JP4654992B2 - 機械式駐車装置における車両の車輪判別方法及び車輪判別装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のように駐車場係員に車両の判別を任せる手法は、機械式駐車装置を運転する際の無人化(少人数化)を促進する際の妨げとなり、かつ、係員の判断ミスを誘発するおそれもあった。また、キャリヤ等の付属物を装着した車両については、駐車室の選択が難しい等、機械式駐車装置の運用効率を悪化させることとなった。かかる問題を解決すべく、本出願人は、車種判別エリアを通過する車両の車種を、正確かつ迅速に判別することが可能な、車種判別装置を開発している(例えば、特許文献1参照。)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車種判別エリアを車両が斜めに進入するような場合であっても、機械式駐車装置における車両の車輪判別を正確かつ迅速に行い、車種の判別精度を高めることにある。
そして、車輪検知センサにより得られる車輪検知信号のうち、車輪検知センサを先に通過する車輪の検知開始時間とその直後に通過する車輪の検知開始時間との時間差を、先に通過する車輪の検知時間長で除した値が、基準値未満であるとき、車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にあると判断することで、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合であっても、左右前輪の位置を前後輪の位置として誤認する等、測定基準となる車輪の位置が正確に特定されず、誤った車種判別がなされることがなく、同一車軸上の左右前輪又は左右後輪の位置を正確に把握することができる。
本発明によれば、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合であっても、機械式駐車装置への駐車が不可能な、前後輪の大きさが異なる車両を把握して、機械式駐車装置への誤進入を確実に防ぐことが可能となる。
本発明によれば、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合において、前記車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にあると判断されない場合は、前後車軸の、左右の車輪の位置を正確に把握することができないことから、入庫に不適切な車輪配置であると判断し、車体の各部寸法の把握が不確実となる車両の、機械式駐車装置への誤進入を確実に防ぐことが可能となる。
そして、判別手段では、車輪検知センサにより得られる車輪検知信号のうち、車輪検知センサを先に通過する車輪の検知開始時間とその直後に通過する車輪の検知開始時間との時間差を、先に通過する車輪の検知時間長で除した値が、基準値未満であるとき、車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にあると判断することで、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合であっても、左右前輪の位置を前後輪の位置として誤認する等、測定基準となる車輪の位置が正確に特定されず、誤った車種判別がなされることがなく、同一車軸上の左右前輪又は左右後輪の位置を正確に把握することができる。
本発明によれば、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合であっても、判別手段において、機械式駐車装置への駐車が不可能な、前後輪の大きさが異なる車両を把握して、機械式駐車装置への誤進入を確実に防ぐことが可能となる。
本発明によれば、検知エリアに対し車両が斜めに通過する場合において、車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にあると判断されない場合は、前後車軸の、左右の車輪の位置を正確に把握することができないことから、判別手段において、入庫に不適切な車輪配置であると判断し、車体の各部寸法の把握が不確実となる車両の、機械式駐車装置への誤進入を確実に防ぐことが可能となる。
