JP2009083386A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドの周辺を冷却液を利用して冷却可能な液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドに記録液を供給する記録液供給経路と、記録液供給経路と連通する排気流路と、記録液流路と排気流路との連通部分において記録液流路と排気流路とを仕切るように設けられた、気体のみを透過する第1の気体透過膜と、排気流路内に負圧を印加する負圧印加手段14とを備える液滴吐出装置1において、液滴吐出ヘッドを冷却するための冷却液を貯留する冷却液タンク12と、キャリッジ上に設けられた流入口及び流出口を有する冷却液流路とを備え、冷却液流路は排気流路と連通するように構成されており、冷却液流路と排気流路との連通部分に、冷却液流路と排気流路とを仕切るように、気体のみを透過する第2の気体透過膜が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録液を貯留する記録液タンクからキャリッジに保持された液滴吐出ヘッドに記録液を供給する記録液供給経路から気泡を排除する排気動作を実行可能な液滴吐出装置に関する。また、液滴吐出ヘッドを冷却するための冷却液を貯留する冷却液タンクと、冷却液タンクから延び、キャリッジ内に設けられた冷却液流路を経由して冷却液タンクに戻る冷却液循環経路とを備えた液滴吐出装置に関する。
例えばインクジェットプリンタ等のような液滴吐出装置においては、記録液タンクから液滴吐出ヘッドに記録液を供給する記録液供給経路を備え、更に該記録液供給経路内に侵入した気泡を排除可能に構成されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1によれば、記録液供給経路の一部が気体透過膜により形成され、記録液供給経路が該膜を介して排気流路と連通しており、この排気流路に負圧を印加するパージポンプが設けられている。ポンプが駆動されると、記録液供給経路内の記録液は気体透過膜を透過できずに経路内に留まる一方、記録液供給経路内の気泡のみが該膜を透過して排気流路へと排除される。これにより、液滴吐出ヘッドに気泡が供給されなくなり、液滴吐出ヘッドより記録液を安定して吐出させることができる。
ところで、キャリッジには液滴吐出ヘッドの動作を制御するための電気部品が搭載されるが、液滴吐出ヘッドの駆動時には該電気部品から発熱が生じる。この熱が蓄積されると、キャリッジ内を流通する記録液が温度上昇し、記録液の吐出特性が変化する。このため、従来、液滴吐出ヘッドの周辺を冷却するための装置が提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。
特許文献2によれば、冷却液を貯留する冷却液タンクと、冷却液タンクから延び、液滴吐出ヘッドの周辺を通過して冷却液タンクに戻る冷却液循環経路と、冷却液に動圧を付与するポンプ手段とを備えてなり、液滴吐出ヘッドの周辺を水冷することができる装置が開示されている。これにより、キャリッジ内を流通する記録液の粘度変化が生じ難くなり、液滴吐出ヘッドより記録液を安定して吐出させることができる。
特許文献3によれば、インクタンクからインクを吐出するプリントヘッドにインクを供給するインク供給ラインと、プリントヘッドからインクタンクにインクを回収するインク回収ラインと、インクを冷却するためのインク温度安定化手段が開示されている。該手段は、冷却液タンクと、冷却液タンクから外部を延びてタンクへと戻る冷却液循環経路と、冷却液循環経路内の冷媒を圧送するポンプとを備えており、インク回収ラインの一部が、冷却液循環経路内に配置されている。これにより、インク回収ラインを流れるインクを冷却した上でインクタンクに戻すことができる。
特開2006−75683号公報 特開平10−291300号公報 特開平11−348314号公報
しかしながら、特許文献2及び3のいずれにおいても、液滴吐出装置の初期動作時において、どのようにして冷却液循環経路に冷却液を導入させるのかについて開示がない。冷却液を導入するために専用のポンプ手段を付加したとすれば、液滴吐出装置全体の大型化を招くおそれがある。一方、装置が組み立てられる段階で冷却液流路内に冷却液を充填した状態としておくことも考えられる。しかしながら、液滴吐出ヘッドの周辺を初めとして各種の電気部品が搭載されているため、組立製品が出来上がってから実用に供されるまでの間はできる限り冷却液流路内が空の状態となっていることが好ましい。
また、冷却液循環経路内においてエアが侵入した際には、このエアにより冷却液の流通が阻害されるため、冷却液循環経路内が冷却液で満たされている状態となっていることが好ましい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、液滴吐出装置の大型化を招くことなく、液滴吐出ヘッドの周辺を冷却液を利用して冷却可能な装置を実現可能な液滴吐出装置を提供することを目的としている。
本発明に係る液滴吐出装置は、記録液を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録液を貯留する記録液タンクと、該記録液タンクから前記液滴吐出ヘッドに記録液を供給する記録液供給経路と、該記録液供給経路と連通する排気流路と、前記記録液流路と前記排気流路との連通部分において前記記録液流路と前記排気流路とを仕切るように設けられた、気体のみを透過する第1の気体透過膜と、該排気流路内に負圧を印加する負圧印加手段とを備え、該負圧印加手段により前記記録液供給経路内の気泡を前記第1の気体透過膜を介して前記排気流路へと排除する排気動作を実行可能な液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドを冷却するための冷却液を貯留する冷却液タンクと、前記キャリッジ上に設けられた流入口及び流出口を有する冷却液流路と、一端が前記流入口に接続され他端が前記冷却液タンクに接続された冷却液往路と、一端が前記流出口に接続され他端が前記冷却液タンクに接続された冷却液復路と、前記冷却液タンクから前記冷却液往路、前記冷却液流路、及び前記冷却液復路を経て前記冷却液タンクに戻るように冷却液に移送力を付与する移送力付与手段とを備え、前記冷却液流路は前記排気流路と連通するように構成されており、前記冷却液流路と前記排気流路との連通部分には、前記冷却液流路と前記排気流路とを仕切るように、気体のみを透過する第2の気体透過膜が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、排気動作を実行すべく負圧印加手段を作動させると、同時に冷却液流路に侵入した気泡を排除することができるようになる。従って、冷却液を安定して循環させることができると共に、冷却液流路から気泡を排除するための専用の構成を設けなくてもよくなることから液滴吐出装置をコンパクトに構成することができるようになる。
また、前記移送力付与手段の動作前において、前記負圧印加手段により、前記第2の気液分離膜を介して前記冷却液流路に負圧を印加し、前記冷却液タンクに貯留されている冷却液を前記冷却液流路まで導く冷却液初期導入動作が実行されるようにしてもよい。この構成によれば、予め冷却液を冷却液流路に導入しておかなくても、移送力付与手段を動作させる前に負圧印加手段を利用して冷却液流路に冷却液を導入することができる。また、冷却液流路内に冷却液を導入するための専用の構成を備えなくてもよくなり、液滴吐出装置をコンパクトに構成することができるようになる。
また、前記第1の気液分離膜と前記第2の気液分離膜とが一体に形成されていてもよい。この構成によれば、上記作用効果を奏する液滴吐出装置において、気液分離膜の個数や組立工数の増加を避けることができる。
また、前記冷却液循環手段が、前記キャリッジを所定走査方向において往復移動させる移動手段と、前記冷却液往路中及び/又は前記冷却液復路中に設けられ、前記キャリッジの往復移動に伴って動圧を付与された冷却液の逆流を阻止する逆止弁とで構成されていてもよい。この構成によれば、冷却液循環手段がキャリッジを往復移動させる移動手段により構成されるため、冷却液循環手段の駆動源を専用のものとする必要がなく、液滴吐出装置の大型化を避けることができる。
