JP4663398B2 - デジタル放送再送信装置およびデジタル放送再送信方法 - Google Patents

デジタル放送再送信装置およびデジタル放送再送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル放送の信号を再送信するデジタル放送再送信装置およびデジタル放送再送信方法に関する。
従来、デジタル放送の信号(ISDB−T方式のOFDM信号等)を受信した後、地下街や宅内等の閉空間に再送信するデジタル放送再送信装置がある(例えば、特許文献1,2)。この従来のデジタル放送再送信装置は、閉空間(特に、電波反射体で囲まれた閉空間)内で、デジタル放送の信号を受信可能な状態に変調する変調手段を備えている。
特開平9−252291号公報 特開2005−64815号公報
しかしながら、従来のデジタル放送再送信装置では、変調手段を備えていたので、少なくとも乗算回路等を要しなければならず、当該装置の構成が複雑になってしまうという問題がある。しかも、デジタル放送再送信装置は、地下街や地下鉄構内等のある程度広い閉空間内に満遍なく設置しなければならないという制約上、製造コストを抑えて廉価で、小型化したいという要望がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を再送信することができるデジタル放送再送信装置およびデジタル放送再送信方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載のデジタル放送再送信装置は、デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信装置であって、受信信号分配手段と、遅延生成手段と、増幅手段と、出力手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、デジタル放送再送信装置は、受信信号分配手段によって、受信信号を所定数の系統に分配する。つまり、この受信分配手段は、受信信号を所定数(予め設定した任意の数)の系統、すなわち、複数の送信系統(再送信系統)に分配する。続いて、デジタル放送再送信装置は、遅延生成手段によって、受信信号分配手段で分配された分配受信信号を系統ごとに予め設定した遅延時間遅延させる。この遅延時間は、系統間における当該遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、系統ごとに遅延させた遅延信号の中で、予め組み合わせられた遅延信号の組において、1組以上で満たすようにしている。
続いて、デジタル放送再送信装置は、増幅手段によって、遅延生成手段で遅延された遅延信号を増幅し、出力手段によって、増幅された増幅遅延信号それぞれを出力する。遅延生成手段によって、意図的に遅延信号を生成し、当該遅延信号同士の合成によって形成される周波数リップルが生じることで、受信信号を再送信する再送信エリア内のどこでも当該受信信号(遅延信号)を受信することができる。
請求項2に記載のデジタル放送再送信装置は、請求項1に記載のデジタル放送再送信装置において、前記出力手段が、方向性結合器と、送信アンテナと、によって構成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、デジタル放送再送信装置は、方向性結合器によって、遅延信号の進行波を結合させる度合いを示す、予め設定した結合度に従って、当該遅延信号の進行波を結合し、送信アンテナによって、方向性結合器で結合された遅延信号の結合進行波を送信する。
請求項3に記載のデジタル放送再送信装置は、請求項1に記載のデジタル放送再送信装置において、前記出力手段が、前記増幅手段で増幅された増幅遅延信号を、再送信を行う再送信エリア内に漏洩させる漏洩同軸ケーブルによって構成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、デジタル放送再送信装置は、漏洩同軸ケーブルによって、増幅遅延信号を、再送信を行う再送信エリア内に漏洩させることで、伝搬させている。
請求項4に記載のデジタル放送再送信装置は、デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信装置であって、対象外信号除去手段と、増幅手段と、第一出力手段と、第一遅延生成手段と、第二出力手段と、第二遅延生成手段と、第三出力手段とを備え、前記第一出力手段で出力された増幅対象信号と、前記第二出力手段で出力された遅延対象信号と、前記第三出力手段で出力された再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たすと共に、前記第一遅延生成手段および前記第二出力手段との組、または、前記第二遅延生成手段および第三出力手段との組みを、前記受信信号を再送信する再送信エリア内を網羅する組数設けることを特徴とする。
かかる構成によれば、デジタル放送再送信装置は、対象外信号除去手段によって、受信信号から再送信対象外の信号を除去し、増幅手段によって、対象外信号除去手段で再送信対象外の信号が除去された対象信号を増幅する。そして、デジタル放送再送信装置は、第一出力手段によって、増幅手段で増幅された増幅対象信号を出力し、第一遅延生成手段によって、第一出力手段で出力された増幅対象信号を遅延させる。また、デジタル放送再送信装置は、第二出力手段によって、第一遅延生成手段で遅延された遅延対象信号を出力し、第二遅延生成手段によって、第二出力手段で出力された遅延対象信号を遅延させて、第三出力手段によって、遅延された再遅延対象信号を出力する。
