JP4662335B2 - 光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学機器に関するものであり、例えば水中撮影等に用いられる防水型カメラや防水仕様の双眼鏡等の防水、防湿構造を有する光学機器に関するものである。
従来、例えば特許文献1に開示されている水中撮影等に用いられる防水型カメラや、特許文献2に開示されているような防水仕様の双眼鏡等が知られている。これら特許文献1、2の光学機器の構造、特に防水が必要な部分の構造には、水が侵入しないようにするために光学系内部を密閉する密閉構造が採用されている。具体的には、主たる構成要素への外部からの水滴等の侵入を防ぐため、防水型カメラ等では、カメラ本体に防水ケースを取りつけたり、カメラ本体のカバーを防水構造にしたりすることによって、主たる構成要素を水密に覆う構造が採用されていた。
また、防水型の双眼鏡等では、例えば対物レンズを光軸方向に移動させて焦点位置を調整する調整ロッドと、調整ロッドが貫通される双眼鏡本体に形成された貫通孔との間に防水パッキングを設け、内部に水滴等が侵入するのを防止するように構成されている。
特開2001−110376号公報 特開平7−209589号公報
しかしながら、上記したような防水型光学機器では、主たる構成要素である光学系等を覆うような密閉構造を採用しているため、光学系等に水滴や水蒸気が浸入するのを防ぐことができる反面、ひとたび光学系に侵入してしまった水滴や水蒸気は光学系内部に滞留する可能性が高く、光学系外への排水、排気は難しかった。
従って、水蒸気を含んだ空気等(通常の生活環境の空気など)が、前記光路中のどこか一部にでも残ってしまうと、低温度下では飽和水蒸気圧が下がってきて結露が発生し、光学機器としての主たる機能に早期に弊害が生じてしまう可能性があった。例えば、飽和水蒸気圧は、概ね12℃〜13℃下がると約1/2に下がる。具体的には、温度23℃、湿度60%を光学機器の組立環境と仮定すると、この組立環境で密閉空間が形成された場合、10℃程度に気温が下がれば、密閉空間内部の水分量が飽和水蒸気量を超えて結露が発生してしまう可能性がある。
このような弊害を避けるため、機器の組立工程においては、機器内部の主たる空間だけでなく、光路中の部分的な密閉空間においても、初期の水蒸気を排除するために窒素ガスや乾燥空気を封入したり、これらのガス雰囲気中において組立を行う必要が生じ、そのため組立のために装置が大掛かりになったり、手間が掛かるなどの問題があった。
また、乾燥剤を用いた手段による場合にも、機器内部の主たる空間だけでなく、光路中の部分的な密閉空間にも乾燥剤を配置する必要があり、そのため手間がかかったり、コストアップとなったり、あるいは乾燥剤を配置するためのスペースを確保する必要があり、機器が大型化したりする等の問題を有していた。
本発明は、上記課題に鑑みて、大幅なコストアップを伴うことなく、簡単な構造で結露を抑制する性能を向上させることが可能となる光学機器を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成した光学機器を提供するものである。
すなわち、本発明の光学機器は、所定空間を囲み、外部から該所定空間への水分の侵入を防ぐ構成を有する筐体と、
前記所定空間内において、第1部分空間と第2部分空間とを仕切るように配置されたレンズと、
前記レンズの外周部に前記レンズの一部を切り欠いて形成され、前記第1部分空間と前記第2部分空間とを連通させる通風穴と、
前記第1部分空間内部に配置された吸湿部材と、を有し、
前記通風穴は前記レンズの屈折面の面積に対して0.01%以上5%以下の断面積を持つことを特徴としている。
本発明によれば、大幅なコストアップを伴うことなく、簡単な構造で結露を抑制する性能を向上させることが可能となる防湿構造を有する光学機器を実現することができる。