また、前記冷却液往路は、両端が前記冷却液タンクと前記キャリッジに接続されて可撓性を有した往路チューブを含み、前記冷却液復路は、両端が前記冷却液タンクと前記キャリッジに接続されて可撓性を有した復路チューブを含み、前記記録液供給経路は、両端が前記記録液タンクと前記キャリッジに接続された記録液供給管と、該記録液供給管及び前記キャリッジの接続部から前記液滴吐出ヘッドまでを通じさせ前記キャリッジ内に設けられたキャリッジ側記録液流路とを含み、前記記録液供給管が、前記キャリッジから前記走査方向の一方側に導出され、前記冷却液往路及び前記冷却液復路の少なくとも一方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、前記キャリッジ側記録液流路と前記冷却液流路とが相互に圧力伝達可能となるように、前記キャリッジ側記録液流路と前記冷却液流路とが部分的に圧力伝達手段を介して仕切られていてもよい。この構成によれば、キャリッジから記録液流路を導出する向きと、冷却液往路及び冷却液復路の少なくとも一方を導出する向きとが反対であるため、キャリッジの移動による慣性力でキャリッジ側記録液流路の記録液に正圧が発生した場合は、冷却液流路内の冷却液には慣性力により負圧が発生する。また、キャリッジの移動による慣性力でキャリッジ側記録液流路の記録液に負圧が発生した場合は、冷却液流路内の冷却液には慣性力により正圧が発生する。そして、記録液流路と冷却液流路とは、相互に圧力伝達可能となるように圧力伝達手段を介して仕切られている。その結果、キャリッジの移動により生じるキャリッジ側記録液流路内の記録液の圧力変動は、圧力伝達手段を介して冷却液流路で吸収することができる。よって、冷却用の冷却液流路を圧力変動吸収用に利用し、記録液に作用する動圧の緩衝性能を向上させることができる。
また、前記冷却液タンクが、前記記録液タンクと一体になっていてもよい。この構成によれば、簡単な構造で冷却液タンクのエアバリア性を確保することができ、冷却液流路内にエアが侵入するおそれを低減することができる。
本発明に係る液滴吐出装置によれば、排気動作を実行するための負圧印加手段を利用して冷却液流路内の排気動作を実行することができるようになっているため、そのために専用の構成が不要となり、液滴吐出装置全体の大型化を避けることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明ではインクジェットヘッドからインクを吐出する方向を下方とし、その反対側を上方とする。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ1の要部を示す概略平面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、略平行に配設された一対のガイドレール2,3を有し、そのガイドレール2,3にヘッドユニット4が走査方向にスライド可能に支持されている。ヘッドユニット4は、一対のプーリー5,6に巻き掛けられたタイミングベルト7に接合されており、タイミングベルト7はガイドレール3の延在方向と略平行に配設されている。一方のプーリー6には正逆回転駆動するキャリッジモータ108が設けられており、そのプーリー6が正逆回転駆動されることでタイミングベルト7が往復移動し、ヘッドユニット4がガイドレール2,3に沿って一方向に往復走査される。ここで、以下の説明において走査方向の一方側とは図1や図2等の紙面左側と一致しており、走査方向の他方側とは図1や図2等の紙面右側と一致するものとしている。
ヘッドユニット4には、4つのインクカートリッジ8からの4色のインク(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)を夫々供給するインク供給経路(記録液供給経路)を形成するための4本の可撓性を有するインク供給チューブ9が接続されている。ヘッドユニット4には、インクジェットヘッド33(図4参照)が搭載されており、その下方で走査方向と直角する方向(紙送り方向)に搬送される被記録体(例えば、記録用紙)に向けてインクジェットヘッド33からインクが吐出される構成となっている。
また、本インクジェットプリンタ1には、後に詳述するように、ヘッドユニット4内に形成された冷却液流路43(図11参照)と、冷却液の貯留と冷却を行うラジエータタンク12(図1参照)と、それぞれラジエータタンク12と冷却液流路43とを接続する冷却液往路55及び冷却液復路56(図11参照)と、冷却液の逆流を阻止する逆止弁23〜25とを備えてなる冷却液循環装置90を有し、ヘッドユニット4を冷却液を利用して冷却可能になっている。この冷却液循環装置90は、冷却液への移送力付与にヘッドユニット4の往復移動を利用している。すなわち、該装置90は、この移送力付与手段として、ヘッドユニット4を駆動するキャリッジモータ108と、該キャリッジモータ108を駆動する走査ドライバ105(図14参照)と、該走査ドライバ105を制御する制御部100(図14参照)と、逆流防止用の逆止弁23〜25(図4参照)とを更に備えてなる。そのうち、キャリッジモータ108、走査ドライバ105及び制御部100は、ヘッドユニット4を往復移動させるための手段として機能する。
図1に示すように、ヘッドユニット4には、冷却液往路55を形成するための可撓性を有する往路チューブ10と、冷却液復路56を形成するための可撓性を有する復路チューブ11とが接続されており、往路チューブ10と復路チューブ11とはラジエータタンク12で連結されている。よって、往路チューブ10と復路チューブ11とにおいて冷却液が循環可能となっている。さらに、ヘッドユニット4には、ヘッドユニット4の流路内にトラップされたエアを抜き出すための可撓性を有する負圧吸引チューブ13の一端が接続されており、その負圧吸引チューブ13の他端は負圧ポンプ14に接続されている。
図2は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の平面図である。図3は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の斜視図である。図4は図1に示すインクジェットプリンタ1のヘッドユニット4の分解斜視図である。なお、図4では流路形成部材22の上面に溶着されるフィルムの図示が省略されている。
図2乃至図4に示すように、ヘッドユニット4は、ジョイント20,21、流路形成部材22、逆止弁23〜25,ネジ26、気液分離膜27,29、フラットフィルム28、ダンパーフィルム30、弾性シール部材31、キャリッジ32及びインクジェットヘッド33を備えている。
図4に示すように、キャリッジ32は、開口を上方に向けた矩形箱状の凹状部32aと、この凹状部32aの紙送り方向(長手方向)の両側上端からフランジ状に突出するレールガイド部32bとを有しており、このレールガイド部32bがガイドレール2,3(図1参照)に支持されることによりヘッドユニット4がこのガイドレール2,3に案内される。キャリッジ32の底壁部32cの下面にはインクジェットヘッド33が取り付けられる。キャリッジ32の凹状部32a内には弾性シール部材31が収容され、この状態において、逆止弁23〜25や気液分離膜27,29やフラットフィルム28やダンパーフィルム30を設けた流路形成部材22が、凹状部32aの開口を塞ぐと共にレールガイド部32bの上面に載置されるようにして、キャリッジ32と組み付けられる。流路形成部材22及びレールガイド部32bの所要箇所にはネジ孔22h,32hが設けられており、該ネジ孔22h,32hにネジ26が挿入されて流路形成部材22がキャリッジ32と締結され、ヘッドユニット4が図3に示すような組付状態となる。