そして、デジタル放送再送信装置では、増幅対象信号と、遅延対象信号と、再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たしている。また、デジタル放送再送信装置では、第一遅延生成手段および第二出力手段との組、または、第二遅延生成手段および第三出力手段との組みとが、受信信号を再送信する再送信エリア内を網羅する組数設けられている。
請求項5に記載のデジタル放送再送信方法は、デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信方法であって、受信信号分配ステップと、遅延生成ステップと、増幅ステップと、出力ステップと、を含む手順とした。
かかる手順によれば、デジタル放送再送信方法は、受信信号分配ステップにおいて、受信信号を所定数の系統に分配し、遅延生成ステップにおいて、受信信号分配ステップにて分配された分配受信信号を系統ごとに予め設定した遅延時間遅延させる。
続いて、デジタル放送再送信方法は、増幅ステップにおいて、遅延生成ステップにて遅延された遅延信号を増幅し、出力ステップにおいて、増幅ステップにて増幅された増幅遅延信号を出力する。
請求項1または請求項5に記載の発明によれば、受信信号を遅延させた遅延信号における遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、当該遅延信号の1組以上で満たすように、受信分配手段で所定数の系統に分配された分配受信信号を2つ以上遅延させてから再送信している。このため、遅延信号同士で周波数リップルが発生し、再送信エリア内で再送信された受信信号の品質が改善され、当該再送信エリア内に満遍なく受信信号が行き渡り、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
請求項2に記載の発明によれば、遅延信号の進行波を結合させる度合いを示す、予め設定した結合度に従って、当該遅延信号の進行波を結合し、結合された遅延信号の結合進行波を送信するため、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
請求項3に記載の発明によれば、漏洩同軸ケーブルによって、増幅遅延信号それぞれを、再送信を行う再送信エリア内に漏洩させることで、伝搬させているため、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
請求項4に記載の発明によれば、受信信号から再送信対象外の信号が除去れた対象信号を増幅して増幅対象信号として出力し、遅延させる。続いて、遅延された遅延対象信号を出力し、さらに遅延させた再遅延対象信号として出力する。これら増幅対象信号と、遅延対象信号と、再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たしているので、遅延信号同士で周波数リップルが発生し、再送信エリア内で再送信された受信信号の品質が改善され、当該再送信エリア内に満遍なく受信信号が行き渡り、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈デジタル放送再送信装置(第一実施形態)の構成〉
図1は、デジタル放送再送信装置(第一実施形態)のブロック図である。図1に示すように、デジタル放送再送信装置1は、受信したデジタル放送の信号を、地下街や地下鉄構内等に再送信するもので、受信分配手段(受信信号分配手段)3と、遅延生成手段5と、増幅手段7と、出力手段9と、終端手段11とを備えている。なお、デジタル放送の信号には、例えば、ISDB−T方式のOFDM信号(地上デジタル放送のデジタル信号)等がある。
受信分配手段3は、受信したデジタル放送の信号の中で、再送信対象外の不要な信号を除去した受信信号を所定数(ここでは、N)の系統に分配して、遅延生成手段5に出力するものである。この受信分配手段3で、N数の系統に受信信号が分配され、それぞれを分配受信信号と呼称することとし、また、N数の系統については、総括して送信系統または各送信系統と、個別には送信系統♯1、送信系統♯2、・・・、送信系統♯Nと呼称することとする。
遅延生成手段5は、受信分配手段3で受信信号が分配された分配受信信号を遅延させた遅延信号について、組み合わせた一方の遅延信号と他方の遅延信号との遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、組み合わせた遅延信号の1組以上で満たすように、分配受信信号を遅延させるものである。この遅延生成手段5は、送信系統#1に備えられた遅延生成部51、送信系統#2に備えられた遅延生成部52、以下、各送信系統に備えられた遅延生成部から構成されている。
遅延生成部51は、受信分配手段3から入力された分配受信号を遅延させて、送信系統#1における遅延信号を生成するものである。
遅延生成部52は、受信分配手段3から入力された分配受信号を遅延させて、送信系統#2における遅延信号を生成するものである。
ここでは、遅延生成部51で生成される遅延信号の遅延時間と、遅延生成部52で生成される遅延信号の遅延時間との関係が、相互関係を満たしている。
この遅延生成手段5では、分配受信信号を遅延させた一方の遅延信号の遅延時間をτ1とし、分配受信信号を遅延させた他方の遅延信号の遅延時間をτ2とすると、まず、遅延時間の差τ1−τ2が求められ、この差の絶対値が|τ1−τ2|が求められる。
続いて、この遅延生成手段5では、予め設定した基準帯域幅をBとすると、この基準帯域幅の逆数が1/Bとなり、この1/Bよりも、遅延時間の差の絶対値|τ1−τ2|を大きくとることにより、|τ1−τ2|>1/Bを満たし、この場合を相互関係が成立しているとみなしている。
