JP4659951B2 - 温度検知方法、貴金属焼結品の製造方法、及び七宝製品の製造方法 - Google Patents

温度検知方法、貴金属焼結品の製造方法、及び七宝製品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波の電磁波(マイクロ波)により加熱する各種の家庭用電子レンジを用いて簡易炉内の温度を容易に且つ短時間に検知することができる温度検知方法、貴金属焼結品の製造方法、及び七宝製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より飲食品等の調理、加熱等に用いられて広く一般に普及している家庭用電子レンジを、クラフト等の趣味の分野における加熱装置として使用する試みがなされている。
即ち飲食品の加熱等への利用は、飲食品中に含有される水(水分子)をマイクロ波により振動させて直接的に加熱する方法であり、クラフト等の趣味の分野においての利用は、マイクロ波吸収材を発熱体として使用することにより、簡易炉内に入れた被加熱体を間接的に加熱する方法である。
そして、このマイクロ波吸収材を発熱体として使用した簡易炉は、家庭用電子レンジにてマイクロを照射することで、炉内温度を1000℃付近まで容易に且つ極めて短時間に加熱することができ、クラフト等の趣味の分野において極めて有効である。七宝や陶芸などにおいては既に電気炉も市販されているが、温度コントロールに時間がかかり、前記家庭用電子レンジを用いる簡易炉に比べて極めて高価であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記家庭用電子レンジを用いた簡易炉では、極めて短時間で高温に達するという利点がある反面、外部から内部の状態を視認できないために、マイクロ波照射時間の僅かな超過により、例えば金属焼結体では収縮が大きくなったり、焼結体が溶融して所望の造形体が得られないことがあった。
また、温度計や熱伝対といった各種の温度測定装置を簡易炉内に取り付けることは電子レンジ内という特殊な環境下であるために極めて困難であった。
さらに、幾つかの予備実験(試し焼き)を行って焼結状態を確かめる方法は、原材料が極めて安価であれば有効の場合もあるが、貴金属粘土のような比較的高価な原材料では特に原材料コストやエネルギーコストが無駄に消費され、経済的には有効でなかった。
しかも簡易炉の内部温度は、家庭用電子レンジの規格、内部容積、簡易炉内のマイクロ波吸収材など極めて多くの要因により影響されるため、例えば同じ造形用粘土を用い、同じ簡易炉を用い、電子レンジのマイクロ波照射時間を同じにしたとしても、異なるメーカーの異なる電子レンジを用いた場合には焼結状態に大きな差異が生ずることもあった。また同一の電子レンジを用いたとしてもマイクロ波吸収材の劣化等により、発熱速度が次第に低下することもあった。
そこで、本出願人は、マイクロ波吸収材を発熱体として使用した簡易炉の内部温度を容易に且つ速やかに検知することができ、貴金属粘土や七宝のように特に原材料コストが高価な製造に際して好適に利用することができる方法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、軟化点が既知のガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内の温度がガラス成形体の軟化点に達したことを検知するようにしたことを特徴とする温度検知方法に関するものである。また、前記ガラス成形体を用いる代わりに、軟化点が既知のガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置すると共に、耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内の温度がガラス支持部の軟化点に達したことを検知するようにしても良い。
【0005】
さらに本発明は、貴金属焼結品の製造に際して前記の温度検知方法によって、簡易炉内の温度がガラス成形体の軟化点に又はガラス支持部の軟化点に達したことを検知しつつ焼結を行うようにした貴金属焼結品の製造方法をも提案する。加えて、同様に前記の温度検知方法を適用した七宝製品の製造方法をも提案する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガラス材料の軟化を応用し、マイクロ波吸収材を発熱体として使用する簡易炉の炉内温度を検知する方法である。
【0007】
本発明に使用される軟化点が既知のガラス成形体は、市販のガラス棒、ガラス管等でも良いし、それらを適宜形状に変形、成形したものでも良いし、或いは軟化点が既知のガラス粉末の一種以上を用いて適宜形状に成形したものでも良い。
周知のようにガラス材料はその組成により軟化点が決まっており、例えばソーダガラスでは組成により若干異なるものの軟化点はおよそ750〜800℃程度で比較的低く、ホウ珪酸ガラスでは軟化点はおよそ800〜850℃程度で比較的高い。さらに、軟化点が既知(組成が既知)のガラス粉末にSiO2、ZrO、アルミナ粉末等の耐火性の高い物質を所定の組成比で混合して成形体とすると、軟化点を適宜に調整することができる。
また、二種以上のガラス成形体を使用する場合には、その組成比を変更することにより、軟化温度に50〜100℃程度の段階を付けることができる。
したがって、このようなガラス成形体の一種を簡易炉内に設置してその挙動を視認すれば、簡易炉の内部温度がその軟化点に達したことを検知することができ、ガラス成形体の二種を同時に簡易炉内に入れた場合には、段階を付けた温度範囲で炉内温度を検知することができる。
