JP2009083379A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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    • B41J2/17506Refilling of the cartridge
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Abstract

【課題】ダンパー性能を効果的に向上させる。
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタ1は、キャリッジ32上に設けられ、冷却液流入口22b及び冷却液流出口22cを有する冷却液流路43と、冷却液流入口22bに接続された冷却液往路55と、冷却液流出口22cに接続された冷却液復路56とを備え、キャリッジ側インク流路42がキャリッジ32から走査方向の一方側に導出され、冷却液往路55及び冷却液復路56がキャリッジ32から走査方向の他方側に導出され、キャリッジ側インク流路42と冷却液流路43とが相互に圧力伝達可能となるように、キャリッジ側インク流路42と冷却液流路43とが部分的に圧力伝達手段50を介して仕切られている。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェットプリンタ等のような液滴吐出装置に関するものである。
従来、インクカートリッジから可撓性を有するインク供給チューブを介して供給されるインクをキャリッジ上のバッファタンクで一時貯留し、該バッファタンクからインクジェットヘッドにインクを適宜供給し、該インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して用紙等に画像を記録させるチューブ供給方式のインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このインクジェットプリンタでは、往復移動するキャリッジの加減速によりインク供給チューブ内のインクに慣性力による加速度が付与される。そうすると、インクジェットヘッド内のインクに圧力波が伝播して、インクジェットヘッドのノズルに形成されているメニスカスに悪影響を及ぼし、印刷品質が低下することとなる。そのため、インクジェットヘッドの上流側のバッファタンクに可撓性膜で封止されたダンパー室を設け、インクにかかる動圧を吸収するようにしている。
特開2005−271546号公報
しかしながら、近年はインクジェットプリンタの小型化の要請に伴って、キャリッジ及びその搭載部品が小型化される傾向にあり、ダンパー室も小さくならざるを得ない。そして、ダンパー室が小さくなって可撓性膜の面積が小さくなると、圧力変動を吸収する性能は低下してしまうこととなる。
そこで本発明は、ダンパー性能を効果的に向上させることを目的としている。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る液滴吐出装置は、記録体に対して一方向に往復走査されるキャリッジ上に液滴吐出ヘッドが設けられ、記録液供給源からの記録液が記録液流路を介して前記キャリッジ上の液滴吐出ヘッドに供給される液滴吐出装置であって、前記キャリッジ上に設けられ、冷却液流入口及び冷却液流出口を有する冷却液流路と、前記冷却液流入口に接続された冷却液往路と、前記冷却液流出口に接続された冷却液復路と、を備え、前記記録液流路が、前記キャリッジから走査方向の一方側に導出され、前記冷却液往路及び前記冷却液復路の少なくとも一方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、前記記録液流路と前記冷却液流路とが相互に圧力伝達可能となるように、前記記録液流路と前記冷却液流路とが部分的に圧力伝達手段を介して仕切られていることを特徴とする。
前記構成によれば、キャリッジの移動により生じる記録液流路内の記録液の圧力変動が圧力伝達手段を介して冷却液流路内の冷却液に伝達されるので、記録液流路内の記録液の圧力変動を冷却液流路内の冷却液で吸収することができる。具体的には、キャリッジから記録液流路を導出する向きと、冷却液往路及び冷却液復路の少なくとも一方を導出する向きとが反対であるため、往復移動するキャリッジの加減速に伴って、記録液流路の記録液に慣性力による正圧が発生した場合は、冷却液流路内の冷却液には慣性力による負圧が発生する。逆に、キャリッジの移動による慣性力で記録液流路の記録液に負圧が発生した場合は、冷却液流路内の冷却液には慣性力により正圧が発生する。かつ、記録液流路と冷却液流路とは、相互に圧力伝達可能となるように圧力伝達手段を介して仕切られている。その結果、キャリッジの移動により生じる記録液流路内の記録液の圧力変動は、冷却液流路で吸収することが可能となる。よって、冷却用の冷却液流路を圧力変動吸収用にも利用して、ダンパー性能を効果的に向上させることができる。
前記冷却液復路の流路抵抗は、前記冷却液往路の流路抵抗よりも小であってもよい。
前記構成によれば、記録液流路から冷却液流路に圧力が加わると、冷却液流路内の冷却液が流路抵抗の小さい冷却液復路へとスムーズに導かれて、効果的に圧力吸収することができる。また、冷却液流路内の冷却液が冷却液復路へと流れやすくなるので、冷却液の循環が促進されて、放熱効率も向上する。
前記冷却液復路の内径は、前記冷却液往路の内径よりも大であってもよい。
前記構成によれば、簡素な構成でありながら、冷却液復路の流路抵抗を冷却液往路の流路抵抗よりも小さくすることができる。
前記圧力伝達手段は、前記記録液流路の一部を形成する記録液可撓壁と、前記冷却液流路の一部を形成する冷却液可撓壁と、前記各可撓壁間に封止された空気層とを有していてもよい。
