JP4663846B2 - パターン認識型部分放電検知器 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧電気設備を含む送配電設備における部分放電の検出器に関し、特に、放電部から発生する電磁波、音波や超音波等を検知する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高圧電気設備を含む送配電設備は、供給変電所(配電用変電所)からの高圧配電線路に自家用受電設備を配置し、前記自家用受電設備の各需要部に給電する経路を構成している。一般の工場等においては、配電用変電所からの高圧配電線から、自家用受電設備に分岐して接続し、変圧器を通して低圧電力をモータ等に供給する設備を設けている。前記高圧電気設備を含む送配電設備では、ケーブルやキュービクル内に設ける電気設備等において、絶縁体や機器に劣化等による部分放電が発生することがある。そして、前記放電が発生すると、運転状態にある機器や、ケーブルの絶縁の絶縁性能が低下あるいは消失し、重大な絶縁破壊事故につながるという問題がある。
【0003】
そこで、前述したような送配電設備では、大事故に至らない初期の段階での部分放電を検知して、事前に対策を講じることにより、機器の劣化や絶縁破壊を防止することが重要である。そのために、現在は、集音マイク、八木ー宇田アンテナなどのような指向性を有する装置を用いて、電柱間に張られたケーブルや、電柱に設置している機器および受電側に設けている変圧器等の機器を対象として、部分放電により発生する電磁波や超音波等を捕らえて、その検知情報を分析することが行われている。また、指向性を有しない集音器を用いることで、キュービクル等の密閉された箱の内部に配置している機器等で、放電が発生したことを検知することも行われている。
【0004】
【発明の背景】
送配電設備における部分放電は、コロナ放電と呼ばれるボイド放電、沿面放電等による絶縁物の劣化ないしは破壊を対象とするもので、絶縁体中にエアーギャップがあると、ある印加電圧以上でこのギャップ内に比較的微弱な放電が発生し、この放電が持続するとギャップ周辺の絶縁物が次第に侵されたり、樹枝状劣化孔(トリー)が発生したりして、最終的には絶縁破壊に至る。また、電極の縁端等から発生する沿面放電によって、同様な劣化ないしは破壊が生じる。前記部分放電は、ある電極配置の絶縁構成系に電圧を印加し、その印加電圧を高めていくと、電位の傾きの大きいところに生じる局部的な放電で、絶縁体中で部分的に発生する放電を表し、部分放電では全路貫通破壊は起こらない。しかし、このような部分放電が発生すると、電離効果が大きくなり、その部分の電流の集中、空間電荷の密度が大きくなれば、光および音響の発生、さらには絶縁物の侵食が生じて、絶縁体の劣化が進行することから、早期に部分放電を検知し対策する必要がある。
【0005】
近年、電気機器やケーブルの高電圧化、小型化が進み、絶縁体にかかる電界が高くなったため、絶縁体の内部あるいは表面に接して部分放電が発生しやすいという傾向が顕著である。一般に、部分放電が発生すると、可聴域から超音波帯域までの広い周波数帯域を持つ音波が発生し、同時に、数十kHzから数百MHz程度までの広い周波数帯域を持つ電磁波も発生する。これらの超音波や電磁波は、機器の外箱やシールド等がない場合は、広い範囲に放射されるので、架空ケーブルの導体または絶縁体の表面に発生した部分放電は、遮蔽体がないため音波や電磁波を検知することにより検知が可能である。
【0006】
例えば、図14に示すような構成の試験回路において、印加電源8から被試験物9に対して商用周波数交流電圧を印加し、前記被試験物9に部分放電が発生すると、図15の充電電流波形例に示すような電流が流れる。前記図15の波形において、波形▲1▼の部分では正の電位が低いため、部分放電は発生しないが、電位が徐々に高くなるに従い、▲2▼の部分で部分放電が発生する。さらに、▲3▼の部分では電位が低くなるために部分放電は停止するが、同様の現象が波形の負の部分でも発生する。前述したように、部分放電により発生する超音波は、交流波形1サイクルにつき2回発生と停止が繰り返される特定のパターンをもつことになる。また、前記部分放電により発生する電磁波も、前記超音波と同様な発生パターンをもつもので、図16のグラフに示すように、交流印加電圧の2倍のサイクルで発生するものとなる。
【0007】
