JP6315633B2 - 心拍検出方法および心拍検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、心電図波形から心拍間隔(R−R間隔)などの生体情報を抽出するための心拍検出方法および心拍検出装置に関するものである。
ECG(Electrocardiogram、心電図)波形は、心臓の電気的な活動を観測・記録したものであり、一般的な方法では電極を体表面に取り付けて計測する。ECG波形の誘導法、すなわち電極の配置には、四肢や胸部を用いた様々な種類がある。胸部誘導のうち、V3〜V5誘導は、電極を左胸に配置するものである。また、ECG波形を長時間モニタするのに適したCC5誘導では、電極を左胸と右胸の対称な位置に配置する。これらの誘導は、振幅の大きい安定した波形が得られるという利点がある。
図11に、ECG波形の例を示す。図11の縦軸は電位、横軸は時間である。ECG波形は、連続した心拍波形からなり、1つの心拍波形は、それぞれ心房や心室の活動を反映したP波、Q波、R波、S波、T波等の成分からなっている。
ECG波形から得られるR−R間隔などの生体情報は、自律神経の働きを反映する指標であることが知られている。日常生活の中でのECG波形をとり、検出した心拍から心拍変動のデータを解析することは、自律神経機能の評価に有用である。また、運動中の心拍データから運動負荷を推定し、その最適化等に活用するといった用途もある。
従来の心拍検出方法として、以下のような文献が公知である。特開2002−78695号公報には、ECG波形の基線の搖動を除去するための構成が開示されている。また、特開2003−561号公報には、波形の山と谷との振幅に基づいた閾値でR波を認識する構成が開示されている。
また、文献「“ECG Implementation on the TMS320C5515 DSP Medical Development Kit (MDK) with the ADS1298 ECG-FE”,Texas Instruments Incorporated,<http://www.ti.com/lit/an/sprabj1/sprabj1.pdf>,2011」には、ECG波形を時間差分した値の変化をもとにR−R間隔などを求める方法が記載されている。具体的には、(n+1)番目のサンプリング値と(n−1)番目のサンプリング値との差分の絶対値をとり、そのピークを閾値に基づいて検出し、2つのピークの時間幅をR−R間隔としている。
しかしながら、上記のような心拍検出方法には次のような問題点があった。日常生活や運動中での心拍データを記録あるいは解析しようとする場合、安静状態で計測する場合とは異なり、ECG波形に、体動などに起因するノイズが混入することがある。
図12、図13は従来の問題点を説明する図であり、横軸は時間[ms]、縦軸はデジタル値に置き換えられた電位[任意単位]を表している。図12はECG波形のサンプリングデータの1例を示しており、図中のRは心拍として検出されるべきR波を示している。図12の189,000ms付近を中心に、細かく周期の短いノイズが重畳されている。このようなECG波形に対し、閾値に基づいて心拍を検出しようとしても、R波のピークとノイズのピークが同レベルにあるため、心拍のみを識別して抽出することは難しい。
一方、ECG波形の変化率に基づいて心拍を検出する方法もある。一般的にECG波形は、データ処理を行う上では離散データ列として扱われる。したがって、ECG波形の変化率を求めることは、ECG波形の時間差分をとることを意味する。図12のECG波形の時間差分をとった波形を図13に示す。図13は、図12のECG波形のサンプリングデータの各時刻について、5ms後の値から5ms前の値を引いた値、つまり1次差分をプロットしたものである。図中のDは心拍として検出されるべきピークを示している。標準的なECG波形では、時間差分をとることで、R波からS波への急峻な変化を目立たせ、心拍を検出しやすくすることができる。しかしながら、図13では、やはりR波からS波への急峻な変化によるピークDと同程度のレベルを持つノイズ成分が含まれており、心拍を閾値に基づいて抽出するには難がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ECG波形にノイズが重畳したデータからでも、心拍およびその時刻を的確に検出することができる心拍検出方法および心拍検出装置を提供することを目的とする。
