JP4657938B2 - 流体供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体供給装置、詳しくは、マイクロセルラーフォームなどを発泡成形するための成型システムに装備される流体供給装置に関する。
近年、発泡剤として、超臨界状態の二酸化炭素を用いて、押出成形、射出成形あるいは反応射出成形などの各種の成形方法により、マイクロセルラーフォームを発泡成形することが、種々検討されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照。)。
このような、マイクロセルラーフォームを成形するための発泡成形システムは、液体(液化ガス)または超臨界状態の二酸化炭素を供給するための供給装置と、その供給装置から供給された液体(液化ガス)または超臨界状態の二酸化炭素を発泡剤として、発泡成形するための成型機とを備えている。
このような供給装置として、たとえば、押出タンクの入口に設けられた第1遮断弁と、押出タンクの出口に設けられ射出機シリンダに連通する第2遮断弁と、押出タンクのピストンを作動させる駆動部と、ピストンの位置を検出する位置検出部と、押出タンクを加熱するためのヒータと、第1、第2遮断弁、駆動部、位置検出器およびヒータに接続された制御部とを備え、第1遮断弁を経て供給される超臨界流体を押出タンク内に保持し、超臨界流体の温度および圧力を調整するとともに、第2遮断弁を開弁して射出機シリンダ内へ間欠的に供給する、超臨界流体の流量調整機構が提案されている(たとえば、特許文献3参照。)。
特表2002−501443号公報 特開2002−178352号公報 特開2001−150485号公報
しかし、特許文献3に記載される超臨界流体の流量調整機構では、超臨界流体を定量的に供給することができる一方で、ピストンによって超臨界流体を吸引・吐出するので、超臨界流体を間欠的にしか供給できず、連続的な供給ができないという不具合がある。
一方、超臨界流体や液化ガスのような圧縮性の流体を、たとえば、昇圧ポンプで昇圧した後、流量調整弁から供給したり、または、回転ポンプで供給すれば、連続的な供給ができるが、定量的な供給を確保するためには、供給流路を常時恒温恒圧状態にする必要があり、そのための設備に多大のコストがかかるという不具合がある。
本発明の目的は、簡易な構成により、流体を、間欠的または連続的に、定量的に供給することのできる、流体供給装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、流体供給装置であって、成型機に、発泡剤としての流体を供給するための流体供給装置において、前記流体が充填されるシリンダと、前記シリンダに対して進退されるピストンとを備える1対の定量供給手段と、各前記定量供給手段の前記シリンダに接続され、前記流体を流出させるための流出ラインと、各前記流出ラインの下流側に設けられ、前記流体を前記成型機に供給するための供給ラインと、各前記流出ラインと前記供給ラインとが接続される切替弁と、各前記定量供給手段において、前記シリンダ内に前記流体を充填するために、前記ピストンを前記シリンダに対して退避させる充填動作と、前記シリンダ内において前記流体が所定圧力に加圧されるまで、前記ピストンを前記シリンダに対して進出させる加圧動作と、前記シリンダ内に充填されている前記流体を供給するために、前記ピストンを前記シリンダに対してさらに進出させる供給動作とが、動作されるように、前記ピストンを制御し、かつ、一方の前記定量供給手段の供給動作中は、前記一方の前記定量供給手段の前記シリンダに接続される前記流出ラインと前記供給ラインとが接続されるように、前記切替弁を切り替えて、前記他方の前記定量供給手段の供給動作中は、他方の前記定量供給手段の前記シリンダに接続される前記流出ラインと前記供給ラインとが接続されるように、前記切替弁を切り替える制御手段とを備えていることを特徴としている。
このような構成によると、シリンダおよびピストンを備える定量供給手段が、1対として設けられているので、一方の定量供給手段と他方の定量供給手段とで、流体を交互に供給すれば、流体を連続的に供給することができる。また、一方の定量供給手段と他方の定量供給手段とで不連続に、または、いずれか一方の定量供給手段のみで流体を供給すれば、流体を間欠的に供給することもできる。また、流体の供給において、各定量供給手段は、シリンダ内に流体が充填される充填動作が動作された後、シリンダ内において流体が所定圧力に加圧される加圧動作が動作され、その後、シリンダ内に充填されている流体を供給する供給動作が動作されるので、流体を定量的に供給することができる。その結果、簡易な構成により、流体を、間欠的または連続的に、しかも定量的に供給することができる。