前記図16の超音波の発生とは別に、超音波を用いて部分放電を検知しようとする場合には、前記部分放電により発生する超音波とともに、機械的な振動等による超音波も検知される。例えば、機械の振動やケーブルに風が当たって発生する超音波は、図17に示すように、特定のパターンがなく連続的でランダムな発生をするものとして検知される。また、電気通信用等の電磁波も、特定のパターンを持たない場合が多いのが特徴である。
【0008】
前記超音波等を検知して部分放電箇所を特定するために、従来より部分放電検知装置が用いられており、例えば、超音波検知方式の装置や、電磁波検知方式、充電波形から診断する方式の各種の装置等が市販されている。前記超音波方式の検知装置では、部分放電箇所から発生する電磁波、音波、超音波の中から、放射エネルギーが大きく指向性が強くて、信号として扱いやすい超音波をとらえて、放電している不良箇所を遠方より標定し検知するために用いている。そして、放電箇所から発生する超音波を指向性のある集音器により集束し、超音波センサ(受信周波数は40kHzが多い)で検知し、その情報を電気量に変換してメーター等に表示し、その表示にもとづいて技術者が判定を行っている。
【0009】
電磁波検知方式では、前記超音波方式の装置と同様に、放電箇所から発生した電磁波をアンテナで捉えて電気料に変換し、メーター等で表示する。この方式では、受信する周波数は100MHz程度から数百MHz程度が多い。なお、前記周波数の選択は、いずれも各種移動通信帯域、および放送周波数帯域以外の周波数を対象とする。また、充電電流波形からの診断方法では、高圧ケーブル等に正弦波交流を印加し、部分放電が発生すると前述したような電気振動が発生するため、この振動を捉らえて絶縁診断を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記各種の部分放電検知方式では、超音波、電磁波、充電電流検知方式のいずれでも、同様な欠点を有するものであるが、以下に最も多く用いられている装置は、超音波式部分放電検知装置である。ところが、前記超音波方式の装置では、集音マイクを用いているものであることから、電磁波や超音波のような部分放電に起因する特定のパターンを持つ超音波の他に、電気通信の電波や機械振動、風切り音等のノイズが含まれた超音波も同時にキャッチしている。そこで、従来は、経験の豊富な技術者が、多種の振動音の中から放電に起因する振動情報のみを、選別して検知することが行われている。しかしながら、多種多様な検知情報の中から、部分放電に起因する情報のみを選り分けて判断することは、個人差が多く発生し、不正確な絶縁診断となるという問題がある。また、前述したような経験のみによる検知の方法では、特に、屋外の風の強い場所に張られたケーブルに対しては、部分放電による情報をキャッチすることが困難であるという問題がある。
【0011】
本発明は、前述したような従来の集音マイクなどによる放電の検知の問題を解消するもので、放電検知器に部分放電による情報のみを分離する手段を付設し、部分放電に起因する情報を正確に検知できるような装置を提供することを目的としている。
【0012】
本発明は、高圧電気の送配電設備における部分放電の検知器に関するもので、
放電部から発生する超音波または充電電流を検知するセンサと、
前記センサからの信号を選択的に通過させて増幅するフィルタ回路から伝達される信号を整流し、包絡線を形成し出力する検波回路と、
前記検波回路から出力される信号に対して、信号波形のノイズ成分と部分放電による波形のピーク成分とのレベル差の1/2を検出し、一定時間または一定サイクルを平均した基準電圧を求める基準電圧回路と、
前記検波回路からの出力情報を、基準電圧回路から出力される基準電圧と比較して出力する比較回路と、
前記比較回路の出力情報から商用周波数の2倍の周波数を通過させて出力する特性を有する追加フィルタ回路と、を組合わせて設けて検知装置を構成し、
前記検知装置においては、商用周波数の2倍の周波数を通過させると、出力されるエネルギーレベルが最大となるという追加フィルタ回路の特性を用い、
基準電圧を自動的に変化させる機能を組合わせて、前記検波回路からのノイズを含む情報の中から放電情報を分離し、表示装置に表示させることを特徴とする。
【0015】
