JP3176000B2 - スイッチギヤの部分放電検出装置 - Google Patents

スイッチギヤの部分放電検出装置

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JP3176000B2
JP3176000B2 JP24524093A JP24524093A JP3176000B2 JP 3176000 B2 JP3176000 B2 JP 3176000B2 JP 24524093 A JP24524093 A JP 24524093A JP 24524093 A JP24524093 A JP 24524093A JP 3176000 B2 JP3176000 B2 JP 3176000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチギヤ等で発生
するコロナ放電などの部分放電を検出する部分放電検出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】部分放電検出器が取り付けられた従来の
金属閉鎖形スイッチギヤを示す図15において、外周を軟
鋼板で囲まれた金属箱体51の後部には、仕切り51f が縦
に設けられている。この仕切り51f の上端後部の天井部
には、スペーサ52が設けられ、このスペーサ52の軸心に
貫設された導体の下端には、受電用の導体53A の上端が
接続されている。
【0003】この導体53A の下端はU字状に湾曲され、
端部には、仕切り51f の後面に取り付けられた一対の変
流器54を貫通する導体53B の下端と略L字形の導体53D
の上端が接続されている。このうち、上側の導体53B の
上端は、遮断器室51b に収納された真空遮断器55の下極
に接続され、真空遮断器55の上極は、導体53C の下端が
接続され、導体53C の上端は、箱体51の天井部下面に紙
面直交方向に配設された母線56に接続されている。
【0004】一方、遮断器室51b の下側に設けられた計
器用変成器室51d には、計器用変圧器57が収納され、こ
の計器用変圧器57の一次側は、導体53D の下端に接続さ
れている。さらに、計器用変成器室51d の下側に設けら
れた避雷器室51e には、避雷器58が収納され、この避雷
器58には、図示しないがいしを介して仕切り51f に支え
られた導体51g の片側が接続され、この導体51g の他側
は導体53D の下端に接続されている。
【0005】さらに、箱体51の下端後部には、接地母線
59が紙面直交方向に設けられ、この接地母線59には、接
地導体60の片側が接続され、この接地導体60の他端は、
金属箱体51の接地棒に接続されている。接地導体60に
は、高周波変流器(以下高周波CTと表わす)61があら
かじめ遊嵌され、この高周波CT61の二次側の同軸コー
ド線62は、図示しない検出装置に接続されている。ま
た、計器用変成室51d の前面上端には、AEセンサ63が
取り付けられ、このAEセンサ63の出力側の同軸コード
線64も図示しない超音波検出装置に接続されている。
【0006】このように構成された金属閉鎖形スイッチ
ギヤにおいては、長期に亘る運転の結果、計器用変
57や真空遮断器55を構成する絶縁物及びがいしの劣化
や、導体の表面に付着したほこりなどによって、大地に
たいして電位を有する金属管及び相間において部分放電
が発生すると、超音波が発生するとともに、接地母線59
に部分放電によるパルス電流が流れ、接地導体60から接
地棒を介して大地に放電される。
【0007】したがって、この金属閉鎖形スイッチギヤ
においては、高周波CT61によって大地に放電される放
電電流をパルス電流の数100 kHzの低周波領域で検出
し、図示しない検出装置の増幅回路に入力している。な
お、この高周波CT61による検出方法は、特公平 2-434
09号公報にも示されている。一方、AEセンサ63では、
部分放電による数10kHzの超音波を検出し、この超音
波を電気信号に変換して同軸コード64を介して検出装置
の増幅回路に入力している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この金属閉
鎖形スイッチギヤで検出されたパルス電流や超音波に
は、ノイズが混入する場合がある。パルス電流に混入す
るノイズとしては、この金属閉鎖形スイッチギヤが接続
された電源系統に重畳されて侵入する高調波成分のパル
ス電圧や、この金属閉鎖形スイッチギヤ及びこの金属閉
鎖形スイッチギヤに隣接された金属閉鎖形スイッチギヤ
に収納された真空開閉器の開閉によって発生したサージ
電圧及び受電用変圧器の高調波成分の電圧などがある。