流路形成部材22は、略平板状であり、その上下面に複数の溝が形成されており、その溝を封止するように上下面にフィルムを熱溶着することでキャリッジ側インク流路42、冷却液流路43及びエア排出流路44等の複数の流路が設けられる。紙送り方向の下流側かつ走査方向の一方側の上面には冷却液流入口22b、冷却液流出口22c及び負圧吸引口22dが設けられ、紙送り方向の下流側かつ走査方向の他方側の上面には4つのインク流入口22aが設けられている。
インク用のジョイント20は、流路形成部材22の上面に取り付けられてインク流入口22aに嵌合される基部20aと、基部20aからキャリッジ32の走査方向の一方側(図2中左側)に導出された4本のインク継手管部20bとを有している。インク継手管部20bにはインク供給チューブ9が接続され、これによりインク供給チューブ9の内部流路が、ジョイント20の内部流路を介してインク流入口22aと連通する。ジョイント20は硬質な樹脂(例えば、ポリプロピレン等)からなり、インク供給チューブ9は軟質な樹脂(例えば、ナイロン等)からなり、ジョイント20はインク供給チューブ9よりも硬度が大きくなっている。よって、インク供給チューブ9におけるインク継手管部20bとの接続部分付近は、キャリッジ32の走査方向の一方側(図2中左側)に導出された状態が保たれている。
冷却液用及び負圧吸引用のジョイント21は、流路形成部材22の上面に取り付けられて冷却液流入口22b及び負圧吸引口22dに嵌合される基部21aと、基部21aからキャリッジ32の走査方向の他方側(図2中右側)に導出された4本の継手管部21b,21c,21d,21eとを有している。4本の継手管部21b,21c,21d,21eのうち2本は、冷却液用の冷却液継手管部21b,21cであり、うち1本は負圧吸引用の負圧継手管部21dであり、残りの1本は不使用の継手管部21eである(部品共用化を図るべくジョイント21はジョイント20と同一構造であるため、使用しない継手管部21eが存在する)。冷却液継手管部21bには往路チューブ10が接続され、これにより往路チューブ10の内部流路がジョイント21の内部流路を介して冷却液流入口22bと連通する。冷却液継手管部21cには復路チューブ11が接続され、これにより復路チューブ11の内部流路がジョイント21の内部流路を介して冷却液流出口22cと連通する。負圧継手管部21dには負圧吸引チューブ13が接続されており、これにより負圧吸引チューブ13の内部流路がジョイント21の内部流路を介して負圧吸引口22dと連通する。ジョイント21は硬質な樹脂(例えば、ポリプロピレン等)からなり、往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13は軟質な樹脂(例えば、ナイロン等)からなり、ジョイント21は往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13よりも硬度が大きくなっている。よって、往路チューブ10、復路チューブ11及び負圧吸引チューブ13における冷却液継手管部21b,21c,21dとの接続部分付近は、キャリッジ32の走査方向の他方側(図2中右側)に導出された状態が保たれている。
図5は図4に示すヘッドユニット4の流路形成部材22及びダンパーフィルム30の下方から見た斜視図である。図5に示すように、流路形成部材22の下面に形成された溝をフラットフィルム28で封止して各種流路が形成される。なお、インク流入口22a、冷却液流入口22b、冷却液流出口22c及び負圧吸引口22dは流路形成部材22を上下に貫通してなる。図5に示すように、フラットフィルム28が封止されることで流路形成部材22の下面側には、インク流入口22aと連通するキャリッジ側インク流路42の一部42a、冷却液流入口22b及び冷却液流出口22cに連通する冷却液流路43の一部43a,43k、及び負圧吸引口22dに連通するエア排出流路44の一部44aが形成される。
流路形成部材22の下面の紙送り方向上流側には、周状リブ22jが下方に向けて突出している。その周状リブ22jの内側に、マッチモールド法により立体的に熱間成形された可撓性を有する単層の薄膜樹脂からなるダンパーフィルム30が熱溶着されている。そして、流路形成部材22の下面とこのダンパーフィルム30との間で、インク流路の一部分でありインクの圧力変動を緩和する大インクダンパー室40及び小インクダンパー室41が形成される。
図6は図5に示す流路形成部材22の下方から見た要部拡大斜視図であり、ダンパーフィルム30を省略している。図6に示すように、流路形成部材22の下面における周状リブ22jの内側には、ダンパーフィルム30が溶着される大周状隆起部22kが設けられており、その大周状隆起部22kは、4種類のインク毎に平面視で略長方形状の大インクダンパー室40(図5参照)を区画するように流路形成部材22の長手方向(紙送り方向)に並設されている。また、大周状隆起部22kに隣接して小周状隆起部22sが設けられており、4種類のインク毎に平面視で略長方形状の小インクダンパー室41(図5参照)を区画するように流路形成部材22の幅方向(走査方向)に並設されている。
流路形成部材22の下面における大周状隆起部22kの内側には、その長辺方向(走査方向)の両側に流入口22m及び流出口22nが形成されている。流入口22m及び流出口22nは、流路形成部材22の上面側に形成されたインク流路42と繋がっている。流入口22mと流出口22nとの間には、ダンパーフィルム30の後述する大膨出部30b〜e内の大インクダンパー室40に向けて突出する突起部22p,22qが設けられている。これら突起部22p,22qは、後述する大膨出部30b〜eが大気圧中にある状態において大膨出部30b〜eと非接触となるように設けられている。突起部22pと突起部22qとの間には、気液分離膜29(半透膜)が取り付けられる膜取付部22rが平面視で略長方形状に凹設されている。気液分離膜29は、気体を透過させ、液体を透過させないものである。膜取付部22rに取り付けられた気液分離膜29は、後述する大膨出部30b〜eの開口30xに対向する。膜取付部22rには、流路形成部材22の上面のエア排出流路44(44c)と連通する孔22xが設けられている。
流路形成部材22の下面における小周状隆起部22sの内側には、その長辺方向(紙送り方向)の両側に流入口22t及び流出口22uが形成されている。流入口22t及び流出口22uは、流路形成部材22の上面のキャリッジ側インク流路42と連通する孔であり、流入口22tは、流路形成部材22の上面側に形成されたインク流路42を介して、上記流出口22nと連通している。また、流路形成部材22の周状リブ22jには、その流出口22uと流路形成部材22の上面側で連通した4つのインク通路22j1が上下方向に延びるようにして形成されている。
これに対して冷却液流路43は、図5に示すように、冷却液流入口22bから流路形成部材22の下面側を紙送り方向の上流側に向けて延び、流路形成部材22を上下に貫通してなる流路43bを介して流路形成部材22の上面側へと繋がる。更に、冷却液流路43は、図2及び図3に示すように、この流路43bの上面側開口から流路形成部材22の上面を紙送り方向の上流側に延び、流路形成部材22の周状リブ22jの紙送り方向の下流側を上下に貫通してなる冷却液通路22j2(図6も参照)の上面側開口から下方に向けて延びている。また、図6に示すように、流路形成部材22の周状リブ22jの紙送り方向の奥側における走査方向の両側には、後述する冷却液ダンパー室49からの冷却液が上方へ流れる一対の冷却液通路22j3が形成されている。流路形成部材22の周状リブ22jの外側における冷却液通路22j3の近傍には、冷却液が下方に流れる一対の冷却液通路筒部22vが形成されている。流路形成部材22の周状リブ22jの外側における紙送り方向の下流側には、後述するICチップ冷却通路51からの冷却液が上方に流れる一対の冷却液通路筒部22wが形成されている。また、流路形成部材22の周状リブ22jには、内側の2つのインク通路22j1の間に、後述する冷却液ダンパー室49から上方に延びる冷却液通路22j4が上下方向に形成されている。