前記構成によれば、記録液流路と冷却液流路とは各可撓壁及び空気層を介して互いに隣り合うように配置されているため、正圧がかかっている流路の容積が大きくなり且つ負圧がかかっている流路の容積が小さくなるように各可撓壁が変形し、正圧及び負圧を交換的に吸収することができる。また、記録液流路及び冷却液流路を画定する各可撓壁の間に封止された空気層が介在しているので、記録液流路で生じる圧力変動をより柔軟に吸収することができる。
前記キャリッジ上には、前記記録液流路の一部分を構成するための平板状の流路形成部材が設けられており、前記記録液可撓壁は、前記流路形成部材に接合されるダンパーフィルムからなり、かつ、前記流路形成部材から離反する方向に膨出する膨出部を有し、前記膨出部が前記流路形成部材との間で前記記録液流路の前記一部分を形成しており、前記流路形成部材には、前記膨出部を囲むように突出した周状リブが形成されていてもよい。
前記構成によれば、記録液可撓壁は膨出部により立体的に形成されているため、従来の平面状のダンパー壁に比べて変形可能量が大きくなる。よって、平面視の占有面積が小さくても大きな圧力変動吸収効果が得られ、装置のコンパクト化を図ることができる。さらに、周状リブが膨出部を囲む位置に設けられているので、製造時において周状リブがダンパーフィルムを風等から保護し、ダンパーフィルムを流路形成部材に対して正しく接合しやすくなる。また、周状リブにより平板状の流路形成部材の剛性が向上して変形しにくくなるので、記録液流路のシール性も向上する。
前記記録液流路は、前記キャリッジから走査方向の一方側に導出される記録液継手管と、前記記録液継手管と前記記録液供給源とを接続する記録液供給管とを有し、かつ、前記記録液継手管は前記記録液供給管よりも硬度が大きく、前記冷却液往路及び冷却液復路の少なくとも一方は、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出される冷却液継手管と、前記冷却液継手管に接続される冷却液流通管とを有し、かつ、前記冷却液継手管は前記冷却液流通管よりも硬度が大きくてもよい。
前記構成によれば、キャリッジから走査方向の一方側に導出される記録液継手管が硬質であり、記録液継手管の記録液や記録液供給管の記録液継手管との接続側にある記録液には、走査方向の慣性力が加わって記録液流路に圧力変動が生じる。一方、キャリッジから走査方向の他方側に導出される冷却液継手管が硬質であり、冷却液継手管の冷却液や冷却液流通管の冷却液継手管との接続側にある冷却液には、記録液とは逆方向の慣性力が加わって冷却液流路に記録液流路とは逆の圧力変動が生じる。よって、記録液流路の圧力変動を冷却液流路で効果的に吸収することができる。
前記冷却液流通管の内径は、前記記録液供給管の内径よりも大であり、前記冷却液流通管及び前記記録液供給管は可撓性を有し、前記冷却液流通管の硬度は、前記記録液供給管の硬度よりも小であってもよい。
前記構成によれば、冷却液流通管は、記録液供給管に比べて内径が大きいが、硬度は小さくなっているので、冷却液流通管を曲げて取り回す際の曲率を大きくすることができ、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
前記冷却液往路及び前記冷却液復路の両方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、前記冷却液流路のうち前記圧力伝達手段を介して前記記録液流路と隣接する位置の上流及び下流に逆止弁が設けられていてもよい。
前記構成によれば、キャリッジが走査方向の他方側でターンするとき、記録液流路のキャリッジの一方側に導出された部分にある記録液の慣性力により記録液流路に正圧が加わる一方、冷却液復路内の冷却液の慣性力により冷却液流路には負圧が加わる。その際、冷却液流路からは冷却液が冷却液復路に流出するが、逆止弁により冷却液往路からは冷却液が冷却液流路に流入せず、冷却液流路の負圧が増加する。よって、記録液流路に加わる正圧を効果的に吸収することが可能となる。キャリッジが走査方向の一方側でリターンするときも、正圧/負圧が逆になるだけで同様である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、キャリッジの移動により生じる記録液流路内の記録液の圧力変動が圧力伝達手段を介して冷却液流路で吸収されるので、冷却用の冷却液流路を圧力変動吸収用にも利用してダンパー性能を効果的に向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明ではインクジェットヘッドからインクを吐出する方向を下方とし、その反対側を上方とする。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ1の要部を示す概略斜視図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1(液滴吐出装置)は、一対のガイドレール2,3が略平行に配設されており、そのガイドレール2,3にヘッドユニット4が走査方向にスライド可能に支持されている。ヘッドユニット4は、一対のプーリー5,6に巻き掛けられたタイミングベルト7に接合されており、タイミングベルト7はガイドレール3の延在方向と略平行に配設されている。一方のプーリー6には正逆回転駆動するモータ(図示せず)が設けられており、そのプーリー6が正逆回転駆動されることでタイミングベルト7が往復移動し、ヘッドユニット4がガイドレール2,3に沿って一方向に往復走査される。
