JP4926588B2 - がいし放電音判別方法及びその装置 - Google Patents

がいし放電音判別方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4926588B2
JP4926588B2 JP2006202616A JP2006202616A JP4926588B2 JP 4926588 B2 JP4926588 B2 JP 4926588B2 JP 2006202616 A JP2006202616 A JP 2006202616A JP 2006202616 A JP2006202616 A JP 2006202616A JP 4926588 B2 JP4926588 B2 JP 4926588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
period
discharge sound
measurement signal
standardized data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006202616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008026292A (ja
Inventor
利則 辻
博志 野口
Original Assignee
九州電技開発株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 九州電技開発株式会社 filed Critical 九州電技開発株式会社
Priority to JP2006202616A priority Critical patent/JP4926588B2/ja
Publication of JP2008026292A publication Critical patent/JP2008026292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4926588B2 publication Critical patent/JP4926588B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、送電線鉄塔等の主に屋外におけるがいし放電音を、外部ノイズ(風の音、虫の声等)から区別して正確に判別することのできるがいし放電音判別方法及びその装置に関するものである。
送電線鉄塔のがいし表面が塩分の付着によって汚染され、さらに霧や降雨、湿度の上昇等によって湿潤した場合に、がいし放電音(主にコロナ放電音)が発生することがあり、鉄塔周辺の住民から騒音苦情に発展する場合もある。
従来、上記苦情対策として送電線鉄塔付近の騒音苦情のある住宅近くにおいて騒音計により騒音レベルの測定を行い、その騒音レベルがある閾値を超えるか否かを判定基準とし、当該閾値を超えた場合はがいし放電音の騒音であると判断していた。
また、電力設備のコロナ放電音を検出する装置としては、コロナ放電音を測定し、放電音が含まれる10kHz以上の周波数成分を抽出し、当該抽出後の信号を帯域通過フィルタを通過させることにより電源周波数の2倍の周波数成分を抽出し、当該抽出信号の大きさが所定の閾値を超えた場合は当該信号がコロナ放電音であると判別する装置(特許文献1)や、上記10kHz以上の周波数成分の信号中における電源周波数の2倍の周波数成分の含有率を求め、当該含有率の大小により放電音であるか否かを判別する装置(特許文献2、3)等が提案されている。
特開平9−127181号公報 特開平9−233679号公報 特開平11−174110号公報
ところで、放電音を騒音計で測定してその騒音レベルにより判別する方法によると、騒音計により測定された騒音には、がいし放電音のみならず、風の音、虫・鳥の鳴き声、人の声等が外部ノイズとして含まれるため、単に騒音レベルの大小のみでは当該騒音ががいし放電音によるものであるのか、それ以外の騒音であるのかの判別が困難であった。
また、上記各特許文献に示す装置は、何れもコロナ放電音が電源周波数の2倍の周期で強弱レベルが生ずるとの知見に基づくものであるが、コロナ放電音として10kHz以上の周波数成分のみを抽出するものであるから、特定の電力設備においてしか適用できないとの課題がある。また、所定の帯域通過フィルタを通過させた後の所定の周波数成分の信号の大きさを基準に判別したり、電源周波数の2倍の周波数成分の含有率により判別するものであるから、例えば虫の声等のようにある程度の高いレベルの音声信号が定常的に発生する騒音環境下においては、当該虫の声等と放電音とを峻別することは難しいものであった。
本発明は、各種外部ノイズが定常的に発生する騒音環境下においても、或は外部ノイズがランダムに発生する騒音環境下においても、測定した信号中にがいし放電音が存在するか否かを正確に判別し得るがいし放電音判別方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、
第1に、屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別方法であって、上記測定信号からがいし放電音を含む所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成し、上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を行い、当該信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解し、上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成し、上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出し、当該外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2期間毎に、当該T/2期間内を均等にn分割し、当該n分割した各分割期間内に含まれるパルスの数をカウントし、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算し、上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出すると共に、上記標準偏差に基づいて上記分割期間毎の標準化データを算出し、上記標準化データを所定の基準レベルと比較し、上記標準化データ中に上記基準レベルを超える値の標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音が含まれると判別し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別することを特徴とするがいし放電音判別方法により構成される。
