JP4658386B2 - 水道管を利用した通信機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水道管を利用した通信機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば建物の適所に設置したヘッダーから上水を使用する各水栓まで架橋ポリエチレンまたは架橋ポリブデンなどの樹脂パイプを蛇腹状の鞘管に挿通してなる配管を蛸足状に設置して構成した給水・給湯配管システムがある。このシステムでは、図2に示すように、給水主管61と、給湯設備62からの給湯主管63とを屋内に引き込んで、給水主管61および給湯主管63を給水用の配管用ヘッダー64および給湯用の配管用ヘッダー65にそれぞれ接続し、これらヘッダー64および65と、例えば洗面台ユニット66の湯水混合栓67の上流に位置する止水栓68および69とをそれぞれ接続する水供給管70および湯供給管71として、架橋ポリエチレンまたは架橋ポリブデンなどの樹脂パイプ72を蛇腹状の鞘管73に挿通してある。そして、洗面台ユニット66に設置される湯水混合栓67、システムキッチン51に設置される湯水混合栓52、ユニットバス53に設置される湯水混合栓54、あるいは、洗濯機55へ給水するための水道コンセント56等の上水を使用する水栓67、52、54、56のトータルの上水使用流量を検知するため流量計を備えた水道メータ57が設けられている。50は、水道メータ57の上流側に位置する上水管50である。
【0003】
この給水・給湯配管システムでは、鞘管73はそのままにして鞘管73内の樹脂パイプ72の両端の接続を解除するだけで鞘管73内から樹脂パイプ72を取り出し、新しい樹脂パイプに交換できる利便性がある。なお、78は、給水主管61およびヘッダー64間に設けたシーリングキャップ、79は、供給管70を安定状態で屈曲させるためのスタンド付き取付部材である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記給水・給湯配管システムにおいては、例えば洗濯機55の水道コンセント56と水供給管70aの接続部分から水漏れが発生したり、水供給管70a自体から水漏れが発生したりしても自動的に検知する手段はなかった。更に、水漏れしている水栓67、52、54、56を自動的に検知する手段もなかった。
【0005】
この発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、水栓と水供給管の接続部分および/または水供給管からの水漏れや、水漏れしている水栓を自動的に検知できる水道管を利用した通信機構を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、上水を供給する水道管内に光ファイバーを通して通信を行うよう構成され
前記上水を使用する水栓ごとに使用流量を検知する個別流量センサを設け、前記上水のトータルの使用流量を検知するトータル流量センサを設け、前記水道管内に通した前記光ファイバーを介して前記各個別流量センサおよび前記トータル流量センサに接続する制御部を設け、この制御部において、各使用流量の合計とトータルの使用流量とを比較することにより前記各水栓と水道管との接続部分からの水漏れおよび/または前記水道管からの水漏れを検知するように構成され、
前記水道管は、複数の接続口を有する配管ヘッダーと、一の前記接続口及び一の前記個別流量センサ間を接続する配管と、他の一の前記接続口及び前記トータル流量センサ間を接続する配管とによって構成され、
各前記光ファイバーは、各前記配管内から前記配管ヘッダー内に至り、該配管ヘッダーの一端面側から取り出されて前記制御部に接続されるように構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の実施形態を示す。
【0008】
図1において、1は、上水を供給する水道管である。この水道管1の上流端は水道メータ2を介して上水管3に接続されている。
【0009】
4は、上水のトータルの使用流量を検知するため水道メータ2に設置されたトータル流量センサとしての流量計(以下トータル流量計という)である。このトータル流量計4は水道管1内に設けられている。
【0010】
5は、例えばシステムキッチンに設置されるサーモスタット内蔵型のツーバルブ式湯水混合栓で、上水使用量等を表示するモニター5aが設けられている。6aは、湯水混合栓5の吐水・止水および流量調節機能を有する操作ハンドルである。7は、例えば洗面台ユニットに設置されるシングルレバー式の湯水混合栓で、上水使用量等を表示するモニター5bが設けられている。6bは、湯水混合栓7の吐水・止水および流量調節機能を有する操作ハンドルである。以下、湯水混合栓5,7を単に水栓という。
【0011】
8は、水栓5で使用される上水の流量を検知する流量センサ(個別流量センサ)としての流量計である。この個別流量センサ8は水道管1内に設けられている。
【0012】
9は、水栓7で使用される上水の流量を検知する流量センサ(個別流量センサ)としての流量計(以下個別流量計という)である。この個別流量センサ9は水道管1内に設けられている。
【0013】