【0008】
このようなガラス成形体は、断面が円形或いは角形のガラス棒やガラス管等が一般的であるが、簡易炉内に位置する下端或いは下方部分が軟化によって形状変化した際に、孔部から突出して簡易炉外に位置する部分が没入したり変位することを容易に視認、判別できるような形状であれば、特に前記のものに限定するものではない。
また、ガラス粉末の一種以上を用いて成形するには、有機系バインダを混合して各種形状に成形すればよく、このような有機系バインダとしては、水溶性セルロース類や水溶性アクリル類、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプンやデキストリン等の多糖類など、公知の水溶性粘結剤が用いられる。
さらに、二種以上のガラス成形体を使用する場合には、混同しないように、或いは識別し易いように、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)などの金属酸化物や、燐酸銅、燐酸コバルト、クロム酸鉛、セレン酸バリウムなどを青、赤、緑、黄色などの色が付く顔料としてガラス粉末に対し10%を超えない範囲で添加しても良い。
【0009】
また、本発明に使用される簡易炉は、断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた構成であり、その天井部分等には孔部が形成されている。
この簡易炉の容器本体を構成する断熱材は、高周波の電磁波(マイクロ波)の影響を受けないものであれば特にその材質や形状を限定するものではないし、また容器本体も家庭用電子レンジ内に収容できるものであれば特にその寸法や形状を限定するものではない。また、磁気ルツボなどでも良い。
さらに、マイクロ波吸収材を主成分とする発熱体についても特に限定するものではないが、粒径1〜15μmの炭化珪素粉末と粒径30〜100μmの炭化珪素粉末と耐熱性造膜材とを含有するものが望ましい。これら二種類の炭化珪素粉末の混合割合を調整することにより、発熱速度を適宜にコントロールすることができ、しかも繰り返し同様な発熱温度、速度を再現できるからである。さらに望ましくは、二種類の炭化珪素粉末の合計量を50〜70重量%にして残部(30〜50重量%)を耐熱性造膜材とし、例えばこの耐熱性造膜材として水ガラス及び可塑性粘土物質を用いる場合には、水ガラス20〜50重量%と可塑性粘土物質0〜30重量%とを組み合わせて用いることが望ましい。
【0010】
このような簡易炉における容器と発熱体は、発熱体組成物を塗布、コーティング等により容器の内面に一体的に形成した構成でも良いし、予め発熱体組成物より各種の成形法により独立した成形体(別部材)として作製しておき、これを容器の内面側に配するようにしても良い。或いは発熱体組成物を粉体状のまま容器内に充填するようにしても良い。
さらに、この簡易炉における孔部は、天井部分に設けても良いし、側周上方部でも良く、特にその場所を限定するものではない。また、二種或いはそれ以上のガラス成形体を同時に用いる場合にはそれに応じてこれらを挿通させる孔部も二個或いはそれ以上設ける。
【0011】
そして、例えば軟化点が既知のガラス成形体としてガラス棒やガラス管を用いる場合には、簡易炉の天井部分等に孔部を形成しておけば、この孔部からガラス棒やガラス管を差し込んで立てかけておき、簡易炉外に1〜2cm程度上端が飛び出た状態として家庭用電子レンジを稼動させて家庭用電子レンジの外側から観察していれば良い。家庭用電子レンジの稼動により、照射される高周波の電磁波(マイクロ波)は、簡易炉を構成する断熱材やガラス材などは透過してそれ自体を直接的に加熱しないが、簡易炉の内面に設けられたマイクロ波吸収材(発熱体)を発熱させ、簡易炉の内部温度を急速に昇温する。そして、簡易炉の内部温度がガラス棒やガラス管の軟化点付近にまで達すると、簡易炉内に位置する部分が軟化して変形するので、簡易炉外に位置する部分は孔部から内部へ没入したり変位する挙動を示す。したがって、家庭用電子レンジの外側からこのような挙動を視認するだけで、簡易炉の内部温度がガラス棒やガラス管の軟化点に達したことを極めて容易に検知することができる。
【0012】
また、前記ガラス成形体を用いる代わりに、簡易炉内に配置するガラス支持部は、前記ガラス成形体と同様に軟化点が既知のものが用いられ、前記と同様に必要に応じて軟化点を調整しても良い。このガラス支持部は、簡易炉内に収容され、耐火性材料の下端を支持するものであれば、どのような寸法、形状に成形しても良いし、或いは多数の粒状物の集合体であっても良い。
一方、耐火性材料としては、下端が簡易炉内のガラス支持部に支持され、上端が孔部から突出する形状であって、マイクロ波の影響を受けない材質であれば、どのような形状及び材質でも良く、例えばガラス棒やガラス管でも良いし、或いは陶器製の棒状体でも良い。即ちこの態様では、ガラス支持部が軟化することにより、そこに下端が支持された耐火性材料の簡易炉外に位置する部分が没入したり変位したりするものであって、耐火性材料自体は少なくとも簡易炉の内部温度よりも高い軟化点を有する素材を用いる。
【0013】
この態様においても、前記ガラス成形体を用いる態様と同様に、ガラス材料の軟化を応用したものであって、簡易炉内のガラス支持部の軟化温度に達したことを、それに支持させた耐火性材料の挙動を視認するだけで、簡易炉の内部温度がガラス支持部の軟化点付近に達したことを極めて容易に検知することができる。
【0014】
