以下、添付図面を参照しながら、本発明の表示装置、テレビ受信装置、及び該表示装置の起動方法に係る好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の要部構成例を示すブロック図で、図中、1は表示装置を示す。この表示装置1は、大きく分けて、メイン基板2、コントローラ基板3、電源ユニット4、及び液晶パネル5で構成され、メイン基板2には、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部メモリ6を着脱可能に装着できるように構成されている。なお、本発明は、表示装置1を備えたテレビ受信装置の形態としてもよいことは言うまでもない。
表示装置1と外部メモリ6間をBluetooth等の無線で接続する形態としてもよい。また、外部メモリ6としては、上記のUSBメモリ以外にも、SDカード等のメモリカードであってもよく、RF(Radio Frequency)タグなどの記録媒体であってもよい。USBメモリであれば、汎用的な記録媒体であるため、調達も容易である。また、SDカードであれば、媒体が小さく、取り扱いが容易である。無線接続とした場合、非接触であるため、生産工程において直接接続する作業が不要であり、作業性の向上を図ることができる。RFタグのような媒体であれば、無線によるメリットに加え、媒体を極めて小さくすることができるため、設置が容易である。
外部メモリ6には、表示装置1を識別するための機種識別情報として、例えば、表示装置1に固有の型番と、画面のインチサイズを示す画面サイズ情報とが予め格納されている。この機種識別情報は、所定のデータ形式(識別子)で記述されているため、外部メモリ6に他のデータと共に格納されていても識別が可能である。
メイン基板2は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)入力,コンポーネント入力,コンポジット入力,チューナ入力などに対して各種の映像処理などを行うメインのCPU21と、表示装置1のスタンバイ状態においてリモコン信号を受け付けるシステムマイコンに相当するTVマイコン22と、外部メモリ6を着脱可能に装着するための外部メモリインタフェース(外部メモリI/F)23と、各種調整値やユーザ設定値などを格納する不揮発性メモリの一例であるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)24とを備える。
また、コントローラ基板3は、コントローラIC31を備え、このコントローラIC31は、液晶パネル5の駆動表示に必要なタイミングパルスを液晶パネル5に出力する。パルス出力信号には、水平出力と垂直出力とがあり、パルスの仕様(種類、画素数など)に合わせてタイミング設計が行われている。
また、電源ユニット4は、AC電源を備え、TVマイコン22に電力を供給するバックアップ電源41と、メイン基板22及びインバータ51に電力を供給するシステム電源42と、コントローラIC31に電力を供給するコントローラIC電源43とで構成される。
また、液晶パネル5は、液晶層を挟んだ2枚の直交ニコルの関係を有した偏光板付ガラス基板からなり、バックライト装置(図示せず)の背面には、バックライト光源である蛍光管(例えば、CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)あるいはLED(Light Emitting Diode)を駆動させるためのインバータ51が設けられている。液晶パネル5は、映像信号処理された映像信号を液晶パネル5のクロック信号に応じて画素毎に所定の階調電圧として給電し、画面上に順次走査による映像表示処理を施すことで映像信号に応じた映像を表示する。インバータ51は、バックライト光源に電力を供給する昇圧回路としてインバータトランスなどで構成され、このインバータトランスとしては、例えば、2つのコイルの電磁誘導効果によって互いのコイルの巻き数比に基づいて変圧する巻線型などがある。
本発明の主たる特徴部分は、複数の機種で共通化された回路基板を備えた表示装置において、回路基板に設けられたシステムマイコンの動作を、物理的なコネクタを用いることなく、切り替えできるようにすることにある。このための構成として、表示装置1は、複数の機種で共通化された回路基板に相当するメイン基板2と、メイン基板2上に設けられ且つ複数の機種それぞれの設定値データを格納したシステムマイコンに相当するTVマイコン22とを備える。
そして、メイン基板3は、表示装置1の機種識別情報を格納した外部メモリ6を着脱可能に装着する外部メモリI/F23と、外部メモリ6から表示装置1の機種識別情報を読み出す機種識別情報読出手段に相当するCPU21とを備える。そして、TVマイコン22は、外部メモリ6から読み出した表示装置1の機種識別情報に基づいて、複数の機種の設定値データの中から表示装置1の設定値データを特定し、特定した設定値データにより動作を切り替える。
また、表示装置1は、表示装置1の起動時にメイン基板2にのみ電力を供給する電力供給手段に相当する電源ユニット4を備える。この電源ユニット4は、TVマイコン22の動作切替後に、メイン基板2以外の他の回路基板(コントローラ基板3,液晶パネル5)に電力を供給する。
ここで、TVマイコン22は内部にメモリを備え、そのメモリ内に、機種毎に異なる複数の設定値データを格納している。この設定値データとしては、機種(型番及び画面サイズ)毎に、音周波数特性テーブル、温度補正テーブル、バックライト光源の電圧調整曲線、製品仕様情報(HDMI端子数など)、仕向け地情報(日本向け,米国向けなど)等が含まれる。TVマイコン22は、例えば、表示装置1を機種Aとし、メイン基板2をA〜Dの4機種で共通の基板とした場合、これら4つの機種A〜Dそれぞれの設定値データを格納しているものとする。
ここで、上記の主な設定値データについて簡単に説明する。音周波数特性テーブルは、機種毎にスピーカが異なり、且つ、画面サイズの違いでスピーカの間隔が異なることにより、音質が変化するため、音声DSP(Digital Signal Processor)の設定を変更するためのものである。具体的には、スピーカの出力特性を合わせるため、調整が必要な周波数に対して、イコライジングをし、異なるスピーカシステムでも同じ音質となるようにする。
また、温度補正テーブルは、画面サイズが異なることで、機器内温度が異なるため、各部品の上限温度にならないように、プロテクトをかけるためのものである。具体的には、メイン基板等に配置された温度測定用部品により基板温度を測定し、予め測定してある画面サイズ毎の各部品の温度との相関に基づき係数を設定し、プロテクトする値を算出する。
また、バックライト光源の電圧調整曲線は、液晶モジュール(画面サイズ)毎に液晶の透過率が異なるため、製品仕様に合わせるために、調光値を設定するためのものである。具体的には、調光の最大値は、設定可能な最大値とし、ユーザメニューで設定される設定値の最小値は、製品仕様のコントラスト値に合わせるようにし、この最小値をテーブル化している。なお、バックライト光源が蛍光管であっても、LEDであっても、同様に最小値を設定する。
また、1つの外部メモリ6には1つの機種識別情報が格納されている。本例の場合、表示装置1の機種識別情報(型番及び画面サイズ)が格納されているものとする。CPU21は、外部メモリI/F23と接続されており、表示装置1を最初に起動させる時などに外部メモリ6から機種識別情報を読み込む。この際、機種識別情報は所定のデータ形式(拡張子)で記述されているため、CPU21は外部メモリ6に格納されているデータが機種識別情報であるか否かを判定することができる。
そして、CPU21は、外部メモリ6から読み込んだ機種識別情報をTVマイコン22に送信する。TVマイコン22は、CPU21からの機種識別情報に基づいて、メモリ内の複数の設定値データの中から、表示装置1の設定値データを特定する。そして、TVマイコン22は、特定した設定値データに基づいてその動作を切り替え、取得した機種識別情報を記憶手段の一例であるEEPROM24に保存する。
このように、上記構成によれば、複数の機種で共通化された回路基板を備えた表示装置において、回路基板に設けられたシステムマイコンの動作を、外部メモリを用いたソフト的な方法で切り替えることにより、物理的なコネクタを不要にできるため、端子数の増加を抑制し、部品代を抑えることができる。
図2は、本発明による表示装置1の起動シーケンスの一例について説明するためのフロー図である。なお、この起動シーケンスは、前述したように、製造工程において液晶モジュールを接続したとき、あるいは、客先での修理で基板を交換するとき等に実施されるものとする。
本例では、CPU21は、CPU21の起動時に、外部メモリ1に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定する。そして、外部メモリ6に表示装置1の機種識別情報が格納されていると判定した場合、外部メモリ6から読み出した表示装置1の機種識別情報をEEPROM24に保存する。すなわち、外部メモリ6が装着されている場合には、外部メモリ6が優先されるため、EEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されている場合、外部メモリ6から読み出した表示装置1の機種識別情報で上書きされる。
まず、図2において、表示装置1は、電源ユニット4のAC電源が投入されると(ステップS1)、電源ユニット4のバックアップ電源41がオンされ(ステップS2)、さらに、バックアップ電源41からTVマイコン22へ電力が供給され、TVマイコン22が起動する(ステップS3)。そして、TVマイコン22からの指示に基づいて、電源ユニット4のシステム電源42がオンされる(ステップS4)。
次に、システム電源42からメイン基板2へ電力が供給され、メイン基板2が起動する(ステップS5)。メイン基板2のCPU21は、外部メモリI/F23に外部メモリ6が装着されているか否かを判定し(ステップS6)、外部メモリ6が装着されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定する(ステップS7)。また、ステップS6において、外部メモリ6が装着されていないと判定した場合(NOの場合)、TVマイコン22は、EEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定する(ステップS8)。
次に、CPU21は、ステップS7において、外部メモリ6に機種識別情報が格納されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6から機種識別情報を読み込んで、これをTVマイコン22へ送信する。TVマイコン22は、TVマイコン22の内部メモリに格納された複数の設定値データの中から、この機種識別情報に対応する設定値データを特定し、特定した設定値データに基づいて動作設定を行う(ステップS9)。また、ステップS7において、外部メモリ6に機種識別情報が格納されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS8に移行する。なお、上記で特定した設定値データをEEPROM24に記憶するようにしてもよい。
次に、TVマイコン22は、ステップS9で動作設定を行った後に、外部メモリ6から取得した機種識別情報をEEPROM24に書き込んで保存する(ステップS11)。なお、ステップS9とステップS11とは順序を逆にしてもよい。この場合、外部メモリ6から取得した機種識別情報をEEPROM24に書き込んで保存した後に、EEPROM24から機種識別情報を読み出して、この機種識別情報に対応する設定値データに基づいて動作設定を行う。
本例の場合、外部メモリ6に表示装置1の機種識別情報が格納されていると判定された場合、外部メモリ6が優先されるため、EEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されていても、外部メモリ6から読み出した表示装置1の機種識別情報により、EEPROM24に格納されている表示装置1の機種識別情報が上書きされる。そして、TVマイコン22からの指示に基づいて、システム電源42からインバータ51へ電力が供給され、インバータ51が起動する(ステップS12)。
また、上記のステップS8において、EEPROM24に機種識別情報が格納されていると判定した場合(YESの場合)、TVマイコン22は、EEPROM24から機種識別情報を読み込んで、この機種識別情報に対応する設定値データに基づいて動作設定を行い(ステップS13)、ステップS12に移行する。また、ステップS8において、EEPROM24に機種識別情報が格納されていないと判定した場合(NOの場合)、ビープ音を鳴らすなどのエラー通知を行う(ステップS10)。このエラー通知は、ビープ音の音源をメイン基板2に接続しておき、電力供給可能な状態にしておくことで実行可能である。以後、後述の図4に示すフローに移行する。
なお、上記ステップS10でエラー通知があった場合、作業者(工場作業者またはサービス担当者など)は、表示装置1の機種識別情報が格納されている外部メモリ6を、表示装置1に装着し、ステップS1から処理を繰り返す。前述したように、1つの外部メモリ6には1つの機種識別情報が格納されるため、どの外部メモリにどの機種の機種識別情報を格納しているか作業者が判別できるようにしておくことが望ましい。
図3は、本発明による表示装置1の起動シーケンスの他の例について説明するためのフロー図である。なお、この起動シーケンスは、図2で説明した起動シーケンスと同様に、製造工程において液晶モジュールを接続したとき、あるいは、客先での修理で基板を交換するとき等に実施されるものとする。
本例では、初回起動時には外部メモリ6から機種識別情報が読み取られ、2回目以降はEEPROM24から機種識別情報が読み取られるため、2回目以降の起動が高速化され、外部メモリ6を不要にすることができる。なお、再度外部メモリ6の機種識別情報をEEPROM24に書き込みたい場合には、一旦EEPROM24の機種識別情報を消去した後に書き込み処理を行うことで対応することができる。
すなわち、TVマイコン22は、TVマイコン22の起動時に、EEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定する。そして、TVマイコン22によりEEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されていないと判定された場合(初回起動時)に、CPU21は、外部メモリ6から表示装置1の機種識別情報を読み出す。
まず、図3において、表示装置1は、電源ユニット4のAC電源が投入されると(ステップS21)、電源ユニット4のバックアップ電源41がオンされ(ステップS22)、さらに、バックアップ電源41からTVマイコン22へ電力が供給され、TVマイコン22が起動する(ステップS23)。
そして、TVマイコン22は、EEPROM24に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定し(ステップS24)、EEPROM24に機種識別情報が格納されていないと判定した場合(NOの場合)、TVマイコン22からの指示に基づいて、電源ユニット4のシステム電源42がオンされる(ステップS25)。また、ステップS24において、EEPROM24に機種識別情報が格納されていると判定した場合(YESの場合)、ステップS33へ移行する。
