JP4664475B2 - 加工性とスポット溶接性に優れた高強度冷延鋼板および高強度めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は加工性とスポット溶接性に優れた高強度鋼板および高強度めっき鋼板とその製造方法に関わるものである。本発明が係わる高強度鋼板とは、自動車、家庭電気製品、建築などの用途にプレス加工とスポット溶接をして使用されるものであり、防錆の改善のために溶融亜鉛めっきや電気亜鉛めっきを施したり、さらにその一層の改善を図るために金属酸化物皮膜、有機皮膜を表面処理した鋼板やプレス成形性の改善のために上層に鉄めっきを施した鋼板を含む。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体には衝突時に乗員を保護するような機能の確保がCO2をはじめとした排出ガスの低減を燃費向上により実現するような軽量化と共に要求されている。これに呼応し、プレス加工性を悪化させずに鋼板を高強度化する強化機構として一般に考えられている固溶強化や複合組織強化を用いた高強度鋼板が開発されてきた。特に近年では登録特許第2017320号公報や登録特許第2545316号公報にあるように残留オーステナイトの変態誘起塑性を利用し、プレス加工性の改善を試みた鋼板が開発されているが、開示されている鋼板はいずれもCやSi、Mnといった元素を比較的多量に含み、特に引張強さが780MPa以上になるとスポット溶接部の状態を現場的に評価するタガネチェックにおいてナゲット内で破断するようになるため、スポット溶接によって部品の組み立てを行う用途に適用することが困難となるため、これら前記登録特許で開示されている鋼板は、その金属組織に存在する残留オーステナイトの変態誘起塑性によりプレス加工性が顕著に改善されているにもかかわらず、広範に利用されていなかった。
【0003】
また、比較的低いCやSi、Mn含有量であるにもかかわらず、引張強さ780MPa以上の高強度を容易に得る方法として、熱延鋼板ではTi、Nb、Mo、Vといった元素を添加して析出強化を図る方法が一般的であるが、これら元素は再結晶温度を上げるため、冷延鋼板では再結晶状態でその析出強化を十分に活用することが難しい。一方、冷間圧延後の焼鈍を再結晶温度未満で行い、転位密度の高い回復状態のままで鋼板を提供することも考えられ、特にNbやVのような析出強化元素を併用すれば高強度化も容易であることが特公昭58−58411号公報等で開示されているものの、引張試験における伸びが小さいうえ、その異方性も大きいためプレス加工性に優れず、限られた用途にしか適用できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおり、固溶強化や複合組織強化に加え、残留オーステナイトの変態誘起塑性を利用し、プレス加工性を改善しようとした高強度鋼板において、スポット溶接部の状態を現場的にチェックするタガネチェックにおいてナゲット外で破断するようCやSi、Mn含有量を低減したうえで必要な780Mpa以上の引張強度を確保し、優れた加工性とスポット溶接性の両立を図ることが課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく、タガネチェックにおいてナゲット外で破断するようC、Si、Mnの含有量を調節したうえでTi、Nb、Mo、Vといった析出強化元素を添加した鋼をもちいて、熱間圧延温度と冷間圧延後の焼鈍条件について鋭意検討を加えた結果、%SiをSi含有量とした時に仕上出側温度を(920+50×%Si)℃以下とする熱間圧延を行えば、700〜900℃のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍することにより、焼鈍温度にかかわらず、十分に再結晶したフェライトを主体にマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる金属組織が形成され、フェライト自体がTi、Nb、Mo、Vといった元素により析出強化されているため、必要な780Mpa以上の引張強度が確保されたうえで残留オーステナイトの変態誘起塑性によりプレス加工性が顕著に改善されることを見出した。
【0006】
本発明はこのような思想と新知見に基づいて構成された優れた加工性とスポット溶接性を両立した、従来には無い全く新しい高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板およびその製造方法であり、その要旨とするところは以下のとおりである。
【0007】
(1) 質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:1.15〜2.2%、
Mn:1.0〜2.2%、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の化学成分からなり、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれることを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板。
【0008】
(2) 質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:1.15〜2.2%、