さらに、制御手段によって、一方の定量供給手段の供給動作中には、一方の定量供給手段のシリンダに接続される流出ラインと供給ラインとが接続されるので、一方の定量供給手段から成型機に、流体を確実に供給することができるとともに、他方の定量供給手段のシリンダに接続される流出ラインが、切替弁によって閉鎖されているので、他方の定量供給手段において、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。また、他方の定量供給手段の供給動作中には、他方の定量供給手段のシリンダに接続される流出ラインと供給ラインとが接続されるので、他方の定量供給手段から成型機に、流体を確実に供給することができるとともに、一方の定量供給手段のシリンダに接続される流出ラインが、切替弁によって閉鎖されているので、一方の定量供給手段において、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、各前記定量供給手段において、前記充填動作、前記加圧動作および前記供給動作の各動作に対応して、前記ピストンを異なる速度で進退させることができ、前記供給動作時の前記ピストンの進出速度に対して、前記充填動作時の前記ピストンの退避速度が速くなるように、前記ピストンを進退させることを特徴としている。
このような構成によると、充填動作時のピストンの退避速度が、供給動作時のピストンの進出速度よりも速いので、定量供給にかかる時間をベースとして、充填動作および加圧動作にかかる時間を配分して、充填、加圧および供給からなる1サイクルにかかる時間を設定することができる。そのため、1サイクルにかかる時間を短縮して、発泡成形の生産性の向上を図ることができる。また、加圧速度を速く設定することにより、1サイクルを短縮できる場合がある。さらに、供給速度の設定を変更することにより、供給範囲の広い装置として使用することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、各前記定量供給手段において、前記シリンダは、前記ピストンが進退自在に受け入れられるピストン進退部と、前記ピストン進退部の上流側に設けられ、前記流体を冷却するための冷却通路と、前記ピストン進退部と前記冷却通路との間に設けられ、前記流体の前記冷却通路から前記ピストン進退部への流入を許容し、前記流体の前記ピストン進退部から前記冷却通路への逆流を規制する逆止弁とを備えていることを特徴としている。
このような構成によると、シリンダにおいて、流体は、まず、冷却通路に流入して冷却され、次いで、逆止弁を介して、ピストン進退部に流入して充填される。そのため、より一層、流体の密度を安定させることができ、精度のよい定量的な供給を達成することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記一方の前記定量供給手段の前記供給動作中に、前記他方の前記定量供給手段の前記充填動作および前記加圧動作を完了させ、前記一方の前記定量供給手段の前記充填動作の開始時に、前記他方の前記定量供給手段の前記供給動作を開始させ、かつ、前記他方の前記定量供給手段において、前記加圧動作の終了後に、前記一方の前記定量供給手段の前記充填動作の開始まで、前記ピストンをその圧力が維持されるように待機させることを特徴としている。
このような構成によると、一方の定量供給手段の供給動作中に、他方の定量供給手段の充填動作および加圧動作を完了させて、一方の定量供給手段の充填動作の開始時に、他方の定量供給手段の供給動作を開始させる。そのため、一方の定量供給手段と他方の定量供給手段とで、連続的な流体の供給を達成することができる。
また、他方の定量供給手段では、加圧動作の終了後には、圧力が維持されるように待機され、その後、一方の定量供給手段の充填動作が開始されると、供給動作を開始する。そのため、定量的かつ連続的な流体の供給を、確実に達成することができる。
なお、加圧設定圧力は、成型機の原料圧力と等しいかそれより若干高い圧力に設定されるので、この構成によれば、切替弁の開動作と同時に遅れなく成型機に供給することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記供給ラインに設けられ、所定以上の圧力が負荷されたときに、開動作される背圧弁を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、背圧弁によって、各流出ラインおよび供給ラインに対して、背圧が負荷されるので、シリンダ内の流体は一定の密度に保たれ、流体の定量的な供給を確保しつつ、脈流を防止することができる。精度のよい定量的で安定な供給を達成することができる。また、成型機側の急激な減圧によるシリンダ内の流体の気化を防止することができる。
