JP4655242B2 - 車両用画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用画像処理装置に係り、特にテンプレートを用いて画像認識処理により画像中の対象物を認識する車両用画像処理装置に関する。
従来、予め用意したテンプレート画像を用いて、撮像画像中の対象物(道路標識等)の画像認識を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1−3、非特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置では、実際の道路標識を撮影した画像データに対して、道路標識のテンプレート画像により、いわゆるテンプレートマッチング処理が行われる。その際、テンプレート画像を所定角度ずつ回転させてパターンマッチングが行われる。そして、特許文献1に記載の装置では、マッチング度合が所定レベルを超えるとマッチングが成立したものと判定され、画像データ中で道路標識が認識される。
また、特許文献2に記載の装置では、テンプレートマッチング処理を行う際に、マッチング対象物までの距離を考慮して、テンプレート画像の大きさを拡大・縮小させるように補正する。そして、特許文献2に記載の装置では、この補正されたテンプレート画像を用いて、パターンマッチングが行われる。
また、特許文献3に記載の装置では、テンプレートマッチング処理を行う際に、マッチング対象物とテンプレート画像の画像特徴量(画像座標や輝度情報等)の相関により、最適なテンプレート画像を判定する。
また、非特許文献1では、回転やスケール変化、射影変換的歪みによる変形に適合するために、テンプレートを並進,相似変換,アフィン変換,射影変換の順で段階的に変形させ、評価指数(幾何学的AIC)により最適な変換を選択する方法が提案されている。
特開2008−9915号公報 特開2007−257301号公報 特開2008−59319号公報 金澤靖等,「段階的マッチングによる画像モザイク生成」,電子情報通信学会論文誌D-II,Vol.J86-D-II,No.6(2003),pp.816-824
しかしながら、実空間中での撮像手段と対象物との位置関係によって対象物画像がフレーム画像上で歪んで見える場合には、特許文献1及び2に記載の装置では、テンプレート画像を回転や拡大・縮小により変形しても、この変形したテンプレート画像を対象物画像に正確にマッチングさせることができず、対象物を認識できないという問題があった。
また、このような問題を解決するために、対象物を様々な角度方向から見た複数のテンプレート画像を用意し、各テンプレート画像についてマッチング処理を行うことも考えられる。しかしながら、このように1つの対象物に対して複数のテンプレート画像を用いてマッチング処理を行うのは、非効率的であると共に、演算負荷が高くなってしまうという問題が生じる。
また、特許文献3に記載の装置のように、画像特徴量の相関によりマッチング処理を行う場合であっても、上述のように歪んで見える対象物画像に対しては、テンプレート画像を正確にマッチングさせることができず、また、異なる種類であるが見かけが類似している対象物を識別することが困難であるという問題があった。
また、非特許文献1では、変形を包括するすべての画像変換を段階的に行い、評価指数(幾何学的AIC)により最適な変換を選択するため、非効率的であると共に、演算負荷が高くなってしまうという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、道路標識等の対象物に対する撮像手段の相対的な距離及び向きにかかわらず、演算負荷を増大させることなく、確実に対象物を認識することが可能な車両用画像処理装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両用画像処理装置であって、車両に搭載され、第1時間に車両周囲の対象物を含む第1画像を撮像し、第1時間から所定時間経過した第2時間に車両周囲の対象物を含む第2画像を撮像する撮像手段と、対象物に対する撮像手段の相対的な運動量を算出する運動量算出手段と、対象物と撮像手段との間の距離を算出する距離算出手段と、第1画像に基づいて、この第1画像中にある対象物の基本テンプレートを作成する基本テンプレート作成手段と、第1画像の対象物を第2画像の対象物へ画像変換するための変換行列を算出する変換行列算出手段と、基本テンプレートを変換行列で変形して、変形テンプレートを作成する変形テンプレート作成手段と、変形テンプレートを用いて、第2画像に対しテンプレートマッチング処理を行い、対象物を検出するマッチング手段と、を備え、変換行列算出手段は、運動量算出手段が算出した運動量の大きさ,及び距離算出手段が算出した第2時間における距離に応じて、相似変換行列,アフィン変換行列,および射影変換行列の中から選択したいずれか1つの形式で、変換行列を算出するように構成され、変換行列算出手段は、運動量が所定の設定運動量より大きく且つ距離が所定の設定距離以下である場合に、変換行列を射影変換行列の形式で算出し、変換行列算出手段は、運動量が設定運動量以下且つ距離が設定距離以下である場合,及び運動量が設定運動量より大きく且つ距離が設定距離よりも大きい場合に、変換行列をアフィン変換行列の形式で算出し、変換行列算出手段は、運動量が設定運動量以下且つ距離が設定距離よりも大きい場合に、変換行列を相似変換行列の形式で算出することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、第1画像から作成した基本テンプレートを、画像変換行列で画像変換して変形テンプレートを作成し、これを第2画像に適用してテンプレートマッチング処理する。したがって、対象物に対して複数のテンプレートを予め用意しておく必要がない。また、本発明では、第1画像と第2画像間の撮像手段の回転運動成分及び並進運動成分からなる運動量と、対象物までの距離に応じて、対象物の歪みに適合した変換行列の形式を選択することで、変換行列算出処理での演算負荷を軽減することができる。そして、本発明では、最適な変換行列で変形テンプレートを作成することができるので、正確に対象物を検出することが可能となる。
