JP4664270B2 - 水処理装置 - Google Patents

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本発明は、水処理装置に関する。
従来、廃液を処理する装置として、廃液を処理室に導入し、廃液及び光触媒をコーティングした担体を処理室で流動させながら、担体に紫外線を照射し、光触媒反応を生じさせ有機塩素化合物を分解して浄化し、この処理水を排出口を通して後段に供する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−358467号公報
しかしながら、上記装置にあっては、使用に連れて浄化性能が低下するという問題がある。特に、廃液の導入、光触媒処理、処理水の排出を連続的に行う連続処理の場合には特に顕著となる。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、十分な浄化性能を発揮できる水処理装置を提供することを目的とする。
ここで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、使用に連れて浄化性能が低下するのは、光触媒反応を生じる担体が後段に流出し、担体が処理室内で減少してしまうことが原因であることを見出した。
そこで、本発明による水処理装置は、被処理水を導入し浄化するための処理槽と、槽内の底部略中央に配設された散気部を備え、被処理水及び表面に光触媒を有する複数の粒状吸着材を槽内で流動させるための散気装置と、槽内の略中央に上下方向に延在するように設けられ、粒状吸着材に紫外線を照射するための紫外線照射ランプと、槽内から処理水を排出するための排出部と、流動する粒状吸着材が衝突し、当該粒状吸着材が排出部を通して槽内から流出することを妨げるためのバッフル板と、紫外線照射ランプの下方に配設され、逆円錐形状を有する保護板と、を具備したことを特徴としている。
このような水処理装置によれば、処理槽に被処理水が導入され、この被処理水及び表面に光触媒を有する複数の粒状吸着材が、散気装置により槽内で流動しながら、紫外線照射ランプにより紫外線照射されるため、粒状吸着材の表面は紫外線を満遍なく受光し、光触媒反応が高効率で進行してOHラジカルが効果的に生じ、このOHラジカルにより、粒状吸着材に吸着された有機汚濁物質(BOD、COD、環境ホルモン等)が酸化分解されると共に当該粒状吸着材が再生され、且つ、NH、NOx類は酸化されるという有効な浄化が成されつつ、流動する粒状吸着材はバッフル板に衝突し、排出部を通して槽内から流出することが妨げられる。従って、簡易且つ安価な構成のバッフル板により低コスト化を図りつつ、十分な浄化性能を発揮できる。加えて、装置での藻類の繁殖を防止できる。
また、底部略中央に配設された散気装置の散気部により、槽内には、略中央を上昇して外周側に向かい外周側を下降して略中央に向かう被処理水及び粒状吸着材の旋回循環流が形成されるため、全ての粒状吸着材が、槽内の略中央に上下方向に延在するように設けられた紫外線照射ランプの近傍を通ることになり、粒状吸着材の表面は紫外線を近距離で受光し、光触媒反応が一層高効率で進行するようになる。さらに、保護板の逆円錐形状により上記旋回循環流が乱されること無く、当該保護板により紫外線照射ランプに対する粒状吸着材の衝突が防止され保護される。
ここで、排出部は、槽を構成する壁側に位置し被処理水の水面位置近傍に設けられ、バッフル板は、槽内の略中央に配設され、筒状を成すと共に底部に向かうに従い径が拡大し被処理水の上部に浸漬可能とされるのが好ましい。このような構成を採用した場合、槽内の略中央を上昇する粒状吸着材や上昇してから外周側に向かう粒状吸着材が、バッフル板に衝突し、排出部に向かうのが効果的に阻止され、槽内からの流出が防止される。また、被処理水中を上昇するガスは、バッフル板に集められ、その上部から排出されるため、ガス抜き管としても機能する。
このように本発明によれば、低コスト化を図りつつ、十分な浄化性能を発揮することが可能となる。
以下、本発明による水処理装置の好適な実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、参考形態に係る水処理装置を示す概略構成図であり、本参考形態の水処理装置は、水処理設備に設けられるもので、有機汚濁物質(BOD、COD、環境ホルモン等)、NH3、NOx類を含む被処理水を浄化するためのものである。
図1に示すように、水処理装置100は概略、被処理水が導入される処理槽1と、槽1内に導入された多数の粒状吸着材2と、槽1内を散気する散気装置3と、槽1内に紫外線を照射する紫外線照射ランプ4と、槽1内から処理水を排出する排出部5と、を備えている。
処理槽1は、被処理水を槽1内に導入するための散水管6を下部に備え、この散水管6により被処理水を槽1内の下部から一様に導入する。
粒状吸着材2は、被処理水中の有機汚濁物質を吸着するための粒状体であり、例えば、活性炭、ゼオライト、ベントナイト、シリカゲル等が用いられる。ここでは、特に好ましいとして、ヤシ殻活性炭が用いられ、1〜6mm程度のものが用いられている。
この粒状吸着材2は、その表面に光触媒7を有している。この光触媒7は、紫外線が照射されると、光触媒反応を生じるもので、ここでは、特に好ましいとして、酸化チタン(TiO)が用いられている。この酸化チタンは、波長387nm以下の紫外線が照射されると、極めて強力な光触媒反応である酸化・還元作用を示す。この光触媒7は、粒状吸着材2の表面に例えばコーティング等により設けられている。
散気装置3は、例えば、空気、酸素、オゾン、窒素等の気体を給気して槽1内の散気部3aから散気し、槽1内の被処理水及び粒状吸着材2を流動させるものである。この散気部3aは、槽1内の底部略中央に配設されて散気し、これにより、槽1内に、仮想線で示すように、略中央を上昇して外周側に向かい外周側を下降して略中央に向かう被処理水及び粒状吸着材2の旋回循環流Sを形成する。