Mn:1.0〜2.2%、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下
と更にNb、Mo、Vの1種以上を合計で0.005〜0.1%含有し、残部Feおよび不可避的不純物の化学成分からなり、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれることを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板。
【0009】
(3) 前記(1)または(2)に記載の高強度冷延鋼板に亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施したことを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度めっき鋼板。
【0012】
(4) 前記(1)または(2)に記載の化学成分からなる組成のスラブに%SiをSi含有量とした時、仕上出側温度を(900+50×%Si)℃以下とする熱間圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した冷延板を700〜900℃のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で10秒〜5分焼鈍し、700℃から500℃までの間の冷却速度を1〜80℃/秒として300〜500℃に冷却し、5秒〜10分保持してから350℃から200℃までの間の冷却速度を5℃/秒以上として200℃以下に冷却することを特徴とする、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
(5) 前記300〜500℃に冷却した後に、さらに再加熱して350〜600℃の範囲の温度域に5秒〜10分保持することを特徴とする、前記(4)に記載の金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
【0013】
(6) 前記(4)または(5)に記載の製造工程に引き続き、亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とする、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度めっき鋼板の製造方法。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
まず、C、Si、Mn、P、S、Al、Ti、Nb、Mo、V、Nの数値限定理由について述べる。
【0016】
CはTi、Nb、Mo、Vと炭化物を析出し、鋼を高強度化すると共にマルテンサイトや残留オーステナイトにより組織強化する場合にも必須の元素であり、Cが0.05%未満ではマルテンサイトや残留オーステナイトの体積率が低下するため、必要とする引張強さの確保が困難である。一方Cが0.15%を超えると、マルテンサイトや残留オーステナイトの体積率が増加し、引張強さを高めることは容易であるものの、スポット溶接部をタガネチェックする際にナゲット内で破断し易くなる。
【0017】
Siの添加により鋼板の加工性、特に伸びを大きく損なうことなく強度が増すことはよく知られており、またパーライトおよびベイナイト変態の進行を著しく遅滞させ、室温まで冷却後の金属組織にマルテンサイトおよび残留オーステナイトの存在が容易となるうえ、一定の条件で熱間圧延した場合には炭窒化物の析出形態を再結晶温度を上げることなく析出強化には寄与するように変化するため、本発明の特徴とする優れた加工性とスポット溶接性の両立を実現するために重要である。変態誘起塑性によりプレス加工性を顕著に改善するためには1.15%以上の添加が必要である。しかしその添加量が多いと、室温まで冷却後の金属組織には化学的に安定な残留オーステナイトの存在は顕著になるものの、C、Mnの含有量を低減したとしても2.2%を超えるような場合にはスポット溶接部をタガネチェックする際にナゲット内で破断し易くなる。
【0018】
MnはCと共にオーステナイトの自由エネルギーを下げ、鋼の焼入れ性を増す元素として知られており、必要とする引張強さで加工性を改善するためにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合計で体積率6%以上存在する金属組織とすることを目的に1.0%以上添加する。しかし添加量が過大になるとC、Siの含有量を低減したとしてもスポット溶接部をタガネチェックする際にナゲット内で割れを生じ易くなるため、2.2%を上限とする。
【0019】
Pは一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.03%を超えると、本発明におけるような引張強さが490MPaを超すような高強度鋼板では靭性と共に冷間圧延性が著しく劣化し、工業的に多量生産することが困難となる。
【0020】
Sも一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.02%を超えると、圧延方向に伸張したMnSの存在が顕著となり、鋼板の曲げ性に悪影響を及ぼす。
【0021】