従って、測定信号の内、例えばがいし放電音を含む1kHz〜2kHzの周波数帯域の信号を抽出することにより、これら以外の周波数帯域に存在する外部ノイズの除去を行い、さらにウェーブレット変換を行って複数の周波数帯域の信号に分解し、かつ当該時点で所定レベル以下の外部ノイズ信号を除去することにより、比較的小さい音である外部ノイズ成分を除去することができる。さらにウェーブレット変換により分解した外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音を含む帯域の外部ノイズ除去信号を抽出し、当該信号において商用電源周波数の周期TのT/2期間(約8.3msec)を抽出し、当該期間を例えば均等に10分割し、各分割期間内に存在するパルスの数をカウントし、当該処理を上記T/2期間毎に例えば上記測定信号の略全域について行うことにより、上記分割期間毎のパルス数を積算し、さらに積算パルス数の標準化データを求めて、当該標準化データを基準レベルと比較することにより、上記測定信号にがいし放電音が存在するか否かを判別する。
このような方法によると、上記測定信号の測定時間の略全域に亘って、商用電源周波数の2倍の周波数で分布するパルス信号を基準にがいし放電音の存否を判別するものであるから、定常的に発生する外部ノイズが存在しても、当該外部ノイズをがいし放電音と明確に区別することができる。また、積算パルス数の標準偏差に基づいて標準化を行っているため、がいし放電音の判別が基準レベルとの比較により非常に簡潔に行うことがきる。
第2に、屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別方法であって、がいし放電音を含む所定帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ手段により、上記測定信号から上記所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成し、ウェーブレット変換手段により上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を施し、当該測定信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解し、外部ノイズ除去手段により、上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号成分を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成し、信号抽出手段により、上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出し、T/2周期信号抽出手段により、当該外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2期間毎に抽出し、均等分割手段により、抽出した上記T/2期間内を均等にn分割し、パルスカウント手段により当該n分割した各分割期間に含まれるパルス数をカウントして、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算し、標準偏差算出手段により、上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出し、標準化データ算出手段により、上記標準偏差に基づいて各分割期間に対応する標準化データを算出し、比較手段により、上記標準化データを所定の基準レベルと比較し、判別手段によって上記標準化データ中に上記基準レベルを超える標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音が含まれると判断し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別することを特徴とするがいし放電音判別方法により構成される。
第3に、上記標準化データは、各分割期間内におけるパルス数とその平均値の差の値を標準偏差で除した値であることを特徴とする上記第1又は2記載のがいし放電音判別方法により構成される。
第4に、屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別装置であって、上記測定信号から所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成するフィルタ手段と、上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を施し、当該測定信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解するウェーブレット変換手段と、上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号成分を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成する外部ノイズ除去手段と、上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出する信号抽出手段と、抽出された外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2周期毎に抽出するT/2周期信号抽出手段と、上記T/2期間内を均等にn分割する均等分割手段と、上記n分割した各分割期間に含まれるパルス数をカウントして、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算するパルスカウント手段と、上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出する標準偏差算出手段と、上記標準偏差に基づいて各分割期間に対応する標準化データを算出する標準化データ算出手段と、上記標準化データを所定の基準レベルと比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づいて、上記標準化データ中に上記基準レベルを超える標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音を含むと判別し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別する判別手段とを具備することを特徴とするがいし放電音判別装置によって構成される。
第5に、上記標準化データは、各分割期間内におけるパルス数とその平均値の差の値を標準偏差で除した値であることを特徴とする上記第4記載のがいし放電音判別装置によって構成される。
本発明に係るがいし放電音判別方法及びその装置によると、定常的に発生する外部ノイズが存在しても、当該外部ノイズをがいし放電音と明確に区別することができ、特に屋外において虫の声や風の音等の外部ノイズが発生している騒音環境下においても、測定信号中にがいし放電音が存在するか否かの判別を高い精度で行うことができる。
