JPH0829482A - ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置

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JPH0829482A
JPH0829482A JP6165578A JP16557894A JPH0829482A JP H0829482 A JPH0829482 A JP H0829482A JP 6165578 A JP6165578 A JP 6165578A JP 16557894 A JP16557894 A JP 16557894A JP H0829482 A JPH0829482 A JP H0829482A
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JP
Japan
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insulation
gas
electromagnetic wave
probability distribution
distribution density
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Application number
JP6165578A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inushima
浩 犬島
Takeshi Masui
健 桝井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであ
るのか自然界に存在するものであるのかを区別できるよ
うにして、絶縁破壊に伴う微弱な電磁波を検出すること
ができるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置を得ることを
目的とする。 【構成】 サンプリング手段から出力された時系列デー
タに基づいて電磁波の歪度を演算し、その電磁波の歪度
とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁
波の歪度を比較するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス絶縁開閉装置の
絶縁劣化に伴う部分放電を検出して、ガス絶縁開閉装置
の異常発生を初期段階で検出するガス絶縁開閉装置の絶
縁診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図50は例えば電気学会技術報告(2
部)第402号「電力設備の運転中絶縁診断技術」19
92年1月 電気学会発行 第67頁に示された従来の
ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置を示す構成図であり、
図において、1は発電所や変電所等に設置されるガス絶
縁開閉装置、2はガス絶縁開閉装置1の外被、3はスぺ
ーサ5を取り付けるガス絶縁開閉装置1のフランジ、4
はガス絶縁開閉装置1の導体、5は導体4が外被2に接
触しないように支持するスペーサ(絶縁体)、6はガス
絶縁開閉装置1のフランジ3から漏れでた電磁波であ
る。
【0003】また、7はガス絶縁開閉装置1のフランジ
3から漏れでた電磁波6を検出するアンテナ(電磁波検
出手段)、8はアンテナ7により検出された電磁波から
所定の周波数帯域を抽出するフィルタ、9はフィルタ8
を通過してきた電磁波6を増幅する増幅器、10は増幅
器9により増幅された電磁波6の実効値を検波する検波
器、11は検波器10により検波された電磁波6の実効
値をアナログ・ディジタル変換するA/D変換器、12
はA/D変換器11のレンジを自動的に切り換えるレン
ジ切換器、13は電磁波6の実効値と警報値を比較し、
その実効値が警報値より大きくなった場合、警報を出力
する旨の指令を発生するCPU(中央演算装置)、14
はCPU13から警報を出力する旨の指令を受けると、
警報を発生する警報発生器である。
【0004】次に動作について説明する。まず、ガス絶
縁開閉装置1は、上述したように、発電所や変電所等に
設置されているので、ガス絶縁開閉装置1の絶縁が劣化
して絶縁破壊が発生すると、電力を消費している配電系
統で停電事故が発生したり、基幹系統への波及効果によ
り発電所や変電所のトリップを誘発したりする危険性が
ある。従って、絶縁破壊が発生した場合、絶縁破壊を初
期段階で検出し、速やかに処置を施す必要がある。因
に、ガス絶縁開閉装置1の内部で発生した部分放電パル
スが、ガス絶縁開閉装置1の導体4を進行波として伝搬
した場合、サージインピーダンスの不連続部分(ガス絶
縁開閉装置1のフランジ3の部分)に電磁波が発生する
ので、絶縁破壊の兆候が現れるとガス絶縁開閉装置1の
フランジ3から電磁波6が漏れでることになる。
【0005】そこで、絶縁破壊を早期発見するために、
ガス絶縁開閉装置1のフランジ3から漏れでた電磁波6
をアンテナ7で検出し、フィルタ8が電磁波6から所定
の周波数帯域の電磁波を抽出して、増幅器9が増幅す
る。そして、そのように増幅された電磁波の実効値を検
波器10が計算したのち、A/D変換器11がアナログ
・ディジタル変換して当該実効値をCPU13に転送す
る。
【0006】そして、CPU13は、その電磁波6の実
効値と予め設定されている警報値を比較し、その実効値
が警報値より大きくなった場合、絶縁破壊が発生したも
のと判断し、警報を出力する旨の指令を警報発生器14
に出力する。そして、警報発生器14は、CPU13か
ら警報を出力する旨の指令を受けると、絶縁破壊が発生
したことが明らかになるように、表示装置(図示せず)
等に絶縁破壊が発生した旨を表示する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は以上のように構成されているので、
電磁波の実効値が一定の警報値より大きくなった場合、
絶縁破壊が発生したものと判断するが、絶縁破壊が発生
しなくても自然界には常に微小な電磁波が存在してお
り、しかもその電磁波の大きさは絶えず変動しているの
で、単に電磁波の実効値と一定の警報値を比較しただけ
では、自然界に存在する電磁波によって警報を誤発生し
てしまう可能性があり、そのため当該警報値を大きくし
なければならない結果、微弱な電磁波を検出することが
できず、絶縁破壊を初期段階で検出できないなどの問題
点があった。
【0008】請求項1から請求項6の発明は上記のよう
な問題点を解消するためになされたもので、検出された
電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に存在す
るものであるのかを区別できるようにして、絶縁破壊に
伴う微弱な電磁波を検出することができるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置を得ることを目的とする。
【0009】請求項7から請求項22の発明は、請求項
3の発明等より更に精度よく、絶縁破壊に伴う微弱な電
磁波を検出することができるガス絶縁開閉装置の絶縁診
断装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るガ
ス絶縁開閉装置の絶縁診断装置は、サンプリング手段か
ら出力された時系列データに基づいて電磁波の歪度を演
算し、その電磁波の歪度とガス絶縁開閉装置の絶縁状態
が正常であるときの電磁波の歪度を比較するようにした
ものである。
【0011】請求項2の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時系
列データに基づいて電磁波の尖度を演算し、その電磁波
の尖度とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるとき
の電磁波の尖度を比較するようにしたものである。
【0012】請求項3の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時系
列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その電磁波の確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関
数を比較するようにしたものである。
【0013】請求項4の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ニューラルネットワークにより演算さ
れた確率分布密度関数の適合度と、設定器に記憶された
正常時の確率分布密度関数の適合度を比較するようにし
たものである。
【0014】請求項5の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の振
幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態を時系列データの個数に応じて規定するメン
バーシップ関数を比較するようにしたものである。
【0015】請求項6の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の振
幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常であるときの時系列データの個数の範
囲を規定する基準値を比較するようにしたものである。
【0016】請求項7の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時系
列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算す
るとともに、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関
数の偏差を演算し、その演算結果を出力する演算手段を
設け、その演算手段から出力された演算結果と、ガス絶
縁開閉装置の絶縁状態が正常であるとき当該演算手段か
ら出力された演算結果を比較するようにしたものであ
る。
【0017】請求項8の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのちそ
の偏差のケプストラムを演算し、そのケプストラムを演
算結果として出力するようにしたものである。
【0018】請求項9の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのちそ
の偏差の高次スペクトラムを演算し、その高次スペクト
ラムを演算結果として出力するようにしたものである。
【0019】請求項10の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差の確率分布密度関数を演算し、その確率分布密
度関数を演算結果として出力するようにしたものであ
る。
【0020】請求項11の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差の自己相関関数を演算し、その自己相関関数を
演算結果として出力するようにしたものである。
【0021】請求項12の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差のパワースペクトルを演算し、そのパワースペ
クトルを演算結果として出力するようにしたものであ
る。
【0022】請求項13の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差を所定の基底関数にしたがってウエーブレット
変換し、その変換結果を演算結果として出力するように
したものである。
【0023】請求項14の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ニューラルネットワークにより演算
された演算結果の適合度と、設定器に記憶された正常時
の演算結果の適合度を比較するようにしたものである。
【0024】請求項15の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の
振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装
置の絶縁状態を時系列データの個数に応じて規定するメ
ンバーシップ関数を比較するようにしたものである。
【0025】請求項16の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の
振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装
置の絶縁状態が正常であるときの時系列データの個数の
範囲を規定する基準値を比較するようにしたものであ
る。
【0026】請求項17の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差のフラクタル次元を演算
する演算手段を設け、その演算手段により演算されたフ
ラクタル次元と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常で
あるときのフラクタル次元を比較するようにしたもので
ある。
【0027】請求項18の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差のカルバック情報量を演
算する演算手段を設け、その演算手段により演算された
カルバック情報量と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正
常であるときのカルバック情報量を比較するようにした
ものである。
【0028】請求項19の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差の平均値を演算する演算
手段を設け、その演算手段により演算された平均値と、
ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの平均値
を比較するようにしたものである。
【0029】請求項20の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差の分散値を演算する演算
手段を設け、その演算手段により演算された分散値と、
ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの分散値
を比較するようにしたものである。
【0030】請求項21の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差の歪度を演算する演算手
段を設け、その演算手段により演算された歪度と、ガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの歪度を比較
するようにしたものである。
【0031】請求項22の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
を演算するとともに、その偏差の尖度を演算する演算手
段を設け、その演算手段により演算された尖度と、ガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの尖度を比較
するようにしたものである。
【0032】