ヘッドユニット4には、4つのインクカートリッジ8(記録液供給源)からの4色のインク(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)を夫々供給する4本の可撓性を有するインク供給チューブ9(記録液供給管)が接続されている。ヘッドユニット4には、インクジェットヘッド33(図4参照)が搭載されており、その下方で走査方向と直角する方向(紙送り方向)に搬送される被記録体(例えば、記録用紙)に向けてインクジェットヘッド33からインク(記録液)が吐出される構成となっている。
また、ヘッドユニット4には、冷却液往路を形成するための可撓性を有する往路チューブ10(冷却液流通管)と、冷却液復路を形成するための可撓性を有する復路チューブ11(冷却液流通管)とが接続されており、往路チューブ10と復路チューブ11とはラジエータタンク12で連結されて互いに循環可能となっている。さらに、ヘッドユニット4には、ヘッドユニット4の流路内にトラップされたエアを抜き出すための可撓性を有する負圧吸引チューブ13の一端が接続されており、その負圧吸引チューブ13の他端は負圧ポンプ14に接続されている。
図2は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の斜視図である。図3は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の平面図である。図4は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の分解斜視図である。なお、図4では流路形成部材22の上面に溶着されるフィルムの図示が省略されている。図2乃至図4に示すように、ヘッドユニット4は、ジョイント20,21、流路形成部材22、逆止弁23〜25,ネジ26、気液分離膜27,29、フラットフィルム28、ダンパーフィルム30、弾性シール部材31、キャリッジ32及びインクジェットヘッド33を備えている。
インク用のジョイント20は、流路形成部材22の上面に取り付けられる基部20aと、基部20aからキャリッジ32の走査方向の一方側(図2中左側)に導出された4本のインク継手管部20b(記録液継手管)とを有している。インク継手管部20bには、インク供給チューブ9が接続されている。ジョイント20は硬質な樹脂(例えば、ポリプロピレン等)からなり、インク供給チューブ9は軟質な樹脂(例えば、ナイロン等)からなり、ジョイント20はインク供給チューブ9よりも硬度が大きくなっている。よって、インク供給チューブ9におけるインク継手管部20bとの接続部分付近は、キャリッジ32の走査方向の一方側(図2中左側)に導出された状態が保たれている。
冷却液用及び負圧吸引用のジョイント21は、流路形成部材22の上面に取り付けられる基部21aと、基部21aからキャリッジ32の走査方向の他方側(図2中右側)に導出された4本の継手管部21b,21c,21d,21eとを有している。4本の継手管部21b,21c,21d,21eのうち2本は、冷却液用の冷却液継手管部21b,21cであり、うち1本は負圧吸引用の負圧継手管部21dであり、残りの1本は不使用の継手管部21eである(部品共用化を図るべくジョイント21はジョイント20と同一構造であるため、使用しない継手管部21eが存在する)。
冷却液継手管部21bには往路チューブ10が接続され、冷却液継手管部21cには復路チューブ11が接続され、負圧用継手管部21dには負圧吸引チューブ13が接続されている。ジョイント21は硬質な樹脂(例えば、ポリプロピレン等)からなり、往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13は軟質な樹脂(例えば、ナイロン等)からなり、ジョイント21は往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13よりも硬度が大きくなっている。よって、往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13における冷却液継手管部21b,21c,21dとの接続部分付近は、キャリッジ32の走査方向の他方側(図2中右側)に導出された状態が保たれている。
流路形成部材22は、略平板状であり、その上下面に複数の溝が形成されており、その溝を封止するように上下面にフィルムを熱溶着することで複数の流路が設けられている。具体的には、流路形成部材22には、紙送り方向の下流側かつ走査方向の他方側の上面に4つのインク流入口22aが設けられている。また、流路形成部材22には、紙送り方向の下流側かつ走査方向の一方側の上面に、冷却液流入口22b、冷却液流出口22c及び負圧吸引口22dが設けられている。そして、流路形成部材22には、インク流入口22aに連通するキャリッジ側インク流路42と、冷却液流入口22b及び冷却液流出口22cに連通する冷却液流路43と、負圧吸引口22dに連通するエア排出流路44とが設けられている。
さらに、冷却液流路43の途中には3つの逆止弁23〜25が配置されている。これら逆止弁23〜25は、冷却液流入口22bから冷却液流出口22cに向けた冷却液の流れを許容する一方、冷却液流出口22cから冷却液流入口22bに向けた冷却液の流れを阻止するものである。より具体的には、冷却液流入口22bから冷却液流出口22cに向けた冷却液の流れが流路形成部材22の下面から上面へ向かう箇所において、冷却液流路43に、下方側の小径流路と、前記小径流路の上方側に連続する大径流路とが設けられており、前記大径流路に止水フィルムが逆止弁23〜25として配置されている。前記逆止弁23〜25は、前記小径流路より大径で前記大径流路よりも小径であり、冷却液よりも比重が大きく浮動自在となっている。これにより、冷却液が冷却液流入口22bから冷却液流出口22cに向かうと逆止弁23〜25が浮いて前記小径流路と前記大径流路とを連通させる一方、冷却液が冷却液流出口22cから冷却液流入口22bに向かうと逆止弁23〜25が沈んで前記小径流路を塞ぐようになっている。また、流路形成部材22の所要箇所には、ネジ26を挿入する貫通孔22hが設けられている。