Alは鋼の脱酸元素として、またAlNによる熱延素材の細粒化、および一連の熱処理工程における結晶粒の粗大化を抑制し材質を改善するために0.005%以上添加する必要があるが、0.5%を超えることはコスト高となるばかりか、表面性状を劣化させる。
【0022】
Tiは必要とする引張強さを組織強化だけによらず炭窒化物を形成して基地組織であるフェライトを強化することにより確保し、C、Si、Mnの含有量を抑えてスポット溶接部をタガネチェックする際にナゲット内で割れが生じないようにする目的で添加する。一般にはこれら元素が微細析出すると引張強さが高くなると同時に再結晶温度も上昇し、フェライト、オーステナイトの二相共存温度域でもフェライトが未再結晶状態となることがあるが、本発明では鋼のSi含有量と共に熱間圧延条件を調整することにより焼鈍温度にかかわらず、十分に再結晶したフェライトを主体にマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる金属組織を形成できる。Tiの含有量が0.005%未満では有効に析出強化させることが困難である。フェライトを析出強化させる元素としてはTiの他にもNb、Mo、Vなどが知られているが、本発明で規定するような熱間圧延を行った時に再結晶温度の上昇による弊害を招き難いのがTiである。しかしTiの量が0.1%を超えると析出強化により強度の増加を図ることは容易であるものの、本発明で規定するように鋼のSi含有量と共に熱間圧延条件を調整したとしても短時間の焼鈍でフェライトを再結晶させ、良好な加工性を確保することが難しいし、靭性も劣化する。
【0023】
Nは不可避的不純物として鋼に含まれると共に、Ti、Nb、Mo、Vと窒化物を析出し、鋼を高強度化するが、その量が0.006%を超えると、伸びと共に脆性も劣化するため、これを上限とする。
【0024】
Nb、Mo、VもまたTiと同じように析出強化元素として知られており、Tiだけの添加では必要とする引張強さを確保できないような場合には合計で0.005〜0.1%を添加してもよい。しかしその添加量が0.1%を超すと、Tiと共にフェライトの再結晶を著しく阻害するため、加工性が劣る。好ましくは、0.005〜0.05%である。
【0025】
これらを主成分とする鋼にCu、Sn、Zn、Zr、W、Cr、Ni、Bを合計で1%以下含有しても本発明の効果を損なわず、その量によっては耐食性が改善される等好ましい場合もある。
【0026】
次に、製造条件の限定理由について述べる。その目的はTi、Nb、Mo、Vの炭窒化物が析出した再結晶フェライトを基地組織とし、マルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれた金属組織とすることにある。高強度にしてプレス加工性が良いという複合組織強化の特徴が認められるのは、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率が6%以上の場合であり、特に残留オーステナイトの変態誘起塑性による効果をはっきりと認めるには、残留オーステナイトの体積率がマルテンサイトの体積率を上回ることが好ましい。また、ベイナイトが共存することは高強度にしてプレス加工性が良いという複合組織強化の特徴を発現するうえで好ましくはないものの、その体積率がマルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率の3倍を超えない場合には、より少ないC含有量で鋼板の引張強さを高めることができるため、本発明の目的とする優れた加工性とスポット溶接性の両立を図るうえで有用である。
【0027】
熱間圧延に供するスラブは特に限定するものではない。即ち、連続鋳造スラブや薄スラブキャスター等で製造したものであればよい。また鋳造後直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直送圧延(CC−DR)のようなプロセスにも適合する。
【0028】
熱間圧延では%SiをSi含有量とした時、仕上出側温度を(900+50×%Si)℃以下とする必要がある。これはTi、Nb、Mo、Vの炭窒化物をフェライトを強化すると共に、引き続く冷間圧延後の再結晶温度を異常に上昇させないように析出させることを目的とし、その結果、フェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍した場合に焼鈍温度にかかわらず、十分に再結晶したフェライトを主体にマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる金属組織を形成できる。仕上出側温度が(900+50×%Si)℃を超えると、炭窒化物が極端に微細分散するようになり、引張強さが高くはなるものの、フェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍した場合にも未再結晶のフェライトが残存し、加工性が優れない。熱延後の冷却条件や巻取温度は特に限定しないが、巻取温度はコイル両端部での材質ばらつきが大きくなることを避け、またスケール厚の増加による酸洗性の劣化を避けるためには750℃以下とし、またTi、Nb、Mo、Vの析出が不十分となり、材質ばらつきが生じるのを避けるために550℃以上とすることが望ましい。
【0029】
