JP4662097B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板、特に、高発熱の半導体チップを搭載するための放熱板付キャビティを有するボールグリッドアレー(以下、BGAという。)パッケージ用基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の枝術】
半導体の集積度が向上するに従い、入出力端子数が増加している。従って、多くの入出力端子数を有する半導体パッケージが必要になった。一般に、入出力端子はパッケージの周辺に一列配置するタイプと、周辺だけでなく内部まで多列に配置するタイプがある。前者には、QFP(Quad Flat Package)が代表的である。これを多端子化する場合は、端子ピッチを縮小することが必要であるが、0.5mmピッチ以下の領域では、配線板との接続に高度な技術が必要になる。後者のアレイタイプは比較的大きなピッチで端子配列が可能なため、多ピン化に適している。従来、アレイタイプは接続ピンを有するPGA(Pin Grid Array)が一般的であるが、配線板との接続は挿入型となり、表面実装には適していない。このため、表面実装可能なBGA(Ball Grid Array)と称するパッケージが開発されている。
【0003】
このようなBGAは、従来例えば図2に示すように、両面銅箔2付きの絶縁基板1を、絶縁基板1をルータ加工機により、部品搭載部形成用の開口部3を形成し、化学銅めっき及び電解銅めっきを行って、前記絶縁基板開口部の樹脂部の露出した部分41および銅箔表面に、銅めっき膜4を形成し、更に、感光性ドライフィルムレジスト膜5を両面貼付し、所望するパターン形状に紫外線にて露光し現像して、各々のレジスト膜51を形成した後、はんだめっき膜6を形成し、レジスト膜51を剥離し、アルカリエッチング液により表層導体401をエッチングして、絶縁基板開口部側面の銅めっき41部分を残したまま、所望する回路パターンを形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の方法では、ドライフィルムレジストの密着性が悪く、はんだめっきのレジスト下部へのしみ込みが原因で、形成した回路パターンは、ショート不良が発生したり、更に、はんだめっき工程とはんだ剥離工程があり、製造工程が長いという課題があった。
【0005】
本発明は、歩留が高く、かつ、リードタイムの短い開口部を有するプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のことを特徴とする。
(1)基板中に大きな開口部を有するプリント配線板の製造方法であって、銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板に大きな開口部を形成し、その開口部の壁面を含めた全表面にめっきを行い、一方の面に比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートすると共に、他方の面には比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートし、前記一方の面及び他方の面のエッチングレジスト用ドライフィルムの組み合わせにより、前記開口部内壁に形成する導体回路を形成するためのエッチングレジストを密着させ、両面の回路をフォトマスクを介して焼き付け、現像して、前記開口部のエッチングレジストが残るようにエッチングレジストを形成し、化学エッチングして不要な銅をエッチング除去し配線回路を形成するプリント配線板の製造方法。
(2)比較的薄いエッチングレジストを形成した面の配線回路の導体幅が、0.06mm以下かつ導体間隔が0.06mm以下である(1)に記載のプリント配線板の製造方法。
(3)一方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが40μm以下であり、他方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが75μm以上である(1)または(2)に記載のプリント配線板の製造方法。
(4)銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板の両面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さの合計が100μm以上である(1)〜(3)のうちいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の、基板中に大きな開口部を有するプリント配線板は、その開口部に半導体チップを搭載するために設けるものであり、その大きさは、半導体チップの外形より大きく、一方の面には、導体幅が0.06mm以下の配線回路を有すると共に、その開口部内壁から、配線回路が連続して他方の面の配線回路に接続されているものである。
この基板は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板などを用いることができる。
配線の構造には、片面配線、両面配線、多層配線いずれの構造でもよく必要に応じて用いることができる。特に多層配線の中でも高密度に対応できる非貫通孔を設けた配線板を用いれば、部品実装の面積割合が多いため信頼性確保が難しいが、上記の導電性粒子を含む接着剤を介して接着した金属箔を導体パターンに用いて、接続信頼性を向上することが可能となる。非貫通孔を設けた配線板には、内層回路板の表面に絶縁層を形成し、その絶縁層にレーザ法やフォト法で非貫通孔を設け、内層回路と接続した導体回路を形成し、これを順次繰り返して作製するビルドアップ法で作製した基板を用いることができる。
【0008】
このようなプリント配線板を製造するには、銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板に大きな開口部を形成し、その開口部の壁面を含めた全表面にめっきを行い、一方の面に比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートすると共に、他方の面には比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートし、両面の回路をフォトマスクを介して焼き付け、現像して、エッチングレジストを形成し、化学エッチングして不要な銅をエッチング除去し配線回路を形成することによって行うことができる。
【0009】
ここでいう、比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムと比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムは、通常のプリント配線板の製造に用いるものが使用でき、樹脂と光硬化剤(光開始剤)を溶剤に溶解し、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの支持フィルム上に塗布・乾燥したいわゆるドライフィルムの性状のものである。
