数送信コイルは、無線周波数受信コイルとしても使用される。この後、前記対象の画像は、前記連続して選択された位置に対して受信された前記無線周波数から前記プロセッサにより作成される。
【0004】
前記測定体積において前記既知の無線周波数コイルにより生成される前記無線周波数信号は、前記主磁界と垂直な方向に延在し且つ前記主磁界に対して垂直に延在する面内で回転する磁界であり、前記磁界の周波数は、前記核スピン共鳴周波数に等しい。この目的のために、前記無線周波数コイルの前記バー形導体は、前記主磁界に平行に延在し、前記核スピン共鳴周波数に等しい周波数の交流電流が、前記バー形導体において生成され、2π/Nの位相差が、並置されたバー形導体の各対における交流電流間に存在し、Nは、前記バー形導体の数である。前記交流電流周波数及び前記位相差は、前記既知の無線周波数コイルにおいてリング形であり、前記無線周波数コイルの両側において前記バー形導体の端部を相互接続する2つの端部導体において、適切な容量のキャパシタが、並置された端部の各対の間に配置されることにより、前記既知の無線周波数コイルにおいて正確に獲得される。前記円柱状に配置されたバー形導体のまわりに備えられた前記無線周波数シールドによって、前記無線周波数コイルの環境、特に前記磁気メインシステム及び前記磁気補助システムは、前記無線周波数コイルから磁気的に及び電気的に遮蔽されるので、これにより前記無線周波数コイルの動作上の妨害効果を持つ環境的な影響は、可能な限り除外される。
【0005】
前記既知の磁気共鳴イメージング装置及び特に前記装置内で使用される前記既知の無線周波数コイルの欠点は、前記電気端部導体の各々に存在する電流により前記測定体積内に磁界が生成されることであり、前記磁界は、前記関連した端部導体が位置する前記面の位置において、前記バー形導体に少なくとも実質的に平行であり、この故に前記バー形導体の磁界に対して直角である。結果として、前記端部導体の磁界は、効果的でなく、損失と、損失の結果として、前記測定体積内に存在する前記対象の不所望な温度増加とを起こす。前記既知の無線周波数コイルの前記欠点は、端部導体を有さない無線周波数コイルの他の既知の型式である、いわゆる横電磁コイル(transverse electromagnetic coil)が使用される場合には生じないが、代わりに、前記バー形電気導体は、この型式において、円柱状に構築され、前記バー形導体のまわりに配置された前記無線周波数シールドに電気的に接続される。このような横電磁コイルは、しかしながら、前記バー形導体の前記端部を相互接続する端部導体の不在が、前記バー形導体間の電気的結合を弱めすぎるので、前記バー形導体における前記交流電流間の所望の位相差、並びに前記バー形導体における前記交流電流の所望のサイズ及び周波数が、大幅に不正確に達成されることができるという欠点を持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、冒頭の段落で述べた型式の無線周波数コイル及び磁気共鳴イメージング装置を提供することであり、前記無線周波数コイルは、バー形導体の磁界に直角な方向において実際に磁界を生成せず、前記バー形導体における交流電流間の所望の位相差並びに前記交流電流の所望のサイズ及び周波数が、少なくとも米国特許出願公開公報第4,737,718号から既知の無線周波数コイルと同程度に正確に獲得可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、冒頭の段落において述べられた型式の無線周波数コイルは、更に他の電気端部導体が、前記端部導体に近く且つ平行に配置されることにより、本発明により特徴付けられ、前記他の電気端部導体は、各バー形導体の端部の近くで、前記無線周波数シールドに導電的に接続される。
【0008】
この目的を達成するために、冒頭の段落で述べられた型式の磁気共鳴イメージング装置は、前記装置の中で使用される前記無線周波数送信コイルが、本発明による無線周波数コイルであることにより、本発明により特徴付けられる。
【0009】
