JP4658391B2 - 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置 - Google Patents

映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4658391B2
JP4658391B2 JP2001184861A JP2001184861A JP4658391B2 JP 4658391 B2 JP4658391 B2 JP 4658391B2 JP 2001184861 A JP2001184861 A JP 2001184861A JP 2001184861 A JP2001184861 A JP 2001184861A JP 4658391 B2 JP4658391 B2 JP 4658391B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
video
camera
broadcast
related object
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001184861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003008990A (ja
Inventor
文濤 鄭
慎一 境田
俊彦 三須
昌秀 苗村
保明 金次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
NHK Engineering System Inc
Original Assignee
NHK Engineering Services Inc
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Engineering Services Inc, Japan Broadcasting Corp filed Critical NHK Engineering Services Inc
Priority to JP2001184861A priority Critical patent/JP4658391B2/ja
Publication of JP2003008990A publication Critical patent/JP2003008990A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4658391B2 publication Critical patent/JP4658391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影した映像に含まれる動オブジェクトの位置によってその動オブジェクトに関連する関連オブジェクトを生成する映像補助効果生成装置および、生成された関連オブジェクトを含む放送カメラ映像を送信する映像送信装置ならびに、送信された映像に含まれる動オブジェクトに関連する関連オブジェクトを含む情報を受信する映像受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばスポーツのテレビ放送では、試合を進める選手が中心に撮影される。このとき、視聴者の視線は選手に注がれることが多い。そのために、放送映像カメラはおのずと選手の動きを追うことが多くなる。このような場合、視聴者にとっては、選手の位置とグラウンド全体との相対的な位置関係が把握できにくくなることがある。こうなると、スポーツ番組の観戦が局所的になって、ややもすると、放送映像の魅力を低減させかねないという恐れが生じる。
【0003】
そこで、放送映像を魅力あるものにするために、最近になってアメリカンフットボールの放送では、攻撃チーム用のターゲットラインを視覚化して成るバーチャルな10ヤードラインを放送映像に付加するようになった。この10ヤードラインは、1回あたりの攻撃期間中にその位置が固定されるので、毎回の攻撃開始時になると、放送局側のオペレータがその位置を放送映像に描くことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した10ヤードラインを放送映像に描くことについて、他のスポーツである例えばサッカーに当てはめてみると、類似したものにオフサイドラインがある。このオフサイドラインの位置は、選手の位置によって時々刻々に変化するものである。つまり、サッカーの選手が常に移動しているため、10ヤードラインの場合のように放送局側のオペレータが放送映像にその位置をリアルタイムで指定することができないという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑み創案されたものであり、例えば常に状況に応じて変化するサッカー選手の位置に依存して定まるオフサイドラインのような位置を検出し、時々刻々変化するオフサイドラインなどを画面上に描くことができるようにするものである。つまり、撮影した映像内の動オブジェクト(選手)の位置によってその位置が決定される関連オブジェクト(オフサイドライン)を自動的に生成して、放送映像に付加することで映像補助効果をもたらすような映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では前記の目的を達成するために、映像補助効果生成装置は、放送映像カメラの撮影可能な範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像と、前記放送映像カメラによって撮影された放送カメラ映像とを互いに参照して用い、前記放送カメラ映像に映像補助効果を生成する映像補助効果生成装置であって、前記固定カメラ映像に含まれている特定の動オブジェクトを抽出する動オブジェクト抽出手段と、抽出された前記動オブジェクトに関連する関連オブジェクトの位置を算出する関連オブジェクト位置算出手段と、算出された前記関連オブジェクトの位置に基づいて前記関連オブジェクトを前記放送カメラ映像にマッピングする関連オブジェクト生成手段と、を有する構成とした。
