JP4662015B2 - 電気化学素子用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池、キャパシタなどの電気化学素子に利用可能な電極及びこれを用いた電池に関する。
電池、キャパシタなどの電気化学素子においては、低コスト化のために種々の検討が続けられている。
例えば、水酸化ニッケルを正極活物質として用いるアルカリ蓄電池では、水酸化ニッケルを結着剤、増粘剤などとともに水又は溶剤に分散させてペースト状とし、これを発泡ニッケルなどの導電性の多孔性基材に塗布して充填した非焼結式ニッケル電極が広く用いられている。ニッケル電極は、通常、電池内においてアルカリ溶液中で過充電されて、酸素ガス雰囲気にさらされるため、結着剤としては、酸化されにくい安定な化合物が必要とされている。この様な条件を満足する物質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が最適とされており、多孔性基材を用いた非焼結式ニッケル電極においても、通常、結着剤としてはPTFEが使われている。
このような非焼結式ニッケル電極は、活物質である水酸化ニッケルの充填密度を高くすることが可能であり、しかも電極の製造が簡単である等の利点を有するが、その一方で、発泡ニッケルなどの多孔性基材を作製するためには、ウレタンフォームにニッケルなどの金属をメッキした後、還元性雰囲気で焼結させ、さらにウレタンフォームを除去するという煩雑な工程が必要となり、コストが非常に高くなるという問題を抱えている。
そこで、この様な基材に代えて、金属板の上下に金属繊維等を付けた基材を集電体とすることや(特許文献1参照)、エンボス加工で押圧力を付加し、凹凸部を設けた金属板を基材とすること(特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、エンボス加工で凹凸部を設けた基材を用いる場合には、正極の作製コストは低減されるものの、PTFEを結着剤として用いると正極活物質が基材から脱落しやすくなる。これは、PTFEが圧力を加えると線状に伸びる性状を有するために、プレス、切断等の処理を行う際に、正極活物質層が基材から滑り、剥離、脱落が起こり易いことによるものと考えられる。また、電池の充放電を行うと、活物質が膨張収縮を繰り返すため、やはり正極活物質層が基材から剥離しやすくなる。その結果、基材との接触抵抗が増加して、充電されにくくなり、充電時の酸素発生も増加して十分な放電容量が得られず、サイクル劣化が早期に生じることになる。
このような問題を解決するため、他のバインダーも種々検討されているが、例えば、基材との接着力の強いバインダーは、活物質の反応を阻害し易く、活物質と基材との接触抵抗を増加させて基材の集電性能の低下という問題をより大きくする場合がある。さらに、円筒型セルに挿入するために電極を捲回構造にすると、電極活物質層が硬いために捲回時に巻きずれが起こったり、活物質層に割れが生じたりして、短絡を発生する場合もある。従って、良好な特性が得られるバインダーについては、未だ実用化されるには至っていない。
また、これらの基材は、従来の多孔性基材を用いる場合と比較すると、集電性能が悪く、正極の利用率を十分に高くすることができない。
さらに、これらの基材は、通常、機械加工により作製されるために、基材表面には機械加工による突起部が生じており、電極活物質組成物を連続塗布する際に、この突起部がドクターブレードに引っ掛かって基材を破損させることがある。また、電極活物質組成物を均一に塗布することが難しく、成形後の電極表面に基材の一部が露出して短絡の原因にもなる。
このような問題を回避するために、ドクターブレードの隙間を広げると、基材の中央だしが難しく、両面を均一に塗布することが困難である。更に、基材から離れた活物質量が増加し、集電性能が悪くなって利用率が低下するという問題もある。
一方、円筒型セルに電極を挿入する場合には、電極を渦巻状に捲回する必要があるが、電極が硬い場合には活物質層にひびや割れが生じて活物質の剥離や脱落が生じ易く、電池の短絡が生じる恐れもある。このため、電極活物質層の柔軟性についても、改善が望まれている。
特開平9−265991号公報 特開平10−106580号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、金属板を基材として用いた場合に生じる上記のような問題を解消し、活物質の利用率が高くサイクル特性が良好であり、しかも生産性にも優れた低コストの電気化学素子用電極、およびこれを備えた電池を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、金属板を特定の構造に加工して得られる凹凸構造を有する電極基材に、マレイン酸系樹脂とフッ素系樹脂を含有する電極活物質組成物を塗布し、圧縮して電極を作製することにより、上記した目的を達成することが可能となることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の電気化学素子用電極の製造方法及び電池を提供するものである。
1. 一方の面と他方の面に交互に突出するように形成された多数の突起部を有する金属板からなる電極基材に電極活物質層を形成し、これを圧縮することによる電気化学素子用電極の製造方法であって、
(i)該電極基材は、突起部に対応する反対面が凹部となっており、
各突起部は、突出部である上底の面積が下底の面積よりも狭い円錐台状又は角錐台状であり、
各突起部には、上底から下底方向に向かって打ち抜かれた打ち抜きバリを有する孔が形成されており、
前記突起の上底の面積をc、上底側の開口部の面積をs、打ち抜きバリの高さをh、圧縮前の電極基材全体の厚さをdとしたときに、c>s≧0.1mm2 かつ0.2≦h/d≦0.95の条件を満足するものであり、