動作中に、前記無線周波数コイルの磁界、即ち前記バー形導体の磁界及び前記端部導体の磁界は、前記バー形導体及び前記端部導体における電流と反対向きである前記無線周波数シールドにおける電流を生成する。本発明による前記無線周波数コイルには、前記端部導体に近く且つ平行に配置され、各バー形導体の端部の近くで前記無線周波数シールドに導電的に接続された更に他の端部導体が設けられるので、前記端部導体の磁界は、前記無線周波数シールドの代わりに主に前記他の端部導体において電流を生成する。前記他の端部導体が、前記端部導体に近く且つ平行に配置されるので、前記端部導体及び前記他の端部導体は、共同で、送電線を形成し、前記他の端部導体は、前記端部導体の帰路導体を形成し、即ち前記他の端部導体において生成される電流は、前記端部導体における電流と実質的に等しい大きさであり、反対向きである。これにより、前記他の端部導体は、前記端部導体の磁界と実質的に等しい強度を持ち、反対向きである前記測定体積における磁界を生成し、この結果として、前記無線周波数コイルは、前記バー形導体の磁界に直角な方向に非常に制限された磁界だけしか、又はほとんど生成しない。米国特許出願公開公報第4,737,718号に開示された前記無線周波数コイルの場合のように、前記バー形導体の端部は、前記端部導体によって相互接続され、この結果、前記バー形導体における交流電流の所望の位相差、並びに前記交流電流の所望のサイズ及び周波数は、前記既知の無線周波数コイルの場合と同様に、例えば、並置されたバー形導体の各対の間に前記端部導体における適切な容量を持つキャパシタを配置することにより正確に獲得されることができる。
【0010】
本発明による無線周波数コイルの特定の実施例は、前記他の端部導体が、フランジ形電気導体によって前記無線周波数シールドに接続されることを特徴とする。前記フランジ形電気導体を使用することにより、前記他の端部導体と前記無線周波数シールドとの間の特に効率的な電気的結合が達成されるので、前記他の端部導体及び前記無線周波数シールドにおける前記端部導体により生成される電流は、前記他の端部導体にほとんど完全に集中され、前記他の端部導体の磁界の最大補償効果が獲得される。
【0011】
本発明による無線周波数コイルの更に他の実施例は、前記バー形導体が、前記バー形導体に直角な面内に延在する端部導体により両方の端部で相互接続され、更に他の端部導体が、各端部導体に近く且つ平行に配置され、前記他の端部導体は、各バー形導体の関連した端部の近くで前記無線周波数シールドに導電的に接続される。本実施例において、前記無線周波数コイルの両側における前記バー形導体は、別の端部導体によって相互接続されるので、前記バー形導体により囲まれる前記測定体積は、前記無線周波数コイルの両側からアクセス可能である。前記2つの端部導体の各々の不所望な磁界は、前記関連した端部導体に近く且つ平行に配置された前記他の端部導体の磁界により補償される。
【0012】
本発明による無線周波数コイルの更に他の実施例は、前記端部導体及び前記他の端部導体が、実質的にリング形であり、前記バー形導体に対する実質的に等しい軸位置に配置され、前記リング形端部導体が、前記他のリング形端部導体の直径より大きい直径を持つことを特徴とする。本実施例において、前記他のリング形端部導体は、主に前記リング形端部導体と、前記バー形端部導体により囲まれた前記測定体積との間に位置する。結果として、前記リング形端部導体の電界は、前記他のリング形端部導体により前記測定体積に対して遮蔽されるので、前記リング形端部導体における比較的高電圧が、電流を前記測定体積内に存在する前記対象において容量的に生成されるようにするという事実によって起こることができる前記リング形端部導体の電界損失は、可能な限り制限される。
【0013】
本発明による無線周波数コイルの特定の実施例は、前記端部導体及び前記他の端部導体が、実質的にリング形であり、前記バー形導体に対する連続した軸位置に配置され、各々が、前記バー形導体に直角に延在する主表面を持つことを特徴とする。本実施例において、前記端部導体及び前記他の端部導体の機械的構造は、比較的単純であり、前記他の端部導体は、比較的単純な構造によって前記無線周波数シールドに接続されることができる。
【0014】
本発明による無線周波数コイルの更に他の実施例は、前記他の端部導体が、前記端部導体を実質的に囲むことを特徴とする。本実施例において、前記端部導体及び前記他の端部導体は、基本的に、実質的に同軸の送電線を共同で形成する。これにより、前記端部導体の磁界は、前記他の端部導体の磁界により実質的に完全に補償され、前記端部導体の電界は、前記他の端部導体により実質的に完全に遮蔽される。
【0015】
本発明による無線周波数コイルの更に他の実施例は、前記端部導体が、各バー形導体の端部の近くで、キャパシタによって前記他の端部導体に電気的に接続されることを特徴とする。本実施例において、前記バー形導体における交流電流間の所望の位相差、並びに前記交流電流の所望のサイズ及び周波数は、前記キャパシタの容量値の許容範囲に対して比較的ほとんど感受性がないことが達成される。これにより、前記無線周波数コイルの共鳴周波数は、前記キャパシタの容量の適切な選択により前記核スピン共鳴周波数に正確に等しくされることができる。
