JP4657332B2 - 閉空間送信装置 - Google Patents
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Description
また、以下の説明においては、信号源として受信した放送波(無線で送られてきた信号)を再送信する場合は再送信装置、ケーブルや光ファイバなど有線を使って配信された放送TS(Transport Stream)を使用する場合は送信装置とそれぞれ呼ぶ。本発明は、これを再送信装置および送信装置のいずれをも含むものである。
以下に添付図面を参照し、実施例により本発明を詳細に説明する。
図1において、100Aは信号生成部、200は信号分配部、および300Aはアンテナ部である。
動作につき説明する。
信号生成部100Aで生成された中間周波数帯(IF帯)のISDB−T信号は、信号分配部200に入力される。信号分配部200は入力されたIF帯のISDB−T信号をN系統に分配し、高周波(RF)帯に周波数変換し、さらに増幅して出力する。このとき、N系統のRF出力信号は、信号分配部200においてRF信号の信号パラメータが各系統毎に独立に時間的に変化させられている。時間的に変化させられている信号パラメータは周波数、位相、振幅、遅延時間のいずれか、またはそれらの組み合わせである。信号分配部200から出力されたN系統のRF信号はアンテナ部300Aに入力される。アンテナ部300Aは入力されたN系統のRF信号を電波として放射する。このとき、アンテナ部300Aは入力されるRF信号の信号パラメータが時間的に変化しているため、電波を放射する空間内に生成されるヌルポイントもしくは低電界領域は高速度で時間的に変化する。
図2において、100Aは信号生成部、300Bはアンテナ部、400はアップコンバータ(U/C)、および500は電力増幅部(PA部)である。
動作につき説明する。
信号生成部100AはIF帯のISDB−T信号を生成し出力する。信号生成部100Aから出力されたIF信号はアップコンバータ(U/C)400に入力される。U/C400においては、入力されたIF信号をRF帯の信号に周波数変換した後、出力する。U/C400の出力信号であるRF信号は電力増幅部(PA部)500に入力される。PA部500は入力されたRF信号を電力増幅して出力する。PA部500から出力されたRF信号はアンテナ部300Bに入力される。アンテナ部300Bは入力されたRF信号を電波として放射する。また、アンテナ部300Bは電波の放射特性を時間的に変化させて、空間内に生成されるヌルポイントもしくは低電界領域を高速度で時間的に変化させる。
図3において、100Bは信号生成部、300Bはアンテナ部、および500はPA部である。
動作につき説明する。
信号生成部100BはRF帯のISDB−T信号を生成し出力する。信号生成部100Bから出力されたRF信号はPA部500に入力される。PA部500は入力されたRF信号を電力増幅して出力する。PA部500から出力されたRF信号はアンテナ部300Bに入力される。アンテナ部300Bは入力されたRF信号を電波として放射する。また、アンテナ部300Bは電波の放射特性を時間的に変化させて、空間内に生成されるヌルポイントもしくは低電界領域を高速度で時間的に変化させる。
図4において、100Cは信号生成部、300Aはアンテナ部、400−1,400−2,・・・,400−NはU/C、および500−1,500−2,・・・,500−NはPA部である。
動作につき説明する。
信号生成部100CはIF帯のISDB−T信号(IF信号)をN系統生成して出力する。このとき、信号生成部100Cは出力するIF信号の信号パラメータを各系統で独立に時間的に変化させる。時間的に変化させる信号パラメータとしては周波数、位相、振幅、遅延時間のいずれかまたはそれらの組み合わせである。信号生成部100Cから出力された第1の系統のIF信号はU/C400−1に入力される。U/C400−1は入力されたIF信号をRF帯の信号に周波数変換した後、出力する。U/C400−1から出力された第1の系統のRF信号はPA部500−1に入力される。PA部500−1は入力されたRF信号を電力増幅して出力する。PA部500−1から出力されたRF信号はアンテナ部300Aに入力される。
この構成は、図1,2に示され、それぞれ第1および第2の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Aに使用されるものである。
図5において、101は受信アンテナ、102は受信部、103はダウンコンバータ(D/C)、104は直交復調部、105はFFT部、106はSP等化部、107は判定部、108はIFFT部、および109は直交変調部である。
