JP4657300B2 - 心拍計および心拍検出方法 - Google Patents

心拍計および心拍検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、心拍計および心拍検出方法に関し、特に心拍波形に含まれる体動ノイズや外乱ノイズのノイズ除去に関する。
生体の心拍を測定する心拍計は従来より種々提案されている。発光素子から身体に光を照射し、その反射光または透過光を受光素子で検出し、受光信号を脈拍信号に変換して脈拍を検出する脈拍検出回路として、例えば、特許文献1が知られている。
このような心拍計では、雑音に対して脈拍数が安定して表示されることが求められており、脈拍数表示の安定性を高める提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
特許文献2は、雑音に起因するパルスが比較的幅のせまいパルスであることに着目し、脈波検出回路と脈波演算手段との間に、脈波検出回路が出力する脈波信号のパルス幅を評価する脈波パルス評価手段を設け、正規の脈波信号と認められる信号のみを脈波演算手段に伝達することによって、脈拍表示の安定性を得ようとするものである。
また、特許文献3には、加速度センサとウエーブレット変換を用いて体動を除去するものであり、加速度センサによって、体動を加速度として体動波形を検出し、この体動波形にウエーブレット変換を施して周波数領域毎の体動解析データを生成し、また、生体の検出部位から検出した脈波波形にウエーブレット変換を施して周波数領域毎の脈波解析データを生成し、脈波解析データから体動解析データを減算して脈拍を検出することが開示されている。
また、心拍情報を光学的に取り出すフォトプレチスムグラフィー(PPG)において、PPG信号から高周波成分の雑音をウエーブレット変換を用いて除去する点については、特許文献4にも示されている。
特公昭61−29730号公報 特公平4−79250号公報 特開平11−9564号公報 特開2003−310562号公報 順天堂大学名誉教授 石河利寛著、「健康・体力のための運動生理学」、杏林書院、2000年4月, P.75-78
心拍計による心拍数の測定は、例えば非運動時や運動時というように様々な測定条件で行われる。このように異なる測定条件下では、心拍センサで検出される心拍波形は、基本波形に限らずこの基本波形に重畳されるノイズ成分についても、その周波数や波高値などの信号特性が異なる。
図24は心拍センサ等の心拍検出部で検出される心拍波形の一例を示している。心拍波形の主成分は基本波と高調波である。心拍波形は、この主成分に加えてノイズ成分が重畳され、多数の周波数成分を含んでいる。
例えば、基本波形は基本周波数成分の他に2倍高調波成分をはじめとする高調波成分を含み、ノイズ成分は、心拍センサや伝送系中に侵入する電気的な高周波ノイズである外乱ノイズや、心拍センサを装着した非測定者が運動した際に心拍センサの装着位置ずれ等で発生する微動ノイズである体動ノイズを含んでいる。
図25は図24の心拍波形に含まれるノイズ成分の一例であり、図24(a)は外乱ノイズの一例を示し、図25(b)は体動ノイズの一例を示している。
これら基本波や高調波の周波数や波高値は、被測定者が心拍計を使用する状態に応じて変化し、例えば、非運動時、運動開始時、運動中等の各状態で異なる特性を示す。
図26,図27,図28は、それぞれ非運動時,運動開始時,及び運動中における周波数特性を示している。心拍波形は、上記したように、各状態において基本波や2倍高調波等の高調波の主成分に加えて外乱ノイズや体動ノイズを含み、運動中には、基本波及び2倍高調波の周波数は非運動時よりも高くなる他、低い周波数成分が増加する(図28参照)。また、運動開始時には、基本波や2倍高調波等の高調波の主成分と比較して、高周波成分が増加する(図27参照)。
ここで、人体の心拍数は、おおよそ20〜220bpm(一分当たりの心拍数)であり、このときの基本周波数は0.33(=20bpm/60sec)〜3.67(=220bpm/60sec)Hzの周波数帯域となり、2倍高調波までの高調波を考慮すると0.33(=20bpm/60sec)〜7.34(3.67×2)Hzの周波数帯域となる。なお、心拍数について記載する文献としては、例えば、非特許文献1がある。この非特許文献1には、運動時の最大心拍数を、運動時の最大心拍数=220−年齢という関係式で表しており、220bpmを上限としている。他方、下限について、非特許文献1には、最も低い実測例として、安静時心拍数が28bpmのスキー選手が確認されている旨の記載がある。
一般的に、非運動時は例えば心拍数が80bpm以下の低い値であって、基本周波数は1.34Hz以下でその振幅も小さい。非特許文献1には、非運動時において、測定した人の90%以上が心拍数50〜80bpmの範囲に入っているという実測データが記載されている。これに対して、運動中には心拍数は80bpmよりも高い値となると共に基本周波数も高くなり、また、運動による血流増加に伴った信号振幅も例えば1.5倍以上に増加する。
心拍波形に含まれるノイズ成分を除去するには、一般的には、所定の周波数幅を通過帯域とするバンドパスフィルタ等によって、主成分が含まれる周波数帯域の信号成分を抽出することが考えられる。
図29は非運動時の例(基本周波数を1.34Hzとする)を示し、図30は運動中の例(基本周波数を3.0Hzとする)を示し、0.33(=20bpm/60sec)〜3.67(=220bpm/60sec)Hzの通過帯域を有するバンドパスフィルタによりノイズ除去を行う例を示している。
上記したように、人体の心拍数は0.33(=20bpm/60sec)〜3.67(=220bpm/60sec)Hzを主成分の周波数帯域と考えることができるため、図29,図30に示すように、心拍波形の周波数成分(図29(a),図30(a))を0.33(=20bpm/60sec)〜3.67(=220bpm/60sec)Hzの通過帯域のバンドパスフィルタに通すことで、心拍波形の主成分である基本周波数やその2倍高調波を抽出することができる。例えば、非運動時には基本周波数(1.34Hz)とその2倍高調波(2.67Hz)を抽出することができ(図29(c))、運動時には基本周波数(3.0Hz)を抽出することができる(図30(c))。
しかしながら、ノイズ成分の周波数帯域は3〜30Hzであるため、心拍波形の主成分の周波数帯域とノイズ成分の周波数帯域とで、周波数帯域に重なる部分(例えば、3.0Hz〜3.67Hz)が存在する。そのため、この周波数帯域の重なり部分にノイズ成分がある場合には、このノイズ成分を除去することができない(例えば、図29(c)中のノイズ成分)という問題がある。
このように、心拍波形に含まれるノイズ成分の除去を、主成分が含まれる周波数帯域の信号成分を抽出し、その他の周波数帯域の信号成分を除去する信号処理によって行う場合には、帯域内に存在するノイズ成分を除去することができないという問題がある。この問題は、上記したバンドパスフィルタによる処理に限らず、前記したウエーブレット変換を用いるといった周波数解析による手法においても同様と考えられる。