図5は図4に示すヘッドユニット4の流路形成部材22及びダンパーフィルム30の下方から見た斜視図である。図5に示すように、流路形成部材22の下面に形成された溝をフラットフィルム28で封止して各種流路が形成されている。流路形成部材22の下面には周状リブ22jが下方に向けて突出している。その周状リブ22jの内側には、マッチモールド法により立体的に熱間成形された可撓性を有する単層の薄膜樹脂からなるダンパーフィルム30が熱溶着されている。そして、流路形成部材22の下面とダンパーフィルム30との間で、インク流路の一部分でありインクの圧力変動を緩和する大インクダンパー室40及び小インクダンパー室41が形成されている。
図6は図5に示す流路形成部材22の下方から見た要部拡大斜視図である。図6に示すように、流路形成部材22の下面における周状リブ22jの内側には、ダンパーフィルム30が溶着される大周状隆起部22kが設けられており、その大周状隆起部22kは、4種類のインク毎に平面視で略長方形状の大インクダンパー室40(図5参照)を区画するように流路形成部材22の長手方向(紙送り方向)に並設されている。また、大周状隆起部22kに隣接して小周状隆起部22sが設けられており、4種類のインク毎に平面視で略長方形状の小インクダンパー室41(図5参照)を区画するように流路形成部材22の幅方向(走査方向)に並設されている。
流路形成部材22の下面における大周状隆起部22kの内側には、その長辺方向(走査方向)の両側に流入口22m及び流出口22nが形成されている。流入口22m及び流出口22nは、流路形成部材22の上面のキャリッジ側インク流路42と連通する孔である。流入口22mと流出口22nとの間には、ダンパーフィルム30の後述する大膨出部30b〜e内の大インクダンパー室40に向けて突出する突起部22p,22qが設けられている。これら突起部22p,22qは、後述する大膨出部30b〜eが大気圧中にある状態において膨出部30b〜eと非接触となるように設けられている。突起部22pと突起部22qとの間には、気液分離膜29(半透膜)が取り付けられる膜取付部22rが平面視で略長方形状に凹設されている。気液分離膜29は、気体を透過させ、液体を透過させないものである。膜取付部22rに取り付けられた気液分離膜29は、後述する大膨出部30b〜eの開口30xに対向する。膜取付部22rには、流路形成部材22の上面のエア排出流路44と連通する孔22x(図9参照)が設けられている。
流路形成部材22の下面における小周状隆起部22sの内側には、その長辺方向(紙送り方向)の両側に流入口22t及び流出口22uが形成されている。流入口22t及び流出口22uは、流路形成部材22の上面のキャリッジ側インク流路42と連通する孔である。流路形成部材22の周状リブ22jには、その流出口22uに流路形成部材22の上面側で連通した4つのインク通路22j1が上下方向に形成されている。そして、流路形成部材22の上面には、インク通路22j1及び流出口22uに対応する位置を覆う気液分離膜27が取り付けられている。気液分離膜27は、気体を透過させ、液体を透過させないものである。
また、流路形成部材22の周状リブ22jの紙送り方向の下流側には、冷却液流路43からの冷却液が下方へ流れる冷却液通路22j2が形成されている。流路形成部材22の周状リブ22jの紙送り方向の奥側における走査方向の両側には、後述する冷却液ダンパー室49からの冷却液が上方へ流れる一対の冷却液通路22j3が形成されている。流路形成部材22の周状リブ22jの外側における冷却液通路22j3の近傍には、冷却液が下方に流れる一対の冷却液通路筒部22vが形成されている。流路形成部材22の周状リブ22jの外側における紙送り方向の下流側には、後述するICチップ冷却通路51からの冷却液が上方に流れる一対の冷却液通路筒部22wが形成されている。また、流路形成部材22の周状リブ22jには、内側の2つのインク通路22j1の間に、後述する冷却液ダンパー室49を気液分離膜27に連通させる冷却液通路22j4が上下方向に形成されている。
図7は図5に示すダンパーフィルム30の上方から見た斜視図である。図7に示すように、ダンパーフィルム30は、流路形成部材22の大周状隆起部22k及び小周状隆起部22s(図6参照)に接合される接合面30aと、接合面30aに形成されて大周状隆起部22k及び小周状隆起部22s(図6参照)より若干小さい略長方形状の開口30x,30yと、開口30x,30yの周縁から流路形成部材22(図5参照)から離反する重力方向に立体的に膨出する大膨出部30b〜e及び小膨出部30f〜i(記録液可撓壁)とを有している。よって、ダンパーフィルム30の接合面30aを流路形成部材22に接合して開口30x,30yを塞ぐことで、4つの大膨出部30b〜eの内部空間が4種類のインク流路の一部分である大インクダンパー室40を形成し、4つの小膨出部30f〜iの内部空間が4種類のインク流路の一部分である小インクダンパー室41を形成する。即ち、1種類のインクにつき上流側に大インクダンパー室40が配置され、下流側に小インクダンパー室41が配置され、1つのキャリッジ側インク流路42中にインクダンパー室40,41が複数配置されている。
大膨出部30b〜eは、開口30xの長辺の縁部から重力方向に突出して互いに対向する一対の主平面30j,30k,30q,30rと、開口30xの短辺の縁部から重力方向に突出して互いに対向する一対の副面30m,30n,30s,30tと、主平面30j,30k,30q,30rと副面30m,30n,30s,30tとを互いに接続する副面30p,30uとを有している。つまり、面積の大きい主平面30j,30k,30q,30rが撓んで大膨出部30b〜e内の空間に大きな容積変化が生じうるようにすることで、上方から見た平面視における大膨出部30b〜eの面積が小さくても大きな圧力変動吸収効果を得ることができるようになっている。