【0007】
このように構成されることにより、映像補助効果生成装置によれば、固定カメラで撮影された固定カメラ映像に含まれる特定の動オブジェクトが抽出され、抽出された動オブジェクトに基づいて関連オブジェクトの位置が算出される。この関連オブジェクトの位置は、動オブジェクトの位置によって決定されるものである。そして、検出された関連オブジェクトの位置が放送カメラ映像に対応する位置にマッピングされることで、映像補助効果がもたらされる。なお、関連オブジェクトは、例えば、直線ラインや、曲線のサークルなどの動オブジェクトに対して自在に放送カメラ映像に描画することができる。
【0008】
また、映像送信装置は、放送映像カメラの撮影可能な範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像と、前記放送映像カメラによって撮影された放送カメラ映像とを互いに参照して用い、前記放送カメラ映像に映像補助効果を生成する映像送信装置であって、前記固定カメラ映像に含まれている特定の動オブジェクトを抽出する動オブジェクト抽出手段と、抽出された前記動オブジェクトに関連する関連オブジェクトの位置を算出する関連オブジェクト位置算出手段と、算出された前記関連オブジェクトの位置に基づいて前記関連オブジェクトを前記放送カメラ映像にマッピングする関連オブジェクト生成手段と、前記関連オブジェクト生成手段によりマッピングされた関連オブジェクトを含む放送カメラ映像を送信する送信手段と、を有する構成とした。
【0009】
このように構成されることにより、映像送信装置によれば、固定カメラで撮影された固定カメラ映像に含まれる特定の動オブジェクトが抽出され、抽出された動オブジェクトに基づいて関連オブジェクトの位置が算出され、関連オブジェクト生成手段によりマッピングされた関連オブジェクトを含む放送カメラ映像を、送信手段を介して送信される。
【0010】
さらに、映像受信装置は、放送映像カメラの映像範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像に含まれる特定の動オブジェクトに関連する関連オブジェクトを含む前記放送映像カメラによる映像情報を受信する受信手段と、この受信手段により受信した前記映像情報を表示する表示手段と、前記動オブジェクトに関する前記関連オブジェクトを前記表示手段に表示させるための操作を行なう操作手段と、を有する構成とした。
【0011】
このように構成されることにより、映像受信装置によれば、受信手段により放送カメラ映像に含まれる動オブジェクトおよびその動オブジェクトに関する関連オブジェクトを含む情報を受信し、表示手段によりその情報を表示する。そして、操作手段の操作によって、表示している映像に対して関連オブジェクトを描画することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、映像送信装置および映像補助効果生成装置の全体構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、映像送信装置11は、固定カメラCSからの固定カメラ映像ISおよび放送映像カメラCDからの放送カメラ映像IDを入力する映像補助効果生成装置10と、この映像補助効果生成装置10からの関連オブジェクトを含む放送映像を送信するための送信手段12とを備えている。
【0014】
放送映像カメラCDは、移動可能で少なくとも1台以上が撮影する被写体(例えば、サッカーであれば、グラウンドの所定位置)に対して適切な位置に設置されている。また、固定カメラCSは、放送映像カメラCDの撮影可能な範囲をその撮影範囲としてカバーするように、適切な位置、方向、画角に固定的に設置されている(サッカーであれば、グラウンド全体が見渡せる位置など)。そして、固定カメラCSと放送映像カメラCDとは、それぞれの動作を同期させて撮影が行われる。また、固定カメラCSで撮影された映像は固定カメラ映像ISとして、放送映像カメラCDで撮影された映像は放送カメラ映像IDとして、それぞれ映像補助効果生成装置10に入力される。
【0015】
そして、映像補助効果生成装置10は、動オブジェクト抽出手段1と、関連オブジェクト位置算出手段2と、関連オブジェクト生成手段3とを有している。この映像補助効果生成装置10には、固定カメラCS及び放送映像カメラCDそれぞれの内部パラメータも後記するように入力される。
【0016】
動オブジェクト抽出手段1は、固定カメラ映像ISと放送カメラ映像IDとが入力されると、放送カメラ映像ID内に含まれる動オブジェクトを抽出するものである。そして、抽出した動オブジェクトを関連オブジェクト位置算出手段2に通知する。この通知には、固定カメラCS及び放送映像カメラCDの位置情報も含まれている。
【0017】