図5において、アンテナ101はISDB−T方式の地上デジタル放送波を受信し、RF帯の受信信号を出力する。アンテナ101から出力された受信信号は受信部102に入力される。受信部102は入力されたRF信号にフィルタ処理を行い、不要な帯域外成分を除去するとともに、後段の信号処理に適したレベルまで信号を増幅する。さらに出力するRF信号のレベルが一定になるように自動利得制御(AGC制御)を行う。受信部102から出力されたRF信号はダウンコンバータ(D/C)103に入力される。D/C103においては、入力されたRF信号をIF帯の信号に周波数変換して出力する。周波数変換はIF信号の周波数に応じて、1回で、もしくは2回に分けて行う。また、周波数変換に伴って生じるイメージ成分の除去も行う。D/C103から出力されたIF信号は直交復調部104に入力される。
この構成も、図1,2に示され、それぞれ第1および第2の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Aに使用されるものである。
図6において、101は受信アンテナ、102は受信部、103はダウンコンバータ(D/C)、104は直交復調部、105はFFT部、106はSP等化部、108はIFFT部、および109は直交変調部である。
本実施例(第2の実施例)は、図5に示した第1の実施例中の判定部107を省略し、構成を簡素化したものである。すなわち、本実施例では、受信した放送波に対して周波数領域のI,Qシンボル信号に対する硬判定を行わない(従って、雑音成分は除去されない)で、等化処理のみを行うようにしている。その他は図6に示した第1の実施例との場合と同じである。
この構成も、図1,2に示され、それぞれ第1および第2の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Aに使用されるものである。
図7において、101は受信アンテナ、102は受信部、103はダウンコンバータ(D/C)、104は直交復調部、105はFFT部、109は直交変調部、110は伝送路特性推定部、111はフィルタ係数生成部、112は適応フィルタ部、および120は分配器である。
本実施例(第3の実施例)は、図5に示した第1の実施例において、FFT処理後の周波数領域で行っていた等化処理をFFT処理前の時間領域で行うようにしたもので、装置の遅延時間を短縮化できる反面、硬判定ができないため雑音成分は除去されない。
図5,6に示した信号生成部の第1,2の実施例と同じである。
以上説明した信号生成部の第3の実施例は、受信した放送波と同一の周波数で再送信を行う際に、例えば、室内再送信のように部屋の窓から直接入射される放送波と再送信された放送波とが重なり合うような場合にも適用できる。
この構成も、図1,2に示され、それぞれ第1および第2の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Aに使用されるものである。
図8において、101は受信アンテナ、102は受信部、および103はダウンコンバータ(D/C)である。
以上説明した第1乃至第3の実施例による信号生成部は、いずれも受信した放送波に含まれるマルチパス歪を等化する機能を有していたが、本実施例(第4の実施例)は、単純に受信したRF帯のISDB−T信号を増幅しIF帯に周波数変換して出力するもので、受信信号の歪が小さい場合に使用することができる。アンテナ101と受信部102とD/C103の動作は、図5に示した第1の実施例の場合と同じである。
この構成は、図3に示され、第3の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Bに使用されるものである。
図9において、101は受信アンテナ、および102は受信部である。
本実施例(第5の実施例)は、さらに単純に、受信したRF帯のISDB−T信号を増幅して出力するだけのものであり、図8に示した第4の実施例の場合と同様に受信信号の歪が小さい場合に使用することができる。アンテナ101と受信部102の動作は、図5に示した第1の実施例との場合と同じである。
この構成は、図4に示され、第4の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Cに使用されるものである。
図10において、101は受信アンテナ、102は受信部、103はダウンコンバータ(D/C)、104は直交復調部、105はFFT部、106はSP等化部、107は判定部、108はIFFT部、113は分配部、109−1,109−2,・・・,109−Nは直交変調部、114−1,114−2,・・・,114−Nは可変遅延器、115−1,115−2,・・・,115−Nは複素乗算器、116−1,116−2,・・・,116は数値制御発信器(NCO)、および117は制御部である。
本実施例(第6の実施例)において、受信アンテナ101からIFFT部108までの動作は、図5に示した第1の実施例と同じであるのでその説明は省略する。
IFFT部108から出力された等価ベースバンドのI,Q信号は分配器113に入力される。分配器113は入力されたI,Q信号をN系統に分配して出力する。分配器113から出力された第1の系統のI,Q信号は可変遅延器114−1に入力される。可変遅延器114−1は、入力されたI,Q信号の遅延時間を制御部117から入力される制御信号に応じてクロック単位で変化させて出力する。
