JP4656230B2 - 流路形成方法、及び流路形成体の組立パーツ - Google Patents

流路形成方法、及び流路形成体の組立パーツ Download PDF

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Description

本発明は、例えば、インクジェットプリンタ装置などの液体吐出装置が有する吐出ヘッドへ供給する液体中のエアを排出する排気流路の形成方法及び流路形成体に関し、更に、該流路形成体の組立パーツに関する。
従来、液体吐出装置の一例であるインクジェット式のプリンタ装置では、記録紙に対向しつつ往復移動する吐出ヘッドへ、装置本体に設けられたインクカートリッジから、可撓性のインク供給チューブを介してインクを供給する構成(所謂、チューブ供給方式)を採用したものが知られている。このようなプリンタ装置では、インクを供給するための流路の他、該流路の途中で成長したエアを外部へ排出する流路が設けられているものもある。
ところで、これらの流路としては、溝を形成した樹脂成型部材にフィルムを熱溶着したものがある(特許文献1参照)。また、その他にも、押し出し成形によって製造した可撓性チューブ、及び樹脂成型部材同士を超音波振動により溶着して得た流路なども利用されている。
特開2005−145045号公報
しかしながら、特許文献1に示すような樹脂成型部材とフィルムとを熱溶着して形成した流路の場合、加熱時に溶融する樹脂量を一定に制御するのが困難であり、溶融した樹脂分の一部が、樹脂成型部材に形成された溝へ進入すると、流路断面積にバラツキが生じてしまう。また、フィルムには一般的に可撓性の高い素材が使用されるため、内圧の変動に応じてフィルムが変形し、これも流路断面積にバラツキを生じさせる要因になる。そして、このような流路断面積のバラツキは、流路抵抗にバラツキを生じさせることになる。
ここで、流路によってその流路抵抗にバラツキが見込まれる場合、一部の抵抗の小さい流路に対してはダンパーを大型化して対応する必要があり、他の抵抗の大きい流路に対してはフィルタ及び流路径の大型化によって対応する必要がある。即ち、流路の抵抗が小さい場合、内部を通流するインク等の圧力変動が伝搬されやすくなるため、この圧力変動を緩衝するためには高いダンパー機構が必要になり、結果的にダンパーを大型化する必要がある。一方、流路の抵抗が大きい場合、インク等の供給不足が生じないようにするため、途中に配設するフィルタを大きいものにしたり、予め流路径を大きくしておく必要がある。このように、流路抵抗のバラツキは、装置全体の大型化を招来してしまう。
また、上述したようにフィルムを樹脂成型部材に熱溶着したもの以外にも、流路として利用されるものが幾つかあるが、このうち、押し出し成形による可撓性チューブの場合、湾曲させる場合の曲率半径に限界があり、例えば直角に曲げることは困難であるため、流路のレイアウトに限界がある。また、複数本に分割してこれらを継手で接続することも可能ではあるが、流路径の小さいチューブの接続には熟練が必要であり、また接続箇所の気密性を確保するのも困難である。
また、樹脂成型部材同士を超音波溶着させた流路においては、やはり溶融した樹脂分が流路内に進入する可能性があり、流路抵抗のバラツキの要因となってしまう。
そこで本発明は、流路抵抗のバラツキを抑制することができ、気密性を容易に確保することができる流路形成方法、流路形成体、及び該流路形成体の組立パーツを提供することを目的とする。
本発明に係る流路形成方法は、嵌合溝を有する第一部材を形成する工程と、前記嵌合溝に整合する第二部材を形成する工程と、前記第一部材の嵌合溝に前記第二部材を嵌入する工程と、嵌入された前記第二部材の外方から加熱して前記第一部材及び第二部材の接合周縁部を溶着する工程とを備え、前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に設けられた流路溝によって流路を形成する。
このような構成とすることにより、第一部材の嵌合溝の底部であって第二部材の下部により閉塞される箇所に流路が形成される一方、第一部材及び第二部材の接合周縁部にあって流路から比較的離れた部分が溶着されることになる。しかも、第二部材は第一部材の嵌合溝に整合する形状を有するため、加熱により溶融した成分が流路に浸入することがなく、流路断面積のバラツキ、即ち流路抵抗のバラツキの発生を防止することができる。また、流路溝は予め任意に形成しておくことができるため、複雑なレイアウトの流路であっても、第一部材及び第二部材の溶着により容易に形成することができる。更に、第一部材及び第二部材を可撓性の小さい部材で形成すれば、流路内の圧力変動による第一部材及び第二部材の変形を防止でき、流路断面積の変動を防止することができる。
また、前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部に開口方向へ突出する第一突起を形成し、該第一突起を溶融して前記接合周縁部を溶着するようにしてもよい。このような構成とすることにより、接合周縁部を確実に溶着することができると共に、接合周縁部の各部での溶融量を一定に制御することができるため、溶着精度の向上を図ることができる。
また、前記第二部材における外壁周縁部に外方へ突出する第二突起を形成し、該第二突起を溶融して前記接合周縁部を溶着するようにしてもよい。このような構成とした場合も、接合周縁部を確実に溶着することができると共に、接合周縁部の各部での溶融量を一定に制御することができるため、溶着精度の向上を図ることができる。
本発明に係る流路形成体の組立パーツは、嵌合溝を有する第一部材と、前記嵌合溝に整合する第二部材とを備え、前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に、前記第二部材が前記第一部材に嵌入した状態で流路を形成する流路溝が設けられており、前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部には、組立時に溶融される第一突起が開口方向へ突出して設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、上述したような製法を用いて、流路抵抗のバラツキ及び変動を抑制でき、且つ複雑なレイアウトが可能な流路を容易に形成することができる。