動オブジェクト抽出手段1の構成について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、動オブジェクト抽出手段1の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、動オブジェクト抽出手段1は、カメラ操作パラメータ計測回路21と、カメラ内部パラメータ供給回路22と、背景差分によるオブジェクト抽出回路23と、放送映像オブジェクト抽出回路24とから構成されている。
【0018】
カメラ操作パラメータ計測回路21は、内蔵するセンサ(図示は省略)を用いて放送映像カメラCDのカメラ操作パラメータ(パン角度・チルト角度・ロール角度、ズーム比、及びフォーカス量)を、放送カメラ映像IDのフレームごとに取得する。そして、これらの情報を放送映像オブジェクト抽出回路24に供給する。
【0019】
カメラ内部パラメータ供給回路22は、その内部に、固定カメラCS及び放送映像カメラCDそれぞれの焦点距離、撮影映像の中心座標及び光学中心位置を少なくとも含むカメラ内部パラメータを記録した記録媒体(例えば、ROM)を有している(図示は省略)。ここで、このカメラ内部パラメータは、予めキャリブレーションを実施することにより求めておく。また、両カメラCS,CD間の設置高さ、各配置についての3次元における位置関係についても前もって計測しておく。そして、これらの情報を放送映像オブジェクト抽出回路24に供給する。
【0020】
背景差分によるオブジェクト抽出回路23は、固定カメラ映像ISに対して、背景差分法を適用して動オブジェクトの抽出を行う。動オブジェクトの抽出方法としては、例えば、輝度間の時間方向の統計情報を用いて前景と背景とを分離して、輝度の時間的変化から前景の輝度値を推定し、その背景輝度と入力フレームの差分から前景オブジェクトを抽出する方法(境田ら、「背景差分による動オブジェクト抽出手法の検討」、1999年電子情報通信学会総合大会)などの既知の方法を用いることができる。そして、抽出した動オブジェクトを放送映像オブジェクト抽出回路24に通知する。
【0021】
放送映像オブジェクト抽出回路24は、背景差分によるオブジェクト抽出回路23から通知される固定カメラ映像ISの動オブジェクト抽出結果と、カメラ内部パラメータ供給回路22から供給されるカメラ内部パラメータと、カメラ操作パラメータ計測回路21から供給されるカメラ操作パラメータと、放送カメラ映像IDとに基づいて、固定カメラ映像IS内の動オブジェクトを放送カメラ映像IDにマッピング(座標変換)して、これを動オブジェクト抽出結果として関連オブジェクト位置算出手段2に通知する。ここで、固定カメラ映像IS内の動オブジェクトを放送カメラ映像IDにマッピングするアルゴリズムについては、例えば、本願出願人による特願2000−385276「動オブジェクト抽出装置」に開示されたアルゴリズムを用いることができる。
【0022】
図1に示すように、関連オブジェクト位置算出手段2は、動オブジェクト抽出手段1によって抽出された動オブジェクトの位置によってその位置が決定される関連オブジェクトの位置を検出するものである。ここで、関連オブジェクトは、放送映像に付加することによって、その放送映像に効果をもたらすオブジェクトである。そして、検出した関連オブジェクトの位置を関連オブジェクト生成手段3に通知する。
【0023】
関連オブジェクト生成手段3は、関連オブジェクト位置算出手段2によって算出された関連オブジェクトの位置と、固定カメラCS及び放送映像カメラCDそれぞれのカメラ内部パラメータと、事前知識として予め与えられている映像背景の3次元情報とに基づいて、当該関連オブジェクトを放送カメラ映像ID上の対応する位置にマッピングして付加するものである。
【0024】
図1に示すように、送信手段12は、関連オブジェクト生成手段3によって生成された関連オブジェクト付き放送映像を放送波あるいは通信回線を介して送信するためのものである。
【0025】
次に、図1から図5を参照して映像送信装置11および本映像補助効果生成装置10の動作について説明する。ここでは、サッカーの放送番組において、選手(動オブジェクト)の位置によってその位置が決定されるオフサイドライン(関連オブジェクト)の位置を自動的に算出して、算出したオフサイドラインを放送カメラ映像ID上に映像補助効果として付加する例を説明する。
【0026】
まず、試合の全景が撮影可能となるように、固定カメラCSを用いてグラウンド全体を撮影する。固定カメラCSによって撮影された固定カメラ映像ISは、動オブジェクト抽出手段1の背景差分によるオブジェクト抽出回路23に入力される。また、1台又は複数台の放送映像カメラCDを用いてグラウンド内を動き回る各選手を撮影する。放送映像カメラCDによって撮影された放送カメラ映像IDは、動オブジェクト抽出手段1の放送映像オブジェクト抽出回路24に入力される。
【0027】
差分背景によるオブジェクト抽出回路23では、前記した背景差分法を利用して固定カメラ映像ISの中から各選手(動オブジェクト)を抽出して、抽出した各選手を放送映像オブジェクト抽出回路24に通知する。
【0028】
放送映像オブジェクト抽出回路24では、カメラ内部パラメータ供給回路22から供給される各カメラのカメラ内部パラメータと、カメラ操作パラメータ計測回路21から供給されるカメラ操作パラメータとを用いて、差分背景によるオブジェクト抽出回路23から通知された各選手の領域を、放送カメラ映像ID内にマッピング(座標変換)する。そして、マッピングした結果を関連オブジェクト位置算出手段2に通知する。
【0029】