また、図30に示すように、運動中には低い周波数のノイズ成分が増えるため、バンドパスフィルタの通過帯域内に発生したノイズ成分を除去することができない(図30(c))。また、この運動中では基本周波数が高くなることで2倍高調波はバンドパスフィルタの通過帯域外となって除去され、主成分は基本周波数のみとなる。このように、運動中では、ノイズ成分が残り、さらに、2倍高調波が除去されて主成分は基本周波数のみとなるため、S/N比が低下するという問題がある。
上記のように、測定条件が変化すると、心拍波形に含まれる基本波や高調波やノイズ成分の周波数や波高値などの信号特性が変化するため、ノイズ成分を除去して心拍波形に含まれる主成分を有効に検出することが困難となり、心拍の正確な検出が困難となるという問題がある。
そこで、本発明は従来の問題を解決し、測定条件が変化し、心拍波形に含まれる基本波や高調波やノイズ成分の周波数や波高値などの信号特性が変化した場合であっても、心拍を正確に検出することを目的とする。
本発明の心拍計は、生体の心拍波形を検出する心拍波形検出部と、心拍波形から心拍を検出するための信号処理部とを備える。
信号処理部は、心拍波形に対して信号処理を施して心拍信号を形成する心拍信号形成処理部と、この心拍信号形成処理部により形成された心拍信号から心拍を検出する心拍検出処理部とを備える。
本発明の心拍信号形成処理部は、所定の周波数特性を付加する信号処理を行うことによって、周波数成分の信号強度を増幅させた心拍信号を形成する。この周波数成分の信号強度の増幅は、心拍波形の主成分を増加させ、ノイズ成分を低減させるものである。
心拍信号形成処理部は、心拍波形の周波数成分を信号増幅する信号増幅部を有し、この信号増幅部は、心拍波形の低域側の周波数成分を低増幅率で増幅し、心拍波形の高域側の周波数成分を高増幅率で増幅する信号増幅特性とすることによって、心拍波形に所定の周波数特性を付加し、心拍波形の主成分を増加させ、ノイズ成分を低減させる。この信号処理としては、例えば、心拍波形の周波数成分を微分特性で信号増幅する。
また、心拍信号形成処理部は帯域通過のフィルタ処理を含むことができ、これによって心拍波形の所定狭帯域の信号に対して信号処理を行い、心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去する。
この心拍信号形成処理部で行うノイズ成分の除去及び信号強度の増幅の信号処理は、心拍信号に波形歪みを付加する。本発明による波形歪みは、心拍波形の主成分を増加し、ノイズ成分を低減する。これにより、波形歪みは心拍と強い相関で関係付けられる。したがって、波形歪みは心拍情報を良好なS/N比で備えることになる。
本発明の心拍検出処理部は、心拍信号形成処理部により心拍信号に付加された波形歪みを検出することで、ノイズの影響を低減して、誤検出することなく心拍を検出することができる。
なお、心拍検出部は心拍センサと検出回路で構成することができる。心拍センサは、例えば光学式の反射センサあるいは透過センサを用いることができ、検出回路は、心拍センサが光信号を出力する場合には電気信号に変換し、必要に応じて信号増幅を行う。
本発明の心拍信号形成処理部は、心拍信号が備える周波数内の所定の周波数帯域に対して信号処理を施す狭帯域信号処理を施す。
心拍信号形成処理部は、心拍波形の周波数成分から所定狭帯域の周波数成分を通過させて外乱ノイズ成分又は体動ノイズ成分あるいは、外乱ノイズ成分と体動ノイズ成分の両方を除去するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを通過した周波数成分を、高周波側を高い増幅率で増幅する信号増幅部とを有する。
バンドパスフィルタは、心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去する。バンドパスフィルタの通過帯域は、心拍の第1の状態における最高心拍波形の2倍高調波の周波数以上の周波数を高域側の遮断周波数とし、また、心拍の第1の状態における最低心拍波形の基本周波数以下の周波数を低域側の遮断周波数とする周波数範囲とする。
信号増幅部は、例えば微分特性による増幅によって、高周波側の周波数成分を強調して増幅する。微分特性は、1階微分特性や2階微分特性の他、さらに高次の微分特性とすることができるが、心拍波形のS/N比や、信号処理部を形成するハードウエア構成やその費用対効果を考慮すると、40dBの増幅率が得られる2階微分特性が適当である。この2階微分特性等の微分特性によって、心拍信号の高周波側の周波数成分は強調されて増幅される。
信号増幅部は、心拍の第2の状態における最高心拍波形の基本周波数の付近の増幅度を最も高くする増幅特性を備え、この周波数付近の成分をより強調して増幅する。これによって、ノイズ成分については低い増幅率で増幅し、心拍の基本周波数や2倍高調波の周波数の成分については高い増幅率で増幅し、ノイズの影響を低減する。
また、信号増幅部の増幅特性は、最も高い増幅度の周波数よりも高い周波数域側において、増幅率が漸次低下する周波数帯域を備える。これにより、2倍高調波の周波数が変動した場合についても、信号成分を取りこぼすことなく有効に取得することができ、また、高次高調波成分についても取り込むことができる。
したがって、本発明の心拍信号形成処理部は、心拍の第1の状態における最低心拍波形の基本周波数以下の周波数を低域側の遮断周波数とし、心拍の第1の状態における最高心拍波形の2倍高調波以上の周波数を高域側の遮断周波数とする周波数範囲と、第2の状態における最高心拍波形の基本周波数の周波数付近の増幅度を最も高くする増幅特性とを組み合わせた周波数特性を備える。
上記する周波数特性において、周波数範囲は第1の心拍状態で定まる周波数によって周波数範囲を設定するものであり、心拍の第1の状態を心拍数が少なく基本周波数が低い状態とし、心拍の第2の状態を心拍数が多く基本周波数が高い状態とする。また、心拍波形の主成分は、基本周波数と2倍高調波とする。
ここで、第1の状態において取り得る周波数には幅があり、測定対象や測定条件によって心拍波形の基本周波数及び2倍高調波は所定の周波数幅内で変動する。
この周波数幅内において、最低の心拍波形の基本周波数以下の周波数を低域側の遮断周波数とすることによって、主成分を含む低周波数の内で想定し得る最も低い周波数を低周側波数の目安として設定することができる。
また、同じく基本周波数及び2倍高調波の周波数幅内において、最高の心拍波形の2倍高調波の周波数以上を高域側の遮断周波数とすることによって、主成分を含む高周波数の内で想定し得る最も高い周波数を高域側周波数の目安として設定することができる。
したがって、この通過帯域は、この最低の心拍波形の基本周波数や最高の心拍波形の2倍高調波の周波数を基準とする帯域に幅を持たせた周波数帯域である。
上記のように周波数範囲を設定することで、心拍波形の周波数成分からこの周波数範囲の周波数成分を検出すれば、その中には必ずその心拍波形の基本周波数あるいは2倍高調波の主成分が含まれることになるため、検出した主成分から心拍信号を求めることが可能となる。
また、上記する周波数特性において、増幅特性は高周波側の周波数成分を、低周波数側の周波数成分より大きく増幅するものであり、心拍の第2の状態における最高心拍波形の基本周波数付近の増幅度を最も高く設定する。心拍の第2の状態を、単位時間当たりの心拍数が多く、基本周波数が高い状態とすることによって、主成分を含む高周波数の内で想定し得る最も高い基本周波数成分について高い増幅度で増幅することができる。