前述したように構成したことにより、本発明の検知装置においては、簡単な信号処理により、超音波センサが集音した超音波信号から、機械振動や空気振動等の放電信号以外のノイズを排除できるので、放電を正確に検知することができ、放電の点検精度を向上させることができる。また、検知装置に用いる回路を簡単なものとして構成でき、信号処理が容易であることから、従来の機器にも容易に組み込むことができ、従来の装置と同様に使用でき、放電検知感度を高めて微小な放電をも高精度で検知することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図示される例にしたがって、本発明の装置の構成と作用とを説明する。図1に示す検知装置1は、任意の集音マイク等による超音波センサ2とバンドパスフィルタ3、検波回路4と、前記検波回路4から出力された信号から、選択した特定の周波数のみを通過させ、増幅して出力するフィルタ回路としての追加のフィルタ回路5を順次配置してなり、前記追加フィルタ回路5で得た信号を表示装置6に表示するようにしている。前記検知装置1の超音波センサ2は、架空ケーブル等の目的物から出力される超音波振動を、選択的に検出して電気信号として変換するマイクのような装置であり、一般に圧電セラミックス、水晶振動子等を用いている。バンドパスフィルタ3は超音波信号のバンドパスフィルタであり、前記超音波センサ2により得た周波数選択度をさらに上げる場合、特定の周波数を選択的に通過させると同時に、必要な大きさまで増幅する。なお、前記バンドパスフィルタ3を通過する周波数は、超音波センサ2の検知周波数と同一に設定している。
【0017】
検波回路4は、信号を整流、平滑(AM検波)化し、可聴周波数成分以上の周波数成分を除去して包絡線を形成し、可聴周波数として出力する。なお、前記超音波センサ2、バンドパスフィルタ3、検波回路4を接続して、受信した信号の処理を行う機構は、従来の部分放電検知装置に用いられているものであり、本発明においては、以下に説明する追加フィルタ回路5を新たに付加したことが特徴である。前記追加フィルタ回路5は、本発明において新たに設ける回路であって、電源周波数が50Hzでは100Hz、60Hzでは120Hzのバンドパスフィルタとする。前記追加フィルタ回路5を付加して設けることにより、選択的に検出した部分放電の信号を、表示装置6に向けて出力信号を伝達でき、表示装置6では出力レベルをメーターの針を振れさせること等により正確に表示することができる。
【0018】
前記検知装置1において、バンドパスフィルタ3で処理されて出力される信号aは、図2の(a)に示す波形のように、断続した波形の信号となる。そこで、前記検波回路4で処理した信号bは、図2の(b)に示すような波形で、電源周波数の2倍の周期を持つ断続信号として出力される。この段階で超音波成分は除去され、可聴周波数に変換される。前記図2の(b)に示される周波数成分は、電源周波数の2倍の周波数が最もエネルギーレベルが大きく、追加フィルタ回路5の電源周波数の2倍の通過周波数を持つバンドパスフィルタを通過させることにより、図2の(c)に示すような波形の大きな出力を得ることができ、その情報cを表示装置6に伝達して表示させることができる。したがって、前記表示装置6の表示を確認することにより、技術員の熟練レベルに依存することなしに、部分放電の発生を容易に知ることが可能となる。
【0019】
前記図2には、電源周波数に起因する信号の場合を説明したが、前記超音波センサ2においては、その必要とされる周波数の他に、風切り音や機械的な振動等のノイズをも同時に検知する。前記ノイズ成分の情報をバンドパスフィルタ3を通して処理すると、図3の(a)に示されるように出力されるが、前記図17の信号とほぼ同一の信号として得られる。前記図3の(a)の信号を、検波回路4を通して処理すると、図3の(b)に示す波形となり、特定のパターンを持たないランダムな信号として出力されるが、この波形の周波数成分は、ランダムな波形であるために、広い帯域にエネルギーが分布して特定の周波数のエネルギーレベルが高いことはない。そこで、前記図3の(b)の信号を、電源周波数の2倍の通過周波数を持つ追加フィルタ回路5を通すと、図3の(c)に示す波形となり、ほとんどゼロに近い波形が追加フィルタ回路5から表示装置6に伝達される。したがって、前記ノイズを超音波センサ2が受信したとしても、放電が発生していることの信号の他には、ノイズの信号が表示装置6に表示されないので、放電発生の情報には影響が生じることはない。
【0020】
前記検知装置1の超音波センサ2が受信した信号に、ノイズ成分が非常に少ない場合や、ノイズのレベルが弱い場合には、バンドパスフィルタ3から出力される信号は、図4に示すように、電源周波数の2倍の振動周波数の成分が強く出力される状態となる。つまり、部分放電の発生箇所からの信号aは大きな値として出力され、それ以外の信号bは非常に小さい値となって得られる。そして、検波回路4から出力される出力波形も、図5に示すようにピーク部aとディップ部bの差が大きいため、追加フィルタ回路5を通過させることにより、容易に部分放電を検出することができる。