そして、比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートした面には、比較的薄いエッチングレジストを形成し、導体幅が、0.06mm以下かつ導体間隔が0.06mm以下である配線回路を形成するために用い、比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートした面には、比較的厚いエッチングレジストを形成し、導体幅が、0.06mm以上かつ導体間隔が0.06mm以上である配線回路を形成するために用いるものであるが、単に形成する導体幅によってラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さを変えているのみではなくて、比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムと比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムの組み合わせにより、開口部内壁に形成する導体回路を形成するためのエッチングレジストを密着させることができるものである。
この組み合わせは、微妙なバランスが必要で、よく使用されている現在の仕様では、基板の厚さによっても異なるが、一方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが40μm以下であり、他方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが75μm以上であることが好ましい。また、銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板の両面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さの合計が100μm以上であってもよい。
【0010】
例えば、図1(a)に示すように絶縁樹脂基板1の表裏両面に、銅箔2が貼り合わされた絶縁基板1に、図1(b)に示すように、部品搭載用の基板開口部3を形成するため、ルータ加工機により開口部を加工・形成する。
【0011】
次に、図1(c)に示すように、化学銅めっき更に電解めっきを行い、銅箔2上および絶縁基板の開口部内壁にも銅めっき膜41を形成する。
【0012】
図1(d)に示すように、銅めっき膜41上全面に表裏のレジスト厚さの異なる感光性ドライフィルム51,52をラミネートし、細線が必要な面に25μm厚さのエッチングレジスト用ドライフィルムであるH−W425(日立化成工業株式会社製、商品名)、および細線が必要でない面に75μm厚さのエッチングレジスト用ドライフィルムH−W475(日立化成工業株式会社製、商品名)をドライフィルムラミネータを用いてラミネートする。更に、図1(e)に示すように、所望のレジストパターンが得られるれように、ネガフィルムを用いて露光機により、紫外線露光し、現像機によりレジストを現像し、所望のレジストパターン510、520を形成する。このとき、基板の開口部のレジスト530が現像後にも残るようにする必要がある。
【0013】
次に、図1(f)に示すように、塩化第二銅エッチング液により露出しためっき銅と銅箔をエッチング除去し、更に、図1(g)に示すように、レジスト剥離機によりレジストを剥離する。
【0014】
その開口部のドライフィルムのテントの破れ有無について、開口サイズとドライフィルム厚さの関係でテストした結果を、表1に示す。この表は、絶縁基板の厚さが0.15mmの場合である。開口サイズが10×10mm〜25×25mmの範囲では、表裏のドライフィルムの合計厚さが100μm以上の場合、テントの破れが無いことが判る。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
上記のように本発明は、窓開口部のドライフィルムの破れ無くテントが張れることから、はんだめっき剥離法でなく、テンティング法により回路形成が出来て歩留が向上した。更に、はんだめっき工程が省略出来るので工程短縮が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)はそれぞれ、本発明の一実施例の各工程での断面図である。
【図2】(a)〜(g)はそれぞれ従来例の各工程での断面図である。
【符号の説明】
1.絶縁樹脂基板 2.銅箔
3.基板の開口部 41.銅めっき膜
510、520.レジストパターン 530.開口部のレジスト
6.はんだめっき
Claims (4)
- 基板中に大きな開口部を有するプリント配線板の製造方法であって、銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板に大きな開口部を形成し、その開口部の壁面を含めた全表面にめっきを行い、一方の面に比較的薄いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートすると共に、他方の面には比較的厚いエッチングレジスト用ドライフィルムをラミネートし、前記一方の面及び他方の面のエッチングレジスト用ドライフィルムの組み合わせにより、前記開口部内壁に形成する導体回路を形成するためのエッチングレジストを密着させ、両面の回路をフォトマスクを介して焼き付け、現像して、前記開口部のエッチングレジストが残るようにエッチングレジストを形成し、化学エッチングして不要な銅をエッチング除去し配線回路を形成するプリント配線板の製造方法。
- 比較的薄いエッチングレジストを形成した面の配線回路の導体幅が、0.06mm以下かつ導体間隔が0.06mm以下である請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
- 一方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが40μm以下であり、他方の面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さが75μm以上である請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
- 銅張り積層板もしくは内層回路を有する銅張り積層板の両面にラミネートするエッチングレジスト用ドライフィルムの厚さの合計が100μm以上である請求項1〜3のうちいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
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