大膨出部30bと大膨出部30cとは、互いに重力方向の長さが異なるだけで略同一形状である。大膨出部30d及び大膨出部30eの副面30s,30tには、主平面30q,30rに直交する断面が谷状である谷部30v,30wが設けられている。また、大棒出部30d及び大膨出部30eの副面30uは、主平面30q,30rに直交する断面が山状である山部となっている。つまり、谷状又は山状の副面30s,30t,30uによる蛇腹効果で主平面30q,30rがその法線方向に移動しうるため、平面視における大膨出部30d,30eの面積が小さくても、より大きな圧力変動吸収効果を得ることができるようになっている。また、小膨出部30f〜iは、大膨出部30b,30cよりも小さいだけで形状は略同一であるため詳細な説明は省略する。なお、谷部又は山部は、全ての大膨出部30b〜eの副面に設けてもよいし、全く設けなくてもよい。
再び図4に戻ると、弾性シール部材31は、ゴム等の弾性材からなり、平面視で略長方形状の平板部31a(冷却液可撓壁)を有している。平板部31aの上面中央部分には、ダンパーフィルム30の大膨出部30b〜e及び小膨出部30f〜iに対応するように平面視で長方形状の凹部31bが形成されて薄肉となっている。平板部31aの走査方向の両側端面には、後述するICチップ37に向けて突出する押圧部31hが設けられている。
平板部31aの紙送り方向(長手方向)の上流側には、流路形成部材22の4つのインク通路22j1(図6参照)に液密的に連通する4つのインク孔31cが形成されている。平板部31aの紙送り方向の下流側には、流路形成部材22の冷却液通路22j2(図6参照)に液密的に連通する冷却液孔31dが形成されている。平板部31aのインク孔31cの走査方向の両側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路22j3(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液孔31eが形成されている。平板部31aの4つのインク孔31cのうち内側の2つのインク孔の間には、流路形成部材22の冷却液通路22j4(図6参照)に液密的に連通する冷却液孔31fが形成されている。
平板部31aの走査方向の両側上方には、平板部31aと一体的に連続する棒状部31j,31kが平板部31aの長手方向に沿って延在している。棒状部31j,31kの下面には、後述するキャリッジ32の冷却液が流れる溝部32fに上方から圧入して封止する帯状突起部31m,31nが形成されている。棒状部31j,31kの紙送り方向の上流側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路筒部22v(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液通路筒部31pが形成されている。棒状部31j,31kの紙送り方向の下流側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路筒部22w(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液通路筒部31qが形成されている。
キャリッジ32は、樹脂からなり、凹状部32aと、その凹状部32aの紙送り方向(長手方向)の両側上端からフランジ状に突出してガイドレール2,3(図1参照)に案内されるレールガイド部32bとを有している。レールガイド部32bには、ネジ26が締結されるネジ穴32hが設けられている。凹状部32aは、その底壁部32cの紙送り方向(長手方向)の上流側に、弾性シール部材31のインク孔31cと液密的に連通するインク孔32gが形成されている。凹状部32aの走査方向の両側は、外壁部32d及び内壁部32eを有する二重壁構造となっている。外壁部32dと内壁部32eとの間には、ICチップ冷却通路51となる溝部32fが形成されている。また、内壁部32e及びレールガイド部32bには、アルミニウム等の金属からなるヒートシンク45,46がインサート成形により埋設されている。さらに、内壁部32eよりも内側において底壁部32cには、流路形成部材22の周状リブ22jに対応する位置にシール台部32jが上方に突出している。そのシール台部32jと内壁部32eとの間には、後述するフレキシブルフラット配線材36の延出部36a,36bを下方から上方に挿通させるためのスリット部32kが底壁部32cに設けられている。
インクジェットヘッド33は、キャリッジ32の底壁部32cの下面に取り付けられている。インクジェットヘッド33は、インクを4つのインク流入口34aから多数のノズル(図示せず)まで導く複数のインク室を有する流路ユニット34と、その流路ユニット34の上面に積層されて流路ユニット34内のインクにノズルに向かう吐出圧力を選択的に付与する圧電駆動式のアクチュエータ35とを有している。流路ユニット34のインク流入口34aはフィルタ38で覆われている。インク流入口34aは、キャリッジ32のインク孔32gと液密的に連通している。
アクチュエータ35の上面には、フレキシブルフラット配線材36が接合されている。フレキシブルフラット配線材36は、アクチュエータ35の上面より走査方向の両側に向けて延出する一対の延出部36a,36bを有しており、一対の延出部36a,36bの下面側(一対の延出部36a,36bを上方に向けた状態では外面側)にアクチュエータ駆動用のICチップ37が設けられている。