【0016】
下に、本発明による磁気共鳴イメージング装置の実施例と、この中で使用される本発明による無線周波数コイルの実施例とは、図面を参照してより詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、以下MRI装置と称される、本発明による磁気共鳴イメージング装置を概略的に示し、前記MRI装置は、核スピン共鳴法によって、患者又は患者の頭のような体の一部の内部の画像を作成するために使用される。この目的のために、前記MRI装置は、図示された例において、複数の超伝導電磁石3を有する磁気メインシステム1を有する。前記MRI装置は、電磁石3を冷やす冷却ラインを持つ低温冷却装置5と、電磁石3のための電源9とを有する。前記MRI装置は、更に、検査されるべき患者を収める測定体積11を有する。動作中に、磁気メインシステム1は、測定体積11内に主磁界Bを生成し、前記主磁界は、測定体積11の主方向Zに平行な方向を持ち、測定体積11内で一定の磁界強度を持つ。前記MRI装置は、更に、複数の電磁勾配コイル15を含む磁気補助システム13を有する。勾配コイル15は、動作中に、主方向Zと、主方向Zに直角なX方向と、主方向Z及びX方向に直角なY方向とに主磁界Bの勾配を生成する。この目的のために、勾配コイル15において電流が必要であり、前記電流は、前記MRI装置の電力増幅器17により供給される。前記MRI装置は、更に、以下RFコイルと称される、本発明による無線周波数送信コイル19を有する。RFコイル19は、動作中に、測定体積11における所定の周波数の、以下RF信号と称される、無線周波数信号を生成する。前記核スピン共鳴法によって画像を作成するために使用される、図示された例においては水素原子である原子核は、前記勾配の結果として生じる前記主磁界の磁界強度に比例する磁気核スピン共鳴周波数を持つ。動作中に、前記勾配は、所定のプログラムに従って変化される。この態様において、前記核スピン共鳴周波数は、前記患者の複数の連続して選択された位置における前記RF信号の周波数のみに等しいことが達成される。このように選択された各位置に対し、核スピン共鳴信号が、RFコイル19によって受信され、前記信号は、前記生成された核スピン共鳴の結果として前記選択された位置に存在する原子核により生成される。この後、前記患者の内部の画像は、前記連続して選択された位置に対してこのように受信された前記核スピン共鳴信号から生成される。上述の処理を実現するために、前記MRIは、前記プログラムが記憶された制御ユニット21を有し、このプログラムは、主磁界Bの勾配が連続して生成され、前記RF信号が連続して生成されることを決定する。制御ユニット21は、電力増幅器17と、RFコイル19が接続される無線周波数送受信装置23とを制御する。制御ユニット21は、更に、無線周波数送受信装置23に関連して、RFコイル19により送信される前記RF信号を生成する無線周波数源25を制御する。前記MRI装置は、更に、RFコイル19により受信された前記核スピン共鳴信号を画像に変換するプロセッサ27を有する。この目的のために、プロセッサ27は、FRコイル19により受信された前記核スピン共鳴信号を増幅する信号増幅器29と、前記増幅された核スピン共鳴信号を復調する復調器31と、前記復調された核スピン共鳴信号から画像信号を得る再構築ユニット33と、このように生成された前記画像を表示するモニタ35とを有する。図示された例において、RFコイル19は、前記RF信号を送信する無線周波数送信コイルと、測定体積11内で生成された前記核スピン共鳴信号を受信する無線周波数受信コイルとを形成する。しかしながら、本発明は、前記RF信号を生成する別個の無線周波数送信コイルと、生成された前記核スピン共鳴信号を受信する別個の無線周波数受信コイルとを有するMRI装置の実施例をも含むことに注意すべきである。
【0018】
図2及び図3Aに示されるように、前記MRI装置において使用される、本発明によるRFコイル19は、図示された例においては12である複数のバー形電気導体37を備え、複数のバー形電気導体37は、仮想的な円柱39を形成し、主方向Z及び主磁界Bに平行に延在するように規則的に間隔をあけられる。バー形導体37は、リング形電気端部導体43に付着された第1端部41と、リング形電気端部導体47に付着された第2端部45とを持ち、リング形端部導体43及び47は、それぞれ実質的にバー形導体37に直角な面内に延在する。仮想的な円柱39のまわりに、RFコイル19は、以下RFシールドと称される、無線周波数シールド49を有し、RFシールド49は、図示された例において、円柱状であり、仮想的な円柱39に対して同心で配置される。