次に、前記温度検知方法を用いた貴金属焼結品の製造方法について説明する。前記ガラス成形体を用いる場合には、簡易炉の内部に、貴金属粉末を含有する粘土組成物又は付着用組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を配設すると共に、その焼結温度に近似する軟化点を有するガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内の温度がガラス成形体の軟化点付近に達したことを検知して造形体又は物品付着物を焼結するようにした。また、前記ガラス支持部及び耐火性材料を用いる場合には、簡易炉の内部に、貴金属粉末を含有する粘土組成物又は付着用組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を配設すると共に、その焼結温度に近似する軟化点を有するガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置し、さらに耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内の温度がガラス支持部の軟化点に達したことを検知して造形体又は物品付着物を焼結するようにした。
【0015】
貴金属焼結品の焼結温度は、用いられる貴金属粉末の種類や組成によって異なるが、その焼結温度に近似する軟化点を有するガラス材料(ガラス成形体、ガラス支持部)を選定するか、或いは軟化点を調整すれば良い。
【0016】
このような貴金属焼結品の製造に用いられる貴金属粉末は、Au,Ag,Cu,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os等の純貴金属粉やこれらの元素の一種以上を主成分とする貴金属合金粉の一種以上からなり、粒径1〜100μmのものが全体の90%以上を占めるものが好ましく、特に平均粒径が5〜30μmで適度に分布しているものが望ましい。これは大きな粒子間に小さな粒子が混在し、巨大粒子間の空隙を埋めることにより、充填率が高くなり、従って焼結時に発生する収縮率が低い貴金属焼結品を得ることができる。
そして、有機系バインダーとしては、保水剤としての水溶性セルロース系樹脂0.022〜3.0wt%と、粘稠剤としてのデンプン(α化デンプン)0.02〜3.0wt%又はフェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子0〜0.5wt%とを用いることにより、充分な可塑性(造形性、造膜性)を得ることができる。
【0017】
水溶性セルロース系樹脂の配合は、生地割れを防止する効果及び粘土が手に付着することを防止する効果を果たし、その配合量が前記範囲より少ないと配合効果が充分に発揮されない。また、前記範囲より多いと再度粘土が手に付着し易くなると共に、収縮率も増大する。この水溶性セルロース系樹脂としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が用いられる。
デンプンの配合は、乾燥時の強度を向上する効果を果たし、例えば注射筒から押し出す等して極細線状のものを三次元的に成形しても、造形体の乾燥時に変形したり、破壊したりすることがない。その配合量が前記範囲より少ないと乾燥時の強度不足をまねき、型外しの際にも割れ易くなる。また、前記範囲より多いと弾力性が出て所望の形状に造形しにくくなると共に、生地割れが発生し、さらに収縮率も増大する。
フェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子としては、具体的にはリグニン等があり、これらの配合は、保水性及び粘土が手に付着することを防止する効果を果たし、その配合量が前記範囲より少ないと配合効果を十分に発揮することができない。また、配合量が前記範囲より多いと再度粘土が手に付着しにくくなると共に、収縮率も増大する。
さらに、貴金属粉末と有機系バインダーと共に混合される水は必要量加えるものとし、造形用粘土組成物とする場合、付着用組成物とする場合に応じて適当な量を添加する。造形用粘土組成物とする場合には、水が少なすぎると粘土として造形が困難なほど硬くなり、多すぎるとコシが弱く保形性が無くなり造形が困難になる。付着用組成物とする場合には、水が少なすぎると延展性が少なく、物品への付着ができなくなり、多すぎると均一に造膜できなくなる。
【0018】
さらに、前記温度検知方法を用いた七宝製品の製造も同様であり、断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、該簡易炉の内部に、ガラス分の一種以上からなる溶融して有色又は無色になる七宝用組成物を所望の形状に物品に付着させ、乾燥固化させた物品付着物を配設すると共に、その溶融温度に近似する軟化点を有するガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置するか、或いはその溶融温度に近似する軟化点を有するガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置し、さらに耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体又は耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内の温度がガラス成形体の軟化点に又はガラス支持部の軟化点に達したことを検知して七宝製品を得るようにした。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