図2に示すように、流路形成部材22の上面における紙送り方向の上流側には、矩形状に凹設されると共にエア排出流路44(44c)と連通された共通排気室44dが形成されている。この共通排気室44d内に、前述した4つの小インクダンパー室41の流出口22uと、4つのインク通路22j1の上面側開口と、冷却液通路22j4の上面側開口とが開口している。この共通排気室44d内にはこれら9つの開口を覆うようにして矩形状の気液分離膜27が取り付けられる。この気液分離膜27は、気体を透過させ、液体を透過させないものである。
ダンパーフィルム30は、流路形成部材22の大周状隆起部22k及び小周状隆起部22s(図6参照)に接合される接合面30a(図4参照)と、接合面30aに形成されて大周状隆起部22k及び小周状隆起部22s(図6参照)より若干小さい略長方形状の開口30x,30y(図4参照)と、開口30x,30yの周縁から流路形成部材22から離反する重力方向に立体的に膨出する大膨出部30b〜e及び小膨出部30f〜i(図5参照)とを有している。よって、ダンパーフィルム30の接合面30aを流路形成部材22に接合して開口30x,30yを塞ぐことで、4つの大膨出部30b〜eの内部空間が4種類のインク流路の一部分である大インクダンパー室40を形成し、4つの小膨出部30f〜iの内部空間が4種類のインク流路の一部分である小インクダンパー室41を形成する。即ち、1種類のインクにつき上流側に大インクダンパー室40が配置され、下流側に小インクダンパー室41が配置され、1つのキャリッジ側インク流路42中にインクダンパー室40,41が複数配置される。
図4に示すように、キャリッジ32の凹状部32aに収容される弾性シール部材31は、ゴム等の弾性材からなり、平面視で略長方形状の平板部31aを有している。平板部31aの上面中央部分には、ダンパーフィルム30の大膨出部30b〜e及び小膨出部30f〜iに対応するように平面視で長方形状の凹部31bが形成されて薄肉となっている。平板部31aの走査方向の両側端面には、後述するICチップ37に向けて突出する押圧部31hが設けられている。
平板部31aの紙送り方向(長手方向)の上流側には、流路形成部材22の4つのインク通路22j1(図6参照)に液密的に連通する4つのインク孔31cが形成されている。平板部31aの紙送り方向の下流側には、流路形成部材22の冷却液通路22j2(図6参照)に液密的に連通する冷却液孔31dが形成されている。平板部31aのインク孔31cの走査方向の両側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路22j3(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液孔31eが形成されている。平板部31aの4つのインク孔31cのうち内側の2つのインク孔の間には、流路形成部材22の冷却液通路22j4(図6参照)に液密的に連通する冷却液孔31fが形成されている。
平板部31aの走査方向の両側上方には、平板部31aと一体的に形成されている棒状部31j,31kが平板部31aの長手方向に沿って延在している。棒状部31j,31kの下面には、後述するキャリッジ32の冷却液が流れる溝部32fに上方から圧入して封止する帯状突起部31m,31nが形成されている。棒状部31j,31kの紙送り方向の上流側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路筒部22v(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液通路筒部31pが形成されている。棒状部31j,31kの紙送り方向の下流側には、流路形成部材22の一対の冷却液通路筒部22w(図6参照)に液密的に連通する一対の冷却液通路筒部31qが形成されている。
前述したキャリッジ32は樹脂からなり、底壁部32cの紙送り方向(長手方向)の上流側には、弾性シール部材31のインク孔31cと液密的に連通するインク孔32g(図7参照)が形成されている。凹状部32aの走査方向の両側は、外壁部32d及び内壁部32eを有する二重壁構造となっている。外壁部32dと内壁部32eとの間には、ICチップ冷却通路51となる溝部32fが形成されている。また、内壁部32e及びレールガイド部32bには、アルミニウム等の金属からなるヒートシンク45,46がインサート成形により埋設されている。さらに、底壁部32cにおける内壁部32eよりも内側の部分においては、流路形成部材22の周状リブ22jに対応する位置にシール台部32jが上方に突出している。そのシール台部32jと内壁部32eとの間には、後述するフレキシブルフラット配線材36の延出部36a,36bを下方から上方に挿通させるためのスリット部32kが底壁部32cに設けられている。
インクジェットヘッド33は、インクを4つのインク流入口34aから多数のノズル(図示せず)まで導く複数のインク室を有する流路ユニット34と、その流路ユニット34の上面に積層されて流路ユニット34内のインクにノズルに向かう吐出圧力を選択的に付与する圧電駆動式のアクチュエータ35とを有しており、流路ユニット34のインク流入口34aはフィルタ38で覆われている。インクジェットヘッド33がキャリッジ32の下面に取り付けられると、インク流入口34aがキャリッジ32のインク孔32gと液密的に連通する。
アクチュエータ35の上面には、フレキシブルフラット配線材36が接合されている。フレキシブルフラット配線材36は、アクチュエータ35の上面より走査方向の両側に向けて延出する一対の延出部36a,36bを有し、一対の延出部36a,36bの下面側(一対の延出部36a,36bを上方に向けた状態では外面側)にアクチュエータ駆動用のICチップ37が設けられている。
図7は図2のV−V線断面図である。図8は図2のVI−VI線断面図である。図7及び図8に示すように、弾性シール部材31の平板部31aが、流路形成部材22の周状リブ22jとキャリッジ32のシール台部32jとの間で挟持されている。そして、弾性シール部材31の下面と、キャリッジ32の底壁部32cの上面と、キャリッジ32のシール台部32jの内周面とで区画された空間に冷却液ダンパー室49が形成されている。この冷却液ダンパー室49は、冷却液流路43の一部をなし、インクジェットヘッド33のアクチュエータ35に対応する位置に設けられており、アクチュエータ35と底壁部32cを介して隣接している。即ち、冷却液ダンパー室49は、アクチュエータ35を冷却するアクチュエータ冷却通路を兼ねている。また、弾性シール部材31の平板部31aの上面と、ダンパーフィルム30の外面と、流路形成部材22の周状リブ22jの内周面とで区画された密封空間に空気層48が形成されている。
インクダンパー室40,41と冷却液ダンパー室49とは、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜i、弾性シール部材31の平板部31a及び空気層48により仕切られている。即ち、膨出部30b〜i、平板部31a及び空気層48により、インクダンパー室40,41と冷却液ダンパー室49とを相互に圧力伝達可能とする圧力伝達手段50が形成されている。
図8に示すように、ダンパーフィルム30の膨出部30d内の大インクダンパー室40には、突起部22p,22qが膨出部30dと非接触状態で突出している。流入口22mから大インクダンパー室40に流入したインクは、突起部22pを避けるように迂回して大インクダンパー室40の中央部に流れる。この大インクダンパー室40の中央部にあるインクに含まれる気泡は、浮力で上昇し、気液分離膜29を介してエア排出流路44に導かれる。そして、この大インクダンパー室40の中央部にあるインクは、突起部22qを避けるように迂回して流出口22nへと流れる。