(ii)該電極活物質層は、電極活物質、マレイン酸系樹脂及びフッ素系樹脂を含有する電極活物質組成物を電極基材に塗布し、乾燥してなるものであり、
(iii)圧縮前の電極基材全体の厚さをd、圧縮後の電極の厚さをtとしたときに、0.2≦t/d≦0.95となるように圧縮する
ことを特徴とする電気化学素子用電極の製造方法
2. 圧縮後の電極の厚さが0.08〜1.5mmである上記項1に記載の電気化学素子用電極の製造方法
3. 電極活物質組成物中のマレイン酸系樹脂が、マレイン酸とスチレンの共重合体であり、フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである上記項1又は2に記載の電気化学素子用電極の製造方法
4. 電極基材の突起部が、三角錐台状または四角錐台状である上記項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
5. 電極基材の突起部における上底側の開口部の形状が、正三角形、長方形又は正方形である上記項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
6. 圧縮前の基材全体の厚さが0.085〜1.2mmであり、基材の重量が50〜450g/m2である上記項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
7. 電極基材の突起部に形成された打ち抜きバリの先端部が電極活物質層の表面に露出していない上記項1〜6のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
8. 上記項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られた電極を構成要素として含む電池。
本発明の電気化学素子用電極は、一方の面と他方の面に交互に突出するように形成された多数の突起部を有する金属板からなる電極基材に電極活物質層を形成し、これを圧縮してなるものである。以下、この電極を構成する要素について、詳細に説明する。
電極基材
本発明で用いる電極基材は、一方の面と他方の面に交互に突出するように形成された多数の突起部を有する金属板からなるものであり、該金属板は、突起部に対応する反対面が凹部となっており、各突起部は、突出部である上底の面積が下底の面積よりも狭い円錐台状又は角錐台状であり、各突起部には、上底から下底方向に向かって打ち抜かれた打ち抜きバリを有する孔が形成されていることを特徴とするものである。
図1は、電極基材の一例について、その平面の外観を模式的に示す平面図である。また、図2は、電極基材の一例の縦断側面図である。
これらの図面に記載された電極基材51は、一方の面と他方の面に交互に突出するように形成された多数の突起部54を有する金属板である。各突起部は、突起部に対応する反対面が、凹部となった構造である。
この様な構造の金属板は、例えば、エンボス加工を行うことによって容易に作製することができる。このため、従来の発泡ニッケルなどの多孔質基板と比較して、低コストの基材となる。
金属板の種類については、特に限定的ではなく、例えば、鋼板、銅板、アルミ板、亜鉛板、鉛板、ニッケル板等の単一元素による金属板の他、すず亜鉛、ステンレス、黄銅等の合金板も用いることができる。これらの金属板は、ニッケルめっき、銅めっき、亜鉛めっき等各種めっきを施して用途に適した材料として用いることができる。また、アニール処理等の方法で硬度を制御したものを用いることもできる。
金属板の厚さについては、特に限定的ではないが、活物質の充填量を考慮すると薄いほどよく、基材強度を考慮すると厚いほどよい。例えば、0.005〜0.10mm程度の厚さのものを用いることができる、0.01〜0.05mm程度の厚さのものが好ましい。
前後左右に隣接する突起部54については、金属板の表裏に交互に突出させて、金属板51を表裏対称構造とすることが好ましい。この様な構造とすることによって、金属板51の両面のペースト塗布量を均一にして、電極形成時のプレス加工において、電極のそりを抑制して生産性を向上させることができる。
各突起部54では、突出部である上底52の面積を下底53の面積より小さくする。これにより、ペースト状の電極合剤組成物を塗布する際に、該組成物が突起部54の反対面の凹部に入り易くなり、ペースト状の活物質組成物の充填率を向上させることができる。
突起部54の形状については、特に限定的ではなく、角錐台状、円錐台状等とすることができる。例えば、角錐台としては、三角錐台、四角錐台、五角錐台、六角錐台などの各種の形状とすることができるが、特に、三角錐台、四角錐台などの形状として、できるだけ最密の配列となるように突起部を形成することにより、活物質の利用率を向上させて、集電性能の向上を図ることができる。特に、四角錐台状の場合には、製造が容易であって、電極合剤の保持性能にも優れたものとなる。図1は、四角錐台状の突起部を有する電極基材の平面図であり、図9は別の実施態様である三角錐台の突起部を有する電極基材の平面図である。
各突起部54には、上底52から下底53方向に向かって打ち抜かれた打ち抜きバリ55を有する孔56が形成されている。打ち抜きバリ55を上底から下底に向かって作製することにより、基材表面に鋭利な金属突起が出ないため、電極活物質組成物を連続塗布する際に、ドクターブレードの引っ掛かりによる基材の破断が生じることがなく、電極活物質組成物の均一な塗布も容易となる。さらに、成型後の電極表面にも基材が露出しないので、短絡を防止することができる。
上底52に形成される孔56の形状は、特に限定ではないが、上底側の開口部52aの形状が多角形であることが好ましい。具体的には、三角形、四角形、五角形、六角形など各種の多角形とすることができるが、特に、上底側の開口部の形状が、正三角形、長方形、正方形などの場合には、製造が容易である。