冷間圧延は通常の条件でよく、一連の熱処理が終了後の金属組織を微細化し、残留オーステナイトの変態誘起塑性による加工性の向上を最大限に得る目的から、その圧延率は50%以上とする。一方、85%を超す圧延率で冷間圧延を行うことは多大の冷延負荷が必要となるため現実的ではない。
【0030】
冷間圧延した鋼板はまず700〜900℃のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で10秒〜5分焼鈍される。この焼鈍はフェライトとオーステナイトの共存する微細な再結晶組織を形成し、同時にCやMn等のオーステナイト安定化元素をある程度オーステナイト中に濃化し、引き続く一連の熱処理に伴う組織変化に際してオーステナイトを安定化することを目的とする。この焼鈍温度が700℃未満では再結晶が不十分であり、鋼板に必要なプレス加工性を具備できない。一方900℃を超すような温度で焼鈍するとTi、Nb、Mo、Vの炭窒化物が一部溶解し、またオーステナイトの体積率が必要以上に大きくなると共に、オーステナイトとフェライトの間でCの分配比が小さくオーステナイトの化学的安定性が悪くなるために以降の工程が厳しく制約されるため金属組織を意図したものとし、必要な引張強さと加工性の両立が容易ではなくなる。焼鈍時間が10秒未満では炭化物が十分に固溶せず、焼鈍温度が高くともオーステナイトが僅かしか形成されない。5分を超える焼鈍はエネルギーの無駄となるばかりか連続ラインでの生産性低下を引き起こす。
【0031】
焼鈍後の鋼板は引き続いて300〜500℃に冷却されるが、その際、二相共存温度域で形成されたオーステナイトがパーライトに変態するのを避けるため700℃から500℃までの冷却速度を1〜80℃/秒とする。500℃を超える温度で冷却を停止するとパーライト変態が急激に始まり、オーステナイトを残存できない。一方、冷却終了温度が300℃未満になるとオーステナイトの過半がマルテンサイトに変態するため、その後の保持や再加熱によりマルテンサイトが焼き戻されてセメンタイトが析出し、高強度ではあっても加工性が良くない。また700℃から500℃までの間の冷却速度が1℃/秒未満ではパーライトが生成し、高強度でもなく、加工性も良くない。80℃/秒を超すような冷却速度で冷却すると、冷却途上でオーステナイトからフェライトへの変態が起こりにくく、特に焼鈍温度が高い場合には引き続く350〜600℃での保持で生成するベイナイトの体積率が大きくなり、高強度ではあっても加工性が良くない。
【0032】
この後引き続き、本発明では必要により350〜600℃の範囲の温度域に5秒〜10分保持してから350℃から200℃までの間の冷却速度を5℃/秒以上として200℃以下に冷却するが、その目的は700℃以上から冷却した際にフェライト中に過飽和な状態で存在するCをフェライトの粒界および粒内に析出させ、フェライトの延性を高めることにより、マルテンサイトおよび残留オーステナイトとの複合組織強化に由来する加工性の向上を最大限に引き出すことにある。保持する温度が600℃を超えるとCのフェライトへの固溶限が高く、何ら効果がないばかりかオーステナイトからはパーライトが生成し、高強度でもなく加工性も良くない。一方350℃未満ではフェライト中に微細な炭化物が析出し、フェライトの延性が低下するため、マルテンサイトおよびオーステナイトが合計で体積率6%以上存在しても、高強度ではあっても加工性が良くない。また保持時間が5秒未満ではCの析出が極めて不十分で、フェライトの延性が高くないため、加工性が不足する。一方10分を超えて保持した場合にはオーステナイトの過半がベイナイトに変態し、複合組織強化の効果が発揮されず、加工性も良くない。この保持後の冷却速度が5℃/秒未満であったり、200℃を超える温度で冷却を停止した場合も同様にオーステナイトの過半がベイナイトに変態するため、複合組織強化の効果が発揮されず、加工性も良くない。
【0033】
この一連の熱処理においては規定した温度域内であれば保持温度は一定である必要はなく、また冷却速度が冷却途中に規定した範囲内で変化することも本発明の趣旨を損なわない。特に350〜600℃の範囲の温度域での5秒〜10分保持はこの温度の範囲内で過冷却後再加熱されるものであってもよく、図1に例示するいずれも可能である。また熱履歴さえ満足されれば、鋼板は連続焼鈍設備やライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備をはじめとしたいかなる設備で熱処理されてもかまわない。熱処理後形状矯正のために調質圧延を行ったり、また防錆の改善のために電気亜鉛めっきを施したり、またその一層の改善を図るために金属酸化物皮膜、有機皮膜などの表面処理を施しても、更に上層に鉄めっきを施してプレス成形性の改善を図っても、プレス加工性とスポット溶接性の優れた高強度鋼板という本発明の特徴は阻害されず、プレス加工性や防錆の一層の改善につながるため本発明の目的を達成するうえで好ましい。
【0034】
【実施例】
次に本発明例を実施例にて説明する。
【0035】
(実施例1)