また、このように構成された本発明によれば、カメラ運動量が大きく且つ対象物が近くにある場合は、対象物画像に扇形変形による歪みの影響があらわれるので、変換行列として射影変換行列を選択することで、対象物画像に対して正確にマッチング可能な変形テンプレートを得ることができる。
また、このように構成された本発明によれば、対象物が遠くにあっても運動量が大きい場合や、運動量が小さくても対象物が近くにある場合には、対象物画像にせん断変形による歪みの影響があらわれるので、変換行列としてアフィン変換行列を選択することで、対象物画像に対して正確にマッチング可能な変形テンプレートを得ることができる。
また、このように構成された本発明によれば、カメラ運動量が小さく且つ対象物が遠くにある場合は、対象物画像は相似変形のみを考慮すればよいので、変換行列として相似変換行列を選択することで、対象物画像に対して正確にマッチング可能な変形テンプレートを得ることができる。
本発明の車両用画像処理装置によれば、道路標識等の対象物に対する撮像手段の相対的な距離及び向きにかかわらず、演算負荷を増大させることなく、確実に対象物を認識することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は車両用画像処理装置の構成図、図2はフレーム画像撮像時の説明図、図3は図2において外界カメラで撮像されたフレーム画像、図4は基本テンプレートの説明図、図5は改変例に係るカメラ運動量の算出処理のフローチャート、図6は他の改変例に係るカメラ運動量の算出処理のフローチャート、図7は更に他の改変例に係るカメラ運動量の算出処理の説明図、図8は変形テンプレートの説明図、図9は図8の変形テンプレートによるテンプレートマッチング処理の説明図、図10は変形テンプレートの説明図、図11は図10の変形テンプレートによるテンプレートマッチング処理の説明図、図12は従来例に係る変形テンプレートの説明図、図13は車両用画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。
本実施形態の車両用画像処理装置1は、図1に示すように、外界カメラ2と、コントローラ3と、モニタ4と、測位センサ5と、車載センサ6と、地図データベース7と、距離センサ8と、固定既知データベース9とを備えている。
外界カメラ2は、CCDカメラやCMOSカメラ等の撮像手段であり、例えば車幅方向右側を向くように車両10に所定高さで搭載されている(図2参照)。この外界カメラ2は、車両右側の画像を所定のフレームレートで撮像し、撮像したフレーム画像をコントローラ3に出力するように構成されている。
モニタ4は、LCD等の表示装置であり、コントローラ3から受け取ったフレーム画像を運転者に対して表示可能に構成されている。
測位センサ5は、GPS,INS等の車両測位データを測定するために車両に搭載されたセンサであり、測位データをコントローラ3に出力する。この測位データにより、車両10及び車両10に搭載された外界カメラ2の測位変化を検出可能である。
車載センサ6は、車両速度,車両加速度,ヨー角,ロール角,ピッチ角,角速度等の車両の移動量,移動量変化を測定するために車両に搭載されたセンサであり、これらの測定データをコントローラ3に出力する。この測定データにより、車両10及び車両10に搭載された外界カメラ2の位置変化を検出可能である。
地図データベース7は、HDD等の記憶装置で構成され、測位センサ5からの測位データ等と合わせて、自車両の位置を特定するための地図データを格納し、この地図データをコントローラ3に出力する。
距離センサ8は、レーザレーダ,ミリ波レーダ,赤外線TOF装置等で構成することができ、任意の対象物までの距離データをコントローラ3に出力する。
固定既知データベース9は、HDD等の記憶装置で構成され、道路標識情報,信号機情報,ナンバープレート情報,ランドマーク情報を記憶し、これらのデータをコントローラ3に出力する。これら情報は、道路標識,信号機,ナンバープレート,ランドマークの形状や大きさ,寸法を含んでいる。
コントローラ3は、車両10内に配置されており、CPU,プログラム等を記憶したメモリ等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。コントローラ3は、外界カメラ2から受け取ったフレーム画像に対して画像認識処理を行うことにより、道路標識等の対象物を認識して、認識した対象物を含むフレーム画像をモニタ4に出力するように構成されている。
なお、対象物は、道路標識以外にも、道路案内表示,交通規制表示,渋滞情報表示,信号機,路面上のマーク,ランドマーク等であってもよい。
本実施形態では、コントローラ3は、画像取得部31,テンプレートマッチング処理部32,特徴点マッチング処理部33,カメラ運動推定部34,テンプレート作成部35,画像変換パラメータ算出部36,テンプレート変換部38を備えている。これらは、CPUがプログラムを実行することにより実現される。また、コントローラ3は、HDD等の記憶装置により構成される記憶手段であるテンプレートデータ蓄積部39を備えている。
画像取得部31は、外界カメラ2からフレーム画像を取得し、このフレーム画像を各種の処理を行うために各機能部に出力する。