上底側に形成される開口部52aの面積については、特に限定的ではないが、上底52の面積をc、上底側の開口部52aの面積をsとした場合に、c>s≧0.1mm2の関係を満足することが好ましい。即ち、開口部52aが四角形の孔である場合には、四角形を形成する4辺のうちの一辺の長さ(長方形である場合は長辺)をa、その隣の辺(開口部が長方形である場合は短辺)の長さをb(すなわち、開口部の形状が正方形の場合はa=bであり、長方形の場合はa>bである)とし、突起部の上底52の面積をcとしたときに、上底側開口部52aの面積a×bは、c>a×b≧0.1mm2の関係を満たすことが好ましい。この様な条件を満足することによって、突起部の内部にペースト状の電極活物質組成物が充填されやすくなり、電極活物質層の剥離を抑制することができる。
開口部の面積の上限については、特に限定的ではないが、大きすぎると活物質の集電が取れ難くなるので、100mm2程度以下であることが適切であり、10mm2程度以下であることが好ましい。
従来の3次元発泡体に塗布する際に用いる電極活物質を含むペーストは、800〜2000mPa・s程度の粘度を有するものであるが、これを金属板などの二次元的な素材に塗布すると、乾燥時にペーストが垂れて、均一な厚さの極板を得ることができない。一方、ペーストの粘度を4000〜20000mPa・s程度まで高くすると、打ち抜いた穴の中までペーストが充填されにくく、この状態でプレスを行うと活物質層が剥離しやすくなる。
本発明で用いる電極基材では、上記した条件を満足する開口部を形成することによって、開口部からペーストが充填されやすくなり、電極活物質層の剥離を抑制することができる。特に、その上底側の開口部の一辺の長さbを0.05mm程度以上にすることにより、孔の中にペーストが充填され易くなり、活物質層の剥離抑制効果が良好となる。
開口部に形成される打ち抜きバリ55については、上底から下底に向けて打ち抜くことによって、ほぼ角錐状の形状となる。この際、打ち抜きバリ55の高さをh、電極基材の厚さをdとした場合に、0.2≦h/d≦0.95の関係を満足することが好ましい。バリの高さをこの範囲とすることによって、電極活物質層を形成し、圧縮して電極を作製する際に、バリの先端部が突起部の下底部分の面を越えて表面に突出することを防止できる。
また、h/dが0.2以上であることによって、電極活物質層の保持能力が向上して生産性が改善され、また、活物質の近傍にバリが存在することにより活物質から基材までの距離が短縮されて導電性が向上する。
突起部54を含む電極基材の厚さは、圧縮前において、0.085〜1.2mm程度であることが好ましい。この程度の範囲とすることによって電極活物質層の保持力が良好になる。また、基材の重量は、基材強度、電気抵抗などを良好とするために50g/m2程度以上であることが好ましい。また、加工性や高容量化のためには、450g/m2程度以下であることが好ましい。
電極活物質組成物
電極活物質組成物としては、電極活物質、マレイン酸系樹脂及びフッ素系樹脂を含有するペースト状の組成物を用いる。
これらの成分の内で、マレイン酸系樹脂を添加することによって、活物質組成物の接着強度が向上し、高い圧縮率で圧縮して高容量の電極とすることが可能となる。更に、活物物質層の剥離が減少して歩留まりが向上する。また、充放電の際に活物質層が膨張・収縮を繰り返しても剥離することがなく、接触抵抗の増加や充電時の酸素発生を抑制できる。このため、例えば、3次元発泡体に代えて、上記した金属板を加工してなる基材を用い、これをアルカリ蓄電池用電極として用いる場合に、利用率、サイクル特性などに優れたアルカリ蓄電池を得ることができる。
また、フッ素系樹脂を用いることにより、接着剤のみでは不足する活物質層の柔軟性を向上させることができる。その結果、円筒セル用に電極を捲回した構造とする場合であっても、曲げ応力を吸収して巻きずれを防ぎ、活物質層の強度や成形性を保って活物質層の剥離や脱落、短絡の発生等を防ぐことができる。
この様に、本発明では、電極活物質組成物中に、マレイン酸系樹脂とフッ素系樹脂を同時に含有させることによって、活物質層の結着性と柔軟性を向上させることが可能となる。この様な電極活物質組成物を上記した電極基材に塗布することによって、低コストで活物質の利用率が高く、しかも生産性に優れた電極を得ることができる。
マレイン酸系樹脂としては、マレイン酸類とエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を用いることができる。
単量体成分とするマレイン酸類としては、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸金属塩、マレイン酸アンモニウム塩、マレイン酸エステル、マレイン酸アミド等を用いることができる。
エチレン性不飽和モノマーとしては、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニルピロリドン、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、2−アクルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン酸、3−メタクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸メチルスルホン酸、メタクリル酸メチルスルホン酸、アクリル酸−2−エチルスルホン酸、メタクリル酸−2−エチルスルホン酸、アクリル酸−3−プロピルスルホン酸、メタクリル酸−3−プロパンスルホン酸、アクリル酸−2−メチル−3−プロピルスルホン酸、メタクリル酸−2−メチル−3−プロピルスルホン酸、アクリル酸−1,1′−ジメチル−2−エチルスルホン酸、メタクリル酸−1,1′−ジメチル−2−エチルスルホン酸またはそれらの塩、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、含フッ素エチレン、スチレンまたはその誘導体、ビニルアニルベンゼン、N−ビニルアセトアミド、オレフィンなどを用いることができる。中でもスチレンが好適に用いられる。