表1に示す組成からなる鋼を1230℃に加熱し、表2に示す仕上温度で3.0〜7.5mmの熱間圧延鋼帯とし、540〜620℃で巻き取った。酸洗後、60〜75%の圧下率の冷間圧延を施して表2に示す板厚の冷間圧延鋼帯とした後、連続焼鈍設備を用いて表2に示すような条件の熱処理と伸び率0.3〜1.5%の調質圧延を行い、冷延鋼板を製造した。この鋼帯からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張り試験を行うことにより、降伏強さ(YP)、引張強さ(TS)、伸び(El)を求めると共に、マルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率を光学顕微鏡を用いた金属組織観察により求めた。また30mm×120mmの長方形に鋼板を切り出し、先端径6mmのCF型Al2O3分散強化Cu電極を用いて、スクイズ時間30サイクル、スロープ3サイクル、保持時間25サイクル、鋼板の厚さをtmmとした時に通電時間10×tサイクル、加圧力2400×tNでJIS Z 3140でA級と規定される径のナゲットが形成されるような溶接電流でスポット溶接を行い、スポット溶接されたサンプルをタガネチェックし、溶接ナゲット外で破断した場合を合格、ナゲット内で破断した場合を不良と判定した。結果を表2に示す。
【0036】
この表から明らかなように、本発明試料である試料No.5、9、13、15、21、28、30、34は、その金属組織にマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合わせて6%以上含み、高強度でスポット溶接性に優れると同時に、引張強さと全伸びの積が21000MPa・%を超えていることから判るようにプレス加工性も優れている。
【0037】
これに対し本発明成分鋼であっても、熱間圧延や冷間圧延後に行う熱処理の条件が不適切であると、試料No.4、7、8、10〜12、14、16〜20、25〜27、29のようにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率が6%未満となり、高強度ではあっても加工性が優れないか、加工性が優れても強度が低い。特に試料No.4や20のように熱間圧延の仕上出側温度が不適切であると、焼鈍温度が高い場合にも未再結晶状態のフェライトが残存し易く、高強度であっても加工性が優れない。また、本発明で規定する量のTiを含有しない鋼では、引張強さを高めようとすると試料No.23のようにその金属組織にマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せて6%以上含まれても、引張強さと全伸びの積が21000MPa・%に達しないことから判るようにプレス加工性が劣化する。更に本発明成分以外の鋼では、試料No.22、24、35のようにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率が6%以上存在した金属組織を有し、高強度でプレス加工性が優れていても、スポット溶接部をタガネチェックするとナゲット部から破断するか、また試料No.1、3、6、23、31のようにタガネチェックで溶接性が満足されても、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率を合せて6%以上とすることが困難であり、高強度ではあっても加工性が優れないか、加工性が優れても強度が低い。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
(実施例2)
表1に示す組成からなる鋼を1210℃に加熱し、表3に示す仕上温度で3.5〜5.0mmの熱間圧延鋼帯とし、540〜620℃で巻き取った。酸洗後、68〜71%の圧下率の冷間圧延を施して表3に示す板厚の冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて表3に示すような条件の熱処理と伸び率0.8〜1.2%の調質圧延を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。この鋼帯からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張り試験を行うことにより、降伏強さ(YP)、引張強さ(TS)、伸び(El)を求めると共に、マルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率を光学顕微鏡を用いた金属組織観察により求めた。また30mm×120mmの長方形に鋼板を切り出し、先端径6mmのCF型Al2O3分散強化Cu電極を用いて、スクイズ時間30サイクル、スロープ3サイクル、保持時間25サイクル、鋼板の厚さをtmmとした時に通電時間10×tサイクル、加圧力2400×tNでJIS Z 3140でA級と規定される径のナゲットが形成されるような溶接電流でスポット溶接を行い、スポット溶接されたサンプルをタガネチェックし、溶接ナゲット外で破断した場合を合格、ナゲット内で破断した場合を不良と判定した。結果を表3に示す。
【0041】