【0009】一方、AEセンサで検出されるノイズに
は、この金属閉鎖形スイッチギヤの導体などに流れる電
流によって生じる電磁力による金属成分の振動や、この
金属閉鎖形スイッチギヤに近接して設置された電気機器
の放電による超音波及び無線通信機から発生する超音波
などがある。
【0010】このように高周波CTやAEセンサにノイ
ズが侵入すると、部分放電の検出精度が低下するので、
ノイズの影響を減らすために周波数帯域を選んだりノイ
ズ除去回路を併用したりしている。しかし、接地線に流
れるパルス電流を数100 kHzの低周波領域で検出する
と、測定回路と同調させて部分放電の検出精度を上げる
ことはできるが、部分放電の立上り時間に対応した周波
数ではないので、部分放電に伴うパルス電流は検出でき
ない。
【0011】したがって、測定回路上で部分放電のパル
ス電流を増幅して検出する方法では、測定回路に侵入し
たノイズは除去することができない。したがって、接地
線に流れる部分放電パルスとノイズは、測定回路に同時
に入力され数100 kHzに同調される。一方、超音波は
数10kHzを検出しているが、部分放電の音を検出して
いるので、雑音が侵入し易くなり、検出精度が低下す
る。
【0012】したがって、ノイズの侵入によって検出精
度が低下する従来の部分放電検出装置においては、部分
放電電荷量が微弱な絶縁劣化の初期には、部分放電を検
出することができず、絶縁劣化が進展した劣化後期にな
らないと部分放電を検出できなくなる。さらに、検出さ
れた放電電荷量も最大値だけあって全てを捕らえてい
ない。周知のように、絶縁劣化は、部分放電による放電
エネルギーによるので、絶縁劣化の深度を判断するため
には、個々の放電電荷量と発生頻度の二つの因子を把握
しなければならない。そこで、本発明の目的は、ノイズ
の有無の如何にかかわらず、微弱な部分放電を高精度に
検出することのできる部分放電検出装置を得ることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項に記載の発明
は、スイッチギヤに取り付けられた高周波変流器に接地
線を貫通させてスイッチギヤで発生した部分放電を検出
する部分放電検出装置において、高周波変流器で検出さ
れた部分放電のパルス信号を数MHzから数10MHzの
バンドパスイルタを経てピーク検出し、このピーク検出
されたパルス信号を数100 msの時間幅で平均化処理し
たことを特徴とする。
【0014】また、請求項に記載の発明は、スイッチ
ギヤに取り付けられた高周波変流器に接地線を貫通させ
てスイッチギヤで発生した部分放電を検出する部分放電
検出装置において、高周波変流器で検出された部分放電
のパルス信号を1.5 MHzから40MHzの周波数帯のバ
ンドパスフィルタを経てピーク検出し、このピーク検出
されたパルス信号を約330 msの時間幅で平均化処理し
たことを特徴とする。
【0015】また、請求項に記載の発明は、スイッチ
ギヤに取り付けられた高周波変流器に接地線を貫通させ
てスイッチギヤで発生した部分放電を検出する部分放電
検出装置において、高周波変流器で検出された部分放電
のパルス信号を1.5 MHzから40MHzの周波数帯のバ
ンドパスフィルタを経てピーク検出し、このピーク検出
された前記パルス信号を波形検出装置に接続したことを
特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1,2及び請求項に記載の発明におい
ては、スイッチギヤの内部の部分放電によって発生する
パルス電流は、放電の様相によって異なるが、絶縁物の
内部のボイドで発生したときには数10ns、絶縁物の沿
面や気中で発生したときとは数nsから数10nsであ
り、周波数に換算すると数MHzから数10MHzにな
る。この周波数成分のパルス電流だけフィルタリングす
ることにより、部分放電のパルス電流を適確に捕らえる
ことができ、さらに、数100 msの時間幅でこれらのパ
ルス電流の波高値と発生頻度を平均化処理することで、
一定時間内での放電エネルギーを捕らえることができ
る。これにより、絶縁劣化の要因となる放電エネルギー
を効率よく検出できる。
【0017】また、突発的に発生するノイズに対して
は、周波数帯域を限定しているので、パルス電流に重畳
される割合が減少するとともに、一定時間内で平均化処
理を行うので、ノイズの波高値は低減するとともに、部
分放電の検出精度が向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の部分放電検出装置の一実施例
を図面を参照して説明する。図1は、本発明の部分放電
検出装置を示すブロック図で、点Aは、図15と同様に、