上記した構成により、本発明の課題を達成することができるものであるが、本発明の実施の形態においては、より具体的には、水滴や水蒸気等の侵入を防ぐようにした防水・防湿構造を有する光学機器として双眼鏡を構成し、前記防水・防湿構造内に形成された主たる空間部と、前記主たる空間部内に設けられ、光学部材を部分的な空間部内に収容・保持するレンズ鏡筒とにおいて、該レンズ鏡筒の部分的な空間部に、前記主たる空間部とを連通させる通風用の穴を形成し、レンズ鏡筒内の水蒸気等を、主たる空間部に亙って均等に拡散させ、結露等が生じるのを防止するようにすることができる。
その際、前記鏡筒に設けられた前記通風用の穴は、前記レンズ鏡筒に保持されている複数の光学部材の周囲に設けたり、該複数の光学部材間の前記鏡筒部分に設けることにより、1つのレンズ鏡筒に3枚以上の光学部材が直列に配置されていても、水蒸気の拡散を促す構造を簡単に実現することができる。
また、上記通風用の穴を設けた防水・防湿構造の光学機器の内部には、その主たる空間に吸湿材を配したり、機器内部の少なくとも主たる空間に窒素ガス、或いは、乾燥空気を充填することにより、更なる耐結露性能を発揮させることができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では本発明を適用して、以下に説明するような防湿構造を有する双眼鏡を構成した。
図1は、本実施例における防湿構造を有する双眼鏡を、接眼光学系(後述の接眼ユニット)及びその近辺は接眼レンズの光軸を通って接眼光学系の光軸に平行な平面で、対物光学系(後述の対物レンズユニット)及びその近辺は対物光学系の光軸を通って対物光学系の光軸に平行な平面で切った時の(水平)断面図である。 図2は、本実施例における防湿構造を有する双眼鏡を側面から見た垂直断面図である。本実施例にある外装部材は個々の部品間に「Oリング」や「シールゴム」が配置され、外部環境から水滴が機器内部に入らないように構成されている。また、本実施例では、内部に吸湿材(後述)が設置されており、初期の水蒸気、或いは内部の構成部品が保水している水分や、外装部材の表面から透過してくる水蒸気を吸湿できるので、防水式双眼鏡で一般的に行われている窒素ガスの充填等は、特に行われていない。
図1、図2において、左右一対の対物光軸1R、1L上には、光学系が物体側から順に、平行平板である保護ガラス2R、2L、対物鏡筒3R’、3L’に保持された対物レンズユニット3R、3L、接眼ユニット4R、4Lが左右それぞれ配置されている。該接眼ユニット4R、4Lにはそれぞれ、正立プリズムユニット5R、5Lと、後述する接眼鏡筒25R、25Lが保持しているところの接眼光学系6R、6Lが、それぞれ図1のように所定の位置に配置されている。ここで、接眼ユニット4R、4Lのそれぞれは、前記それぞれの対物光軸1R、1Lを中心に回転可能に接眼ベース7に保持されている。
これは前記接眼光学系6R、6Lの光軸は、前記正立プリズムユニット5R、5Lの性質により前記対物光軸1から平行シフトした所に配置されるようになるため(図2参照)、このように接眼ユニット4R、4Lをそれぞれ回転させる事で不図示の観察者の両眼の幅に、前記接眼光学系6R、6Lの幅(接眼光学系6R、6Lの光軸間の距離)を合わせることが出来るようにするためである。ここで、外装部品である前記接眼ベース7に撓みが発生すると左右の光学系の光軸ずれが起こってしまうため、ここでは接眼ベース7を丈夫なアルミニウム材(その他丈夫な金属系であることが望ましい)で作ることにより、前記接眼ユニット4L、4Rを正確に保持している。
従ってこの部品の水蒸気透過性は素材が金属であるので考慮しないでよい(つまり、この部品を水蒸気が透過することは無いし、万が一あったとしても無視できるレベルである)。
前記接眼ベース7の前端面には、その厚みの中で凹部の溝が全周にわたり形成されており、その溝の中にはシールリング8が前記凹部の溝に沿って全周にわたり切れ目無く配置されている。