【作用】請求項1の発明におけるガス絶縁開閉装置の絶
縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時系列
データに基づいて電磁波の歪度を演算し、その電磁波の
歪度とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの
電磁波の歪度を比較する比較手段を設けたことにより、
アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであ
るのか自然界に存在するものであるのかを区別できるよ
うになる。即ち、歪度は確率分布密度関数の偏りを示す
指標であり、確率分布密度関数は正常時においてはほぼ
正規分布するが、絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると偏
りが生じるので、歪度を比較することによって上記区別
が行えるようになる。
【0033】請求項2の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の尖度を演算し、その電磁
波の尖度とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であると
きの電磁波の尖度を比較する比較手段を設けたことによ
り、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うもの
であるのか自然界に存在するものであるのかを区別でき
るようになる。即ち、尖度は確率分布密度関数の広がり
具合を示す指標であり、確率分布密度関数は絶縁破壊に
伴う電磁波が発生すると広がる傾向があるので、尖度を
比較することによって上記区別が行えるようになる。
【0034】請求項3の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
し、その電磁波の確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関
数を比較する比較手段を設けたことにより、アンテナに
検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然
界に存在するものであるのかを区別できるようになる。
即ち、確率分布密度関数は正常時においてはほぼ正規分
布するが、絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると偏り等が
生じるので、確率分布密度関数を比較することによって
上記区別が行えるようになる。
【0035】請求項4の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ニューラルネットワークにより演算
された確率分布密度関数の適合度と、設定器に記憶され
た正常時の確率分布密度関数の適合度を比較する比較手
段を設けたことにより、演算するごとに形状が微妙に変
化する確率分布密度関数の特性を考慮しつつ比較され、
上記区別が精度よく行われる。
【0036】請求項5の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の
振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装
置の絶縁状態を時系列データの個数に応じて規定するメ
ンバーシップ関数を比較する比較手段を設けたことによ
り、確率分布密度関数の特徴的部分から絶縁状態を数値
化できるようになる。
【0037】請求項6の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定の
振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉装
置の絶縁状態が正常であるときの時系列データの個数の
範囲を規定する基準値を比較する比較手段を設けたこと
により、確率分布密度関数の特徴的部分に限定して比較
される結果、高い判別精度を保持しつつ高速に上記区別
が行えるようになる。
【0038】請求項7の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された時
系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算
するとともに、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装
置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度
関数の偏差を演算し、その演算結果を出力する演算手段
と、その演算手段から出力された演算結果と、ガス絶縁
開閉装置の絶縁状態が正常であるとき当該演算手段から
出力された演算結果を比較する比較手段とを設けたこと
により、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴う
ものであるのか自然界に存在するものであるのかを精度
よく区別できるようになる。即ち、正常時の確率分布密
度関数との偏差を演算するので、1種の微分的効果が加
わり、上記区別の精度が向上する。
【0039】請求項8の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差のケプストラムを演算し、そのケプストラムを
演算結果として出力するようにしたことにより、アンテ
ナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか
自然界に存在するものであるのかを区別できるようにな
る。即ち、ケプストラム(エコー解析)は反射情報の存
在を示す指標と成り得るものであり、絶縁破壊に伴う電
磁波が発生すると、四方八方から反射された情報が存在
するので、ケプストラムを比較することによって上記区
別が行えるようになる。
【0040】請求項9の発明におけるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したのち
その偏差の高次スペクトラムを演算し、その高次スペク
トラムを演算結果として出力するようにしたことによ
り、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うもの
であるのか自然界に存在するものであるのかを区別でき
るようになる。即ち、高次スペクトラムは基準スペクト
ラム(正常スペクトラム)と対象スペクトラムの相互干
渉を示す指標であり、正常時においては白色雑音である
ため相互干渉は生じないが、絶縁破壊に伴う電磁波が発
生すると相互干渉を生ずるようになるので、高次スペク
トラムを比較することによって上記区別が行えるように
なる。
【0041】請求項10の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したの
ちその偏差の確率分布密度関数を演算し、その確率分布
密度関数を演算結果として出力するようにしたことによ
り、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うもの
であるのか自然界に存在するものであるのかを区別でき
るようになる。即ち、確率分布密度関数は正常時におい
てはほぼ正規分布するが、絶縁破壊に伴う電磁波が発生
すると偏り等が生じるので、確率分布密度関数を比較す
ることによって上記区別が行えるようになる。
【0042】請求項11の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したの
ちその偏差の自己相関関数を演算し、その自己相関関数
を演算結果として出力するようにしたことにより、アン
テナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであるの
か自然界に存在するものであるのかを区別できるように
なる。即ち、自己相関関数は対象信号の時間領域におけ
る関連度を示す指標であり、絶縁破壊に伴う電磁波が発
生すると関連度が低下するので、自己相関関数を比較す
ることによって上記区別が行えるようになる。
【0043】請求項12の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したの
ちその偏差のパワースペクトルを演算し、そのパワース
ペクトルを演算結果として出力するようにしたことによ
り、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うもの
であるのか自然界に存在するものであるのかを区別でき
るようになる。即ち、パワースペクトルは対象信号の周
波数領域における関連度を示す指標であり、絶縁破壊に
伴う電磁波が発生すると関連度が低下するので、パワー
スペクトルを比較することによって上記区別が行えるよ
うになる。
【0044】請求項13の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、演算手段が上記偏差を演算したの
ちその偏差を所定の基底関数にしたがってウエーブレッ
ト変換し、その変換結果を演算結果として出力するよう
にしたことにより、アンテナに検出された電磁波が絶縁
破壊に伴うものであるのか自然界に存在するものである
のかを区別できるようになる。即ち、ウエーブレット変
換は定義された基底関数との相関を時間領域で示す指標
であり、絶縁破壊に伴う電磁波に含まれる波形が基底関
数に似ているほど変換結果が大きくなるので、当該変換
結果を比較することによって上記区別が行えるようにな
る。
【0045】請求項14の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、ニューラルネットワークにより演
算された演算結果の適合度と、設定器に記憶された正常
時の演算結果の適合度を比較する比較手段を設けたこと
により、演算するごとに形状が微妙に変化する確率分布
密度関数の特性を考慮しつつ比較され、上記区別が精度
よく行われる。
【0046】請求項15の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定
の振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態を時系列データの個数に応じて規定する
メンバーシップ関数を比較する比較手段を設けたことに
より、確率分布密度関数の特徴的部分から絶縁状態を数
値化できるようになる。
【0047】請求項16の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、特徴抽出器により抽出された所定
の振幅値を有する時系列データの個数と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態が正常であるときの時系列データの個数
の範囲を規定する基準値を比較する比較手段を設けたこ
とにより、確率分布密度関数の特徴的部分に限定して比
較される結果、高い判別精度を保持しつつ高速に上記区
別が行えるようになる。
【0048】請求項17の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差のフラクタル次元を演
算する演算手段と、その演算手段により演算されたフラ
クタル次元とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常である
ときのフラクタル次元を比較する比較手段とを設けたこ
とにより、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴
うものであるのか自然界に存在するものであるのかを区
別できるようになる。即ち、フラクタル次元は空間をう
めつくす度合いを示す指標であり、正常時と異常時(絶
縁破壊に伴う電磁波が発生した状態)とでは、空間をう
めつくす状態が変化するので(絶縁破壊に伴う電磁波が
発生すると、ランダムノイズが空間をうめつくすため、
フラクタル次元が2次元に近づく)、フラクタル次元を
比較することによって上記区別が行えるようになる。
【0049】請求項18の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差のカルバック情報量を
演算する演算手段と、その演算手段により演算されたカ
ルバック情報量とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常で
あるときのカルバック情報量を比較する比較手段とを設
けたことにより、アンテナに検出された電磁波が絶縁破
壊に伴うものであるのか自然界に存在するものであるの
かを区別できるようになる。即ち、カルバック情報量は
基準となる正常信号の確率分布密度関数と対象信号の確
率分布密度関数を比較するための指標であり、正常時と
異常時(絶縁破壊に伴う電磁波が発生した状態)とでは
カウバック情報量が変化するので、カウバック情報量を
比較することによって上記区別が行えるようになる。
【0050】請求項19の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差の平均値を演算する演
算手段と、その演算手段により演算された平均値とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの平均値を比
較する比較手段とを設けたことにより、アンテナに検出
された電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に
存在するものであるのかを区別できるようになる。即
ち、絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると、上記平均値が
大きくなるので、上記平均値を比較することによって上
記区別が行えるようになる。
【0051】請求項20の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差の分散値を演算する演
算手段と、その演算手段により演算された分散値とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの分散値を比
較する比較手段とを設けたことにより、アンテナに検出
された電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に
存在するものであるのかを区別できるようになる。即
ち、絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると、上記分散値が
大きくなるので、上記分散値を比較することによって上
記区別が行えるようになる。
【0052】請求項21の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差の歪度を演算する演算
手段と、その演算手段により演算された歪度とガス絶縁
開閉装置の絶縁状態が正常であるときの歪度を比較する
比較手段とを設けたことにより、アンテナに検出された
電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に存在す
るものであるのかを区別できるようになる。即ち、歪度
は上記偏差の偏りを示す指標であり、上記偏差は正常時
においてはほぼ正規分布するが、絶縁破壊に伴う電磁波
が発生すると偏りが生じるので、歪度を比較することに