また、このような構成とすることにより、上述したのと同様に、接合周縁部を確実に溶着することができると共に、接合周縁部の各部での溶融量を一定に制御することができるため、溶着精度の向上を図ることができる。
また、前記第一突起の断面は、前記嵌合溝の側壁面に対して前記開口の拡径方向へ傾斜した辺を有する三角形状を成していてもよい。このような構成とすることにより、第一部材の嵌合溝に第二部材を嵌入するに際し、第二部材が第一突起に引っ掛かるのを防止することができるため、嵌合溝に整合する形状の第二部材を、該嵌合溝へ容易に嵌入させることができる。
また、本発明に係る流路形成体の組立パーツは、嵌合溝を有する第一部材と、前記嵌合溝に整合する第二部材とを備え、前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に、前記第二部材が前記第一部材に嵌入した状態で流路を形成する流路溝が設けられており、前記第二部材における外壁周縁部には、組立時に溶融される第二突起が外方へ突出して設けられていてもよい。このような構成とすることにより、上述したのと同様に、接合周縁部を確実に溶着することができると共に、接合周縁部の各部での溶融量を一定に制御することができるため、溶着精度の向上を図ることができる。また、前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部には、組立時に溶融される第一突起が開口方向へ突出して設けられていてもよい。また、前記第一突起の断面は、前記嵌合溝の側壁面に対して前記開口の拡径方向へ傾斜した辺を有する三角形状を成していてもよい。このような構成とすることにより、第一部材の嵌合溝に第二部材を嵌入するに際し、第二部材が第一突起に引っ掛かるのを防止することができるため、嵌合溝に整合する形状の第二部材を、該嵌合溝へ容易に嵌入させることができる。
また、前記第二突起の突出寸法は前記第一突起の突出寸法よりも大きくなっていてもよい。このような構成とすることにより、溶着する際にヒータによって第二突起を押圧することができるため、溶着中に第二部材が嵌合溝から浮き上がるなどして位置ズレが生じるのを防止することができる。また、前記第二突起の断面は、前記第二部材の側壁面に対して略面一となる辺を有する三角形状を成していてもよい。このような構成とすることにより、第二部材を第一部材に嵌入させた状態で、第二突起が接合周縁部に近接するため、この第二突起を溶融させることによって接合周縁部を確実に溶着することができる。
また、前記第二部材の外壁部において前記第二突起に囲まれた部分には、前記外壁部の表面から窪んだ凹部が形成されていてもよい。このような構成とすることにより、加熱される第二部材が薄肉化されるため、溶着後の冷却過程で生じる可能性のある第二部材の収縮(所謂「ヒケ」)を抑制することができる。また、第二部材において第二突起に囲まれた空間は、溶着時の熱によって高温・高圧になり、この圧力によって第二突起が変形する可能性がある。しかしながら、上述したように凹部を設けることにより、第二突起に囲まれた空間は比較的大きな容積を有することになり、溶着時の熱によってこの空間の内圧が上昇するのを抑制し、第二突起の変形を防止することができる。
また、前記第二部材の外壁部において前記第二突起に囲まれた部分には、前記外壁部の表面より突出した凸部が形成されていてもよい。このような構成とすることにより、第二部材を第一部材の嵌合溝へ嵌入させる際に、凸部を把持することができ、嵌入作業中に第二突起に触れてこれを変形してしまうのを防止することができる。なお、この凸部は熱溶着時に第二突起等と同様に溶融させることができる。
本発明によれば、流路抵抗のバラツキを抑制することができ、気密性を容易に確保することができる流路形成方法、流路形成体、及び該流路形成体の組立パーツを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る流路形成方法、流路形成体、及び流路形成体の組立パーツについて、吐出ヘッドを有するインクジェットプリンタ装置(以下、「プリンタ装置」と称する)に採用したときの構成を例にとって、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では吐出ヘッドからインクを吐出する方向を下方、その反対側を上方とし、吐出ヘッドの走査方向を左右方向と同義に用い、これらの上下方向及び左右方向の何れにも直交する方向を前後方向とする。
[プリンタ装置全体の概要]
図1は本発明の実施形態に係るプリンタ装置1の要部を示す模式的平面図である。図1に示すように、プリンタ装置1は、左右方向へ延びる一対のガイドレール2,3が略平行に配設されており、このガイドレール2,3に液体供給ユニット4が走査方向にスライド可能に支持されている。ガイドレール3の左右の端部付近には一対のプーリ5,6が設けられ、液体供給ユニット4は、このプーリ5,6に巻き掛けられたタイミングベルト7に接合されている。一方のプーリ6には正逆回転駆動するモータ(図示せず)が設けられており、そのプーリ6が正逆回転駆動することでタイミングベルト7が左方向及び右方向へと往復移動可能になっており、これに伴って液体供給ユニット4がガイドレール2,3に沿って左右方向へ往復走査される。
プリンタ装置1には、4つのインクカートリッジ8が交換のために挿脱可能にして装着されている。そして、液体供給ユニット4には、これらのインクカートリッジ8から4色のインク(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)を夫々供給すべく、可撓性を有する4本のインク供給チューブ9が接続されておいる。液体供給ユニット4の下部には吐出ヘッド15(図2も参照)が搭載されており、その下方で走査方向と直角する方向(紙送り方向)に搬送される被記録体(例えば、記録用紙)に向けて吐出ヘッド15からインク(液体)を吐出し、この被記録体に画像を形成することができるようになっている。