上記のように増幅特性を設定することで、第2の状態において基本周波数が高周波数となり、2倍高調波が前記した周波数範囲から外れ、周波数範囲内に含まれる心拍波形の主成分が基本周波数のみとなった場合であっても、基本周波数を確実に増幅することができると共に、その信号を他の周波数の信号と比較して大きく増幅することができるため、心拍情報のS/N比を高めることができ、検出した主成分から心拍信号を求めることが可能となる。
心拍の第1の状態は非運動状態とし、また、心拍の第2の状態は運動状態とすることができる。
前記した心拍信号形成処理部では高周波数側の周波数成分を強調して増幅する処理を行うため、形成された心拍信号はスロープ成分が強調される。スロープ成分は、心拍波形の主成分に基づいて形成されるものであるから、スロープ部分の個数と心拍数とは対応するものとなる。本発明の心拍検出処理部は、このスロープ成分を検出することによって、心拍を検出する。
本発明の心拍検出処理部の一態様は、心拍信号の波形スロープ成分を検出し、所定の波形スロープ成分であるとき心拍を検出する。なお、スロープ成分は、心拍信号波形の立ち上がり期間、あるいは立ち下がり期間における信号変化の何れかを用いてもよく、また、両方の信号変化を用いてもよい。この場合の検出数は心拍数の2倍となるため、検出数を1/2とすることで心拍数を求める。
本発明の心拍検出処理部の他の態様は、心拍信号の波高値と傾きを検出条件として、心拍信号に付加された波形歪みを検出する波形歪み検出部を備える。この波形歪み検出部は、波形歪みを心拍として検出する。
ここで、検出条件は、心拍信号が所定波高値以上であり、かつ、心拍信号の傾きが所定期間において単純増加又は単純減少あるいは、単純増加と単純減少の両方である。
所定波高値は、心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分とすることができる。通常、心拍波形の基本周波数の波高値は、2倍高調波の波高値よりも大きく、また、運動中の波高値は非運動時の波高値よりも大きくなる。また、一般に、心拍波形の2倍高調波の波高値はノイズ成分の波高値よりも大きい場合が多い。
そこで、非運動時における2倍高調波の周波数付近での周波数成分よりも大きな波高値を検出条件とすることによって、心拍波形の主成分に有無を判定することができる。
また、所定期間は、心拍波形の周期の1/4以下の周期幅とすることができる。心拍波形の主成分は、少なくとも基本周波数と2倍高調波を含む場合、その周期特性は長くとも心拍波形の周期の1/4と想定されるため、心拍の主成分は、少なくとも心拍波形の周期の1/4以下の周期幅に渡って単調に増加あるいは単調に減少する。この周期幅は、前記したスロープ部分の幅に相当する。
ここで、心拍信号が心拍波形をサンプリングすることで得られる場合には、心拍波形の周期の1/4の時間幅をサンプリング周期で除算した値に相当する個数の連続するサンプリング点を検出し、そのサンプリング点の値が心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分よりも大きく、かつ、単調に増加あるいは単調に減少する場合に、波形歪みを心拍として検出する。
本発明は、上記した心拍計の態様の他に、心拍波形のノイズを除去し、心拍を検出する方法の態様を含む。
本発明の心拍検出方法は、生体の心拍波形を検出する心拍波形検出工程と、心拍波形の低域側の周波数成分を低増幅率で増幅し、心拍波形の高域側の周波数成分を高増幅率で増幅する信号増幅処理を施して心拍信号を形成する心拍信号形成工程と、心拍信号形成工程において心拍信号に付加された波形歪みを検出する波形歪み検出工程と、波形歪みを心拍として検出する心拍検出工程とを備える。
また、心拍信号形成工程は、心拍波形の周波数成分を微分特性で信号増幅する信号増幅処理とすることができ、心拍検出工程は、波形歪みの検出により心拍波形の基本波又は2倍高調波あるいは、基本波と2倍高調波の両方を心拍として検出することができる。
ここで、心拍信号形成工程の一態様は、心拍波形の周波数成分から所定狭帯域の周波数成分を通過させて外乱ノイズ成分又は体動ノイズ成分あるいは、外乱ノイズ成分と体動ノイズ成分の両方を除去する帯域通過処理と、狭帯域内の周波数成分を、高周波側を高い増幅度とする2階微分特性等の微分特性で信号増幅する信号増幅処理とを含む狭帯域信号処理の2つの処理を含む。
また、心拍信号形成工程の別の態様は、帯域通過処理は、心拍の第1の状態における最低心拍波形の基本周波数以下の周波数を低域側の遮断周波数とし、心拍の第1の状態における最高心拍波形の2倍高調波の周波数以上の周波数を高域側の遮断周波数とする周波数範囲に制限することで行う。また、信号増幅処理は、第2の状態における最高心拍波形の基本周波数付近の増幅度を最も高くする増幅特性で信号増幅することで行う。これらの処理を組み合わせることで、周波数範囲において第2の状態における最高心拍波形の基本周波数付近の心拍波形を強調して信号増幅する。
帯域通過処理は、非運動状態において測定して最低心拍波形の基本周波数を低域側周波数とし、運動状態において測定した最高心拍波形の基本周波数を高域側周波数とする周波数範囲に制限する。
本発明の波形歪み検出工程の一態様は、心拍信号の波形スロープ成分を検出し、所定の波形スロープ成分を抽出することによりノイズ成分を除去して心拍のみを検出する。
スロープ成分は、心拍信号波形の立ち上がり期間あるいは立ち下がり期間における信号変化、もしくはその両方期間における信号変化としてもよい。
本発明の波形歪み検出工程の他の態様は、心拍信号の波高値と傾きを検出条件として心拍信号に付加された波形歪みを検出し、検出した波形歪みを心拍として検出する。
ここで、検出条件は、前記したように、心拍信号が所定波高値以上であり、かつ、所定期間において単純増加又は単純減少あるいは、単純増加と単純減少の両方とし、所定波高値は、心拍の非運動状態における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分とする。
本発明によれば、測定条件が変化し、心拍波形に含まれる基本波や高調波やノイズ成分の周波数や波高値などの信号特性が変化した場合であっても、心拍を正確に検出することができる。