よって上記区別が行えるようになる。
【0053】請求項22の発明におけるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は、サンプリング手段から出力された
時系列データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏
差を演算するとともに、その偏差の尖度を演算する演算
手段と、その演算手段により演算された尖度とガス絶縁
開閉装置の絶縁状態が正常であるときの尖度を比較する
比較手段とを設けたことにより、アンテナに検出された
電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に存在す
るものであるのかを区別できるようになる。即ち、尖度
は上記偏差の広がり具合を示す指標であり、上記偏差は
絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると広がる傾向があるの
で、尖度を比較することによって上記区別が行えるよう
になる。
【0054】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置を示す構成図であり、図において、従
来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。15は増幅器9により増幅された電磁波
6を所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジ
タル変換し、複数個の時系列データYi (i=1,2,
3,・・・,N)を出力するA/D変換器(サンプリン
グ手段)、16は時系列データYi に基づいて警報を出
力する異常検出処理装置である。
【0055】また、図2は異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図であり、図において、17はA/D
変換器15から出力された時系列データYi に基づいて
電磁波の歪度μ3を演算する歪度演算器(演算手段)、
18はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるとき
の電磁波の歪度を記憶する設定器、19は歪度演算器1
7により演算された電磁波の歪度μ3と設定器18に記
憶された正常時の電磁波の歪度を比較する比較器(比較
手段)、20は比較器19の比較結果に基づいて警報を
出力する警報発生器(警報出力手段)である。
【0056】次に動作について説明する。まず、従来の
ものと同様に、ガス絶縁開閉装置1のフランジ3から漏
れでた電磁波6をアンテナ(電磁波検出手段)7で検出
し、フィルタ8がその電磁波6から所定の周波数帯域の
電磁波を抽出して、増幅器9が増幅する。そして、その
ように増幅された電磁波6をA/D変換器15が所定時
間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換
し、複数個の時系列データYi (i=1,2,3,・・
・,N)を出力する。
【0057】そして、複数個の時系列データYi が異常
検出処理装置16に入力されると、異常検出処理装置1
6における歪度演算器17が、以下に示すように、時系
列データYi から電磁波6の平均値μ1と分散値μ2を
求め、その平均値μ1と分散値μ2から電磁波6の歪度
μ3を演算する。
【0058】
【数1】
【0059】そして、歪度演算器17により電磁波6の
歪度μ3が演算されると、比較器19がガス絶縁開閉装
置1の絶縁状態が正常であるときの電磁波の歪度を設定
器18から入力し、その演算された歪度μ3と正常時の
歪度を比較する。ここで、設定器18には、ガス絶縁開
閉装置1の絶縁状態が正常であるとき歪度演算器17が
演算した歪度が記憶されているが、外部の装置(図示せ
ず)が演算した正常時の歪度を記憶するようにしてもよ
いことは言うまでもない。
【0060】そして、比較器19は、演算された歪度μ
3と正常時の歪度を比較した結果、例えば、演算された
歪度μ3が正常時の歪度の3倍を越えたとき、絶縁破壊
が発生したものと判断する。ここで、電磁波6の歪度に
よって絶縁破壊の有無を判断できる理由を簡単に説明す
ると、歪度は確率分布密度関数PDFの偏りを示す指標
であり、図3に示すように、確率分布密度関数PDF
は、絶縁破壊が発生していない正常時においては、自然
界に存在する電磁波が絶えず変動しても、ほぼ正規に分
布するが(図3(a)参照)、絶縁破壊に伴う電磁波が
発生すると、確率分布密度関数PDFに偏りが生じるの
で(図3(b)参照)、歪度を比較することによって絶
縁破壊の有無を判別することができる。
【0061】そして、最後に、比較器19が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器(電磁波検出手
段)20が、絶縁破壊が発生したことを明らかにすべ
く、表示装置(図示せず)に絶縁破壊が発生した旨を表
示し、あるいは、プラントを監視する監視装置(図示せ
ず)等に絶縁破壊が発生した旨を示す信号等を出力し、
一連の処理を終了する。
【0062】以上より、この実施例1によれば、絶縁破
壊の有無を判断する指標と成り得る電磁波の歪度に基づ
いて、絶縁破壊の有無を判断するように構成したので、
自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁破壊の有
無を判断できるようになり、その結果、警報値(この実
施例1の場合、正常時の歪度の3倍の値)を従来のもの
に比べて小さくすることができ、絶縁破壊を初期段階で
検出することができるようになる。
【0063】実施例2.図4はこの発明の一実施例によ
るガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出処
理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図におい
て、21はA/D変換器15から出力された時系列デー
タYi に基づいて電磁波の尖度μ4を演算する尖度演算
器(演算手段)、22はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態
が正常であるときの電磁波の尖度を記憶する設定器、2
3は尖度演算器21により演算された電磁波の尖度μ4
と設定器22に記憶された正常時の電磁波の尖度を比較
する比較器(比較手段)である。
【0064】次に動作について説明する。まず、上記実
施例1と同様にして、複数個の時系列データYi が異常
検出処理装置16に入力されると、異常検出処理装置1
6における尖度演算器21が、上記実施例1と同様に、
時系列データYi から電磁波6の平均値μ1と分散値μ
2を求め、その平均値μ1と分散値μ2から電磁波6の
尖度μ4を演算する。
【0065】
【数2】
【0066】そして、尖度演算器21により電磁波6の
尖度μ4が演算されると、比較器23がガス絶縁開閉装
置1の絶縁状態が正常であるときの電磁波の尖度を設定
器22から入力し、その演算された尖度μ4と正常時の
尖度を比較する。ここで、設定器22には、ガス絶縁開
閉装置1の絶縁状態が正常であるとき尖度演算器21が
演算した尖度が記憶されているが、外部の装置(図示せ
ず)が演算した正常時の尖度を記憶するようにしてもよ
いことは言うまでもない。
【0067】そして、比較器23は、演算された尖度μ
4と正常時の尖度を比較した結果、例えば、演算された
尖度μ4が正常時の尖度の3倍を越えたとき、絶縁破壊
が発生したものと判断する。ここで、電磁波6の尖度に
よって絶縁破壊の有無を判断できる理由を簡単に説明す
ると、尖度は確率分布密度関数PDFの広がり具合を示
す指標であり、図5に示すように、確率分布密度関数P
DFは、絶縁破壊が発生していない正常時においては、
自然界に存在する電磁波が絶えず変動しても、ほぼ釣鐘
状になるが(図5(a)参照)、絶縁破壊に伴う電磁波
が発生すると、確率分布密度関数PDFの裾が広がる傾
向があるので(図5(b)参照、因に、この図では説明
の便宜上、PDFの偏りを考慮していない)、尖度を比
較することによって絶縁破壊の有無を判断することがで
きる。
【0068】そして、最後に、比較器23が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0069】以上より、この実施例2によれば、絶縁破
壊の有無を判断する指標と成り得る電磁波の尖度に基づ
いて、絶縁破壊の有無を判断するように構成したので、
自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁破壊の有
無を判断できるようになり、その結果、警報値(この実
施例1の場合、正常時の尖度の3倍の値)を従来のもの
に比べて小さくすることができ、絶縁破壊を初期段階で
検出することができるようになる。
【0070】実施例3.図6はこの発明の一実施例によ
るガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出処
理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図におい
て、24はA/D変換器15から出力された時系列デー
タYi に基づいて電磁波の確率分布密度関数PDFを演
算するPDF演算器(演算手段)、25は予めガス絶縁
開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの確率分布密度
関数PDFを学習しておき、その学習時の確率分布密度
関数PDFに対する診断時の確率分布密度関数PDF
(PDF演算器24により演算された確率分布密度関数
PDF)の適合度M1を演算するニューラルネットワー
ク(比較手段)、26はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態
が正常であるときニューラルネットワーク25により演
算された適合度N1を記憶する設定器(比較手段)、2
7はニューラルネットワーク25により演算された適合
度M1と設定器26に記憶された正常時の適合度N1を
比較する比較器(比較手段)である。
【0071】次に動作について説明する。まず、上記実
施例1と同様にして、複数個の時系列データYi が異常
検出処理装置16に入力されると、異常検出処理装置1
6におけるPDF演算器24が、時系列データYi から
確率分布密度関数PDFを演算する。
【0072】ここで、確率分布密度関数PDFの求め方
を、10個の時系列データY1 〜Y10をサンプリングし
た場合を例にとって簡単に説明する(図7(a)参
照)。まず、例えば、振幅のきざみ幅を1Vにすると、
図7(a)の場合、領域を6つの振幅値(−3〜−2
V,−2〜−1V,−1〜0V,0〜1V,1〜2V,
2〜3V)に分けられるので、6つの領域にそれぞれ存
在する時系列データの個数が当該領域における確率分布
密度関数PDFの値(以下、PDF(j)とする)に相
当する。
【0073】そこで、各領域に存在する時系列データの
個数をそれぞれカウントすると、下記のようになるの
で、確率分布密度関数は図7(b)に示す通りとなる。 −3〜−2Vの領域 → 1個 → PDF(−2)=
1 −2〜−1Vの領域 → 1個 → PDF(−1)=
1 −1〜 0Vの領域 → 2個 → PDF( 0)=
2 0〜 1Vの領域 → 3個 → PDF( 1)=3 1〜 2Vの領域 → 2個 → PDF( 2)=2 2〜 3Vの領域 → 1個 → PDF( 3)=1
【0074】このようにして、診断時において、PDF
演算器24により電磁波6の確率分布密度関数度PDF
が演算されると、学習時(正常時)の確率分布密度関数
PDFに対する診断時の確率分布密度関数度PDFの適
合度M1をニューラルネットワーク25が演算する。因
に、ニューラルネットワークは、シグモント特性を有す
るユニットで構成される多層ネットワークと誤差逆伝搬
学習法を用いる周知の手法であり、与えられた入力デー
タと出力データ(教師信号)の対に関して学習の誤差評
価関数を考え、これを最小化する結合重みを勾配法で求
めるものである。
【0075】そして、比較器27がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの適合度N1を設定器26
から入力し、その演算された適合度M1と正常時の適合
度N1を比較する。そして、比較器27は、演算された
適合度M1と正常時の適合度N1を比較した結果、例え
ば、演算された適合度M1が正常時の適合度N1の1/
2倍を下回ったとき、絶縁破壊が発生したものと判断す
る。ここで、適合度によって絶縁破壊の有無を判断でき
る理由を簡単に説明すると、適合度の比較は確率分布密
度関数PDFの形状を比較することと等価であり、上記
実施例1,2でも説明したように、絶縁破壊が発生する
と確率分布密度関数PDFの形状が変化するので、適合
度を比較することによって絶縁破壊の有無を判断でき
る。
【0076】そして、最後に、比較器27が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0077】以上より、この実施例3によれば、ニュー
ラルネットワーク25を用いて、絶縁破壊の有無を判断
するように構成したので、確率分布密度関数PDFの形
状は演算するごとに微妙に変化するが、確率分布密度関
数PDFの一部分の形状だけでなく全体形状から総合的
に絶縁破壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊の判別精
度が向上する効果がある。
【0078】実施例4.図8はこの発明の一実施例によ
るガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出処
理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図におい
て、28はPDF演算器24により演算された確率分布
密度関数PDFから所定の振幅値kを有する時系列デー
タの個数PDF(k)を抽出する特徴抽出器(比較手
段)、29はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態を時系列デ
ータの個数PDF(k)に応じて規定するメンバーシッ
プ関数を記憶する設定器(比較手段)、30は特徴抽出
器28により抽出された時系列データの個数PDF
(k)と設定器29に記憶されたメンバーシップ関数を
比較する比較器(比較手段)である。
【0079】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、特徴抽出
器28がその確率分布密度関数PDFの特徴的部分の時
系列データの個数、即ち、所定の振幅値k(例えば、0
〜1Vの振幅値)を有する時系列データの個数PDF
(k)を抽出する(図7の場合、0〜1Vの振幅値であ
れば、時系列データの個数PDF(1)は3個)。
【0080】このようにして、特徴抽出器28により確
率分布密度関数PDFの特徴的部分の時系列データの個
数PDF(k)が抽出されると、比較器30が設定器2
9からメンバーシップ関数を入力し、その抽出された時
系列データの個数PDF(k)とメンバーシップ関数を
比較する。
【0081】ここで、メンバーシップ関数は、確率分布
密度関数PDFに特徴的部分が2か所あれば2通り規定