よって、例えば住宅地に近接する送電線鉄塔下における騒音測定等に適しており、さらにその他の屋外設置の電機設備等における放電音騒音の測定等、各種の用途に用いることができるものである。
以下、本発明に係るがいし放電音判別方法及びその装置の一実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は同上装置の全体構成を示すブロック図である。同図において1は騒音計であり、マイク1aにより送電線鉄塔のがいし放電音を例えば25秒録音する。録音された測定信号(図7(a))はパーソナルコンピュータ2に入出力制御手段2aを介して入力し、所定のサンプリング周波数(例えば44.1kHz)でデジタル音声ファイル(例えばWAVファイル)に変換後、メモリ手段2bに記憶される。そして、当該パーソナルコンピュータ2の主メモリ手段2fに予め記憶されたプログラム(図12乃至図16等にプログラムの動作手順を示す)により上記測定信号に各種処理を施し、その信号にがいし放電音が含まれるか否かを判別する。図1中、2cは上記プログラムに基づいて各種の命令を実行するCPU、2dはディスプレイ等の表示手段、2eはキーボード等の入力手段である。測定された信号(測定信号)の一部を図7(a)に示す。
図2は、上記パーソナルコンピュータ2による信号処理の全体の機能をブロック化した機能ブロック図である。これにより装置全体の構成概要を説明する。上記測定信号はフィルタ手段3によりがいし放電音の周波数帯域を含む所定の周波数帯域(本実施形態の場合1kHzから2kHz)に帯域制限された後(帯域制限後の信号を図7(b)に示す)、ノイズ除去手段4により信号強度の低い外部ノイズを除去する。尚、当該のノイズ除去動作に当たっては、上記帯域制限信号をウェーブレット変換手段4aによりサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域の信号(図9(a)に示す信号)に分解し、各分解した信号について上記外部ノイズを除去する処理を行う(外部ノイズの除去後の信号を図9(b)に示す)。さらに、ノイズ除去された測定信号の内、がいし放電音を含む例えばレベル4の信号について、パルスカウント手段5により、商用電源周波数の1/2周期に相当する期間(T/2)を信号の先頭から順次抽出し、当該期間を均等分割し(例えば10分割)、各分割期間に含まれるパルス数をカウントし、当該パルスカウント動作を信号の全期間に亙って順次行うことにより、上記期間における各分割期間内のパルス数を積算する(図11参照)。その後、標準化データ作成手段6により上記パルスのカウント値の標準偏差に基づいて標準化データSt(図17)を算出し、判別手段7にて商用電源周波数の2倍の周波数(120Hz)で発生するパルスの有無を判別して、当該測定信号にがいし放電音が含まれるか否かを判別するものである。
次に、各部についてより詳細に説明する。
図3は上記フィルタ手段3とノイズ除去手段4の詳細な構成を示すものであり、上記フィルタ手段3はFFT解析手段3aと帯域通過フィルタ手段3bにより構成されている。上記FFT解析手段3aは上記メモリ手段2bから上記測定信号(図7(a))を抽出し、FFT解析(高速フーリエ変換)を施すことにより図8に示す周波数領域でのスペクトル強度分布データを生成する。その後、帯域通過フィルタ手段3bにより上記測定信号から1kHz〜2kHzの信号を抽出する。尚、帯域制限後の測定信号を図7(b)に示す(帯域制限後の測定信号を帯域制限測定信号という)。ここで、FFT解析手段を用いるのは波形全体のフィルタリングに有効であり、測定時間内に定常的に発生する外部ノイズを効果的にフィルタリング処理するためである。
ここで、本発明の発明者らは屋外の送電線鉄塔のがいし放電音を測定し、外部ノイズとしての虫の声等は2.5kHz以上で大きく、外部ノイズとしての風の音は主に1kHz以下であることがわかった。一方、送電線鉄塔等のがいし放電音は主に1kHzから2kHzの帯域に分布していることが測定によりわかっている。そこで、上記帯域通過フィルタ手段3bにより上記測定信号から上記がいし放電音を含み外部ノイズの少ない周波数帯域である1kHz〜2kHzの帯域の成分のみを抽出する。
上記ノイズ除去手段4はウェーブレット変換手段4a、外部ノイズ除去手段4bにより構成されている。上記ウェーブレット変換手段4aは、上記帯域制限測定信号にウェーブレット変換(多重解像度解析)を施し、上記帯域制限測定信号を図9(a)に示すようにレベル1からレベル5に示す測定信号に分解する。
ここでウェーブレット変換におけるマザーウェーブレットは以下の式(1)で示される。
ψa,b(t)=1/√a・ψ(t−b/a)・・・・・・(1)
ここで、bはシフト、a>0はスケールであり、このψa,b(t)と信号のf(t)(本実施形態では図7(a)の測定信号)との内積がウェーブレット変換である。尚、本実施形態では離散ウェーブレット変換を行い、ウェーブレットにはDaubechies10を用いた。
このウェーブレット変換では信号f(t)をDaubechiesスケーリング関数によって複数レベルの周波数帯域の信号に分解することができる。例えばDaubechiesでサンプリング周波数44.1kHzにおけるレベル5の中心周波数は約947Hzであるため、レベル4、レベル3・・・はその2倍、4倍・・・として求めることができる。即ち、サンプリング周波数(44.1kHz)を基準として各レベルの中心周波数の目安は、レベル1は15kHz、レベル2は7.5kHz、レベル3は3.3kHz、レベル4は1.8kHzであり、レベル5はそれ以下(947Hz以下)となる。
次に、外部ノイズ除去手段4bは上記ウェーブレット変換により生成された各レベル1〜5の測定信号(図9(a))から、所定の閾値以下の大きさ(信号強度)の信号を除去し、上記閾値以上の大きさの信号のみを抽出する外部ノイズ除去処理を行う(図12の処理)。これは、上記レベル1からレベル5の測定信号においては、一定周期で発生するがいし放電音を含んでいると考えられるが、がいし放電音はある一定以上の大きさのパルス状の信号であり、一方、虫の声や風の音等の外部ノイズは信号の大きさが一定値以下の低いレベルであると考えられるので、上記閾値以上の信号を残して外部ノイズと考えられる閾値より小の信号レベルの成分を除去するためである。具体的には各レベルの展開係数(信号の大きさ)と閾値とを比較し(図12P2、P3)、展開係数が閾値より大であればそのまま残し、展開係数が閾値より小であれば展開係数=0(即ち信号レベルを0)とし(図12P4)、信号の再構成を行う(図12P5)。上記動作により外部ノイズ除去後のレベル1からレベル5の測定信号を図9(b)に示す。図9(b)に示すように、外部ノイズを除去すると、がいし放電音と思われる一定レベル以上のパルス状の信号が周期的に発生していることがわかる。
ここで上記閾値としては、例えば次式(2)に示すTを使用する。