筒型(内径100mm×外径130mm×長さ60mm)のカオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)製容器の内壁に、マイクロ波吸収材である炭化珪素3〜100μmの粉末を造膜材である水ガラスと混合したものを塗布し、電子レンジ内で加熱することにより、内壁の発熱体が1000℃付近まで上がって発熱体層を形成し、発熱体が容器の内壁に一体となった簡易炉周囲部を得た。さらに、カオウールで筒の天井(蓋部)と底(底部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径3mm,長さ80mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径20μmの純銀粉末92wt%、メチルセルロース0.8wt%、デンプン0.6wt%、水6.6wt%からなる造形用粘土組成物を調製し、長さ50mm×幅10mm×厚み1.4mmのテストピースを成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内に、前記純銀粘土テストピースを配設すると共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、ガラス成形体の下方部分が特に軟化して変形していることが確認された。そして、テストピースは収縮率8%、折り曲げ強度128N/mm2、硬度35HMVとなり、折り曲げ、磨き加工をするのに充分な焼結体となったことが確認された。
尚、電子レンジを停止せずにそのまま60秒、120秒、180秒と稼動を継続させると、60秒では収縮率が10%となり、120秒では収縮率が15%となり、180秒では融けてしまった。
【0020】
[実施例2]
筒型(内径100mm×外径130mm×長さ60mm)のカオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)製容器の内壁に、マイクロ波吸収材である炭化珪素3〜100μmの粉末を造膜材である水ガラスと混合したものを塗布し、電子レンジ内で加熱することにより、内壁の発熱体が1000℃付近まで上がって発熱体層を形成し、発熱体が容器の内壁に一体となった簡易炉周囲部を得た。さらに、カオウールで筒の天井(蓋部)と底(底部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径3mm,長さ80mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径20μmの純銀粉末92wt%、メチルセルロース0.8wt%、デンプン0.6wt%、水6.6wt%からなる造形用粘土組成物を調製し、リングを成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内に、前記純銀粘土リングを配設すると共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、焼き上がり、磨き加工も良好な純銀製のリング焼結体を得た。
【0021】
[実施例3]
磁気ルツボ(内径60mm×外径66mm×高さ54mm)内に、口(天井)から3cmくらいのところまでになるようにマイクロ波吸収材である黒鉛粉末約50gを充填し、カオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)で直径70mm,厚さ10mmの天井(蓋部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径5mm,長さ60mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径25μmのK18金合金(Au:75wt%−Ag:15wt%−Cu:10wt%)粉末85wt%、メチルセルロース2wt%、デンプン2wt%、水11wt%からなる造形用粘土組成物を調製し、リングに成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内の黒鉛粉末中に、前記金合金粘土リングを埋設する(埋没させる)と共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、焼き上がり、磨き加工も良好なK18金製のリング焼結体を得た。
【0022】
[実施例4]
磁気ルツボ(内径60mm×外径66mm×高さ54mm)内に、口(天井)から3cmくらいのところまでになるようにマイクロ波吸収材である黒鉛粉末約50gを充填し、カオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)で直径70mm,厚さ10mmの天井(蓋部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点800〜850℃のホウ珪酸ガラス粉末80wt%にシリカ20w%を混合し、バインダとしてメチルセルロースを10%程度添加し、直径5mm,長さ60mmの棒に加圧成形し、軟化点がおよそ900〜850℃であるガラス成形体とした。
さらに、平均粒径25μmの銅粉末92wt%、メチルセルロース1wt%、デンプン1wt%、水6wt%からなる造形用粘土組成物を調製し、ネズミの形をした置物に成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内の黒鉛粉末中に、前記銅粘土置物を埋設する(埋没させる)と共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後20分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、焼き上がり、磨き加工も良好な銅製の置物焼結体を得た。