テンプレート作成部35は、外界カメラ2からのフレーム画像を受け取り、このフレーム画像から道路標識等の対象物画像を切り出して、テンプレートマッチング処理のための基本テンプレートを作成し、テンプレートデータ蓄積部39に保存する。
特徴点マッチング処理部33は、受け取ったフレーム画像から基本テンプレートを作成した対象物画像領域を含む画像領域中の特徴点を抽出し、フレーム画像間の特徴点の対応付けを行う。
カメラ運動推定部34は、画像取得部31からフレーム画像,測位センサ5から測位データ,車載センサ6から測定データ,地図データベース7から地図データ,距離センサ8から距離データをそれぞれ受け取ることが可能であり、これらのデータを用いて、外界カメラ2の運動量を算出する。
3次元座標値算出部37は、カメラ運動量や距離データ等からフレーム画像中の特徴点の3次元座標値を算出する。
画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量や対象物までの距離に応じて、フレーム画像間で対応点同士を適切に対応付けて画像変換するための画像変換行列を算出する。
テンプレート変換部38は、基本テンプレートを画像変換行列によって画像変換し、変形テンプレートを作成する。
テンプレートマッチング処理部32は、フレーム画像に対して、変形テンプレートによりテンプレートマッチング処理を行って対象物を検出する。
図2は、車両10が、時刻t1から時刻t3にかけて丁字路を右折する状況を示している。時刻t1,t2,t3において、それぞれ車両10に搭載されている外界カメラ2のカメラ視野a1,a2,a3が標識20を捉えている。図3(A),(B),(C)は、それぞれ時刻t1,t2,t3におけるフレーム画像A1,A2,A3を示している。標識20は、ほぼ正方形の平板状のマーカプレートであり、標識平面には、四角枠と、その内側に縦横方向にそれぞれ等間隔で丸印が描かれている。
標識20は、時刻t1にはカメラ視野a1の水平方向の広がりの中央からやや後方に位置しておりほぼ真正面から撮像されている。フレーム画像中の標識20の外形は、ほぼ正方形である。
また、標識20は、時刻t2にはカメラ視野a2の後方で捉えられている。このとき、外界カメラ2の光軸方向と標識20の標識平面の法線方向とは約20度となっている。フレーム画像A2中の標識20の外形は、矩形に近いがやや歪んでおり菱形状となっている。
また、標識20は、時刻t3にはカメラ視野a3の後端付近で捉えられている。このとき、外界カメラ2の光軸方向と標識20の標識平面の法線方向とは約40度となっている。フレーム画像A3中の標識20の外形は、さらに歪んでおり台形状となっている。
このように、外界カメラ2と標識20の間の相対的な運動量の大きさによって、フレーム画像中において標識20の外形の見かけ上の歪み方が異なる。また、移動距離が同じであっても、外界カメラ2と標識20の間の距離が遠ければ、フレーム画像中での標識20の歪み度合は小さくなり、距離が近ければ、歪み度合は大きくなる。
次に、画像変換について説明する。
同一の対象物を異なる位置から撮像した場合、これらのフレーム画像間で適正な画像変換を行えば、画像中の対象物は相互に正確に一致する。一般に、画像変換は、射影変換,アフィン変換,相似変換,ユークリッド変換に分類される。
ユークリッド変換は、対象物を2次元の画像平面に投影した映像に対して、2次元平面上での回転と並進を考慮した変換である。相似変換は、ユークリッド変換にスケール変換(拡大縮小)を加えたものである。アフィン変換は、相似変換にせん断変形を加えたものである。せん断変形とは、正方形を菱形にするような変形である。射影変換は、アフィン変換に扇形変形を加えたものである。扇形変形では、直線性は保たれるが、平行性や直角性は保たれない。
したがって、これらは、包含関係にあり、ユークリッド変換は相似変換に含まれ、相似変換はアフィン変換に含まれ、アフィン変換は射影変換に含まれる(射影変換>アフィン変換>相似変換>ユークリッド変換)。
図2及び図3の例では、図3(B)の標識画像は、図3(A)の標識画像に対して、距離変化に応じた相似変形に加えて菱形状に変形している。このため、図3(B)の標識画像は、図3(A)の標識画像を相似変換させただけでは完全にマッチングさせることはできないが、アフィン変換すれば完全にマッチングさせることができる。
一方、図3(C)の標識画像は、図3(A)の標識画像に対して、距離変化に応じた相似変形に加えて台形状に変形している。このため、図3(C)の標識画像は、図3(A)の標識画像を相似変換又はアフィン変換させただけでは完全にマッチングさせることはできないが、射影変換すれば完全にマッチングさせることができる。
本実施形態では、このような外界カメラ2と対象物との相対的な運動量およびこれらの距離に応じて、フレーム画像での標識20の歪み度合が異なるという現象を考慮して、外界カメラ2からのフレーム画像中で、標識20等の対象物を継続的に認識することを特徴としている。このため、本実施形態では、ある時刻のフレーム画像に基づいて標識20の基本テンプレートを作成し、これ以降に受け取るフレーム画像中で、外界カメラ2と対象物との相対的な運動量およびこれらの間の距離に応じて適切な画像変換の形式を選択する。そして、選択した画像変換形式で画像変換行列を算出し、これにより基本テンプレートを変形し、得られた変形テンプレートを用いてデータマッチング処理により対象物を継続的に認識する。
ここで、運動量の大小は、外界カメラ2と対象物との間の単純な相対的移動距離の大小で判断するのではなく、運動量が小さいとは、並進運動が小さく且つ回転運動も小さいことであり、運動量が大きいとは、並進運動が大きいか、又は回転運動が大きいことである。また、運動量は、対象とする2枚のフレーム画像間での相対的な運動量である。したがって、例えば、車両10が低速走行していても、外界カメラ2のフレームレートが低かったり、フレーム間隔を大きく開けたりしたフレーム画像間では、運動量が大きくなる。