10は、給水用の配管用ヘッダーで、前記水道管1の一部を構成する。すなわち、前記水道管1は、前記トータル流量計4および配管用ヘッダー10間を接続する配管11と、配管用ヘッダー10と、この配管用ヘッダー10および個別流量センサ8間を接続する配管12と、前記配管用ヘッダー10および個別流量センサ9間を接続する配管13とよりなる。
【0014】
14は制御部で、制御部本体15とモニター16よりなる。制御部本体15は、後述するように種々の機能を有する。
【0015】
17,18,19は、水道管1内に通された光ファイバー(通信線の一例)である。
【0016】
光ファイバー17は、配管11および配管用ヘッダー10内に通されてトータル流量計4と前記制御部本体15とを接続する。
【0017】
光ファイバー18は、配管12および配管用ヘッダー10内に通されて個別流量センサ8と前記制御部本体15とを接続する。
【0018】
光ファイバー19は、配管13および配管用ヘッダー10内に通されて個別流量センサ9と前記制御部本体15とを接続する。
【0019】
20は、インターネット21、テレビ回線22、ビデオ回線23等の通信回線のためのインターフェースで、配線24を介して前記制御部本体15に接続されている。
【0020】
更に、水栓5は、操作ハンドル6aの動きに連動して水栓4の吐水状態および止水状態を検知するスイッチング素子(吐水・止水検知手段の一例)(図示せず)を有し、このスイッチング素子は、配管12および配管用ヘッダー10内に通された光ファイバー25により制御部本体15に接続されている。
【0021】
また、水栓7は、操作ハンドル6bの動きに連動して水栓7の吐水状態および止水状態を検知するスイッチング素子(吐水・止水検知手段の一例。図示せず)を有し、このスイッチング素子は、配管13および配管用ヘッダー10内に通された光ファイバー26により制御部本体15に接続されている。
【0022】
前記制御部本体15は、個別流量センサ8から光ファイバー18を介して入力された個別検出信号に基づいて水栓5で使用される上水の使用流量を演算したり、個別流量センサ9から光ファイバー19を介して入力された個別検出信号に基づいて水栓7で使用される上水の使用流量を演算する機能を有するとともに、水栓5,7で使用される上水の使用流量の合計を演算する機能と、この各使用流量の合計流量と、トータル流量計4から光ファイバー17を介して入力されたトータル検出信号に基づくトータル使用流量とを比較する機能とを有する。この場合、モニター16には、水栓5,7の日々の上水使用量、月間の上水使用量、年間の上水使用量が適宜表示される。また、この発明では、モニター5a,5bにも同様の表示がされるよう水道管1内に通された光ファイバー18,19とは別の光ファイバー(図示せず)を水道管1内に通してモニター5a,5bと制御部本体15が接続される。
【0023】
また、前記制御部本体15において、前記各使用流量の合計流量と前記トータル使用流量とが比較され、前記合計流量が前記トータル使用流量よりも小であるときは、水栓5,7と水道管1との接続部分からの水漏れおよび/または水道管1からの水漏れがあることが分かる。この場合、モニター16およびモニター5a,5bには、水漏れしていることが表示されたり、制御部14から警報(例えば音や光による警報、後述する警報も同様)が発せられたりする。したがって、作業者によって水漏れ箇所の探索と保守点検が早急に行われることになる。
【0024】
また、前記制御部本体15は、水漏れしている水栓を判定する機能を有する。例えば、水栓5が水漏れしている場合の判定操作について説明する。操作ハンドル6a,6bを閉めて水栓5,7を止めると、水栓5のスイッチング素子および水栓7のスイッチング素子からの止水信号がそれぞれ光ファイバー25および光ファイバー26を介して制御部本体15に入力される。一方、個別流量センサ8から光ファイバー17を介して水栓7で水漏れしている量に相当する信号が制御部本体15に入力されるとともに、その水漏れ量に相当する信号がトータル流量計4から光ファイバー17を介して制御部本体15に入力され、これらを比較することにより水漏れしている水栓5を判定できる。この場合、モニター16およびモニター5a,5bには、水漏れしている水栓が表示されたり、制御部14から警報が発せられたりする。したがって、作業者によって水漏れしている水栓の保守点検が早急に行われることになる。
【0025】
また、前記制御部本体15は、一回に使用する上水の使用量の大きな水栓を検知してこれを警報する機能を有する。例えば、水栓5,7で一回に使用する上水の使用量の上限値が予め設定されており、これを越えるとモニター16およびモニター5a,5bに表示されたり、制御部14から警報が発せられたりする。この場合、システムキッチン用の水栓5の方が洗面台ユニット用の水栓7に比して使用量が多いので、前記上限値は水栓4の方が水栓7より大に設定される。
【0026】
また、前記制御部本体15は、凍結警報を発する機能も有する。すなわち、操作ハンドル6a,6bを開いている(各スイッチング素子からの吐止水信号がある)のに、使用流量が検知されない(個別流量センサ8,9の検出信号、トータル流量計4の検出信号がない)場合、制御部14から例えば音や光による警報が発せられたりする。