本発明の概略を説明するための図である。 心拍波形、基本周波数及び2倍高調波の概略を説明するための図である。 本発明の心拍計の概略構成を説明するための図である。 心拍センサの一構成例を説明するための概略断面図である。 本発明の心拍計の別の構成を説明するための図である。 心拍センサの別の構成例を説明するための概略断面図である。 バンドパスフィルタ及び2階微分特性処理による狭帯域信号処理の詳細説明図である。 心拍の第1の状態(非運動時)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明するための図である。 心拍の第2の状態(運動中)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明するための図である。 非運動時における処理前の波形及び周波数成分を説明するための図である。 非運動時における処理後の波形及び周波数成分を説明するための図である。 運動開始直後における処理前の波形及び周波数成分を説明するための図である。 運動開始直後における処理後の波形及び周波数成分を説明するための図である。 運動中における処理前の波形及び周波数成分を説明するための図である。 運動中における処理後の波形及び周波数成分を説明するための図である。 狭帯域信号処理の一構成例を説明するための図である。 本発明の信号増幅の増幅特性を説明するための図である。 本発明の波形歪み検出(スロープ検出)を説明するためのフローチャートである。 周期とスロープ部分との関係を説明するための図である。 基本周波数によるは波形歪みを説明するための図である。 サンプリング点によるスロープ検出を説明するための図である。 波形歪み検出の実例図を用いて説明するための図である。 波形歪み検出部の一構成例を説明するための図である。 心拍センサ等の心拍検出部で検出される心拍波形の一例を示す図である。 図24の心拍波形に含まれるノイズ成分の一例を示す図である。 非運動時における周波数特性を示す図である。 運動開始時における周波数特性を示す図である。 運動中における周波数特性を示す図である。 非運動時の例(基本周波数を1.34Hzとする)を示す図である。 運動中の例(基本周波数を3.0Hzとする)を示す図である。
符号の説明
1 心拍計
2 心拍センサ
2a 発光素子部
2b 受光素子部
2c 遮光部
2A 触覚センサ
3 検出回路
3a 受光回路部
3b 増幅回路部
3c A/D変換部
4 信号処理部
5 狭帯域信号処理部
5a バンドパスフィルタ
5b 2階微分特性
6 スロープ検出部
6a 波高値
6b 傾斜
7 心拍計数部
8 心拍報知部
9 発光回路部
10 生体
11 血管
12 振動波
13 生体組織
14 皮膚
20 心拍波形
21 基本周波数
22 2倍高調波
50 遅延器
51 係数器
52 加算器
60 記憶手段
61 第1の比較手段
62 第2の比較手段
63 カウンタ
以下、本発明の心拍計及び心拍波形からノイズ成分を除去して心拍を検出する手順について図を用いて詳細に説明する。
はじめに、本発明の概略について図1を用いて説明する。図1において、本発明の心拍計1は、生体の心拍波形を検出する心拍波形検出部Aと、検出した心拍波形を信号処理した心拍を検出する信号処理部4とを備える。ここで、信号処理部4は、心拍信号形成処理部Bと心拍検出処理部Cを備える。信号処理部4で検出した心拍は、心拍数検出部Dで心拍数を検出する。ここで、心拍数検出部Dは、心拍数計数部7において心拍数を計数し、心拍数報知部8において、計数した心拍数を表示、送信、記録等により報知する。
なお、前記した心拍波形検出部Aは、例えば、心拍センサ2と、心拍センサ2の出力から検出信号を取得する検出回路3とにより構成することができる。心拍センサ2は、例えば、光学式センサを用いることができ、検出回路3は光信号等の心拍センサ2で取得された出力を電気信号に変換し、必要に応じて信号増幅したり、A/D変換によりデジタル信号に変換することができる。
信号処理部4は、心拍波形の所定狭帯域の信号に対してフィルタ処理及び信号増幅処理を行って心拍信号を形成する心拍信号形成処理部Bと、この心拍信号形成処理部Bによる所定の周波数特性の付加によって、心拍信号に付加された波形歪みから心拍を検出する心拍検出処理部Cとを備える。
心拍信号形成処理部Bは、狭帯域信号処理部5によって構成することができる。狭帯域信号処理部5は、2つの処理内容5a,5bを含んでいる。
第1の処理内容5aは、心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去するものであり、取り込んだ心拍波形の周波数帯域から所定狭帯域の信号を抽出することで行うことができる。心拍波形は、主成分として基本周波数とそのn倍高調波の周波数成分を含んでいる。n倍高調波は“n”の数を多くとるほど心拍波形に近づくが、一般にn倍高調波の波高値は“n”が大きいほど小さいため、心拍数を検出することを目的とする場合などの比較的に低い精度で十分な場合には、“n”として“2”を用いた2倍高調波で十分である。
したがって、ここでは、心拍波形の主成分は基本周波数と2倍高調波の周波数成分とする。図2は心拍波形、基本周波数及び2倍高調波の概略を説明するための図である。図2(a)は心拍波形20の一例であり、図2(b)は心拍波形20に含まれる基本周波数21の周波数成分と2倍高調波22の周波数成分を示している。なお、基本周波数や2倍高調波はフーリエ解析等の周波数解析で求めることができる。
周波数軸上において、心拍波形の主成分である基本周波数と2倍高調波の周波数成分の他にノイズによる周波数成分が存在する。
ノイズとしては、前記したように心拍センサや回路上で侵入する外乱ノイズや、心拍センサが被測定位置からずれることで発生する位置計体動ノイズがある。ノイズに含まれる周波数はノイズ源等によって様々であり、心拍波形の主成分が存在する周波数範囲の内外にわたって現れる。
狭帯域信号処理部5は、心拍波形の主成分である基本周波数や2倍高調波の周波数成分が現れる周波数範囲を設定し、この周波数範囲を用いて心拍波形を狭帯域化して当該周波数範囲内の信号のみの狭帯域信号を生成する。この心拍波形の狭帯域化により、周波数範囲の外側の周波数を持つノイズ成分を除去することができる。
このノイズ成分を除去する第1の処理内容5aは、例えば、バンドパスフィルタで実現することができる。
次に、狭帯域信号処理部5が持つ第2の処理内容5bは、周波数成分の信号強度を増幅させ、これによって心拍信号を形成するものである。この信号処理は、心拍波形に所定の周波数特性を付加する信号処理を施すことによって行うことができる。この所定の周波数特性を付加する信号処理は、心拍波形の主成分を増加させ、ノイズ成分を低減させるものである。
前記した狭帯域信号処理によってノイズ成分を除去した場合であっても、基本周波数と2倍高調波の周波数成分の周波数範囲内で現れるノイズ成分は除去されずに残存することになり、心拍信号のS/N比を低下させる要因となる。
狭帯域信号処理部5の第2の処理は、このような、同じ周波数範囲内に存在する心拍波形の主成分とノイズ成分について、主成分の波高値を信号増幅させることによってノイズ成分との信号強度差を大きくし、これによって心拍信号のS/N比を向上させるものである。ここでは、2倍高調波の周波数成分を信号増幅する例を示している。
この主成分の波高値を信号増幅させる第2の処理内容5bは、例えば、主に2倍高調波を信号増幅する微分特性処理で実現することができる。微分特性処理は、例えば2階微分特性処理とすることができる。なお、2階微分特性処理は、後述するように微分特性処理の一例であり、また微分特性処理も、高い周波数域において高い増幅率で信号増幅する一例である。
この狭帯域信号処理5で行うノイズ成分の除去及び信号強度増幅は、心拍信号に波形歪みを付加することになる(図1中のE)。狭帯域信号処理5で行う信号強度増幅は、主成分の周波数成分、特に基本周波数及び2倍高調波を非線形に信号増幅するため、この信号増幅で得られた心拍信号に含まれる周波数成分の強度比率は、当初の心拍波形に含まれている周波数成分の強度比率とは異なることになる。このことは、心拍信号に波形歪みを付加することを意味している。