T=σ√(2 ln η)・・・・・・・・・(2)
但し、ηは信号のサンプル数、σはノイズ分散σの平方根である。
尚、上記ウェーブレット変換によるノイズ低減処理については、例えば「ウェーブレットによる信号処理と画像処理」(戸田著、共立出版)P104〜P110に記載されているように公知の処理方法である。
上記パルスカウント手段5は(図4)、信号抽出手段5a、T/2期間信号抽出手段5b、均等分割手段5c、パルスカウント手段5dにより構成されている。上記信号抽出手段5aは外部ノイズ除去後のレベル1〜レベル5の測定信号の内、がいし放電音の判別に最も適した周波数帯域の信号を抽出するものであり、本実施形態ではがいし放電音を含む周波数帯域である図9(b)のレベル4(1.8kHz付近)のノイズ除去後の測定信号をメモリ2bから抽出する(図13P1)。上記T/2期間信号抽出手段5bは、上記レベル4の信号の内、当該信号の先頭から商用電源周波数の周期Tの半分、即ちT/2の期間の信号(図11の期間t1の信号)を抽出する(図13P2)。
上記均等分割手段5cは上記抽出したT/2期間をn等分(本実施形態では10等分)に均等分割し(図13P3)、分割期間の先頭から順番に0−9まで番号を付する。尚、上記番号を付されたパルスカウントテーブルF1におけるg(c)、Dn、St等を記憶するための領域(図17)はメモリ手段2b内に予め確保されているものとする。
上記パルスカウント手段5dは上記期間t1(T/2期間)内において0〜9までの分割期間内に存在するパルス数を各々カウントし(図13P4)、当該カウント数(図17のg(c))を上記テーブルF1の該当する分割期間内に加算していく(図13P5)。最初の期間t1について上記操作が終了すると、上記T/2期間信号抽出手段5bは、上記信号の次のT/2期間(即ち期間t2)の信号を抽出し(図13P6、P7、P8、図11)、上記均等分割手段5cが当該期間を10等分に分割し、パルスカウント手段5dが期間t2における各分割期間内のパルスを各々カウントし、カウント値を上記パルスカウントテーブルF1に加算していく(図13P3〜P6)。
以降は、同様の動作が上記測定信号の最後まで繰り返し行われ(図13P7、図11)、その結果、当該信号に含まれる全てのパルス数がT/2周期内の同一分割期間(同一位相)内に積算されていき、図17に示す分割期間0〜9に対するカウント値(g(c))がパルスカウントテーブルF1として上記メモリ手段2bに生成される。このようなパルスカウント動作は概念的には上述のようであるが、実際には数式を用いて行っており、その処理は以下の動作説明にて説明する。
標準化データ作成手段6は(図5)、平均算出手段6a、合計算出手段6b、分散算出手段6c、標準偏差算出手段6d、標準化データ算出手段6eから構成されている。上記平均算出手段6aは、n等分(10等分)された各分割期間のパルス数の平均値Avを求め、当該平均値Avをメモリ手段2bの上記パルスカウントテーブルF1に記憶させる(図14P1、図17参照)。
上記合計算出手段6bは、各分割期間(0〜9)のパルス数の合計Toを求め、上記メモリ手段2bのパルスカウントテーブルF1に記憶させる(図14P2、図17参照)。
上記分散算出手段6cは上記各分割期間(0〜9)のパルス数と平均値Avに基づいて、各周期毎に式(3)によりDn(n=分割数(0〜9))を算出し上記パルスカウントテーブルF1に記憶する(図17)。
Dn={(各周期のパルス数)−Av}・・・・(3)
その後、分散算出手段6cは、上記Dn(n=0〜9)の合計値Dtを求め、Dtを分割数(本実施形態では10)で除して分散Dを求め、上記テーブルF1に記憶する(式(4)、図14P3)。
D=(Dt/(分割数))・・・・・・・・・・・(4)
さらに、標準偏差算出手段6dは以下の式(5)よりパルス数の標準偏差Sdを求め、上記テーブルF1に記憶する(図14P4)。
Sd=D1/2・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
さらに、以下の式(6)より各周期毎の標準化データStを求め、各周期毎の標準化データStを上記テーブルF1に各周期毎に記憶する(図14P5)。
St={(各周期のパルス数)−Av}/Sd・・(6)
以上により、図17に示すパルスカウントテーブルF1がメモリ手段2b内に生成される。
上記判別手段7は(図6)、標準化データ抽出手段7a、比較手段7b、放電音判別手段7cにより構成されている。
上記標準化データ抽出手段7aは上記メモリ手段2bの上記パルスカウントテーブルF1から各分割期間毎に標準化データStを抽出するものである(図15P1)。上記比較手段7bは、抽出された標準化データが基準レベルを超えているか否かを判断するものである。ここで基準レベルは例えば「1.3」とする(図15P2)。
上記放電音判別手段7cは、上記比較手段7bの比較結果に基づいて、上記標準化データの内、基準レベル1.3を超えた標準化データが存在した場合は、商用電源周波数の2倍の周波数(西日本地域では120Hz)でパルスが発生していることになるので、がいし放電音が発生していると判断する(図15P3、P5、P6、P7)。一方、上記標準化データの内、上記基準レベルを超えるデータが存在しない場合は、上述のような一定周期のパルスが発生していないと判断されるため、がいし放電音が発生していないと判断するものである(図15P4、P5、P6、P8)。
本発明は上述のように構成されるものであるので、次に、本発明のがいし放電音判別方法及び装置の動作を説明する。まず、図20に示すように送電線鉄塔の直下において騒音計1のマイク1aにてがいし放電音を25秒間測定する。測定された図7(a)に示す測定信号はサンプリング周波数44.1kHzでサンプリングされデジタルデータとしてパーソナルコンピュータのメモリ手段2bに記憶される。
次に、FFT解析手段3aは,上記測定信号をFFT解析し、図8に示すように測定信号に含まれる周波数のスペクトル強度を示すスペクトル強度データを生成し、当該データをメモリ手段2bに記憶する。帯域通過フィルタ手段3bは上記スペクトル強度データに基づいて、がいし放電音の周波数帯域である1kHz〜2kHzを含む信号成分のみを抽出し、その結果図7(b)に示すような1kHz〜2kHzの信号成分からなる帯域制限測定信号を生成する。尚、この時点で2.5kHz以上で大きい虫の声や、1kHz以下の風の音等の外部ノイズ成分は相当程度除去される(図8参照)。
次に、ウェーブレット変換手段4aは、上記帯域制限測定信号(図7(b)の信号)をウェーブレット変換し多重解像度解析の手法によりレベル1からレベル5までの図9(a)に示す測定信号に分解し、各レベルの信号データをメモリ手段2bに記憶する。尚、上述のようにウェーブレットにはDaubechies10を用いた。