図8は図2のV−V線断面図である。図9は図2のVI−VI線断面図である。図8及び図9に示すように、弾性シール部材31の平板部31aが、流路形成部材22の周状リブ22jとキャリッジ32のシール台部32jとの間で挟持されている。そして、弾性シール部材31の下面と、キャリッジ32の底壁部32cの上面と、キャリッジ32のシール台部32jの内周面とで区画された空間に冷却液ダンパー室49が形成されている。この冷却液ダンパー室49は、冷却液流路43の一部をなし、インクジェットヘッド33のアクチュエータ35に対応する位置に設けられており、アクチュエータ35と底壁部32cを介して隣接している。即ち、冷却液ダンパー室49は、アクチュエータ35を冷却するアクチュエータ冷却通路を兼ねている。また、弾性シール部材31の平板部31aの上面と、ダンパーフィルム30の外面と、流路形成部材22の周状リブ22jの内周面とで区画された密封空間に空気層48が形成されている。
インクダンパー室40,41と冷却液ダンパー室49とは、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜i、弾性シール部材31の平板部31a及び空気層48により仕切られている。即ち、膨出部30b〜i、平板部31a及び空気層48により、インクダンパー室40,41と冷却液ダンパー室49とが相互に圧力伝達可能とする圧力伝達手段50が形成されている。
図9に示すように、ダンパーフィルム30の大膨出部30d内の大インクダンパー室40には、突起部22p,22qが膨出部30dと非接触状態で突出している。流入口22mから大インクダンパー室40に流入したインクは、突起部22pを避けるように迂回して大インクダンパー室40の中央部に流れる。この大インクダンパー室40の中央部にあるインクに含まれる気泡は、浮力で上昇し、気液分離膜29を介してエア排出流路44に導かれる。そして、この大インクダンパー室40の中央部にあるインクは、突起部22qを避けるように迂回して流出口22nへと流れる。
また、キャリッジ32の外壁部32dと内壁部32eとの間に形成された溝部32fには、弾性シール部材31の棒状部31jの帯状突起部31m,31nが上方から圧入され、ICチップ冷却通路51を形成している。このICチップ冷却通路51は、冷却液流路43及び冷却液ダンパー室49に連通している。ヒートシンク45は、冷却液流路51に露出するように内壁部32eにインサート成形されることで内壁部を兼ねている。キャリッジ32の内壁部32eと弾性シール部材31の平板部31aとの間には、フレキシブルフラット配線材36の延出部36a,36bが上方に向けて通過しており、ICチップ37が弾性シール部材31の押圧部31hにより内壁部32eに押し付けられている。つまり、ICチップ37は、キャリッジ32の内壁部32eのヒートシンク45を被覆する薄肉の樹脂部分である被覆部32mの外面32q側に当接している。
図10は図4に示すヘッドユニット4に形成された4つのキャリッジ側インク流路42のうち1つを表した斜視図である。図2及び図10に示すように、キャリッジ側インク流路42は、ヘッドユニット4から走査方向の一方側に導出された導出部54を有している。この導出部54は、ジョイント20のインク継手管部20bの内部流路と、インク供給チューブ9のインク継手管部20bに接続された部分付近の内部流路とで形成されている。なお、インクカートリッジ8からインクジェットヘッド33までのインク流路60(記録液流路)は、インク供給チューブ9内の流路及びキャリッジ側インク流路42により構成されている。
図11は図4に示すヘッドユニット4に形成された冷却液流路44の斜視図である。図2、図4及び図11に示すように、冷却液流路43は、冷却液流入口22bに接続された冷却液往路55と、冷却液流出口22cに接続された冷却液復路56とに連通している。冷却液往路55は、ジョイント21の冷却液継手管部21bの内部流路と、往路チューブ10の内部流路とで形成されている。冷却液復路56は、ジョイント21の冷却液継手管部21cの内部流路と、復路チューブ11の内部流路とで形成されている。
冷却液復路56の内径は、冷却液往路55の内径よりも大とすることで、冷却液復路56の流路抵抗が冷却液往路55の流路抵抗よりも小となっている。また、往路チューブ10及び復路チューブ11の内径はインク供給チューブ9の内径よりも大であり、往路チューブ10及び復路チューブ11の硬度は、インク供給チューブ9の硬度よりも小となっている。
そして、冷却液往路55及び冷却液復路56は、ヘッドユニット4から走査方向の他方側に導出された導出部57,58を有している。この導出部57,58は、ジョイント21の冷却液継手管部21b,21cの内部流路と、往路チューブ10及び復路チューブ11の冷却液継手管部21b,21cに接続された部分付近の内部流路とで形成されている。冷却液ダンパー室49の上流側で且つ導出部57の下流側には逆止弁23が設けられており、冷却液ダンパー室49の下流側で且つ導出部58の上流側には逆止弁24,25が設けられている。なお、ラジエータタンク12内の流路、往路チューブ10内の流路、ジョイント21内の流路、冷却液流路43、復路チューブ11内の流路により冷却液循環流路61が形成されている。
図12は図2に示すヘッドユニット4の右端(他端)におけるターン時を表した模式図である。図12に示すように、ヘッドユニット4が走査方向の右端でターンするとき、ヘッドユニット4が所定の減速度で減速されて右端で停止状態となった後、所定の加速度で加速しながら右方に移動していく。従って、キャリッジ側インク流路42の導出部54にあるインクの慣性力によりキャリッジ側インク流路42に正圧が加わる一方、冷却液復路56の導出部58の冷却液の慣性力により冷却液流路43には負圧が加わる。つまり、冷却液流路43からの冷却液は、逆止弁23により冷却液往路55には逆流しないものの、逆止弁24,25を通過して冷却液復路56へと流出し、冷却液流路43に負圧が生じる。そして、冷却液往路55の導出部57の冷却液にかかる走査方向の右方向への慣性力が無くなると、冷却液流路43の前記負圧により、冷却液往路55の冷却液が逆止弁23を通過して冷却液流路43へと流入する。