請求項1に記載の発明によれば、簡易な構成により、流体を、間欠的または連続的に、しかも定量的に供給することができる。さらに、一方の定量供給手段から成型機に、流体を確実に供給することができるとともに、他方の定量供給手段において、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。また、他方の定量供給手段から成型機に、流体を確実に供給することができるとともに、一方の定量供給手段において、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、1サイクルにかかる時間を短縮して、発泡成形の生産性の向上を図ることができる。また、加圧速度を速く設定することにより、1サイクルを短縮できる場合がある。さらに、供給速度の設定を変更することにより、供給範囲の広い装置として使用することができる。
請求項3に記載の発明によれば、より一層、流体の密度を安定させることができ、精度のよい定量的な供給を達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、一方の定量供給手段と他方の定量供給手段とで、連続的な流体の供給を達成することができる。また、定量的かつ連続的な流体の供給を、確実に達成することができる。また、切替弁の開動作と同時に遅れなく成型機に供給することができる。
請求項5に記載の発明によれば、精度のよい定量的で安定な供給を達成することができる。また、成型機側の急激な減圧によるシリンダ内の流体の気化を防止することができる。
図1は、本発明の発泡剤供給装置が装備される発泡システムの一実施形態を示す概略構成図、図2は、図1に示す発泡剤供給装置のピストンポンプであって、(a)は、縦断面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。なお、以下の説明において、「上流側」、「下流側」は、特に言及がない限り、発泡剤としての液化ガスの流れ方向を基準とする。
図1において、この発泡システム1は、発泡剤としての流体である液化ガス(つまり、液体)、たとえば、液化二酸化炭素を、連続的もしくは間欠的に、定量的に供給する流体供給装置としての発泡剤供給装置2と、その発泡剤供給装置2から、発泡剤が供給される発泡成形用の成型機3とを備えている。
発泡剤供給装置2は、ボンベ(貯蔵源)4と、ポンプ5と、ボンベ4とポンプ5とを接続する上流側ライン6と、ポンプ5と後述する成型機3とを接続するための下流側ライン7と、制御手段としてのCPU20とを備えている。
ボンベ4は、たとえば、2つ設けられており、上流側ライン6にそれぞれ接続されている。これらボンベ4には、たとえば、サイフォン方式によって、液化二酸化炭素などの液化ガス(液体)が、所定圧力下で貯蔵されている。各ボンベ4には、遮断弁8が設けられており、その遮断弁8の開放によって、所定の供給圧力で、上流側ライン6へ液化ガスが供給される。
また、上流側ライン6の途中において、各ボンベ4の遮断弁8の下流側には、圧力計9および恒温槽10が、上流側から下流側に向かって順次介装されている。
圧力計9は、上流側ライン6内を流れる液化ガスの圧力を検知する。
恒温槽10は、液化ガスの気化を防止するために、液化ガスを冷却する。この恒温槽10には、冷媒が循環する冷媒循環ライン25が接続されており、冷媒は、冷媒循環ライン25から恒温槽10に対して流入または流出する。恒温槽10を通過する液化ガスは、循環する冷媒によって冷却される。
なお、冷媒循環ライン25は、後述する各シリンダ13の冷媒通路26に接続されており、冷媒は、冷媒循環ライン25を介して、恒温槽10と冷媒通路26との間を循環する。
上流側ライン6は、恒温槽10の下流側において、各吸入ライン11(以下、各吸入ライン11を区別する場合には、第1吸入ライン11aおよび第2吸入ライン11bとする。)に分岐しており、第1吸入ライン11aおよび第2吸入ライン11bは、次に述べるポンプ5の第1ピストンポンプ12aおよび第2ピストンポンプ12bにそれぞれ接続されている。
ポンプ5は、定量供給手段としての1対のピストンポンプ12(以下、各ピストンポンプ12を区別する場合には、第1ピストンポンプ12aおよび第2ピストンポンプ12bとする。)を備えている。
各ピストンポンプ12は、図2(a)に示すように、液化ガスが充填されるシリンダ13と、そのシリンダ13に対して往復動可能に進退されるピストン14とを備えている。
シリンダ13は、有底円筒形状をなし、その内部中央には、細長円柱形状をなし、液化ガスが充填される充填空間であり、ピストン14が進退自在に受け入れられるシリンダ進退部15が形成されている。
また、シリンダ13には、シリンダ進退部15に充填される液化ガスをピストン14によって吐出するための供給通路16が形成されている。この供給通路16は、ピストン進退部15よりも小径であり、シリンダ13の吐出方向に沿って、シリンダ13の吐出方向下流側端部を貫通するように形成されている。この供給通路16は、下流側ライン7の後述する吐出ライン21に接続されている。