され、例えば、図7において、−2〜−1Vの振幅値
と、1〜2Vの振幅値に特徴があれば、この2つ振幅値
に係るメンバーシップ関数が規定される。具体的には、
確率分布密度関数PDFが図9(a)である場合におい
て、電圧90Vが当該確率分布密度関数PDFの特徴的
部分であるとすれば、電圧90Vに係るメンバーシンプ
関数が図9(b)のように規定されている。この例で
は、時系列データの個数が8〜12個であれば絶縁状態
が0.8〜1.0で正常、時系列データの個数が8個未
満又は13個以上であれば絶縁状態が0.8未満で異常
(絶縁破壊)を示している。因に、図9(a)の場合、
電圧が90Vのとき、時系列データの個数は11個であ
るので、絶縁状態は正常であることになる。
【0082】そして、比較器30は、その抽出された時
系列データの個数PDF(k)とメンバーシップ関数を
比較した結果、例えば、絶縁状態が0.8未満のとき、
絶縁破壊が発生したものと判断する。
【0083】そして、最後に、比較器30が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0084】以上より、この実施例4によれば、メンバ
ーシップ関数(ファジールール)を用いて、絶縁破壊の
有無を判断するように構成したので、確率分布密度関数
の特徴的部分から絶縁状態を数値化することができる結
果、絶縁破壊を精度よく判別することができる効果があ
る。
【0085】実施例5.図10はこの発明の一実施例に
よるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出
処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図にお
いて、31はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であ
るときの時系列データの個数の範囲を規定する基準値を
記憶する設定器(比較手段)、32は特徴抽出器28に
より抽出された時系列データの個数と設定器31に記憶
された基準値を比較する比較器(比較手段)である。
【0086】次に動作について説明する。まず、上記実
施例4と同様にして、特徴抽出器28により確率分布密
度関数PDFの特徴的部分の時系列データの個数PDF
(k)が抽出されると、比較器32が設定器31から基
準値を入力し、その抽出された時系列データの個数PD
F(k)と基準値を比較する。
【0087】ここで、基準値は、ガス絶縁開閉装置1の
絶縁状態が正常であることを示す基準波形(正常時の確
率分布密度関数(図11参照))を基準にして、例え
ば、各振幅値における時系列データの個数PDF(k)
が±2個の範囲内であれば、正常であることを示すもの
である(図11の斜線部)。
【0088】そして、比較器32は、その抽出された時
系列データの個数PDF(k)と基準値を比較した結
果、例えば、その抽出された時系列データの個数PDF
(k)が3個で、基準値が4個〜6個であれば、時系列
データの個数PDF(k)が基準値の範囲を逸脱してい
るので、絶縁破壊が発生したものと判断する(図11の
斜線部外)。
【0089】そして、最後に、比較器32が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0090】以上より、この実施例5によれば、基準値
を用いて、絶縁破壊の有無を判断するように構成したの
で、確率分布密度関数の特徴的部分に限定して絶縁状態
を判断できる結果、高い判別精度を保持しつつ高速に絶
縁破壊を判別することができる効果がある。
【0091】実施例6.図12はこの発明の一実施例に
よるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出
処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図にお
いて、33はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であ
るときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを記憶する
設定器(演算手段)、34はPDF演算器24により演
算された確率分布密度関数PDFと設定器33に記憶さ
れた確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る減算器(演算手段)である。
【0092】また、35は予めガス絶縁開閉装置1の絶
縁状態が正常であるとき減算器34が出力する演算結果
△PDFを学習しておき、その学習時の演算結果△PD
Fに対する診断時の演算結果△PDF(減算器34から
出力された演算結果△PDF)の適合度M2を演算する
ニューラルネットワーク(比較手段)、36はガス絶縁
開閉装置1の絶縁状態が正常であるときニューラルネッ
トワーク35が出力する適合度N2を記憶する設定器
(比較手段)、37はニューラルネットワーク35によ
り演算された適合度M2と設定器36に記憶された正常
時の適合度N2を比較する比較器(比較手段)である。
【0093】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0094】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、学習時の演算結果△P
DFに対する診断時の演算結果△PDF(減算器34の
演算結果△PDF)の適合度M2をニューラルネットワ
ーク35が演算する。
【0095】そして、比較器37がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの適合度N2を設定器26
から入力し、その演算された適合度M2と正常時の適合
度N2を比較する。そして、比較器37は、演算された
適合度M2と正常時の適合度N2を比較した結果、例え
ば、演算された適合度M2が正常時の適合度N2の1/
2倍を下回ったとき、絶縁破壊が発生したものと判断す
る。ここで、当該適合度によって絶縁破壊の有無を判断
できる理由を簡単に説明すると、当該適合度M2,N2
の比較は、演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFの形状を比
較することと等価であり、上記実施例1,2でも説明し
たように、絶縁破壊が発生すると確率分布密度関数PD
Fの形状が変化するので、当該偏差△PDFの形状も変
化する、従って、当該適合度M2,N2を比較すること
によって絶縁破壊の有無を判断することができる。
【0096】そして、最後に、比較器37が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0097】以上より、この実施例6によれば、ニュー
ラルネットワーク35を用いて、絶縁破壊の有無を判断
するように構成したので、上記偏差△PDFの形状は演
算するごとに微妙に変化するが、上記偏差△PDFの一
部分の形状だけでなく全体形状から総合的に絶縁破壊の
有無を判断できる結果、絶縁破壊の判別精度が向上する
効果がある。また、上記実施例3と比べて、この実施例
6では、減算器34を設けて上記偏差△PDFをニュー
ラルネットワーク35に入力させるようにしているの
で、1種の微分的効果が加わり、絶縁破壊の判別精度が
向上する。
【0098】実施例7.図13はこの発明の一実施例に
よるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出
処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図にお
いて、38は減算器34の演算結果△PDFから所定の
振幅値を有する時系列データZi (i=1,2,3,・
・・,N)の個数を抽出する特徴抽出器(比較手段)、
39はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるとき
の絶縁状態を時系列データZi の個数に応じて規定する
メンバーシップ関数を記憶する設定器(比較手段)、4
0は特徴抽出器38により抽出された時系列データZi
の個数と設定器39に記憶されたメンバーシップ関数を
比較する比較器(比較手段)である。
【0099】次に動作について説明する。まず、上記実
施例4と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0100】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、特徴抽出器38がその
偏差△PDFから、所定の振幅値を有する時系列データ
i の個数を抽出する。因に、確率分布密度関数PDF
から抽出された時系列データYi の個数が例えば5個
で、正常時の確率分布密度関数NPDFから抽出された
時系列データの個数が例えば3個であるとすれば、偏差
△PDFから抽出された時系列データZiの個数は2個
(=5個−3個)となる。
【0101】このようにして、特徴抽出器38により偏
差△PDFの特徴的部分の時系列データZi の個数△P
DF(k)が抽出されると、比較器40が設定器39か
らメンバーシップ関数を入力し、その抽出された時系列
データの個数△PDF(k)とメンバーシップ関数を比
較する。
【0102】そして、比較器40は、その抽出された時
系列データの個数△PDF(k)とメンバーシップ関数
を比較した結果、実施例4と同様に、例えば、絶縁状態
が0.8未満であるとき、絶縁破壊が発生したものと判
断する。そして、最後に、比較器40が絶縁破壊が発生
したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破壊が
発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せず)
に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラント
を監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発生し
た旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了する。
【0103】以上より、この実施例7によれば、メンバ
ーシップ関数(ファジールール)を用いて、絶縁破壊の
有無を判断するように構成したので、確率分布密度関数
の特徴的部分から絶縁状態を数値化することができる結
果、絶縁破壊を精度よく判別することができる効果があ
る。また、上記実施例4と比べて、この実施例7では、
減算器34を設けて上記偏差△PDFを特徴抽出器38
に入力させるようにしているので、1種の微分的効果が
加わり、絶縁破壊の判別精度が向上する。
【0104】実施例8.図14はこの発明の一実施例に
よるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検出
処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図にお
いて、41はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であ
るときの時系列データの個数の範囲を規定する基準値を
記憶する設定器(比較手段)、42は特徴抽出器38に
より抽出された時系列データZi の個数と設定器41に
記憶された基準値を比較する比較器(比較手段)であ
る。
【0105】まず、上記実施例5と同様にして、PDF
演算器24により電磁波6の確率分布密度関数度PDF
が演算されると、減算器34が設定器33からガス絶縁
開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率
分布密度関数NPDFを入力し、その演算された確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算する。
【0106】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、上記実施例7と同様に
して、特徴抽出器38がその偏差△PDFから、所定の
振幅値を有する時系列データZi の個数を抽出する。
【0107】そして、特徴抽出器38により偏差△PD
Fの特徴的部分の時系列データZiの個数△PDF
(k)が抽出されると、比較器42が設定器41から基
準値を入力し、その抽出された時系列データの個数△P
DF(k)と基準値を比較する。ここで、基準値は、上
述したように、ガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常で
あることを示す基準波形(図11参照)を基準にして、
例えば、各振幅値における時系列データの個数PDF
(k)が±2個の範囲内であれば、正常であることを示
すものである(図11の斜線部)。
【0108】そして、比較器42は、その抽出された時
系列データの個数△PDF(k)と基準値を比較した結
果、例えば、その抽出された時系列データの個数△PD
F(k)が3個で、基準値4個〜6個であれば、時系列
データの個数△PDF(k)が基準値の範囲を逸脱して
いるので、絶縁破壊が発生したものと判断する(図11
の斜線部外)。
【0109】そして、最後に、比較器42が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0110】以上より、この実施例8によれば、基準値
を用いて、絶縁破壊の有無を判断するように構成したの
で、確率分布密度関数の特徴的部分に限定して絶縁状態
を判断できる結果、高い判別精度を保持しつつ高速に絶
縁破壊を判別することができる効果がある。また、上記
実施例5と比べて、この実施例8では、減算器34を設
けて上記偏差△PDFを特徴抽出器38に入力させるよ
うにしているので、1種の微分的効果が加わり、絶縁破
壊の判別精度が向上する。
【0111】実施例9.上記実施例6〜8では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネット
ワーク35または特徴抽出器38に入力するものについ
て示したが、図15〜17に示すように、その偏差△P
DFのケプストラムを演算するケプストラム演算器(演
算手段)43を設け、そのケプストラムをニューラルネ
ットワーク35または特徴抽出器38に入力するように
してもよい(請求項8に対応)。
【0112】即ち、ケプストラム(エコー解析)は、反
射情報の存在を示す指標と成り得るものであり、絶縁破
壊に伴う電磁波が発生すると、四方八方から反射の情報
が存在するので、ケプストラムを比較することによって
絶縁状態を判別することができる。因に、図18(a)
は、絶縁破壊が発生していない正常時のケプストラムを
示し、図18(b)は、絶縁破壊が発生している異常時
のケプストラムを示している。なお、ケプストラムの演
算式は下記に示す通りである。
【0113】
【数3】
【0114】実施例10.上記実施例6〜8では、減算
器34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネッ
トワーク35または特徴抽出器38に入力するものにつ
いて示したが、図19〜21に示すように、その偏差△
PDFの高次スペクトラムを演算する高次スペクトラム
演算器(演算手段)44を設け、その高次スペクトラム
をニューラルネットワーク35または特徴抽出器38に