この表から明らかなように、本発明試料である試料No.37はその金属組織にマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合わせて6%以上含み、高強度でスポット溶接性が優れると同時に、引張強さと全伸びの積が21000MPa・%を超えることからも判るようにプレス加工性も優れている。これに対し本発明成分鋼であっても、熱間圧延や冷間圧延後に行う熱処理の条件が不適切であると、試料No.36のようにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率が6%未満となり、高強度ではあっても加工性が優れないか、加工性が優れても強度が低い。また、本発明で規定する量のTiを含有しない鋼では、引張強さを高めようとすると試料No.38のようにその金属組織にマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せて6%以上含まれても、引張強さと全伸びの積が21000MPa・%に達しないことから判るようにプレス加工性が劣化する。更に本発明成分以外の鋼ではマルテンサイトおよび残留オーステナイトを合せた体積率が6%以上存在した金属組織を有し、高強度でプレス加工性が優れていても、スポット溶接部をタガネチェックするとナゲット部から破断するか、また試料No.39のようにタガネチェックで溶接性が満足されても、その金属組織に含まれるマルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率を合せて6%以上とすることが困難であり、高強度ではあっても加工性が優れないか、加工性が優れても強度が低い。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればプレス加工性を改善しようとした高強度鋼板において、スポット溶接部の状態を現場的にチェックするタガネチェックにおいてナゲット外で破断するようCやSi、Mn含有量を低減したうえで、固溶強化や複合組織強化に加え、更にTi、Nb、Mo、Vといった元素によってフェライトが析出強化されているため、必要な強度の確保が容易であるうえ、残留オーステナイトの変態誘起塑性を利用してプレス加工性も顕著に改善される。即ち、引張強さ540〜1030MPaの高強度鋼板において、優れた加工性とスポット溶接性の両立を図ることができ、自動車、家庭電気製品、建築等の分野でそれぞれが持つべき機能を向上させながら軽量化を図ることができるため産業上極めて大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱処理条件のいくつかを例示した図である。
Claims (6)
- 質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:1.15〜2.2%、
Mn:1.0〜2.2%、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の化学成分からなり、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれることを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板。 - 質量%で、
C:0.05〜0.15%、
Si:1.15〜2.2%、
Mn:1.0〜2.2%、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下
と更にNb、Mo、Vの1種以上を合計で0.005〜0.1%含有し、残部Feおよび不可避的不純物の化学成分からなり、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれることを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板。 - 請求項1または請求項2に記載の高強度冷延鋼板に亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施したことを特徴とする加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度めっき鋼板。
- 請求項1または請求項2に記載の化学成分からなる組成のスラブに%SiをSi含有量とした時、仕上出側温度を(900+50×%Si)℃以下とする熱間圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施した冷延板を700〜900℃のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で10秒〜5分焼鈍し、700℃から500℃までの間の冷却速度を1〜80℃/秒として300〜500℃に冷却し、5秒〜10分保持してから350℃から200℃までの間の冷却速度を5℃/秒以上として200℃以下に冷却することを特徴とする、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記300〜500℃に冷却した後に、さらに再加熱して350〜600℃の範囲の温度域に5秒〜10分保持することを特徴とする、請求項4に記載の金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
- 請求項4または請求項5に記載の製造工程に引き続き、亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とする、金属組織が再結晶フェライトにマルテンサイトおよび残留オーステナイトが合計で体積率6%以上含まれる加工性とスポット溶接性に優れた引張強度780Mpa以上の高強度めっき鋼板の製造方法。
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