図13は図2に示すヘッドユニット4の左端におけるターン時を表した模式図である。図13に示すように、ヘッドユニット4が走査方向の左端でターンするとき、キャリッジ側インク流路42の導出部54にあるインクの慣性力によりキャリッジ側インク流路42に負圧が加わる一方、冷却液往路55の導出部57の冷却液の慣性力により冷却液流路43には正圧が加わる。つまり、冷却液往路55からの冷却液は、逆止弁23を通過して冷却液流路43へと流入するが、冷却液流路43からの冷却液は、逆止弁24,25により冷却液復路56には流出せず、冷却液流路43の正圧が増加する。そして、冷却液復路56の導出部58の冷却液にかかる走査方向の左方向への慣性力が無くなると、冷却液流路43の前記正圧により、冷却液流路43の冷却液が逆止弁24,25を通過して冷却液復路56へと流出する。即ち、冷却液は、電動のポンプ等を使用することなく、ヘッドユニット4の往復移動により冷却液にかかる慣性力を利用して循環するようになっている。
以上に説明した構成によれば、インク流路60の導出部54をヘッドユニット4から導出する向きと、冷却液往路55及び冷却液復路56の導出部57,58をヘッドユニット4から導出する向きとが反対であるため、ヘッドユニット4の右端におけるターン時には、その慣性力の影響により、キャリッジ側インク流路42に正圧が発生し、冷却液流路43には負圧が発生する。また、ヘッドユニット4の左端におけるターン時には、その慣性力の影響により、キャリッジ側インク流路42に負圧が発生し、冷却液流路43には正圧が発生する。かつ、キャリッジ側インク流路42のインクダンパー室40,41と、冷却液流路43の冷却液ダンパー室49とは、相互に圧力伝達可能となるように圧力伝達手段50を介して仕切られている。
その結果、ヘッドユニット4の移動により生じるキャリッジ側インク流路42内の圧力変動は、圧力伝達手段50を介して冷却液流路43で効果的に吸収することが可能となる。よって、冷却用の冷却液流路43を圧力変動吸収用にも利用して、ダンパー性能を効果的に向上させることができる。
また、冷却液復路56の内径は冷却液往路55の内径よりも大であり、冷却液復路56の流路抵抗が冷却液往路55の流路抵抗よりも小であるので、キャリッジ側インク流路42から圧力伝達手段50を介して冷却液流路43に圧力が加わると、冷却液流路43内の冷却液が流路抵抗の小さい冷却液復路56へとスムーズに導かれて、効果的に圧力吸収することができる。また、冷却液流路43内の冷却液が冷却液復路56へと流れやすくなるので、冷却液の循環も促進されて放熱効率が向上する。
さらに、キャリッジ側インク流路42と冷却液流路43とはダンパーフィルム30、弾性シール部材31及び空気層48を介して互いに隣り合うように配置されているため、正圧がかかっている流路42,43の容積が大きくなり且つ負圧がかかっている流路43,42の容積が小さくなるように、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜i及び弾性シール部材31の平板部31aが変形する。これにより、キャリッジ側インク流路42の圧力変動と冷却液流路43の圧力変動とを交換的に吸収することができる。また、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜iと弾性シール部材31の平板部31aとの間に空気層48が介在しているので、キャリッジ側インク流路42で生じる圧力変動を柔軟に吸収することができる。
さらに、ダンパーフィルム30は膨出部30b〜iにより立体的に形成されているため、従来の平面状のダンパー壁に比べて変形可能量が大きくなる。よって、平面視の占有面積が小さくても圧力変動を十分に吸収でき、インクジェットプリンタ1のコンパクト化を図ることが可能となる。さらに、流路形成部材22の周状リブ22jが膨出部30b〜iを囲む位置に設けられているので、製造時において周状リブ22jがダンパーフィルム30を風等から保護し、ダンパーフィルム30を流路形成部材22に対して正しく熱溶着しやすくなる。また、周状リブ22jにより平板状の流路形成部材22の剛性が向上して変形しにくくなるので、各流路42,43のシール性も向上する。
さらに、往路チューブ10及び復路チューブ11の内径はインク供給チューブ9の内径よりも大きいが、往路チューブ10及び復路チューブ11の硬度はインク供給チューブ9の硬度よりも小さいので、往路チューブ10及び復路チューブ11を曲げて取り回す際の曲率を大きくすることができ、インクジェットプリンタ1のコンパクト化を図ることが可能となる。
なお、前述した実施形態は本発明をインクジェットプリンタに適用したものであるが、インク以外の液体、例えば着色液を吐出して液晶表示装置のカラーフィルタを製造する装置、導電液を吐出して電気配線を形成する装置などに使用する液滴吐出装置に適用してもよい。