【0021】
前記ノイズのレベルが弱い場合には、前述したようにして、検知装置1により処理することができるが、ノイズが非常に強い状態の場合には、図6のグラフに示すように、部分放電の発生箇所からの信号aに対して、ノイズ成分の信号bも大きい値として得られる。そして、検波回路4から出力される出力波形も、図7に示すようにピーク部aとディップ部bの差が小さくなるので、追加フィルタ回路5を通過させたとしても、出力レベルの差が小さく、部分放電の検知が困難になる。そこで、前記ノイズ成分が強く出現する状態に対しては、図8に示すような検知装置10を用いることで対処可能となる。
【0022】
前記図8に示す検知装置10においては、超音波センサ11とバンドパスフィルタ12および検波回路13の回路に対して、追加フィルタ回路16の前に基準電圧回路14とコンパレータ15とを配置している。前記基準電圧回路14は、図9に示すような検波回路13から出力される信号に対して、信号波形のノイズ成分bと部分放電による波形のピーク成分aとのレベル差の1/2を検出する。そして、図9の基準電圧Vs=(a+b)/2となるように、自動的に追尾する電圧を発生する。前記基準電圧Vsは、一定時間または、一定サイクルを平均して定める。なお、前記信号処理は、A/Dコンバータにより、デジタル信号変換して行う方法と、アナログ的に処理する方法とを用いることができる。前記基準電圧回路14と検波回路13からの信号が入力されたコンパレータ15においては、(+)端子に入力される入力電圧が、(−)端子から入力される基準電圧以上になると、出力電圧がマイナスからプラスとなる回路である(逆極性の回路もある)。
【0023】
前記コンパレータ15においては、図10に示されるように、入力された信号を基準電圧と比較し、基準電圧線をクロスする毎に出力電圧波形のようなパルスを発生する。前記パルス幅は不均一となるが、パルス発生周期は電源周波数の1/2となり、電源周波数の2倍周波数が最もエネルギーレベルが大きくなる。そして、前記出力信号を電源周波数の2倍の通過周波数を持つ追加フィルタ回路16を通過させることにより、放電の有無を検知することができ、その追加フィルタ回路16の出力信号を表示装置17に向けて出力し、前記図10の出力波形のような表示をディスプレイ、またはメータに表示することができる。なお、機械振動等のノイズを受信した場合には、コンパレータ15の出力パルスの周期がランダムとなり、一定の周期を持たないのであるから、広い帯域にエネルギーが分布し、追加フィルタ回路16の出力信号が小さくなるので、放電による信号と判別することが可能である。
【0024】
前記図1、8に示すような検知装置の他に、ノイズを良好に分離し得る検知装置として、図11に示すような装置を用いることもできる。図11に示す検知装置20は、超音波センサ21とバンドパスフィルタ22および検波回路23に加えて、追加フィルタ回路25との間にカップリングコンデンサのようなコンデンサ24を配置している。前記コンデンサ24は、検波回路23の出力信号の直流成分をカットするとともに、出力側に接続する追加フィルタ回路25の増幅度を上げるようにする。
【0025】
前記検波回路23から出力される信号dは、図12に示すように、直流成分を含むために回路の飽和等の問題が生じ、追加フィルタ回路25の増幅度を上げることが困難である。そこで、前記検波回路23の出力信号をコンデンサ24を通すことにより、図13に示す波形のように、直流分がカットされたものとなり、前記図13の出力信号eを追加フィルタ回路25に入力することによって、ノイズ成分を容易に分離して部分放電の検知に用いることができる。そして、前記追加フィルタ回路25により処理された信号を表示装置26に伝達して、ディスプレイに波形、またはメータに表示して、部分放電の有無を検知することが可能となる。
【0026】
前記各実施例に示した検知装置は、例えば、超音波センサを指向性を有する集音器として構成する場合には、架空線や電柱の碍子の部分、または電柱に設置している変圧器や分岐部等に対する部分放電の検知に用いることができる。そして、ノイズが多く発生する場所でも、ノイズ成分をカットして部分放電に関連する情報のみを分離して検知することができる。また、キュービクル内部等の密閉された箱の内部で、機器やケーブル等での部分放電を検知するためには、指向性を有しない超音波センサをキュービクル内部に設置しておくと、容易に部分放電を検知することができる。
【0027】