この波形歪みは心拍波形を当初の信号形状から歪ませることになるが、心拍波形の主成分が増加され、ノイズ成分が低減されるため、波形歪みは心拍波形よりもより強く、心拍と強い相関で関係付けられることになる。したがって、狭帯域信号処理5により得られる波形歪みを検出することによって、心拍情報を良好なS/N比で求めることになる。
なお、バンドパスフィルタ及び2階微分特性処理による狭帯域信号処理の詳細例については、図7を用いて後述する。
心拍検出処理部Cは、波形歪み検出部6によって構成することができる。波形歪み検出部6は、例えば心拍信号中に含まれる所定スロープ成分を検出し、このスロープと心拍と対応付けることによって心拍を検出する。スロープ成分は、心拍信号波形の立ち上がり期間での信号変化から求めても、立ち下がり期間での信号変化から求めても良く、あるいは、その両期間での信号変化から求めても良い。
波形歪み検出部6は、心拍信号の波高値6aと傾き6bを検出条件として心拍信号に付加された波形歪みを検出する。
検出条件は、心拍信号が所定波高値以上であり、かつ、心拍信号の傾きが所定期間において単純増加又は単純減少あるいは、単純増加と単純減少の両方である。
所定波高値は、例えば、心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分とすることができる。
心拍波形について見ると、通常、基本周波数の波高値は2倍高調波の波高値よりも大きく、また、運動中の波高値は非運動時の波高値よりも大きい、また、心拍波形の2倍高調波の波高値はノイズ成分の波高値よりも大きい場合が多い。
そこで、波高値を第1の条件として心拍の主成分を検出する。非運動時における2倍高調波の周波数付近での周波数成分の波高値を閾値とすることで、この波高値よりも小さい周波数成分には心拍の主成分は含まれず、この波高値よりも大きい周波数成分には心拍の主成分は含まれている可能性がある。
ノイズ成分の大きさによっては前記した波高値を超える場合があるため、上記の波高値による心拍波形の主成分の判定のみによって心拍の主成分を検出することはできない。
そこで、所定期間における傾きを第2の条件とすることで心拍の主成分を検出する。心拍波形の主成分が少なくとも基本周波数と2倍高調波を含む場合には、その周期特性は長くとも心拍波形の周期の1/4と想定される。このとき、心拍の主成分は、少なくとも心拍波形の周期の1/4以下の周期幅に渡って単調に増加あるいは単調に減少する。
したがって、心拍波形の周期の1/4以下の周期幅の所定期間内において、信号が単調に増加あるいは単調に減少することを傾きの条件として、心拍の検出を行う。
心拍信号がサンプリングデータである場合には、心拍波形の周期の1/4の時間幅をサンプリング周期で除算した値に相当する個数の連続するサンプリング点を求め、このサンプリング点の値が心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分よりも大きく、かつ、単調に増加あるいは単調に減少する場合に、心拍として検出する。
次に、本発明の心拍計の概略構成について図3を用いて説明する。なお、ここでは、心拍センサ2として光学式センサの例について示している。
心拍計1は、生体10から心拍情報を取得する心拍センサ2と、心拍センサ2の出力から検出信号を形成する検出回路3と、検出回路3からの検出信号を信号処理して心拍を検出する信号処理部4と、心拍を計数する心拍数計数部7と、計数した心拍数を報知する心拍数報知部8を備える。
心拍センサ2は、発光回路9によって駆動された生体10に光を照射する発光素子部2aと、生体10で散乱あるいは反射、又は透過した光を受光する受光素子部2bを備える。図4は心拍センサ2の一構成例を説明するための概略断面図であり、生体10に対して光を照射し、反射した光を検出する構成例を示している。発光素子部2aと受光素子部2bは遮光板2cを挟んで対向し、照射点(図示していない)に対して対称の位置に設置されている。ここで、遮光板2cは発光素子部2aから受光素子部2bへ直接に入射する光を阻止している。
発光素子部2aから生体10に照射された光は、生体10内の組織や血管11内の血液で散乱し、再び生体10の外に出射される。生体10から出射する光の強度は、血流に応じて変動する。本発明の心拍計1は、この光の強度の血流に応じて変動する光強度の変化に基づいて心拍を検出するものである。
検出回路3は、受光素子部2bから得られる光信号を受光し、電気信号の検出信号に変換する受光回路部3aと、検出信号を信号増幅する増幅回路部3bと、デジタル信号に変換するA/D変換部3cを備える。
信号処理部4は、検出回路3からの検出信号を、前記したバンドパスフィルタや2階微分特性等によってノイズ除去や2倍高調波の信号増幅を行う狭帯域信号処理部5、狭帯域信号処理部5で生成された心拍信号の波形歪みを形成して心拍を検出する心拍検出部(スロープ検出部)6を備える。
心拍数計数部7は信号処理部4で求めた心拍を計数し、心拍数報知部8は心拍数計数部7で計数した心拍数を報知する。なお、報知は、心拍数の表示、記録、送信等を含むものである。
図5は、図3で示した心拍計の別の構成を説明するための図である。この構成例では、心拍センサ2として触覚センサ2Aの例について示している。
心拍計1は、前記図3で示したように心拍センサ2と、検出回路3と、信号処理部4と、心拍計数部7と、報知部8を備え、心拍センサ2である触覚センサ2Aの検出信号は、検出回路3中の増幅回路部3bで信号増幅され、A/D変換部3cでデジタル信号に変換される。
この構成例では、心拍センサ2として触覚センサ2Aを備える。ここで、この触覚センサ2Aは、生体から発せられる振動を検出するセンサを総称しており、例えば、生体中の動脈血管の脈波を検出することで、心拍を検出する。
図6は触覚センサ2Aの一構成例を説明するための概略断面図である。生体内の動脈血管11は、血管内を流れる血液の変動に応じて、脈拍に同期して振動する。この動脈血管の振動は、生体の組織13内を振動波12となって伝搬する。触覚センサ2Aは、生体の例えば皮膚表面に触覚して取り付けられ、生体の組織13内を伝搬した振動波12を検出する。この振動波の検出は、圧力変化や振動変化として検出される。
触覚センサ2Aは、振動波を検出する態様に応じた各種センサを用いることができる。例えば、触覚センサ2Aとして圧力センサを用いた場合には、振動波を圧力変化として検出する。また、触覚センサ2Aとして振動センサを用いた場合には、振動波を振動変化として検出する。振動変化としては、例えば、振幅や周波数等の変化を検出する。
触覚センサ2Aは、生体の組織13内を伝搬した振動波を、皮膚を介して検出する。そのため、触覚センサ2Aは生体の脈拍を検出する測定部位の近傍に設けられる。触覚センサ2Aは、測定部位の近傍の皮膚14に接触させることで検出感度を高めることができ、また、触覚センサ2Aを皮膚14に押し当てることによって、より検出感度を高めることができる。
この構成例の触覚センサ2Aは、血流に応じて変動する振動波を検出し、検出回路3は検出信号を増幅回路部3bで信号増幅し、A/D変換部3cでデジタル信号に変換する。