なお、この基準帯域幅Bは、一般には信号(ここでは、分配受信信号)全体の帯域幅となる。ここで、信号全体の帯域幅をB0とする。しかし、この実施形態において、このデジタル放送再送信装置1では、受信信号として、OFDM信号を想定しており、このOFDM信号の一部の帯域のみ(後記する13セグメントの中の1つのセグメントのみ)に効果を奏するようにしているので、帯域幅B0の一部を基準帯域幅Bとしている。
また、遅延時間の差τ1−τ2の好適な値として、1/B〜10/B等が挙げられる。
そして、この遅延生成手段5では、相互関係が、組み合わせた遅延信号の1組以上で満たされるように、分配受信信号を遅延させる。
なお、このデジタル放送再送信装置1では、受信分配手段3によって受信信号がN数の系統(送信系統の数がN個)に分配されており、各送信系統に備えられている遅延生成部の遅延時間τ1、τ2、・・・τNは以下に示すような関係をとることができる。
(1)N個の送信系統におけるN個の遅延信号の組み合わせの中で、どの2つの遅延信号についても、当該遅延信号同士の遅延時間の差が、基準帯域幅の逆数よりも大きくなる。つまり、N個の遅延信号について、遅延信号の遅延時間が2種類(τ1、τ2)しかない場合において、相互関係が成立する。
(2)隣接する2つの遅延信号の遅延時間、τ1とτ2、τ2とτ3、・・・、τN-1とτNについて、相互関係が成立する。
(3)隣接し合う3つの遅延信号の遅延時間、τ1とτ2とτ3、τ2とτ3とτ4、・・・、τN-2とτN-1とτNについて、どの2つの遅延時間についても相互関係が成立する。
(4)隣接し合うK個の遅延信号の遅延時間、τn、τn+1、τn+2、・・・、τn+K-1、τn+K(nはn+K≦Nを満たす整数)について、どの2つの遅延時間についても相互関係が成立する。
ここで、図6を参照して、日本におけるISDB−T方式のOFDM信号の周波数軸上の構成を示し、基準帯域幅Bについて説明する。図6に示すように、ISDB−T方式のOFDM信号は、周波数軸上で13個のセグメント(セグメント番号#0〜#12)から構成されている。この13個のセグメントの中で、セグメント番号#0のセグメントは、主に携帯端末等による受信(携帯受信)や移動体における受信(移動受信)に用いられるものである。
ここでは、デジタル放送再送信装置1によって、再送信する信号の帯域を、セグメント番号#0のセグメントのみに絞り込む場合を想定しているので、基準帯域幅Bを、セグメント番号#0のセグメントの帯域幅とし、信号全体の帯域幅B0/13とする。
図1に戻って、デジタル放送再送信装置1の構成の説明を続ける。
増幅手段7は、遅延生成手段5から出力された遅延信号それぞれを、所定の送信出力まで増幅して、出力手段9に出力(伝送)するものである。この増幅手段7は、送信系統#1に備えられた増幅部71、送信系統#2に備えられた増幅部72、以下、各送信系統に備えられた増幅部から構成されている。
増幅部71は、遅延生成手段5の遅延生成部51から入力された遅延信号を増幅させて、送信系統#1における増幅遅延信号を出力するものである。
増幅部72は、遅延生成手段5の遅延生成部52から入力された遅延信号を増幅させて、送信系統#2における増幅遅延信号を出力するものである。
出力手段9は、増幅手段7で増幅された増幅遅延信号それぞれを、再送信エリア(受信エリア)に出力(送信)するものである。この出力手段9は、送信系統#1に備えられた出力部91aおよび91b、送信系統#2に備えられた出力部92aおよび出力部92b、以下、各送信系統に備えられた出力部から構成されている。ここでは、1つの送信系統に、2個の出力部91aおよび91b、または、92aおよび92bが備えられている場合を示しているが、これに限定されることなく、1つの送信系統に任意数の出力部が備えられてもよい。
出力部91aは、増幅手段7の増幅部71から入力された増幅遅延信号を、送信系統#1の1段目の再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに送信すると共に、当該増幅遅延信号を出力部91bに出力するものである。
出力部91bは、出力部91aから入力された増幅遅延信号を、送信系統#1の2段目の再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに送信するものである。
出力部92aは、増幅手段7の増幅部72から入力された増幅遅延信号を、送信系統#2の1段目の再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに送信すると共に、当該増幅遅延信号を出力部92bに出力するものである。
出力部92bは、出力部92aから入力された増幅遅延信号を、送信系統#2の2段目の再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに送信するものである。
終端手段11は、出力手段9から伝送された再送信信号(出力信号)を、終端させる、つまり、当該装置1が出力手段9から延出したケーブルの終端(これより先のケーブルに出力部がないこと)を識別するためのものである。つまり、この終端手段11は、再送信信号が漏洩しないようにすることで、当該再送信号が逆方向に進行することを防止するためのものである。この終端手段11は、送信系統#1に備えられた終端部111、送信系統#2に備えられた終端部112、以下、各送信系統に備えられた終端部から構成されている。
終端部111は、出力手段9の出力部91bから入力された再送信信号を終端させるものである。この終端部111により、送信系統#1の再送信信号の漏洩が防止されることとなる。