関連オブジェクト位置算出手段2では、通知された各選手の領域を基に、オフサイドライン(関連オブジェクト)の位置を算出する。ここで、図3を参照してオフサイドラインの意味について説明する。図3は、オフサイドラインを説明するための図である。サッカーのルールでは、「攻撃側の選手が、▲1▼相手陣内にいる、▲2▼現在のボール位置よりも相手側ゴールラインに近い位置にいる、▲3▼その選手と相手側ゴールラインとの間に相手側選手が2人以上いない。この三つの条件が揃うときに、オフサイドラインポジションとみなされる(オフサイドが成立する)」ことになる。つまり、図3では、相手側ゴールライン31から数えて2人目(ゴールキーパーを含める)の相手側選手がいる位置がオフサイドライン32の位置である。
【0030】
関連オブジェクト位置算出手段2では、事前知識として与えられた両チームのユニフォーム色(ゴールキーパーのユニフォーム色を含める)を基にして、動オブジェクト抽出手段1で抽出された各選手領域について、各選手それぞれのユニフォーム色を、相手側ゴールライン31の位置から順に比較して算出することで、相手側ゴールライン31から数えて2人目の相手側選手を検出する。この相手側選手のいる位置がオフサイドラインの位置となる。
【0031】
図4を参照してオフサイドラインの位置について説明を加える。図4は、固定カメラCSで撮影された固定カメラ映像ISに、オフサイドライン32を付加した図である。図4において、相手側ゴールライン31から数えて2人目の相手側選手が検出されると、固定カメラ映像IS上におけるこの相手側選手の位置は、座標P1(X1,Y1)で表わされる。この座標P1(X1,Y1)を基準にして、固定カメラ映像IS上でのオフサイドライン32を決める。図4に示すように、P1からゴールライン31までの距離が等しくなるようなP1以外の任意の1点P1’(X1’,Y1’)を選定すれば、点P1と、点P1’とを含む線分を得ることができる。この線分が、固定カメラ映像IS上から見たオフサイドラインである。関連オブジェクト位置算出手段2は、このようにして算出して検出したオフサイドラインの位置を関連オブジェクト生成手段3に通知する。
【0032】
関連オブジェクト生成手段3では、関連オブジェクト位置算出手段2から通知されたオフサイドラインの位置と、固定カメラCS及び放送映像カメラCDそれぞれのカメラ内部パラメータと、事前知識として与えられているグラウンド(映像背景)の3次元位置情報とを用いて、オフサイドライン32を放送カメラ映像ID内にマッピング(座標変換)する。
【0033】
図5を参照してこのマッピング処理のアルゴリズムについて説明する。図5は、固定カメラCSと放送映像カメラCDとの両映像間における領域マッピングを説明する図である。図5において、固定カメラCS及び放送映像カメラCDでは、それぞれ2つの座標系が用いられる。第1の座標系は、固定カメラCSの光学中心o1(放送映像カメラCDの場合はo2)を原点として、固定カメラCSのz軸が光軸に一致する3次元カメラ座標系o1−x1−y1−z1(放送映像カメラCDの場合はo2−x2−y2−z2)である。第2の座標系は、固定カメラCSの光軸と画像面との交点である画像中心O1(放送映像カメラCDの場合はO2)を原点とする2次元画像座標系O1−X1−Y1(放送映像カメラCDの場合はO2−X2−Y2)である。
【0034】
また、固定カメラCSの座標系を基準座標系とし、この基準座標系における放送映像カメラCDの状態を、カメラの光学中心の3次元位置(x,y,z)に3つ、カメラの回転角度(パン角度、チルト角度、ロール角度)に3つ、焦点距離に1つ、合わせて7つのパラメータで表すものとする。
【0035】
また、固定カメラCS及び放送映像カメラCDそれぞれのカメラ内部パラメータは既知である。また、事前知識として固定カメラCSとグラウンドとの設置高さおよび設置位置の3次元における位置関係が与えられているものとする。従って、固定カメラCSによって撮影された固定カメラ映像ISにおいて、各画素に対応するグラウンド上の点の3次元位置が既知となる。
【0036】
ここで、ある任意の時刻tにおける放送映像カメラCDの位置を、T=(Tx,Ty,Tzt、回転角度を(θp,θt,θrt、焦点距離をf2とし、また、固定カメラCSの焦点距離をf1として、固定カメラ映像IS内の点P1(X1,Y1)を放送カメラ映像ID上の対応点P2(X2,Y2)にマッピングする方法を詳細に説明する。
【0037】
まず、固定カメラ映像IS内の座標O1(X1,Y1)に対応するグラウンド上の点をpとして、固定カメラCSの座標系におけるpの3次元座標o1(x1,y1,z1)は、下記(1)式によって表わすことができる。ただし、(1)式に示すz1は、固定カメラCSの座標系におけるpの奥行き値である。
【0038】
【数1】
Figure 0004658391
【0039】
また、放送映像カメラCDの座標系におけるpの3次元座標o2(x2,y2,z2)は下記(2)式によって表わすことができる。ただし、(2)式に示すRは、下記(3)式で与えられる回転行列である。
【0040】
【数2】
Figure 0004658391
【0041】
【数3】
Figure 0004658391
【0042】
したがって、放送カメラ映像IDにおける座標O2(X2,Y2)は、前記した放送映像カメラCDの座標系におけるpの3次元座標o2(x2,y2,z2)が、前記(2)式及び前記(3)式で求まっているので、下記(4)式によって求めることができる。
【0043】
【数4】
Figure 0004658391
【0044】