なお、信号処理部4内の狭帯域信号処理部5、波形歪検出部6、および心拍数計数部7の構成や信号処理、また、心拍数報知部8の構成や信号処理、及び各部の作用動作は、前記図3を用いた説明と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、心拍センサとして光学センサを用いた場合には、心拍信号を検出する部位を狭い範囲で特定することができ、特定位置での心拍状態を検出することができる。また、心拍センサとして触覚センサを用いた場合には、心拍信号を広範囲から取得することができ、心拍センサの取り付けの位置決めに高い精度を不要とすることができ、また、使用中の位置ずれによる検出不良を緩和することができる。
次に、心拍信号形成処理部Bにおけるノイズ成分除去5aと2倍高調波の信号増幅5bについて、それぞれバンドパスフィルタと2階微分特性の例を図7を用いて説明する。
図7(a)はバンドパスフィルタの通過帯域を示し、図7(b)は2階微分特性の周波数特性を示し、図7(c)はバンドパスフィルタと2階微分特性の周波数特性とを組み合わせて得られる周波数特性を示している。
バンドパスフィルタは、心拍波形の周波数成分から所定狭帯域の周波数成分を通過させて外乱ノイズ成分又は体動ノイズ成分あるいは、外乱ノイズと体動ノイズの両方を除去する帯域通過フィルタである。
図7(a)に示すように、バンドパスフィルタは、低域側周波数F1を低域側の遮断周波数とし、高域側周波数F2を高域側の遮断周波数とする狭帯域を通過帯域として設定する。
ここで、バンドパスフィルタの低域側周波数F1は、心拍の第1の状態における最低心拍波形の基本周波数以下の周波数で設定し、高域側周波数F2は心拍の第1の状態における最高心拍波形の2倍高調波以上の周波数で設定することができる。ここで、心拍の第1の状態は、被測定者が運動していない非運動時とすることができる。この非運動時における心拍数は個人差があるが、例えば、20bpm〜80bpmとすることができる。なお、[bpm]は1分当たりの心拍数を表している。この心拍数はそれぞれ0.33Hzと1.34Hzに相当するため、低域側周波数F1は0.33Hzとなり、高域側周波数F2は2.68 Hz(1.34Hz×2)となる。
また、2階微分特性は高周波側を高い増幅度で信号増幅する。2階微分特性は、図7(b)に示すように、低周波数側から高周波側周波数F3に向かって増幅度が直線的に増加する。なお、高周波側周波数F3は2階微分の微分上限値を設定する。
ここで、2階微分特性の高周波側周波数F3は、心拍の第2の状態における最高心拍波形の基本周波数とし、設定することができる。ここで、心拍の第2の状態は、被測定者が運動中とすることができる。この運動中における心拍数は個人差があるが、例えば、220bpmとすることができる。この心拍数は3.67Hzに相当する。
なお、低周波数側では、バンドパスフィルタの低域側周波数F1付近の増幅度がほぼ1となるように設定している。
図7(c)は、図7(a)に示すバンドパスフィルタと図7(b)に示す2階微分特性の周波数特性とを組み合わせて得られる周波数特性を示している。低域側周波数F1、高域側周波数F2、及び高周波側周波数F3の周波数の設定例を前記した数値例に設定した場合には、周波数は、F1、F2,F3の順に高くなるため、低域側周波数F1付近の増幅度をほぼ1とし、この低域側周波数F1付近から高域側周波数F2に向かって直線的に増幅度が上昇して、高域側周波数F2で最高の増幅度となり、高域側周波数F2から高周波側周波数F3に向かって増幅度が減少し、高周波側周波数F3付近の周波数を超える周波数範囲では増幅度はほぼ1以下となる。また、低域側周波数F1付近より低い周波数範囲においても増幅度はほぼ1以下となる。
ここで、運動時におけるノイズ成分(体動ノイズや外乱ノイズのノイズ成分)は、およそ3〜30Hzであるため、上記した数値例の周波数特性と重ねると、図7(c)に示すように、運動時におけるノイズ成分の大部分は、バンドパスフィルタの通過帯域外となって除去される。運動時におけるノイズ成分の内の3〜3.67Hz近傍のノイズ成分は、2階微分特性と重なるため、除去されない。この周波数範囲に現れるノイズ成分については、前記したように、本発明の波形歪み検出(スロープ検出)によって、心拍波形の主成分を強調して増幅させることでノイズ成分との波高値に差を設けることによって、S/N比を向上させて、心拍検出の精度を高める。
なお、図7に示す周波数特性は前記した数値例に基づくものであるため、異なる数値例を用いた場合には異なる周波数特性を示す。例えば、最高の増幅度を示す周波数部分も多少ずれることになるが、低周波数側から高周波数側に向かって増幅度が増加する傾向は共通である。
なお、高周波側周波数F3よりも高い周波数では、増幅率を急峻に下げずに漸次低下するように設定する。これによって、心拍信号の基準周波数や2倍高調波が高周波側周波数F3よりも高い周波数にずれた場合であっても、切り捨てることなく心拍検出に寄与させることができる。また、3倍高調波を心拍検出に寄与させることもできる。
以下、図8を用いて心拍の第1の状態(非運動時)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明し、図9を用いて心拍の第2の状態(運動中)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明する。なお、以下に示す各周波数成分の大きさの比率は説明上から任意に設定したものであり、実際の状態を示すものではない。
はじめに、図8を用いて心拍の第1の状態(非運動時)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明する。
図8(a)は、非運動時における検出信号(心拍波形)の周波数成分を表し、基本周波数と2倍高調波が共に、低域側周波数F1と高域側周波数F2との間にあるものとする。
図8(c)の信号は、上記した図8(a)の周波数成分を図8(b)に示すバンドパスフィルタに通して得られた周波数成分を示している。バンドパスフィルタによって、高域側周波数F2より高周波数にあるノイズ成分は除去される。
図8(e)の信号は、バンドパスフィルタ通過後の信号を、図8(d)に示す2階微分特性によって信号増幅して得られた周波数成分を示している。2階微分特性によって、高域側周波数F3付近の周波数成分はより大きく増幅される。図8(d)では、2倍高調波の周波数成分及びノイズ成分が強調されて増幅される。
次に、図9を用いて心拍の第2の状態(運動中)におけるバンドパスフィルタ及び2階微分特性による動作を説明する
図9(a)は、運動中における検出信号(心拍波形)の周波数成分を表し、基本周波数と2倍高調波が共に、高域側周波数F2よりも高周波数側にあるものとする。なお、基本周波数は2階微分特性の高周波数側周波数F3よりも低周波数とする。
図9(c)の信号は、上記した図9(a)の周波数成分を図9(b)に示すバンドパスフィルタに通して得られた周波数成分を示している。バンドパスフィルタによって、高域側周波数F2より高周波数にあるノイズ成分及び2倍高調波は除去される。
図9(e)の信号は、バンドパスフィルタ通過後の信号を、図9(d)に示す2階微分特性によって信号増幅して得られた周波数成分を示している。2階微分特性によって、高域側周波数F3付近の周波数成分はより大きく増幅される。図9(d)では、基本周波数の周波数成分及びノイズ成分が強調されて増幅される。
以下の図10〜図15に心拍信号形成処理部A(狭帯域信号処理)による信号処理例を示す。図10,図11は、非運動時における処理前と処理後を示し、図12,図13は運動開始直後における処理前と処理後を示し、図14,図15は運動中における処理前と処理後を示し、それぞれ(a)は波形を示し、(b)は周波数成分を示している。