また、図2に示すように該接眼ベース7後端の平面部の上方には光軸と平行に嵌合穴7’が設けられており、該嵌合穴7’には、フォーカスネジ9がOリング10とともに前記接眼ベース7において(対物レンズユニットの光軸方向に関して定位置のままで)回転可能に保持されている。
次に、前記接眼ベース7の内部中央やや上よりには、平面部12が前方に突出する形で設けられており、該平面部12の上面を前後方向のみに移動可能に摺動保持された板金による対物台13が配置されている。該対物台13の後端部は垂直に上方に曲げられた部分があり、そこには、前記フォーカスネジ9と螺合するフォーカスナット14が固着されている一方、該対物台13の前端部は垂直に下方に曲げられた部分があり、前記左右一対の対物光軸1R、1Lを中心に開けられた穴部には、前記対物鏡筒3R´、3L´がそれぞれビス止めされている。そのため、前記フォーカスネジ9の後部にビス11´によってビス止めされたフォーカスダイアル11を回転操作する事で、前記対物レンズユニット3R、3Lを同時に光軸方向に移動可能とし、双眼鏡のピント合わせを実現できるように構成されている。尚、接眼ユニット4R、4Lが前記接眼ベース7に保持されるところにおいて、該接眼ユニット4の内部の空間(第2部分空間)は、後述する筐体としての本体側(前方)の広い空間(所定空間としての主たる密閉空間24(第1部分空間))とつながっている。ここで、所定空間内である主たる密閉空間内には、双眼鏡の外部からの水、水蒸気等の水分の侵入を防ぐことができる(実質的に水、水蒸気等の水分が浸入しない)構造となっているが、前述の接眼ユニット4の内部の空間(レンズとレンズ、又はレンズと平行平板ガラス等、すなわちレンズ、平行平板ガラス、プリズム等の光学素子間の空間)とは連通している。この密閉空間は双眼鏡外部に対して密閉されていることが望ましいが、水、水蒸気の浸入を防ぐことができれば他の気体の侵入を防ぐ必要は無いため、乾燥気体が密閉空間内部に侵入可能な構成としていても良い。
また、該接眼ユニット4R、4Lの保持部にはOリング4R´、4L´が、中間部にはシールリング5R´、5L´が、又、前記接眼光学系6R、6Lを保持する接眼鏡筒25R、25L(後述)に関わるところにはOリング6R´、6L´がそれぞれ配置されていて、それぞれ密閉性を保つことが可能となっている。筐体としての外カバー15は、後端部に全周つば部が形成されているとともに、該後端部の全周つば部が前記シールリング8を圧接するように、前記接眼ベース7の後方から不図示のビスによってビス止めされているため、この部分の密閉性を保つことが可能となっている。勿論、他の構成で密閉性を保つようにしても構わない。
左右一対の対物枠16R、16Lは、前記外カバー上15の左右の先端部に螺合し、それぞれOリング17R、17Lを配置する事でこの部分での密閉性を保つことが可能となっている。又、前記平行平板である保護ガラス2R、2Lは、前記左右一対の対物枠16R、16Lに配置されたシールリング18R、18Lに接し、前記左右一対の対物枠16R、16Lの前面の内側に配置されるとともに、一対の押え環19R、19Lによってねじ込んで同時に圧接固定されるので、この部分での密閉性を保つことが可能となっている。又、前述の、前記外カバー上15の上面部の内面のほぼ中央には、吸湿材としての吸湿シート(吸湿シートと記載したが、水蒸気を有する吸湿部材、吸湿機能を有する物質、であれば、どのような形状であっても構わない)20が保持されていて、双眼鏡内部空間の水蒸気を吸水することで、双眼鏡内部の湿度を低く保つ事が可能となり、温度低下による結露が生じないようにしている。