また、キャリッジ32の外壁部32dと内壁部32eとの間に形成された溝部32fには、弾性シール部材31の棒状部31jの帯状突起部31m,31nが上方から圧入され、ICチップ冷却通路51を形成している。このICチップ冷却通路51は、冷却液流路43及び冷却液ダンパー室49に連通している。ヒートシンク45は、冷却液流路51に露出するように内壁部32eにインサート成形されることで内壁部を兼ねている。キャリッジ32の内壁部32eと弾性シール部材31の平板部31aとの間を、フレキシブルフラット配線材36の延出部36a,36bが上方に向けて通過しており、ICチップ37が弾性シール部材31の押圧部31hにより内壁部32eに押し付けられている。つまり、ICチップ37は、キャリッジ32の内壁部32eのヒートシンク45を被覆する薄肉の樹脂部分に当接している。
図9は図4に示すヘッドユニット4に形成された4つのキャリッジ側インク流路42のうち1つを表した斜視図である。図2及び図9に示すように、キャリッジ側インク流路42は、ヘッドユニット4から走査方向の一方側(図2中左側)に導出された導出部54を有している。この導出部54は、ジョイント20のインク継手管部20bの内部流路と、インク供給チューブ9のインク継手管部20bに接続された部分付近の内部流路とで形成されている。なお、インクカートリッジ8からインクジェットヘッド33までのインク流路60は、インク供給チューブ9内の流路及びキャリッジ側インク流路42により構成されている。
キャリッジ側インク流路42は、インク流入口22aと連通して流路形成部材22の下面側を紙送り方向の下流側に延びる第1流路42a(図5も参照)と、第1流路42aの端部にて流路形成部材22を上下に貫通してなる第2流路42b(図2,図5も参照)と、流路形成部材22の上面側にて第2流路42bの上面側開口を大インクダンパー室の流入口22mと連通させる第3流路42c(図2も参照)と、大インクダンパー室40と、大インクダンパー室の流出口22nと小インクダンパー室41の流入口22tとを流路形成部材22の上面側にて連通させる第4流路42d(図2も参照)と、小インクダンパー室41と、小インクダンパー室41の流出口22uとインク通路22j1とを流路形成部材22の上面側にて連通させる第5流路42e(図2,図7も参照)と、このインク通路22j1、弾性シール部材31のインク孔31c及びキャリッジ32のインク孔32gが液密的に連通してなり上下に延びる第6流路42f(図7も参照)とを含んでなる。
図10は図4に示すヘッドユニット4に形成された冷却液流路43の斜視図である。図2、図4及び図10に示すように、冷却液流路43は、冷却液流入口22bに接続された冷却液往路55と、冷却液流出口22cに接続された冷却液復路56とに連通している。冷却液往路55は、ジョイント21の冷却液継手管部21bの内部流路と、往路チューブ10の内部流路とで形成されている。冷却液復路56は、ジョイント21の冷却液継手管部21cの内部流路と、復路チューブ11の内部流路とで形成されている。
なお、冷却液復路56の内径は、冷却液往路55の内径よりも大とすることで、冷却液復路56の流路抵抗が冷却液往路55の流路抵抗よりも小となっている。また、往路チューブ10及び復路チューブ11の内径はインク供給チューブ9の内径よりも大であり、往路チューブ10及び復路チューブ11の硬度は、インク供給チューブ9の硬度よりも小となっている。
そして、冷却液往路55及び冷却液復路56は、ヘッドユニット4から走査方向の他方側(図2中右側)に導出された導出部57,58を有している。この導出部57,58は、ジョイント21の冷却液継手管部21b,21cの内部流路と、往路チューブ10及び復路チューブ11の冷却液継手管部21b,21cに接続された部分付近の内部流路とで形成されている。冷却液ダンパー室49の上流側で且つ導出部57の下流側には逆止弁23が設けられており、冷却液ダンパー室49の下流側で且つ導出部58の上流側には逆止弁24,25が設けられている。なお、ラジエータタンク12内の流路、往路チューブ10内の流路、ジョイント21内の流路、冷却液流路43、復路チューブ11内の流路により冷却液循環経路61が形成されている。
冷却液流路43は、冷却液流入口22bから流路形成部材22の下面側を紙送り方向の下流側に延びる第1流路43aと(図5も参照)、第1流路43aの端部にて流路形成部材22を上下に貫通してなる第2流路43b(図5,図11を参照)と、第2流路43bの上面側開口と冷却液通路22j2の上面側開口とを流路形成部材22の上面側にて連通させる第3流路43c(図2も参照)と、この冷却液通路22j2及び弾性シール部材31の冷却液孔31dが液密的に連通してなり上下に延びる第4流路43d(図7も参照)と、第4流路43dの下端と連通する冷却液ダンパー室49と、弾性シール部材31の冷却液孔31e及び流路形成部材22の冷却液通路22j3が液密的に連通してなり冷却液ダンパー室49における紙送り方向の上流側から上方に延びる一対の第5流路43e(図2も参照)と、この冷却液通路22j3の上面側開口を冷却液通路筒部22vの上面側開口と流路形成部材22の上面側にて連通させる一対の第6流路43f(図2も参照)と、冷却液通路筒部22vの内部空間により形成されて上下に延びる一対の第7流路43g(図2も参照)と、第7流路43gの下端と連通する一対のICチップ冷却通路51と、冷却液通路筒部22wの内部空間により形成されてICチップ冷却通路51における紙送り方向の下流側から上方に延びる一対の第8流路43h(図12も参照)と、流路形成部材22の上面側にて一対の冷却液通路筒部22wの上面側開口を互いに連通させる第9流路43iと、流路形成部材22を上下に貫通してなり第9流路43iを流路形成部材22の下面側と連通させる第10流路43j(図2,図5も参照)と、流路形成部材22の下面側にて第10流路43jの下面側開口と冷却液流出口22cとを連通させる第11流路43k(図5も参照)とを含んでなる。更に、冷却液流路43は、弾性シール部材31の冷却液孔31f及び流路形成部材22の冷却液通路22j4が液密的に連通してなり冷却液ダンパー室49における紙送り方向の上流側から上方に延びる第12流路43lを含む。
このように冷却液流路43のうち、第2流路43b(図5,図11参照)、第4流路43d、第5流路43e、第7流路43g、第8流路43h、第10流路43jは上下に延びており、冷却液ダンパー室49に対して上流側に位置する第2流路43bと、ICチップ冷却通路51に対して下流側に位置する第8流路43hとにおいては、冷却液が下方から上方に向けて流れることとなる。前述した逆止弁23〜25は、このような第2流路43b及び一対の第8流路43hに設けられている。
図11は、図10に示す冷却液流路43の第2流路43bを示すヘッドユニット4の部分縦断面図であり、図12は、図10に示す冷却液流路43の第8流路43hを示すヘッドユニット4の部分縦断面図である。図11に示すように、第2流路43bに設けられる逆止弁23は、第2流路43bの上面側開口の周縁に設けられた弁座部23aと、第2流路43bの上面側開口よりも大径の円盤状に形成されて該弁座部23aに着座可能に設けられた弁体23bとを有してなる。図12に示すように、第8流路43hに設けられる逆止弁24(逆止弁25も同様)はそれぞれ、第8流路43hの上面側開口の周縁に設けられた弁座部24aと、第8流路43hの上面側開口よりも大径の円盤状に形成されて該弁座部24aに着座可能に設けられる弁体24bとを有してなる。
弁体23b,24bは、冷却液よりも比重が大きく冷却液流路43内で浮動自在となっている。これにより、冷却液が冷却液流入口22bから冷却液流出口22cに向かうと逆止弁23〜25が浮いて第2流路43bと第3流路43cとが連通されると共に、第8流路43hと第9流路43iとが連通される。一方、冷却液が冷却液流出口22cから冷却液流入口22bに向かうと逆止弁23〜25が沈んで第2流路43b及び第8流路43hを塞ぐようになっている。
図2及び図11に示すように、弁座部23aの外周縁部には、周方向に等間隔をおいて4つの規制片22eが上方に延びるようにして設けられている。このため、弁体23bは浮動時及び沈降時にこの規制片22eによって水平方向への移動が規制され、第2流路43bの軸線に沿って鉛直方向に案内される。このため、逆止弁23の開閉動作を安定して行わせることができる。図2及び図12に示すように、一対の第8流路43hに設けられる逆止弁24,25の弁座部の外周縁部においても、それぞれ同様にして4つの規制片22fが設けられており、逆止弁24,25の開閉動作を安定して行わせることができる。