図1及び図2に示される、機械式駐車装置の車種検知エリア10には、本発明の実施の形態に係る車体底部の突起物の検知装置が設けられている。この車種検知エリア10は、車両12が自走によって矢印F方向に進入するものである。そして、車種検知エリア10の入り口寄りの場所には、最低地上高検知装置14、車高検知装置16、車両後端検知装置18、車幅検知装置20が設けられている。更に、車種検知エリア10の出口に向かって、入庫ボタンボックス22、車両前端検知装置24、行先案内灯26、カーゲート28が設けられている。なお、車両後端検知装置18及び車両前端検知装置24は、車体長さの検知手段を構成するものである。上記各検知装置のうち、最低地上高検知装置14、車高検知装置16、車両後端検知装置18、車両前端検知装置24には、透過型光電センサが用いられており、車幅検知装置20には、超音波センサが用いられている。なお、上記構成は、従来技術(特許文献1)も同様である。
そして、最低地上高検知装置14及び判別手段30により、本発明の実施の形態に係る、車両の車輪判別装置32が構成されている。判別手段30は、電子計算機により構成され、図示の例では独立したブロックとして模式的に示されているが、車種判別装置の一部として組み込まれていても良く、又、機械式駐車装置の制御システムに含まれるものであっても良い。
〔I−α〕:{(車輪382の検知開始時刻)−(車輪381の検知開始時刻)}/(車輪381の検知時間長)<1.0
車輪検知センサ34を先に通過する車輪381の検知信号及びその直後に通過する車輪382の検知信号から、二つの車輪381、382が同一車軸上にあると判定するための条件である。二つの車輪381、382が同一車軸上にあれば、車種検知エリア10を車両12が斜めに通過する場合であっても、二つの車輪381、382は互いに近い位置にあり、両車輪の検知開始時刻の時間差も小さくなることに着目したものである。
〔I−β〕:{(車輪384の検知開始時刻)−(車輪383の検知開始時刻)}/(車輪383の検知時間長)<1.0
車輪検知センサ34を先に通過する車輪383の検知信号及びその直後に通過する車輪384の検知信号から、二つの車輪383、384が同一車軸上にあると判定するための条件である。二つの車輪383、384が同一車軸上にあれば、車種検知エリア10を車両12が斜めに通過する場合であっても、二つの車輪383、384は互いに近い位置にあり、両車輪の検知開始時刻の時間差も小さくなることに着目したものである。
〔II−γ〕:0.6<{(車輪383の検知時間長)/(車輪381の検知時間長)}<3.0
前後の車輪の大きさが同じであると判定するための条件である。この値が0.6以下である場合には、後に検知された部分は車輪以外の突起物と判断される。又、この値が3.0以上である場合には、後に検出された車輪が、前輪より大きいか、若しくは車輪以外の突起物であると判断される。
〔III〕:車体長さの検知中に、〔I−α〕、〔I−β〕の何れの条件も満たされる。
検知された車輪が一台の車両に設けられていると判定するための条件である。
なお、上記判定条件中の数値は、発明者らが、実験により各判定に適した値を割出したものである。
(10)車両12が、車輪検知センサ34に対し斜めに進入する。
(20)図5の(A)に示されるように、車両12の一方の前輪381が車輪検知センサ34の透過光Lを遮断し、車輪検知センサ34の検知信号がONとなる。このとき、車輪検知センサ34が地表面近傍に配置されていることから、透過光Lが車輪382に遮られること無く、車輪381の全体のうち車輪381が実際に接地する範囲に近い部分381aのみを、確実に検知することができる(他の車輪382、383、384についても同様である。)。そして、前輪381が車輪検知センサ34の位置を通り過ぎると、車輪検知センサ34の検知信号はOFFとなる(又は、非検知信号がONとなる。以下同様。)。
(30)続いて、図5の(B)に示されるように、車両12のもう一方の前輪382が車輪検知センサ34の透過光Lを遮断し、車輪検知センサ34の検知信号が再びONとなる。そして、前輪382が車輪検知センサ34の位置を通り過ぎると、車輪検知センサ34の検知信号はOFFとなる。
(40)ここで、判定基準〔I−α〕を満たさない場合には、判別手段30は、車両12が入庫に不適切と判定する。一方、判定基準〔I−α〕を満たす場合には、車輪判別作業を続行する。
(60)ここで、判定基準〔II−γ〕を満たさない場合には、判別手段30は、車両12が入庫に不適切と判定する。一方、判定基準〔II−γ〕を満たす場合には、車輪判別作業を続行する。
(70)図6の(D)に示されるように、車両12のもう一方の後輪384が車輪検知センサ34の透過光Lを遮断し、車輪検知センサ34の検知信号がONとなる。そして、後輪384が車輪検知センサ34の位置を通り過ぎると、車輪検知センサ34の検知信号はOFFとなる。
(80)ここで、判定基準〔I−β〕を満たさない場合には、判別手段30は、車両12が入庫に不適切と判定する。一方判定基準〔I−β〕を満たす場合には、続くステップ(90)へと移行する。