ただし、可変遅延器114−1乃至114−Nの各遅延時間、およびNCO116−1乃至116−Nからそれぞれ出力されるI,Qローカル信号の振幅、周波数および位相は、制御部117から入力される制御信号によって、それぞれ異なるパターンの時間的に変化を生じるように制御される。
この構成は、図1,2に示され、それぞれ第1および第2の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Aに使用されるものである。
図11において、118はISDB−T変調器である。
上述した信号生成部の第1から第6までの実施例はそれらのいずれもが放送波信号を受信して信号源とする構成であったのに対し、本実施例(第7の実施例)は、有線で伝送されてきた放送TS信号を入力して信号源とする構成である。ISDB−T変調器118は入力された放送TS信号からIF帯のISDB−T信号を生成して出力する。放送TS信号およびISDB−T変調器の構成については、非特許文献2に詳しく記載されているので参照されたい。
この構成は、図4に示され、第4の実施例として説明した全体構成中の信号生成部100Cに使用されるものである。
図12において、108はIFFT部、109は直交変調部、113は分配部、114−1,114−2,・・・,114−Nは可変遅延器、115−1,115−2,・・・,115−Nは複素乗算器、116−1,116−2,・・・,116はNCO、117は制御部、119はISDB−T伝送路符号化部である。
本実施例(第8の実施例)は、図11に示した第7の実施例と同様に、有線で伝送されてきた放送TS信号を入力して信号源とする構成である。ISDB−T伝送路符号化部119は入力された放送TS信号に対して、外符号化、内符号化、階層処理、各種インターリーブ等のISDB−T伝送路符号化処理を行い、IFFT処理前の周波数領域のシンボル信号に変換して出力する。ISDB−T伝送路符号化部119から出力された周波数領域のシンボル信号はIFFT部108に入力される。
IFFT部108以降の構成は、図10に示した第6の実施例と同じであるのでその説明は省略する。
この構成は、図1に示され、第1の実施例として説明した全体構成中の信号分配部200に使用されるものである。
図13において、201は増幅器、202は分配器、203−1,203−2,203−3,・・・,203−Nはアナログ可変遅延器、204−1,204−2,204−3,・・・,204−Nはアナログ乗算器、205−1,205−2,205−3,・・・,205−Nは電圧制御発振器(VCO)、206−1,206−2,206−3,・・・,206−Nは帯域通過フィルタ(BPF)、207−1,207−2,207−3,・・・,207−Nは可変利得制御増幅器、208−1,208−2,208−3,・・・,208−NはBPF、および209は制御部である。
図13において、入力信号であるIF帯のISDB−T信号は増幅器201に入力される。増幅器201は入力されたIF信号を増幅して出力する。増幅器201から出力されたIF信号は分配器202に入力される。分配器202は入力されたIF信号をN系統に分配して出力する。分配器202から出力された第1の系統のIF信号はアナログ可変遅延器203−1に入力される。アナログ可変遅延器203−1は入力されたIF信号の遅延時間を制御部209から入力される制御信号に応じて変化させ出力する。アナログ可変遅延器はA/D変換器、D/A変換器、メモリ等によって容易に実現することができる。
この構成も、図1に示され、第1の実施例として説明した全体構成中の信号分配部200に使用されるものである。
図14において、201は増幅器、202は分配器、203−1,203−2,203−3,・・・,203−Mはアナログ可変遅延器、204−1,204−2,204−3,・・・,204−Mはアナログ乗算器、205−1,205−2,205−3,・・・,205−Mは電圧制御発振器(VCO)、206−1,206−2,206−3,・・・,206−Mは帯域通過フィルタ(BPF)、207−1,207−2,207−3,・・・,207−Mは可変利得制御増幅器、208−1,208−2,208−3,・・・,208−MはBPF、209は制御部、および210−1,210−2,210−3,・・・,210−Mは分配器である。
本実施例(第2の実施例)は、アンテナ部(図1に符号300Aで示す)が多くのアンテナ素子で構成されている場合、すなわち、素子数Nが大きい値をとる場合、K個のアンテナ素子を1つの単位として、アンテナ素子全体を複数のグループに分割し、それぞれのグループに対して振幅、周波数、位相、遅延時間が、各系統でそれぞれ異なるパターンの時間的に変化をする信号を供給する場合に適用される。
この構成も、図1に示され、第1の実施例として説明した全体構成中の信号分配部200に使用されるものである。