また、シリンダ13には、図2(a)および(b)に示すように、ピストン進退部15の周囲に、ピストン進退部15の上流側において、液化ガスを通過させながら冷却するための冷却通路17が形成されている。この冷却通路17は、ピストン進退部15を中心として、互いに90°変位するように設けられる縦通路17aと、各縦通路17a間を連通する横通路17bとを備えている。
各縦通路17a(後述する1番目ないし4番目の縦通路17a)は、ピストン進退部15と平行してシリンダ13の長手方向に沿って延びるように形成されている。また、各横通路17bは、シリンダ13の周方向に沿って延び、互いに隣接する縦通路17aの間において、それらにおけるピストン14の吐出方向上流側端部を連通するように2つ(後述する1番目および3番目の縦通路17a)、下流側端部を連通するように1つ(後述する2番目の縦通路17a)、各横通路17bが交互に配置されるように形成されている。
また、シリンダ13には、冷却通路17として入口通路17cが、シリンダ13の径方向外方から最上流側(1番目)の縦通路17aへ連通するように形成されている。この入口通路17cには、各吸入ライン11が接続されている。また、最下流側(4番目)の縦通路17aと供給通路16との間には、それらの間を連通可能な逆止弁18が設けられている。
そして、冷却通路17には、液化ガスが、まず、吸入ライン11から入口通路17cへ流入される。流入された液化ガスは、入口通路17cを通過して、入口通路17cから1番目の縦通路17aの下流側端部(ピストン14の吐出方向下流側端部、以下同じ。)へ流入され、その1番目の縦通路17aを通過して、その1番目の縦通路17aの上流側端部(ピストン14の吐出方向上流側端部、以下同じ。)から、上流側端部に配置される1番目の横通路17bへ流出される。次いで、液化ガスは、その1番目の横通路17bを通過して、1番目の横通路17bから2番目の縦通路17aの上流側端部へ流入され、その2番目の縦通路17aを通過して、その2番目の縦通路17aの下流側端部から、下流側端部に配置される2番目の横通路17bへ流出される。さらに、液化ガスは、その2番目の横通路17bを通過して、2番目の横通路17bから3番目の縦通路17aの下流側端部へ流入され、その3番目の縦通路17aを通過して、その3番目の縦通路17aの上流側端部から、上流側端部に配置される3番目の横通路17bへ流出される。その後、液化ガスは、その3番目の横通路17bを通過して、3番目の横通路17bから4番目の縦通路17aの上流側端部へ流入され、その4番目の縦通路17aを通過して、その4番目の縦通路17aの下流側端部から、下流側端部に配置されている逆止弁18を通過して、供給通路16へ流出され、その供給通路16からピストン進退部15へ充填される。なお、逆止弁18は、液化ガスの供給通路16内への流入を許容し、液化ガスの供給通路16からの逆流を規制する。
また、シリンダ13には、図2(b)に示すように、ピストン進退部15の周囲に、冷媒を通過させるための冷媒通路26が形成されている。この冷媒通路26は、ピストン進退部15を中心として、上記した冷却通路17に対して45°ずれた位置において、冷却通路17と同様の図示しない縦通路および横通路が形成されるように、設けられている。この冷媒通路26には、上記したように、冷媒循環ライン25が接続されている。
そして、冷媒通路26には、冷媒循環ライン25から冷媒が流入または流出する。冷媒通路26を通過(循環)する冷媒は、シリンダ13を冷却し(たとえば、−15〜0℃に冷却し)、これによって、冷却通路17を通過する液化ガスが冷却される。
また、シリンダ13において、ピストン進退部15内の圧力は、後述する圧力センサ24によって検知される。
ピストン14は、シリンダ13内のピストン進退部15に、進退自在に挿入されている。このピストン14には、図1に示すように、サーボモータ、ステッピングモータなどのモータ19が接続されている。
このモータ19には、後述するCPU20が接続されており、CPU20は、このモータ19の正逆回転および回転速度を制御することにより、ピストン14を、シリンダ13に対して進出させることにより、ピストン進退部15の容量が実質的になくなる吐出完了位置と、吐出完了位置からシリンダ13に対して退避させることにより、ピストン進退部15の容量が実質的に最大となる吸引完了位置と、吸引完了位置からシリンダ13に対して、進出させることにより、ピストン進退部15に充填された液化ガスを所定圧力(たとえば、7〜20MPaであって、成型機の原料圧力に等しいかそれより若干高い圧力)に加圧するように、動作させる。なお、動作後の加圧完了位置は、吸引完了位置と吐出完了位置との途中位置であって、ピストン進退部15に充填された液化ガスを上記した所定圧力に保持するための任意の位置である。