マレイン酸類とエチレン性不飽和モノマーとの割合は、必要に応じて適宜変更可能であるが、マレイン酸類とエチレン性不飽和モノマーとの合計量を基準として、マレイン酸類のモル比xが0<x≦0.5程度であることが好ましく、0.3≦x≦0.5程度であることがより好ましく、x=0.5程度であることが特に好ましい。
マレイン酸系樹脂には、更に、親水基などが導入されていても良い。
マレイン酸系樹脂は、重量平均分子量が10,000〜10,000,000程度、好ましくは50,000〜10,000,000程度、さらに好ましくは500,000〜10,000,000程度であるのがよい。この様な分子量のマレイン酸系樹脂を用いることにより、活物質表面および基材表面への高い吸着効果が得られ、また、溶剤への好適な分散性を維持し、電極乾燥の際に優れた造膜性を発揮することができる。更に、高出力化のために活物質層の塗膜を薄膜化する場合でも、接着強度にすぐれた電極を得ることができる。
尚、マレイン酸系樹脂が架橋している場合には、一般に、架橋部分の結合が耐アルカリ性、サイクル特性、貯蔵安定性などに悪影響を及ぼすので、3次元に架橋していないマレイン酸系樹脂を用いることが好ましい。
マレイン酸系樹脂は、通常、水中に分散乃至溶解した状態で活物質組成物に添加される。この場合、マレイン酸系樹脂は、水溶液の状態でも良く、或いは、ノニオン系、アニオン系などの界面活性剤で覆われていても良く、更に、一般にソープフリーと呼ばれる状態でも良い。
フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン等を用いることができる。これらのうちで、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。フッ素系樹脂の重量平均分子量は10,000〜10,000,000程度が好ましく、50,000〜10,000,000程度がより好ましい。
電極活物質としては、電極の使用目的に応じて、公知の活物質を適宜選択して用いることができる。
例えば、アルカリ蓄電池用のニッケル極として用いる場合には、活物質として水酸化物ニッケルなどを用いることができる。この場合、水酸化ニッケルとしては、正極活物質の利用率を向上させるため、表面がコバルト化合物粒子で被覆されたものが好ましい。コバルト化合物の被覆量については、導電性を向上させるとともに、正極に用いる際の活物質充填量に影響を与えない範囲にするため、水酸化ニッケル100重量部に対してコバルト化合物の量が2〜6重量部程度とすることが好ましく、3〜5重量部とすることがより好ましい。さらに、被覆するコバルトとして、酸化数が2.6〜3.1程度と高次に酸化されたものを用いることによって、さらなる導電性の向上と、優れたサイクル特性、貯蔵特性を得ることができる。コバルトの酸化数が小さすぎる場合には、高い利用率が得られないばかりか、還元されやすく、優れたサイクル特性、貯蔵特性を得ることはできないので好ましくない。また、コバルトの酸化数が大きすぎる場合には、酸化が進みすぎて導電性が減少し、高い利用率を得ることができない。被覆コバルトの価数を上げる方法としては、表面がコバルト化合物で被覆された水酸化ニッケルを、過酸化水素などの酸化剤とアルカリ溶液とによって酸化する方法や、水酸化ニッケル、コバルト化合物、酸化剤、アルカリ溶液等を混合して、価数の高いコバルト化合物で被覆する方法などがある。水酸化ニッケルとしては、サイクル特性向上のためには亜鉛を固溶したものを用いることが好ましく、充電効率向上のためにはコバルトを固溶したものを用いることが好ましい。亜鉛の固溶量としては、ニッケルに対して2〜5%程度が好ましく、コバルトの固溶量としては、ニッケルに対して0.7〜3%程度が好ましく、1〜2%程度がより好ましい。さらに充電効率向上の手段として、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、ビスマス(Bi)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)等を固溶させてもよいし、これらを活物質表面に偏析させてもよい。
電極活物質組成物としては、上記した電極活物質、マレイン酸系樹脂及びフッ素系樹脂の他に、必要に応じて、導電助剤、増粘剤などを加え、溶媒中に分散させて得られるペースト状の組成物を用いることができる。
導電助剤としては、例えば、ニッケル、コバルト、銅などの金属粉末;黒鉛、アセチレンブラックなどの炭素粉末;酸化スズ、酸化コバルト、水酸化コバルトなどの金属化合物等を用いることができる。
特に、アルカリ電解液と組み合わせて用いる場合には、導電性化合物による導電性ネットワークの形成が可能なコバルト化合物を用いることが好ましい。また、活物質層の導電性を高めて活物質の利用率を向上させるために、導電助剤としては一般に微粒子状態のものが用いられる。また、充電効率向上のために、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、水酸化カドミウム等を添加してもよい。
増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリル酸などを用いることができる。
電極活物質組成物は、上記した各成分を溶媒中に分散させて、ペースト状とすることによって得ることができる。溶媒の種類については特に限定的ではなく、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールに代表されるアルコールなどの有機溶剤などを用いることができる。これらの溶剤はそれぞれ単独で用いてもよく、或いは二種以上混合して用いても良い。