なお、前記検知装置に配置する表示装置としては、従来より放電検知装置に用いられているように、多数のランプを並べておき、追加フィルタ回路の出力情報の強弱の程度を、点灯するランプの数で表示することができる。その他に、メーターの針を振れさせる方式や、テレビ画面に波形を表示する方式等の任意の表示手段を用いることが可能である。また、キュービクルの内部等に固定配置する検知装置においては、電源の集中管理室に表示装置を配置しておき、多数のキュービクルの部分放電情報を集中的に管理することもできる。さらに、前記表示装置においては、波形の大きさや追加フィルタ回路からの信号の強さの基準を設定しておき、その基準の数値を越えた場合にはブザーを鳴らす等の手段を追加して設け、技術者に注意を呼び掛けることも1つの方法である。
【0028】
さらに、本件の機能を停止することにより、従来の検知器と同様に機械的な振動の検知や、ガス漏れ検知等もできる。そして、前記検知装置に切替えスイッチ等を設けることにより、部分放電検知器またはガス漏れ検知器等の2種類の機能を持つ検知装置として構成することも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明の検知装置は、前述したように構成したものであるから、簡単な信号処理により、超音波センサが集音した超音波信号から、機械振動や空気振動等の放電信号以外のノイズを排除できるので、放電を正確に検知することができ、放電の点検精度を向上させることができる。また、検知装置に用いる回路を簡単なものとして構成でき、信号処理が容易であることから、従来の機器にも容易に組み込むことができ、従来の装置と同様に使用でき、放電検知感度を高めて微小な放電をも高精度で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 検知装置の構成を示す回路図である。
【図2】 図1の検知装置での部分放電の信号とその処理波形の説明図である。
【図3】 ノイズの信号とその処理波形の説明図である。
【図4】 ノイズが小さい場合の信号波形の説明図である。
【図5】 図4の信号を処理した検波回路の出力の説明図である。
【図6】 ノイズが大きい場合の信号波形の説明図である。
【図7】 図6の信号を処理した検波回路の出力の説明図である。
【図8】 検知装置の別の構成を示す回路図である。
【図9】 基準電圧回路で処理する信号の説明図である。
【図10】 コンパレータでの信号処理の説明図である。
【図11】 検知装置の他の実施例の回路図である。
【図12】 図11の検波回路の出力信号の説明図である。
【図13】 コンデンサの出力信号の説明図である。
【図14】 部分放電試験回路の説明図である。
【図15】 充電電流波形の説明図である。
【図16】 超音波の発生パターンの説明図である。
【図17】 風切り音の波形の説明図である。
【符号の説明】
1 検知装置、 2 超音波センサ、 2 バンドパスフィルタ、4 検波回路、 5 追加フィルタ回路、 6 表示装置、8 印加電源、 9 被試験物、 10 検知装置、 11 超音波センサ、 12 バンドパスフィルタ、 13 検波回路、 14 基準電圧回路、 15 コンパレータ、 16 追加フィルタ回路、 17 表示装置、 20 検知装置、 21 超音波センサ、 22 バンドパスフィルタ、 23 検波回路、 24 コンデンサ、 25 追加フィルタ回路、 26 表示装置。
Claims (1)
- 高圧電気の送配電設備における部分放電の検知器であって、
放電部から発生する超音波または充電電流を検知するセンサと、
前記センサからの信号を選択的に通過させて増幅するフィルタ回路から伝達される信号を整流し、包絡線を形成し出力する検波回路と、
前記検波回路から出力される信号に対して、信号波形のノイズ成分と部分放電による波形のピーク成分とのレベル差の1/2を検出し、一定時間または一定サイクルを平均した基準電圧を求める基準電圧回路と、
前記検波回路からの出力情報を、基準電圧回路から出力される基準電圧と比較して出力する比較回路と、
前記比較回路の出力情報から商用周波数の2倍の周波数を通過させて出力する特性を有する追加フィルタ回路と、を組合わせて設けて検知装置を構成し、
前記検知装置においては、商用周波数の2倍の周波数を通過させると、出力されるエネルギーレベルが最大となるという追加フィルタ回路の特性を用い、
基準電圧を自動的に変化させる機能を組合わせて、前記検波回路からのノイズを含む情報の中から放電情報を分離し、表示装置に表示させることを特徴とするパターン認識型部分放電検知器。
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