図15において、201は増幅器、202は分配器、203−1,203−2,203−3,・・・,203−Mはアナログ可変遅延器、204−1,204−2,204−3,・・・,204−Mはアナログ乗算器、205−1,205−2,205−3,・・・,205−Mは電圧制御発振器(VCO)、206−1,206−2,206−3,・・・,206−Mは帯域通過フィルタ(BPF)、207−1,207−2,207−3,・・・,207−Mは可変利得制御増幅器、208−1,208−2,208−3,・・・,208−MはBPF、209は制御部、および211はマトリクス回路である。
本実施例(第3の実施例)は、信号分配部の第2の実施例と同様に、K個のアンテナ素子を1つの単位として、アンテナ素子全体を複数のグループに分割し、それぞれのグループに対して振幅、周波数、位相、遅延時間が、各系統でそれぞれ異なるパターンの時間的に変化をする信号を入力する場合に適用される。
しかし、上述の第2の実施例と異なる点は、第2の実施例では異なるパターンで時間的に変化する信号系統数Mがアンテナ素子数Nに比較的近い数字で、かつN/M=Rを満たすRが整数でなければならなかったのに対し、この第3の実施例ではそのような制約は伴わない。
この構成は、図1,4に示され、第1および第4の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Aに使用されるものである。
図16において、301−1,301−2,301−3,・・・,301−Nはアンテナ素子である。
本実施例(第1の実施例)では、アレイアンテナを構成するアンテナ素子としてダイポール、パッチ、スロットなどよく知られたアンテナ素子を使用する。また、八木アンテナのような線状アンテナやループアンテナも適用可能である。入力されたN系統のRF帯のISDB−T信号をダイポール等のアンテナ素子301−1,301−2,301−3,・・・,301−Nにそれぞれ入力し、電波として放射する。アンテナ素子301−1,301−2,301−3,・・・,301−Nは、電波の波長を入としたとき、各アンテナ素子の配置間隔が入/2のものがよく用いられるが、本実施例ではこれには限定されるものではない。また、本実施例では不均等な配置間隔も使用可能である。
この構成も、図1,4に示され、第1および4の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Aに使用されるものである。
図17において、302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nは漏洩同軸ケーブル、および303−1,303−2,303−3,・・・,303−Nは抵抗終端器である。
本実施例(第2の実施例)では、アレイアンテナを構成するアンテナ素子として漏洩同軸ケーブルを使用する。入力されたN系統のRF帯のISDB−T信号を漏洩同軸ケーブル302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nにそれぞれ入力する。漏洩同軸ケーブルは分布定数線路であり、ケーブルの長手方向に沿って一定間隔で作られたスロットから電波を放射する。漏洩同軸ケーブル302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nの終端には抵抗終端器303−1,303−2,303−3,・・・,303−Nがそれぞれ接続され、電波として放射されなかった信号電力を吸収消費して反射を防止する。漏洩同軸ケーブル302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nの配置間隔は、電波の波長を入として入/2が適しているが、これに限定されない。また、不均等な配置間隔も可能である。
この構成も、図1,4に示され、第1および4の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Aに使用されるものである。
図18において、301−1,301−2,301−3,・・・,301−Nはアンテナ素子、および302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nは漏洩同軸ケーブルである。
本実施例(第3の実施例)でも、図17に示した第2の実施例と同様にアレイアンテナを構成するアンテナ素子として漏洩同軸ケーブル302−1,302−2,302−3,・・・,302−Nを使用する。しかし、第2の実施例では漏洩同軸ケーブルの信号を入力する端子とは反対側の端子に抵抗終端器303−1,303−2,303−3,・・・,303−Nを接続した(図17参照)のに対して、本実施例(第3の実施例)ではダイボールなどの別のアンテナ素子301−1,301−2,301−3,・・・,301−Nを接続する点が異なっている。
この構成も、図1,4に示され、第1および4の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Aに使用されるものである。
図19において、302−1,302−2,302−3,・・・,302−Lは漏洩同軸ケーブル、304A−1,304A−2,304A−3,・・・,304A−Lはアイソレータ、および304B−1,304B−2,304B−3,・・・,304B−Lはアイソレータである。