次に、外部ノイズ除去手段4bは、上記メモリ手段2bから上記ウェーブレット変換後の各レベル1〜5のデータを各々抽出し、図12の動作手順により外部ノイズの除去を行う。即ち、レベル1の測定データを抽出し(図12P1)、各レベルの展開係数を所定レベルの閾値と比較を行い(図12P2、P3)、上記展開係数が閾値よりも大であればそのままのデータを使用し(図12P5)、上記展開係数が閾値よりも小であれば展開係数を0として信号の再構成を行う(図12P3、P4)。このような動作をレベル1の全データについて行う。その結果、図9(a)のレベル1の測定信号は同図(b)のレベル1の測定信号として示すように、所定レベル以下の大きさの信号がカットされ、所定レベル以上の大きさを示すパルス状の信号のみが抽出された状態となる。即ち、信号レベルの低い外部ノイズがカットされ、がいし放電音と推定される所定の信号レベル以上の大きなパルス信号のみが抽出された状態となる。
上記の外部ノイズ除去動作はレベル1〜レベル5の全ての測定信号について行われ、その結果、図9(b)に示す外部ノイズ除去後の測定信号(レベル1〜レベル5)がメモリ手段2bに記憶される。尚、FFT解析、ウェーブレット変換処理を含む上記のフィルタ手段3、ノイズ除去手段4の動作は上記パーソナルコンピュータ2においてソフトウェアにより行っても良いし、専用の装置により行っても良い。
次に、CPU2c(信号抽出手段5a)は、上記外部ノイズ除去後の測定信号(図9(b))の内、がいし放電音を含んでいると思われるレベル4(1.8kHz付近)の測定信号データをメモリ手段2bから抽出し(図13P1)、その後当該信号の最初からT/2期間(図11の期間t1)を抽出し(T/2周期信号抽出手段5b、図13P2)、さらに当該t1期間を10等分に分割する(均等分割手段5c、図13P3)。その後、CPU2c(パルスカウント手段5d)は、上記期間t1内の分割期間毎に含まれるパルス数をカウントし(図13P4)、カウント値g(c)をメモリ手段2bのパルスカウントテーブルF1の該当周期に加算していく(図13P5)。例えば図10では分割期間「2」のパルス数は2個、分割期間「4」のパルス数は3個となる。
そしてCPU2cは上記と同様の処理を上記信号の最後まで行い(図13P6,P7,P8)、各期間tn(n=0,1,2・・・)毎の周期内のパルス数を上記テーブルF1の該当する分割期間に積算していく(図13P6、P7)。
そして、上記測定信号の最後まで上記の処理を繰り返し行うことにより、上記レベル4の測定信号(25秒)の全期間について商用電源周波数の2倍(120Hz)の周期で各分割期間内に含まれるパルス数が積算され、当該パルス数が図17に示すパルスカウントテーブルのg(c)に示すように記憶される。例えば、パルスカウントテーブルF1(図17)は、商用電源周波数のT/2期間毎に全信号期間をみた場合に、例えば2番目の分割期間(位相)に含まれるパルス数は23個、5番目の分割期間(位相)に含まれるパルス数は11個であったことがわかる。
このパルスカウント処理は、実際には以下の処理にて行うことができる(図16)。即ち、レベル4の測定信号をメモリ手段2bから抽出し(図16P1)、当該抽出データに基づいてパルスの発生時間P(z)(z=0〜全パルス数)を検出し、z=0から最後のパルスまで順番に各パルスの発生時間P(z)[ms]をメモリ手段2bのパルスカウントテーブルF2(図18)に記憶していく(図16P2)。
その後、商用電源周波数の周期TのT/2の周期において、最初のパルスから順番に、当該パルスが発生した時間の位相を求める。具体的にはパルス発生時間P(z)を商用電源周波数の周期の1/2の周期(T/2)で割ってその余りbを求め、当該余りbを上記テーブルF2に記憶する。この余りbが、上記T/2の周期におけるそのパルスの位相を示していることになる(図16P3、P4、P5)。
P(z)÷T/2=a余りb・・・・(7)
次に、上記余りb、即ち上記T/2の期間において上記パルスの位相bが上記T/2期間をn等分したときの何番目に位置するか、即ち位相の場所を求めるために、上記余りbをT/2をn等分(10等分)したT/2nで割り、商cを求め、当該商cを上記テーブルF2に記憶する(図16P6)。
b÷(T/2n)=c余りd・・・・・(8)
このとき、cは、当該パルスP(z)が、T/2期間をn等分した周期内のc番目に位置していることを示している(図18)。
その後、当該c番目の位相におけるパルスのカウント値g(c)を+1増やし(図16P7)、当該カウント値g(c)をパルスカウントテーブルF1の該当する分割期間の場所に格納する。
g(c)=g(c)+1・・・・・・(9)
尚、分割数を4とすると、図18においてパルスの積算値はg(4)=1、g(1)=1、g(8)=2となる。
その後、次のパルスの位置を検出するためにzを+1し(図16P8)、最後のパルスに至るまで、同様の動作を繰り返す(図16P9)。これにより、各位相(分割期間)に対応するパルスカウント値がパルスカウントテーブルF1に示すように記憶される(図17の表のg(c)参照)。このように上記処理により、測定信号の略全期間において商用電源周波数の周期のT/2毎に各分割期間に含まれるパルス数を積算することができる。
上記の処理は、パルスをカウントするための一実施形態であり、上記測定信号のパルスをカウントする方法はこれに限定されない。
上記パルス数のカウントが完了した後、CPU2c(平均算出手段6a)は分割期間0から分割期間9のパルス数の平均値Avを求めてテーブルF1に記憶する(図14P1)。次に、合計算出手段6bは分割期間0から分割期間9までのパルス数の合計Toを求めて上記テーブルF1に記憶する(図14P2)。そして、CPU2c(分散算出手段6e)は、まず上記式(3)に基づいて各周期(分割期間)毎にDn(n=0〜9)を求めてテーブル2の各周期の該当領域に記憶する。次に、同手段6eは上記Dnの合計Dtを求めて、さらにDtを分割数n=10で除して分散Dを求め上記テーブルF1に記憶する(図14P3)。その後、CPU2c(標準偏差算出手段6e)は式(5)の演算を行い、標準偏差Sdを求め、テーブルF2に記憶する(図14P4)。そして、CPU2c(標準化データ算出手段6e)は各周期毎に式(6)の演算を行い、各周期毎に標準化データStを求め、各々テーブル2の該当領域に記憶していく(図14P5)。以上の動作により、図17に示すように各周期毎の標準化データStが求められた。
その後CPU2c(標準化データ抽出手段7a)は、上記パルスカウントテーブルF1の標準化データStを順次抽出し(図15P1)、全ての標準化データについて比較手段7bにおいて当該データが基準レベル(ここでは1.3)以上であるか否かを比較する(図15P2〜P5)。そして上記比較手段7bでの比較結果に基づいて、CPU2c(放電音判別手段7c)は、上記標準化データ中において1つでも上記基準レベル(1.3)より大きい標準化データが含まれていた場合は、商用電源周波数の2倍(120Hz)の周期で大きいレベルのパルス信号が発生していることになるので、がいし放電音が発生していると判断する(図15P6,P7)。一方、全ての標準化データにおいて上記基準レベルより大きいデータが含まれていない場合は、上記商用電源周波数の2倍の周期で発生しているパルス信号は存在しないことになるので、この場合は、がいし放電音は発生していないと判断する(図15P6、P8)。