終端部112は、出力手段9の出力部92bから入力された再送信信号を終端させるものである。この終端部112により、送信系統#2の再送信信号の漏洩が防止されることとなる。
ここで、このデジタル放送再送信装置1のより具体的な構成について、図4および図5を参照して説明する。図4および図5は、デジタル放送再送信装置1の各構成をより具体的に説明したもので、紙面の都合上、図1に示した構成の前半を図4に示しており、図1に示した構成の後半を図5に示している。
図4に示したように、デジタル放送再送信装置1の受信分配手段3には、M分配器31が備えられている。また、遅延生成手段5において、送信系統#1に備えられている遅延生成部51には、ダウンコンバータ51aと、局部発振器51bと、BPF51cと、N分配器51dと、遅延回路51e(51e1、51e2、・・・、51en)と、アップコンバータ51f(51f1、51f2、・・・51fn)と、BPF51g(51g1、51g2、・・・51gn)とが備えられている。さらに、増幅手段7において、送信系統#1に備えられている増幅部71には、M合成器71aと、電力増幅回路71bとが備えられている。
M分配器31は、受信信号をM個(このMは図1に示した送信系統#NのNと同数)に分配するもので、M個の分配受信信号を遅延生成手段5の各送信系統に出力する。
ダウンコンバータ51aは、入力された分配受信信号の周波数(入力周波数)を、局部発振器51bで発生された周波数(局部発振周波数)に基づいて低下(変換)させるものである。なお、低下させた周波数を出力周波数とすると、入力周波数と出力周波数との関係は、例えば、入力周波数−出力周波数が37.15MHzとなるものである。
局部発振器51bは、ダウンコンバータ51aおよびアップコンバータ51fで周波数を変換する際に参照する局部発振周波数を発振(生成)するものである。
BPF51cは、ダウンコンバータ51aで周波数が低下された分配受信信号の所定帯域のみを通過させるものである。このBPF51cで通過させる信号全体の帯域幅B0に該当している。
N分配器51dは、BPF51cを通過した、所定帯域幅を有した分配受信信号をN個に分配して、遅延回路51e(51e1、51e2、・・・、51en)に出力するものである。
遅延回路51e(51e1、51e2、・・・、51en)は、N分配器51dで分配された、所定帯域幅を有した分配受信信号を、所定時間遅延した遅延信号として、アップコンバータ51f(51f1、51f2、・・・51fn)に出力するものである。なお、この所定時間(遅延時間)の各送信系統における差の絶対値が、基準帯域幅Bの逆数(1/B)より大きくなるように、各送信系統の遅延回路は、分配受信信号を遅延させる。
アップコンバータ51f(51f1、51f2、・・・51fn)は、遅延回路51e(51e1、51e2、・・・、51en)から出力された遅延信号それぞれの周波数を、局部発振器51bで発生された周波数(局部発振周波数)に基づいて上昇(変換)させるものである。
BPF51g(51g1、51g2、・・・51gn)は、アップコンバータ51fで周波数が上昇された遅延信号それぞれの信号帯域幅の全帯域若しくは所定の帯域を通過させるものである(このBPF51gで通過させる帯域幅が信号の全帯域B0若しくは基準帯域幅Bに該当する)。
M合成器71aは、遅延生成手段5の遅延生成部51、遅延生成部52(ここでは図示せず)、・・・から出力された所定帯域のみの遅延信号を合成するものである。このM合成器71aでは、受信分配手段3のM分配器31で受信信号がM個に分配された際の、当該M個と同じM個の遅延信号が合成される。
電力増幅回路71bは、M合成器71aで合成された遅延信号の電力を増幅するものである。
また、図5に示したように、デジタル放送再送信装置1の出力手段9において、送信系統#1に備えられている出力部91aには、方向性結合器91a1と、ATT91a2と、送信アンテナ91a3とが備えられており、出力手段9において、送信系統#1に備えられている出力部91bには、方向性結合器91b1と、ATT91b2と、送信アンテナ91b3とが備えられている。
また、デジタル放送再送信装置1の出力手段9において、送信系統#2に備えられている出力部92aには、方向性結合器92aと、ATT92aと、送信アンテナ92aとが備えられており、出力手段9において、送信系統#2に備えられている出力部92bには、方向性結合器92bと、ATT92bと、送信アンテナ92bとが備えられている。
方向性結合器91a1は、増幅手段7で増幅された、送信系統#1における増幅遅延信号を、予め設定された結合度に従って、当該増幅遅延信号の進行波を結合するものである。この方向性結合器91a1では、増幅遅延信号の進行波を通過させる一次側線路(経路)と二次側線路(経路)とが設けられており、この線路間で生じる電磁結合を利用して、当該増幅遅延信号の流れに方向性を生じさせている。
ここで、この方向性結合器91a1を、導波管方向性結合器を例にして説明すると、導波管方向結合器には、入力ポートとして、並列に列んだport1とport3とがあり、出力ポートとして、並列に列んだport2とport4とがあるとする。そして、この導波管方向結合器では、入力ポートport1と出力ポートport2とが直線上に配置され、一次側線路を成しており、入力ポートport3と出力ポートport4とが直線上に配置され、二次側線路を成しているとする。
この場合、方向性結合器の特性(性能)を表す量として、挿入損失、結合度、アイソレーション、方向性(方向選別度)の4つが挙げられる。そして、結合度(Coupling)は入力ポートport1から出力ポートport4への伝達となり、C=10log[port1/port4][dB]で表すことができる。