本発明の心拍検出方法は、生体の心電図波形のサンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量、サンプリングデータの変化量とサンプリングデータとの乗算値のいずれかを取得する取得ステップと、前記サンプリングデータ列から得られる値Mが減少から増加に転じるピークを探索するピーク探索ステップと、前記サンプリングデータ列から得られる値Mのうち、前記ピークの時刻よりも前の一定の時間領域の値Mと前記ピークの時刻よりも後の一定の時間領域の値Mとを調べ、これら一定の時間領域の値Mが、前記ピークの時刻の値Mから一定量以上離れているときに、前記ピークの時刻を心拍時刻とする心拍時刻決定ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の心拍検出装置は、生体の心電図波形のサンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量、サンプリングデータの変化量とサンプリングデータとの乗算値のいずれかを取得する取得手段と、前記サンプリングデータ列から得られる値Mが減少から増加に転じるピークを探索するピーク探索手段と、前記サンプリングデータ列から得られる値Mのうち、前記ピークの時刻よりも前の一定の時間領域の値Mと前記ピークの時刻よりも後の一定の時間領域の値Mとを調べ、これら一定の時間領域の値Mが、前記ピークの時刻の値Mから一定量以上離れているときに、前記ピークの時刻を心拍時刻とする心拍時刻決定手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、生体の心電図波形のサンプリングデータ列から得られる値Mが増加から減少に転じるピークまたは減少から増加に転じるピークを探索し、ピークの時刻よりも前の一定の時間領域の値Mとピークの時刻よりも後の一定の時間領域の値Mとを調べ、これら一定の時間領域の値Mが、ピークの時刻の値Mから一定量以上離れているときに、ピークの時刻を心拍時刻とすることにより、ノイズを含むサンプリングデータ列からでも、的確に心拍を検出することができる。また、本発明では、閾値を用いずに心拍に伴うピークを検出するため、対象とする心電図波形のレベルが変動しても、その影響を受けることなく的確に心拍を検出することができる。
図1は、本発明の原理を説明する図である。 図2は、本発明の第1実施例に係る心拍検出装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1実施例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。 図4は、心電図波形および心電図波形の1次差分値を示す図である。 図5は、従来技術および本発明の第1実施例に係る心拍検出方法により求めたR−R間隔を示す図である。 図6は、本発明の参考例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。 図7は、心電図波形、心電図波形のサンプリング値の最大値および本発明の参考例に係る心拍検出方法により求めたR−R間隔を示す図である。 図8は、本発明の第2実施例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。 図9は、心電図波形および心電図波形の1次差分値を示す図である。 図10は、心電図波形の1次差分値と心電図波形とを乗算した乗算値を示す図である。 図11は、心電図波形の例を示す図である。 図12は、従来の問題点を説明する図である。 図13は、従来の問題点を説明する図である。
[発明の原理]
図1は本発明の原理を説明する図である。図1においても、横軸は時間[ms]、縦軸はデジタル値に置き換えられた電位[任意単位]を表している。図1の波形はサンプリングデータの変化量(1次差分値)をプロットしたものである。図1の2つの波形のうち上側の波形は図13の一部を拡大した波形であり、下側の波形は図13の189,000msから190,000msの期間をさらに拡大した波形である。
図1中、189,700ms付近には、心拍によるものと目されるピークDがある。ただし、ピークDはノイズに囲まれ、かつノイズのレベルもこのピークDと同程度になっているため、ピークDを閾値に基づいて検出することは難しい。一方、このピークDを心拍によるものであると考える理由は、周辺に対して突出しているということによる。
そこで、例えば、ECG波形のサンプリングデータの変化量が減少から増加に反転している時刻Kに対して、−100ms〜−15msの時刻の範囲A1の値と+15ms〜+100msの時刻の範囲A2の値とを調べ、これらの範囲A1,A2における値が時刻Kにおける値よりも0.5以上大きい、という条件を課すことで、ピークDを検出することができる。この条件は、他の心拍によるピークにもあてはまるので、それらのピークも同じ一連の手続きで検出することができる。
以上のように、本発明では、ECG波形のサンプリングデータ列から得られる値をMとしたとき、この値Mが増加から減少に転じるピークの時刻Tまたは減少から増加に転じるピークの時刻Tに対して、このピークの時刻Tよりも前の一定の時間領域(T−Δt2)〜(T−Δt1)の値Mと前記ピークの時刻Tよりも後の一定の時間領域(T+Δt1)〜(T+Δt2)の値Mとを調べ(Δt2>Δt1)、これら一定の時間領域の値Mが、前記ピークの時刻Tにおける値Mから一定量y以上離れているときに、前記ピークの時刻Tを心拍時刻とする。