電極活物質組成物における各成分の混合比率については、特に限定的ではなく、電極特性に必要な条件や、塗布条件等によって適宜変更可能である。例えば、活物質100重量部に対して、導電助剤1〜10重量部程度、添加剤0.1〜3重量部程度、増粘剤0.05〜1重量部程度とし、マレイン酸系樹脂については、0.01〜10重量部程度、フッ素系樹脂を0.01〜10重量部程度とすればよい。また、溶媒量は目的のペースト粘度になるよう調節すればよく、ペースト粘度としては、100〜20000mPa・s程度が好ましく、2000〜4000mPa・s程度がより好ましい。
電極の作製方法
本発明の電極は、上記した電極活物質組成物を電極基材に塗布し、乾燥した後、圧縮することによって得られるものである。
電極活物質組成物を塗布する方法については、特に限定はなく、例えば、通常の方法と同様に、電極基材をペースト状の電極活物質組成物中を通過させればよい。その他、刷毛塗りや電極活物質組成物を両面から噴射させる方法などを適宜適用して、基材の全体に電極活物質組成物を塗布してもよい。
電極活物質組成物を塗布した後、必要に応じて、例えば、ドクターブレード法などによって、塗布された活物質組成物の表面を均一な状態とすればよい。これにより、図3(a)に示すように、電極基材に電極活物質組成物を塗布、充填させることができる。
その後、塗布された電極活物質組成物を乾燥させて、電極活物質層を形成する。乾燥条件にいては、特に限定はないが、通常、60℃〜120℃程度の温度範囲で乾燥させればよい。
活物質層を形成した後、電極全体を所定の厚さとなるように圧縮することによって、図3(b)に示すような目的とする電気化学素子用電極を得ることができる。
圧縮方法については特に限定的ではなく、公知の加圧成形の手段を利用すればよい。
圧縮後の電極については、圧縮後の電極の厚さをt、圧縮前の電極基材の厚さをdとした場合に、0.2≦t/d≦0.95となるようにすることが好ましい。また、圧縮後の電極の厚さは、0.08〜1.5mm程度であることが好ましい。
圧縮比(t/d)が、0.2を下回る場合や、圧縮後の電極の厚さが0.08mm未満となる場合には、電極内での空孔が少なくなって、電解液が入り難くなり、放電特性が低下するので好ましくない。また、大きな圧力で圧縮する必要があり、必然的に電極が伸び易くなり活物質の脱落等が生じ易くなる。
一方、圧縮比(t/d)が0.95を上回る場合や、圧縮後の電極の厚さが1.5mmを越える場合には、電極中の空孔が多くなって活物質間の接触が十分にとれず、利用できない活物質が生じて、十分な容量を得ることができないので好ましくない。
尚、基材の突起物、即ち、バリ状の鋭角な基材が電極表面に出ると、活物質組成物塗布時にドクターブレードに引っ掛かることがあり、更に、電極捲回時にはセパレータを突き破って短絡発生の原因となる。このため電極表面には基材の突起が出ない構造とすることが好ましい。
電極の用途
上記した方法で得られる本発明の電極は、各種の電気化学素子用の電極として有効に用いることができる。例えば、ニッケル水素蓄電池用の水酸化ニッケル正極として用いる場合には、セパレータを介して対極(負極)と共に積層し、そのままか、あるいは必要に応じて渦捲状などに捲回して捲回体とし、電解液と共に金属缶などの密閉容器に封入して電池とすることができる。
この場合、負極としては、例えば、カドミウム電極、亜鉛電極、水素吸蔵合金電極などを用いることができる。水素吸蔵合金電極の場合には、活物質である水素吸蔵合金としては、希土類−Ni系、ラーベス系、Mg−Ni系、V−Ti−Ni系などの各種水素吸蔵合金を用いることができる。これらの内で、ミッシュメタルを用いた希土類−Ni系水素吸蔵合金が好ましく、特に、少なくともNi、Co、MnおよびAlを含み、元素比でミッシュメタル(Mm)1に対してNi、Co、Al、Mn、Mgが、それぞれ3.4〜4.3、0.2〜0.7、0.1〜0.5、0.1〜0.4、0.01〜0.1の各範囲にある水素吸蔵合金を用いることが好ましい。正極に形成される導電性コバルト酸化物は、負極の水素吸蔵合金の腐食により生成した水素ガスあるいは水素吸蔵合金から溶出したマンガンイオンなどにより還元されるが、上記組成の水素吸蔵合金は比較的容量が大きく腐食も少ないために特に有用である。
本発明の電極は、上記したアルカリ蓄電池用の水酸化ニッケル正極のみならず、負極に用いることもできる。更に、アルカリ一次電池、ニッケル電池、リチウム一次電池、リチウム二次電池、キャパシタなど、他の電気化学素子への適用も可能である。これらの用途に用いる場合には、本発明の電極を対極、電解液等と組み合わせて、目的とする電池やキャパシタの電気化学素子を構成すればよい。
本発明の電気化学素子用電極は、簡単な機械加工によって作製できる比較的低コストの電極基体を用いたものであって、活物質の利用率が高く、導電性が良好であり、サイクル特性にも優れた電極である。
また、加工性にも優れ、例えば、捲回構造とした場合にも、活物質の剥離や脱落が生じ難く、短絡も発生し難いため、優れた性能の電池を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下において、特に言及しない限り、「部」とあるのは重量部を意味し、「%」とあるのは重量%を意味する。
実施例1
下記の方法により、ニッケル水素電池を作製した。
正極の作製
(1)正極活物質組成物の調製
コバルト1%と亜鉛4%を固溶した、細孔半径のピーク値が0.7nmの水酸化ニッケル粒子100部を、過酸化水素5重量%と水酸化ナトリウム30重量%を含有する水溶液5部と10分間混合し、100℃で13.3kPaの真空下で30分間乾燥させた。
その後、水酸化コバルト6部と40%の水酸化ナトリウム水溶液10部を添加し、空気中110℃で攪拌しながら、40分間乾燥を行った。