また、方向選別度(Directivity)は入力port3から出力port4への伝達となり、D=10log[port4/port3][dB]で現すことができる。
ATT91a2は、一般的な減衰器によって構成されており、方向性結合器91a1から出力された、結合された増幅遅延信号の進行波(再送信信号)を、減衰させて送信アンテナ91a3に導くものである。
送信アンテナ91a3は、後記するダイポールアンテナ等によって構成されており、ATT91a2から導かれた再送信信号を送信するものである。この送信アンテナ91a3から送信系統#1の1段目の再送信信号(出力信号)が再送信エリアに向けて送信される。
方向性結合器91b1は、増幅手段7で増幅された、送信系統#1における増幅遅延信号を、予め設定された結合度に従って、当該増幅遅延信号の進行波を結合するものである。つまり、増幅手段7で増幅された増幅遅延信号は、方向性結合器91a1を素通りして、この方向性結合器91b1にも入力される。
ATT91b2は、一般的な減衰器によって構成されており、方向性結合器91b1から出力された、結合された増幅遅延信号の進行波(再送信信号)を、減衰させて送信アンテナ91b3に導くものである。
送信アンテナ91b3は、後記するダイポールアンテナ等によって構成されており、ATT91b2から導かれた再送信信号を送信するものである。この送信アンテナ91b3から送信系統#1の2段目の再送信信号(出力信号)が再送信エリアに向けて送信される。
方向性結合器92a1は、増幅手段7で増幅された、送信系統#2における増幅遅延信号を、予め設定された結合度に従って、当該増幅遅延信号の進行波を結合するものである。
ATT92a2は、一般的な減衰器によって構成されており、方向性結合器92a1から出力された、結合された増幅遅延信号の進行波(再送信信号)を、減衰させて送信アンテナ92a3に導くものである。
送信アンテナ92a3は、後記するダイポールアンテナ等によって構成されており、ATT92a2から導かれた再送信信号を送信するものである。この送信アンテナ92a3から送信系統#2の1段目の再送信信号(出力信号)が再送信エリアに向けて送信される。
方向性結合器92b1は、増幅手段7で増幅された、送信系統#2における増幅遅延信号を、予め設定された結合度に従って、当該増幅遅延信号の進行波を結合するものである。つまり、増幅手段7で増幅された増幅遅延信号は、方向性結合器92a1を素通りして、この方向性結合器92b1にも入力される。
ATT92b2は、一般的な減衰器によって構成されており、方向性結合器92b1から出力された、結合された増幅遅延信号の進行波(再送信信号)を、減衰させて送信アンテナ92b3に導くものである。
送信アンテナ92b3は、後記するダイポールアンテナ等によって構成されており、ATT92b2から導かれた再送信信号を送信するものである。この送信アンテナ92b3から送信系統#2の2段目の再送信信号(出力信号)が再送信エリアに向けて送信される。
このデジタル放送再送信装置1によれば、遅延生成手段5によって、受信信号を遅延させた遅延信号における遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、当該遅延信号の1組以上で満たすように、受信分配手段3で所定数の系統に分配された分配受信信号を2つ以上遅延させてから、増幅手段7で増幅後、出力手段9によって再送信している。このため、遅延信号同士で周波数リップルが発生し、再送信エリア内で再送信された受信信号の品質が改善され、当該再送信エリア内に満遍なく受信信号が行き渡り、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
また、このデジタル放送再送信装置1によれば、方向性結合器91a1、91b1、92a1、92b1によって、遅延信号の進行波を結合させる度合いを示す、予め設定した結合度に従って、当該遅延信号の進行波を結合し、結合された遅延信号の結合進行波を送信するため、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
〈デジタル放送再送信装置(第一実施形態)の動作〉
次に、図8に示すフローチャートを参照して、デジタル放送再送信装置1の動作を説明する(適宜、図1参照)。
まず、デジタル放送再送信装置1は、受信分配手段3によって、受信信号をN系統に分配する(ステップS1)。続いて、デジタル放送再送信装置1は、遅延生成手段5の遅延生成部51、遅延生成部52、・・・によって、少なくとも1組の遅延信号の遅延時間差が基準帯域幅よりも大きくなる相互関係を満たすように、各送信系統の分配受信信号を遅延させる(ステップS2)。
そして、デジタル放送再送信装置1は、増幅手段7の増幅部71、増幅部72、・・・によって、遅延信号それぞれを増幅する(ステップS3)。そして、デジタル放送再送信装置1は、出力手段9の出力部91a、91b、92a、92b、・・・に備えられている方向性結合器によって、予め設定されている結合度に従って、遅延信号の進行波を結合させて、再送信エリア(受信エリア)に出力(送信)する(ステップS4)。
これによって、デジタル放送再送信装置1は、当該装置1の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
〈デジタル放送再送信装置(第二実施形態)の構成〉