はじめに、非運動時の場合について説明する。
図10(a)に示すように、非運動時における狭帯域信号処理前の元波形では、血流が低レベルにあるため心拍波形の振幅が低く、また、非運動であるためノイズのレベルも低い。図11(a)は、この波形に対して狭帯域信号処理を施して得られる波形を示している。この波形は、狭帯域信号処理による波形歪みによって元波形から変形するが、S/N比は向上する。なお、図11(a)中の実線は高域側周波数F2の曲率成分を示し、これ以上の波形部分は心拍の主成分を表している。
また、図10(b)と図11(b)の周波数成分を比較すると、狭帯域信号処理によりF1〜F3の周波数範囲の信号レベルが高められている。
次に、運動開始直後の場合について説明する。
図12(a)に示すように、運動開始直後における狭帯域信号処理前の元波形では、血流が低レベルにあるため心拍波形の振幅が低いが、運動が開始されたためノイズのレベルは高くなるため、S/N比は悪化する。
図13(a)は、この波形に対して狭帯域信号処理を施して得られる波形を示している。この波形は、狭帯域信号処理により、波形歪みによって元波形から変形するが、ノイズよりも2倍高調波が強調されて増幅されS/N比は向上する。なお、図13(a)中の実線は高域側周波数F2の曲率成分を示し、これ以上の波形部分は心拍の主成分を表している。
また、図12(b)と図13(b)の周波数成分を比較すると、狭帯域信号処理によりF1〜F3の周波数範囲の信号レベルが高められている。
次に、運動中の場合について説明する。
図14(a)に示すように、運動中における狭帯域信号処理前の元波形では、心拍及び血流が増加し、心拍波形の振幅が高まる。
図15(a)は、この波形に対して狭帯域信号処理を施して得られる波形を示している。この波形は、狭帯域信号処理により高周波数側の信号が増幅される。このとき、高周波数側にノイズ成分がある場合には、このノイズ成分の増幅によって、ピーク点がばらつくとった波形歪みが発生する。
また、図14(b)と図15(b)の周波数成分を比較すると、狭帯域信号処理によりF1〜F3の周波数範囲のノイズを含む信号レベルが高められている。
次に、図16を用いて狭帯域信号処理の一構成例を説明する。なお、図16に示す構成例は、入力信号をサンプリング信号とし、デジタルフィルタで構成する場合を示している。
一般に、デジタルフィルタは、遅延器50と係数器51と加算器52によって構成される。
図16(a)は本発明の狭帯域信号処理を構成するバンドパスフィルタの構成例を示し、図16(b)は本発明の狭帯域信号処理を構成する2階微分特性の構成例を示している。
図16(a)に示すバンドパスフィルタは、FIR型(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)の例を示し、狭帯域の通過帯域の周波数F1,F2は、サンプリング周期と、係数器51に定める係数h0〜hmで設定する。
また、図16(b)に示す2階微分特性は、サンプリング周期と、後退差分の遅延器の設定個数によって、微分上限値F3を設定する。
上記した例では、信号増幅の増幅特性において2階微分特性の場合を示しているが、2階微分特性に限らず1階微分あるいは、より高次の微分特性とする他、微分特性以外の増幅特性としてもよい。
図17は、本発明の信号増幅の増幅特性を説明するための図である。図17(a)〜(c)は微分特性による増幅特性の例であり、図17(d)はステップ状の増幅特性の例である。
図17(a)は1階微分の微分特性を示し、図17(b)は2階微分の微分特性を示し、図17(c)は3階微分の微分特性を示している。各微分特性は微分の回数により増幅率が異なり、1階微分では20dBの増幅率となり、2階微分では40dBの増幅率となり、3階微分では60dBの増幅率となる。なお、各dBの数値は、所定の周波数幅に対する増幅率で表している。
何れの階数の微分特性とするかは任意に設定することができるが、ここでは、検出される心拍信号のS/N比の程度や、信号処理の回路構成や、費用対効果等から、例えば40dBの増幅率が得られる2階微分を用いた例を示している。
また、高い周波数域で高い増幅率を実現する増幅特性として、微分特性の他、図17(d)に示すようにステップ状の増幅率を設定してもよい。図17(d)では、周波数F1付近の増幅率を“1”とし、高い周波数F3付近の増幅率を高く設定し、この間をステップ状に変化させる例を示している。なお、ステップの段数は任意に設定することができる。
次に、本発明の心拍検出処理部Cである波形歪み検出(スロープ検出)について、図18のフローチャート、図19の周期とスロープ部分との関係を説明するための図、図20の基本周波数による波形歪みを説明するための図、図21のサンプリング点によるスロープ検出を説明するための図、図22の波形歪み検出の実例図を用いて説明する。
図18に示す複数のフローチャートでは、波形歪み検出(スロープ検出)を、検出波形について所定周期でサンプリングして得られるサンプリング値を用いて行う(S11)。
図19において、心拍の周期をTとしたとき、波形歪み検出は心拍波形の周期Tの1/4の時間幅で行う。この時間幅T/4内で波形歪み検出を行うには、サンプリング周期tとしたとき、時間幅T/4をサンプリング周期tで除算した値((T/4)/t)に相当する個数の連続するサンプリング点(S1〜S5)を検出し、このサンプリング点(S1〜S5)の値が心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分よりも大きく、かつ、単調に増加あるいは単調に減少する場合に、波形歪みを心拍として検出する。
例えば、運動時の最大心拍F3を例えば、3.367Hzとしたとき、この周期の1/4以下の時間幅(68msec)でスロープ検出を行う。ここで、サンプリング周期を12msecとすると、5.67サンプリング回数以下のサンプリングで検出される。なお、このサンプリング回数以上である場合には、1/4周期を超えてしまうため、スロープ検出を行うことができなくなる。
そこで、ここでは、サンプリング回数として5回を設定する。S1で求めたサンプリング値を、少なくともスロープの傾斜を求める際に必要な個数分求め、順次S1〜S5に格納する。なお、各サンプリング値は、サンプリングが行われる毎に順次入れ替え、古いサンプリング値から順から廃棄する(S12)。
波形歪みを検出する第1の条件として、サンプリング点(S1〜S5)の値が設定値以上であるかを判定する。設定値としては、心拍の非運動時における最高心拍波形の2倍高調波の周波数付近での周波数成分とすることができ、前記したように、この設定値以上であれば、ノイズ成分を除去することができる。(S13)。
次に、波形歪みを検出する第2の条件として、サンプリング点(S1〜S5)の傾斜が所定期間で連続して単純増加あるいは単純減少であるかを判定する。
図20はこの第1の条件及び第2の条件による判定を示している。図20(a)において、Hは第1の条件である設定値を示している。
図20(a)の場合には、サンプリング値S1〜S5の全てが第1の条件である設定値H以上であり、サンプリング値S1〜S5がS1<S2<S3<S4<S5の関係にあり、第2の条件を満足している。これより、このスロープ部分によって一心拍と判定する。