接地線に貫通され例えばフェライトコアで構成された数
MHz〜数10MHzの周波数特性を備えた高周波CTの
出力端子に接続されている。
【0019】この点Aに部分放電のパルス電流が入力さ
れ、同軸コード線で接続した無誘導の整合抵抗1の入力
側に出力される。この整合抵抗1から出力されたパルス
電流は、数10dBの増幅器2で増幅された後、パルス電
流の周波数成分に適合したバンドパスフィルタ3に入力
される。このバンドパスフィルタ3の出力側は、端子B
とピーク検波回路4に接続され、ピーク検波回路4で
は、数msの時定数でパルス電流のピーク保持が行われ
数100 msの時間幅で平均化処理を行う平均化処理回路
5を経て、次の増幅器6で数〜数10dBで増幅された
後、電圧−電流変換回路7を介してDC4mA〜20mA
の出力電流が端子Cから出力される。
【0020】図2は、点Aに入力される高周波変流器の
出力電圧のオシログラフ上の波形を示し、立上り時間が
数〜数10nsの急峻な部分放電に対応したパルスが第一
波に現れている。その後、この第一波の振動によるパル
スが約1桁低い周波数で重畳され、さらに、測定系の振
動による数100 kHzの周波数が現われ減衰する。
【0021】つまり、点Aには、大別して数10MHzか
ら数100 kHzまでの三種の周波数成分が重畳されたパ
ルス波が入力される。このうち、部分放電に対応した周
波数成分を取り出すために、図3に示す周波数帯域を持
ったハンドパスフィルタ3を設けている。図3におい
て、10dBの変動幅の周波数は、約1.5 MHzから約40
MHzであるが、発明者らが実験により求めた部分放電
によるパルス電流の周波数成分は、気中放電と沿面放電
において約3MHz、計器用変成器等の絶縁物内部のボ
イド放電で約30MHzである。
【0022】このため、部分放電によるパルス電流は、
バンドパスフィルタ3を通過し、重畳された振動成分や
外来ノイズで異なる周波数成分は抑制される。このバン
ドパスフィルタ3を通過したパルス電流は、点Bで部分
放電の原波形として出力されるとともに、ピーク検波回
路4へ入力される。このピーク検波回路4では、約1m
sの時定数でピーク保持され、個々のパルス電流が同様
にピーク検波される。
【0023】その後、平均化処理回路5によって約330
msの時間幅で平均化処理が行われる。つまり、ピーク
検波されたパルス電流を約330 msの時間幅で大きさと
頻度を累積後、パルス電流の頻度で除し、平均値を求め
ている。これは、50Hzをベースにパルス電流を計測す
る場合、1msの時定数でピーク検波をすれば、パルス
電流は1サイクル当り20本に分解され、部分放電の波高
値と発生頻度の総数をほとんど測定することができ、ま
た、これらを約330 msの16.5サイクル分を平均化すれ
ば、連続的に発生する部分放電を捕らえることができる
ためである。なお、突発的に発生するノイズ等が侵入し
た場合にも、平均化されることにより波高値が低減され
る。
【0024】平均化処理された信号は、増幅器6で数d
Bから数10dBに増幅後、電圧−電流変換回路で4〜20
mAの直流電流に変換され、点Cから図示しない計算機
に入力され、部分放電の常時監視が行われる。点Cの電
流値と部分放電の放電電荷の関係を求めた特性図を図4
に示し、部分放電の発生頻度によって出力特性が異な
る。線aは、1秒当たりの部分放電の発生頻度nが50<
n<100 、線bは 100<n< 200、線cは1000<n<20
00のときの点cから出力される放電電流を示す。
【0025】このように平均化処理することで放電電荷
量が同じであっても、発生頻度によって放電電流が異な
ってくる。すなわち、絶縁劣化は放電エネルギーの大小
でその速度が決まるのであるが、本発明の部分放電検出
装置においては、放電の発生頻度が高いほど、すなわ
ち、放電エネルギーが大きいほど、出力電流も大きくな
るので、絶縁劣化の要因となる部分放電を感度よく検出
することができる。
【0026】逆に、突発的なノイズ等に対しては、たと
え波高値が大きくても、発生頻度が少ないので、出力電
流は減少して抑制される。なお、上記実施例で平均化処
理するパルス電流の時間幅を約330 msとして、16.5サ
イクル分を平均化した例で説明したが、計算機の容量に
よっては、多少増やしてもよい。
【0027】なお、図1の点Bにおいて、シンクロスコ
ープ等を接続し、部分放電パルスを図5と対比して観測
すれば、放電の発生場所を推定でき、定検時などのとき
に速やかに対応することができる。図5は、代表的な部
分放電パルスとこの部分放電が発生した部分に印加され
た電圧の位相との関係を示す。図5において、電圧Vの
波形に対し、(a)は電圧位相の負極性上に発生するパ