そして、各ピストンポンプ12は、図1に示すように、下流側ライン7にそれぞれ接続されている。より具体的には、下流側ライン7は、その上流側において、各ピストンポンプ12から液化ガスを流出させるために、分岐するように設けられる流出ラインとしての各吐出ライン21(以下、各吐出ライン21を区別する場合には、第1吐出ライン21aおよび第2吐出ライン21bとする。)と、その下流側において、各吐出ライン21が合流して、液化ガスを成型機3に供給するための供給ライン22とを備えている。そして、第1吐出ライン21aおよび第2吐出ライン21bの上流側端部が、第1ピストンポンプ12aのシリンダ13の供給通路16、および、第2ピストンポンプ12bのシリンダ13の供給通路16に、それぞれ接続されている。
また、第1吐出ライン21aの下流側端部と、第2吐出ライン21bの下流側端部と、供給ライン22の上流側端部とは、それらの合流点において、切替弁としての3方切替弁23に接続されている。この3方切替弁23は、後述するCPU20に接続されており、そのCPU20の制御によって、第1吐出ライン21aと供給ライン22とを接続して、第2吐出ライン21bを閉鎖する第1流路と、第2吐出ライン21bと供給ライン22とを接続して、第1吐出ライン21aを閉鎖する第2流路とに切り替えられる。
また、各吐出ライン21の途中には、圧力センサ24が設けられている。各圧力センサ24は、後述するCPU20に接続されており、各圧力センサ24によって検知されたピストン進退部15内の圧力が、CPU20に入力され、モニタされる。
また、供給ライン22の途中において、3方切替弁23の下流側には、背圧弁27、圧力センサ28、逆止弁29および遮断弁30が、上流側から下流側に向かって順次介装されている。
背圧弁27は、供給ライン22内に、所定以上の圧力(たとえば、7〜20MPaであって、成型機の原料圧力と等しいかそれより若干高い圧力)が負荷されたときに、開動作される。この背圧弁27によって、背圧弁27よりも上流側の液化ガスの密度を高めて、液化ガスの液化状態を保持することができる。
圧力センサ28は、供給ライン22内の圧力を検知し、逆止弁29は、液化ガスおよび成型機の原料の逆流を防止し、遮断弁30は、手動により、この供給ライン22を開閉する。
CPU20は、上記した各部に接続され、それらを制御するものであって、たとえば、上記したように、各ピストンポンプ12のモータ19、各圧力センサ24および3方切替弁23に接続され、各圧力センサ24から入力される各ピストン進退部15内の圧力をモニタし、各ピストンポンプ12のピストン14のシリンダ13に対する進退や3方切替弁23の流路の切替を制御している。
成型機3は、特に制限されず、マイクロセルラーフォームを発泡成形するための公知の成形装置であって、押出成型機、射出成型機、反応射出(RIM)成型機などが含まれ、その目的および用途から適宜選択される。この成型機3には、供給ライン22の下流側端部が接続される。
成型機3が、たとえば、押出成型機の場合には、ホッパから樹脂が連続的に投入されるとともに、発泡剤供給装置2の供給ライン22から、液化ガスが発泡剤として連続的に供給され、押出成型機内で溶融される樹脂に液化ガスが連続的に混合され、ダイから樹脂が連続的に押し出され、その押し出しとともに、樹脂が発泡成形される。
また、成型機3が、たとえば、射出成型機の場合には、ホッパから樹脂が間欠的(バッチ)に投入されるとともに、発泡剤供給装置2の供給ライン22から、液化ガスが発泡剤として間欠的に供給され、押出成型機内で溶融される樹脂に液化ガスが混合された後、金型に射出され、樹脂が発泡成形される。
また、成型機3が、たとえば、反応射出成型機の場合には、第1反応成分および/または第2反応成分とに、発泡剤供給装置2の供給ライン22から、液化ガスが発泡剤として間欠的または連続的に供給され、第1反応成分および/または第2反応成分に液化ガスが混合溶解された後、ヘッドにおいて、これら第1反応成分と第2反応成分とが混合反応された後、金型に射出され、樹脂が発泡成形される。
次に、発泡剤供給装置2によって、液化ガスを連続的に供給する動作について説明する。
発泡剤供給装置2の動作開始時には、各ボンベ4において、遮断弁8および遮断弁30が手動にて開動作される。すると、液化ガスが、上流側ライン6に供給され、恒温槽10に流入される。恒温槽10に流入された液化ガスは、冷却されることにより気化が防止され、その後、各吸入ライン11を介してポンプ5の各ピストンポンプ12に流入される。
ポンプ5では、CPU20によって、各ピストンポンプ12のピストン13が、たとえば、成型機3からの任意の要求タイミングをトリガとして、次のような充填動作、加圧動作および供給動作を繰り返すように、制御されている。