図19は上記の方法により送電線鉄塔のがいし放電音が存在する場合の標準化データと、がいし放電音が存在しない場合の標準化データを並列して示したものであるが、「放電あり」のデータを見ると、分割期間「2」に「1.37」の標準化データがあるため、がいし放電音が存在すると判断される。即ち、商用電源周波数の2倍の周期の期間において、分割期間「2」の位置に、120Hzの所定レベル以上の大きさのパルス信号が発生しているということになる。
「放電なし」のデータをみると、全分割期間(0〜9)において基準データ(1.3)を上回るデータは存在しない。よって、がいし放電音は存在しないと判断されるのである。尚、分割期間「0」に「1.15」と比較的大きい周期信号が認められるが、レベルとして小さいので虫の声の可能性が高い。
以上のように、本発明に係るがいし放電音判別方法及び装置によると、上記測定信号の測定時間の略全域に亘って、商用電源周波数の2倍の周波数で分布するパルス信号を基準として、がいし放電音の存否を判別するものであるから、定常的に発生する外部ノイズが存在しても、当該外部ノイズとがいし放電音を明確に区別することができる。また、積算パルス数の標準偏差に基づいて標準化を行っているため、がいし放電音の判別が基準レベルとの比較により容易に行うことがきる。
従って、定常的に発生する外部ノイズが存在しても、当該外部ノイズとがいし放電音とを明確に区別することができ、特に屋外において虫の声や風の音等の外部ノイズが発生している騒音環境下においても、測定信号中にがいし放電音が存在するか否かの判別を高い精度で行うことができる。
また、本発明によると、ウェーブレット変換により測定信号を複数の帯域の信号に分解し、各信号毎に外部ノイズ除去が行われるうえに、当該分割された信号からがいし放電音が含まれる周波数帯域の信号(例えばレベル4の測定信号)を抽出して、当該測定信号について解析を行うものである。よって、がいし放電音が含まれる可能性の極めて高い周波数帯域の信号にターゲットを絞って解析を行うことになり、このため精度の高い判別が実現されるものである。
上記実施形態においては、フィルタ手段にて1kHz〜2kHzの帯域の周波数帯域を抽出したがこれに限定されず、がいし放電音を含む周波数帯域であれば、例えば1kHz〜2.5kHz等、より広い帯域としても良く、その他がいし放電音の発生源と測定地点との距離、騒音環境等により定めることができる。
パルスカウント処理において、ウェーブレット変換による外部ノイズ除去後のレベル4(1.8kHz付近)の測定信号を抽出したが、がいし放電音の周波数帯域を含む他のレベルの測定信号を抽出しても良く、或は、ウェーブレット変換による外部ノイズ除去後のレベル1〜5の全てのレベルを重畳したデータについて解析を行っても良い。
パルスカウント処理におけるT/2期間の分割数は上記実施形態では10としたが、これに限らず、20分割、30分割、40分割等、より多くの分割数を用いても良い。尚、発明者らが検討したところによると40分割が最も精度の高い解析が可能であった。
がいし放電音判別処理において基準レベルを「1.3」としたが、是に限定されない。
本発明に係るがいし放電音測定方法及びその装置は、送電線鉄塔等から発生する騒音ががいし放電音であるか否かの判別を高い精度で行うことができるため、特に住宅地に近接して送電線鉄塔が存在する地域等において、事前に騒音の種類を判別することができ、その結果、効果的な騒音監視運用を行うことができる。
よって、例えば住宅地に近接する送電線鉄塔下における騒音測定に限らず、その他の屋外設置の電機設備等における放電音騒音等、各種の用途にも用いることができる。
本発明に係るがいし放電音判別装置の全体構成を示すブロック図である。 同上装置の機能ブロック図である。 同上装置の機能ブロック図である。 同上装置の機能ブロック図である。 同上装置の機能ブロック図である。 同上装置の機能ブロック図である。 (a)は測定信号、(b)は周波数帯域制限後の測定信号を示す。 測定信号の周波数のスペクトル強度を示す図である。 (a)は測定信号をウェーブレット変換したレベル1〜5の測定信号を示し、(b)はウェーブレット変換後、外部ノイズを除去したレベル1〜5の測定信号を示す。 パルスカウント処理における測定信号のT/2期間を10分割した状態を示す図である。 測定信号をT/2期間毎に抽出すると共に当該期間を均等分割し、各分割期間におけるパルス数をパルスカウントテーブルに積算することを説明するための図である。 本発明のがいし放電音判別処理に関連するプログラム処理を示すフローチャートである。 同上処理を示すフローチャートである。 同上処理を示すフローチャートである。 同上処理を示すフローチャートである。 同上処理を示すフローチャートである。 パルスカウントテーブルを示す図である。 パルスカウントテーブルを示す図である。 同上装置で測定されたパルスカウント数を示すパルスカウントテーブルを示す図である。 同上装置で送電線鉄塔のがいし放電音を測定する場合のブロック図である。
符号の説明
3 フィルタ手段
4a ウェーブレット変換手段
4b 外部ノイズ除去手段
5a 信号抽出手段
5b T/2周期信号抽出手段
5c 均等分割手段
5d パルスカウント手段
6d 標準偏差算出手段
6e 標準化データ算出手段
7b 比較手段
7c 判別手段
Sd 標準偏差
St 標準化データ

Claims (5)

  1. 屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別方法であって、
    上記測定信号からがいし放電音を含む所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成し、
    上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を行い、当該信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解し、
    上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成し、
    上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出し、当該外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2期間毎に、当該T/2期間内を均等にn分割し、当該n分割した各分割期間内に含まれるパルスの数をカウントし、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算し、