同様に、固定カメラ映像IS内の点P1’(X1’,Y1’)を、放送カメラ映像ID上の対応点P2’(X2’,Y2’)にマッピングする。このとき、前記した対応点P2と、この対応点P2’とを含む線分が、放送カメラ映像ID上でのオフサイドライン32となる。
【0045】
このように、固定カメラ映像ISに含まれる選手(動オブジェクト)を抽出し、選手の位置によってその位置が定まるオフサイドライン32(関連オブジェクト)の位置を算出して検出し、検出したオフサイドライン32の位置を放送カメラ映像ID上にマッピングすることができる。
【0046】
したがって、オフサイドライン32の位置をマッピングした放送カメラ映像IDを送信手段12を介して送信することで、放送カメラ映像ID上に生成されたオフサイドライン32が、視聴者がサッカーのテレビ放送を視聴するときに映像効果をもたらす。
【0047】
つぎに、図6を参照して映像受信装置15について説明する。なお、前記した動オブジェクトおよび関連オブジェクト位置の算出ならびに、動オブジェクトに関連オブジェクトをマッピングする構成については、すでに前記したものと同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0048】
映像受信装置15は、通常のテレビジョン装置と同等の機能を備えており、すでに図1ないし図5により説明した動オブジェクトに関連する関連オブジェクトを含む放送映像信号を受信する受信手段16と、この受信手段16により受信した放送映像信号の音声ならびに放送映像を復調等の処理を行なって画面表示する表示手段17と、この表示手段17に表示されている放送映像に関連オブジェクトを表示あるいは表示しているものを消去する操作を行なう操作手段18とを備えている。
【0049】
受信手段16は、放送局側から放送波あるいは通信回線を介して送られてくる放送映像信号を受信する放送アンテナあるいはケーブル放送受信装置等の構成であり、放送映像を受信して復調等ができるものであれば特に限定されるものではない。
また、表示手段17は、放送映像の音声の出力、映像の表示を行なうことができる液晶表示テレビ、プラズマディスプレイあるいはブラウン管を用いたテレビなどである。
【0050】
さらに、操作手段18は、表示手段17に表示される映像に含まれている関連オブジェクトを表示あるいは消去するための操作を行なう操作ボタンを有する操作用リモコンあるいは表示手段17本体に形成されているプレート操作ボタン(図示せず)として構成されている。
【0051】
したがって、映像受信装置15を用いて、サッカーの試合を視聴する場合、関連オブジェクトであるオフサイドラインOL(図6(b)参照)や、また、ディフェンス選手のディフェンスエリアDA(図6(a)参照)等について、操作用リモコン(操作手段18)を介して選択的に表示させたり、あるいは、表示しているオフサイドラインOLや、ディフェンスエリアDA等を表示画面から消去させたりする操作を行なうことが映像画面上においてリアルタイムでできるものである。
【0052】
もちろん、各サッカーのプレーを放送局側の編集によりリプレイする場合においても、そのリプレイ映像信号に関連オブジェクトを含むものであれば、オフサイドラインOL等の表示、消去を自在に行なうことができるものである。なお、オフサイドラインOLを表示する場合は、一方のサイドラインSLから他方のサイドラインSLまで描画すると分かりやすい。
【0053】
そして、オフサイドラインOLの色彩は、グラウンドの色彩が緑色であり、また、サイドラインSLやゴールライン等のフィールド上に引かれているラインは、一定幅の連続した白色である。そのため、オフサイドラインOLの関連オブジェクトは、白あるいは緑と区別できる色彩あるいはフィールド上に引かれているラインと区別できる点線、一点鎖線などにすると視聴者にとって見分けやすい構成となる。
【0054】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は本実施の形態に限定されることなく、広く変形して実施することが可能である。例えば、サッカーの例では、テレビ画面外にいた選手がテレビ画面内に入ってくる直前の、移動方向のテレビ画面上での表示や、テレビ画面内或いはテレビ画面外にいる各選手の影響エリアの表示なども同様にして実現することが可能である。
【0055】
また、サッカーのテレビ放送に限らず、例えば、図7に示すように、野球中継のバッター毎のストライクゾーンSZを関連オブジェクトとすることなど、映像に含まれる動オブジェクトの位置によってその位置が定まる関連オブジェクトを自動的に生成して、映像効果とするような汎用的な放送番組に適用することが容易にできる。
【0056】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明に係る映像補助効果生成装置では、固定カメラで撮影した固定カメラ映像から動オブジェクトを抽出して、抽出した動オブジェクトの位置によってその位置が決定される関連オブジェクトの位置を算出することで検出して、検出した関連オブジェクトの位置を放送カメラ映像上に生成する構成としたので、放送映像に映像補助効果がもたらされ、より分かり易く、よりエンタテイメント性の高い放送番組を製作することができる。
【0057】
また、映像送信装置は、関連オブジェクトを含む放送映像信号を送信することができるため、放送映像に映像効果がもたらされ、より分かり易く、よりエンタテイメント性の高い放送番組を提供することができる。
【0058】