図2は、液体供給ユニット4の構成を示す分解斜視図である。この図2に示すように、液体供給ユニット4は、吐出ヘッド15を支持するキャリッジケース16と、吐出ヘッド15の上方にてキャリッジケース16に搭載されるダンパーユニット20とから構成されている。キャリッジケース16は、平面視で前後方向に長寸の略長方形を成して上部に開口16aを有するボックス形状となっており、この開口16aを介してダンパーユニット20が装着される。
ダンパーユニット20は、樹脂製の成型品であって前後方向に長寸を成す基板21に、複数枚の矩形シート状のフィルム22〜24が熱溶着された構成となっており、基板21の後部には、上述したインク供給チューブ9と排気チューブ10(図1も参照)とが接続されるようになっている。また、ダンパーユニット20の前部には、インクの圧力変動を緩和するためのダンパー装置25が設けられており、更にその前方にはインクを一時的に貯留するサブタンク26が設けられている。そして、インク供給チューブ9を通じてダンパーユニット20に供給されたインクは、ダンパー装置25及びサブタンク26を経て、吐出ヘッド15へ供給されるようになっている。以下、このダンパーユニット20の構成について更に詳述する。
[ダンパーユニットの構成(流路)]
図3は、ダンパーユニット20を下方から見たときの斜視図である。また図4は、ダンパーユニット20の平面図、側面図、及び底面図を上から順に示す図面である。図4に示すように、ダンパーユニット20が有する基板21は、後部に位置する流路形成部21aと、その前方に位置するダンパー形成部21bと、更にその前方に位置するタンク形成部21cとから構成されており、流路形成部21aは、ダンパー形成部21b及びタンク形成部21cよりも幅寸法(左右方向寸法)が小さくなっている。
図4に示すように、流路形成部21aにおける後部の一側方寄りの部分には、上下方向へ貫通形成された4つの供給チューブ接続孔30a〜30dと1つの排気チューブ接続孔30eとが前後方向へ一列になるように近接して配されている。また、流路形成部21aの前端部には、4つの供給バイパス孔32a〜32dと2つの排気バイパス孔32e,32fとが上下方向へ貫通形成されて、左右方向へ一列に配されている。そして、供給チューブ接続孔30a〜30dには、インクカートリッジ8から延設されたインク供給チューブ9が接続され、排気チューブ接続孔30eには、プリンタ装置1内に備えられたポンプPから延設された排気チューブ10が接続されている(図1及び図2参照)。
図4の底面図に示すように、流路形成部21aの底面側には上方へ窪んだ凹状の溝が5本形成されており、流路形成部21aの底面がフィルム22で覆われることによって、供給チューブ接続孔30a〜30dから供給バイパス孔32a〜32dへ至る4本のインク導入路31a〜31dと、排気チューブ接続孔30eから排気バイパス孔32e,32fへ至る1本の排気導入路31eとが構成されている。
図4の平面図に示すように、基板21のダンパー形成部21bの上面には、上記4つのバイパス孔32a〜32dに対して個別に連通する凹状の溝が形成されており、ダンパー形成部21b及びタンク形成部21cの上面が可撓性部材であるフィルム23(図3参照)で覆われることによって、前方へ延びるインク接続路33a〜33dが構成されている。そして、これらのインク接続路33a〜33dは、ダンパー形成部21bの前部に形成されて左右方向に並設された4つのインク貯留室35a〜35dの上部に夫々連通している。
また、隣接するインク接続路33a,33bの間には、排気バイパス孔32fに連通する凹状の溝が形成され、インク接続路33c,33dの間には、排気バイパス孔32eに連通する凹状の溝が形成されており、これらもフィルム23で覆われることによって、前方へ延びる排気接続路34,34を構成する。このうち、排気バイパス孔32fから延びる排気接続路34は、途中で2本に分岐して排気接続路34a,34bを成し、後述する排気機構27に夫々連通している。同様に、排気バイパス孔32eから延びる排気接続路34は、途中で2本に分岐して排気接続路34c,34dを成し、排気機構27に夫々連通している。
図3に示すように、インク貯留室35a〜35dの夫々は、上下方向からフィルム23,24で覆われてダンパー装置25を形成するものである。そして、その前後方向に直交する断面形状は略逆三角形状を成して全体的には前後方向へ延びる略三角柱状となっており、ダンパー形成部21bの一側方から他側方へ順に並設されている。
インク貯留室35a〜35dの前方には、タンク形成部21cに形成された4つのタンク室36a〜36dから成るサブタンク26が設けられている。タンク室36a〜36dは、タンク形成部21cの一側方から他側方へ順に一列に配設されており、インク貯留室35a〜35dと共に上部がフィルム23によって覆われている。そして、インク貯留室35a〜35dとこれに対応するタンク室36a〜36dとは、夫々の上部空間が互いに連通してインクが往来可能になっており、且つ、その空間の上部は、エアを一時的に蓄えるエア貯留部38(図4参照)を成している。また、図3に示すように、サブタンク26の下部には、タンク室36a〜36dに連通する4つの孔が形成されたシール部材37(図5も参照)が取り付けられており、ダンパーユニット20がキャリッジケース16(図2参照)に装着されると、各シール部材37の下端が吐出ヘッド15に接続される。
図4の側面図にて実線矢印で示すように、上述したダンパーユニット20では、供給チューブ接続孔30a〜30dからシール部材37に至る液体供給流路が形成されている。この液体供給流路では、インク供給チューブ9からのインクが基板21の上面側から供給され、このインクは供給チューブ接続孔30a〜30dから基板21の下面側のインク導入路31a〜31dを経て供給バイパス孔32a〜32dへ導かれる。また、この供給バイパス孔32a〜32dを経て基板21の上面側のインク接続路33a〜33dを通り、ダンパー装置25の各インク貯留室35a〜35dへと注ぎ込まれる。更に、各インク貯留室35a〜35d内のインクは、上部で連通する各タンク室36a〜36dへと導かれ、その下部へ向かい、シール部材37を介して接続される吐出ヘッド15(図2参照)へと供給される。