入力するようにしてもよい(請求項9に対応)。
【0115】即ち、高次スペクトラムは、基準スペクト
ラム(正常スペクトラム)と対象スペクトラムの相互干
渉を示す指標であり、正常時においては白色雑音である
ため相互干渉は生じないが(図22(a)参照)、絶縁
破壊に伴う電磁波が発生すると相互干渉を生じるように
なるので(図22(b)参照)、高次スペクトラムを比
較することによって絶縁状態を判別することができる。
なお、高次スペクトラムの演算式(2次スペクトラムの
演算式)は下記に示す通りである。
【0116】
【数4】
【0117】実施例11.上記実施例6〜8では、減算
器34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネッ
トワーク35または特徴抽出器38に入力するものにつ
いて示したが、図23〜25に示すように、更にその偏
差△PDFの確率分布密度関数を演算するPDF演算器
(演算手段)45を設け、その確率分布密度関数をニュ
ーラルネットワーク35または特徴抽出器38に入力す
るようにしてもよく、上記実施例6〜8と同様の効果が
得られる(請求項10に対応)。
【0118】実施例12.上記実施例6〜8では、減算
器34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネッ
トワーク35または特徴抽出器38に入力するものにつ
いて示したが、図26〜28に示すように、その偏差△
PDFの自己相関関数を演算する自己相関関数演算器
(演算手段)46を設け、その自己相関関数をニューラ
ルネットワーク35または特徴抽出器38に入力するよ
うにしてもよい(請求項11に対応)。
【0119】即ち、自己相関関数は、対象信号の時間領
域における関連度を示す指標であり、絶縁破壊に伴う電
磁波が発生すると関連度が低下するので、自己相関関数
を比較することによって絶縁状態を判別することができ
る。因に、図29(a)は、絶縁破壊が発生していない
正常時の自己相関関数を示し、図29(b)は、絶縁破
壊が発生している異常時の自己相関関数を示している。
なお、自己相関関数の演算式は下記に示す通りである。
【0120】
【数5】
【0121】実施例13.上記実施例6〜8では、減算
器34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネッ
トワーク35または特徴抽出器38に入力するものにつ
いて示したが、図30〜32に示すように、その偏差△
PDFのパワースペクトルを演算するパワスペクトル演
算器(演算手段)47を設け、そのパワースペクトルを
ニューラルネットワーク35または特徴抽出器38に入
力するようにしてもよい(請求項12に対応)。
【0122】即ち、パワースペクトルは、対象信号の周
波数領域における関連度を示す指標であり、絶縁破壊に
伴う電磁波が発生すると関連度が低下するので、パワー
スペクトルを比較することによって絶縁状態を判別する
ことができる。因に、図33(a)は、絶縁破壊が発生
していない正常時のパワースペクトルを示し、図33
(b)は、絶縁破壊が発生している異常時のパワースペ
クトルを示している。なお、パワースペクトルの演算式
は下記に示す通りである。
【0123】
【数6】
【0124】実施例14.上記実施例6〜8では、減算
器34の演算結果である偏差△PDFをニューラルネッ
トワーク35または特徴抽出器38に入力するものにつ
いて示したが、図34〜36に示すように、その偏差△
PDFを設定器(演算手段)48に格納されているハー
ル関数(基底関数)にしたがってウエーブレット変換す
るウエーブレット変換器(演算手段)49を設け、その
変換結果をニューラルネットワーク35または特徴抽出
器38に入力するようにしてもよい(請求項13に対
応)。
【0125】即ち、ウエーブレット変換は、定義された
基底関数との相関を時間領域で示す指標であり、絶縁破
壊に伴う電磁波に含まれる波形が基底関数に似ているほ
ど変換結果が大きくなるので、当該変換結果を比較する
ことによって絶縁状態を判別することができる。なお、
ウエーブレット変換の変換式は下記に示す通りである。
【0126】
【数7】
【0127】実施例15.上記実施例14では、基底関
数としてハール関数を用いたものについて示したが、絶
縁破壊に伴う電磁波に含まれる波形に近似している基底
関数を用いればよく、例えば、モーレ関数、フレンチハ
ット関数、メキシカンハット関数、ガボール関数又はガ
ウシャン関数を用いてもよい。なお、言うまでもない
が、選択した基底関数と、絶縁破壊に伴う電磁波に含ま
れる波形間の近似度が高いほど、異常検知感度が向上す
る。
【0128】実施例16.図37はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、50は減算器34により演算された偏差△PD
Fのフラクタル次元を演算するフラクタル次元演算器
(演算手段)、51はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が
正常であるときのフラクタル次元を記憶する設定器(比
較手段)、52はフラクタル次元演算器50により演算
されたフラクタル次元と設定器51に記憶されたフラク
タル次元を比較する比較器(比較手段)である。
【0129】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0130】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、フラクタル次元演算器
50がその偏差△PDFのフラクタル次元N(r)を下
記に示すように演算する。
【0131】
【数8】
【0132】そして、比較器52がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときのフラクタル次元を設定器
51から入力し、その演算されたフラクタル次元N
(r)と正常時のフラクタル次元を比較する。ここで、
設定器51には、ガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常
であるときフラクタル次元演算器50が演算したフラク
タル次元N(r)が記憶されているが、外部の装置(図
示せず)が演算した正常時のフラクタル次元を記憶する
ようにしてもよいことは言うまでもない。
【0133】そして、比較器52は、演算されたフラク
タル次元N(r)と正常時のフラクタル次元を比較した
結果から絶縁破壊の有無を判断する。ここで、フラクタ
ル次元によって絶縁破壊の有無を判断できる理由を簡単
に説明すると、フラクタル次元は、空間をうめつくす度
合いを示す指標であり、正常時と異常時(絶縁破壊発生
時)とでは、空間をうめつくす状態が変化するので(絶
縁破壊に伴う電磁波が発生すると、ランダムノイズが平
面をうめつくすため、フラクタル次元は2次元に限りな
く近づく)、フラクタル次元を比較することによって絶
縁破壊の有無を判別することができる。
【0134】そして、最後に、比較器52が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0135】以上より、この実施例16によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得るフラクタル次元に
基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成したの
で、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁破壊
の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で検出す
ることができる効果がある。
【0136】実施例17.上記実施例16では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFをフラクタル次元演
算器50に入力するものについて示したが、上記実施例
14と同様に、その偏差△PDFを基底関数にしたがっ
てウエーブレット変換するウエーブレット変換器49を
設け、その変換結果をフラクタル次元演算器50に入力
するようにしてもよい(図38参照)。
【0137】実施例18.図39はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、53は減算器34により演算された偏差△PD
Fのカルバック情報量を演算するカルバック情報量演算
器(演算手段)、54はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態
が正常であるときのカルバック情報量を記憶する設定器
(比較手段)、55はカルバック情報量演算器53によ
り演算されたカルバック情報量と設定器54に記憶され
たカルバック情報量を比較する比較器(比較手段)であ
る。
【0138】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0139】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、カルバック情報量演算
器53がその偏差△PDFのカルバック情報量を下記に
示すように演算する。
【0140】
【数9】
【0141】そして、比較器55がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときのカルバック情報量を設定
器54から入力し、その演算されたカルバック情報量と
正常時のカルバック情報量を比較する。ここで、設定器
54には、ガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常である
ときカルバック情報量演算器53が演算したカルバック
情報量が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が
演算した正常時のカルバック情報量を記憶するようにし
てもよいことは言うまでもない。
【0142】そして、比較器55は、演算されたカルバ
ック情報量と正常時のカルバック情報量を比較した結
果、例えば、演算されたカルバック情報量が正常時のカ
ルバック情報量の3倍を越えたとき、絶縁破壊が発生し
たものと判断する。ここで、カルバック情報量によって
絶縁破壊の有無を判断できる理由を簡単に説明すると、
カルバック情報量は、基準となる正常信号の確率分布密
度関数(絶縁破壊が発生していない正常時の確率分布密
度関数)と対象信号の確率分布密度関数を比較するため
の指標であり、正常時と異常時(絶縁破壊発生時)とで
は、カルバック情報量が変化するので、カルバック情報
量を比較することによって絶縁破壊の有無を判別するこ
とができる。
【0143】そして、最後に、比較器55が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0144】以上より、この実施例18によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得るカルバック情報量
に基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成した
ので、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁破
壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で検出
することができる効果がある。
【0145】実施例19.上記実施例18では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFをカルバック情報量
演算器53に入力するものについて示したが、上記実施
例14と同様に、その偏差△PDFを基底関数にしたが
ってウエーブレット変換するウエーブレット変換器49
を設け、その変換結果をカルバック情報量演算器53に
入力するようにしてもよい(図40参照)。
【0146】実施例20.図41はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、56は減算器34により演算された偏差△PD
Fの平均値を演算する平均値演算器(演算手段)、57
はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの平
均値を記憶する設定器(比較手段)、58は平均値演算
器56により演算された平均値と設定器57に記憶され
た平均値を比較する比較器(比較手段)である。
【0147】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0148】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、平均値演算器56がそ
の偏差△PDFの平均値を式(1)に基づいて演算す
る。
【0149】そして、比較器58がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの平均値を設定器57から
入力し、その演算された平均値と正常時の平均値を比較
する。ここで、設定器57には、ガス絶縁開閉装置1の
絶縁状態が正常であるとき平均値演算器56が演算した
平均値が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が
演算した正常時の平均値を記憶するようにしてもよいこ
とは言うまでもない。
【0150】そして、比較器58は、演算された平均値
と正常時の平均値を比較した結果、例えば、演算された
平均値が正常時の平均値の3倍を越えたとき、絶縁破壊
が発生したものと判断する。因に、当該平均値は、絶縁
破壊に伴う電磁波が発生すると正常時より大きくなるの
で(図42参照)、当該平均値を比較することによって
絶縁破壊の有無を判断することができる。
【0151】そして、最後に、比較器58が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0152】以上より、この実施例20によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得る偏差△PDFの平
均値に基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成
したので、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶
縁破壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で
検出することができる効果がある。
【0153】実施例21.上記実施例20では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFを平均値演算器56
に入力するものについて示したが、上記実施例14と同
様に、その偏差△PDFを基底関数にしたがってウエー
ブレット変換するウエーブレット変換器49を設け、そ
の変換結果を平均値演算器56に入力するようにしても
よい(図43参照)。
【0154】実施例22.図44はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、59は減算器34により演算された偏差△PD