本実施例(第4の実施例)は、入力されるRF信号の系統数Nに対し、電波を放射する漏洩同軸ケーブルの本数LがN/2、すなわちRF信号の系統数の半分になる。また、上述したアンテナ部の第2の実施例と第3の実施例では漏洩同紬ケーブルの一方の端子にのみRF信号を入力し、反対側の端子に第2の実施例では抵抗終端器を、第3の実施例ではダイポールなど別のアンテナ素子を接続したのに対し、本実施例(第4の実施例)では漏洩同軸ケーブルの双方の端子からRF信号を入力する点において異なっている。
さらにまた、本実施例(第4の実施例)によれば、アンテナ素子である漏洩同軸ケーブルが1本、すなわちN=2であっても、電波が放射される空間内に生成されるヌルポイントもしくは低電界領域を高速に時間的に変化させるという目的が達成されるため、漏洩同軸ケーブルの敷設費用が軽減でき、ケーブルが占有する面積も小さくて済むという効果を生じる。
入力されたN系統のRF信号のうち、第1の系統のRF信号(左側、一番上の入力端子から入力されるRF信号)はアイソレータ304A−1に入力される。アイソレータ304A−1は入力された第1の系統のRF信号を通過させるとともに、漏洩同軸ケーブル302−1から出力される漏洩同軸ケーブル302−1の反対の端子から入力された第2の系統のRF信号(左側、上から2番目の入力端子から入力されるRF信号)の電力を吸収する。アイソレータ304A−1から出力されたRF信号は漏洩同軸ケーブル302−1に入力される。一方、第2の系統のRF信号はアイソレータ304B−1に入力される。アイソレータ304B−1は入力された第2の系統のRF信号を通過させるとともに、漏洩同軸ケーブル302−1から出力される漏洩同軸ケーブル302−1の反対の端子から入力された第1の系統のRF信号の電力を吸収する。アイソレータ304B−1から出力されたRF信号は漏洩同軸ケーブル302−1に入力される。第1、第2以外の他の系統も同様の動作を行う。ここでLは整数で、L=N/2を満足する。
この構成は、図2,3に示され、第2および第3の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Bに使用されるものである。
図20において、302は漏洩同軸ケーブル、304Aはアイソレータ、304Bはアイソレータ、305は方向性結合器、306は増幅器、307はBPF、308はアナログ乗算器、309はローカル発振器、310はBPF、311は可変遅延器、312はアナログ乗算器、313はBPF、314はVCO、315は可変利得増幅器、316はBPF、および317は制御部である。
図16乃至19に示したアンテナ部のそれぞれ第1乃至第4の実施例では入力されるRF信号の系統数は複数、すなわちN≧2であるのに対して、本実施例(第5の実施例)は入力されるRF信号は1系統のみである。
また、本実施例ではアンテナ素子として漏洩同軸ケーブル302を使用するとともに、漏洩同軸ケーブル302の−方の端子にはRF信号を入力し、漏洩同軸ケーブル302の他方の端子には、漏洩同軸ケーブル302から出力されたRF信号の振幅、周波数、位相、遅延時間に時間的な変化を与えた後に増幅した信号を入力することで、漏洩同軸ケーブル302内に生じる定在波のパターンを時間的に変化させることで、漏洩同軸ケーブル302から放射される電波の放射特性を時間的に変化させるように構成している。
RF信号は入力端子(左上方に示される端子)介してアイソレータ304Aに入力される。アイソレータ304Aは入力されたRF信号を通過させるとともに、漏洩同軸ケーブル302から出力される漏洩同軸ケーブル302の反対の端子から入力されたRF信号の電力を吸収する。アイソレータ304Aから出力されたRF信号は漏洩同軸ケーブル302に入力される。漏洩同軸ケーブル302の他方の端子には方向性結合器305が接続される。方向性結合器305はアイソレ一夕304Aを介して漏洩同軸ケーブル302に入力されたRF信号、すなわち進行波成分のみを抽出してその出力端子から出力する。方向性結合器305から出力されたRF信号はアイソレ一タ304Bの出力端子に入力される。アイソレータ304Bは、方向性結合器305からその(アイソレータ304Bの)出力端子に入力されたRF信号を反射波と見なして、RF信号の電力を吸収する。
この構成は、図2,3に示され、第2および第3の実施例として説明した全体構成中のアンテナ部300Bに使用されるものである。
図21において、302は漏洩同軸ケーブル、304Aはアイソレータ、317は制御部、および318は可変インピーダンス回路である。
本実施例(第6の実施例)は、上述の第5の実施例と同様に、アンテナ素子として漏洩同軸ケーブル302を使用するとともに、入力されるRF信号は1系統のみで構成されている。