ある波形から閾値に基づいてピークを検出するのに、ノイズが多く含まれると、ピークの検出が難しくなるのは、閾値に基づく検出が、ピークの根もと側に着目しているためである。ノイズが重畳していると、本来は閾値を超えない、ピークではない部分が、閾値を超えてくるために、誤検出の原因となる。そのような事態を避けるには、逆に、ピークの先端側に着目することが有効である。つまり、ノイズの多い波形でも、その中から、周辺よりも突出した部分を特定することで、ピークを検出することができる。周辺よりも突出した部分を特定するために、上記のような条件を課せばよい。
また、本発明では、ECG波形のサンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータそのもの、サンプリングデータの変化量(1次差分値)、またはサンプリングデータの変化量(1次差分値)とサンプリングデータとの乗算値を用いる。
サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータそのものを用いる場合には、R波あるいはS波のピークを、心拍に伴う波形のピークとして検出する。
サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量(1次差分値)を用いる場合には、R波〜S波への急峻な変化によるサンプリングデータの変化量のピークを、心拍に伴う波形のピークとして検出する。ECG波形のサンプリングデータ列において、ある時刻Kのサンプリングデータの1次差分値は、時刻(K+W)のサンプリングデータから時刻(K−W)のサンプリングデータを引いた値である(Wは例えば5ms)。
サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量(1次差分値)とサンプリングデータとの乗算値を用いる場合には、乗算によって相乗的に強調されたピークを、心拍に伴う波形のピークとして検出する。ECG波形のサンプリングデータ列とECG波形の時間差分をとったデータ列には、それぞれ同じ拍動リズムに由来するピーク成分が含まれており、これらのデータ列を、ある時間幅の分ずらして重ねると、それらのピーク成分が同期する。したがって、両方のデータ列を適切な条件で乗ずることによって、心拍に伴うピーク成分を強調することができる。
乗算値を算出するには、ある時刻Kのサンプリングデータの1次差分値と、時刻Kから所定時間tだけ遡った時刻(K−t)のサンプリングデータとを乗算すればよい。1次差分値のピークは、ECG波形のR波のピークの、およそ10〜12ms後に現れる。したがって、1次差分値を用いる場合、所定時間tは10ms≦t≦12msとすればよい。
[第1実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1実施例に係る心拍検出装置の構成を示すブロック図、図3は本発明の第1実施例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。心拍検出装置は、心電計1と、記憶部2と、取得部3(取得手段)と、ピーク探索部4(ピーク探索手段)と、心拍時刻決定部5(心拍時刻決定手段)とを備えている。
以下、本実施例の心拍検出方法を説明する。ここでは、1つの心拍を検出し、その心拍時刻を算出するまでの手順を説明する。このような心拍時刻の算出をECG波形データの期間にわたって繰り返すことによって、心拍時刻の時系列データが逐次得られ、この時系列データから心拍変動の指標も算出することができる。
本実施例では、ECG波形をサンプリングしたデータ列をX(i)とする。i(i=1,2,…)は1サンプリングのデータに付与される番号である。番号iが大きくなる程、サンプリング時刻が後になることは言うまでもない。また、aは、サンプリングデータX(i)の1次差分値を求める際の時間間隔の半分(上記のW)を、サンプリング間隔で除した整数である。b1は、ピークの周辺の一定の時間領域の端を規定する時間のうち、ピークに近い方を規定する第1の時間(上記のΔt1)を、サンプリング間隔で除した整数である。b2は、ピークの周辺の一定の時間領域の端を規定する時間のうち、ピークから遠い方を規定する第2の時間(上記のΔt2)を、サンプリング間隔で除した整数である(b2>b1)。
心電計1は、図示しない生体(人体)のECG波形を測定し、ECG波形のサンプリングデータ列X(i)を出力する。このとき、心電計1は、各サンプリングデータにサンプリング時刻の情報を付加して出力する。なお、ECG波形の具体的な測定方法は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
記憶部2は、心電計1から出力されたECG波形のサンプリングデータ列X(i)とサンプリング時刻の情報とを記憶する。