図2は、デジタル放送再送信装置(第二実施形態)のブロック図である。この図2に示すように、デジタル放送再送信装置1Aは、受信したデジタル放送の信号を、地下街や地下鉄構内等に再送信するもので、受信分配手段3と、遅延生成手段5と、増幅手段7と、出力手段9Aと、終端手段11とを備えている。なお、このデジタル放送再送信装置1Aの構成の説明では、図1に示したデジタル放送再送信装置1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
出力手段9Aは、増幅手段7で増幅された増幅遅延信号を、再送信エリア内に漏洩させる漏洩同軸ケーブル91A、漏洩同軸ケーブル92A、・・・によって構成されている。この漏洩同軸ケーブル91A、漏洩同軸ケーブル92A、・・・は、例えば、再送信エリアとなる閉空間を構成する一方の壁面から他方の壁面に掛け渡されたもので、当該再送信エリア内に満遍なく、増幅遅延信号を再送信信号として出力する。
このデジタル放送再送信装置1Aによれば、出力手段9Aの漏洩同軸ケーブル91A、92A、・・・によって、増幅遅延信号それぞれを、再送信を行う再送信エリア内に漏洩させることで、伝搬させているため、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
〈デジタル放送再送信装置(第二実施形態)の動作〉
次に、図9に示すフローチャートを参照して、デジタル放送再送信装置1Aの動作を説明する(適宜、図2参照)。
まず、デジタル放送再送信装置1Aは、受信分配手段3によって、受信信号をN系統に分配する(ステップS11)。続いて、デジタル放送再送信装置1Aは、遅延生成手段5の遅延生成部51、遅延生成部52、・・・によって、少なくとも1組の遅延信号の遅延時間差が基準帯域幅よりも大きくなる相互関係を満たすように、各送信系統の分配受信信号を遅延させる(ステップS12)。
そして、デジタル放送再送信装置1Aは、増幅手段7の増幅部71、増幅部72、・・・によって、遅延信号それぞれを増幅する(ステップS13)。そして、デジタル放送再送信装置1は、出力手段9Aの漏洩同軸ケーブル91A、92A、・・・によって、再送信エリアの各場所に、増幅遅延信号を再送信信号して漏洩させることで出力(送信)する(ステップS14)。
これによって、デジタル放送再送信装置1Aは、当該装置1の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
〈デジタル放送再送信装置(第三実施形態)の構成〉
図3は、デジタル放送再送信装置(第三実施形態)のブロック図である。この図3に示すように、デジタル放送再送信装置1Bは、受信したデジタル放送の信号を、地下街や地下鉄構内等に再送信するもので、対象外信号除去手段13と、増幅手段15と、第一出力手段17と、第一遅延生成手段19と、第二出力手段21と、第二遅延生成手段23と、第三出力手段25と、終端手段27とを備えている。
対象外信号除去手段13は、受信したデジタル放送の信号の中で、再送信対象外の不要な信号を除去し対象信号を出力するものである。
増幅手段15は、対象外信号除去手段13から出力された対象信号を、所定の送信出力まで増幅して、第一出力手段17に出力(伝送)するものである。
第一出力手段17は、増幅手段15で増幅された増幅対象信号を、再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに出力(送信)するものである。この第一出力手段17で増幅対象信号を出力する際には、遅延時間が生じていないものとし、遅延時間を0とする。
第一遅延生成手段19は、第一出力手段17で出力された増幅対象信号を、遅延させるものである。なお、この第一遅延生成手段19で増幅対象信号を遅延させる遅延時間をτ1とする。
第二出力手段21は、第一遅延生成手段19で遅延された遅延対象信号を、再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに出力(送信)するものである。
第二遅延生成手段23は、第二出力手段21で出力された遅延対象信号を、遅延させるものである。なお、この第二遅延生成手段23で遅延対象信号を遅延させる遅延時間をτ2とする。
第三出力手段25は、第二遅延生成手段23で遅延された再遅延対象信号を、再送信信号(出力信号)として、再送信エリアに出力(送信)するものである。
なお、第一出力手段17で出力される増幅対象信号と、第二出力手段21で出力される遅延対象信号と、第三出力手段25で出力される再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たしている。
すなわち、増幅対象信号の遅延時間は“0”であり、遅延対象信号の遅延時間は“τ1”であり、再遅延対象信号の遅延時間は“τ2”であるので、これらの差の絶対値である|0−τ1|、|τ1−0|、|0−τ2|、|τ2−0|、|τ1−τ2|、|τ2−τ1|が基準帯域幅Bの逆数である1/Bよりも大きくなっている。
終端手段27は、第三出力手段25から出力(伝送)された再遅延対象信号(出力信号)を、終端させる、つまり、当該装置1Bが第三出力手段25から延出したケーブルの終端を識別するためのものである。
このデジタル放送再送信装置1Bによれば、対象外信号除去手段13で再送信対象外の信号が除去れた対象信号を、増幅手段15により増幅して増幅対象信号として、第一出力手段17により出力し、第一遅延生成手段19で遅延させる。続いて、第二出力手段21により遅延された遅延対象信号を出力し、第二遅延生成手段23により、さらに遅延させた再遅延対象信号として、第三出力手段25により出力する。これら増幅対象信号と、遅延対象信号と、再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たしているので、遅延信号同士で周波数リップルが発生し、再送信エリア内で再送信された受信信号の品質が改善され、当該再送信エリア内に満遍なく受信信号が行き渡り、変調手段等を用いることなく、すなわち、装置の構成を複雑にすることなく、デジタル放送の信号を適正に再送信することができる。