ルスのため導体等からの気中放電と判定でき、(b)は
電圧峻度の大きい位相のため絶縁物の内部のボイド放
電、また、(c)は電圧零点近傍のため、例えば導体の
接続部などの接触不良による放電と判定できる。
【0028】このように高周波CTをスイッチギヤの接
地母線に取り付けてスイッチギヤ全体から発生する部分
放電を検出することができるが、個々の機器に対して
も、例えば図6に示すように計器用変流器では、二次巻
線15に接続された端子16の片側に高周波CT17を貫通さ
せて部分放電を検出することができる。
【0029】図6において、一次巻線18と交差して二次
巻線15と鉄心19が形成され、これらは、絶縁樹脂で注形
された絶縁層20で固定されている。また、高周波CT17
の出力は、同軸リード線を接続する端子21に接続されて
いる。なお、絶縁層20の下端には、埋金22が埋設されて
おり、ボルト23により架台24に固定され、更に、スイッ
チギヤの箱体のフレーム25に固定されている。このよう
に構成された計器用変流器においては、一次巻線18や絶
縁層20の劣化による部分放電は、ほとんど二次巻線15に
流れ込むので、部分放電によるパルス電流を検出するこ
とができる。
【0030】次に、高電圧部分に高周波CTを設置した
事例を図7に示す。導体26に高周波CT17を貫通させ、
この高周波CT17の二次端子に発光ダイオード8を接続
し、この発光ダイオード8に光ファイバ9の片側を接続
して図示しない他側で光変換して部分放電による電気信
号を取り出す。図7において、高電圧が印加された導体
26は、支持がいし10と接続金具11で箱体に固定されてお
り、高周波CT17や二次巻線12には電界緩和のためにシ
ールド13が導体26に固定されている。
【0031】このように、高周波CT17の二次端子に現
れるパルス電流を直接光に変換する簡単な構成によっ
て、通常では発光ダイオード28が作動せず、部分放電に
よるパルス電流が流れたときに発光させることで、部分
放電を検出できる。なお、信号線の絶縁は、光ファイバ
29で対応できる。
【0032】これらの部分放電の検出感度を上げるため
図8に示すように、高周波CT17を複数個並列に接続
し、端子Dに出力することで、パルス電流を増やし、放
電エネルギーを増やすことができる。この結果、放電電
荷量に対する出力電流の比率が増し、部分放電の検出感
度を上げることができる。なお、高周波CT17は、1本
の接地線14にそれぞれ貫通しており、接地線14はスイッ
チギヤ27の接地極に接続されている。なお、複数個の高
周波CT17の出力を直列接続すれば、パルス電流の値が
増えるので検出感度も上がる。
【0033】さらに、高周波CTをスイッチギヤや全体
の接地線と各機器の接地線に各々取り付けて、部分放電
を検出すれば、部分放電が発生した機器を特定すること
ができる。
【0034】次に、本発明の部分放電検出装置の他の実
施例を説明する。図9は、本発明の部分放電検出装置の
他の実施例を示すブロック図である。図15で示したスイ
ッチギヤの内部において部分放電の発生に伴い発生する
音波とパルス電流のうち、音波は空気中を伝播して、A
Eセンサ63によって部分放電が検出される。AEセンサ
63の出力は、図9において約27kHzの狭帯域フィル
タ31でフィルタリングされた後次のプリアンプ32で増幅
され、さらにフィルタ33でフィルタリングされてメイン
アンプ34で増幅され、A/D変換器35でデジタル信号に
変換されてAND回路41に入力される。
【0035】一方、パルス電流は、スイッチギヤの箱体
を流れ、図15で示した接地母線59から接地導体60を経て
大地へ流れる。このとき、高周波CT61の出力は、図9
においてフィルタ36でフィルタリングされた後、ピーク
検波回路37でピーク検波され、次の平均化処理回路38で
平均化処理後、アンプ39で増幅されA/D変換器40でデ
ジタル信号に変換され、AND回路41に入力される。
【0036】図10にAEセンサと、高周波CTのA/D
変換器35,40の出力及びAND回路41の出力を示す。X
部は、AEセンサだけの出力であるため,AND回路35
は部分放電以外の音波であると判断して、出力していな
い。Y部は、高周波CT回路のみの出力であり、AND
回路40はノイズと判断して出力していない。Z部は、A
Eセンサ及び高周波CT回路の両方が出力しているた
め、AND回路41は部分放電信号と判断して出力してい
る。
【0037】つまり、高周波CTは,瞬時に出力し、A
Eセンサは音波の伝播時間後に出力するので、この時間
差t後に同時出力すれば部分放電している。一般に、ス
イッチギヤでは、部分放電の発生源からAEセンサ取付
部までの距離が約1mあるので、空気の伝播速度を約30