    上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出すると共に、上記標準偏差に基づいて上記分割期間毎の標準化データを算出し、
    上記標準化データを所定の基準レベルと比較し、上記標準化データ中に上記基準レベルを超える値の標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音が含まれると判別し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別することを特徴とするがいし放電音判別方法。
  2. 屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別方法であって、
    がいし放電音を含む所定帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ手段により、上記測定信号から上記所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成し、
    ウェーブレット変換手段により上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を施し、当該測定信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解し、
    外部ノイズ除去手段により、上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号成分を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成し、
    信号抽出手段により、上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出し、
    T/2周期信号抽出手段により、当該外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2期間毎に抽出し、
    均等分割手段により、抽出した上記T/2期間内を均等にn分割し、
    パルスカウント手段により当該n分割した各分割期間に含まれるパルス数をカウントして、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算し、
    標準偏差算出手段により、上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出し、
    標準化データ算出手段により、上記標準偏差に基づいて各分割期間に対応する標準化データを算出し、
    比較手段により、上記標準化データを所定の基準レベルと比較し、判別手段によって上記標準化データ中に上記基準レベルを超える標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音が含まれると判断し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別することを特徴とするがいし放電音判別方法。
  3. 上記標準化データは、各分割期間内におけるパルス数とその平均値の差の値を標準偏差で除した値であることを特徴とする請求項1又は2記載のがいし放電音判別方法。
  4. 屋外の騒音を測定し、当該測定信号中にがいし放電音が含まれるか否かを判別するためのがいし放電音判別装置であって、
    上記測定信号から所定帯域の周波数成分のみを抽出して帯域制限測定信号を生成するフィルタ手段と、
    上記帯域制限測定信号に対してウェーブレット変換を施し、当該測定信号をそのサンプリング周波数を基準とする複数の周波数帯域毎の測定信号に分解するウェーブレット変換手段と、
    上記分解された測定信号において、所定の大きさ以下の外部ノイズ信号成分を除去することにより、所定の大きさ以上のパルス状の信号からなる外部ノイズ除去信号を生成する外部ノイズ除去手段と、
    上記外部ノイズ除去信号の内、がいし放電音の周波数帯域を含む外部ノイズ除去信号を抽出する信号抽出手段と、
    抽出された外部ノイズ除去信号を商用電源周波数の周期TのT/2周期毎に抽出するT/2周期信号抽出手段と、
    上記T/2期間内を均等にn分割する均等分割手段と、
    上記n分割した各分割期間に含まれるパルス数をカウントして、上記T/2期間毎の各分割期間に含まれるパルス数を積算するパルスカウント手段と、
    上記各分割期間内に含まれる積算パルス数に基づいて当該パルス数の標準偏差を算出する標準偏差算出手段と、
    上記標準偏差に基づいて各分割期間に対応する標準化データを算出する標準化データ算出手段と、
    上記標準化データを所定の基準レベルと比較する比較手段と、
    上記比較手段の比較結果に基づいて、上記標準化データ中に上記基準レベルを超える標準化データが存在した場合は上記測定信号中にがいし放電音を含むと判別し、上記基準レベルを超える標準化データが存在しない場合は上記測定信号中にがいし放電音は存在しないと判別する判別手段とを具備することを特徴とするがいし放電音判別装置。
  5. 上記標準化データは、各分割期間内におけるパルス数とその平均値の差の値を標準偏差で除した値であることを特徴とする請求項4記載のがいし放電音判別装置。




JP2006202616A 2006-07-25 2006-07-25 がいし放電音判別方法及びその装置 Active JP4926588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202616A JP4926588B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 がいし放電音判別方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202616A JP4926588B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 がいし放電音判別方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008026292A JP2008026292A (ja) 2008-02-07
JP4926588B2 true JP4926588B2 (ja) 2012-05-09

Family

ID=39117057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006202616A Active JP4926588B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 がいし放電音判別方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4926588B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103185852A (zh) * 2011-12-31 2013-07-03 珠海格力电器股份有限公司 高压放电部件的测试方法、装置及系统