取得部3は、サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータX(i)の変化量を取得する(図3ステップS0)。具体的には、取得部3は、内部に算出手段(不図示)を備えている。算出手段は、サンプリングデータX(i)の変化量、すなわち1次差分値(X(i+a)−X(i−a))を各サンプリング時刻について算出する。
ピーク探索部4は、サンプリングデータX(i)の変化量が減少から増加に転じるピークを探索する。初めに、ピーク探索部4は、サンプリングデータ列X(i)を逐次読み出すための番号(カウンタ変数)iを初期値(ここではn)にセットする(図3ステップS1)。
次に、ピーク探索部4は、{(X(i+1+a)−X(i+1−a))−(X(i+a)−X(i−a))}×{(X(i+a)−X(i−a))−(X(i−1+a)−X(i−1−a))}が、0以下であるかどうかを判定する(図3ステップS2)。(X(i+1+a)−X(i+1−a))はサンプリングデータX(i)の1サンプリング後のサンプリングデータX(i+1)の変化量であり、(X(i−1+a)−X(i−1−a))は1サンプリング前のサンプリングデータX(i−1)の変化量である。
ピーク探索部4は、{(X(i+1+a)−X(i+1−a))−(X(i+a)−X(i−a))}×{(X(i+a)−X(i−a))−(X(i−1+a)−X(i−1−a))}が0より大きいときは、サンプリングデータX(i)の変化量が減少から増加に転じていないと判断し、i=i+1として(図3ステップS3)、ステップS2に戻る。こうして、{(X(i+1+a)−X(i+1−a))−(X(i+a)−X(i−a))}×{(X(i+a)−X(i−a))−(X(i−1+a)−X(i−1−a))}が0以下となるまで、ステップS2,S3の処理が繰り返される。
ピーク探索部4は、{(X(i+1+a)−X(i+1−a))−(X(i+a)−X(i−a))}×{(X(i+a)−X(i−a))−(X(i−1+a)−X(i−1−a))}が0以下の場合、iで示される時刻Tで、サンプリングデータX(i)の変化量が減少から増加に転じたと判断する(ステップS2において判定yes)。
心拍時刻決定部5は、サンプリングデータX(i)の変化量が減少から増加に転じたと判断された場合、iで示される時刻Tの周辺の時間領域のサンプリングデータの変化量を調べ、iで示される時刻Tを心拍時刻とするかどうかを判断する。
まず、心拍時刻決定部5は、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域のサンプリングデータの変化量{(X(i−b2+a)−X(i−b2−a)),(X(i−b2+1+a)−X(i−b2+1−a)),・・・・,(X(i−b1+a)―X(i−b1−a))}のうちの最小値を求め、この最小値が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)の変化量(X(i+a)−X(i−a))に一定量yを加えた値以上かどうかを判定する(図3ステップS4)。
心拍時刻決定部5は、ステップS4で求めた最小値が(X(i+a)−X(i−a))+yより小さい場合、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域のサンプリングデータの変化量が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)の変化量(X(i+a)−X(i−a))から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2に戻る。
一方、心拍時刻決定部5は、ステップS4で求めた最小値が(X(i+a)−X(i−a))+y以上の場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域のサンプリングデータの変化量{(X(i+b1+a)−X(i+b1−a)),(X(i+b1+1+a)−X(i+b1+1−a)),・・・・,(X(i+b2+a)−X(i+b2−a))}のうちの最小値を求め、この最小値が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)の変化量(X(i+a)−X(i−a))に一定量yを加えた値以上かどうかを判定する(図3ステップS5)。
心拍時刻決定部5は、ステップS5で求めた最小値が(X(i+a)−X(i−a))+yより小さい場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域のサンプリングデータの変化量が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)の変化量(X(i+a)−X(i−a))から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2に戻る。