そしてこの間、液体供給ユニット4が走査されるなどしてインクの圧力が変動した場合、その圧力変動はダンパー装置25によって緩和されるようになっており、また、インク内で成長したエアは上記液体供給流路の途中に設けられたエア貯留部38に蓄えられ、所定のタイミングにより排気機構27を介して外部へと排出されるようになっている(図4の平面図に示す破線矢印参照)。そこで以下では、まずダンパー装置25の構成について説明し、その後、排気機構27の構成について詳細に説明する。
[ダンパー装置の構成]
図5は、ダンパー装置25の構成を説明するための図面であり、基板21を下方から見たときの構成を示している。また、図6は、図5に示す基板21を上方から見たときの斜視図である。図5及び図6に示すように、ダンパーユニット20を構成する基板21のダンパー形成部21bの下面には、略三角形状を成す4つの弾性壁40が突設されている。各弾性壁40は、法線方向が前後方向と一致するようにして左右方向へ一列に配設されており、各弾性壁40の前方には、同一距離だけ離隔して4つの支持縁部50が対向して設けられている。換言すると、ダンパー形成部21bの下面には、対を成す弾性壁40及び支持縁部50が前後に対向配置され、このような弾性壁40及び支持縁部50から成る対が左右方向に4つ並設されている。
図5に示すように、各弾性壁40は何れも同一形状を成しており、基板21に繋がる基部41が底辺を形成し、基板21から最も離れた先端部が頂部42を形成する略三角形状を成しており、且つ、基部41と頂部42とを結ぶ上下方向の仮想線L1に対して左右対称の形状になっている。また、この頂部42は、背面視して上方へ突出する円弧状を成すように丸められており、隣接する弾性壁40の基部41,41間には、下方へ窪む円弧状を成す凹状接続部43が形成されている。一方、支持縁部50は、上述した弾性壁40の周縁部40aと略同一輪郭形状を成しており、頂部42及び凹状接続部43と同様の頂部51及び凹状接続部52を有している。
一方、隣接する弾性壁40間の凹状接続部43と、これに対応する支持縁部50間の凹状接続部52との間には、前後方向へ延びる架橋リブ55(図6参照)が設けられており、左右の端に位置する弾性壁40の基部41の外側端部と、これに対応する支持縁部50の端部との間にも、同様の架橋リブ55(図6参照)が設けられている。従って、本実施の形態では、4つの弾性壁40と支持縁部50とが、合計5本の架橋リブ55によって連結されている。
なお、図6に示すように、基板21の上面には、インク接続路33a〜33d及び排気接続路34a〜34dの周縁上面、架橋リブ55の上面、及びタンク室36a〜36dを区画する壁部上面に沿って、フィルム23との接続縁部60が形成されており、この接続縁部60は全長にわたって略同一平面内に位置するように形成されている。また、図5に示すように、基板21の下面にも、インク導入路31a〜31d及び排気導入路31eの周縁上面に沿ってフィルム22との接続縁部61が形成されており、この接続縁部61も全長にわたって略同一平面内に位置するように形成されている。
本実施の形態では、上述したような弾性壁40、支持縁部50及び架橋リブ55に対して、矩形シート状を成す可撓性部材であるフィルム24を所定の手順で熱溶着し、且つ、基板21の上面の接続縁部60にフィルム23を熱溶着する。これにより、フィルム23,24と弾性壁40及び支持縁部50とによって囲まれたインク貯留室35a〜35dを有するダンパー装置25が形成され(図3参照)、これと同時にタンク室36a〜36dを有するサブタンク26も形成される。また、基板21の下面の接続縁部61にもフィルム22が熱溶着され、これによってインク導入路31a〜31d及び排気導入路31eが形成される。
こうして形成されたダンパー装置25は、各インク貯留室35a〜35dが、対を成す弾性壁40及び支持縁部50の配列方向である前後方向に延びる略三角柱状を成している。そして、その軸芯方向(即ち、対を成す弾性壁40及び支持縁部50の配列方向)に直交する断面形状は、該軸芯の何れの箇所においても、弾性壁40と同様の三角形状(図2に示す使用時の姿勢では逆三角形状)を成している。また、各インク貯留室35a〜35dは、フィルム24によって画定された周面が曲面形状を成す空間として形成されている。具体的には、図3に示すように、弾性壁40及び支持縁部50の各頂部42,51を結ぶ部分にはフィルム24によって曲面形状に周面が画定された断面円弧状の稜部24aが形成され、各凹状接続部43,52を結ぶ部分にはフィルム24によって曲面形状に周面が画定された断面円弧状の谷部24bが形成される。このうち谷部24bは架橋リブ55に溶着されて固定され、隣接するインク貯留室35a〜35d間での混色が防止され、稜部24aは基板21等に溶着されずに可撓性を発揮できるようになっている。
従って、このようなダンパー装置25にて、インク貯留室35a〜35d内の圧力に変動が起きて負圧が発生すると、フィルム24における稜部24a及び谷部24b間の側壁面24c(図3参照)と稜部24aとが変形して内側に撓み、インク貯留室35a〜35dは三次元的にその容積が変化する。そして、フィルム24のこうした変形は、該フィルム24が可撓性部材から成るため圧力変動に対する応答性がよく、高いダンパー性能を発揮することができる。また、フィルム24の変形に伴い、弾性壁40も基部41に対して頂部42が内側に撓み、負圧が解消されると、弾性壁40が有する弾性力によってフィルム24を速やかに元の状態に復元させることができる。
[排気機構の構成]