次に、画像変換の選択について説明する。
本実施形態では、後述するように、画像変換として相似変換,アフィン変換,射影変換のいずれかを択一的に選択して、選択した画像変換により算出した変換行列によって基本テンプレートを変形して変形テンプレートを算出する。
2つの画像平面での相似変換行列Hsは、一般に、次の3×3行列の式で表すことができ、回転角θと、並進成分(Tx,Ty)と、スケールファクタsが特定されれば決定されるから、自由度は4である。
Figure 0004655242
また、同様にアフィン変換行列Haは、せん断変形行列をDとすると、Ha=HsDで表される3×3行列である。せん断変形行列は、回転角τと、x方向に関する拡大(縮小)率σが特定されれば決定される。したがって、アフィン変換行列Haは自由度6である。式(2)中、hijは変数である。
Figure 0004655242
Figure 0004655242
また、同様に射影変換行列Hpは、扇形変形行列をBとすると、Hp=HaBで表される3×3行列である。扇形変形行列の自由度は2である。したがって、射影変換行列Hpは自由度8である。式(4),(5)中、hij及びα,βは変数である。
なお、射影変換行列Hpには、9つの要素hijがあるが、すべての要素を定数倍してもまったく同じ変換を表すので、自由度は8である。
Figure 0004655242
Figure 0004655242
したがって、最も演算負荷が軽いのは相似変換であり、最も演算負荷が重いのは射影変換であり、アフィン変換はこれらの間の演算負荷となる。射影変換は、上述のように他の変換を包含するものであるから、すべての変換を射影変換に設定することで、上述の運動量及び距離にかかわらず、テンプレートマッチングが可能となる。しかしながら、この場合、演算負荷が常に大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、テンプレートマッチングが可能な変換のうち、最も演算負荷が軽い変換を選択するように構成されている。
撮像する状況(外界カメラ2と対象物との関係)としては、以下の4つのシーン1−4が考えられる。シーン1は、外界カメラ2及び対象物が共に静止状態である場合である。シーン2は、外界カメラ2が移動状態で、対象物が静止状態である場合である。シーン3は、外界カメラ2が静止状態で、対象物が移動状態である場合である。シーン4は、外界カメラ2及び対象物が共に移動状態である場合である。
シーン1の場合は、連続するフレーム画像間で対象物に位置変化がないので、完全なテンプレートマッチングが可能となる。
シーン2の場合は、外界カメラ2の運動量が小さく外界カメラ2と対象物との距離が遠いときは、せん断変形や扇形変形の影響が小さいので相似変換が選択される。また、運動量は小さいが距離が近いとき及び運動量は大きいが距離が遠いときは、せん断変形の影響はあらわれるが、扇形変形の影響は小さいのでアフィン変換が選択される。また、運動量が大きく距離が近いときは、扇形変形の影響があらわれるので射影変換が選択される。
シーン2とシーン3は、外界カメラ2と対象物の間の相対的な運動において、外界カメラ2が移動するか、対象物が移動するかの相違であるので、基本的には同一視することができる。したがって、シーン3の場合は、対象物の運動量が小さく外界カメラ2と対象物との距離が遠いときは相似変換が選択され、運動量は小さいが距離が近いとき及び運動量は大きいが距離が遠いときはアフィン変換が選択され、運動量が大きく距離が近いときは射影変換が選択される。
シーン4の場合は、外界カメラ2の運動量を算出して、これに基づいて画像を修正して、外界カメラ2が静止して撮像した場合と同じような画像に変換する。その後、シーン3の場合の外界カメラ2が静止状態で、対象物が移動する場合に当てはめることで処理することができる。
以下では、理解の容易のため代表的にシーン2について説明する。
次に、外界カメラ2の運動量と、外界カメラ2と撮影対象物との距離の算出処理について説明する。
本実施形態のコントローラ3では、カメラ運動推定部34が、例えば、時刻t1,時刻t2において測位センサ5から測位データを受け取り、測位データの時間変化から外界カメラ2の運動量、すなわち3軸の回転運動成分Rと並進運動成分tを算出する。
また、これ以外にも、車速センサ,角度センサ及び加速度センサ等の車載センサ6によるデッドレコニングにより外界カメラ2の運動量を算出するようにコントローラ3を構成してもよい。
また、カメラ運動推定部34は、距離センサ8からの距離データに基づいて、対象物までの距離を算出することができる。
また、これ以外にも、例えば時刻t1での対象物の特徴点の3次元座標値を他の処理で算出していた場合には、カメラ運動推定部34が、上述のように算出した外界カメラ2の運動量に基づいて、その特徴点の時刻t2における3次元座標値を算出するように構成してもよい。これにより、カメラ運動推定部34は、算出した3次元座標値から対象物までの距離を算出することができる。
また、更なる改変例として、画像処理による方法、距離データを利用する方法、既知情報を利用する方法により、運動量を算出するように構成してもよい。
図5に示すように、画像処理による方法では、例えば8点アルゴリズムを利用して運動量を算出することができる。この処理では、コントローラ3は、まず、例えば時刻t1にフレーム画像A1を受け取った後、時刻t2にフレーム画像A2を受け取ると、これらの画像中から静止物ではない移動体画像領域を分離する(ステップS1)。