尚、外装ゴム21は、双眼鏡の主要部を覆い、外部からの衝撃を和らげたり、保持機能を向上させたりする働きがあるが、双眼鏡の密閉性には特に寄与はしていない。すなわち、この外装ゴム21は、本実施例においては密閉構造の外部を覆っているに過ぎない。但し、例えば、外装ゴム21によって、密閉構造の隙間を埋めるような構成とする等のように、外装ゴム21が密閉構造を構成するのに寄与するような構成としても構わないし、外装ゴム21によって、2つの部材を圧接させる(間の空間に隙間が生じない、すなわち水蒸気等が通過しないように接触させる)ような構成としても構わない。
次に、鏡筒部に関して詳細説明をする。
前記対物鏡筒3R’、3L’に保持された対物レンズユニット3R、3Lはそれぞれ、単玉よりなる前群レンズ(勿論複数枚のレンズであっても構わないが、ここでは1枚のレンズの例を示している)と、2枚の貼り合わせ(ここでは、物体側から順に凸レンズ、凹レンズの順に配置されたレンズを貼り合わせているが、順番は逆であっても良いし、また2枚とも凸レンズであっても構わないし、また3枚以上のレンズで構成されていても構わない)よりなる後群レンズを保持している。前記前群レンズは前記対物鏡筒3R’、3L’の前端付近でカシメ保持されており、一方、前記後群レンズは前記対物鏡筒3R’、3L’の後方に押え環で固定されている。そのため、前群レンズと後群レンズの間には、前記対物鏡筒3R’、3L’に囲まれた部分的な空間(密閉空間、屈折光学素子で仕切られた密閉空間)22R、22Lが形成される。本実施例では、この対物鏡筒3R’、3L’の、前群レンズと後群レンズの間の上側と下側の位置(互いに向かい合っている位置)に1つずつ通風穴23R、23Lを設け(23R、23Lはそれぞれが上側と下側の位置に設けられた2個の通風穴を指している)、前記部分的な空間22R、22Lが双眼鏡内部の主たる密閉空間24とつながるように構成してある。ここでは、部分的な空間22R、22Lと主たる密閉空間24とを連通させる手段を通風穴23R、23Lと記載したが、この通風穴(連通手段として使われるもの)は管状(或いは筒状、又はチューブ状)の形状をしていても良い。
一方、接眼光学系6R、6Lは、4つのレンズ群からなっていて(勿論レンズ群の数は4つでなくても構わない)、前方(物体側)の3つのレンズ群の各々は前記接眼鏡筒25R、25Lにカシメ保持されており、4つ目(最も観察者側)のレンズ群は図のように接眼鏡筒25R’、25L’に対してカシメ保持された上で、水蒸気の透過を抑えるための液状接着剤をカシメ部に塗布し硬化させている。そして、この接眼鏡筒25R’、25L’も接眼鏡筒25R、25Lに対してカシメ保持された後、水蒸気の透過を押えるための液状接着剤をカシメ部に塗布し硬化させる。
ここで、接眼光学系の複数のレンズの間には、接眼鏡筒25R、25L、或いは前記接眼鏡筒25R’、25L’に囲まれ、前述の複数のレンズによって仕切られた3つの部分空間(密閉空間)26R、26Lと27R、27Lと28R、28Lとが形成されている。そのため、本実施例では、前記接眼鏡筒25R、25Lに図1に示すような通風穴26R’、26L’と27R’、27L’と28R’、28L’をレンズ鏡筒の円周方向にそれぞれ4箇所ずつ設けている。この3つの部分空間のうち、2つの部分空間(略密閉された2つの空間、レンズ等の光学素子で仕切られた2つの空間)を連通させる通風穴の数は、勿論4個に限らず1個以上あれば良いが、できれば複数箇所設けることが望ましい。さらに、通風穴を2つ設ける場合、その2つの部分空間を仕切る光学素子の光軸(又は2つの部分空間を仕切る光学素子を含む光学系の光軸)回りの回転角度が、略180度(160度以上200度以下)異なる位置(すなわち光軸を挟んで略対向する位置)に設けることが望ましい。少なくとも、その2つの部分空間を連通させる複数の通風穴のうちの第1の通風穴と第2の通風穴とが、その2つの部分空間を仕切る光学素子の光軸、又はその光学素子を含む光学系の光軸回りの回転角度において、互いに120度以上240度以下(好ましくは150度以上210度以下)異なる位置に設けられていることが望ましい。また前述の通風穴23R、23Lと同様に、この通風穴26R’、26L’、27R’、27L’、28R’、28L’(連通手段として使われるもの)は管状(或いは筒状、又はチューブ状、つまり細長い形状のもの)の形状をしていても良い。また、レンズの周辺部に切り欠きを設け、それを通風穴としても良い。