図7及び図8は、排気機構27の構成を示す図面であり、このうち図7は図2のVII-VII線での断面図であり、図8は図7のVIII-VIII線での断面図である。また、図9は、排気機構27の要部を示す分解斜視図である。図7に示すように、排気機構27はダンパー装置25の上方に位置しており、排気機構27が有する後述のチョーク流路74が、各インク貯留室35a〜35d内に没入するようになっている。
排気機構27の詳細について説明すると、図8に示すように、基板21が有する複数の架橋リブ55のうち隣接する架橋リブ55,55間には、インク貯留室35a〜35dの上部を閉鎖する仕切板65が設けられており、該仕切板65において隣接する架橋リブ55,55間の左右方向の中央部分には、下方のインク貯留室35a〜35dへ向かって膨出した膨出部66が形成されている。また、架橋リブ55の上部からは、既に説明した接続縁部60が突設されており、該接続縁部60の上面に可撓性部材であるフィルム23が溶着されることによって、該フィルム23と仕切板65とで囲まれたバルブ室68が形成されている。このバルブ室68は、膨出部66内に形成される幅狭の第一室68aと、その上方に位置して上部がフィルム23で閉鎖された幅広の第二室68bとから成り、各室68a,68bは膨出部66の開口66aを介して連通している。
図7に示すように、排気機構27は、既に説明したエア貯留部38とバルブ室68との間を連通すべく、膨出部66の前壁部70及び底壁部71に沿って設けられたチョーク流路74を備えている(図8も参照)。具体的に説明すると、図7に示すように、膨出部66の前壁部70は二重壁構造になっており、上下方向へ延びる第一流路75が形成されている。該第一流路75の上側開口75aは、インク貯留室35a〜35dの上部にてエア貯留部38に連通するように開口しており、且つ、その開口面はエア貯留部38側へ上方及び前方へ向くように傾斜し、エア貯留部38内のエアを第一流路75内へ導入しやすいようになっている。
また、膨出部66の底壁部(第一部材)71には、左右方向の中央部分が上方へ窪んで前後方向へ延びる嵌合溝76が形成されている。更に、該嵌合溝76の底面76a(図8参照)、即ち、図8に示すように下方へ開口する嵌合溝76にて下方へ対向する面76aには、長手方向の中央部分から前方へ延びる流路溝77aが形成されており、該流路溝77aの前端部には上記第一流路75の下側開口75bが連通している。また、嵌合溝76には、前後方向に長寸の嵌合部材(第二部材)78が下方から嵌め込まれており、該嵌合部材78の後部上面には、前後方向へ延設された別の流路溝78aが形成されている。そして、嵌合溝76に嵌合部材78が嵌め込まれることにより、流路溝77a,78aが連通し、膨出部66の底壁部71の前端部から後端部へ至る第二流路77が形成されている。
このようにして形成された第二流路77と上記第一流路75とによって、図7に示すように側面視でL字状を成すチョーク流路74が構成されており、該チョーク流路74は、底壁部71の後部に形成された連通孔71aを介して、膨出部66内の第一室68aに連通している。なお、図8では、嵌合溝76に嵌合部材78が嵌め込まれた状態で、更に下方からフィルム79が溶着され、チョーク流路74の第二流路77での気密性が確保されているが、このような構成の第二流路77は高い気密性を有するため、必ずしもフィルム79は要しない。また、上記にてチョーク流路74を構成する第二流路77については、後に更に詳述する(図12〜図14参照)。
一方、バルブ室68には、チョーク流路74と連通する連通孔71aを開閉すべくバルブユニット80が収容されている。図9に示すように、バルブユニット80は、円環状のゴム部材から成るシール部材81と、連通孔71aを開閉する弁体82と、該弁体82を閉方向へ付勢するコイルバネ83と、該コイルバネ83を支持するバネ支持板84とから構成されている。
図7に示すように、膨出部66の底壁部71の後部上面には、下方へ窪んだ凹部71bが形成されている。連通孔71aはこの凹部71bの底部中央にて開口しており、円環状のシール部材81は、その中央孔81a(図9参照)が平面視で連通孔71aと中心が略一致するようにして凹部71bに収容されている。
図9に示すように、弁体82は、シール部材81の上部に中央孔81aを覆うように当接して連通孔71aを閉鎖可能な弁部85と、該弁部85から延設されたアーム部86とを有している。弁部85は、下部に対して上部が小径を成す段付き円柱状になっており、下部85aの底面はシール部材81の上部に密着するよう平坦に形成されている。この下部85aからはアーム部86が延設されており、該アーム部86の基部(弁部85の下部85aとの接続部付近)には、下方へ突出して側面視円弧状の輪郭を有する枢支部86aが形成されている。この枢支部86aは、膨出部66の底壁部71の上面に当接しており(図7参照)、該枢支部86aを支点にして弁体82は揺動可能になっている。
また、アーム部86は、弁部85から第一室68a内を前方且つ上方へ向かって延設され、途中で上方へ屈曲して第二室68bに至っており、その先端には、バルブ室68の上部を覆うフィルム23に下方から当接する当接部87が設けられている。図9にも示すように、当接部87は平面視で略矩形状を成しており、幅寸法が第一室68aの幅寸法より大きく、その上面は平坦になっていて、フィルム23との接触面積が大きく確保されている。なお、仕切板65において架橋リブ55と膨出部66とを結ぶ部分は、水平板状の規制部67(図6及び図7参照)を成し、弁体82が枢支部86aを支点に揺動したとき、この規制部67に当接部87が接触して、該当接部87の開方向への揺動範囲を規制している。
一方、図8に示すように、弁部85の上部85bには、上下方向に軸芯が一致するように設けられたコイルバネ83が上方から外嵌しており、該コイルバネ83の上端はバネ支持板84によって支持されている。バネ支持板84は、平面視で直方体形状を成しており、その下面中央部分には円筒状の突設部84aが下方へ突出して設けられ、更に、該突設部84aを取り囲むようにして上方へ窪む周回溝84bが形成されている。また、図9に示すように、バネ支持板84の上面は左右の端部が中央部分に比べて一段低くなった構成となっており、即ち中央部に形成された上段面84cとその左右に形成された下段面84dとから構成されている。そして、上段面84cには、バネ支持板84を上下方向へ貫通する4つのカシメ孔84eが前後左右に形成されている。