〈デジタル放送再送信装置(第三実施形態)の動作〉
次に、図10に示すフローチャートを参照して、デジタル放送再送信装置1Bの動作を説明する(適宜、図3参照)。
まず、デジタル放送再送信装置1Bは、対象外信号除去手段13によって、対象外信号を除去した対象信号を増幅手段15に出力(伝送)する(ステップS21)。続いて、デジタル放送再送信装置1Bは、増幅手段15によって、対象信号を所定の送信出力まで増幅し(ステップS22)、第一出力手段17によって、増幅対象信号を出力(送信)する(ステップS23)。
そして、デジタル放送再送信装置1Bは、第一遅延生成手段19によって、増幅対象信号を遅延させた遅延対象信号を、第二出力手段21に出力(伝送)する(ステップS24)。そして、デジタル放送再送信装置1Bは、第二出力手段21によって、遅延対象信号を出力(送信)する(ステップS25)。
そしてまた、デジタル放送再送信装置1Bは、第二遅延生成手段23によって、遅延対象信号を再び遅延させた再遅延対象信号を、第三出力手段25に出力(伝送)し、第三出力手段25によって、再遅延対象信号を出力(送信)する(ステップS26)。
〈出力手段の具体的な構成例について〉
次に、図7を参照して、出力手段の具体的な構成例について説明する(適宜、図1、図5参照)。図7(a)は出力手段9の具体的な構成例(以下、閉空間用地上デジタル送信アンテナという)を示した概略図であり、図7(b)は図7(a)に示した閉空間用地上デジタル送信アンテナの概略構成の1例を示した図であり、図7(c)は図7(a)に示した閉空間用地上デジタル送信アンテナの概略構成の他の例を示した図である。
図7(a)に示した閉空間用地上デジタル送信アンテナは、2分配器(受信分配手段3に該当)と、2本の同性能のダイポールアンテナ(送信アンテナ91a3、91b3、92a3、92b3に該当)とから構成されるタイプA(図7(b))がある。また、図7(a)に示した閉空間用地上デジタル送信アンテナは、2分配器と、遅延調整器(遅延生成手段5に該当)と、レベル調整器(増幅手段7に該当)と、2本の同性能のダイポールアンテナとから構成されるタイプB(図7(c))がある。
なお、これらタイプAとタイプBとも外観は同じであるので、図7(a)で一括して示している。この図7(a)に示すように、閉空間用地上デジタル送信アンテナは、地下街や地下鉄構内等の天井に設置されるもので、当該天井に固定する設置板と、受信信号が流れるケーブルに接続する入力コネクタと、設置板に一体的に固定されるアンテナ支柱(2分配器内蔵)と、再送信信号を出力する2台のダイポールアンテナとから構成されている。なお、2台のダイポールアンテナの間隔は、ここでは、28cm程度確保されている。
つまり、この閉空間用地上デジタル送信アンテナは、設置板によって天井に取り付けられ、入力コネクタを介して入力された受信信号を、アンテナ支柱に内蔵されている2分配器によって分配し、ダイポールアンテナから出力している。
図7(b)に示すように、閉空間用地上デジタル送信アンテナのタイプAの場合、入力された受信信号を分配して送信するだけのシンプルな構成になっている。また、図7(c)に示すように、閉空間用地上デジタル送信アンテナのタイプBの場合、2分配器から分離された、少なくとも一方の経路に、遅延調整器とレベル調整器とが設けられている。なお、このタイプBの場合、これら遅延調整器とレベル調整器とは、2分配器と共に、アンテナ支柱に内蔵されている。
〈補足、周波数リップルについて〉
デジタル放送の信号であるOFDM信号において、生じる周波数リップルについて説明する。キャリア総数NのOFDM信号のキャリア番号n(0,1,2,・・・N−1)の複素ベースバンド信号をan(t)(=bn(t)+jcn(t))とすると、送信されるOFDM信号は、次に示す(1)式のように表される。
…(1)式
この場合、ある受信点に到達する信号の1つをr1(t)、この信号に対して、反射等の影響で振幅がα倍(α=0〜1)され、時間τだけ遅れて当該受信点に到達する信号をr2(t)とすると、受信点では、これらの2つの信号が合成され、次に示す(2)式のように表される。
…(2)式
この場合、受信点に到達した信号(受信信号)の振幅周波数特性(振幅A(f))は、次に示す(3)式のように表される。
この(3)式では、周波数軸上において、周期1/τの周波数リップルが生じることを示している。ここで、OFDM信号の帯域幅をB(=fN―1−f)とすると、遅延時間τ=1/Bのときには、周波数軸上の信号帯域以内に周波数リップルが1周期生じる。さらに、遅延時間τ<1/Bとなるように小さくすると、周波数リップルが生じなくなる。
こうして、遅延時間τが小さいほど、振幅A(f)は周波数軸上でほぼ一定となり、信号帯域内の周波数に関係なく、1−αから1+αの間の値をとるようになる。この振幅A(f)がどのような値をとるかは遅延時間τによって決定され、遅延時間τは受信点によって異なる、つまり、受信点が異なれば、振幅A(f)の値も異なることになる。
それゆえ、この実施形態(第一、第二、第三実施形態)のデジタル放送再送信装置1、1A、1Bでは、受信点が異なっても再受信エリア内であれば、振幅A(f)が一様になるように、遅延時間(遅延時間の差)の制御を行って、受信した信号を再送信している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、デジタル放送再送信装置1、1A、1Bとして説明したが、これらの各構成の処理を、信号の一つずつの処理過程と捉えたデジタル放送再送信方法とみなすことも可能である。この場合、デジタル放送再送信装置1、1A、1Bと同様の効果を奏することができる。