活物質粉体の酸化処理はグラニュレータドライヤー(深江パウテック社製:FMD−10J型)を用いて行った。
このようにして得られた活物質粉末100部に、水酸化コバルト粉末5部、2%カルボキシメチルセルロース水溶液5部、5%ポリスチレンマレイン酸水溶液20部及び60%ポリテトラフルオロエチレン分散液1.7部を添加し、混合して、ペースト状の正極活物質組成物を調製した。
(2)基材の作製
厚さ25μmのSPCC鋼板を素材として用い、以下の方法により図1及び図2に示す電極基材を作製した。
まず、図4に示すように、SPCC鋼板19を、反対方向に回転する上下一対のエンボスロール20a、20bの間隙部分Sを通過させて、多数の突起部分を有する金属板を作製した。
図5(a)・(b)に、それぞれ、エンボスロールの平面図と断面図を示す。各エンボスロール20a・20bの表面には、多数の凸部21と凹部22とが、縦横交互に互い違いに碁盤の目状に配設されている。各凸部21は、下広がりの四角錐台状に突出形成されており、その突出部27の中央部には、四角錐状の微小凹部24が凹み形成されている。各凹部22は、上広がりの四角錐台状に凹み形成されており、その陥没部28の中央部には、四角錐状の微小凸部25が突出形成されている。かかる微小凸部25を構成する四角錐の各片は、鋭利な刃となっている。凸凹部21・22および微小凹凸部24・25は、平面視で正方形状を呈している。
図6に示すごとく、上下のエンボスロール20a・20bの凸凹部21・22および微小凹凸部24・25は、互いに食い違うように配設されている。すなわち、上側のロール20aの凸部21と対峙する位置に、下側のロール20bの凹部22が位置しており、同様に上側のロール20aの微小凸部24と対峙する位置に、下側のロール20bの微小凹部25が位置している。かくして、上下のエンボスロール20a・20bの間隙部分Sは、上下の凸凹部21・22および微小凹凸部24・25がかみ合う波歯型状となる。
この様な上下一対のエンボスロール20a・20bの対向する間隙部分Sに、平板状の金属板19を送り込むと、上下の凸凹部21・22によって、図1及び図2に示すように、金属板の表裏面に交互に突出するように四角錐台状の突起54がエンボス加工により形成される。それと同時に、各突起54内に四角錐状の小凹部58が形成されるとともに、この小凹部58の中央部が微小凸部25で突き破られて、十字手裏剣状の開口56(四角孔)が形成される。小凹部58は、4枚の花弁状のバリが拡開する花弁形状となる。
この様にして得られた基材では、鋼板の表裏両面に、一辺が0.6mmの正方形の上底(面積c=0.36mm2 )52と、一辺が1.0mmの正方形の下底53とを有する四角柱状(四角錐台状)の突起54が碁盤の目状に形成されていた。各突起54の上底52には、下底53に向かって、打ち抜きバリ55を有し且つ上底側開口部52aの形状が0.4mm×0.4mm(一辺の長さa=0.4mm、その隣の辺の長さb=0.4mm、上底側開口部の面積ab=0.16mm2 )の正方形である四角穴56が形成されていた。このとき、表裏両面の突起54を含む金属板51の全体の厚みdは0.44mm(d=0.44mm)であり、打ち抜きバリの高さhは、0.18mmであった。また、突起形成後の金属板51の重量は215g/m2 であった。
この様にして得られた突起部を有する金属板に、厚さ3μmのニッケルめっき皮膜を形成することにより、電極基材を得た。
図7は、このようにして得られた基材の表面の凹凸状態を示すために、基材表面を斜め方向から撮影(倍率20倍)した写真である。尚、図1及び図2の図面は、金属板(SPCC鋼板)51の表裏両面に突起54が形成されている様子を概略的に示したものであり、各部の寸法を正確に反映させたものではない。
(3)電極活物質組成物の塗布
次いで、図3(a)に示すように、上記正極活物質組成物ペーストを基材に塗布し、0.5mmの間隔のブレードを通し、均一厚みの塗布物にした。この塗布物を85℃で1時間乾燥した後、9.8×103N/cm(1トン/cm)の線圧力で加圧成形してシート状にし、これを幅36mm、長さ100mmに裁断して、理論容量が450Ahの非焼結式正極を作製した。圧縮後の電極の厚さtは、0.24mmであり、0.2≦t/d≦0.95を満たすものとなっていた。このとき、図3(b)に示すように、金属板51の打ち抜きバリ55の先端部は、電極活物質層57の表面に露出していなかった。
負極の作製
市販のMm、Ni、Co、Mn、Alの各試料をMmNi3.9、Co0.6、Mn0.35、Al0.25、Mg0.05(MmはLa70%、Ce12%、Nd14%、Pr4%を含有する)の組成になるように高周波溶解炉によって加熱溶解して、水素吸蔵合金を得た。この水素吸蔵合金を機械的に粉砕することにより、平均粒子径が35μmの水素吸蔵合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末100部に、カルボニルニッケル粉末1部、5%ポリ−N−ビニルアセトアミド水溶液10部および40%スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体1.7部を添加し混合して、負極活物質含有ペーストを調整した。この負極活物質含有ペーストをパンチングメタルからなる多孔性基材に塗布して充填し、乾燥して負極活物質層を形成した後、加圧成形してシート状とした。これを幅36mm、長さ120mmに裁断して水素吸蔵合金負極を作製した。
アルカリ蓄電池の作製
上記した正極と負極を、ポリプロピレン不織布からなるセパレータを介して捲回し、得られた捲回構造の電極体を有底円筒状の電池缶に挿入後、電解液(17g/リットルのLiOHと33g/リットルの酸化亜鉛を含む28.5重量%のKOH水溶液)を注入した後、電池缶の開口部を封口して、単4形のアルカリ蓄電池を作製した。