紫外線照射ランプ4は、粒状吸着材2に紫外線を照射するためのものであり、槽1内の略中央で散水管6及び散気部3aより上方の位置に、上下方向に延在すると共に被処理水に浸漬するように設けられている。この紫外線照射ランプ4としては、例えば、UVランプ、蛍光灯、ブラックライト等が用いられる。
排出部5は、ここでは、槽1を構成する壁側に位置し被処理水の水面位置近傍に設けられている環状の集水樋である。この排出部5は、槽1内から越流する上澄水を処理水(浄化水)として後段に排出する。
ここで、特に本参考形態においては、槽1内を流動する粒状吸着材2が衝突し、排出部5を通して槽1内から流出することを妨げるためのバッフル板8を備えている。
このバッフル板8は、槽1内の略中央に配設され、円筒形状を成す上部8aに、槽1内の底部に向かうに従い内外径が共に拡大する筒状円錐台形状の拡径部8bを連設した構成とされている。そして、このバッフル板8は、当該バッフル板8内に紫外線照射ランプ4の上部が位置すると共に、その拡径部8bが槽1内の被処理水の上部に浸漬するように設けられている。
このように構成された水処理装置100によれば、処理槽1内に散水管6を介して被処理水が導入され、散気装置3の散気部3aから散気することにより、被処理水及び粒状吸着材2が槽1内で旋回循環流Sを形成しながら流動し、流動する粒状吸着材2に対して紫外線照射ランプ4により紫外線が照射される。
この状態にあって、被処理水中の有機汚濁物質は粒状吸着材2に吸着される。この粒状吸着材2は流動しているため、当該粒状吸着材2の表面は紫外線を満遍なく受光し、光触媒反応が高効率で進行する。しかも、旋回循環流Sにより、全ての粒状吸着材2が、槽1内の略中央に上下方向に延在するように設けられた紫外線照射ランプ4の近傍を通るため、粒状吸着材2の表面は紫外線を近距離で受光し、光触媒反応が一層高効率で進行する。
この高効率で生じる光触媒反応により、OHラジカルが効果的に生じ、当該OHラジカルにより、粒状吸着材2に吸着された有機汚濁物質が酸化分解されると共に当該粒状吸着材2が再生され、この有機汚濁物質の吸着、酸化分解、粒状吸着材2の再生が繰り返される。
また、被処理水中のNH、NOx類は、光触媒反応により生じたOHラジカルにより酸化される。
このように、光触媒反応により、有機汚濁物質の酸化分解、NH、NOx類の酸化が行われるため、被処理水は有効に浄化される。
この状態にあって、旋回循環流Sで流動する粒状吸着材2は、上昇した時や上昇してから外周側に向かう時に、バッフル板8の拡径部8bに衝突し、下方や外周側の下方に向かって沈降し、再度旋回循環流Sで流動する。このため、粒状吸着材2が排出部5に向かうことが効果的に阻止され、粒状吸着材2の槽1内からの流出が防止される。
また、粒状吸着材2の流出を防止するバッフル板8は、ガス抜き管としても機能し、被処理水中を上昇するガスは、末広がりの拡径部8bに効果的に集められて、上部8aから排出される。
一方、槽1内の処理水(上澄水)は、バッフル板8の下端をくぐって外周側に至り、排出部5を介して排出される。
このように、本参考形態においては、被処理水及び表面に光触媒7を有する複数の粒状吸着材2を、散気装置3により槽1内で流動させながら、紫外線照射ランプ4により紫外線照射することで、前述した有効な浄化を行いつつ、流動する粒状吸着材2をバッフル板8に衝突させることで、排出部5を通して槽1内から流出するのを妨げるようにしているため、簡易且つ安価な構成のバッフル板8により低コスト化を図りつつ、十分な浄化性能を発揮することができる。また、本参考形態によれば、装置での藻類の繁殖を防止することもできる。
図2は、本発明の実施形態に係る水処理装置を示す概略構成図である。
の実施形態の水処理装置200が参考形態の水処理装置100と違う点は、紫外線照射ランプ4の下方に、逆円錐形状を成す保護板9を設けた点である。
この実施形態の水処理装置200によれば、保護板9の逆円錐形状により上記旋回循環流Sが乱されること無く、当該保護板9により紫外線照射ランプ4に対する粒状吸着材2の衝突が防止され保護されるようになる。
本発明の参考形態に係る水処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…処理槽、2…粒状吸着材、3…散気装置、3a…散気部、4…紫外線照射ランプ、5…排出部、7…光触媒、8…バッフル板、8a…筒部、8b…拡径部、9…保護板、100,200…水処理装置、S…旋回循環流。

Claims (2)

  1. 被処理水を導入し浄化するための処理槽と、
    前記槽内の底部略中央に配設された散気部を備え、前記被処理水及び表面に光触媒を有する複数の粒状吸着材を前記槽内で流動させるための散気装置と、
    前記槽内の略中央に上下方向に延在するように設けられ、前記粒状吸着材に紫外線を照射するための紫外線照射ランプと、
    前記槽内から処理水を排出するための排出部と、
    流動する粒状吸着材が衝突し、当該粒状吸着材が前記排出部を通して前記槽内から流出することを妨げるためのバッフル板と、
    前記紫外線照射ランプの下方に配設され、逆円錐形状を有する保護板と、を具備したことを特徴とする水処理装置。
  2. 前記排出部は、前記槽を構成する壁側に位置し前記被処理水の水面位置近傍に設けられ、
    前記バッフル板は、前記槽内の略中央に配設され、筒状を成すと共に底部に向かうに従い径が拡大し前記被処理水の上部に浸漬可能とされることを特徴とする請求項記載の水処理装置
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