本発明の実施形態に係るデジタル放送再送信装置(第一実施形態)のブロック図である。 本発明の実施形態に係るデジタル放送再送信装置(第二実施形態)のブロック図である。 本発明の実施形態に係るデジタル放送再送信装置(第三実施形態)のブロック図である。 図1に示したデジタル放送再送信装置の具体的な構成(前半部分)について示したブロック図である。 図1に示したデジタル放送再送信装置の具体的な構成(後半部分)について示したブロック図である。 ISDB−T方式のOFDM信号の周波数軸上の構成を示した図である。 図1および図5に示した出力手段の具体的な構成例について示した図である。 図1に示したデジタル放送再送信装置(第一実施形態)の動作を説明したフローチャートである。 図2に示したデジタル放送再送信装置(第二実施形態)の動作を説明したフローチャートである。 図3に示したデジタル放送再送信装置(第三実施形態)の動作を説明したフローチャートである。
符号の説明
1、1A、1B デジタル放送再送信装置
3 受信分配手段(受信信号分配手段)
5 遅延生成手段
7 増幅手段
9 出力手段
11 終端手段
51、52 遅延生成部
71 増幅部
91a、91b、92a、92b 出力部
111、112 終端部

Claims (5)

  1. デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信装置であって、
    前記受信信号を、所定数の系統に分配する受信信号分配手段と、
    この受信信号分配手段で分配された分配受信信号を、前記系統ごとに予め設定した遅延時間遅延させる遅延生成手段と、
    この遅延生成手段で遅延がなされた遅延信号を増幅する増幅手段と、
    この増幅手段で増幅がなされた増幅遅延信号を出力する出力手段と、を備え、
    前記遅延生成手段で遅延させる遅延時間は、前記系統間における当該遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、前記系統ごとに遅延させた前記遅延信号の中で、予め組み合わせられた前記遅延信号の組において、1組以上で満たすようにすることを特徴とするデジタル放送再送信装置。
  2. 前記出力手段は、
    前記遅延信号の進行波を結合させる度合いを示す、予め設定した結合度に従って、当該遅延信号の進行波を結合する方向性結合器と、
    この方向性結合器で結合された遅延信号の結合進行波を送信する送信アンテナと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送再送信装置。
  3. 前記出力手段は、
    前記増幅手段で増幅された増幅遅延信号を、再送信を行う再送信エリア内に漏洩させる漏洩同軸ケーブルを備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送再送信装置。
  4. デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信装置であって、
    前記受信信号から再送信対象外の信号を除去する対象外信号除去手段と、
    この対象外信号除去手段で再送信対象外の信号が除去された対象信号を増幅する増幅手段と、
    この増幅手段で増幅された増幅対象信号を出力する第一出力手段と、
    この第一出力手段で出力された増幅対象信号を遅延させる第一遅延生成手段と
    この第一遅延生成手段で遅延された遅延対象信号を出力する第二出力手段と、
    この第二出力手段で出力された遅延対象信号を遅延させる第二遅延生成手段と、
    この第二遅延生成手段で遅延された再遅延対象信号を出力する第三出力手段とを備え、
    前記第一出力手段で出力された増幅対象信号と、前記第二出力手段で出力された遅延対象信号と、前記第三出力手段で出力された再遅延対象信号との少なくとも1組における遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を満たすと共に、前記第一遅延生成手段および前記第二出力手段との組、または、前記第二遅延生成手段および前記第三出力手段との組みを、前記受信信号を再送信する再送信エリア内を網羅する組数設けることを特徴とするデジタル放送再送信装置。
  5. デジタル放送の信号を受信した受信信号を遅延させて再送信するデジタル放送再送信方法であって、
    前記受信信号を、所定数の系統に分配する受信信号分配ステップと、
    この受信信号分配ステップにて分配された分配受信信号を、前記系統ごとに予め設定した遅延時間遅延させる遅延生成ステップと、
    この遅延生成ステップにて遅延がなされた遅延信号を増幅する増幅ステップと、
    この増幅ステップにて増幅がなされた増幅遅延信号を出力する出力ステップと、を含
    前記遅延生成ステップで遅延させる遅延時間は、前記系統間における当該遅延時間の差の絶対値が予め設定した再送信するときに絞り込む信号の帯域である基準帯域幅の逆数よりも大きくなる相互関係を、前記系統ごとに遅延させた前記遅延信号の中で、予め組み合わせられた前記遅延信号の組において、1組以上で満たすようにすることを特徴とするデジタル放送再送信方法。
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