そして、コントローラ3は、移動体を分離したフレーム画像から公知の手法で特徴点を抽出する(ステップS2)。特徴点を抽出する方法として、Harrisオペレータ,SUSANオペレータ,Foerstnerオペレータ,Sojkaオペレータ,SIFT等を用いることができる。
コントローラ3は、特徴点をそれぞれのフレーム画像で抽出すると、公知の手法で8点以上の特徴点をフレーム画像間でマッチングさせる処理を行う(ステップS3)。特徴点を対応付ける方法としては、輝度相関,輝度勾配相関,位相限定相関,特徴量相関,SIFTの相関等による方法を用いることができる。
そして、コントローラ3は、8点以上の対応する特徴点及び既知の内部カメラパラメータ等に基づいて、基礎行列及び基本行列を算出し、基本行列を特異値分解法等によって解くことにより、外界カメラ2の回転運動成分Rと並進運動成分tを推定する(ステップS4)。なお、スケールの決定については、フレーム画像から道路平面を検出して、外界カメラ2の設置高さに基づいてスケールを決定してもよいし、距離センサ8等の距離データを使用してもよい。
また、図6に示すように、距離データを利用する方法では、コントローラ3は、例えば時刻t1にフレーム画像A1を受け取った後、時刻t2にフレーム画像A2を受け取ると、これらフレーム画像中から3点以上の対応する特徴点を抽出し、各時刻における距離センサ8からの距離データ及び既知の焦点距離fに基づいて特徴点までの距離を取得すると共に、これら特徴点の3次元座標を算出する(ステップS11)。
そして、コントローラ3は、この3点以上の特徴点の3次元座標から、フレーム画像間(カメラ座標系間)における特徴点の座標変換行列を算出し、これに基づいて外界カメラ2の回転運動成分Rと並進運動成分tを推定する(ステップS12)。
また、図7に示すように、既知情報を利用する方法では、コントローラ3は、予め寸法が分かっている標識等の長さ情報を利用する。この既知情報は、固定既知データベース9に記憶されているものである。図7の例では、縦横それぞれ60cmであると分かっている標識がフレーム画像A1及びA2に捉えられている場合を示している。時刻t1におけるカメラ座標系をC1(Xc1,Yc1,Zc1)、時刻t2におけるカメラ座標系をC2(Xc2,Yc2,Zc2)とする。標識上の空間点P(X,Y,Z)は、各画像平面において、画像座標値m1(u1,v1),m2(u2,v2)として認識される。
この場合、画像平面上での標識画像の各辺の長さは、実際には60cmに相当する。したがって、コントローラ3は、既知の焦点距離fをも利用して、相似の関係から、3点以上の3次元座標を算出することができる。これにより、上述の他の方法と同様の処理により、外界カメラ2の回転運動成分Rと並進運動成分tを算出することができる。
次に、変換行列の算出処理について説明する。
まず、射影変換行列については、画像変換パラメータ算出部36は、外界カメラ2の運動量(回転R,並進t)と少なくとも1点の特徴点までの距離から算出する。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも3点の3次元座標値から射影変換行列を算出してもよい。このとき、上述のように射影変換行列の自由度は8であるから、少なくとも3点の3次元座標値において3軸成分がそれぞれ対応するので少なくとも9つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも4点の画像座標値から射影変換行列を算出してもよい。このとき、少なくとも4点の画像座標値において2軸成分がそれぞれ対応するので少なくとも8つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値から射影変換行列を算出してもよい。
また、アフィン変換行列については、画像変換パラメータ算出部36は、外界カメラ2の運動量(回転R,並進t)から算出する。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも2点の3次元座標値からアフィン変換行列を算出してもよい。このとき、上述のようにアフィン変換行列の自由度は6であるから、少なくとも2点の3次元座標値において少なくとも6つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも3点の画像座標値からアフィン変換行列を算出してもよい。このとき、少なくとも3点の画像座標値において少なくとも6つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、射影変換行列の算出と同様に、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値からアフィン変換行列を算出してもよい。
また、相似変換行列については、画像変換パラメータ算出部36は、外界カメラ2の運動量(回転R,並進t)から算出する。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも2点の3次元座標値から相似変換行列を算出してもよい。このとき、上述のように相似変換行列の自由度は4であるから、少なくとも2点の3次元座標値において少なくとも6つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも2点の画像座標値から相似変換行列を算出してもよい。このとき、少なくとも2点の画像座標値において少なくとも4つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、射影変換行列の算出と同様に、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値から相似変換行列を算出してもよい。
なお、変換行列を算出する際に用いる特徴点は、フレーム画像中の対象物内の特徴点であってもよいし、対象物内の特徴点でなくてもよい。すなわち、フレーム画像中の任意の対応する特徴点を用いて算出された変換行列は、後述する基本テンプレートの変形にも適用することができる。
アフィン変換行列,相似変換行列については、上述のように、回転角と並進成分を含む行列であるため、外界カメラ2の運動が分かれば算出することができる。なお、スケールファクタ,拡大(縮小)率は外界カメラ2の移動量の大きさから推定してもよいし、距離センサ8等の測定データを用いて算出してもよい。このように、これら変換行列は、カメラ運動から算出できるものであり、異なる時刻についての画像平面から画像平面への変換であるから、画像平面全体に共通する変換である。よって、対象物毎に変換行列を算出する必要はない。
射影変換行列については、上述のように、回転角と並進成分に加え、変数α,βを含んでいるため、カメラ運動のみでは決定することができない。
図7を参照して、カメラ座標系C1において、対象物までの距離Zc1が既知であるとすると、時刻t1におけるフレーム画像A1から読取った対象物の画像座標値m1(u1,v1)と、既知の3×3行列で表される内部カメラパラメータAから、以下に示すように、画像平面座標値(x1,y1)を求めることができる。さらに、点Pの3次元座標値Xc1,Yc1も算出することができる。
Figure 0004655242
Figure 0004655242
運動量(回転運動成分R,並進運動成分T)が与えられると、3次元座標値(Xc1,Yc1,Zc1)は、以下の式によりカメラ座標系C2の3次元座標値(Xc2,Yc2,Zc2)に変換することができる。
Figure 0004655242
さらに、画像座標値(u2,v2)に対応する画像平面座標値(x2,y2),及び画像座標値(u2,v2)は、以下のように表される。なお、カメラ座標系C2における対象物までの距離をZc2とする。
Figure 0004655242
Figure 0004655242
式6乃至式8は、以下の式11に書き換えることができる。
Figure 0004655242
また、式9及び式10は、以下の式12に書き換えることができる。
Figure 0004655242
さらに、式11と式12をまとめると以下の式13が得られる。
Figure 0004655242
式13では、右辺の第1行列の4行目が(0,0,0,1)であり、4列目が(0,0,0,1)Tである。よって、式13は3×3行列と考えることができ、式14のように表すことができる。
Figure 0004655242
このように、射影変換行列については、運動量(回転角,並進成分)と、対象物までの距離を用いて算出することができる。このように、変換行列の算出に距離データを用いているが、式14の導出過程で、カメラ座標系C1の距離Zc1を乗算し、カメラ座標系C2の距離Zc2で除していることから、距離の絶対値ではなく距離の比が用いられることになる。そして、この変換行列は、異なる時刻についての画像平面から画像平面への変換を行うものであるから、画像平面全体に共通する変換である。よって、対象物毎に変換行列を算出する必要はない。
次に、本実施形態におけるマッチング処理について説明する。
まず、コントローラ3が、画像取得部31で外界カメラ2からフレーム画像A1を受け取り、これをテンプレート作成部35に出力すると、テンプレート作成部35は、図4に示すように、このフレーム画像A1から標識20を含む画像領域を切り出して基本テンプレート22を作成する。作成された基本テンプレート22は、テンプレートデータ蓄積部39に記憶される。なお、図4では、理解の容易のため、基本テンプレート22に丸印を縦横方向に繋いだ線分を付加している。
そして、コントローラ3が、外界カメラ2からフレーム画像A2を受け取ると、外界カメラ2の運動量と対象物と推定される標識20までの距離に応じて、画像変換パラメータ算出部36は変換行列を算出する。
時刻t2では、時刻t1から時刻t2までの外界カメラ2の運動量が小さく、標識20までの距離が近いので、画像変換パラメータ算出部36は、アフィン変換行列の形式、すなわち、式2に示すように6つの変数を算出して、変換行列を導出する。
変換行列が導出されると、図8に示すように、テンプレート変換部38は、この変換行列を用いて、基本テンプレート22を変形して変形テンプレート23aを作成する。なお、図8等には直交するx軸,y軸が付加的に描かれている。また、図8等に示す変形テンプレートでは、理解の容易のため、外形,枠及び丸印を縦横方向に繋いだ線分のみで示している。
変形テンプレート23aが作成されると、図9に示すように、テンプレートマッチング処理部32は、変形テンプレート23aを用いて、フレーム画像A2でテンプレートマッチング処理して、所定の一致度がある画像領域を対象物として検出する。図9(A)に示すように、テンプレートマッチング処理は、変形テンプレート23aをフレーム画像A2中で、1画素ずつずらしながら画面全体を走査し、例えば輝度の分布の相関を計算する。そして、相関が所定値よりも高い画像領域が対象物として検出される。
この場合には、図9(A)のフレーム画像A2のうち、図9(B)に示す画像領域24aと、変形テンプレート23aとが、高い相関度で一致するため、この画像領域24aが対象物と認識される。
また、コントローラ3が、外界カメラ2からフレーム画像A3を受け取ると、外界カメラ2の運動量と対象物である標識20までの距離に応じて、画像変換パラメータ算出部36は、変換行列を算出する。
時刻t3では、時刻t1から時刻t3までの外界カメラ2の運動量が大きく、標識20までの距離が近いので、画像変換パラメータ算出部36は、射影変換行列の形式、すなわち、式4に示すように9つの変数を算出して、変換行列を導出する。
変換行列が導出されると、図10に示すように、テンプレート変換部38は、この変換行列を用いて、基本テンプレート22を変形して変形テンプレート23bを作成する。
変形テンプレート23bが作成されると、テンプレートマッチング処理部32は、変形テンプレート23bを用いて、フレーム画像A3でテンプレートマッチング処理して、所定の一致度がある画像領域を対象物として検出する。
この場合には、フレーム画像A3のうち、図11(A)に示す画像領域24bと、変形テンプレート23bとが高い相関度で一致するため、この画像領域24bが対象物と認識される。
なお、従来との比較のため、図12に、同図(A)の基本テンプレート22に対して、これを縮小変形した縮小テンプレート30a(同図(B)),拡大変形した拡大テンプレート30b(同図(C)),回転変形した回転テンプレート30c(同図(D)),回転及び縦横比を変形した変形テンプレート30d(同図(E))を示す。
これら変形テンプレート30a−30dを例えばフレーム画像A3に適用した場合を考える。フレーム画像A3中の画像領域24bでは、標識20は台形状に歪んでいる。このため、変形テンプレート30a−30dのように標識の上辺と下辺及び左辺と右辺がそれぞれ平行であると、画像領域24bと高い相関度で一致させることができず、対象物を認識することができない。
次に、図13に基づいて、本実施形態の車両用画像処理装置1の処理フローについて説明する。
この処理は、コントローラ3によって所定間隔で繰り返し行われる。まず、コントローラ3の画像取得部31は、外界カメラ2から車両10の外部を撮像したフレーム画像を受け取る(ステップS21)。そして、画像取得部31は、今回の処理で受け取ったフレーム画像が基準画像(第1画像)であるか否かを判定する(ステップS22)。画像取得部31は、例えば撮像開始時に始めてフレーム画像を受け取ったときに、そのフレーム画像を基準画像と判定する。
受け取ったフレーム画像が基準画像である場合(ステップS22;Yes)、画像取得部31はこのフレーム画像を特徴点マッチング処理部33,カメラ運動推定部34,及びテンプレート作成部35に出力する。テンプレート作成部35は、このフレーム画像中から標識等の任意の対象物についての画像領域を抽出し、基本テンプレートを作成し(ステップS23)、処理を終了する。
一方、受け取ったフレーム画像が基準画像でない場合(ステップS22;No)、画像取得部31は、このフレーム画像を特徴点マッチング処理部33,カメラ運動推定部34,及びテンプレート作成部35に出力する。特徴点マッチング処理部33は、基準画像の特徴点と今回の処理で受け取ったフレーム画像の特徴点をマッチング処理し、特徴点の対応付けを行う。カメラ運動推定部34は、距離センサ8等の測定データ等を用いて、今回受け取ったフレーム画像から基本テンプレートを作成した対象物と推定される画像領域中の特徴点までの距離を算出する(ステップS24)。
また、カメラ運動推定部34は、車載センサ6の測定データ等を用いて、基準画像を取得した時点から今回のフレーム画像を受け取った時点までのカメラ運動量を算出し、3次元座標値算出部37は、カメラ運動量や距離データから特徴点の3次元座標値を算出する(ステップS25)。
画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量,対象物までの距離,3次元座標値を取得し、カメラ運動量が所定の設定運動量よりも大きく且つ対象物までの距離が設定距離以下であるか否かを判定する(ステップS26)。本実施形態では、外界カメラ2の焦点距離fが8mm,フレームレートが30fpsであり、カメラ設定運動量がヨー角で20度の回転又は1mの並進運動、設定距離が50mに設定されている。なお、これら設定運動量,設定距離は、任意に設定することができる。
カメラ運動量が設定運動量よりも大きく且つ対象物までの距離が設定距離以下である場合(ステップS26;Yes)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量,特徴点までの距離,3次元座標値等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像への射影変換行列を算出する(ステップS29)。
一方、カメラ運動量が設定運動量以下か、対象物までの距離が設定距離よりも大きい場合(ステップS26;No)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量が所定の設定運動量以下且つ対象物までの距離が設定距離以下であるか否かを判定する(ステップS27)。
カメラ運動量が設定運動量以下且つ対象物までの距離が設定距離以下である場合(ステップS27;Yes)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像へのアフィン変換行列を算出する(ステップS30)。
一方、カメラ運動量が設定運動量よりも大きいか、対象物までの距離が設定距離よりも大きい場合(ステップS27;No)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量が所定の設定運動量よりも大きく且つ対象物までの距離が設定距離よりも大きいか否かを判定する(ステップS28)。
カメラ運動量が設定運動量以下よりも大きく且つ対象物までの距離が設定距離よりも大きい場合(ステップS28;Yes)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像へのアフィン変換行列を算出する(ステップS31)。
一方、カメラ運動量が設定運動量以下か、対象物までの距離が設定距離以下である場合(ステップS28;No)、カメラ運動量が設定運動量以下且つ対象物までの距離が設定距離よりも大きいので、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像への相似変換行列を算出する(ステップS32)。
テンプレート変換部38は、画像変換パラメータ算出部36が算出した画像変換行列により、基本テンプレート画像を画像変換して、変形テンプレートを作成する(ステップS33)。そして、テンプレートマッチング処理部32は、変形テンプレートを用いて、今回の処理で受け取ったフレーム画像に対してテンプレートマッチング処理を行って(ステップS32)、処理を終了する。これにより、コントローラ3は、今回受け取ったフレーム画像において、基本テンプレートで特定される対象物を検出することができる。
なお、上記実施形態では、フレーム画像中の対象物を1つのみとして説明したが、これに限らず、対象物が複数あってもよい。対象物が複数ある場合は、これに応じて基本テンプレートが同数だけ作成される。そして、任意の対象物に対して画像変換行列を算出した場合には、その画像変換行列を他の対象物についての基本テンプレートの変形に使用することができる。
以上のように、本実施形態では、カメラ運動量の大小及び対象物と外界カメラ2までの距離の遠近を考慮して、対象物の見かけ上の変化に対応し且つ演算負荷の小さい最適な画像変換行列を選択するように構成されている。そして、本実施形態では、選択した画像変換行列を算出し、これにより基本テンプレートを画像変換して変形テンプレートを作成し、この変形テンプレートを用いてテンプレートマッチング処理を行う。これにより、本実施形態では、従来においてマッチングさせることができなかったあらゆる回転等による見かけ上の歪みを含む画像に対しても、マッチング処理を行うことができ、確実に対象物を認識することができると共に、演算負荷を重くすることなく高速に処理することができる。
本発明の実施形態による車両用画像処理装置の構成図である。 本発明の実施形態によるフレーム画像撮像時の説明図である。 図2において外界カメラで撮像されたフレーム画像である。 本発明の実施形態による基本テンプレートの説明図である。 本発明の実施形態の改変例に係るカメラ運動量の算出処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の他の改変例に係るカメラ運動量の算出処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の更に他の改変例に係るカメラ運動量の算出処理の説明図である。 本発明の実施形態による変形テンプレートの説明図である。 図8の変形テンプレートによるテンプレートマッチング処理の説明図である。 本発明の実施形態による変形テンプレートの説明図である。 図10の変形テンプレートによるテンプレートマッチング処理の説明図である。 従来例に係る変形テンプレートの説明図である。 本発明の実施形態による車両用画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。
符号の説明
1 車両用画像処理装置
2 外界カメラ
3 コントローラ
4 モニタ
5 測位センサ
6 車載センサ
7 地図データベース
8 距離センサ
9 固定既知データベース
10 車両
20 標識
22 基本テンプレート
23a,23b 変形テンプレート
24a,24b 画像領域
a1,a2,a3 カメラ視野
A1,A2,A3 フレーム画像

Claims (1)

  1. 車両用画像処理装置であって、
    車両に搭載され、第1時間に車両周囲の対象物を含む第1画像を撮像し、第1時間から所定時間経過した第2時間に車両周囲の前記対象物を含む第2画像を撮像する撮像手段と、
    前記対象物に対する前記撮像手段の相対的な運動量を算出する運動量算出手段と、
    前記対象物と前記撮像手段との間の距離を算出する距離算出手段と、
    前記第1画像に基づいて、この第1画像中にある対象物の基本テンプレートを作成する基本テンプレート作成手段と、
    前記第1画像の対象物を前記第2画像の対象物へ画像変換するための変換行列を算出する変換行列算出手段と、
    前記基本テンプレートを前記変換行列で変形して、変形テンプレートを作成する変形テンプレート作成手段と、
    前記変形テンプレートを用いて、前記第2画像に対しテンプレートマッチング処理を行い、前記対象物を検出するマッチング手段と、を備え、
    前記変換行列算出手段は、前記運動量算出手段が算出した前記運動量の大きさ,及び前記距離算出手段が算出した第2時間における前記距離に応じて、相似変換行列,アフィン変換行列,および射影変換行列の中から選択したいずれか1つの形式で、前記変換行列を算出するように構成され、
    前記変換行列算出手段は、前記運動量が所定の設定運動量より大きく且つ前記距離が所定の設定距離以下である場合に、前記変換行列を射影変換行列の形式で算出し、
    前記変換行列算出手段は、前記運動量が前記設定運動量以下且つ前記距離が前記設定距離以下である場合,及び前記運動量が前記設定運動量より大きく且つ前記距離が前記設定距離よりも大きい場合に、前記変換行列をアフィン変換行列の形式で算出し、
    前記変換行列算出手段は、前記運動量が前記設定運動量以下且つ前記距離が前記設定距離よりも大きい場合に、前記変換行列を相似変換行列の形式で算出することを特徴とする車両用画像処理装置。
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