図20(b)の場合には、サンプリング値S1〜S5がS1<S2<S3<S4<S5の関係にあって第2の条件を満足しているが、サンプリング値S1は設定値H以下であるため、このスロープ部分による一心拍の判定は行わない。
また、図20(c)の場合には、サンプリング値S1〜S5の全てが設定値H以上であって第1の条件を満たすが、サンプリング値S5はS4よりも小さく、S1<S2<S3<S4<S5の第2の条件を満足していないため、このスロープ部分による一心拍の判定は行わない(S14)。
S13とS14の第1、第2の条件の両条件を満たした場合には、このスロープ部分によって一心拍があったと判定する(S15)。この心拍数を順次計数し(S16)、計数した心拍数を報知する。報知としては、表示するほか、記録媒体へのデータ記録や、他の装置へのデータ送信を含む。
図21は、心拍波形の基本周波数の大きさによる2倍高調波の現れ方を説明している。図21(a)は、心拍波形の基本周波数が高域側周波数F2以下の場合(1.5Hz)を示している。このときには、主にF2(2倍高調波)の曲率成分(2.68Hz)Eが現れる。このEについて、スロープの傾きを判定することで心拍を判定する。
また、図21(b)は、心拍波形の基本周波数が高域側周波数F2と微分上限値F3との間の場合(2.68Hz)を示している。このときには、高調波がカットされるため、F2(2倍高調波)の曲率成分は零となり、基本周波数の正弦波そのものの曲率成分Fが現れる。このFについて、スロープの傾きを判定することで心拍を判定する。
図22は波形歪み検出の実例図を示している。ここでは、心拍の基本周波数としてはF3の3.67Hzが取り得るため、右肩上がりの傾きを検出するために、運動時最大心拍F3の周期の1/4以下の時間幅(68msec以下)の期間でスロープ検出を行う。また、ここでは、サンプリング値の最低値として2を設定している(図22中のH)。
図23は、波形歪み検出部の一構成例を説明するための図である。
図23に示す構成では、入力したサンプリング値S1〜S5を順次記憶する記憶手段60と、この記憶手段60に記憶されるサンプリング値S1〜S5を設定値と比較する第1の比較手段61と、第1の比較手段61の比較結果と記憶手段60に記憶されるサンプリング値S1〜S5を入力し、サンプリング値S1〜S5が設定値よりも大きい場合に、サンプリング値S1〜S5の大きさの順を判定する第2の比較手段62と、第2の比較手段62の判定結果に基づいて心拍を計数するカウンタ63を備える。
本発明の心拍波形の検出方法は、心拍計に適用する他、身体機能測定装置等の心拍を一つのデータとして身体機能を測定する装置に適応することができる。

Claims (8)

  1. 生体の心拍波形を検出する心拍波形検出部と、
    前記心拍波形から心拍を検出するための信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、
    前記心拍波形に対して信号処理を行って心拍信号を形成する心拍信号形成処理部と、
    前記心拍信号形成処理部により形成された心拍信号から心拍を検出する心拍検出処理部とを備え、
    前記心拍信号形成処理部は、前記心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去するフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した前記心拍波形の周波数成分を信号増幅する信号増幅部を有し、当該信号増幅部の信号増幅特性は、心拍波形の低域側の周波数成分を低増幅率で増幅し、心拍波形の高域側の周波数成分を高増幅率で増幅することを特徴とする心拍計。
  2. 生体の心拍波形を検出する心拍波形検出部と、
    前記心拍波形から心拍を検出するための信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、
    前記心拍波形に対して信号処理を行って心拍信号を形成する心拍信号形成処理部と、
    前記心拍信号形成処理部により形成された心拍信号から心拍を検出する心拍検出処理部とを備え、
    前記心拍信号形成処理部は、前記心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去するフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した前記心拍波形の周波数成分を微分特性で信号増幅する信号増幅部を有することを特徴とする心拍計。
  3. 前記心拍信号形成処理部は、
    前記心拍波形から所定狭帯域の周波数成分を通過させて外乱ノイズ成分又は体動ノイズ成分あるいは、外乱ノイズ成分と体動ノイズ成分の両方を除去するバンドパスフィルタを備え、
    前記信号増幅部は、前記バンドパスフィルタを通過した周波数成分を信号増幅することを特徴とする請求項2に記載の心拍計。
  4. 前記信号増幅部は、
    前記微分特性を2階以上の微分特性で前記心拍波形の周波数成分を信号増幅することを特徴とする請求項2又は3に記載の心拍計。
  5. 前記心拍検出処理部は、
    前記心拍信号の波形スロープ成分を検出し、所定の波形スロープ成分であるとき心拍を検出することを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の心拍計。
  6. 前記心拍検出処理部は、
    前記心拍信号の波高値と傾きを検出条件として、心拍信号に付加された波形歪みを検出する波形歪み検出部を備え、この波形歪み検出部で検出した波形歪みを心拍として検出することを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の心拍計。
  7. 生体の心拍波形を検出する心拍波形検出工程と、
    前記心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去するフィルタ処理と、前記フィルタ処理後の前記心拍波形の低域側の周波数成分を低増幅率で増幅し、心拍波形の高域側の周波数成分を高増幅率で増幅する信号増幅処理を施して心拍信号を形成する心拍信号形成工程と、
    前記心拍信号形成工程において心拍信号に付加された波形歪みを検出する波形歪み検出工程と、
    前記波形歪みを心拍として検出する心拍検出工程とを備えることを特徴とする心拍検出方法。
  8. 生体の心拍波形を検出する心拍波形検出工程と、
    前記心拍波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去するフィルタ処理と、前記フィルタ処理後の周波数成分を微分特性で信号増幅する信号増幅処理を施して心拍信号を形成する心拍信号形成工程と、
    前記心拍信号形成工程において心拍信号に付加された波形歪みを検出する波形歪み検出工程と、
    前記波形歪みの検出により心拍波形の基本波又は2倍高調波あるいは、基本波と2倍高調波の両方を心拍として検出する心拍検出工程とを備えることを特徴とする心拍検出方法。
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