なお、図11に示すように、弁体23bは、円形状に打ち抜き加工してなるフィルム体23cと、ゴム材や合成樹脂材等の弾性材料からなりフィルム体23cと同径の円盤状に形成された弾性体23dとを備えている。このようにフィルム体23cは打ち抜き加工により容易に作製されるが、その周縁部には打ち抜き方向に向けてダレが生じる場合がある。弾性体23dはこのフィルム体23cの一面を覆うようにして貼り付けられている。この貼り付けにより弁体23bは、フィルム体23cの打ち抜き方向に関わらず裏表の判別が容易になる。そして、このような弁体23bのうち弾性体23d側の面を弁座部23aに載置させるようにしている。これにより、逆止弁23の閉弁時には、フィルム体23cに打ち抜きによってダレが生じていても弾性体23dが弁座部23aに密着するようになり、シール性が確保される。図12に示すように、第8流路43hに設けられる逆止弁24,25の弁体についても、同様の構成となっている。
図13は、図4に示すヘッドユニット4に形成されたエア排出流路44の斜視図である。図13に示すように、エア排出流路44は、負圧吸引口22dから流路形成部材22の下面側を延びる第1流路44a(図5も参照)と、流路形成部材22を上下に貫通してなり第1流路44aを流路形成部材22の上面側と連通させる第2流路44b(図2,図5も参照)と、第2流路44bの上面側開口と連通して流路形成部材22の上面側を紙送り方向の上流側へと延びる第3流路44c(図2も参照)と、第3流路44cと連通する共通排気室44d(図4も参照)とを有する。共通排気室44dは、気液分離膜27を介してキャリッジ側インク流路42の4つの第5流路42eと連通していると共に、冷却液流路43の第12流路43l(冷却液通路22j4)と連通している(図2も参照)。また、エア排出流路44の第3流路44cは、紙送り方向に並設された4つの大インクダンパー室40それぞれの流入口22mと流出口22nとの間を延びるようにして形成されており、第3流路44cは、4つの大インクダンパー室40内に設けられた気液分離膜29及び流路形成部材22に形成された孔22xを介して各大インクダンパー室40と連通している(図2も参照)。また、負圧吸引口22dからはジョイント21の負圧継手管部21dの内部流路を介して負圧吸引チューブ13の内部流路に連通している。これらエア排出流路44、ジョイント21内の流路、及び負圧吸引チューブ13の内部流路により排気流路62が形成され、負圧ポンプ14が駆動されると該排気流路62に負圧が印加されることとなる。
図14は、インクジェットプリンタ1の制御部100の構成を示すブロック図である。この制御部100は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを備え、上述したプリンタ1の動作の制御を統括して行うように構成されている。制御部100には、プリンタ1の筐体に備えられてオペレータが操作可能な操作パネル101が接続されると共に、パーソナルコンピュータ等の外部情報機器102と接続可能になっている。また、制御部100には、被記録体を搬送させる搬送モータ107を駆動する搬送ドライバ103と、ICチップ37に内蔵されてアクチュエータ35を駆動する吐出ドライバ104と、キャリッジモータ108を駆動する走査ドライバ105と、負圧ポンプ14を駆動する吸引ドライバ106とが接続されている。
このプリンタ1の制御部100は、外部情報機器102等から送られた画像データに基づき、搬送ドライバ103に制御信号を出力して搬送モータ107を駆動して被記録体を紙送り方向に搬送しつつ、走査ドライバ105に制御信号を出力してキャリッジモータ108を駆動してヘッドユニット4を走査方向に往復移動させると共に、吐出ドライバ104に制御信号を出力してアクチュエータ35を駆動してインクジェットヘッド33からインクを適宜タイミングで吐出させることにより、印刷動作を実施する制御を行う。
ところで、ヘッドユニット4内には吐出ドライバ104やアクチュエータ35等の電気部品が搭載されているため、インクジェットプリンタ1の製品出荷時等には搬送時に冷却液から該電子機器を保全するため、冷却液流路43内を空の状態としておくことが好ましい。従って、本インクジェットプリンタ1においては、製品出荷時にはラジエータタンク12内のみに冷却液が充填されている状態としている。そして、制御部100は、インクジェットプリンタ1に最初に電力が供給されたときに、負圧ポンプ14を作動させて冷却液を冷却液流路43に導入する冷却液初期導入動作を実施するように構成されている。即ち、インクジェットプリンタ1に最初に電力が供給されたことが検出されると、制御部100により、吸引ドライバ106に駆動信号が出力されて負圧ポンプ14が駆動され、これにより負圧吸引チューブ13を介して排気流路62に負圧が印加される。排気流路62は、気液分離膜27を介して空となっている冷却液流路43(43l)と連通しているため、気液分離膜27を介して冷却液流路43内にも負圧が印加されるようになる。ラジエータタンク12に貯留されている冷却液は、往路チューブ10或いは復路チューブ11を通ってヘッドユニット4まで導かれ、冷却液ダンパー室49に流れ込み、冷却液流路43内にあった気体成分は負圧ポンプ14によって排気流路62へと吸引される。これにより、冷却液ダンパー室49及び往路チューブ10は冷却液でほぼ満たされた状態となる。
このように、電力が最初に供給されるときになって初めて冷却液流路43に冷却液が導入されるようにしているため、ヘッドユニット4内の電子機器が実用に供されるまでの間冷却液から保全されるようになる。なお、この初期冷却液導入動作を実施するタイミングは、上記のタイミングに限らず、少なくとも、ヘッドユニット4内の発熱の原因となる吐出ドライバ104が稼動されてヘッドユニット4内の冷却を必要とする印刷動作が最初に実施される前であれば、どのようなタイミングであってもよい。
図15は、印刷動作を実施している際における図2に示すヘッドユニット4の右端(他端)におけるターン時を表した模式図である。図15に示すように、ヘッドユニット4が走査方向の右端でターンするとき、ヘッドユニット4が所定の減速度で減速されて右端で停止状態となった後、所定の加速度で加速しながら左方に移動していく。従って、キャリッジ側インク流路42の導出部54にあるインクの慣性力によりキャリッジ側インク流路42に正圧が加わる一方、冷却液復路56の導出部58の冷却液の慣性力により冷却液流路43には負圧が加わる。つまり、冷却液流路43からの冷却液は、逆止弁23により冷却液往路55には逆流しないものの、逆止弁24,25を通過して冷却液復路56へと流出し、冷却液流路43に負圧が生じる。そして、冷却液往路55の導出部57の冷却液にかかる走査方向の右方向への慣性力が無くなると、冷却液流路43の前記負圧により、冷却液往路55の冷却液が逆止弁23を通過して冷却液流路43へと流入する。
図16は、印刷動作を実施している際における図2に示すヘッドユニット4の左端(一端)におけるターン時を表した模式図である。図16に示すように、ヘッドユニット4が走査方向の左端でターンするとき、キャリッジ側インク流路42の導出部54にあるインクの慣性力によりキャリッジ側インク流路42に負圧が加わる一方、冷却液往路55の導出部57の冷却液の慣性力により冷却液流路43には正圧が加わる。つまり、冷却液往路55からの冷却液は、逆止弁23を通過して冷却液流路43へと流入するが、冷却液流路43からの冷却液は、逆止弁24,25により冷却液復路56には流出せず、冷却液流路43の正圧が増加する。そして、冷却液復路56の導出部58の冷却液にかかる走査方向の左方向への慣性力が無くなると、冷却液流路43の前記正圧により、冷却液流路43の冷却液が逆止弁24,25を通過して冷却液復路56へと流出する。即ち、冷却液は、電動のポンプ等を使用することなく、ヘッドユニット4の往復移動により冷却液にかかる慣性力を利用して循環するようになっている。