心拍時刻決定部5は、ステップS5で求めた最小値が(X(i+a)−X(i−a))+y以上の場合、iで示される時刻Tの周辺の時間領域のサンプリングデータの変化量を調べる処理を終了する。このとき、iで示される時刻Tが、心拍時刻の候補となる。
次に、心拍時刻決定部5は、心拍時刻の候補が適切なものであるかどうかを判断し、心拍時刻を確定する。
まず、心拍時刻決定部5は、iで示される時刻Tと直前に検出した心拍時刻T(-1)とが一定時間以上離れているかどうかを判定し(図3ステップS6)、時刻Tが直前の心拍時刻T(-1)と一定時間以上離れていない場合には、iで示される時刻Tを、心拍時刻として採用することなく廃棄して、ステップS3に移る。
心拍間隔には一般的な正常値の範囲があり、それに比して非常に短い心拍間隔を検出した場合、体動などによってECG波形に重畳されるノイズ等を誤って心拍と認識している可能性が高い。検出したピークの時刻Tが、直前の心拍時刻T(-1)と一定時間以上離れていることを条件として課すことで、ノイズ等による誤検出を防ぐことができる。
さらに、心拍時刻決定部5は、iで示される時刻Tを心拍時刻とみなした場合の心拍間隔(T−T(-1))が、直前の心拍間隔(T(-1)−T(-2))から一定割合以上増加していないかを判定し(図3ステップS7)、心拍間隔の増加率(T−T(-1))/(T(-1)−T(-2))が一定値以上であれば、心拍間隔が一定割合以上増加しているとし、iで示される時刻Tを、心拍時刻として採用することなく廃棄して、ステップS3に移る。
ある心拍の検出に失敗した場合、その心拍の前後の心拍の心拍間隔として得られるデータは、実際のものに比べて倍程度の大きな値となり、自律神経機能の評価等に用いるのは適当でない。検出する心拍間隔が一定割合以上増加していないことを条件として課すことで、心拍の検出に失敗している誤ったデータを生体情報の解析対象から除外することができる。
心拍時刻決定部5は、iで示される時刻Tと直前の心拍時刻T(-1)とが一定時間以上離れていて、心拍間隔の増加率(T−T(-1))/(T(-1)−T(-2))が一定値未満であれば、iで示される時刻Tを心拍時刻として採用する(図3ステップS8)。
ステップS8の終了後、i=i+1としてステップS2に戻る。これにより、次の心拍の検出が開始される。または、検出すべき心拍間隔の最低値よりも小さい、ある一定時間に相当する数だけ、iの値をスキップさせて、ステップS2に戻ってもよい。こうして、ステップS2〜S8の処理を繰り返すことで、心拍時刻の時系列データが得られ、この時系列データから心拍変動の指標を得ることができる。
図4、図5は本実施例の効果を説明する図であり、ECG波形からR−R間隔を求めた例を示している。図4のXはECG波形のサンプリングデータの1例を示しており、MはサンプリングデータXの1次差分値を示している。図4の横軸は時間[ms]、縦軸はデジタル値に置き換えられた電位[任意単位]を表している。ただし、図4では、20,000msから50,000msにかけて被測定者が駆け足の動作をするなどの方法により、ECG波形にノイズが加えられている。1次差分値Mには、心拍に由来するピークが現れているものの、20,000msから50,000msにかけてノイズの影響を受けていることが認められる。
図5は、従来技術および本実施例による方法により、図4のECG波形について求めたR−R間隔(心拍時刻の間隔)をプロットしたものである。横軸は時間[ms]、縦軸はR−R間隔[ms]である。図5の◆印50は従来技術で求めたR−R間隔を示し、×印51は本実施例の方法で求めたR−R間隔を示している。従来技術としては、文献「“ECG Implementation on the TMS320C5515 DSP Medical Development Kit (MDK) with the ADS1298 ECG-FE”,Texas Instruments Incorporated,<http://www.ti.com/lit/an/sprabj1/sprabj1.pdf>,2011」に準拠した方法を用いている。正しいR−R間隔は概ね700ms〜500msの付近にあると思われるが、従来技術では、ECG波形にノイズが加わっている区間で心拍の検出に失敗している場合が多くみられる。一方、本実施例では、ECG波形にノイズが加わっている区間でも、心拍検出の失敗が少ないことが分かる。
以上のように、本実施例では、ECG波形のサンプリングデータ列において、心拍に伴うピークを、その先端部分に基づいて検出することにより、ノイズを含むサンプリングデータ列からでも、的確に心拍を検出することができる。また、本実施例では、閾値を用いずに心拍に伴うピークを検出するため、対象とするECG波形のレベルが変動しても、その影響を受けることなく的確に心拍を検出することができる。
参考例