【0019】
測定体積11において核スピン共鳴を引き起こすためにRFコイル19により生成されなくてはならない前記RF信号は、主磁界Bに垂直な方向を持ち、主磁界Bに垂直に延在する面において回転する電磁界bであり、電磁界bの周波数は、核スピン共鳴周波数に等しい。このような交互の、即ち回転する電磁界bを供給するために、前記核スピン共鳴周波数と等しい周波数の交流電流が、下で概説されるであろう手段を使用して、バー形導体37において生成され、2π/Nの位相差が、並置されたバー形導体37の各対における交流電流間に存在し、Nは、バー形導体37の数である。図3Aは、前記電流が、それぞれ上側及び下側バー形導体37’及び37’’において最大である瞬間における電磁界bと、前記電流が、それぞれ左側及び右側バー形導体37’’’及び37’’’’において最大である瞬間における電磁界b’とを示す。2つの反対のバー形導体37における電流が、常に等しいサイズであり、反対向きであるように、結果として生じる電磁界b、b’は、測定体積11の多くの部分において実質的に均一であり、2つのバー形導体37を通過する仮想的な面に垂直な方向を持ち、前記電流は、特定の瞬間において最大である。図1に概略的に示されるRFシールド49によって、RFコイル19の環境、特に磁気メインシステム1及び磁気補助システム13は、RFコイル19から磁気的に且つ電気的に遮蔽されるので、RFコイル19の動作における妨害効果を持つ環境の影響は、可能な限り除外される。
【0020】
バー形導体37が、リング形端部導体に付着されるので、交流電流は、動作中に、リング形端部導体43及び47の各々においても存在する。リング形端部導体における交流電流は、測定体積11内に交流電磁界bをも生成し、前記交流電磁界は、図2に概略的に示され、関連したリング形端部導体43、47が延在する面の場所において、前記交流電磁界は、バー形導体37に実質的に平行に延在する。従って、電磁界bは、バー形導体37の電磁界bに対して実質的に直角に延在し、結果として、測定体積11内での核スピン共鳴の生成にほとんど寄与しない。電磁界bが、損失効果のために前記患者の体における不所望な温度増加を起こすことを除外するために、更に他のリング形電気端部導体51、53が、2つのリング形端部導体43及び47の各々に近く且つ平行に本発明のRFコイル19において配置され、他のリング形端部導体51、53は、それぞれフランジ形電気導体55、57によってRFシールド49に接続される。この態様において、もし他のリング形端部導体51、53が不在であれば電磁界bによりRFシールド49において生成されるであろう、且つリング形端部導体43、47における電流と反対の方向を持つ電流が、RFシールド49の代わりに他のリング形端部導体51、53において主に生成されることが達成される。他のリング型端部導体51、53が、リング形端部導体43、47に近く且つ平行に配置されるので、各リング形端部導体43、47及び関連した他のリング形端部導体51、53は、共同で送電線を形成し、前記他のリング形端部導体51、53は、関連したリング形端部導体43、47の帰路導体を形成する。結果として、他のリング形端部導体51、53において生成された電流は、関連したリング形端部導体43、47における電流と実質的に等しいサイズを持ち、反対の向きを持つ。結果として、他のリング形端部導体51、53は、測定体積11における電磁界bを生成し、前記電磁界は、図2に概略的に示されるように、関連したリング形端部導体43、47の電磁界bと実質的に等しい強度を持ち、反対の方向を持つ。従って、電磁界bは、電磁界bにより大きく、又は更に完全に補償されるので、本発明によるRFコイル19は、バー形導体37の磁界bに対して直角な方向に測定体積11内に非常に制限された電磁界だけしか、又は実質的に全く電磁界を生成しない。これにより、電磁界bに関連した損失効果と、前記患者の体における不所望な温度増加は、可能な限り制限されるか、又はほとんど完全に除外される。他のリング形端部導体51、53とRFシールド49との間の特に効率的な電気的結合は、図示された例において、他のリング形端部導体51、53が、各々が途切れないリングを形成するフランジ形導体55、57によってRFシールド49に接続されるという事実によって得られる。