すなわち、第1ピストンポンプ12aおよび第2ピストンポンプ12bでは、ピストン14は、まず、シリンダ13に対して一定の退避速度で退避して、ピストン進退部15内に液化ガスを吸引して充填する充填動作により、上記した吐出完了位置から吸引完了位置に位置される。これによって、ピストン進退部15には、最大容量で液化ガスが充填される。
次いで、ピストン14は、シリンダ13に対して一定の進出速度で進出して、液化ガスを上記した所定圧力に加圧する加圧動作により、圧力センサ24で検知された圧力に基づいて所定圧力まで加圧され、上記した吸引完了位置から加圧完了位置に位置される。これによって、シリンダ13内に充填されている液化ガスが、液化二酸化炭素などの圧縮性の液化ガスである場合には、温度および圧力により密度変化を生じるが、このような加圧動作により、密度を一定に保持することができ、定量的な供給が確保される。
その後、ピストン14は、シリンダ13に対してさらに一定の進出速度で進出して、シリンダ13内に充填されている液化ガスを供給する供給動作により、上記した加圧完了位置から吐出完了位置に位置される。これによって、ピストン進退部15内の液化ガスが吐出される。
また、CPU20は、第1ピストンポンプ12aが供給動作している間に、第2ピストンポンプ12bの充填動作および加圧動作が完了するように、第2ピストンポンプ12bのピストン14を制御し、さらに、第2ピストンポンプ12bの加圧動作の終了後には、第1ピストンポンプ12aの充填動作が開始するまでの間、加圧動作によって加圧された圧力が維持されるように、第2ピストンポンプ12bのピストン14を、加圧完了位置に待機させる。そして、第1ピストンポンプ12aの充填動作の開始に同期させて、第2ピストンポンプ12bの供給動作を開始させる。
また、CPU20は、第2ピストンポンプ12bが供給動作している間に、第1ピストンポンプ12aの充填動作および加圧動作が完了するように、第1ピストンポンプ12aのピストン14を制御し、さらに、第1ピストンポンプ12aの加圧動作の終了後には、第2ピストンポンプ12bの充填動作が開始するまでの間、加圧動作によって加圧された圧力が維持されるように、第1ピストンポンプ12aのピストン14を、加圧完了位置に待機させる。そして、第2ピストンポンプ12bの充填動作の開始に同期させて、第1ピストンポンプ12aの供給動作を開始させる。
これによって、各ピストンポンプ12から、液化ガスが交互に定量的に供給される動作が繰り返される。
より具体的には、CPU20は、各ピストンポンプ12において、充填動作、加圧動作および供給動作の各動作に対応して、ピストン14を異なる速度(充填動作、加圧動作および供給動作がそれぞれ互いに異なる速度、および、充填動作と加圧動作・供給動作とが互いに異なる速度を含む。)で進退させており、供給動作時のピストン14の進出速度に対して、充填動作時のピストン14の退避速度が速くなるように(たとえば、供給動作の速度に対して、充填動作が2〜10倍速い速度)、ピストン14を進退させている。これによって、供給動作に必要な時間(たとえば、20〜50秒)に対して、充填動作時に必要な時間(たとえば、2〜10秒)および加圧動作に必要な時間(たとえば、0.5〜4秒)の合計時間(たとえば、2.5〜14秒)が短くなり、その時間差(たとえば、17.5〜36秒)が、ピストン14が加圧完了位置において待機する待機時間となる。
各動作に対して、このように異なる進退速度を設定すれば、装置を大型化させることなく、液化ガスの1回の供給量(ピストン14の1ストロークの供給量)を大きく設定することができる。
そして、CPU20では、第1ピストンポンプ12aが供給動作している間は、3方切替弁23を第1流路に切り替えて、第1吐出ライン21aと供給ライン22とを接続し、また、第2ピストンポンプ12bが供給動作している間は、3方切替弁23を第2流路に切り替えて、第2吐出ライン21bと供給ライン22とを接続する。
これによって、各ピストンポンプ12から交互に定量的に供給される液化ガスは、各吐出ライン21を介して、3方切替弁23から、供給ライン22に途切れることなく連続的かつ定量的に供給される。
そして、供給ライン22に供給された液化ガスは、背圧弁27の設定背圧圧力で供給ライン22内を流れ、背圧弁27からの背圧を受けて、定量的かつ脈流が防止されながら、遮断弁30を通過して、成型機3に供給される。
このような発泡剤供給装置2によると、ポンプ5が2つのピストンポンプ12を備えているので、上記したように、第1ピストンポンプ12aと第2ピストンポンプ12bとで、液化ガスを交互に供給すれば、液化ガスを連続的に供給することができる。また、第1ピストンポンプ12aと第2ピストンポンプ12bとで不連続に、または、第1ピストンポンプ12aまたは第2ピストンポンプ12bのみで液化ガスを供給すれば、液化ガスを間欠的(バッチ)に供給することもできる。