次に、本発明の参考例について説明する。本参考例は、第1実施例の変形例であり、サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータそのものを用いる例である。本参考例においても、心拍検出装置の構成は第1実施例と同様であるので、図2の符号を用いて説明する。図6は本参考例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。
参考例の取得部3は、サンプリングデータ列から得られる値Mとして、記憶部2からサンプリングデータX(i)を取得する(図6ステップS0a)。
ピーク探索部4は、{X(i+1)−X(i)}×{X(i)−X(i−1)}が0以下であるかどうかを判定する(図6ステップS2a)。ピーク探索部4は、{X(i+1)−X(i)}×{X(i)−X(i−1)}が0以下の場合、iで示される時刻Tで、サンプリングデータX(i)が増加から減少に転じたと判断する(ステップS2aにおいて判定yes)。
心拍時刻決定部5は、サンプリングデータX(i)が増加から減少に転じたと判断された場合、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域のサンプリングデータ{X(i−b2),X(i−b2+1),・・・・,X(i−b1)}のうちの最大値を求め、この最大値が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)から一定量yを引いた値以下かどうかを判定する(図6ステップS4a)。心拍時刻決定部5は、ステップS4aで求めた最大値がX(i)−yより大きい場合、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域のサンプリングデータが、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2aに戻る。
一方、心拍時刻決定部5は、ステップS4aで求めた最大値がX(i)−y以下の場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域のサンプリングデータ{X(i+b1),X(i+b1+1),・・・・,X(i+b2)}のうちの最大値を求め、この最大値が、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)から一定量yを引いた値以下かどうかを判定する(図6ステップS5a)。心拍時刻決定部5は、ステップS5aで求めた最大値がX(i)−yより大きい場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域のサンプリングデータが、iで示される時刻TのサンプリングデータX(i)から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2aに戻る。
心拍時刻決定部5は、ステップS5aで求めた最大値がX(i)−y以下の場合、iで示される時刻Tの周辺の時間領域のサンプリングデータを調べる処理を終了する。その他の構成は第1実施例で説明したとおりである。
図7は本参考例の動作を説明する図である。ここでは、ECG波形からR−R間隔を求めるため、上に凸のR波のピークを検出する。図7の実線70はECG波形を示している。破線71は、時刻Tよりも前の一定の時間領域(T−Δt2)〜(T−Δt1)と時刻Tよりも後の一定の時間領域(T+Δt1)〜(T+Δt2)とにおけるサンプリングデータの最大値を当該時刻Tの位置にプロットすることを、各時刻について行った結果得られたものである。ここでは、Δt1=25ms、Δt2=125msとしている。
ただし、図7の例では、元のサンプリングデータ列は1ms間隔であるが、破線71で示す最大値は10ms置きに抽出したデータを基に算出している。本来のR波以外に、10ms幅より狭い棘波状の異常値がデータ列に含まれる可能性は低い。したがって、このように最大値を求めるデータを粗くとることで、計算負荷を軽減しつつも、クリアランスを測る手段としては十分に有効な機能を得られる。
参考例では、ECG波形のサンプリングデータが増加から減少に転じるピークの時刻Tに対して、このピークの時刻Tよりも前の一定の時間領域(T−Δt2)〜(T−Δt1)のサンプリングデータとピークの時刻Tよりも後の一定の時間領域(T+Δt1)〜(T+Δt2)のサンプリングデータとを調べ、これら一定の時間領域のサンプリングデータの最大値が、ピークの時刻Tのサンプリングデータから一定量y以上離れているときに、ピークの時刻Tを心拍時刻とする。
図7上では、実線70が増加から減少に転じたピークの時刻Tにおける値と、この時刻Tにおける破線71が示す値とを比較して、実線70の値が破線71の値よりも一定量y以上であれば、ピークの時刻Tを心拍時刻とする。このようにして検出した心拍時刻から求めたR−R間隔(心拍時刻の間隔)を、図7中に×印72で示している。ここでは、y=100とした。
こうして、本参考例では、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
第2実施例