Fの分散値を演算する分散値演算器(演算手段)、60
はガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの分
散値を記憶する設定器(比較手段)、61は分散値演算
器59により演算された分散値と設定器60に記憶され
た分散値を比較する比較器(比較手段)である。
【0155】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0156】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、分散値演算器59がそ
の偏差△PDFの分散値を式(2)に基づいて演算す
る。
【0157】そして、比較器61がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの分散値を設定器60から
入力し、その演算された分散値と正常時の分散値を比較
する。ここで、設定器60には、ガス絶縁開閉装置1の
絶縁状態が正常であるとき分散値演算器59が演算した
分散値が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が
演算した正常時の分散値を記憶するようにしてもよいこ
とは言うまでもない。
【0158】そして、比較器61は、演算された分散値
と正常時の分散値を比較した結果、例えば、演算された
分散値が正常時の分散値の3倍を越えたとき、絶縁破壊
が発生したものと判断する。因に、当該分散値は、絶縁
破壊に伴う電磁波が発生すると、正常時より大きくなる
ので、当該分散値を比較することによって絶縁破壊の有
無を判断することができる。
【0159】そして、最後に、比較器61が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0160】以上より、この実施例22によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得る偏差△PDFの分
散値に基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成
したので、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶
縁破壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で
検出することができる効果がある。
【0161】実施例23.上記実施例22では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFを分散値演算器59
に入力するものについて示したが、上記実施例14と同
様に、その偏差△PDFを基底関数にしたがってウエー
ブレット変換するウエーブレット変換器49を設け、そ
の変換結果を分散値演算器59に入力するようにしても
よい(図45参照)。
【0162】実施例24.図46はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、62は減算器34により演算された偏差△PD
Fの歪度を演算する歪度演算器(演算手段)、63はガ
ス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの歪度を
記憶する設定器(比較手段)、64は歪度演算器62に
より演算された歪度と設定器63に記憶された歪度を比
較する比較器(比較手段)である。
【0163】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0164】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、歪度演算器62がその
偏差△PDFの歪度を式(3)に基づいて演算する。
【0165】そして、比較器64がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの歪度を設定器63から入
力し、その演算された歪度と正常時の歪度を比較する。
ここで、設定器63には、ガス絶縁開閉装置1の絶縁状
態が正常であるとき歪度演算器62が演算した歪度が記
憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正
常時の歪度を記憶するようにしてもよいことは言うまで
もない。
【0166】そして、比較器64は、演算された歪度と
正常時の歪度を比較した結果、例えば、演算された歪度
が正常時の歪度の3倍を越えたとき、絶縁破壊が発生し
たものと判断する。因に、当該歪度は、確率分布密度関
数PDFの偏り、即ち、その偏差△PDFの偏りを示す
指標であり、その偏差△PDFは正常時においてはほぼ
正規分布するが、絶縁破壊に伴う電磁波が発生すると偏
りが生じるので、当該歪度を比較することによって絶縁
破壊の有無を判断することができる(図3参照)。
【0167】そして、最後に、比較器64が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0168】以上より、この実施例24によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得る偏差△PDFの歪
度に基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成し
たので、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁
破壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で検
出することができる効果がある。
【0169】実施例25.上記実施例24では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFを歪度演算器62に
入力するものについて示したが、上記実施例14と同様
に、その偏差△PDFを基底関数にしたがってウエーブ
レット変換するウエーブレット変換器49を設け、その
変換結果を歪度演算器62に入力するようにしてもよい
(図47参照)。
【0170】実施例26.図48はこの発明の一実施例
によるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置における異常検
出処理装置16の詳細な構成を示す構成図であり、図に
おいて、65は減算器34により演算された偏差△PD
Fの尖度を演算する尖度演算器(演算手段)、66はガ
ス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正常であるときの尖度を
記憶する設定器(比較手段)、67は尖度演算器65に
より演算された尖度と設定器66に記憶された尖度を比
較する比較器(比較手段)である。
【0171】次に動作について説明する。まず、上記実
施例3と同様にして、PDF演算器24により電磁波6
の確率分布密度関数度PDFが演算されると、減算器3
4が設定器33からガス絶縁開閉装置1の絶縁状態が正
常であるときの電磁波の確率分布密度関数NPDFを入
力し、その演算された確率分布密度関数PDFと正常時
の確率分布密度関数NPDFの偏差△PDFを演算す
る。
【0172】このようにして、減算器34により確率分
布密度関数PDFと正常時の確率分布密度関数NPDF
の偏差△PDFを演算されると、尖度演算器65がその
偏差△PDFの尖度を式(4)に基づいて演算する。
【0173】そして、比較器67がガス絶縁開閉装置1
の絶縁状態が正常であるときの尖度を設定器66から入
力し、その演算された尖度と正常時の尖度を比較する。
ここで、設定器66には、ガス絶縁開閉装置1の絶縁状
態が正常であるとき尖度演算器65が演算した尖度が記
憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正
常時の尖度を記憶するようにしてもよいことは言うまで
もない。
【0174】そして、比較器67は、演算された尖度と
正常時の尖度を比較した結果、例えば、演算された尖度
が正常時の尖度の3倍を越えたとき、絶縁破壊が発生し
たものと判断する。因に、当該尖度は、確率分布密度関
数PDFの広がり具合、即ち、その偏差△PDFの広が
り具合を示す指標であり、その偏差△PDFは、絶縁破
壊に伴う電磁波が発生すると広がる傾向があるので、当
該尖度を比較することによって絶縁破壊の有無を判断す
ることができる(図5参照)。
【0175】そして、最後に、比較器67が絶縁破壊が
発生したものと判断すると、警報発生器20が、絶縁破
壊が発生したことを明らかにすべく、表示装置(図示せ
ず)に絶縁破壊が発生した旨を表示し、あるいは、プラ
ントを監視する監視装置(図示せず)等に絶縁破壊が発
生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了す
る。
【0176】以上より、この実施例26によれば、絶縁
破壊の有無を判断する指標に成り得る偏差△PDFの尖
度に基づいて、絶縁破壊の有無を判断するように構成し
たので、自然界に存在する電磁波の影響を受けずに絶縁
破壊の有無を判断できる結果、絶縁破壊を初期段階で検
出することができる効果がある。
【0177】実施例27.上記実施例26では、減算器
34の演算結果である偏差△PDFを尖度演算器65に
入力するものについて示したが、上記実施例14と同様
に、その偏差△PDFを基底関数にしたがってウエーブ
レット変換するウエーブレット変換器49を設け、その
変換結果を尖度演算器65に入力するようにしてもよい
(図49参照)。
【0178】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、サンプリング手段から出力された時系列データに基
づいて電磁波の歪度を演算し、その電磁波の歪度とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の歪
度を比較するように構成したので、アンテナに検出され
た電磁波が絶縁破壊に伴うものであるのか自然界に存在
するものであるのかを区別できるようになり、その結
果、従来のものより警報値を小さくしても自然界に存在
する電磁波と混同することなく絶縁破壊に伴う電磁波を
検出できるため、絶縁破壊を初期段階で検出することが
できる効果がある。
【0179】請求項2の発明によれば、サンプリング手
段から出力された時系列データに基づいて電磁波の尖度
を演算し、その電磁波の尖度とガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常であるときの電磁波の尖度を比較するように
構成したので、アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊
に伴うものであるのか自然界に存在するものであるのか
を区別できるようになり、その結果、従来のものより警
報値を小さくしても自然界に存在する電磁波と混同する
ことなく絶縁破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁
破壊を初期段階で検出することができる効果がある。
【0180】請求項3の発明によれば、サンプリング手
段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確率
分布密度関数を演算し、その電磁波の確率分布密度関数
とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁
波の確率分布密度関数を比較するように構成したので、
アンテナに検出された電磁波が絶縁破壊に伴うものであ
るのか自然界に存在するものであるのかを区別できるよ
うになり、その結果、従来のものより警報値を小さくし
ても自然界に存在する電磁波と混同することなく絶縁破
壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段階
で検出することができる効果がある。
【0181】請求項4の発明によれば、ニューラルネッ
トワークにより演算された確率分布密度関数の適合度
と、設定器に記憶された正常時の確率分布密度関数の適
合度を比較するように構成したので、確率分布密度関数
の形状は演算するごとに微妙に変化するが、確率分布密
度関数の一部分の形状だけでなく全体形状から総合的に
絶縁破壊の有無を判別できる結果、絶縁破壊の判別精度
が向上する効果がある。
【0182】請求項5の発明によれば、特徴抽出器によ
り抽出された所定の振幅値を有する時系列データの個数
と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態を時系列データの個数
に応じて規定するメンバーシップ関数を比較するように
構成したので、確率分布密度関数の特徴的部分から絶縁
状態を具体的に数値化できる結果、絶縁破壊の有無を精
度よく判別することができる効果がある。
【0183】請求項6の発明によれば、特徴抽出器によ
り抽出された所定の振幅値を有する時系列データの個数
と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの時
系列データの個数の範囲を規定する基準値を比較するよ
うに構成したので、確率分布密度関数の特徴的部分から
絶縁状態を判別できる結果、高い判別精度を保持しつつ
高速に絶縁破壊の有無を判別できる効果がある。
【0184】請求項7の発明によれば、サンプリング手
段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確率
分布密度関数を演算するとともに、その確率分布密度関
数とガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電
磁波の確率分布密度関数の偏差を演算するように構成し
たので、1種の微分的効果が加わる結果、請求項3の発
明等より更に精度よく微弱な電磁波を検出することがで
き、絶縁破壊の検出精度が向上する効果がある。
【0185】請求項8の発明によれば、演算手段が上記
偏差を演算したのちその偏差のケプストラムを演算し、
そのケプストラムを演算結果として出力するように構成
したので、絶縁破壊に伴う電磁波の有無によって変化す
る反射情報に基づいて絶縁破壊の有無を判別できる結
果、従来のものより警報値を小さくしても自然界に存在
する電磁波と混同することなく絶縁破壊に伴う電磁波を
検出できるため、絶縁破壊を初期段階で検出することが
できる効果がある。
【0186】請求項9の発明によれば、演算手段が上記
偏差を演算したのちその偏差の高次スペクトラムを演算
し、その高次スペクトラムを演算結果として出力するよ
うに構成したので、絶縁破壊に伴う電磁波の存在によっ
て発生する相互干渉に基づいて絶縁破壊の有無を判別で
きる結果、従来のものより警報値を小さくしても自然界
に存在する電磁波と混同することなく絶縁破壊に伴う電
磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段階で検出する
ことができる効果がある。
【0187】請求項10の発明によれば、演算手段が上
記偏差を演算したのちその偏差の確率分布密度関数を演
算し、その確率分布密度関数を演算結果として出力する
ように構成したので、絶縁破壊に伴う電磁波の存在によ
って発生する確率分布密度関数の偏りに基づいて絶縁破
壊の有無を判別できる結果、従来のものより警報値を小