0 m/sとすると、この時間tは約3msとなる。した
がって、部分放電以外の音波及びノイズによる部分放電
検出装置の誤動作を容易に防止できる。
【0038】図11は、高周波CTの出力信号を加算した
ブロック図である。高周波CTの出力波形は、発明者ら
のスイッチギヤを用いた実験によると図2で前述したよ
うに部分放電の第1波が約4Mzの周波数で、その
後、測定系で同調する約 200kHzの周波数がある。こ
のため、部分放電による放電パルス電流は、約4Hz
と 200kHzの周波数が存在する。
【0039】そこで、高周波CTの出力を4MHzと20
0 KHzのバンドパスフィルタ42A,42Bでフィルタリ
ングしピーク検波回路43A,43Bでピーク検波し、次の
平均化処理回路44A,44Bで平均化処理を行い、さら
に、アンプ45A,45Bで増幅し、A/D変換器46A,46
Bでデジタル信号に変換して、それぞれの信号を加算器
47で加算して出力する。
【0040】図12の折線L,Mに、4MHZと200 kH
z回路ののA/D変換器46A,46Bの出力波形と加算器
47の出力波形を示す。折線Nで示す加算器47の出力は、
4MHzと200 kHz回路の出力が加算されているので
出力が増幅されている。したがって、微弱な部分放電信
号も検出することができる。
【0041】また、高周波CTの取付箇所は、スイッチ
ギヤを構成する箱体が多数面となるときには、受電盤の
接地極に高周波CTを設けることで、受電設備全体の内
部で発生する部分放電を全て容易に検出できる。つま
り、主回路導体は、受電盤からフィーダ盤へ列盤される
が、接地母線も同様に接続され、受電盤が接地極へ接続
される。このため、受電盤の接地線60に高周波CT61を
設ければ、受電設備全体の部分放電を検出できる。
【0042】図13は、仕切板51fに取り付けた計器用
変流器54の二次側巻線の接地線54aを仕切板51fに取
り付けた高周波CT61Aに貫通させて、接地母線59に接
続されたときを示す。
【0043】発明者らの実験によると、計器用変流器54
の内部異常による部分放電パルスはほとんど計器用変流
器54の二次側巻線の接地線54aで検出され、取付ベース
等には検出されない。したがって、高周波CT61Aに計
器用変流器54の二次側巻線の接地線54aで貫通すること
により、計器用変流器54の異常を早期に発見することが
できる。
【0044】図14は、高周波CT61に接地導体60を貫通
させて取り付け、さらに高周波CT61Aを計器用変流器
54の二次側巻線の接地線54aを貫通して取り付けた場合
である。2個の高周波CT61,61Aを個々及び全体で接
続することにより、部分放電の検出と同時に収納機器を
特定することができる。
【0045】さらに、ガス絶縁スイッチギヤや、電動機
及び変圧器に高周波CTを用いても同様にして部分放電
を検出することができる。このうち、ガス絶縁機器で
は、AEセンサの電播速度が遅くなるので、絶縁ガスの
密度に合わせて遅れ時間を設定すればよい。また、変圧
器では油の伝播速度に合わせればよい。
【0046】
【発明の効果】請求項に記載の発明によれば、スイッ
チギヤに取り付けられた高周波変流器に接地線を貫通さ
せてスイッチギヤで発生した部分放電を検出する部分放
電検出装置において、高周波変流器で検出された部分放
電のパルス信号を数MHzから数10MHzのバンドパス
フィルタを経てピーク検出し、このピーク検出されたパ
ルス信号を数100 msの時間幅で平均化処理すること
で、部分放電パルスを数 100msにおける放電エネルギ
ーとして捕らえたので、ノイズの有無にかかわらず微弱
な部分放電を高精度に検出することのできる部分放電検
出装置を得ることができる。
【0047】また、請求項に記載の発明によればスイ
ッチギヤに取り付けられた高周波変流器に接地線を貫通
させてスイッチギヤで発生した部分放電を検出する部分
放電検出装置において、高周波変流器で検出された部分
放電のパルス信号を1.5 MHzから40MHzの周波数帯
のバンドパスフィルタを経てピーク検出し、このピーク
検出されたパルス信号を約330 msの時間幅で平均化処
理することで、部分放電パルスを約330 msにおける放
電エネルギーとして捕らえたので、ノイズの有無にかか
わらず、微弱な部分放電を高精度に検出することのでき
る部分放電検出装置を得ることができる。
【0048】また、請求項に記載の発明によれば、ス
イッチギヤに取り付けられた高周波変流器に接地線を貫
通させてスイッチギヤで発生した部分放電を検出する部
分放電検出装置において、高周波変流器で検出された部
分放電のパルス信号を1.5 MHzから40MHzの周波数
帯のバンドパスフィルタを経てピーク検出し、このピー