図8に示すように、このようなバネ支持板84は、突設部84aがコイルバネ83に上方から内嵌するようにして、仕切板65の上面に接続される。この際、仕切板65が有する規制部67の上面に突設された4つのカシメ65a(図6参照)が、バネ支持板84の4つのカシメ孔84eに挿通され、更に図示しないカシメ蓋がカシメ孔84eに上方から被せられることにより、バネ支持板84は仕切板65の上面に固定される。このようにして、コイルバネ83はバネ支持板84と弁部85との間に圧縮状態で収容され、連通孔71aを閉じるべく弁部85を下方へ付勢している。
[排気機構の動作]
図10は、上記のような構成を成す排気機構27の動作を説明するための図面であり、(a)はバルブ室68が大気圧の状態を示し、(b)はバルブ室68が負圧の状態を示している。また、図11は、エア貯留部38から排気チューブ接続孔30eに至る基板21に形成された排気経路を示す斜視図である。図10(a)に示すように、バルブ室68が大気圧のときは、弁体82が有する弁部85はコイルバネ83によって下方へ付勢されており、弁部85の下部85aはシール部材81の上部に当接している。その結果、その中央孔81a及び連通孔71aが閉鎖されて、バルブ室68とエア貯留部38とは遮断された状態になっている。
一方、ポンプP(図1参照)によって排気チューブ10を介してエアが吸引されると、その負圧が、図11に示す排気導入路31e及び排気接続路34a〜34d(図4も参照)を通じて各バルブ室68に伝達される。すると、図10(b)に示すように、可撓性部材であるフィルム23が下方へ変形して当接部87を下方へ押圧し、弁体82は枢支部86aを支点として揺動する。これにより、弁部85は上方へ変位し、その下部85aがシール部材81から離隔して隙間が生じるため、バルブ室68は、シール部材81の中央孔81a、連通孔71a及びチョーク流路74を通じてエア貯留部38に連通する。なお、本実施の形態では、弁体85の当接部87に当接する可撓性部材としてフィルム23を採用しているが、バルブ室68を液密的に封止でき、且つ負圧によって変形して上記のように当接部87を押圧できる他の可撓性部材を採用してもよい。例えば、薄肉状のゴム材をフィルム23に代えて使用することも可能である。
この状態で、引き続きポンプPによって負圧を生じさせると、エア貯留部38内のエアがチョーク流路74を通じてバルブ室68へ引き込まれる。このエアは、排気接続路34a〜34d及び排気導入路31eを通り、更に排気チューブ10を通じて外部へ排出される。その結果、エア貯留部38内のエアを排出することができ、インク貯留室35a〜35d及びタンク室36a〜36d内にインクを蓄えられる容量を増加させることができると共に、インク内のエアをエア貯留部38にて引き続き貯留することができるようになる。なお、本実施の形態に係る排気機構27は、フィルム23において各バルブ室68の上部を覆う部分間に架橋されたスタビライザ92を備えており、フィルム23の各部の変形を他の部分へも伝達し、変形量を均一化すると共に変形タイミングを同調させるようになっている。
[チョーク流路の詳細構成]
図12は、上述したチョーク流路74の第二流路77を形成する組立パーツの構成を示す図面であり、(a)は嵌合部材(以下、「第二部材」)78を斜め下方から見たときの斜視図、(b)はそのB-B線での断面図、(c)は膨出部66の底壁部(以下、「第一部
材」)71における嵌合溝76近傍の拡大断面図を示している。また、図13は、第二部材78を第一部材71に形成された嵌合溝76に嵌め込んで第二流路77を形成する工程を示す図面である。
図12(a),(b)に示すように、第二部材78は、前後方向に長い板状のベース部100を有し、該ベース部100の上面100a(図12(b)参照)には、既に説明した流路溝78aが形成されている。一方、ベース部100の下面100bの外周縁部には、下方へ突出する高さ寸法H2の第二突起101が、該外周縁部に沿う全周にわたって形成されている。図12(b)に示すように、この第二突起101の断面は、ベース部100の側壁面100cに対して略面一を成す辺を有する直角三角形状を成している。従って、第二突起101は、側壁面100cに略面一の垂直外壁面101aとこれに対して鋭角に交差する傾斜内壁面101bとを有し、ベース部100の外周縁部に沿って延びる直角三角柱状を成している。
また、ベース部100の下面100bであって、第二突起101に囲まれた内方部分には、上方へ窪んだ凹部102が形成されている。該凹部102は、ベース部100の長手方向に沿って一端部から中央部まで延設されており、その長手方向に直交する断面は、長手方向の何れの箇所でも同一の矩形状を成している。また、ベース部100の下面100bであって、第二突起101に囲まれた内方部分であり、且つ上記凹部102に対する他端部側における流路溝78aの下方には、薄肉板状の凸部103が設けられている。該凸部103は、側面視でベース部100の長手方向に沿って長寸を成す矩形板部材であり、その下端は第二突起101よりも下方まで延設されている。更に、ベース部100の上面100aにおける外周縁部には、上面100aと側壁面100cとが交差する角をとったテーパ部104が形成されている。本実施の形態では、上述したような第二部材78は、所定の温度で溶融する合成樹脂により型成形されており、プリンタ装置1に組み込まれた状態での通常使用時には一定の剛性を発揮できるようになっている。
