JP4662123B2 - レーザ共焦点顕微鏡システム - Google Patents
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Description
ここで使用されるマルチ波長用ダイクロイックミラー4は、レーザ光1を透過し、試料8からの蛍光を反射するように設計されている。
すなわち、蛍光は励起用レーザ光の百万分の1のオーダーの微弱な信号強度であり、そのように微弱な蛍光を観察するためには、信号である蛍光とノイズである励起用レーザ光のSN比を確保する必要がある。そのためには、例えばレーザ光阻止能力が高い分光用光学フィルタを用いる必要があり、また光学系には蛍光ノイズを発生しない物質を使う必要があった。
なお、このようなレーザ共焦点顕微鏡においては、試料に、励起光の照射により燐光を発する物質を標識しておき、その燐光を検出して試料を観測することもできるが、この場合も上記と同様の課題がある。
レーザ光を励起光としたニポウディスク型の共焦点スキャナを使用したレーザ共焦点顕微鏡システムにおいて、
前記レーザ光を所定の時間間隔でオン・オフして計測対象を繰返し照射し、
前記計測対象から放射された燐光が前記共焦点スキャナにより結像した共焦点画像を前記レーザ光の各オフ後に前記カメラで撮像し、レーザ光のオン・オフ毎に取得される画像に基づいて前記計測対象の動態を計測するように構成したことを特徴とする。
本発明は、レーザ光の照射が終った後も発光を続けるという燐光の特性を巧みに利用したもので、レーザ光のオフ後に燐光共焦点スキャナからの共焦点画像を計測することにより、レーザ光がノイズとして混入しない高SN比の画像を容易に得る。
また、請求項3のように、前記レーザ光がオンの期間中はメカニカルシャッタにより前記カメラに光が入らないようにすることができる。このような構成にすると、さらにSN比を向上させることができる。
また、前記メカニカルシャッタとして、請求項5のように、光の遮断と透過を繰り返す回転式のシャッタを使用することができ、さらに、請求項6のように、回転式シャッタの回転を、前記共焦点スキャナに使用のマイクロレンズディスクの回転と同期させると、レーザ光をマイクロレンズアレイの1回転の間に高速に複数回オン・オフさせることができる。
請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ共焦点顕微鏡システムにおいて、各部の動作を同期して制御する同期制御回路と、計測動作の制御や取得した画像の表示あるいは保存を行うことができるワークステーションを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、オペレータはワークステーションを操作して、計測動作の開始や、取得した画像の画面の表示あるいは保存を適宜指示して実行させることができる。
なお、高反射ミラー4aに代えてダイクロイックミラーを使用しても構わない。
同期制御回路80の制御によりレーザ制御回路90を駆動し、半導体レーザ20からレーザ光を発生[以下オン(ON)という]させる。レーザは燐光共焦点スキャナ30を通って顕微鏡40に送られ、測定対象の試料41を照射する。
このようにノイズとなるレーザ光をOFFした後に画像を取得するので、ノイズ光の影響を受けずに燐光だけを検出して観察することが可能となる。
なお、このような計測動作の開始や、取得した画像の保存あるいは表示などは、ワークステーション100からの指示に基づいて行われる。
このディレイタイムtdは、イメージインテンシファイヤなどを使用している場合にはそこで発生する燐光ノイズを除去するのに役立つ。
その後、引き続き電子シャッタをONにして、燐光共焦点スキャナ30を介して受光される燐光だけ受光して撮像する。
以上の動作の繰返しにより、試料内の動態を容易に観測することができる。
このような動作によれば、さらに燐光の受光量を増やしてSN比を向上させることができる。
回転数/秒×(回転式シャッタの回転羽根の開口部の数)
の速さで高速にON/OFFさせることができる。
例えば、3000RPM(=50Hz)でマイクロレンズディスク2が回転していて、開口部の数が6個である場合は、300回/秒のON/OFF切換えが可能となる。
例えば、上記実施例におけるカメラ70として、図9に示すように、カラーの分光カメラ70aを使用してもよい。モノクロカメラ1台で分光を行うためには、カメラの前に分光器を設置して、時分割分光を行うことが必要であるが、図9に示すような分光が可能なカメラ(例えば、3板式カラーカメラ)を使用すれば、空間的に同時分光でき、高速な画像取得が可能である。
あるいはまた、図10に示すような、空間的に分光を行う分光器71の後にモノクロカメラ72を必要な本数設置する構成としても、同様に空間的に同時分光でき、高速に画像を取得することができる。
2 マイクロレンズディスク
3 マイクロレンズ
4a 高反射ミラー
5 ピンホールディスク
6 ピンホール
7 対物レンズ
9 リレーレンズ
11 部材
20 レーザ
30 燐光共焦点スキャナ
40 顕微鏡
41 試料
50 分光器
60 メカニカルシャッタ
60a 回転シャッタ
61 回転羽根
62 透過部
63 遮光部
70 カメラ
70a 分光カメラ
71 分光器
72 モノクロカメラ
80 同期制御回路
90 レーザ制御回路
100 ワークステーション
Claims (9)
- レーザ光を励起光としたニポウディスク型の共焦点スキャナを使用したレーザ共焦点顕微鏡システムにおいて、
前記レーザ光を所定の時間間隔でオン・オフして計測対象を繰返し照射し、
前記計測対象から放射された燐光が前記共焦点スキャナにより結像した共焦点画像を前記レーザ光の各オフ後に前記カメラで撮像し、レーザ光のオン・オフ毎に取得される画像に基づいて前記計測対象の動態を計測するように構成したことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡システム。 - 前記カメラとして、電子シャッタを有するCCDカメラを使用し、前記レーザ光がオンの間は受光した光を捨て去り、レーザ光がオフの間だけ受光する燐光を検出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記レーザ光がオンの期間中はメカニカルシャッタにより前記カメラに光が入らないようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記レーザ光のオフ時からカメラの画像蓄積開始時までの間に所定のディレイタイムを設け、燐光ノイズの影響を受けないように構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記メカニカルシャッタとして、光の遮断と透過を繰り返す回転式のシャッタを使用したことを特徴とする請求項3または4に記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記回転式シャッタの回転を、前記共焦点スキャナに使用のマイクロレンズディスクの回転と同期するように構成したことを特徴とする請求項5に記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記カメラとして、多色の分光カメラを使用したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 前記カメラに代えて、前記燐光共焦点スキャナからの光を分光する分光器と、この分光器からの分光をそれぞれに検出する複数個のモノクロカメラを使用したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
- 各部の動作を同期して制御する同期制御回路と、計測動作の制御や取得した画像の表示あるいは保存を行うことができるワークステーションを備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ共焦点顕微鏡システム。
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