次に、本発明の第2実施例について説明する。本実施例は、第1実施例の変形例であり、サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量(1次差分値)とサンプリングデータとの乗算値を用いる例である。本実施例においても、心拍検出装置の構成は第1実施例と同様であるので、図2の符号を用いて説明する。図8は本実施例に係る心拍検出方法を説明するフローチャートである。
本実施例の取得部3は、サンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量(1次差分値)とサンプリングデータとの乗算値を取得する(図8ステップS0b)。具体的には、取得部3は、内部に算出手段(不図示)を備えている。算出手段は、サンプリングデータX(i)の1次差分値(X(i+a)−X(i−a))を各サンプリング時刻について算出し、さらにサンプリングデータX(i)の1次差分値(X(i+a)−X(i−a))と、サンプリングデータX(i)から所定時間tだけ遡った時刻のサンプリングデータX(i−b)との乗算値(X(i+a)−X(i−a))×X(i−b)を各サンプリング時刻について算出する。ここで、bは所定時間tをサンプリング間隔で除した整数である。上記のとおり、所定時間tは10ms≦t≦12msとすればよい。
以下の説明では、乗算値(X(i+a)−X(i−a))×X(i−b)をM(i)として説明する。
ピーク探索部4は、{M(i+1)−M(i)}×{M(i)−M(i−1)}が0以下であるかどうかを判定する(図8ステップS2b)。M(i+1)はサンプリングデータX(i)の1サンプリング後の乗算値であり、M(i−1)は1サンプリング前の乗算値である。ピーク探索部4は、{M(i+1)−M(i)}×{M(i)−M(i−1)}が0以下の場合、iで示される時刻Tで、乗算値M(i)が減少から増加に転じたと判断する(ステップS2bにおいて判定yes)。
心拍時刻決定部5は、乗算値M(i)が減少から増加に転じたと判断された場合、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域の乗算値{M(i−b2),M(i−b2+1),・・・・,M(i−b1)}のうちの最小値を求め、この最小値が、iで示される時刻Tの乗算値M(i)に一定量yを加えた値以上かどうかを判定する(図8ステップS4b)。心拍時刻決定部5は、ステップS4bで求めた最小値がM(i)+yより小さい場合、iで示される時刻Tよりも前の一定の時間領域の乗算値が、iで示される時刻Tの乗算値M(i)から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2bに戻る。
一方、心拍時刻決定部5は、ステップS4bで求めた最小値がM(i)+y以上の場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域の乗算値{M(i+b1),M(i+b1+1),・・・・,M(i+b2)}のうちの最小値を求め、この最小値が、iで示される時刻Tの乗算値M(i)に一定量yを加えた値以上かどうかを判定する(図8ステップS5b)。心拍時刻決定部5は、ステップS5bで求めた最小値がM(i)+yより小さい場合、iで示される時刻Tよりも後の一定の時間領域の乗算値が、iで示される時刻Tの乗算値M(i)から一定量y以上離れていないと判断し、i=i+1として(ステップS3)、ステップS2bに戻る。
心拍時刻決定部5は、ステップS5bで求めた最小値がM(i)+y以上の場合、iで示される時刻Tの周辺の時間領域の乗算値を調べる処理を終了する。その他の構成は第1実施例で説明したとおりである。
図9、図10は本実施例の動作を説明する図である。図9のXはECG波形のサンプリングデータの1例を示しており、DFはサンプリングデータXの1次差分値を示している。図10の実線100は、図9のサンプリングデータXの1次差分値DFと、その10ms前のサンプリングデータXとを乗算した乗算値Mを示している。図10の縦軸は電位の二乗[任意単位]になる。
ECG波形のR波およびS波は、心室の収縮に伴うものであり、ECG波形のR波のピークから、R波からS波への急峻な電位の低下による1次差分値のピークまでの間隔は、概ね10ms程度となり、体格差等による影響はほとんどない。この場合、ECG波形の1次差分値の下に凸のピークと、ECG波形のR波の上に凸のピークとを乗じるため、R−R間隔を求めるために検出すべきピークは下に凸のピークとなる。
図10の破線101は、時刻Tよりも前の一定の時間領域(T−Δt2)〜(T−Δt1)と時刻Tよりも後の一定の時間領域(T+Δt1)〜(T+Δt2)とにおける乗算値Mの最小値を当該時刻Tの位置にプロットすることを、各時刻について行った結果得られたものである。ここでは、Δt1=25ms、Δt2=125msとしている。図7の例と同様に、図10の例では、元の乗算値Mは1ms間隔であるが、破線101で示す最小値は10ms置きに抽出したデータを基に算出している。