次に、システム電源42からメイン基板2へ電力が供給され、メイン基板2が起動する(ステップS26)。メイン基板2のCPU21は、外部メモリI/F23に外部メモリ6が装着されているか否かを判定し(ステップS27)、外部メモリ6が装着されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6に表示装置1の機種識別情報が格納されているか否かを判定する(ステップS28)。また、ステップS27において、外部メモリ6が装着されていないと判定した場合(NOの場合)、ビープ音を鳴らすなどのエラー通知を行う(ステップS29)。エラー通知は、前述したように、ビープ音の音源をメイン基板2に接続しておき、電力供給可能な状態にしておくことで実行可能である。
そして、CPU21は、ステップS28において、外部メモリ6に機種識別情報が格納されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6から機種識別情報を読み込んで、これをTVマイコン22へ送信する。TVマイコン22は、TVマイコン22の内部メモリに格納された複数の設定値データの中から、この機種識別情報に対応する設定値データを特定し、特定した設定値データに基づいて動作設定を行う(ステップS30)。また、ステップS28において、外部メモリ6に機種識別情報が格納されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS29に移行して、ビープ音を鳴らすなどのエラー通知を行う。
なお、上記ステップS29でエラー通知があった場合、作業者(工場作業者またはサービス担当者など)は、表示装置1の機種識別情報が格納されている外部メモリ6を、表示装置1に装着し、ステップS21から処理を繰り返す。
次に、TVマイコン22は、ステップS30で動作設定を行った後に、外部メモリ6から取得した機種識別情報をEEPROM24に書き込んで保存する(ステップS31)。そして、TVマイコン22からの指示に基づいて、システム電源42からインバータ51へ電力が供給され、インバータ51が起動する(ステップS32)。
また、上記のステップS24において、EEPROM24に機種識別情報が格納されていると判定した場合(YESの場合)、TVマイコン22は、EEPROM24から機種識別情報を読み込んで、この機種識別情報に対応する設定値データに基づいて動作設定を行う(ステップS33)。そして、TVマイコン22からの指示に基づいて、システム電源42がオンされると(ステップS34)、システム電源42からメイン基板2へ電力が供給され(ステップS35)、さらに、システム電源42からインバータ51へ電力が供給される(ステップS36)。以後、後述の図4に示すフローに移行する。
図4は、図2または図3に示した表示装置1の起動シーケンスの続きを説明するためのフロー図である。まず、TVマイコン22からの指示に基づいて、コントローラIC電源43がオンされると(ステップS41)、CPU21は、スケーリング処理後の映像信号をコントローラ基板3に出力する(ステップS42)。次に、コントローラIC電源43からコントローラIC31に電力が供給され(ステップS43)、コントローラIC31は、TVマイコン22からの指示に基づいて、液晶表示用映像信号を液晶パネル5に出力する(ステップS44)。
次に、インバータ51は、TVマイコン22からの指示に基づいて、動作を開始し(ステップS45)、バックライト光源を点灯させ(ステップS46)、液晶パネル5に、コントローラIC31から出力された液晶表示用映像信号を表示させる(ステップS47)。
図5は、本発明による表示装置1の起動シーケンスの他の例について説明するためのフロー図である。本例では、前述の図2のフローにより特定された表示装置1の設定値データがEEPROM24に記憶されていることを前提として説明する。本例の場合、TVマイコン22は、外部メモリ6内に、外部メモリ6にEEPROM24の設定値データをコピーするように指示するコマンドが記憶されている場合、このコマンドに従って、外部メモリ6にEEPROM24の設定値データをコピーした後に、動作を停止する。なお、本例のステップS51〜S56の処理は、前述の図2のステップS1〜S6と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
表示装置1のCPU21は、ステップS56において、外部メモリ6が装着されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6内にコピー指示のコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS57)。外部メモリ6内にコピー指示のコマンドが記憶されていると判定した場合(YESの場合)、TVマイコン22及びCPU21が、EEPROM24内に保存されている設定値データを外部メモリ6に書き込む(ステップS58)。また、ステップS57において、外部メモリ6内にコピー指示のコマンドが記憶されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS61に移行する。なお、ステップS61〜S67の処理は、前述の図2のステップS7〜S13と同様の処理であるため説明は省略する。
そして、上記ステップS58の後、TVマイコン22は、書き込み完了通知を行い(ステップS59)、そのまま停止状態に移行する(ステップS60)。このようにすることで、例えば、表示装置1が不調の場合などに、ユーザが表示装置1を動作させる前に、外部メモリ6に書き込まれたEEPROM24の設定値データを確認することができる。この確認作業は外部メモリ6を例えばPC(パーソナルコンピュータ)に接続することで容易に行うことができる。EEPROM24のデータに不適切な設定値があれば、ユーザがこれを変更することで、表示装置1の不調を改善させることができる。