一方、図12(c)に示すように、第一部材71には、下方へ開口する嵌合溝76が形成されており、この嵌合溝76は、上記第二部材78に整合する形状を有している。第一部材71における嵌合溝76の開口縁部71cには、下方へ突出する第一突起110が該開口縁部71cに沿って形成されている。この第一突起110の断面は、嵌合溝76の側壁面76bの下端から、嵌合溝76の開口の拡径方向(図12(c)の断面図における左右方向)へと傾斜して延びる辺を有する三角形状を成している。換言すれば、第一突起110は、嵌合溝76の側壁面76bの上端から、該側壁面76bに対して嵌合溝76の開口の拡径方向へ延びる傾斜内壁面110aを有する三角柱状を成している。そして、第一突起110の高さ寸法H1は、第二突起101の高さ寸法H2よりも小さく設定されている。なお、このような第一部材71も、所定の温度で溶融する合成樹脂により型成形されており、プリンタ装置1に組み込まれた状態での通常使用時には一定の剛性を発揮できるようになっている。
図13に示すように、このような第一部材71の嵌合溝76に対し、第二部材78が嵌め込まれて第二流路77が形成される。その工程について具体的に説明すると、図13の第1工程に示すように、上方へ向けて開口するように上下反転して配設された第一部材71の嵌合溝76に対し、上方から第二部材78を接近させる。この際、第二部材78も上下を反転させた姿勢とされており、オペレータによって凸部103(図12参照)が上方から把持される。また、第二部材78において嵌合溝76に対向する面100aの外周縁部にはテーパ部104が形成されており、且つ第一部材71の第一突起110は傾斜内壁面110aを有するため、第二部材78を第一部材71の嵌合溝76へ嵌め入れやすくなっている。
次の第二工程では、嵌合溝76の最深部にまで第二部材78が嵌入された状態で、第一部材71及び第二部材78の上部にポリイミド樹脂等から成るシート115を被せ、該シート115を挟んで上方からヒータ(図示せず)により加熱しつつ、下方へ向けて加圧する。これにより、第一突起110及び第二突起101が共に溶融し、第一部材71及び第二部材78の接合周縁部116(即ち、第一部材71の側壁面76bと第二部材78が有するベース部100の側壁面100cとの接触箇所)が、溶融成分によって接合されて塞がれる(第3工程)。そして、第一部材71及び第二部材78に挟まれるようにして第二流路77が形成される。なお、本実施の形態では、図7に示したように、第一部材(底壁部)71側に形成された長寸の流路溝77aと第二部材(嵌合部材)78側に形成された短寸の流路溝78aとによって、クランク状に屈曲した第二流路77が形成される。
ここで、第一突起110に比べて第二突起101の高さ寸法の方が大きいため(H1<H2)、ヒータには第二突起101が先に接触して下方へ加圧される。従って、第2工程での熱溶着において第二部材78が嵌合溝76から上方へ浮き上がるのを防止することができる。また、シート115により、第一突起110及び第二突起101の溶融成分がヒータに付着するのを防止することができる。
また、第2工程での加熱・加圧時では、シート115が被せられることにより、第二部材78における第二突起101に囲まれたスペース117が閉塞空間となって、このスペース117内は高温・高圧になる。しかしながら、本実施の形態に係る第二部材78は凹部102を有しているため、このスペース117の容積が比較的大きく確保されており、温度及び圧力の上昇が緩和されるようになっている。更に、この凹部102によりベース部100が薄肉になっているため、第2工程終了後の冷却時に、いわゆるヒケによって第二部材78が変形するのを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、第一突起110及び第二突起101の両方を備えた構成について説明したが、第2工程において溶融成分が接合周縁部116を接合して塞ぐことが可能であれば、何れか一方のみを備えるようにしてもよい。また、同様の条件が満足されるのであれば、第二突起101の垂直外壁面101aを内方へ傾斜させてもよいし、第一突起110及び第二突起101を側壁面100c及び側壁面76bから若干離隔して設けてもよい。
以上に説明した第一部材71及び第二部材78を用いた流路形成方法によれば、熱溶着時に発生する第一突起110及び第二突起101の溶融成分は、第一部材71及び第二部材78の接合周縁部116に付着し、特に第二流路77から離隔して位置にて両部材71,78を接合する。従って、第二流路77の外部に対する気密性を高く確保することができる。また、溶融成分が第二流路77に浸入しにくくなっているため、所望の流路断面積を正確に得ることができ、流路抵抗のバラツキを防止することができる。また、第一部材71及び第二部材78は合成樹脂製であって一定の剛性を有するため、内部を通流するエアの圧力によって流路断面積が変化することも抑制することができる。
[流路抵抗の比較]
図14は、本実施例に係る第二流路77の抵抗値とフィルムを樹脂部材に熱溶着して形成した比較例に係る流路の抵抗値とを比較するための表である。この図14に示すように、実施例に係る第二流路77は、流路溝77aが形成する長溝と流路溝78aが形成する短溝とから成るが、比較例に係る流路も同一構成から成るものとして設定している。但し、深さ寸法の公差については、部品単体の公差(±0.03mm)の他、比較例では熱溶着に特有の溶着量による公差(±0.1mm)を含めることとし、これらを加算した値(±0.13mm)
としている。また、比較例の場合、内圧によるフィルムの変形は考慮しないこととしている。
このような実施例に係る第二流路77及び比較例に係る流路に層流が流れた場合、流体と流路内壁との摩擦によって圧力損失が生じるが、この圧力損失の理論値は、一般にハーゲンポアズイユ(Hagen-Poiseuille)の式として知られている次式(1)を用いて得ることができる。ここで、断面矩形状を成す流路に対してハーゲンポアズイユの式を適用するにあたり、各流路を等価な円管に置き換えるべく、等価半径(水力直径ともいう)を求めた。そして、この圧力損失を{π(D/2)^2・u}で表される流量で除算することにより、図14に示す抵抗値を算出した。
ΔP=32μLu/D^2 ・・・(1)
なお、ΔPは圧力損失、μは粘度、Lは代表長さ、uは流体の平均流速、Dは水力直径である。
その結果、本実施例に係る第二流路77では、抵抗の最大値と最小値との差が25.86[kPa/(ml/s)]であったのに対し、比較例に係る流路では、196.81[kPa/(ml/s)]であり、