結果として、他のリング形端部導体51、53及びRFシールド49において電磁界bにより生成された電流は、他のリング形端部導体51,53内に実質的に完全に集中され、電磁界bの最大補償効果が達成される。しかしながら、電磁界bの実質的な補償効果は、他のリング形端部導体51、53が、主にバー型導体37の端部41、45の近くのみでRFシールド49に導電的に接続される実施例において既に与えられることに注意すべきである。しかしながら、請求項1において使用される表現“各バー形導体の端部の近く”は、前記他のリング形端部導体が各バー形導体の端部の場所又は近くで前記RFシールドに接続される実施例のみではなく、例えば、前記他のリング形端部導体が並置されたバー形導体の各対の端部の間の位置又は間の中心の位置において前記RFシールドに接続される実施例をも含む。
【0021】
図2に更に示されるように、リング形端部導体43及び他のリング形端部導体51と同様にリング形端部導体47及び他のリング形端部導体53も、実質的に等しい軸位置、即ち、バー形導体37に対する主方向Zにおいて見られる位置に配置され、リング形端部導体43及び47は、それぞれ他のリング形端部導体51、53の直径を超える直径を持つ。結果として、他のリング形端部導体51、53は、それぞれ関連したリング形端部導体43、47と、測定体積11との間に位置し、この結果として、各リング形端部導体43、47の電界は、関連した他のリング形端部導体51、53により測定体積11から遮蔽される。これにより、リング形端部導体43、47における比較的高い電圧が、前記患者の体において電流を容量的に生成するという事実により引き起こされる、リング形端部導体43、47の電界損失は、可能な限り制限される。
【0022】
バー形導体37において必要な交流電流は、図示された例において、反対に配置されたバー形導体37の2対、この例においては導体の対37’及び37’’並びに導体の対37’’’及び37’’’’を無線周波数送受信装置23を介して無線周波数源25に接続することにより獲得され、他のバー形導体37における交流電流間の所望の位相差並びに前記交流電流の所望のサイズ及び周波数は、バー形導体37の端部41、45が、リング形端部導体43、47によって相互接続され、各リング形端部導体43、47が、図2及び図3に示されるように、各バー形導体37の端部41、45の近くで、適切な容量のキャパシタ59によって関連した他のリング形端部導体51、53に電気的に接続されることにより獲得される。リング形端部導体43、47の存在により、バー形導体37の強い電気的結合が得られ、必要なバー形導体37の数が制限されることを可能にする。キャパシタ59の容量は、RFコイル19が、前記核スピン共鳴周波数に等しい共鳴周波数を持つようにされる。キャパシタ59を上述された位置に配置することにより、RFコイル19の共鳴周波数が、前記容量の値における許容範囲に対して非常に小さな感受性を示すことが達成される。しかしながら、本発明は、RFコイル19が、異なる態様で共鳴を起こされる実施例をも含むことに注意すべきである。例えば、本発明は、キャパシタがリング形端部導体43、47において、並置されたバー形導体37の各対の端部41、45の間に配置される実施例と、キャパシタが、バー形導体37において配置される実施例と、キャパシタが、リング形端部導体43、47において、及びバー形導体37において配置される実施例とを含む。
【0023】
図4は、本発明によるRFコイル19’の第2実施例の一部の概略的な断面図である。上述のRFコイル19に対応するRFコイル19’の部分は、図4において同じ参照番号により示される。RFコイル19’とRFコイル19との間の主要な違いは、RFコイル19’は、リング形端部導体61と、前記リング形端部導体に近く且つ平行に配置された他のリング形端部導体63とを両側に備える点に存在し、前記端部導体は、連続した軸位置に、即ち、バー形導体37に対する主方向Zにおいて見られる位置に配置される。単純のため、RFコイル19’の片側のみが図4に示される。バー形導体37に平行に延在する主表面を持つRFコイル19のリング形端部導体43、47及び他のリング形端部導体51,53と対照的に、リング形端部導体61及び他のリング形端部導体63は、それぞれ、図示された例において、バー形導体37に垂直に延在する、それぞれ2つの主表面65、67及び69、71を有する。RFコイル19’のバー形導体37の端部41は、他のリング形端部導体63から離れて面するリング形端部導体61の主表面65に付着される。リング形端部導体61から離れて面する他のリング形端部導体63の主表面71は、フランジ形電気導体73に付着され、フランジ形電気導体73を介して、他のリング形端部導体63は、RFシールド49に接続される。リング形端部導体61及び他のリング形端部導体63の向かい合う主表面67及び69は、各バー形導体37の端部41の近くで、キャパシタ59を介して電気的に相互接続される。この実施例において、リング形端部導体61及び他のリング形端部導体63の機械的構造は、比較的単純であり、他のリング形端部導体63は、比較的単純な機械的構造によりRFシールド49に付着される。