図6は、本発明による表示装置1の起動シーケンスの他の例について説明するためのフロー図である。本例では、図5の例と同様に、前述の図2のフローにより特定された表示装置1の設定値データがEEPROM24に記憶され、さらに、EEPROM24の設定値データにより動作設定を行うことを前提として説明する。ここで、外部メモリ6に設定値データを記憶可能とし、外部メモリ6に設定値データが記憶されていれば、TVマイコン22が、外部メモリ6の設定値データとEEPROM24の設定値データとにより、動作設定を行い、動作設定完了後、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込む。なお、EEPROM24の設定値データと外部メモリ6の設定値データとが同じ設定項目で異なる値を持つものであれば、外部メモリ6の設定値データが優先され、また、異なる設定項目であれば、EEPROM24の設定値データに加え、外部メモリ6の設定値データが新たに追加される。
例えば、スピーカのパラメータ設定等の場合には、同一機種であっても、ユーザの要求に対応するために複数の設定値データを準備しておくことがある。そこで、このうちの1つの設定値データ(EEPROM24の設定値データとは異なる)を外部メモリ6に記憶しておき、この設定項目について、EEPROM24の設定値データの代わりに、外部メモリ6の設定値データを用いて、動作設定を行うことができる。ここで、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込む場合、EEPROM24の設定値データに対して、外部メモリ6の設定値データが同じ設定項目で異なる値であれば、上書きされ、異なる設定項目であれば、追記される。
また、TVマイコン22は、外部メモリ6内に、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込むことを禁止するコマンドが記憶されている場合、このコマンドに従って、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込むことを禁止する。この場合、外部メモリ6の設定値データにより表示装置1を暫定的に動作させ、ユーザあるいは作業者が表示装置1の音声出力等の状態を確認することができる。そして、外部メモリ6の設定値データがEEPROM24に書き込まれることがないため、次回起動時は外部メモリ6の設定値データではなく、EEPROM24の設定値データで動作設定がなされる。なお、本例のステップS71〜S75の処理は、前述の図2のステップS1〜S5と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
図6において、表示装置1のCPU21は、ステップS76において、外部メモリ6が装着されていると判定した場合(YESの場合)、外部メモリ6内に設定値データが記憶されているか否かを判定する(ステップS77)。また、外部メモリ6が装着されていないと判定した場合(NOの場合)、TVマイコン22が、EEPROM24の設定値データを読み込んで、動作設定を行う(ステップS78)。
次に、TVマイコン22は、ステップS77において、外部メモリ6に設定値データが記憶されていると判定した場合(YESの場合)、EEPROM24及び外部メモリ6の設定値データを読み込んで、これらの設定値データに基づいて動作設定を行う(ステップS79)。また、外部メモリ6に設定値データが記憶されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS78に移行する。
次に、CPU21は、外部メモリ6内に書き込み禁止を指示するコマンドが記憶されているか否かを判定し(ステップS80)、外部メモリ6内に書き込み禁止を指示するコマンドが記憶されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS81に移行して、TVマイコン22が、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込む。また、ステップS80において、外部メモリ6内に書き込み禁止を指示するコマンドが記憶されていると判定した場合(YESの場合)、EEPROM24への書き込みを行わず、ステップS82に移行する。
ここで、外部メモリ6内に書き込み禁止を指示するコマンドを記憶しておくことにより、外部メモリ6の設定値データがEEPROM24に書き込まれることがない。このため、表示装置1が次回起動した際に、EEPROM24の設定値データがそのまま使用され、ユーザは外部メモリ6の設定値データではなく、EEPROM24の設定値データによる設定内容に基づいて表示装置1を視聴することができる。また、ユーザあるいは作業者が外部メモリ6の設定値データにより所望の設定内容が得られると判断した場合には、外部メモリ6に上記コマンドを記憶しないことで、外部メモリ6の設定値データをEEPROM24に書き込むことができる。