本実施例に係る第二流路77は、フィルムを熱溶着した同一形状・寸法の流路に比べ、極めて抵抗の小さいものとなっていることが分かった。
本発明は、流路抵抗のバラツキを抑制することができ、気密性を容易に確保することができる流路形成方法、流路形成体、及び該流路形成体の組立パーツに適用することができる。
本発明の実施形態に係るダンパーユニットを備えるプリンタ装置の要部を示す模式的平面図である。 図1に示すプリンタ装置が備える液体供給ユニットの構成を示す分解斜視図である。 図2に示す液体供給ユニットに搭載されるダンパーユニットを下方から見たときの斜視図である。 ダンパーユニットの平面図、側面図、及び底面図を上から順に示す図面である。 ダンパー装置の構成を説明するための図面であり、基板を下方から見たときの分解斜視図を示している。 図5に示す基板を上方から見たときの斜視図である。 排気機構の構成を示す図面であり、図2のVII-VII線での断面図を示している。 排気機構の構成を示す図面であり、図7のVIII-VIII線での断面図を示している。 排気機構の要部を示す分解斜視図である。 排気機構の動作を説明するための図面であり、(a)はバルブ室が大気圧の状態を示し、(b)はバルブ室が負圧の状態を示している。 エア貯留部から排気チューブ接続孔に至る基板の排気経路を示す斜視図である。 チョーク流路の第二流路を形成する組立パーツの構成を示す図面であり、(a)は嵌合部材(第二部材)を斜め下方から見たときの斜視図、(b)はそのB-B線での断面図、(c)は膨出部の底壁部(第一部材)における嵌合溝近傍の拡大断面図を示している。 第二部材を第一部材に形成された嵌合溝に嵌め込んで第二流路を形成する工程を示す図面である。 本実施例に係る第二流路の抵抗値とフィルムを樹脂部材に熱溶着して形成した比較例に係る流路の抵抗値とを比較するための表である。
1 プリンタ装置
4 液体供給ユニット
15 吐出ヘッド
20 ダンパーユニット
21 基板
21a 流路形成部
21b ダンパー形成部
21c タンク形成部
22〜24 フィルム
25 ダンパー装置
26 サブタンク
27 排気機構
71 底壁部(第一部材)
74 チョーク流路
78 嵌合部材(第二部材)
100 ベース部
101 第二突起
102 凹部
103 凸部
104 テーパ部
110 第一突起

Claims (12)

  1. 嵌合溝を有する第一部材を形成する工程と、前記嵌合溝に整合する第二部材を形成する工程と、前記第一部材の嵌合溝に前記第二部材を嵌入する工程と、嵌入された前記第二部材の外方から加熱して前記第一部材及び第二部材の接合周縁部を溶着する工程とを備え、
    前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に設けられた流路溝によって流路を形成することを特徴とする流路形成方法。
  2. 前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部に開口方向へ突出する第一突起を形成し、該第一突起を溶融して前記接合周縁部を溶着することを特徴とする請求項1に記載の流路形成方法。
  3. 前記第二部材における外壁周縁部に外方へ突出する第二突起を形成し、該第二突起を溶融して前記接合周縁部を溶着することを特徴とする請求項1又は2に記載の流路形成方法。
  4. 嵌合溝を有する第一部材と、前記嵌合溝に整合する第二部材とを備え、前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に、前記第二部材が前記第一部材に嵌入した状態で流路を形成する流路溝が設けられており、
    前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部には、組立時に溶融される第一突起が開口方向へ突出して設けられていることを特徴とする流路形成体の組立パーツ。
  5. 前記第一突起の断面は、前記嵌合溝の側壁面に対して前記開口の拡径方向へ傾斜した辺を有する三角形状を成していることを特徴とする請求項に記載の流路形成体の組立パーツ。
  6. 嵌合溝を有する第一部材と、前記嵌合溝に整合する第二部材とを備え、前記第一部材の嵌合溝の底部及びこれに対向する前記第二部材の下部のうち少なくとも一方に、前記第二部材が前記第一部材に嵌入した状態で流路を形成する流路溝が設けられており、
    前記第二部材における外壁周縁部には、組立時に溶融される第二突起が外方へ突出して設けられていることを特徴とする流路形成体の組立パーツ。
  7. 前記第一部材における前記嵌合溝の開口縁部には、組立時に溶融される第一突起が開口方向へ突出して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の流路形成体の組立パーツ。
  8. 前記第一突起の断面は、前記嵌合溝の側壁面に対して前記開口の拡径方向へ傾斜した辺を有する三角形状を成していることを特徴とする請求項7に記載の流路形成体の組立パーツ。
  9. 記第二突起の突出寸法は前記第一突起の突出寸法よりも大きいことを特徴とする請求項7又は8に記載の流路形成体の組立パーツ。
  10. 前記第二突起の断面は、前記第二部材の側壁面に対して略面一となる辺を有する三角形状を成していることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の流路形成体の組立パーツ。
  11. 前記第二部材の外壁部において前記第二突起に囲まれた部分には、前記外壁部の表面から窪んだ凹部が形成されていることを特徴とする請求項乃至10の何れかに記載の流路形成体の組立パーツ。
  12. 前記第二部材の外壁部において前記第二突起に囲まれた部分には、前記外壁部の表面より突出した凸部が形成されていることを特徴とする請求項乃至11の何れかに記載の流路形成体の組立パーツ。
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