さらに、映像受信装置は、関連オブジェクトを含む放送映像信号を受信して視聴者の操作により、その関連オブジェクトを表示あるいは消去することができるため、視聴者の好みに合わせて映像補助効果を選択して使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる映像送信装置および映像補助効果生成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる動オブジェクト抽出手段の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる映像補助効果生成装置によるオフサイドラインを説明するための模式図である。
【図4】本発明にかかる映像補助効果生成装置で固定カメラ映像にオフサイドラインを付加した模式図である。
【図5】本発明にかかる映像補助効果生成装置により固定カメラと放送映像カメラとの両映像間における領域マッピングを説明する模式図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明にかかる映像受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明にかかる映像補助効果生成装置による関連オブジェクトを付加した映像の模式図である。
【符号の説明】
1 動オブジェクト抽出手段
2 関連オブジェクト位置算出手段
3 関連オブジェクト生成手段
10 映像補助効果生成装置
11 映像送信装置
12 送信手段
15 映像受信装置
16 受信手段
17 表示手段
18 操作手段
21 カメラ操作パラメータ計測回路
22 カメラ内部パラメータ供給回路
23 背景差分によるオブジェクト抽出回路
24 放送映像オブジェクト抽出回路
CS 固定カメラ
IS 固定カメラ映像
CD 放送映像カメラ
ID 放送カメラ映像

Claims (3)

  1. 放送映像カメラの撮影可能な範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像と、前記放送映像カメラによって撮影された放送カメラ映像とを互いに参照して用い、前記放送カメラ映像に映像補助効果を生成する映像補助効果生成装置であって、前記固定カメラ映像に含まれている特定の動オブジェクトを抽出する動オブジェクト抽出手段と、抽出された前記動オブジェクトに関連する関連オブジェクトの位置を算出する関連オブジェクト位置算出手段と、算出された前記関連オブジェクトの位置に基づいて前記関連オブジェクトを前記放送カメラ映像にマッピングする関連オブジェクト生成手段と、を有することを特徴とする映像補助効果生成装置。
  2. 放送映像カメラの撮影可能な範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像と、前記放送映像カメラによって撮影された放送カメラ映像とを互いに参照して用い、前記放送カメラ映像に映像補助効果を生成する映像送信装置であって、前記固定カメラ映像に含まれている特定の動オブジェクトを抽出する動オブジェクト抽出手段と、抽出された前記動オブジェクトに関連する関連オブジェクトの位置を算出する関連オブジェクト位置算出手段と、算出された前記関連オブジェクトの位置に基づいて前記関連オブジェクトを前記放送カメラ映像にマッピングする関連オブジェクト生成手段と、前記関連オブジェクト生成手段によりマッピングされた関連オブジェクトを含む放送カメラ映像を送信する送信手段と、を有することを特徴とする映像送信装置。
  3. 放送映像カメラの映像範囲を固定カメラの撮影範囲とする固定カメラ映像に含まれる特定の動オブジェクトに関連する関連オブジェクトを含む前記放送映像カメラによる映像情報を受信する受信手段と、この受信手段により受信した前記映像情報を表示する表示手段と、前記動オブジェクトに関する前記関連オブジェクトを前記表示手段に表示させるための操作を行なう操作手段と、を有することを特徴とする映像受信装置。
JP2001184861A 2001-06-19 2001-06-19 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置 Expired - Fee Related JP4658391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001184861A JP4658391B2 (ja) 2001-06-19 2001-06-19 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001184861A JP4658391B2 (ja) 2001-06-19 2001-06-19 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003008990A JP2003008990A (ja) 2003-01-10
JP4658391B2 true JP4658391B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=19024548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001184861A Expired - Fee Related JP4658391B2 (ja) 2001-06-19 2001-06-19 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4658391B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4533037B2 (ja) * 2003-12-26 2010-08-25 日本放送協会 オフサイドライン検出装置及びそのプログラム