通風穴26R’、26L’は、前記主たる密閉空間24と前記部分的な空間26R、26Lをつなぐために、レンズ間の鏡筒に設けてある。通風穴27R’、27L’は、前記部分的な空間26R、26Lと前記部分的な空間27R、27Lをつなぐために、レンズの周囲(の鏡筒)に設けてある。通風穴28R’、28L’は、前記部分的な空間27R、27Lと前記部分的な空間28R、28Lをつなぐために、レンズの周囲(の鏡筒)に設けてある。つまり、接眼部の前記3つの空間は、主たる密閉空間24に対して、順順につながるようになっている(勿論、順順に繋がっている必要は無く、各々の部分空間と主たる密閉空間とが繋がっていればそれで構わない)。
上記構成において、前述のように、前記吸湿シート20が配置されているため、前記双眼鏡内部の主たる密閉空間24内部に初期(製造時)に侵入していた水蒸気等を、窒素ガスや乾燥空気を充填しなくても吸湿シートで吸収することができ、その結果双眼鏡内部(密閉空間、特に光学系が収納されている空間)の水蒸気圧を低下させる事が可能となる。更に、前述の対物鏡筒3R’、3L’などが樹脂材料で構成されていた場合は、材料内部に水分を含んでおり、その水分が密閉空間内で水蒸気となる可能性や、前述した各「Oリング」や各「シールリング」から水蒸気が発生する可能性を考慮すると、それら保水材に含まれている水分が、主たる密閉空間24の水蒸気圧の低下に伴い徐々に放出されて来ることが考えられるが、それらの水蒸気は、前記吸湿シート20がその都度吸湿するため、密閉空間内の水蒸気圧を低いレベルに保つことができる。ここでは、密閉空間内の水蒸気圧が、摂氏0度、好ましくは摂氏−10度における飽和水蒸気圧よりも低く保つことが可能な構成としていることが望ましい。
同様に、対物鏡筒3R’、3L’内の部分的な空間22R、22Lに含まれている初期水蒸気なども、対物鏡筒3R’、3L’の前群レンズと後群レンズの間の上下位置に設けられた通風穴23R、23Lを通じて前記水蒸気圧の低い主たる密閉空間24に拡散してくるので、吸湿シート20にその都度吸湿されてしまい、その結果、前記対物鏡筒3R’、3L’内の部分的な空間22R、22L内の水蒸気圧が低下し、この双眼鏡(光学機器)を低温度下に放置しても、吸湿シート20が作用している限り、対物レンズは結露しなくなる。
一方、前述の接眼レンズ内の3つの空間26R、26Lと27R、27Lと28R、28Lに関しても同様に、主たる密閉空間24に対して、順順につながるようになっている(勿論、順順に繋がっている必要は無く、各々の部分空間と主たる密閉空間とが繋がっていればそれで構わない)。そのため、部分空間での水蒸気圧は順次低下し、双眼鏡(光学機器)を低温度下に放置しても、吸湿シート20が作用している限り、接眼レンズの結露を防ぐことができる。特に、接眼レンズの後部は、外部に露出しているため、前述したようにレンズ廻りや、前記接眼鏡筒25’廻りのカシメ部には液状接着剤塗布し硬化させているが、若干の水蒸気透過が認められ、上述した各接眼部の通風穴の効果が大きい。
更に、本実施例では、乾燥剤を配置する代わりに窒素ガスや乾燥気体の封入を省略しているが、機器内部の構成部品において保水量がほとんどない、或いは、機器の密閉度が高く、水蒸気の透過も非常に少ないと予想される機器構成では、窒素ガスや乾燥気体の封入のみで耐結露効果が期待できる。しかしながら、先に示したように、本実施例のような通風穴を設けるようにすれば、機器内部の主たる空間に対して窒素ガスや乾燥気体の封入を行えば、(主たる空間以外の部分空間等も含めた)密閉空間の初期水蒸気圧を低下させることができ、その低下した水蒸気圧分の水蒸気を吸湿可能な吸湿シートを密閉空間内部に配置しておけば足りる。