【0024】
図5は、本発明によるRFコイル19’’の第3実施例の一部の概略的な断面図である。上述のRFコイル19に対応するRFコイル19’’の部分は、図5において同じ参照番号により示される。RFコイル19’’とRFコイル19との間の主要な違いは、RFコイル19’’が、リング形端部導体75と、端部導体75に近く且つ平行に配置され、実質的に端部導体75を囲む他のリング形端部導体77とを両側に備える点に存在する。図5において、RFコイル19’’の片側のみが、単純のため示されることに注意すべきである。図示された例において、リング形端部導体75が、断面で円形であるが、他のリング形端部導体77は、リング形端部導体75を同心で囲むリング形断面である。バー形導体37の端部41は、リング形端部導体75に付着され、他のリング形端部導体77は、関連したバー形導体37の通過を可能にするために各バー形導体37の端部41の近くに開口79を持つ。他のリング形端部導体77は、フランジ形電気導体81に付着され、フランジ形電気導体81を介して、他のリング形端部導体77は、RFシールド49に接続される。図示された例において、RFコイル19’’は、リング形端部導体75において、図5に図示されないキャパシタによって共鳴を起こされる。他のリング形端部導体77は、リング形端部導体75を実質的に囲むので、リング形端部導体75及び他のリング形端部導体77は、共同で同心送電線を形成する。結果として、リング形端部導体75の電磁界は、他のリング形端部導体77の電磁界によって少なくとも実質的に又は更に完全に補償される。加えて、リング形端部導体75の電磁界は、他のリング形端部導体77の電磁界によりほとんど全体的に又は更に完全に遮蔽される。
【0025】
本発明による上述のRFコイル19、19’及び19’’は、端部導体43、47、61、75と、前記端部導体に近く且つ平行に配置された他の端部導体51、53、63、77とをそれぞれ両側に備える。この態様において、RFコイル19,19’、19’’の両側から、測定体積11は、前記患者又は前記患者の体の一部によりアクセスされることができる。本発明は、端部導体と、前記端部導体に近く且つ平行に配置された他の端部導体とを一方の側のみに備えたRFコイルの実施例をも含むことに注意すべきである。このような実施例において、前記RFコイルの他方の側における前記バー形導体は、例えば、閉じた端板又は面板により相互接続される。このような閉じた端板は、前記バー形導体間の比較的良い電気的結合を補償するが、しかしながら、このような実施例において、前記測定体積は、前記RFコイルの一方の側のみからアクセス可能である。しかしこのような制限されたアクセス可能性は、多くの応用に対して充分である。
【0026】
本発明による上述のRFコイル19、19’及び19’’の場合に、バー形電気導体37は、仮想的な円柱39に従って配置され、リング形電気端部導体43、47、61、75によって相互接続される。本発明は、一般に、前記バー形導体が、少なくとも近似的に仮想的な円柱に沿って配置される実施例を有することに注意すべきである。これは、各軸位置において、前記RFコイルは、主方向Zに垂直に見て、前記バー形導体の断面の集合により形成された対応する又は実質的に対応する横プロファイルを持つと意味するように取られるべきである。図示された例とは異なり、前記横プロファイルは、形状において円形である必要はなく、代わりに、異なる種類の閉じた曲線又は多角形を形成してもよい。このような実施例において、前記端部導体及び前記他の端部導体の形状は、前記横プロファイルの形状に対応する。
【0027】