このように、インク流路60の導出部54をヘッドユニット4から導出する向きと、冷却液往路55及び冷却液復路56の導出部57,58をヘッドユニット4から導出する向きとが反対であるため、ヘッドユニット4の右端におけるターン時には、その慣性力の影響により、キャリッジ側インク流路42に正圧が発生し、冷却液流路43には負圧が発生する。また、ヘッドユニット4の左端におけるターン時には、その慣性力の影響により、キャリッジ側インク流路42に負圧が発生し、冷却液流路43には正圧が発生する。かつ、キャリッジ側インク流路42のインクダンパー室40,41と、冷却液流路43の冷却液ダンパー室49とは、相互に圧力伝達可能となるように圧力伝達手段50を介して仕切られている。
その結果、ヘッドユニット4の移動により生じるキャリッジ側インク流路42内の圧力変動は、圧力伝達手段50を介して冷却液流路43で効果的に吸収することが可能となる。よって、冷却用の冷却液流路43を圧力変動吸収用にも利用して、ダンパー性能を効果的に向上させることができる。
また、冷却液復路56の内径は冷却液往路55の内径よりも大であり、冷却液復路56の流路抵抗が冷却液往路55の流路抵抗よりも小であるので、キャリッジ側インク流路42から圧力伝達手段50を介して冷却液流路43に圧力が加わると、冷却液流路43内の冷却液が流路抵抗の小さい冷却液復路56へとスムーズに導かれて、効果的に圧力吸収することができる。また、冷却液流路43内の冷却液が冷却液復路56へと流れやすくなるので、冷却液の循環も促進されて放熱効率が向上する。
さらに、キャリッジ側インク流路42と冷却液流路43とはダンパーフィルム30、弾性シール部材31及び空気層48を介して互いに隣り合うように配置されているため、正圧がかかっている流路42,43の容積が大きくなり且つ負圧がかかっている流路43,42の容積が小さくなるように、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜i及び弾性シール部材31の平板部31aが変形する。これにより、キャリッジ側インク流路42の圧力変動と冷却液流路43の圧力変動とを交換的に吸収することができる。また、ダンパーフィルム30の膨出部30b〜iと弾性シール部材31の平板部31aとの間に空気層48が介在しているので、キャリッジ側インク流路42で生じる圧力変動を柔軟に吸収することができる。
しかも、冷却液が逆止弁23を通過して冷却液ダンパー室49に流れ込むと、大インクダンパー室40の収縮に付随して冷却液ダンパー室49が膨張する。これにより、図16に示す状態において、冷却液ダンパー室49内に多くの冷却液を導入することができる。また、冷却液が逆止弁24,25を通過して冷却液ダンパー室49から流れ出すときには、大インクダンパー室40の膨張に付随して冷却液ダンパー室49が収縮する。この収縮作動により冷却液に動圧が付与され、多量に取り込まれた冷却液の排出を勢いよく行わせることができる。このように、冷却液流路の一部の容積が可変となっているため、該容積の可変部分にて冷却液に対するポンピング動作を働かせることができ、冷却液の循環をスムーズに行わせることができる。このポンピング動作に大インクダンパー室40の容積変動が利用されており、インク流路内の圧力変動の緩和と冷却液のポンピング動作とを同時に行わせることができる。
さらに、ダンパーフィルム30は膨出部30b〜iにより立体的に形成されているため、従来の平面状のダンパー壁に比べて変形可能量が大きくなる。よって、平面視の占有面積が小さくても圧力変動を十分に吸収でき、インクジェットプリンタ1のコンパクト化を図ることが可能となる。さらに、流路形成部材22の周状リブ22jが膨出部30b〜iを囲む位置に設けられているので、製造時において周状リブ22jがダンパーフィルム30を風等から保護し、ダンパーフィルム30を流路形成部材22に対して正しく熱溶着しやすくなる。また、周状リブ22jにより平板状の流路形成部材22の剛性が向上して変形しにくくなるので、各流路42,43のシール性も向上する。
さらに、往路チューブ10及び復路チューブ11の内径はインク供給チューブ9の内径よりも大きいが、往路チューブ10及び復路チューブ11の硬度はインク供給チューブ9の硬度よりも小さいので、往路チューブ10及び復路チューブ11を曲げて取り回す際の曲率を大きくすることができ、インクジェットプリンタ1のコンパクト化を図ることが可能となる。
そして、このような印刷動作の開始前や終了後や、プリンタ1が所定の期間を超える長期に亘って休止された後に起動されたときや、インクカートリッジ8の着脱交換が行われた直後など、所定のタイミングで制御部100は、吸引ドライバ106に制御信号を出力し、負圧ポンプ14を駆動する。この負圧ポンプ14の駆動により、排気流路62に負圧が印加されると、大インクダンパー室40或いは小インクダンパー室41にトラップされているエアが気液分離膜27,29を通過してエア排出流路44に排除され、これらダンパー室がインクで満たされた状態となる。これにより、インクジェットヘッド33にエアが侵入するおそれがなくなり、インクジェットヘッド33によるインクの吐出動作が安定して行われるようになる。また同時に、冷却室ダンパー室49等に侵入したエアが冷却液排気流路43l(冷却液通路22j4)を通って気液分離膜27を通過し、共通排気室44dから第3流路44cへと排除される。
このように、適宜のタイミングで負圧ポンプ14が駆動されることにより、冷却液流路43内に侵入しているエアを排除することもできるようになる。したがって、冷却液流路43内の冷却液の循環がこのエアにより阻害されるおそれがなくなり、冷却液の循環動作を安定して行わせることができるようになる。
ここで、流路形成部材22には、冷却液流路43及びインク流路60が開口する共通排気室44dが形成され、この共通排気室44d内にこれらの開口を覆って気液分離膜27が設けられている。この共通排気室44dと負圧ポンプ14が接続された負圧吸引チューブ13とが連通されているため、2つの独立した流路からのエアの排除を単一の負圧ポンプ14により行うことができるようになっており、プリンタ1をコンパクトに構成することができる。また、気液分離膜27は、このような共通排気室44d内の開口を覆う単一のものとすることができ、2つの独立した流路それぞれに気液分離膜を設ける必要がなくなり、部品点数を省略しつつ冷却液流路43及びインク流路60から同時にエアを排除可能な装置を構成することができるようになる。
このように本実施形態のプリンタ1は、インク流路60からエアを排除する動作と、冷却液流路43からエアを排除する動作と、冷却液の初期導入とが単一の負圧ポンプ14を利用して実施されるようになっている。また、冷却液の循環は、シャトルタイプのプリンタ1においては元々備えられているキャリッジモータ108により駆動されるキャリッジの往復移動時に作用する慣性力を利用して行われている。このように、ヘッドユニット4を冷却液を利用して冷却するにあたり、専用の駆動源を必要としておらず、プリンタ1をコンパクトに構成することができる。
なお、図17には、本発明の別の実施形態に係るインクジェットプリンタのインクカートリッジ118の内部構成を示すインクカートリッジ118の縦断面図である。この別の実施形態に係るインクジェットプリンタでは、ラジエータタンク12が省略されると共に、4つのインクカートリッジ8のうち1つが図17に示す形態のインクカートリッジ118と置き換えられる点を除けば、上記実施形態のインクジェットプリンタ1と同様の構成となっている。以下、上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付して重複説明を省略する。