本実施例では、乗算値Mが減少から増加に転じるピークの時刻Tに対して、このピークの時刻Tよりも前の一定の時間領域(T−Δt2)〜(T−Δt1)の乗算値Mとピークの時刻Tよりも後の一定の時間領域(T+Δt1)〜(T+Δt2)の乗算値Mとを調べ、これら一定の時間領域の乗算値Mの最小値が、ピークの時刻Tの乗算値Mから一定量y以上離れているときに、ピークの時刻Tを心拍時刻とする。
図10上では、実線100が減少から増加に転じたピークの時刻Tにおける値と、この時刻Tにおける破線101が示す値とを比較して、実線100の値が破線101の値よりも一定量y以下であれば、ピークの時刻Tを心拍時刻とする。このようにして検出した心拍時刻から求めたR−R間隔(心拍時刻の間隔)を、図10中に×印102で示している。ここでは、y=10,000とした。
こうして、本実施例では、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、第1実施例、参考例および第2実施例の心拍検出方法は、大きなR波と深いS波が得られるECGの誘導、例えばV3ないしV5誘導のECG波形へ適用することで、著しい効果が得られる。また、日常生活でのECG波形をとる際に用いられることの多い、CC5ないしは類似の誘導のECG波形に適用することは、特に好適である。
第1実施例、参考例および第2実施例で説明した記憶部2と取得部3とピーク探索部4と心拍時刻決定部5とは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1実施例、参考例および第2実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、生体の心拍を検出する技術に適用することができる。
1…心電計、2…記憶部、3…取得部、4…ピーク探索部、5…心拍時刻決定部。

Claims (6)

  1. 生体の心電図波形のサンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量、サンプリングデータの変化量とサンプリングデータとの乗算値のいずれかを取得する取得ステップと、
    前記サンプリングデータ列から得られる値Mが減少から増加に転じるピークを探索するピーク探索ステップと、
    前記サンプリングデータ列から得られる値Mのうち、前記ピークの時刻よりも前の一定の時間領域の値Mと前記ピークの時刻よりも後の一定の時間領域の値Mとを調べ、これら一定の時間領域の値Mが、前記ピークの時刻の値Mから一定量以上離れているときに、前記ピークの時刻を心拍時刻とする心拍時刻決定ステップとを含むことを特徴とする心拍検出方法。
  2. 請求項1記載の心拍検出方法において、
    前記心拍時刻決定ステップは、前記ピークの時刻と直前の心拍時刻とが一定時間以上離れているかどうかを判定し、直前の心拍時刻と一定時間以上離れていない場合には、前記ピークの時刻を心拍時刻として採用しないことを特徴とする心拍検出方法。
  3. 請求項1記載の心拍検出方法において、
    前記心拍時刻決定ステップは、前記ピークの時刻を心拍時刻とみなした場合の心拍間隔が、直前の心拍間隔から一定割合以上増加していないかを判定し、心拍間隔が一定割合以上増加している場合には、前記ピークの時刻を心拍時刻として採用しないことを特徴とする心拍検出方法。
  4. 生体の心電図波形のサンプリングデータ列から得られる値Mとして、サンプリングデータの変化量、サンプリングデータの変化量とサンプリングデータとの乗算値のいずれかを取得する取得手段と、
    前記サンプリングデータ列から得られる値Mが減少から増加に転じるピークを探索するピーク探索手段と、
    前記サンプリングデータ列から得られる値Mのうち、前記ピークの時刻よりも前の一定の時間領域の値Mと前記ピークの時刻よりも後の一定の時間領域の値Mとを調べ、これら一定の時間領域の値Mが、前記ピークの時刻の値Mから一定量以上離れているときに、前記ピークの時刻を心拍時刻とする心拍時刻決定手段とを備えることを特徴とする心拍検出装置。
  5. 請求項記載の心拍検出装置において、
    前記心拍時刻決定手段は、前記ピークの時刻と直前の心拍時刻とが一定時間以上離れているかどうかを判定し、直前の心拍時刻と一定時間以上離れていない場合には、前記ピークの時刻を心拍時刻として採用しないことを特徴とする心拍検出装置。
  6. 請求項記載の心拍検出装置において、
    前記心拍時刻決定手段は、前記ピークの時刻を心拍時刻とみなした場合の心拍間隔が、直前の心拍間隔から一定割合以上増加していないかを判定し、心拍間隔が一定割合以上増加している場合には、前記ピークの時刻を心拍時刻として採用しないことを特徴とする心拍検出装置。
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