最後に、本発明は、前記端部導体に対する前記他の端部導体の位置が、上述のRFコイル19、19’及び19’’のものと異なるRFコイルの実施例をも含むことに注意すべきである。このような異なる位置の例は、リング形端部導体及び他のリング形端部導体が、前記バー形導体に対して実質的に等しい軸位置に配置され、前記他のリング形端部導体が、前記リング形端部導体より大きな直径を持つものである。このような実施例において、前記リング形端部導体の電界は、前記測定体積に関して、前記他のリング形端部導体により遮蔽されないが、しかしながら、前記RFシールドに対する前記他のリング形端部導体の付着に関する設計の比較的顕著な自由度がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による無線周波数コイルの第1実施例を備えた、本発明による磁気共鳴イメージング装置を概略的に示す。
【図2】図1による前記磁気共鳴イメージング装置において使用される前記無線周波数コイルの概略的な長手方向の部分図である。
【図3A】図2における線分IIIa−IIIaにおいて取られた部分図である。
【図3B】図2における線分IIIb−IIIbにおいて取られた部分図である。
【図4】本発明による無線周波数コイルの第2実施例の一部の概略的な断面図である。
【図5】本発明による無線周波数コイルの第3実施例の一部の概略的な断面図である。

Claims (8)

  1. 磁気共鳴イメージング装置で使用する無線周波数コイルであり、前記無線周波数コイルは、少なくとも実質的に仮想的な円柱に沿って配置された複数の規則的に間隔をあけた実質的に平行なバー形電気導体と、前記円柱の周りに配置された無線周波数シールドとを備え、前記バー形導体は、少なくとも端部の一方において、前記バー形導体に対して直角な面に延在する電気端部導体によって相互接続された無線周波数コイルであって、他の電気端部導体が、前記端部導体に近く且つ平行に配置され、前記他の電気端部導体が、各バー形導体の端部の近くで前記無線周波数シールドに導電的に接続されることを特徴とする無線周波数コイル。
  2. 前記他の端部導体が、フランジ形電気導体によって前記無線周波数シールドに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  3. 前記バー形導体が、前記バー形導体に対して直角な面に延在する端部導体によって両側で相互接続され、他の端部導体が、各端部導体に近く且つ平行に配置され、前記他の端部導体が、各バー形導体の関連した端部の近くで、前記無線周波数シールドに導電的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  4. 前記端部導体及び前記他の端部導体が、実質的にリング形であり、前記バー形導体に対して実質的に等しい軸位置に配置され、前記リング形端部導体が、前記他のリング形端部導体の直径より大きな直径を持つことを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  5. 前記端部導体及び前記他の端部導体が、実質的にリング形であり、前記バー形導体に対して連続した軸位置に配置され、前記端部導体及び前記他の端部導体の各々が、前記バー形導体に対して直角に延在する主表面を持つことを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  6. 前記他の端部導体が、前記端部導体を実質的に囲むことを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  7. 前記端部導体が、各バー形導体の端部の近くで、キャパシタによって前記他の端部導体に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の無線周波数コイル。
  8. 測定体積において主磁界を生成する磁気メインシステムと、前記主磁界の少なくとも1つの勾配を生成する磁気補助システムと、前記測定体積において無線周波数信号を生成する無線周波数送信コイルと、動作中に前記測定体積内に存在する対象により生成される無線周波数信号を受信する無線周波数受信コイルと、前記受信された無線周波数信号を前記対象の画像に変換するプロセッサとを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記無線周波数送信コイルが、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の無線周波数コイルであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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