【0023】
[実施例5]
筒型(内径100mm×外径130mm×長さ60mm)のカオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)製容器の内壁に、マイクロ波吸収材である炭化珪素3〜100μmの粉末を造膜材である水ガラスと混合したものを塗布し、電子レンジ内で加熱することにより、内壁の発熱体が1000℃付近まで上がって発熱体層を形成し、発熱体が容器の内壁に一体となった簡易炉周囲部を得た。さらに、カオウールで筒の天井(蓋部)と底(底部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径3mm,長さ80mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径20μmの純銀粉末92wt%、メチルセルロース0.8wt%、デンプン0.6wt%、水6.6wt%からなる造形用粘土組成物を調製し、葉形のペンダントを成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内に、前記純銀粘土ペンダントを配設すると共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内部に挿入して、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、焼き上がり、磨き加工も良好な純銀製のペンダント焼結体を得た。
続いて同じ構造の簡易炉内に、得られた純銀製のペンダント焼結体の上に、700〜750℃で融けて緑色を発色する七宝用ガラス粉末で模様を付けたものを配設すると共に、軟化点およそ700〜750℃のリン酸系フリット粉末にメチルセルロース10%を混合して直径10mm,高さ20mmの円筒形に加圧成形し、ガラス支持部として配置した。さらに、耐火性材料として直径5mm,長さ40mmの磁器製棒を孔部から簡易炉内に挿入して磁器製棒の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を同じ電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後10分程度で耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス支持部の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、ガラス支持部が溶融して耐火性材料の下端は差し込んだ穴の中へ沈み込んで見えなくなってしまっていた。そして、銀製の葉形ペンダントを融解させることなく表面に七宝用ガラスが融けて緑色を発色させた美麗な装飾を施すことができた。
【0024】
[実施例6]
磁気ルツボ(内径60mm×外径66mm×高さ54mm)内に、口(天井)から3cmくらいのところまでになるようにマイクロ波吸収材である黒鉛粉末約50gを充填し、カオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)で直径70mm,厚さ10mmの天井(蓋部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径5mm,長さ60mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径25μmのK18金合金(Au:75wt%−Ag:15wt%−Cu:10wt%)粉末90wt%、スキージオイル10wtからなる付着用(ペースト状)組成物を調製し、純銀製リングのトップ部に絵柄状の金彩を施し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内の黒鉛粉末中に、前記金彩を施した純銀製リングを埋設する(埋没させる)と共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、K18金が融けてしまうことなく、また未焼結により剥がれてしまうことなく、K18金の発色も十分な状態で焼き上がり、磨き加工も良好な、純銀製のリングにK18金彩が施された銀−K18金のコンビのようなリングが得られた。
尚、電子レンジを停止せずにそのまま60秒、90秒、120秒と稼動を継続させると、90秒までは変化なく良好な製品が得られるが、120秒ではK18金が一部溶融して銀と合金化し、銀部が変色してしまった。また、ガラス成形体が変位し、没入する前に電子レンジの稼動を停止すると、未焼結で簡単に剥がれてしまっていた。
【0025】
[実施例7]
磁気ルツボ(内径60mm×外径66mm×高さ54mm)内に、口(天井)から3cmくらいのところまでになるようにマイクロ波吸収材である黒鉛粉末約50gを充填し、カオウール(イソライト工業(株)製断熱ボード)で直径70mm,厚さ10mmの天井(蓋部)を作り、蓋部に直径10mmの孔部を設けて簡易炉とした。
また、軟化点が800〜850℃のホウ珪酸ガラス製の棒(直径5mm,長さ60mm)をガラス成形体とした。