また、液化ガスの供給において、各ピストンポンプ12は、シリンダ13(のピストン進退部15)内に液化ガスが充填される充填動作が動作された後、シリンダ13内において液化ガスが所定圧力に加圧される加圧動作が動作され、その後、シリンダ13内に充填されている液化ガスを供給する供給動作が動作されるので、液化ガスを定量的に供給することができる。さらには、各ピストンポンプ12の供給動作により、液化ガスが定量的に供給されるので、流量を管理する機器を不要とすることができる。その結果、簡易な構成により、液化ガスを、間欠的または連続的に、しかも定量的に供給することができる。
また、CPU20の3方切替弁23の切り替えによって、第1ピストンポンプ12aの供給動作中には、第1ピストンポンプ12aのシリンダ13に接続される第1吐出ライン21aと供給ライン22とが接続されるので、第1ピストンポンプ12aから成型機3に、液化ガスを確実に供給することができるとともに、第2ピストンポンプ12bのシリンダ13に接続される第2吐出ライン21bが、3方切替弁23によって閉鎖されているので、第2ピストンポンプ12bにおいて、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。
また、第2ピストンポンプ12bの供給動作中には、第2ピストンポンプ12bのシリンダ13に接続される第2吐出ライン21bと供給ライン22とが接続されるので、第2ピストンポンプ12bから成型機3に、液化ガスを確実に供給することができるとともに、第1ピストンポンプ12aのシリンダ13に接続される第1吐出ライン21aが、3方切替弁23によって閉鎖されているので、第1ピストンポンプ12aにおいて、確実な充填動作および加圧動作を達成することができる。
また、第1ピストンポンプ12aおよび/または第2ピストンポンプ12bの加圧速度を速く設定することにより、1サイクルを短縮できる場合がある。さらに、供給速度の設定を変更することにより、供給範囲の広い装置として使用することができる。
また、各ピストンポンプ12では、充填動作および供給動作において、CPU20によって、ピストン14の進退速度が異なるように制御されるので、効率的な、充填、加圧および供給を達成することができ、これら充填、加圧および供給からなる1サイクルにかかる時間を短縮して、発泡成形の生産性の向上を図ることができる。
より具体的には、CPU20は、各ピストンポンプ12において、供給動作時のピストン14の進出速度に対して、充填動作時のピストン14の退避速度が速くなるように、ピストン14を進退させている。これによって、CPU20では、供給動作時の定量供給にかかる時間をベースとして、充填動作および加圧動作にかかる時間を配分して、充填、加圧および供給からなる1サイクルにかかる時間を設定することができる。そのため、1サイクルにかかる時間を短縮して、発泡成形の生産性の向上を図ることができる。
また、各ピストンポンプ12において、液化ガスは、まず、冷却通路17に流入して冷却され、次いで、逆止弁18を介して、供給通路16に流入され、ピストン進退部15に充填される。そのため、より一層、液化ガスの密度を安定させることができ、精度のよい定量的な供給を達成することができる。
また、各ピストンポンプ12では、CPU20の制御によって、第1ピストンポンプ12aおよび第2ピストンポンプ12bのいずれか一方のピストンポンプ12の供給動作中に、他方のピストンポンプ12の充填動作および加圧動作を完了させて、一方のピストンポンプ12の充填動作の開始時に、他方のピストンポンプ12の供給動作を開始させる。そのため、各ピストンポンプ12で、連続的な液化ガスの供給を達成することがでる。
とりわけ、他方のピストンポンプ12では、加圧動作の終了後には、圧力が維持されるように待機され、その後、一方のピストンポンプ12の充填動作が開始されると、供給動作を開始する。そのため、定量的かつ連続的な液化ガスの供給を、確実に達成することができる。
また、供給ライン22には、背圧弁27が介装されているので、その背圧弁27によって、背圧弁27よりも上流側の供給ライン22に対して、背圧が負荷されるので、各ピストンポンプ12のシリンダ13内の液化ガスは一定の密度に保たれ、液化ガスの定量的な供給を確保しつつ、脈流を防止することができる。そのため、精度のよい定量的で安定な供給を達成することができる。また、成型機3側の急激な減圧による各ピストンポンプ12のシリンダ13内の液化ガスの気化を防止することができる。
なお、この背圧を成型機3側の圧力よりも若干高く設定することにより、成型機3に対する供給時に、時間の遅れなく任意のタイミングで供給することができる。
そして、この発泡システム1では、上記した発泡剤供給装置2によって、簡易な構成により、液化ガスを、間欠的または連続的に、しかも定量的に、成型機3に供給することができるので、成型機3では、効率的に発泡体を成形することができる。