JP2010074776A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Sony Corp 表示制御装置、表示制御方法、およびプログラム
JP4591586B2 (ja) * 2008-09-22 2010-12-01 ソニー株式会社 表示制御装置、表示制御方法、およびプログラム
JP7277085B2 (ja) * 2018-07-04 2023-05-18 キヤノン株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
CN109859638A (zh) * 2018-11-20 2019-06-07 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 U-cut屏幕oled显示装置及其图标显示方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0756990A (ja) * 1993-08-20 1995-03-03 Csk Corp スポーツ競技監視判定システム
JP2002224260A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Nec Corp オフサイド判定補助装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0756990A (ja) * 1993-08-20 1995-03-03 Csk Corp スポーツ競技監視判定システム
JP2002224260A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Nec Corp オフサイド判定補助装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003008990A (ja) 2003-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6380933B1 (en) Graphical video system
JP5801812B2 (ja) 3dビデオへの仮想インサート
US8922718B2 (en) Key generation through spatial detection of dynamic objects
CN113873174A (zh) 用于自动电视制作的方法和系统
US20030038892A1 (en) Enhancing broadcast of an event with synthetic scene using a depth map
WO1999035503A2 (en) System for determining the position of an object
KR101291765B1 (ko) 실시간 중계방송을 위한 공 궤적 제공 시스템
CN110270078B (zh) 足球比赛特效展示系统、方法及计算机装置
US7091989B2 (en) System and method for data assisted chroma-keying
JP4658391B2 (ja) 映像補助効果生成装置および映像送信装置ならびに映像受信装置
KR20140023136A (ko) 골프방송중 퍼팅정보 디스플레이시스템 및 그 방법
US20240104793A1 (en) Adding augmented reality to a sub-view of a high resolution central video feed
US20210125349A1 (en) Systems and methods for visualizing ball trajectory in real-time
JP5687670B2 (ja) 表示制御システム、ゲームシステム、表示制御装置、及びプログラム
KR20110130846A (ko) 경기 참여자 관점의 야구공 영상생성 장치, 시스템, 및 그 방법의 기록매체
JPH08289179A (ja) 全方位テレビシステム
KR102149005B1 (ko) 객체 속도 계산 및 표시 방법 및 장치
JP3956696B2 (ja) 情報処理システム
KR200200281Y1 (ko) 구기종목의 스포츠 중계시스템
KR102133274B1 (ko) 태권도 경기의 텔레비전 방송용 영상합성장치
CN114500773B (zh) 一种转播方法、系统和存储介质
US20240066394A1 (en) Information processing apparatus and image generation method
RU2182507C2 (ru) Способ вывода изображения футбольного поля на экран средства отображения и устройства для его осуществления (варианты)
EP2092735B1 (en) System for enhancing video signals
JP2001104641A (ja) ゲーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees