JP4655424B2 - 燃焼炉の燃焼制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ストリップ連続焼鈍設備等、可燃ガス燃焼バーナ等を用いた燃焼炉の燃焼制御方法に関し、特に、その燃焼効率を向上させると共にその温度制御範囲を拡大することの可能な燃焼炉の燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可燃ガス等の燃料を燃焼させることにより被加熱物を加熱するようにした燃焼バーナにおいては、使用する燃料の種類に応じて、最適な燃料状態を得るために必要な空気比(理論空気比)が決まるため、燃料と空気とを一定の比率で混合し、最適な空気比となるように燃料及び空気の流量制御と比率制御を行っている。
【0003】
一般に、理論空気比で燃焼させた場合、燃焼効率の問題から完全燃焼せず、CO等の未燃ガスが発生するため、理論空気比に対して空気比が、1.05〜1.3倍程度となるように過剰空気を投入するようにしている。なお、この理論空気比に対する過剰空気投入比を以後、空燃比という。この空燃比を大きくすれば、未燃ガスの発生を防止することができるが、一方で熱効率は低下する。逆に、未燃ガスが発生しない範囲で空燃比を最低に設定すれば、最も効率よく且つ安全な燃焼状態を維持することができる。
【0004】
また、未燃ガスが発生する空燃比は、燃焼量によっても変化し、一般に、燃焼量が低いほど未燃ガスが発生しやすいため、燃焼量に応じて空燃比を変更するようにしたもの等も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常のバーナの燃焼制御の範囲は、最大燃焼量と最小燃焼量との比率で、通常、10:1程度である。例えば薄板の焼鈍炉において、燃焼量を調整して炉温を制御する設備においては、前記薄板を搬送するラインのトラブル等でライン速度が極端に低下したり、完全停止した場合等には、焼鈍炉の炉温が温度制御範囲を超えてしまう場合がある。特に、ライン停止が発生した場合には、バーナの燃焼量を最低に制御しても、投入熱量の方が多くなるために、炉温が異常上昇してしまい、これを回避するためにバーナを一時消火する等の対処を行う必要がある。
【0006】
このバーナの一時消火を回避する方法として、燃焼量に応じて空燃比を変更する方法がある。すなわち、燃焼量が少ない状態では、空燃比を積極的に高くすることによって、高負荷時と低負荷時との燃焼温度を変更する方法がある。
しかしながら、このように燃焼量に応じて空燃比を変更する場合、通常操業時においても燃焼量に応じて空燃比が変更され、高い値に設定されるため、燃料効率が低下する。
【0007】
また、炉の立ち上げ時等、燃焼バーナの温度が低い状態において、空燃比を必要以上に高くすると、燃焼バーナの燃焼状態が不安定であるため、失火しやすいという問題もある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、通常操業時には燃焼効率を最大に維持し、且つ、燃焼負荷が極端に低いために炉温の制御範囲を超える場合には、その温度制御範囲を拡大し且つ安定した燃焼状態を確保することの可能な燃焼炉の燃焼制御方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る燃焼炉の燃焼制御方法は、燃焼バーナを備えた燃焼炉の燃焼制御方法であって、前記燃焼バーナの空燃比を燃焼量に応じて変化させると共に、その変化特性を、(1)燃焼バーナの温度が通常操業時よりも低い、炉の立ち上げ時、(2)通常操業時、(3)加熱負荷が通常操業よりも低い、操業一時停止時、の各操業状態ごとに個別に設定し、前記操業状態に応じて、それに対応する変化特性に変更するようにしたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る燃焼炉の燃焼制御方法は、前記燃焼量が所定の燃焼量以下となる低燃焼量の場合には、前記操業状態が通常操業時であるときよりも燃焼炉が一旦停止される操業一時停止時であるときの方が、前記空燃比が高くなるようにしたことを特徴としている。
また、請求項3に係る燃焼炉の燃焼制御方法は、前記操業状態が通常操業時であるときの空燃比は、供給される燃料を完全燃焼し得る空燃比の最小値に設定されることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に係る燃焼炉の燃焼制御方法は、前記空燃比を、予め設定した基準空燃比と当該基準空燃比を補正するための空燃比補正値との和により設定し、当該空燃比補正値を、前記燃焼量に応じて変化させると共に、前記操業状態に応じて変化させるようになっていることを特徴としている。
この請求項1乃至請求項4に係る発明では、燃焼バーナの空燃比、つまり、理論空気比に対する、実際に投入する過剰空気投入比は、燃焼量に応じて変更され、安定した燃焼を行うことの可能な空燃比に設定される。さらに、この燃焼量に適した空燃比の変化特性は、操業状態に応じて変更される。
【0011】
例えば、燃焼炉が継続して操業されている通常操業時には、空燃比は、燃焼量に応じて燃焼効率を最大とし得る空燃比の最小値に設定される。また、ライントラブル等によってラインを一旦停止させる場合等の操業一時停止時、つまり、燃焼量が予め設定した燃焼量以下となる低燃焼量の場合には、例えば通常操業時よりも値の大きな、操業一時停止時の空燃比が安定燃焼の範囲で燃焼量に応じて設定される。
【0012】
ここで、ライン停止時には、加熱材料を減速させたり或いは停止させることになり、加熱負荷が極端に低下するため、燃焼量を最低にしても投入熱量の方が多く、炉温が異常上昇し、温度制御範囲を超えてしまう場合がある。しかしながら、ライン停止時には、空燃比を大きな値に設定することによって、温度上昇を抑制することが可能となる。
【0013】
一方、通常操業時には、燃焼効率が最大となる値に設定されるから、通常操業時の燃焼効率の低下を防止すると共に、ライン一時停止等の場合には、炉温の低下を図ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用した、例えばストリップ連続焼鈍設備等における焼鈍炉1の温度制御を行うための炉温制御装置2の概略構成を示すブロック図である。
図1において、炉温制御部11は、焼鈍炉1に取り付けられた温度計12で検出した炉温実績値PVcと炉温設定値SVcとを比較し、これらの偏差に基づいて公知の手順で炉温制御出力値MVを決定し、これを空燃比制御部13に出力する。
【0015】
この空燃比制御部13は、燃焼ガス流量計14で計測される燃焼ガス流量の実績値PVgと、燃焼空気流量計15で計測される燃焼空気流量の実績値PVaと、炉温制御部11からの炉温制御出力値MVとをもとに、燃焼ガス流量の設定値SVgと燃焼空気流量の設定値SVaとを設定する。
燃焼ガス流量制御部16は、空燃比制御部13で設定された燃焼ガス流量の設定値SVgと燃焼ガス流量計14からの燃焼ガス流量の実績値PVgとを比較し、これらの偏差がなくなるように燃焼ガス流量制御弁17を制御する。なお、MVgは、燃焼ガス流量制御弁17への制御出力である。
【0016】
また、燃焼空気流量制御部18は、空燃比制御部13で設定された燃焼空気流量の設定値SVaを、これに燃焼空気流量制御部30で設定した空燃比(理論空気比に対する過剰空気投入比)μAを乗算することにより補正した、燃焼空気流量補正値SVa′と、燃焼空気流量計15からの燃焼空気流量の実績値PVaとを比較し、これらの偏差がなくなるように燃焼空気流量制御弁19を制御する。
なお、MVaは、燃焼空気流量制御弁19への制御出力である。
【0017】
そして、前記燃焼ガス流量制御部16により制御された燃焼ガス及び燃焼空気流量制御部18により制御された燃焼空気は、燃焼バーナ20に供給されて燃焼し、焼鈍炉1を加熱する。
前記燃焼空気流量制御部30は、空燃比補正値切替部31と、この空燃比補正値切替部31で設定された空燃比補正値Δμに対し、空燃比μAの急変を抑制するためのリミッタ処理を行う変化率リミッタ部32と、この変化率リミッタ部32でのリミッタ処理後の空燃比補正値Δμ′と、予め設定された基準空燃比設定値μ0 とを加算して、空燃比μAを設定する空燃比設定部33とを備えている。
【0018】
前記空燃比補正値切替部31は、燃焼量と空燃比補正値との対応を表す特性図を、焼鈍炉1の操業状態に応じて複数備えている。なお、特性図は、制御マップとして保持するようにしてもよいし、制御テーブル、或いは関数として保持するようにしてもよい。
この実施の形態では、図2に示すように、焼鈍炉1の立ち上げ時(図2(a))、通常操業時(図2(b))、及び操業休止時(操業一時停止時)(図2(c))の3つを備えている。
【0019】
そして、空燃比補正値切替部31は、焼鈍炉1の操業状態に応じて特性図を順次切り換えるようになっている。前記操業状態は、例えばオペレータが設定するようにしてもよいし、炉温の設定値SVc又は実績値PVcに基づいて操業状態を判断するようにしてもよい。
そして、空燃比補正値切替部31では、操業状態に応じて選択した特性図を参照し、燃焼ガス流量計14で計測された燃焼ガス流量の実績値PVgに対応する空燃比補正値Δμを特定する。
【0020】
前記特性図は、操業状態に応じて、例えば、図2に示すように設定されている。焼鈍炉1の立ち上げ時には、通常操業時に比べて燃焼負荷が低く、燃焼制御における燃焼ガス及び燃焼空気の流量制御範囲の下限を下回り、且つバーナ温度が低いため、低燃焼量で不安定な状態である。このため、図2(a)に示すように、低燃焼量の領域(この実施の形態では燃焼量が40%以下)で、燃焼量が小さくなるほど大きな値となるように空燃比補正値Δμを設定し、安定燃焼可能な範囲で低燃焼量時の空燃比を大きくして、焼鈍炉1への投入熱量を少なくする。
【0021】
また、通常操業時は、必要な燃焼制御範囲が10:1程度であり、通常の燃焼制御範囲内であるので、流量制御範囲内で制御可能である。しかしながら、低燃焼量時は、COガスが発生しやすいため、図2(b)に示すように、低燃焼量の領域(この実施の形態では燃焼量40%以下)で燃焼量が小さくなるほど大きな値となるように空燃比補正値Δμを設定し、空燃比を高めに設定する。
【0022】
さらに、操業休止時は、加熱材料は、停止或いは低速で通板される。このとき、燃焼バーナ20を燃焼状態に維持し、且つ、炉温を通常操業時に近い温度に維持する。操業休止時には熱負荷が極端に低くなるため、燃焼制御における流量制御範囲の下限を大きく下回ることになる。一方、燃焼バーナ20の温度は十分上昇しているので、空燃比をかなり高くしても安定燃焼が可能な状態である。
【0023】
このため、図2(c)に示すように、低燃焼量の領域(この実施の形態では燃焼量60%以下)で空燃比補正値Δμを、通常操業時よりも大きな値に且つ燃焼量が小さくなるほど大きな値となるように設定して空燃比を通常操業時よりも大きな値に設定し、炉温よりも燃焼空気温度を低下させることによって焼鈍炉1の炉体からの抜熱を可能とし、炉温を目標値に保つ。
【0024】
そして、このようにして設定された空燃比補正値Δμに対し、変化率リミッタ部32においてリミッタ処理を行う。このリミッタ処理は、例えば、空燃比補正値Δμの変化量が予め設定した変化量のしきい値を超える場合には、変化量がしきい値となるように空燃比補正量Δμを補正する。
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0025】
まず、空燃比基準値μ0 を設定する。この空燃比基準値μ0 は、炉温の温度制御範囲内において、COガスが発生せず且つ安定燃焼が可能な空燃比範囲の最小値付近の値に設定される。
なお、前記燃焼バーナ20において、COガスが発生せず且つ安定燃焼が可能な空燃比範囲は、常温〜800℃で1.1〜3.0、800℃以上で1.1〜6.0である。したがって、空燃比基準値μ0 として、1.2を設定した。
【0026】
この状態で、焼鈍炉1を立ち上げると、炉温制御部11では、設定された炉温設定値SVcと炉温計12で検出される炉温実績値PVcとを一致させるための燃焼量を設定し、これを制御出力MVとして空燃比制御部13に出力する。
この空燃比制御部13では、指定された制御出力MVに基づいて燃焼ガス流量及び燃焼空気流量の設定値SVg,SVaを設定し、燃焼ガス流量制御部16では、燃焼ガス流量計14で計測される燃焼ガス流量の実績値PVgと燃焼ガス流量の設定値SVgとが一致するように燃焼ガス流量制御弁17を制御し、同様に、燃焼空気流量制御部18では、燃焼空気流量計15で計測される燃焼空気流量の実績値PVaと燃焼ガス流量補正値SVa′とが一致するように燃焼空気流量制御弁19を制御する。
【0027】
このとき、空燃比補正値切替部31では、例えばオペレータが焼鈍炉1の操業状況を設定すること等によって、操業状況として炉立ち上げが設定されるから、空燃比補正値切替部31では、図2(a)の炉立ち上げ時の特性図を選択する。そして、燃焼ガス流量計14で計測される燃焼ガス流量の実績値PVgに対応する空燃比補正値Δμを図2(a)の特性図に基づいて特定し、これに変化率リミッタ処理を施した後、この補正値Δμ′と基準空燃比μ0 とを加算して空燃比μAを算出する。
【0028】
そして、この空燃比μAと空燃比制御部13で特定される燃焼空気量設定値SVaとを乗算し、燃焼空気流量補正値SVa′を算出する。
このとき、図2(a)の特性図に示すように、空燃比補正値Δμは、低燃焼量の範囲で0〜2.0程度に設定され、基準空燃比μ0 を比較的高めに補正している。
【0029】
ここで、炉立ち上げ時には、炉温を常温から徐々に操業温度域まで上昇させる必要がある。点火直後は、バーナの温度も低温であるため、燃焼状態が不安定であり、また、燃焼負荷が比較的低く、燃焼制御における流量制御範囲の下限を下回る状態にあるが、この場合、低燃焼量の領域では、空燃比μAは、安定燃焼を達成し且つCOの発生がない範囲で比較的高めに設定されるから、安定した燃焼を行うことができる。
【0030】
この状態から、炉温が操業温度域まで上昇し、ライン運転が開始され被加熱部材が順次通板される通常の操業状態となると、操業状態として通常操業時が設定されることによって、空燃比補正値切替部31では、図2(b)に示す通常操業時の特性図に切り換える。
この通常操業時の特性図では、図2(b)に示すように、空燃比補正値Δμは、低燃焼量の領域で0〜0.3程度に設定され、基準空燃比μ0 を多少高めに補正している。
【0031】
ここで、通常操業時は、必要な燃焼制御範囲が10:1程度であるため、燃焼ガス流量及び燃焼空気流量の制御範囲内で温度制御を行うことが可能であるが、低燃焼量時には、COガス等が発生しやすい。しかしながら、低燃焼量の領域では、空燃比μAは、基準空燃比μ0 よりもやや高めに設定されるから、安定燃焼を達成し且つCOガス等の発生を抑制することが可能となる。
【0032】
この状態から、加熱材料を停止或いは低速で通板させ、ライン運転を停止すると、操業状態として操業休止時が設定されることによって、空燃比補正値切替部31では、図2(c)に示す操業停止時の特性図に切り換える。
この操業停止時の特性図では、図2(c)に示すように、空燃比補正値Δμは、低燃焼量の領域で0〜5.0程度に設定され、空燃比μAは、燃焼量が小さいほどより大きな値に、且つ、通常操業時よりも大きな値に設定されてる。
【0033】
炉温制御部13では、操業休止時には、燃焼バーナ20を燃焼状態に維持し、炉温を通常操業時に近い温度に維持するように制御する。操業停止時は、熱負荷が極端に小さくなるため、通常の燃焼制御範囲を超えてしまい、炉温を保つことができず、炉温が徐々に上昇する場合がある。しかしながら、低燃焼量の領域では、安定燃焼の範囲内で空燃比を積極的に大きくし通常操業時よりも大きくしているから、燃焼温度が下降し、炉温の上昇を抑制することができ、つまり、制御範囲の下限側を拡大することができる。
【0034】
また、このとき、通常の燃焼制御時には、燃焼効率を最大とする空燃比を設定しているから、焼鈍炉1の操業状態に関わらず燃焼効率を最大とし、且つ安定した燃焼を行うことができる。
図3は、上記炉温制御装置2を用いて炉温制御を行い、操業中のラインが、ライントラブル等により一旦停止し、その後再度ライン運転が開始された場合の、(a)加熱負荷、(b)焼鈍炉1の炉温〔℃〕、(c)燃焼量〔%〕及び(d)空燃比の変化状況を示したものである。
【0035】
なお、図3において、横軸は時間〔hr〕を表している。また、(a)加熱負荷は、ライン速度(LS)と板厚(D)とを乗算した値である。また、(b)炉温において、■は炉温設定値SVcを表し、▲は炉温実績値PVcを表す。さらに、(d)空燃比において、*は空燃比設定値を表し、●は空燃比の実績値を表す。
【0036】
図3に示すように、ライントラブル等による時点t1 でのライン停止に伴って、加熱材料が停止し、加熱負荷が例えば100程度から0に変化すると、炉温設定値SVcが操業時の炉温例えば920〔℃〕からその近傍の800〔℃〕程度に変更される。また、ライン停止へ向けて加熱材料の搬送速度が低下すると、加熱負荷の減少に伴って燃焼量が低下し、時点t1 でラインが停止すると、最小燃焼量に制御される。
【0037】
さらに、時点t1 でのライン停止に伴って、空燃比補正値Δμが、図2(c)に示す操業休止時の特性図にしたがって設定されるから、空燃比ΔAは通常操業時よりも大きな値に変更される。これに伴って炉温は徐々に下降し、よって、炉温が異常上昇することはないから、燃焼バーナ20は遮断されることなく、燃焼状態を維持する。
【0038】
そして、時点t2 でライン運転が開始され通常操業に移行し、炉温が通常操業時の炉温920〔℃〕に変更されると、燃焼量が増加し、これに伴って炉温が上昇する。
これに対し、従来の炉温制御方法を用いて炉温制御を行った場合には、図4に示すように、ライントラブル等による時点t11でのライン停止に向けて加熱材料の搬送速度が減少し加熱負荷が低下すると、これに伴って燃焼量も減少する。そして、時点t11でライン停止が発生すると、炉温設定値SVaを例えば920〔℃〕から800〔℃〕程度に変更するが、空燃比は一定となるように制御されるため、燃焼量を減少させその最小値となるように制御しても、投入熱量の方が多くなり、炉温は上昇し時点t12で炉温上限値に達し燃焼バーナ20が遮断される。このため、燃焼量及び空燃比は零となる。そして、時点t13で燃焼バーナ20が再点火されると、これに伴って燃焼量が増加し、時点t14でライン運転が開始される。
【0039】
この場合、燃焼バーナ20を再点火させ復旧させる必要があるため、時点t13での燃焼バーナ20の再点火から時点t14でライン運転を開始するまで、多少時間を要する。
しかしながら、本実施の形態の場合は、燃焼バーナ20は燃焼状態を維持するから、従来に比較してより速やかにライン運転を再開することができる。
【0040】
また、操業状態に応じて空燃比を変更し、安定燃焼を維持し且つCOガス等が発生しない値に変更するようにしているから、安定燃焼を維持することができ、またCOガス等の発生を防止することができる。また、空燃比を変更することによって、炉温を低下させることができるから、温度制御範囲を拡大することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態においては、操業状態に応じて3つの特性図を切り換えるようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、2つ或いは4以上の特性図を設けこれに応じて切り換えるようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、基準空燃比μ0 と空燃比補正値Δμとの和から空燃比μAを設定するようにしているため、例えば基準空燃比μ0 を変更するような場合であっても、特性図を変更する必要はなく、基準空燃比μ0 を変更することによって容易に対処することができるが、予め操業状態に応じて空燃比μAを算出しておき、これを操業状態に応じて切り換えるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】
本発明の請求項1乃至請求項4に係る燃焼炉の燃焼制御方法によれば、燃焼バーナの空燃比を、燃焼量に応じて変化させると共に、その空燃比の変化特性を燃焼炉の操業状態に応じて変更するようにしたから、操業状態に適した空燃比に設定することによって、燃焼効率の低下を防止し且つ温度制御範囲の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した炉温制御装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図2】燃焼量と空燃比補正値との対応を表す特性図の一例である。
【図3】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図4】従来の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
1 焼鈍炉
2 炉温制御装置
11 炉温制御部
12 温度計
13 空燃比制御部
14 燃焼ガス流量計
15 燃焼空気流量計
16 燃焼ガス流量制御部
17 燃焼ガス流量制御弁
18 燃焼空気流量制御部
19 燃焼空気量制御弁
20 燃焼バーナ
30 燃焼空気流量制御部
31 空燃比補正値切替部
32 変化率リミッタ部
33 空燃比設定部

Claims (4)

  1. 燃焼バーナを備えた燃焼炉の燃焼制御方法であって、
    前記燃焼バーナの空燃比を燃焼量に応じて変化させると共に、その変化特性を
    (1)燃焼バーナの温度が通常操業時よりも低い、炉の立ち上げ時、
    (2)通常操業時、
    (3)加熱負荷が通常操業よりも低い、操業一時停止時、
    の各操業状態ごとに個別に設定し、
    前記操業状態に応じて、それに対応する変化特性に変更するようにしたことを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  2. 前記燃焼量が所定の燃焼量以下となる低燃焼量の場合には、前記操業状態が通常操業時であるときよりも燃焼炉が一旦停止される操業一時停止時であるときの方が、前記空燃比が高くなるようにしたことを特徴とする請求項1記載の燃焼炉の燃焼制御方法。
  3. 前記操業状態が通常操業時であるときの空燃比は、供給される燃料を完全燃焼し得る空燃比の最小値に設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼炉の燃焼制御方法。
  4. 前記空燃比を、予め設定した基準空燃比と当該基準空燃比を補正するための空燃比補正値との和により設定し、当該空燃比補正値を、前記燃焼量に応じて変化させると共に、前記操業状態に応じて変化させるようになっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の燃焼炉の燃焼制御方法。
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