なお、上記の説明では、液化ガスとして、二酸化炭素を例示したが、本発明において、流体は上記に限定されず、また、圧縮性または非圧縮性を問わず、たとえば、窒素、アルゴン、燃焼性ガス(炭化水素など)、水なども含まれる。
また、本発明の流体供給装置は、発泡成形以外の分野にも適用できる。
また、本発明の流体供給装置は、ピストンの径を小さくすることにより、微量の定量供給にも用いることができる。
また、上記の説明では、発泡剤供給装置2から成型機3へ、液化ガスをそのまま供給したが、たとえば、背圧弁27よりも下流側の供給ライン22を高温高圧にすることにより、液化ガスを超臨界状態で、成型機3へ供給することもできる。
本発明の発泡システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示す発泡剤供給装置のピストンポンプであって、(a)は、縦断面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
符号の説明
2 発泡剤供給装置
3 成型機
12 ピストンポンプ
13 シリンダ
14 ピストン
15 ピストン進退部
17 冷却通路
18 逆止弁
20 CPU
21 吐出ライン
22 供給ライン
23 3方切替弁
27 背圧弁

Claims (5)

  1. 成型機に、発泡剤としての流体を供給するための流体供給装置において、
    前記流体が充填されるシリンダと、前記シリンダに対して進退されるピストンとを備える1対の定量供給手段と、
    各前記定量供給手段の前記シリンダに接続され、前記流体を流出させるための流出ラインと、
    各前記流出ラインの下流側に設けられ、前記流体を前記成型機に供給するための供給ラインと、
    各前記流出ラインと前記供給ラインとが接続される切替弁と、
    各前記定量供給手段において、前記シリンダ内に前記流体を充填するために、前記ピストンを前記シリンダに対して退避させる充填動作と、前記シリンダ内において前記流体が所定圧力に加圧されるまで、前記ピストンを前記シリンダに対して進出させる加圧動作と、前記シリンダ内に充填されている前記流体を供給するために、前記ピストンを前記シリンダに対してさらに進出させる供給動作とが、動作されるように、前記ピストンを制御し、かつ、一方の前記定量供給手段の供給動作中は、前記一方の前記定量供給手段の前記シリンダに接続される前記流出ラインと前記供給ラインとが接続されるように、前記切替弁を切り替えて、他方の前記定量供給手段の供給動作中は、前記他方の前記定量供給手段の前記シリンダに接続される前記流出ラインと前記供給ラインとが接続されるように、前記切替弁を切り替える制御手段と
    を備えていることを特徴とする、流体供給装置。
  2. 前記制御手段は、各前記定量供給手段において、前記充填動作、前記加圧動作および前記供給動作の各動作に対応して、前記ピストンを異なる速度で進退させることができ、前記供給動作時の前記ピストンの進出速度に対して、前記充填動作時の前記ピストンの退避速度が速くなるように、前記ピストンを進退させることを特徴とする、請求項1に記載の流体供給装置。
  3. 各前記定量供給手段において、前記シリンダは、
    前記ピストンが進退自在に受け入れられるピストン進退部と、
    前記ピストン進退部の上流側に設けられ、前記流体を冷却するための冷却通路と、
    前記ピストン進退部と前記冷却通路との間に設けられ、前記流体の前記冷却通路から前記ピストン進退部への流入を許容し、前記流体の前記ピストン進退部から前記冷却通路への逆流を規制する逆止弁と
    を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の流体供給装置。
  4. 前記制御手段は、前記一方の前記定量供給手段の前記供給動作中に、前記他方の前記定量供給手段の前記充填動作および前記加圧動作を完了させ、前記一方の前記定量供給手段の前記充填動作の開始時に、前記他方の前記定量供給手段の前記供給動作を開始させ、かつ、前記他方の前記定量供給手段において、前記加圧動作の終了後に、前記一方の前記定量供給手段の前記充填動作の開始まで、前記ピストンをその圧力が維持されるように待機させることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の流体供給装置。
  5. 前記供給ラインに設けられ、所定以上の圧力が負荷されたときに、開動作される背圧弁を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の流体供給装置。
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