尚、通風穴の大きさに関しては、水蒸気の必要透過速度で決まるため、流量が必要な部分は大きめに設定するなどする場合や、上記窒素ガスや乾燥気体の封入のみで耐結露効果を出す状況では前期窒素ガスや乾燥気体の封入速度を設定する場合には、実験で確認しながら決定するとよい。最も径が小さいレンズの屈折面の面積に対して0.01%以上5%以下の断面積を持つ通風穴とすることが望ましい。
本実施例においては、双眼鏡について説明したが、本発明は双眼鏡に限定されるものではなく、観察者と観察物間の距離を測定する、単眼式の距離測定装置等、望遠鏡、顕微鏡等の観察光学系や、カメラ、ビデオカメラ、交換レンズ等の撮影光学系や、プロジェクタ等の投射光学系等を有する防水型光学機器に広く用いることができ、特に適用分野を限定するものでない。
本発明の実施例における防湿構造を有する双眼鏡を上方から見て光軸で切断した水平断面図。 本発明の実施例における防湿構造を有する双眼鏡を側面から見た垂直断面図。
符号の説明
2R、2L:保護ガラス
3R、3L:対物レンズユニット
3R’、3L’:対物鏡筒
4R、4L:接眼ユニット
5R、5L:正立プリズムユニット
6R、6L:接眼光学系
20:吸湿シート
22R、22L:部分的な空間
23R、23L:通風穴
24:主たる密閉空間
25R、25L,25R’、25L’:接眼鏡筒
26R、26L,27R、27L,28R、28L:部分的な空間
26R’、26L’,27R’、27L’,28R’、28L’:通風穴

Claims (7)

  1. 所定空間を囲み、外部から該所定空間への水分の侵入を防ぐ構成を有する筐体と、
    前記所定空間内において、第1部分空間と第2部分空間とを仕切るように配置されたレンズと、
    前記レンズの外周部に前記レンズの一部を切り欠いて形成され、前記第1部分空間と前記第2部分空間とを連通させる通風穴と、
    前記第1部分空間内部に配置された吸湿部材と、を有し、
    前記通風穴は前記レンズの屈折面の面積に対して0.01%以上5%以下の断面積を持つことを特徴とする光学機器。
  2. 前記レンズは、前記通風穴が形成された複数のレンズで構成され、該複数のレンズが前記所定空間内を複数の部分空間に仕切るように配置され、
    前記通風穴の前記レンズにおける0.01%以上5%以下とされている比率が、前記複数のレンズのうち最も径が小さいレンズの屈折面の面積に対する比率であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記筐体が、前記所定空間を密閉していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学機器。
  4. 前記通風穴は、前記レンズに2つ形成され、
    前記レンズの光軸回りの回転角度において、前記レンズに形成された2つの通風穴の位置は120度以上240度以下異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学機器。
  5. 前記レンズの光軸回りの回転角度において、前記2つの通風穴の位置は150度以上210度以下異なることを特徴とする請求項4に記載の光学機器。
  6. 前記光学機器が、可搬型の観察光学機器であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学機器。
  7. 前記光学機器が、双眼鏡であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学機器。
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