図17に示すように、このインクカートリッジ118は、矩形箱状のケーシング119を有し、該ケーシング119内の中央部分に側面視楕円形状のフィルムパック120が収容される。フィルムパック120の外面とケーシング119の内面とに囲まれてインク貯留室118aが形成されており、このインク貯留室内118a内には所定の色のインクが貯留される。ケーシング119には該インク貯留室を外部と連通させるインク供給孔119aが形成されており、このインク供給孔119aにインク供給チューブ9が外側から接続される。フィルムパック120の内面に囲まれて冷却液貯留室118bが形成されており、この冷却液貯留室118b内には、上記実施形態ではラジエータタンク12に貯留されていた冷却液が貯留される。ケーシング119にはこの冷却液貯留室118bを外部と連通させる冷却液流出孔119b及び冷却液流入孔119cが形成されており、冷却液流出孔119bに往路チューブ10が外側から接続され、冷却液流入孔119cに復路チューブ11が外側から接続されている。従って本実施形態の冷却液循環経路61は、この冷却液貯留室118b、往路チューブ10、ジョイント21の内部流路、冷却液流路43、復路チューブ11から形成される。
このように、冷却液貯留室118bがインクカートリッジ118内に設けられており、インクカートリッジ118内の冷却液は、ケーシング119、インク貯留室118b内に貯留されているインク、及びフィルムパック120により覆われるようにして外気から保護された状態となっている。特に、インクにより外側を覆われた状態となっているため、冷却液貯留室118bから冷却液が外部に蒸発する可能性と、外部から冷却液貯留室118b内にエアが侵入する可能性が低くなり、長期に亘ってヘッドユニット4を冷却液を利用して冷却可能な状態で維持することができる。
なお、前述した実施形態は本発明をインクジェットプリンタに適用したものであるが、インク以外の液体、例えば着色液を吐出して液晶表示装置のカラーフィルタを製造する装置、導電液を吐出して電気配線を形成する装置などに使用する液滴吐出装置に適用してもよい。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの要部を示す概略平面図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの平面図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンタのヘッドユニットの分解斜視図である。 図4に示すヘッドユニットの流路形成部材及びダンパーフィルムの下方から見た斜視図である。 図5に示す流路形成部材の下方から見た要部拡大斜視図である。 図2のV−V線断面図である 図2のVI−VI線断面図である。 図4に示すヘッドユニットに形成された4つのキャリッジ側インク流路42のうち1つを表した斜視図である。 図4に示すヘッドユニットに形成された冷却液流路の斜視図である。 図10に示す冷却液流路のうち第2流路を示すヘッドユニットの部分縦断面図である。 図10に示す冷却液流路のうち第8流路を示すヘッドユニット4の部分縦断面図である。 図4に示すヘッドユニットに形成されたエア排出流路の斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンタの制御部の構成を示すブロック図である。 図2に示すヘッドユニットの右端におけるターン時を表した模式図である。 図2に示すヘッドユニットの左端におけるターン時を表した模式図である。 本発明の別の実施形態に係るインクジェットプリンタのインクカートリッジの内部構成を示したインクカートリッジの縦断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(液滴吐出装置)
8 インクカートリッジ(記録液タンク)
9 インク供給チューブ(記録液供給管)
10 往路チューブ
11 復路チューブ
12 ラジエータタンク(冷却液タンク)
13 負圧吸引チューブ
14 負圧ポンプ(負圧印加手段)
23〜25 逆止弁
27 気液分離膜(第1、第2気体透過膜)
32 キャリッジ
33 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
40 大インクダンパー室
41 小インクダンパー室
42 キャリッジ側インク流路
43 冷却液流路
44 エア排出流路
49 冷却液ダンパー室
50 圧力伝達手段
51 ICチップ冷却通路
55 冷却液往路
56 冷却液復路
60 インク流路(記録液供給経路)
61 冷却液循環経路
62 排気流路
100 制御部(移送力付与手段、移動手段)
105 走査ドライバ(移送力付与手段、移動手段)
108 キャリッジモータ(移送力付与手段、移動手段)
118 インクカートリッジ
118a インク貯留室
118b 冷却液貯留室

Claims (6)

  1. 記録液を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録液を貯留する記録液タンクと、該記録液タンクから前記液滴吐出ヘッドに記録液を供給する記録液供給経路と、該記録液供給経路と連通する排気流路と、前記記録液流路と前記排気流路との連通部分において前記記録液流路と前記排気流路とを仕切るように設けられた、気体のみを透過する第1の気体透過膜と、該排気流路内に負圧を印加する負圧印加手段とを備え、該負圧印加手段により前記記録液供給経路内の気泡を前記第1の気体透過膜を介して前記排気流路へと排除する排気動作を実行可能な液滴吐出装置において、
    前記液滴吐出ヘッドを冷却するための冷却液を貯留する冷却液タンクと、
    前記キャリッジ上に設けられた流入口及び流出口を有する冷却液流路と、
    一端が前記流入口に接続され他端が前記冷却液タンクに接続された冷却液往路と、
    一端が前記流出口に接続され他端が前記冷却液タンクに接続された冷却液復路と、
    前記冷却液タンクから前記冷却液往路、前記冷却液流路、及び前記冷却液復路を経て前記冷却液タンクに戻るように冷却液に移送力を付与する移送力付与手段とを備え、
    前記冷却液流路は前記排気流路と連通するように構成されており、前記冷却液流路と前記排気流路との連通部分には、前記冷却液流路と前記排気流路とを仕切るように、気体のみを透過する第2の気体透過膜が設けられていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記移送力付与手段の動作前において、前記負圧印加手段により、前記第2の気液分離膜を介して前記冷却液流路に負圧を印加し、前記冷却液タンクに貯留されている冷却液を前記冷却液流路まで導く冷却液初期導入動作が実行される請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記第1の気液分離膜と前記第2の気液分離膜とが一体に形成されている請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記液滴吐出ヘッドを搭載するキャリッジをさらに備え、
    前記移送力付与手段が、前記キャリッジを所定走査方向において往復移動させる移動手段と、前記冷却液往路中及び/又は前記冷却液復路中に設けられ、前記キャリッジの往復移動に伴って動圧を付与された冷却液の逆流を阻止する逆止弁とで構成される請求項1乃至3の何れかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記記録液供給経路は、一端が前記記録液タンクに接続された記録液供給管と、前記キャリッジ内に設けられて前記記録液供給管の他端と前記液滴吐出ヘッドとを接続するキャリッジ側記録液流路とを含み、
    前記記録液供給管が、前記キャリッジから前記走査方向の一方側に導出され、前記冷却液往路及び前記冷却液復路の少なくとも一方が、前記キャリッジから走査方向の他方側に導出され、
    前記キャリッジ側記録液流路と前記冷却液流路とが相互に圧力伝達可能となるように、前記キャリッジ側記録液流路と前記冷却液流路とが部分的に圧力伝達手段を介して仕切られている請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記冷却液タンクが、前記記録液タンクと一体になっている請求項1乃至5の何れかに記載の液滴吐出装置。
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