しかし、本実施例は、上述の第5の実施例と異なり、漏洩同軸ケーブル302にRF信号を入力する端子とは反対側の端子にインピーダンスが可変の終端器を接続して意図的に反射を生じさせるとともに、終端器のインピーダンスを時間的に変化させることでケーブル内に生じる定在波のパターンを時間的に変化させ、漏洩同軸ケーブル302から放射される電波の放射特性を時間的に変化させる。
RF信号は入力端子(左上方に示される端子)介してアイソレータ304Aに入力される。アイソレータ304Aは入力されたRF信号を通過させるとともに、漏洩同軸ケーブル302から出力される漏洩同軸ケーブル302の反対の端子で反射され戻ってきたRF信号の電力を吸収する。アイソレータ304Aから出力されたRF信号は漏洩同軸ケーブル302に入力される。
これについては、時間的に変化させる変化のパターンは各種様々なものがあり、代表的なものとして正弦波的なパターンがある。ただし、送信アンテナからの電波の放射パターンの時間的変化により、空間内の任意の点においてヌルまたは低電界の状態が生じても、誤り率が悪化する時間の周期がISDB−T信号の時間インターリーブの1周期に等しいか、それより十分に短いことが必要である。
また、振幅、周波数、位相、遅延時間の各信号パラメータの変化幅が大き過ぎたり、変化の速度が早過ぎたりした場合にはISDB−T受信機の同期が外れてしまうため、時間的に変化させる信号パラメータの変化幅、変化速度はISDB−T受信機の同期が破綻しない範囲に制限する必要がある。
101 受信アンテナ
102 受信部
103 ダウンコンバータ(D/C)
104 直交復調部
105 FFT部
106 SP等化部
107 判定部
108 IFFT部
109,109−1,109−2,・・・,109−N 直交変調部
110 伝送路特性推定部
111 フィルタ係数生成部
112 適応フィルタ部
113 分配部、
114−1,114−2,・・・,114−N 可変遅延器
115−1,115−2,・・・,115−N 複素乗算器
116−1,116−2,・・・,116 数値制御発信器(NCO)
117 制御部
118 ISDB−T変調器
119 ISDB−T伝送路符号化部
120 分配器
200 信号分配部
201 増幅器
202 分配器
203−1,203−2,203−3,・・・,203−N アナログ可変遅延器
203−1,203−2,203−3,・・・,203−M アナログ可変遅延器
204−1,204−2,204−3,・・・,204−N アナログ乗算器
204−1,204−2,204−3,・・・,204−M アナログ乗算器
205−1,205−2,205−3,・・・,205−N 電圧制御発振器(VCO)
205−1,205−2,205−3,・・・,205−M 電圧制御発振器(VCO)
206−1,206−2,206−3,・・・,206−N 帯域通過フィルタ(BPF)
206−1,206−2,206−3,・・・,206−M 帯域通過フィルタ(BPF)
207−1,207−2,207−3,・・・,207−N 可変利得制御増幅器
207−1,207−2,207−3,・・・,207−M 可変利得制御増幅器
208−1,208−2,208−3,・・・,208−N BPF
208−1,208−2,208−3,・・・,208−M BPF
209 制御部
210−1,210−2,210−3,・・・,210−M 分配器
211 マトリクス回路
300A,300B アンテナ部
301−1,301−2,301−3,・・・,301−N アンテナ素子
302 漏洩同軸ケーブル
302−1,302−2,302−3,・・・,302−N 漏洩同軸ケーブル
302−1,302−2,302−3,・・・,302−L 漏洩同軸ケーブル
303−1,303−2,303−3,・・・,303−N 抵抗終端器
304A,304A−1,304A−2,304A−3,・・・,304A−L アイソレータ
304B,304B−1,304B−2,304B−3,・・・,304B−L アイソレータ
305 方向性結合器
306 増幅器
307 BPF
308 アナログ乗算器
309 ローカル発振器
310 BPF
311 可変遅延器
312 アナログ乗算器
313 BPF
314 VCO
315 可変利得増幅器
316 BPF
317 制御部
318 可変インピーダンス回路
400,400−1,400−2,・・・,400−N アップコンバータ(U/C)
500,500−1,500−2,・・・,500−N 電力増幅部(PA部)
Claims (1)
- 漏洩同軸ケーブル、
入力信号を前記漏洩同軸ケーブルの一方の端子に入力する手段、
前記漏洩同軸ケーブルの他方の端子から出力される信号の振幅、周波数、位相、遅延時間の少なくとも1つを時間的に変化させる手段、および
該時間的に変化させる手段により得られた信号を前記漏洩同軸ケーブルの前記他方の端子に入力する手段を具えて構成され、
前記漏洩同軸ケーブルから電波反射体で囲まれた閉空間内に放射される電波の放射特性または放射パターンを時間的に変化させるようにしたことを特徴とする閉空間送信装置。
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