さくしても自然界に存在する電磁波と混同することなく
絶縁破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初
期段階で検出することができる効果がある。
【0188】請求項11の発明によれば、演算手段が上
記偏差を演算したのちその偏差の自己相関関数を演算
し、その自己相関関数を演算結果として出力するように
構成したので、絶縁破壊に伴う電磁波の有無によって変
化する対象信号の関連度に基づいて絶縁破壊の有無を判
別できる結果、従来のものより警報値を小さくしても自
然界に存在する電磁波と混同することなく絶縁破壊に伴
う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段階で検出
することができる効果がある。
【0189】請求項12の発明によれば、演算手段が上
記偏差を演算したのちその偏差のパワースペクトルを演
算し、そのパワースペクトルを演算結果として出力する
ように構成したので、絶縁破壊に伴う電磁波の有無によ
って変化する対象信号の関連度に基づいて絶縁破壊の有
無を判別できる結果、従来のものより警報値を小さくし
ても自然界に存在する電磁波と混同することなく絶縁破
壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段階
で検出することができる効果がある。
【0190】請求項13の発明によれば、演算手段が上
記偏差を演算したのちその偏差を所定の基底関数にした
がってウエーブレット変換し、その変換結果を演算結果
として出力するように構成したので、絶縁破壊に伴う電
磁波の有無によって大きさが変化するウエーブレット変
換の変換結果に基づいて絶縁破壊の有無を判別できる結
果、従来のものより警報値を小さくしても自然界に存在
する電磁波と混同することなく絶縁破壊に伴う電磁波を
検出できるため、絶縁破壊を初期段階で検出することが
できる効果がある。
【0191】請求項14の発明によれば、ニューラルネ
ットワークにより演算された演算結果の適合度と、設定
器に記憶された正常時の演算結果の適合度を比較するよ
うに構成したので、確率分布密度関数の偏差の形状は演
算するごとに微妙に変化するが、当該偏差の一部分の形
状だけでなく全体形状から総合的に絶縁破壊の有無を判
別できる結果、絶縁破壊の判別精度が向上する効果があ
る。
【0192】請求項15の発明によれば、特徴抽出器に
より抽出された所定の振幅値を有する時系列データの個
数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態を時系列データの個
数に応じて規定するメンバーシップ関数を比較するよう
に構成したので、確率分布密度関数の偏差の特徴的部分
から絶縁状態を具体的に数値化できる結果、絶縁破壊の
有無を精度よく判別することができる効果がある。
【0193】請求項16の発明によれば、特徴抽出器に
より抽出された所定の振幅値を有する時系列データの個
数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの
時系列データの個数の範囲を規定する基準値を比較する
ように構成したので、確率分布密度関数の偏差の特徴的
部分から絶縁状態を判別できる結果、高い判別精度を保
持しつつ高速に絶縁破壊の有無を判別できる効果があ
る。
【0194】請求項17の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
フラクタル次元を演算するように構成したので、絶縁破
壊に伴う電磁波の有無によって変化するフラクタル次元
に基づいて絶縁破壊の有無を判別できる結果、従来のも
のより警報値を小さくしても自然界に存在する電磁波と
混同することなく絶縁破壊に伴う電磁波を検出できるた
め、絶縁破壊を初期段階で検出することができる効果が
ある。
【0195】請求項18の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
カルバック情報量を演算するように構成したので、絶縁
破壊に伴う電磁波の有無によって変化するカルバック情
報量に基づいて絶縁破壊の有無を判別できる結果、従来
のものより警報値を小さくしても自然界に存在する電磁
波と混同することなく絶縁破壊に伴う電磁波を検出でき
るため、絶縁破壊を初期段階で検出することができる効
果がある。
【0196】請求項19の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
平均値を演算するように構成したので、絶縁破壊に伴う
電磁波の有無によって変化する平均値の大きさに基づい
て絶縁破壊の有無を判別できる結果、従来のものより警
報値を小さくしても自然界に存在する電磁波と混同する
ことなく絶縁破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁
破壊を初期段階で検出することができる効果がある。
【0197】請求項20の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
分散値を演算するように構成したので、絶縁破壊に伴う
電磁波の有無によって変化する分散値の大きさに基づい
て絶縁破壊の有無を判別できる結果、従来のものより警
報値を小さくしても自然界に存在する電磁波と混同する
ことなく絶縁破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁
破壊を初期段階で検出することができる効果がある。
【0198】請求項21の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
歪度を演算するように構成したので、絶縁破壊に伴う電
磁波の有無によって変化する歪度に基づいて絶縁破壊の
有無を判別できる結果、従来のものより警報値を小さく
しても自然界に存在する電磁波と混同することなく絶縁
破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段
階で検出することができる効果がある。
【0199】請求項22の発明によれば、サンプリング
手段から出力された時系列データに基づいて電磁波の確
率分布密度関数を演算し、その確率分布密度関数とガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確
率分布密度関数の偏差を演算するとともに、その偏差の
尖度を演算するように構成したので、絶縁破壊に伴う電
磁波の有無によって変化する尖度に基づいて絶縁破壊の
有無を判別できる結果、従来のものより警報値を小さく
しても自然界に存在する電磁波と混同することなく絶縁
破壊に伴う電磁波を検出できるため、絶縁破壊を初期段
階で検出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細な
構成を示す構成図である。
【図3】 確率分布密度関数の形状を示すグラフ図であ
る。
【図4】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細な
構成を示す構成図である。
【図5】 正常時と異常時における確率分布密度関数の
形状を示すグラフ図である。
【図6】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細な
構成を示す構成図である。
【図7】 時系列データと確率分布密度関数を示すグラ
フ図である。
【図8】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細な
構成を示す構成図である。
【図9】 確率分布密度関数とメンバーシップ関数を示
すグラフ図である。
【図10】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図11】 基準値を説明するグラフ図である。
【図12】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図13】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図14】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図15】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図16】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図17】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図18】 正常時と異常時におけるケプストラムを示
すグラフ図である。
【図19】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図20】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図21】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図22】 正常時と異常時における相互干渉を説明す
るグラフ図である。
【図23】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図24】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図25】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図26】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図27】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図28】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図29】 正常時と異常時における自己相関関数を示
すグラフ図である。
【図30】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図31】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図32】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図33】 正常時と異常時におけるパワースペクトル
を示すグラフ図である。
【図34】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図35】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図36】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図37】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図38】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図39】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図40】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図41】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図42】 正常時と異常時における偏差の平均値を示
すグラフ図である。
【図43】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図44】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図45】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図46】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図47】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図48】 この発明の一実施例によるガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳細
な構成を示す構成図である。
【図49】 この発明の他の実施例によるガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置における異常検出処理装置16の詳
細な構成を示す構成図である。
【図50】 従来のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置を
示す構成図である。
【符号の説明】
1 ガス絶縁開閉装置、3 フランジ、7 アンテナ
(電磁波検出手段)、15 A/D変換器(サンプリン
グ手段)、17,62 歪度演算器(演算手段)、1
9,23,27,30,32,37,40,42,5
2,55,58,61,64,67 比較器(比較手
段)、20 警報発生器(警報出力手段)、21,6
2,65 尖度演算器(演算手段)、24,45 PD
F演算器(演算手段)、25,35 ニューラルネット
ワーク(比較手段)、26,29,31,36,39,
41,51,54,57,60,63,66 設定器
(比較手段)、28,38 特徴抽出器(比較手段)、
33,48 設定器(演算手段)、34減算器(演算手
段)、43 ケプストラム演算器(演算手段)、44
高次スペクトラム演算器(演算手段)、46 自己相関
関数演算器(演算手段)、47パワースペクトル演算器
(演算手段)、49 ウエーブレット変換器(演算手
段)、50 フラクタル次元演算器(演算手段)、53
カルバック情報量演算器(演算手段)、56 平均値
演算器(演算手段)、59 分散値演算器(演算手
段)。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れで
    た電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検出
    手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプリ
    ングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング
    手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列デ
    ータに基づいて電磁波の歪度を演算する演算手段と、上
    記演算手段により演算された電磁波の歪度と上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の歪度
    を比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づ
    いて警報を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開
    閉装置の絶縁診断装置。
  2. 【請求項2】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れで