得られたアルカリ蓄電池の概略の断面図を図8に示す。図8において、1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は捲回構造の電極体、5は電池缶、6は環状ガスケット、7は電池蓋、8は端子板、9は封口板、10はゴム弾性体、11はゴム弾性体10と一体となって形成されたゴム製弁体、12は正極リートド体、13、14は絶縁体である。
正極1および負極2はそれぞれ上記した方法で得られたものである。セパレータ3はポリプロピレン不織布からなるものであり、正極1と負極2はこのセパレータ3を介して重ね合わせられ、渦捲状に捲回して作製した捲回構造の電極体4として、電池缶5に挿入され、その上部には絶縁体14が配置されている。また、電池缶5の底部には上記捲回構造の電極体4の挿入に先立って絶縁体13が配設されている。図8には示されていないが、負極2の最外周部では多孔性基材の一部が露出して電池缶5の内壁に接触しており、それによって、電池缶5は負極端子として作用する。環状ガスケット6はナイロン66で作製され、電池蓋7は端子板8と封口板9とで構成され、電池缶5の開口部はこの電池蓋7などで封口されている。
電池缶5の開口端近傍部分には、底部が内周側に突出した環状の溝5aが形成されている。その溝5aの内周側突出部で環状ガスケット6の下部を支えさせて環状ガスケット6と電池蓋7とを電池缶5の開口部に配置し、電池缶5の溝5aから先の部分を内方に締め付けることによって電池缶5の開口部が封口されている。
前記端子板8にはガス排出孔8aが設けられ、封口板9にはガス検知孔9aが設けられ、端子板8と封口板9との間にはゴム弾性体10およびゴム製弁体11が配置されている。そして、封口板9の外周部を折り曲げて端子板8の外周部を挟み込んで端子板8と封口板9とを固定している。
この電池は、通常の状況下ではゴム弾性体10の押圧力によりゴム製弁体11がガス検知孔9aを閉鎖しているので、電池内部は密閉状態に保たれているが、電池内部にガスが発生して電池内部の圧力が異常に上昇した場合には、ゴム弾性体10が収縮してゴム製弁体11とガス検知孔9aとの間に隙間が生じ、電池内部のガスはガス検知孔9aおよびガス排出孔8aを通過して電池外部に放出され、高圧での電池破裂が防止できるように構成されている。更に、ガス放出により電池内圧が低下した場合には、ゴム弾性体10が元の状態に復元し、その押圧力によりゴム製弁体11が再びガス検知孔9aを閉鎖して電池内部を密閉状態に保つようになっている。
正極リード体12は、ニッケルリボンからなり、その一方の端部は正極2の支持体にスポット溶接され、他方の端部は封口板9の下端にスポット溶接されていて、端子板8の封口板9との接触により正極端子として作用する。
比較例1
正極活物質組成物に60%ポリテトラフルオロエチレン分散液1.7部を添加することなく、それ以外は、実施例1と同様にして非焼結式正極を作製し、これを用いて実施例1と同様にして単4形のアルカリ蓄電池を作製した。
比較例2
正極活物質組成物において、5%ポリスチレンマレイン酸水溶液20部と60%ポリテトラフルオロエチレン分散液1.7部に代えて、50%ポリスチレンアクリル酸エチル分散水溶液4部を用い、それ以外は実施例1と同様にして非焼結式正極を作製し、これを用いて単4形のアルカリ蓄電池を作製した。
比較例3
正極用の電極基材において、各四角柱状突起の四角穴の上底側の開口部を0.2mm×0.2mmの正方形としたこと以外は、実施例1と同様にして非焼結式正極を作製し、これを用いて単4形のアルカリ蓄電池を作製した。尚、この非焼結式正極では、上底側の開口部の面積は0.04mm2であり、s=ab≧0.1mm2 の条件を満足しないものであった。
比較例4
正極用の電極基材において、各四角柱状の突起の上底を1.2mm×1.2mm(面積c=1.44mm2 )の正方形とし、下底を1.6mm×1.6mmの正方形としたこと、および上底側の開口部を1.0mm×1.0mm(a=1.0mm、b=1.0mm、面積ab=1.0mm2 )の正方形とし、打ち抜きバリの高さhを0.45mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして非焼結式正極を作製し、これを用いて単4形のアルカリ蓄電池を作製した。このとき、正極用電極基材は、全体厚さd=0.44mmであり、h/d=1.02となり、0.2≦h/d≦0.95の条件を満たさないものであった。
比較例5
実施例1における正極の作製工程において、基材に電極活物質組成物を塗布した後、圧縮時の圧力を高くして、圧縮後の正極の厚さtを0.066mmとして、正極を作製した。この正極は、圧縮前の基材の厚さdが0.44mmであることから、t/d=0.15であり、0.2≦t/d≦0.95の条件を満足しないものであった。得られた電極には反りや亀裂が生じており、実用に供することのできないものであった。
《評価》
活物質の接着性
実施例1および比較例1〜4で作製した電極(正極)をセパレータを介して対極(負極)と捲回した。その後、捲回体をほどいたときの様子を観察し、正極からの活物質の剥離があるか否かを目視により確認して、以下のごとく評価した。
「○」:剥離は一切認められない。
「×」:剥離が生じていることが認められる。
表1に示す通り、実施例1、比較例2及び比較例4では、活物質層の剥離は認められなかった。これに対して、比較例1では、捲回時に活物質層に割れが生じ、捲回体をほどいた際に脱落を生じた。また、比較例3では、電極基材の各突起部に形成した四角穴が小さいために活物質層の剥離が生じた。
短絡発生率
実施例1および比較例1〜4のアルカリ蓄電池について、電池作製時の短絡発生率を表2に示す。
表2に示すとおり、実施例1及び比較例2は短絡が発生しなかった。一方、比較例1では、活物質層の割れが原因で、14/100個の割合で短絡が発生した。比較例3では、活物質層の剥離が原因で、3/100個の割合で短絡が発生した。比較例4では、基材の打ち抜きバリが電極表面に露出し、数多くの短絡が認められた。
電池特性
実施例1と比較例1〜4のアルカリ蓄電池を、それぞれ60℃で6時間エージングした後、0.02C(9mA)で10時間充電した。続いて、0.2C(90mA)で6時間充電し、0.2C(90mA)で1.0Vまで放電した。この充放電サイクルを放電容量が一定になるまで繰り返した。
次に25℃、1C(450mA)で、充電電圧がピーク値から5mV低下するまで充電を行い、1C(450mA)で1.0Vまで放電し、この充放電サイクルを初期の放電容量の8割まで低下するまで行った。また、1サイクル目の利用率を求めた。これらの結果を、表3に示す。
実施例1では、利用率が93%であり、サイクル数は950となった。また、比較例2についても、利用率が90%であり、サイクル数も700サイクルを越えた。
これに対して、比較例1と比較例3では、活物質層の剥離のため、利用率の低下が生じ、さらに、サイクル中にも、充放電によって活物質の膨潤やガス発生のため、活物質層の剥離が加速されてサイクル数が低下した。また、比較例4では、基材の露出があるため、微小短絡を生じ、見かけの利用率が低下した。また、サイクル数も、それにともなって減少した。
また、45℃、1C(450mA)で、充電電圧がピーク値から10mV低下するまで充電を行い、1C(450mA)で1.0Vまで放電し、この充放電サイクルを初期の放電容量の8割まで低下するまで行った。これらの結果を、表4に示す。
この実験では、45℃で充放電を行ったことにより、25℃で充放電を行った場合と比較すると、全体として高温の影響でサイクル数は短くなったが、実施例1では、サイクル数は710に達した。
一方、比較例1、3及び4では、25℃で充放電を行った場合と同様の理由により、いずれも500サイクル以下となった。比較例2では、接着剤として用いたポリスチレンアクリル酸エチルが高温で分解して電池寿命の劣化を促進し、サイクル数は180サイクルと大きく減少した。
電極基材の平面図。 電極基材の縦断側面図。 (a)は活物質組成物を塗布した状態の電極の縦断側面図、(b)は圧縮後の電極の縦断側面図。 電極基材の製造工程の概略図。 (a)はエンボスロールの一部の拡大平面図、(b)は(a)のA−A線断面図。 一対のエンボスロールの対向部の拡大断面図。 実施例1で作製した基材表面を斜め方向から撮影(倍率20倍)した写真。 実施例1で作製した電池の構造を示す断面図。 他の実施態様の電極基材の一部の拡大平面図。
符号の説明
51 金属板(基材)、 52 突起部の上底、 52a 上底側の開口部、
53 突起部の下底、 54 突起部、 55 打ち抜きバリ、 56 孔、
57 電極活物質層
19 金属板、 20a、20b エンボスロール、 21 凸部、 22 凹部、
24 微小凹部、 25 微小凸部、 27 突出部、 28 陥没部、
1 正極、 2 負極、 3 セパレータ、 4 電極体、5 電池缶、
6 環状ガスケット、7 電池蓋、 8 端子板、 9 封口板、
10 ゴム弾性体、 11 ゴム製弁体、 12 正極リートド体、
13、14 絶縁体

Claims (8)

  1. 一方の面と他方の面に交互に突出するように形成された多数の突起部を有する金属板からなる電極基材に電極活物質層を形成し、これを圧縮することによる電気化学素子用電極の製造方法であって、
    (i)該電極基材は、突起部に対応する反対面が凹部となっており、
    各突起部は、突出部である上底の面積が下底の面積よりも狭い円錐台状又は角錐台状であり、
    各突起部には、上底から下底方向に向かって打ち抜かれた打ち抜きバリを有する孔が形成されており、
    前記突起の上底の面積をc、上底側の開口部の面積をs、打ち抜きバリの高さをh、圧縮前の電極基材全体の厚さをdとしたときに、c>s≧0.1mm2 かつ0.2≦h/d≦0.95の条件を満足するものであり、
    (ii)該電極活物質層は、電極活物質、マレイン酸系樹脂及びフッ素系樹脂を含有する電極活物質組成物を電極基材に塗布し、乾燥してなるものであり、
    (iii)圧縮前の電極基材全体の厚さをd、圧縮後の電極の厚さをtとしたときに、0.2≦t/d≦0.95となるように圧縮する
    ことを特徴とする電気化学素子用電極の製造方法
  2. 圧縮後の電極の厚さが0.08〜1.5mmである請求項1に記載の電気化学素子用電極の製造方法
  3. 電極活物質組成物中のマレイン酸系樹脂が、マレイン酸とスチレンの共重合体であり、フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1又は2に記載の電気化学素子用電極の製造方法
  4. 電極基材の突起部が、三角錐台状または四角錐台状である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
  5. 電極基材の突起部における上底側の開口部の形状が、正三角形、長方形又は正方形である請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
  6. 圧縮前の基材全体の厚さが0.085〜1.2mmであり、基材の重量が50〜450g/m2である請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
  7. 電極基材の突起部に形成された打ち抜きバリの先端部が電極活物質層の表面に露出していない請求項1〜6のいずれかに記載の電気化学素子用電極の製造方法
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られた電極を構成要素として含む電池。
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