以上のように、本発明に係る液滴吐出装置は、ダンパー性能が効果的に向上する優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できるインクジェットプリンタ等に広く適用すると有益である。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの要部を示す概略斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの平面図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの分解斜視図である。 図4に示すヘッドユニットの流路形成部材及びダンパーフィルムの下方から見た斜視図である。 図5に示す流路形成部材の下方から見た要部拡大斜視図である。 図5に示すダンパーフィルムの上方から見た斜視図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 図4に示すヘッドユニットに形成された4つのインク流路のうち1つを表した斜視図である。 図4に示すヘッドユニットに形成された冷却液流路の斜視図である。 図2に示すヘッドユニットの右端におけるターン時を表した模式図である。 図2に示すヘッドユニットの左端におけるターン時を表した模式図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(液滴吐出装置)
8 インクカートリッジ(記録液供給源)
9 インク供給チューブ(記録液供給管)
10 往路チューブ(冷却液流通管)
11 復路チューブ(冷却液流通管)
20b インク継手管部(記録液継手管)
21b,21c 冷却液継手管部
22 流路形成部材
22b 冷却液流入口
22c 冷却液流出口
22j 周状リブ
23〜25 逆止弁
30 ダンパーフィルム
30b〜e 大膨出部(記録液可撓壁)
30f〜i 小膨出部(記録液可撓壁)
32 キャリッジ
33 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
43 冷却液流路
48 空気層
50 圧力伝達手段
51 冷却液流路
55 冷却液往路
56 冷却液復路
60 インク流路(記録液流路)

Claims (8)

  1. 被記録体に対して一方向に往復走査されるキャリッジ上に液滴吐出ヘッドが設けられ、記録液供給源からの記録液が記録液流路を介して前記キャリッジ上の液滴吐出ヘッドに供給される液滴吐出装置であって、
    前記キャリッジ上に設けられ、冷却液流入口及び冷却液流出口を有する冷却液流路と、
    前記冷却液流入口に接続された冷却液往路と、
    前記冷却液流出口に接続された冷却液復路と、を備え、
    前記記録液流路が、前記キャリッジから走査方向の一方側に導出され、
    前記冷却液往路及び前記冷却液復路の少なくとも一方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、
    前記記録液流路と前記冷却液流路とが相互に圧力伝達可能となるように、前記記録液流路と前記冷却液流路とが部分的に圧力伝達手段を介して仕切られていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記冷却液復路の流路抵抗は、前記冷却液往路の流路抵抗よりも小である請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記冷却液復路の内径は、前記冷却液往路の内径よりも大である請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記圧力伝達手段は、前記記録液流路の一部を形成する記録液可撓壁と、前記冷却液流路の一部を形成する冷却液可撓壁と、前記各可撓壁間に封止された空気層とを有している請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記キャリッジ上には、前記記録液流路の一部分を構成するための平板状の流路形成部材が設けられており、
    前記記録液可撓壁は、前記流路形成部材に接合されるダンパーフィルムからなり、かつ、前記流路形成部材から離反する方向に膨出する膨出部を有し、
    前記膨出部が前記流路形成部材との間で前記記録液流路の前記一部分を形成しており、
    前記流路形成部材には、前記膨出部を囲むように突出した周状リブが形成されている請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記記録液流路は、前記キャリッジから走査方向の一方側に導出される記録液継手管と、前記記録液継手管と前記記録液供給源とを接続する記録液供給管とを有し、かつ、前記記録液継手管は前記記録液供給管よりも硬度が大きく、
    前記冷却液往路及び冷却液復路の少なくとも一方は、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出される冷却液継手管と、前記冷却液継手管に接続される冷却液流通管とを有し、かつ、前記冷却液継手管は前記冷却液流通管よりも硬度が大きい請求項1乃至5のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  7. 前記冷却液流通管の内径は、前記記録液供給管の内径よりも大であり、
    前記冷却液流通管及び前記記録液供給管は可撓性を有し、
    前記冷却液流通管の硬度は、前記記録液供給管の硬度よりも小である請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記冷却液往路及び前記冷却液復路の両方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、
    前記冷却液流路のうち前記圧力伝達手段を介して前記記録液流路と隣接する位置よりも上流及び下流に逆止弁が設けられている請求項1乃至7のいずれかに記載の液滴吐出装置。
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