ク検出されたパルス信号を波形検出装置に接続すること
で、部分放電パルスの位相で放電部分の態様の判別を可
能としたので微弱な放電パルスで放電部分を特定するこ
とができる部分放電検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2及び請求項に記載の部分放電検
出装置の一実施例を示すブロック図
【図2】本発明に用いる高周波変流器の出力特性を示す
図。
【図3】本発明に用いるバンドパスフィルタの周波数特
性を示すグラフ。
【図4】本発明の部分放電検出装置の出力特性を示すグ
ラフ。
【図5】本発明の部分放電検出装置の作用を示すグラ
フ。
【図6】本発明の部分放電検出装置の適用例を示す縦断
面図。
【図7】請求項5に記載の部分放電検出装置の一実施例
を示す図。
【図8】本発明の部分放電検出装置の他の実施例を示す
図。
【図9】本発明の部分放電検出装置の異なる他の実施例
を示すブロック図。
【図10】本発明の部分放電検出装置の異なる他の実施
例の作用を示す図。
【図11】本発明の部分放電検出装置の更に異なる他の
実施例を示すブロック図。
【図12】本発明の部分放電検出装置の更に異なる他の
実施例のAD変換後の出力波形を示す図。
【図13】本発明の部分放電検出装置の更に異なる他の
実施例を示す図。
【図14】本発明の部分放電検出装置の更に異なる他の
実施例を示す図。
【図15】従来の部分放電検出装置が取り付けられた金
属閉鎖形スイッチギヤの一例を示す図。
【符号の説明】
1…整合抵抗、2,6…増幅器、3…バンドパスフィル
タ、4…ピーク検波回路、5…平均化処理回路、7…電
圧−電流変換回路、8…発光ダイオード、9…光ファイ
バ、10…支持がいし、11…接続金具、 12、15…二次巻
線、13…シールド、14…接地線、16…端子、17…高周波
変流器、18…一次巻線、19…鉄心、20…絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 清 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 平5−56517(JP,A) 特開 平2−311103(JP,A) 特開 平2−261004(JP,A) 特開 平2−265129(JP,A) 特開 平2−309515(JP,A) 特開 昭59−46725(JP,A) 特開 昭60−139118(JP,A) 特開 平4−329232(JP,A) 特開 昭60−187211(JP,A) 特開 昭54−156152(JP,A) 実開 昭61−85130(JP,U) 実開 平5−53092(JP,U) 実開 昭63−113974(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02B 3/00 H02B 1/16 - 1/18 G01R 31/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチギヤに取り付けられた高周波変
    流器に接地線を貫通させて前記スイッチギヤで発生した
    部分放電を検出する部分放電検出装置において、前記高
    周波変流器で検出された前記部分放電のパルス信号を数
    MHzから数10MHzのバンドパスイルタを経てピーク
    検出し、このピーク検出された前記パルス信号を数100
    msの時間幅で平均化処理したことを特徴とするスイッ
    チギヤの部分放電検出装置。
  2. 【請求項2】 スイッチギヤに取り付けられた高周波変
    流器に接地線を貫通させて前記スイッチギヤで発生した
    部分放電を検出する部分放電検出装置において、前記高
    周波変流器で検出された前記部分放電のパルス信号を1.
    5 MHzから40MHzの周波数帯のバンドパスフィルタ
    を経てピーク検出し、このピーク検出された前記パルス
    信号を約330 msの時間幅で平均化処理したことを特徴
    とするスイッチギヤの部分放電検出装置。
  3. 【請求項3】 スイッチギヤに取り付けられた高周波変
    流器に接地線を貫通させて前記スイッチギヤで発生した
    部分放電を検出する部分放電検出装置において、前記高
    周波変流器で検出された前記部分放電のパルス信号を1.
    5 MHzから40MHzの周波数帯のバンドパスフィルタ
    を経てピーク検出し、このピーク検出された前記パルス
    信号を波形検出装置に接続したことを特徴とするスイッ
    チギヤの部分放電検出装置。
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