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012184955A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Univ Of Fukui 携行形の振動測定装置、その振動測定方法及びそのためのプログラム
JP5749060B2 (ja) * 2011-04-14 2015-07-15 中部電力株式会社 碍子の劣化診断装置
CN112698163A (zh) * 2020-12-09 2021-04-23 国网江苏省电力有限公司盐城供电分公司 一种绝缘子放电故障检测定位方法
CN113642714B (zh) * 2021-08-27 2024-02-09 国网湖南省电力有限公司 基于小样本学习的绝缘子污秽放电状态识别方法及系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0829482A (ja) * 1994-07-18 1996-02-02 Mitsubishi Electric Corp ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置
JPH11237432A (ja) * 1998-02-24 1999-08-31 Fujikura Ltd 部分放電判別法
JP2001051009A (ja) * 1999-06-02 2001-02-23 Dkk Toa Corp 波形検出装置
JP4663846B2 (ja) * 2000-04-24 2011-04-06 財団法人東北電気保安協会 パターン認識型部分放電検知器
JP4261041B2 (ja) * 2000-09-18 2009-04-30 株式会社東芝 高電圧機器の絶縁異常診断装置及びその絶縁異常診断方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103185852A (zh) * 2011-12-31 2013-07-03 珠海格力电器股份有限公司 高压放电部件的测试方法、装置及系统
CN103185852B (zh) * 2011-12-31 2015-05-20 珠海格力电器股份有限公司 高压放电部件的测试方法、装置及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008026292A (ja) 2008-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101034831B1 (ko) 윈드 노이즈를 억제하는 시스템
Bardeli et al. Detecting bird sounds in a complex acoustic environment and application to bioacoustic monitoring
JP2004254329A (ja) ウィンドノイズを抑圧するシステム
JP4926588B2 (ja) がいし放電音判別方法及びその装置
Kiapuchinski et al. Spectral noise gate technique applied to birdsong preprocessing on embedded unit
KR101008022B1 (ko) 유성음 및 무성음 검출방법 및 장치
CN107210029B (zh) 用于处理一连串信号以进行复调音符辨识的方法和装置
US8838445B1 (en) Method of removing contamination in acoustic noise measurements
Hossa et al. Automatic segmentation of seismic signal with support of innovative filtering
CN104036785A (zh) 语音信号的处理方法和装置、以及语音信号的分析系统
CN109682463B (zh) 变电站可听噪声测量方法
WO2013190551A1 (en) Method of classifying glass break sounds in an audio signal
Xie et al. Acoustic feature extraction using perceptual wavelet packet decomposition for frog call classification
CN107548007B (zh) 一种音频信号采集设备的检测方法及装置
JP2011095531A (ja) Hlac特徴量抽出方法、異常検出方法及び装置
US20120006183A1 (en) Automatic analysis and manipulation of digital musical content for synchronization with motion
Turchet Hard real-time onset detection of percussive sounds.
Ciira Cost effective acoustic monitoring of bird species
JPH09127073A (ja) 自己回帰モデルを利用した時系列データの収集、処理方法
JP5827108B2 (ja) 情報処理方法、装置及びプログラム
US10482897B2 (en) Biological sound analyzing apparatus, biological sound analyzing method, computer program, and recording medium
Benson A real-time blast noise detection and wind noise rejection system
KR102443221B1 (ko) 수면 음성 분석 장치 및 방법
RU2222807C2 (ru) Способ обработки сигналов акустической эмиссии генерируемых дисперсных систем
Gang et al. Reverberation features identification from music recordings using the discrete wavelet transform

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4926588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250