【0027】
上記各実施形態では、給水用の配管用ヘッダー10を用いた配管のみを示したが、給湯用の配管用ヘッダーも用いて上記各実施形態と同様の構成を採用すれば、例えば水栓5をユニットバスに設置した場合、制御部本体15はインターネット21から浴槽のお湯張り等の情報を受け取り、制御部本体15からスイッチング素子に吐止水信号を発する旨の指令があると、インターネット21を通して浴槽のお湯張り等の動作が施されることが可能となる。
【0028】
また、この発明では、水道管1内に通された光ファイバー18,19とは別の前記光ファイバー(図示せず)を水道管1内に通してモニター5a,5bと制御部本体15を接続しているので、モニター5a,5bによりインターネット13を通して買物等の情報を得ることができるとともに、テレビ回線22あるいはビデオ回線23からの情報によりモニター5a,5bで映像を見ることが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
この発明では、水栓と水供給管の接続部分および/または水供給管からの水漏れや、水漏れしている水栓を自動的に検知できる水道管を利用した通信機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す全体構成説明図である。
【図2】 給水・給湯配管システムを示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1…水道管、3…上水管、17,18,19…通信線。

Claims (7)

  1. 上水を供給する水道管内に光ファイバーを通して通信を行うよう構成され
    前記上水を使用する水栓ごとに使用流量を検知する個別流量センサを設け、前記上水のトータルの使用流量を検知するトータル流量センサを設け、前記水道管内に通した前記光ファイバーを介して前記各個別流量センサおよび前記トータル流量センサに接続する制御部を設け、この制御部において、各使用流量の合計とトータルの使用流量とを比較することにより前記各水栓と水道管との接続部分からの水漏れおよび/または前記水道管からの水漏れを検知するように構成され、
    前記水道管は、複数の接続口を有する配管ヘッダーと、一の前記接続口及び一の前記個別流量センサ間を接続する配管と、他の一の前記接続口及び前記トータル流量センサ間を接続する配管とによって構成され、
    各前記光ファイバーは、各前記配管内から前記配管ヘッダー内に至り、該配管ヘッダーの一端面側から取り出されて前記制御部に接続されるように構成されていることを特徴とする水道管を利用した通信機構。
  2. 前記水栓の吐水・止水および流量調節機能を有する操作ハンドルの動きに連動して前記水栓の吐水状態および止水状態を検知する吐水・止水検知手段を、前記水道管内に通した前記光ファイバーを介して前記制御部に接続し、前記制御部において、前記各水栓の止水状態を検知しているときに、前記各個別流量センサからの出力と前記トータル流量センサからの出力とを比較して水漏れしている水栓を判定するように構成されている請求項1に記載の水道管を利用した通信機構。
  3. 前記水栓の吐水・止水および流量調節機能を有する操作ハンドルの動きに連動して前記水栓の吐水状態および止水状態を検知する吐水・止水検知手段を、前記水道管内に通した前記光ファイバーを介して前記制御部に接続し、前記制御部において、一以上の前記水栓の吐水状態を検知し、前記各個別流量センサからの出力または前記トータル流量センサからの出力が無い場合に警報を発するように構成されている請求項1または2に記載の水道管を利用した通信機構。
  4. 前記制御部において、一回に使用する上水の使用量が予め設定された上限値を越えた水栓を検知するように構成されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水道管を利用した通信機構。
  5. 前記光ファイバーをインターネットあるいは電話線に接続し、前記インターネットあるいは電話線を通して浴槽のお湯張り等の動作が施されるように構成されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水道に関する情報通信機構。
  6. 前記光ファイバーをインターネットに接続するとともに、前記光ファイバーを前記水栓あるいはその近傍に設けたモニターに接続し、このモニターにより前記インターネットを通して買物等の情報を得るように構成されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の水道に関する情報通信機構。
  7. 前記光ファイバーをテレビ回線あるいはビデオ回線に接続するとともに、前記光ファイバーを前記水栓あるいはその近傍に設けたモニターに接続し、このモニターにより映像を見ることが可能に構成されている請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の水道に関する情報通信機構。
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