JP4661173B2 - 時計 - Google Patents
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Description
この発明によれば、固定部材が軸に嵌合することで、固定部材が軸に対して固定される。また、固定部材および暦表示部材のいずれか一方に突起が形成され、いずれか他方に係合孔が形成されているので、固定部材と暦表示部材とが連結される。したがって、軸を回動させると、固定部材が回動し、この回動に伴って暦表示部材が回動して暦を表示する。
また、この発明によれば、突起および係合孔が軸の中心に対して非対称の位置に形成されているので、固定部材と暦表示部材との取付の相対位置が決まるため、暦表示部材の軸に対する位相がずれるのを防止できる。これにより、暦表示部材の暦が正しく表示され、また、暦表示部材の取付向きを間違えることがなくなるので、取付作業が容易となる。
この発明によれば、暦表示部材には孔が形成され、この孔には軸の小径部が貫通する。
暦表示部材を挟んで大径部と反対側には、嵌合孔の内周が小径部に嵌合する固定部材が設けられる。これにより、暦表示部材は、軸の大径部と固定部材との間に挟持されるので、固定部材を軸に嵌合させるだけで暦表示部材が軸に取り付られるから、暦表示部材の取付構造が簡単となる。
この発明によれば、突起が係合孔に圧入されるので、固定部材と暦表示部材とが圧入によって固定される。これにより、固定部材と暦表示部材とがより確実に固定され、また、暦表示部材が回動する際のがたが除去されるので、暦表示部材の回動動作がスムーズとなる。
この発明によれば、暦表示部材と同軸上に別の暦表示部材が設けられ、これらが互いに連動して動作するので、例えば2種類の異なる暦の表示や、1種類でも2桁の暦の表示などが可能となる。これにより、表示できる暦の種類が多くなり、暦表示機能の汎用性が向上する。また、暦表示部材と別の暦表示部材とがともに小径部に設けられて同軸上に配置されているので、省スペース化が促進される。
この発明によれば、小径部の外周に歯が形成され、嵌合孔内周に突起が形成されるので、固定部材を軸に嵌合させる際には、突起が歯に係合する。したがって、軸に対して固定部材が回動するのが防止され、固定部材によって位相決めされた暦表示部材の回動も防止される。これにより、暦表示部材がより確実に固定される。
図1には、本実施形態にかかる時計1の平面図が示されている。この図1に示されるように、時計1は、時計本体部1Aと、この時計本体部1Aに連結されたバンド1Bとを備えた腕時計である。時計本体部1Aは、ケース2と、ケース2に設けられた円盤状の文字板21とを備え、この文字板21の上面には、秒針31、分針32、および時針33からなる指針3が設けられている。文字板21には、その円周に沿って時刻を示す数字や記号、文字などが等間隔に配置されており、各指針が指し示す数字や記号、文字などにより現在時刻が表示される。したがって、文字板21と指針3とを備えて本発明の時刻表示手段が構成されている。
日表示機構4は、文字板21上の12時方向に配置された略矩形状にくりぬかれた日表示窓22と、ケース2内部に収納された暦表示部材および別の暦表示部材としての日車41A,41Bとを備えている。日表示窓22の内側からは、日車41A,41Bの一部が露出しており、これらの日車41A,41Bによって表示された「1」から「31」までのいずれか1つの数字によって暦の「日」が表示される。
月表示機構6は、文字板21上の6時方向に配置されて円形に形成された月表示部24と、文字板21を貫通して設けられる指針61とを備えている。月表示部24には、その円周に沿って暦の「月」を示す、例えば「JAN」(1月を示す)から「DEC」(12月を示す)まで記号(文字)が等間隔に配置されており、指針61が指し示す文字によって暦の「月」が表示される。
年表示機構7は、文字板21上の8時方向に配置されて円形に表示された年表示部25と、文字板21を貫通して設けられる指針71とを備えている。年表示部25には、その円周に沿って「0」から「3」までの数字が等間隔に表示されており、指針71が指し示す数字によって、「0」であればその年が閏年であることが表示され、「1」、「2」、および「3」のいずれかであればその年が閏年からそれぞれ何年目であるかが表示される。
圧電アクチュエータ42は、振動子である圧電素子を備え、この圧電素子の振動により圧電ロータ42Aの外周を突っつき、これによって圧電ロータ42Aを回転させる。圧電ロータ42Aには、輪列43に噛合するロータかな42Bが一体的に形成されており、圧電ロータ42Aの回転はロータかな42Bを介して輪列43に伝達される。
輪列43は、増速比が適切に設定され、圧電ロータ42Aの回転運動を適宜増速して制御車44に伝達する。
制御車44は、同軸上に3つの爪車を備えている。これらの爪車は、その周方向に互いに数が異なる送り爪を備えて構成されている。
暦表示機構40の年表示機構7は、月表示用輪列62の1つに噛合する年表示用輪列72と、年表示用輪列72に噛合する年車73とを備えている。年車73には前述の指針71が固定されている。月表示用輪列62が回動すると、この回動運動が年表示用輪列72を介して年車73に伝達され、指針71が回動する。
暦表示機構40の日表示機構4は、制御車44の2つの送り爪にそれぞれ噛合する日回し車45,46と、日回し車45に噛合する前述の日車41Aと、日回し車46に噛合する前述の日車41Bとを備えている。
制御車44が回動すると、2つの送り爪によってそれぞれ日回し車45,46が回動し、日車41A,41Bが回動する。
軸81は、大径部811と小径部812とを有する段差付きの略円筒形に形成されている。大径部811および小径部812の外周は、それぞれ歯形形状に形成されており、大径部811は日回し車45に噛合している。なお、日回し車45は、スペーサ84に形成された切欠部843に収納され、スペーサ84と地板11との間に回転可能に挟持されている。
小径部812は、スペーサ84の内周841、歯車83の孔831、および日車41Aの孔411を貫通して文字板21側に突出している。
軸81の内周には、ピン85が貫通している。ピン85は一端に大径部851を有し、この大径部851は、地板11側に配置されている。ピン85の他端は軸81の端面から所定寸法突出しており、このピン85の端面が文字板21の高さ位置を決定する位置決め部材としての機能を果たしている。
ここで、凸部822の軸81に対する圧入力、つまり固定部材82の軸81に対する固定力は、時計1を日車41Aが日車41Bの鉛直方向下となるような向きに配置したときに、日車41Aおよび日車41Bの自重を支えることができる程度に設定されていればよい。
図6には、日車41Aの平面図が示されている。この図6に示されるように、日車41Aには、突起823に対応する位置に、突起823がそれぞれ嵌合する嵌合孔412が形成されている。
また、日回し車46が回動すると、歯車83が軸81に対して回動し、日車41Bが回動する。日車41Bの回動により、日表示窓22から視認可能な数字が変更され、暦の「日」の1の位の数字が変更される。
また、日車41A,41Bを取り付ける際には、日車41Bを歯車83とともに軸81に貫通させ、さらに日車41Aを軸81に貫通させる。このとき、日表示窓22から表示される数字が日車41Bでは「1」、日車41Aでは「0」となるように位置合わせ(位相合わせ)をする。その後、固定部材82を軸81および日車41Aに押しつけることによって、固定部材82の凸部822を軸81の小径部812に圧入し、固定部材82の突起823を嵌合孔412に圧入する。
(1) 固定部材82が軸81に圧入されることで軸81と固定部材82とが固定されて日車41A、41Bが取り付けられるので、固定部材82を軸81から脱着することで、日車41A,41Bを簡単に脱着できる。この際、日車41A,41Bは軸81に圧入されないので、取り外し、取付の際に日車41A,41Bが変形するのを防止できるから、メンテナンスを容易にできる。
また、繰り返しの脱着によって固定部材82の固定力が弱くなった場合でも、日車41A,41Bを交換する必要がなく、固定部材82のみを交換すればよいので、交換部品を最小限に抑制できるとともに、交換費用を最小限に抑制できる。
暦表示部材および別の暦表示部材は、同軸上に設けられていなくてもよく、例えば同じ平面上に隣接して設けられていてもよい。また、暦表示部材および別の暦表示部材は、互いに連動して2桁の「日」の暦を表示するものに限らず、その他例えば「日」と「曜日」、「月」と「日」、「年」と「月」など、任意の暦の組み合わせを表示するものであってよい。
さらに、暦表示部材は、二つ設けられるものに限らず、一つであっても、三つ以上であってもよい。
係合孔は、突起が嵌合する嵌合孔に限らず、単に係合するだけの係合孔であってもよい。また、突起および係合孔は二つ設けられているものに限らず、一つであってもよく、また三つ以上であってもよい。
固定部材の材料は、弾性を有するものに限らず、任意の材料を採用できる。
軸は、大径部および小径部を有するものに限らず、例えば同一径寸法の円柱状に形成され、軸の一方の端部側に固定部材を配置し、他方の端部側に暦表示部材の孔よりも大径の部材を配置して、この部材と固定部材との間で暦表示部材を挟持してもよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 時刻を表示する時刻表示手段を有する時計であって、
暦を表示する暦表示部材と、
前記暦表示部材を貫通する軸と、
弾性を有する材料で構成され、前記暦表示部材の表示側において前記軸の端部に着脱可能に嵌合固定される固定部材とを備え、
前記固定部材および前記暦表示部材のいずれか一方には、突起が形成され、いずれか他方には前記突起が係合する係合孔が形成され、
前記突起および前記係合孔は、少なくとも二つ設けられ、前記軸の中心に対して非対称の位置に形成され、
前記暦表示部材は、前記突起及び前記係合孔のみが係合することによって、前記固定部材を介して前記軸に軸支されて回動することを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記軸は、大径部および小径部を有し、
前記暦表示部材には、前記軸の前記小径部が貫通する孔が形成され、
前記固定部材には、前記軸が嵌合する嵌合孔が形成され、
前記嵌合孔は、前記暦表示部材を挟んで前記大径部とは反対側で前記小径部と嵌合する
ことを特徴とする時計。 - 請求項1または請求項2に記載の時計において、
前記突起は、前記係合孔に圧入される
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の時計において、
前記暦表示部材は、円盤状に形成され、
前記軸は、大径部および小径部を有し、
前記暦表示部材と前記大径部との間には、前記暦表示部材とは径の異なる円盤状の別の暦表示部材が設けられ、
前記暦表示部材と前記別の暦表示部材とは互いに連動して動作する
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の時計において、
前記軸は、大径部および小径部を有し、
前記固定部材には、前記軸の前記小径部が嵌合する嵌合孔が形成され、
前記嵌合孔が嵌合される前記小径部の外周には、歯形形状の歯が形成され、
前記嵌合孔内周には前記歯に係合する突起が形成される
ことを特徴とする時計。
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