    た電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検出
    手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプリ
    ングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング
    手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列デ
    ータに基づいて電磁波の尖度を演算する演算手段と、上
    記演算手段により演算された電磁波の尖度と上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの電磁波の尖度
    を比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づ
    いて警報を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開
    閉装置の絶縁診断装置。
  3. 【請求項3】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れで
    た電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検出
    手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプリ
    ングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング
    手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列デ
    ータに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算する演
    算手段と、上記演算手段により演算された電磁波の確率
    分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常
    であるときの電磁波の確率分布密度関数を比較する比較
    手段と、上記比較手段の比較結果に基づいて警報を出力
    する警報出力手段とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診
    断装置。
  4. 【請求項4】 上記比較手段は、上記ガス絶縁開閉装置
    の絶縁状態が正常であるときの確率分布密度関数を学習
    するとともに、その確率分布密度関数に対する上記演算
    手段により演算された確率分布密度関数の適合度を演算
    するニューラルネットワークと、上記ガス絶縁開閉装置
    の絶縁状態が正常であるとき上記ニューラルネットワー
    クにより演算された適合度を記憶する設定器と、上記ニ
    ューラルネットワークにより演算された適合度と上記設
    定器に記憶された正常時の適合度を比較する比較器とを
    備えたことを特徴とする請求項3記載のガス絶縁開閉装
    置の絶縁診断装置。
  5. 【請求項5】 上記比較手段は、上記演算手段により演
    算された確率分布密度関数から所定の振幅値を有する時
    系列データの個数を抽出する特徴抽出器と、上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態を時系列データの個数に応じて規
    定するメンバーシップ関数を記憶する設定器と、上記特
    徴抽出器により抽出された時系列データの個数と上記設
    定器に記憶されたメンバーシップ関数を比較する比較器
    とを備えたことを特徴とする請求項3記載のガス絶縁開
    閉装置の絶縁診断装置。
  6. 【請求項6】 上記比較手段は、上記演算手段により演
    算された確率分布密度関数から所定の振幅値を有する時
    系列データの個数を抽出する特徴抽出器と、上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの時系列データ
    の個数の範囲を規定する基準値を記憶する設定器と、上
    記特徴抽出器により抽出された時系列データの個数と上
    記設定器に記憶された基準値を比較する比較器とを備え
    たことを特徴とする請求項3記載のガス絶縁開閉装置の
    絶縁診断装置。
  7. 【請求項7】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れで
    た電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検出
    手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプリ
    ングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング
    手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列デ
    ータに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算すると
    ともに、その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置
    の絶縁状態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関
    数の偏差を演算し、その演算結果を出力する演算手段
    と、上記演算手段から出力された演算結果と上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるとき上記演算手段か
    ら出力された演算結果を比較する比較手段と、上記比較
    手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力手段
    とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  8. 【請求項8】 上記演算手段は上記偏差を演算したのち
    その偏差のケプストラムを演算し、そのケプストラムを
    演算結果として出力することを特徴とする請求項7記載
    のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  9. 【請求項9】 上記演算手段は上記偏差を演算したのち
    その偏差の高次スペクトラムを演算し、その高次スペク
    トラムを演算結果として出力することを特徴とする請求
    項7記載のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  10. 【請求項10】 上記演算手段は上記偏差を演算したの
    ちその偏差の確率分布密度関数を演算し、その確率分布
    密度関数を演算結果として出力することを特徴とする請
    求項7記載のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  11. 【請求項11】 上記演算手段は上記偏差を演算したの
    ちその偏差の自己相関関数を演算し、その自己相関関数
    を演算結果として出力することを特徴とする請求項7記
    載のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  12. 【請求項12】 上記演算手段は上記偏差を演算したの
    ちその偏差のパワースペクトルを演算し、そのパワース
    ペクトルを演算結果として出力することを特徴とする請
    求項7記載のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  13. 【請求項13】 上記演算手段は上記偏差を演算したの
    ちその偏差を所定の基底関数にしたがってウエーブレッ
    ト変換し、その変換結果を演算結果として出力すること
    を特徴とする請求項7記載のガス絶縁開閉装置の絶縁診
    断装置。
  14. 【請求項14】 上記比較手段は、上記ガス絶縁開閉装
    置の絶縁状態が正常であるときの上記演算手段の演算結
    果を学習するとともに、その演算結果に対する上記演算
    手段の診断時における演算結果の適合度を演算するニュ
    ーラルネットワークと、上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるとき上記ニューラルネットワークが出力
    する適合度を記憶する設定器と、上記ニューラルネット
    ワークにより演算された適合度と上記設定器に記憶され
    た正常時の適合度を比較する比較器とを備えたことを特
    徴とする請求項7から請求項13のうち何れか1項記載
    のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  15. 【請求項15】 上記比較手段は、上記演算手段の演算
    結果から所定の振幅値を有する時系列データの個数を抽
    出する特徴抽出器と、上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状態
    を時系列データの個数に応じて規定するメンバーシップ
    関数を記憶する設定器と、上記特徴抽出器により抽出さ
    れた時系列データの個数と上記設定器に記憶されたメン
    バーシップ関数を比較する比較器とを備えたことを特徴
    とする請求項7から請求項13のうち何れか1項記載の
    ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  16. 【請求項16】 上記比較手段は、上記演算手段の演算
    結果から所定の振幅値を有する時系列データの個数を抽
    出する特徴抽出器と、上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状態
    が正常であるときの時系列データの個数の範囲を規定す
    る基準値を記憶する設定器と、上記特徴抽出器により抽
    出された時系列データの個数と上記設定器に記憶された
    基準値を比較する比較器とを備えたことを特徴とする請
    求項7から請求項13のうち何れか1項記載のガス絶縁
    開閉装置の絶縁診断装置。
  17. 【請求項17】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差のフラクタル次元を演算
    する演算手段と、上記演算手段により演算されたフラク
    タル次元と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であ
    るときのフラクタル次元を比較する比較手段と、上記比
    較手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力手
    段とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  18. 【請求項18】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差のカルバック情報量を演
    算する演算手段と、上記演算手段により演算されたカル
    バック情報量と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常
    であるときのカルバック情報量を比較する比較手段と、
    上記比較手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報
    出力手段とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  19. 【請求項19】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差の平均値を演算する演算
    手段と、上記演算手段により演算された平均値と上記ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの平均値を
    比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づい
    て警報を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開閉
    装置の絶縁診断装置。
  20. 【請求項20】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差の分散値を演算する演算
    手段と、上記演算手段により演算された分散値と上記ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの分散値を
    比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づい
    て警報を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開閉
    装置の絶縁診断装置。
  21. 【請求項21】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差の歪度を演算する演算手
    段と、上記演算手段により演算された歪度と上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの歪度を比較す
    る比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づいて警報
    を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開閉装置の
    絶縁診断装置。
  22. 【請求項22】 ガス絶縁開閉装置のフランジから漏れ
    でた電磁波を検出する電磁波検出手段と、上記電磁波検
    出手段により検出された電磁波を所定時間ごとにサンプ
    リングし、複数個の時系列データを出力するサンプリン
    グ手段と、上記サンプリング手段から出力された時系列
    データに基づいて電磁波の確率分布密度関数を演算し、
    その確率分布密度関数と上記ガス絶縁開閉装置の絶縁状
    態が正常であるときの電磁波の確率分布密度関数の偏差
    を演算するとともに、その偏差の尖度を演算する演算手
    段と、上記演算手段により演算された尖度と上記ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常であるときの尖度を比較す
    る比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づいて警報
    を出力する警報出力手段とを備えたガス絶縁開閉装置の
    絶縁診断装置。
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