さらに、平均粒径25μmのK18金合金(Au:75wt%−Ag:15wt%−Cu:10wt%)粉末85wt%、メチルセルロース2wt%、デンプン2wt%、水11wt%からなるK18金造形用粘土組成物、平均粒径25μmの銀粉末92wt%、メチルセルロース1wt%、デンプン1wt%、水6wt%からなる銀造形用粘土組成物をそれぞれ調製し、これらの2種の造形用粘土組成物を用いてクロスリングに成形(造形)し、80℃×20分の条件にて乾燥した。
前記簡易炉内の黒鉛粉末中に、前記クロスリングを埋設する(埋没させる)と共に、前記ガラス成形体を孔部から簡易炉内に挿入し、ガラス成形体の上端が1〜2cm程度簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を500W,50Hzの家庭用電子レンジ内に入れて稼動させた。
稼動開始後15分程度でガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分が変位(下降)し始め、孔部から簡易炉の内部へ没入して見えなくなった。即ち、少なくとも簡易炉内の内部温度がガラス成形体の軟化点に達したことが検知された。
そこで、電子レンジの稼動を停止して30分間そのまま保持した後、家庭用電子レンジ内から簡易炉を取り出し、蓋部を外してその内部を確認したところ、焼き上がり、磨き加工も良好な銀−K18金製のコンビリングを得た。
【0026】
以上本発明の実施例を示したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の温度検知方法は、家庭用電子レンジの外からガラス成形体や耐火性材料の挙動を容易に視認することができるため、短時間での温度検知が容易である。
したがって、例えば貴金属焼結品の焼結に際して、より適正な温度履歴を与えることができ、収縮が大きくなったり焼結体が溶融するようなことがなく、所望の焼結体を得ることができるものである。

Claims (5)

  1. 断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、軟化点が既知のガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内温度がガラス成形体の軟化点に達したことを検知するようにしたことを特徴とする温度検知方法。
  2. 断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、軟化点が既知のガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置すると共に、耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内温度がガラス支持部の軟化点に達したことを検知するようにしたことを特徴とする温度検知方法。
  3. 断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、該簡易炉の内部に、純貴金属粉、貴金属合金粉の一種以上からなる貴金属粉末を含有する造形用粘土組成物又は付着用組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を配設すると共に、その焼結温度に近似する軟化点を有するガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内温度がガラス成形体の軟化点に達したことを検知して造形体又は物品付着物を焼結するようにしたことを特徴とする貴金属焼結品の製造方法。
  4. 断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、該簡易炉の内部に、純貴金属粉、貴金属合金粉の一種以上からなる貴金属粉末を含有する造形用粘土組成物又は付着用組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を配設すると共に、その焼結温度に近似する軟化点を有するガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置し、さらに耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内温度がガラス支持部の軟化点に達したことを検知して造形体又は物品付着物を焼結するようにしたことを特徴とする貴金属焼結品の製造方法。
  5. 断熱材で構成された容器の内周壁面部に、黒鉛、炭化珪素、鉄粉、酸化マンガン、その他金属炭化物、及び金属酸化物等のマイクロ波吸収材を主成分とする発熱体を設けた簡易炉に孔部を形成し、該簡易炉の内部に、ガラス分の一種以上からなる溶融して有色又は無色になる七宝用組成物を所望の形状に物品に付着させ、乾燥固化させた物品付着物を配設すると共に、その溶融温度に近似する軟化点を有するガラス成形体の一種以上を、下端が簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置するか、或いはその溶融温度に近似する軟化点を有するガラス支持部の一種以上を簡易炉内に配置し、さらに耐火性材料を、下端がガラス支持部に支持されて簡易炉内に位置し、上端が前記孔部から突出して簡易炉外に位置するように設置し、この簡易炉を入れた家庭用電子レンジを稼動させ、ガラス成形体又は耐火性材料の簡易炉外へ突出した部分の挙動を視認することにより、簡易炉内温度がガラス成形体の軟化点に又はガラス支持部の軟化点に達したことを検知して七宝製品を得るようにしたことを特徴とする七宝製品の製造方法。
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