(90)ここで、判定基準〔III〕を満たさない場合には、判別手段30は、車両12が入庫に不適切と判定する。
(100)ステップ(90)において、判定基準〔III〕を満たす場合には、判別手段30は、車両12の車輪配置が入庫に適切な配置であり、車輪配置OKと判定する。
まず、本発明の実施の形態によれば、地表面GL近傍に、透過光Lが車幅方向へと照射されるようにして、透過型光電センサからなる車輪検知センサ34が配置されることで、車輪38全体のうち、車輪38が実際に接地する範囲に近い部分381a、382a、383a、384aのみを、確実に検知することができる。
そして、判別手段30では、車輪検知センサ34により得られる車輪検知信号のうち、車輪検知センサ34を先に通過する車輪381(又は383)の検知開始時間とその直後に通過する車輪382(又は384)の検知開始時間との時間差を、先に通過する車輪381(又は383)の検知時間長で除した値が基準値(1.0)未満であるとき、車輪検知センサ34を先に通過する車輪381(又は383)とその直後に通過する車輪382(又は384)とが同一車軸上にある左右前輪381及び382、又は、左右後輪383及び384と判断する。これにより、検知エリア10に対し車両12が斜めに通過するような場合であっても、同一車軸上の左右の車輪の位置を、正確に把握することができる。
すなわち、検知エリア10に対し車両12が斜めに通過する場合において、車輪検知センサ34を先に通過する車輪381(又は383)とその直後に通過する車輪382(又は384)とが同一車軸上にあると判断されない場合、例えば、車輪381を前輪、車輪382を後輪と判断してしまう場合には、前後車軸の、左右の車輪の位置を正確に把握することができないことから、入庫に不適切な車輪配置であると判断し、車体の各部寸法の把握が不確実となる車両の、機械式駐車装置への誤進入を確実に防ぐものである。
Claims (8)
- 機械式駐車装置の検知エリアを通過する車両の、車輪を検知する方法であって、
地表面近傍に、透過光が車幅方向へと照射されるようにして、透過型光電センサからなる車輪検知センサを配置し、
該車輪検知センサにより得られる車輪検知信号のうち、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知開始時間とその直後に通過する車輪の検知開始時間との時間差を、先に通過する車輪の検知時間長で除した値が、基準値未満であるとき、前記車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが、同一車軸上にある左右前輪又は左右後輪と判断することを特徴とする機械式駐車装置における車両の車輪判別方法。 - 前記検知エリアに車体長さの検知手段を設け、車体長さの検知中に、前記車輪検知センサにより得られる、車輪検知センサを先に通過する車輪の検知信号及びその直後に通過する車輪の検知信号が2セット得られ、なおかつ、1セット目の検知で得られる、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知時間長と、2セット目の検知で得られる、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知時間長との比が、所定範囲内にあるとき、前記検知エリアを通過する車両の、前後輪の大きさが同一であると判断することを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別方法。
- 前後輪の大きさが同一であると判断される場合を除き、前記検知エリアを通過する車両は、入庫に不適切な車輪配置であると判断することを特徴とする請求項2記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別方法。
- 前記2セットの車輪検知信号の何れからも、前記車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にある左右前輪又は左右後輪と判断される場合を除き、前記検知エリアを通過する車両は、入庫に不適切な車輪配置であると判断することを特徴とする請求項2又は3記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別方法。
- 機械式駐車装置の検知エリアを通過する車両の、車輪を検知する装置であって、
地表面近傍に、透過光が車幅方向へと照射されるようにして、透過型光電センサからなる車輪検知センサが配置され、かつ、
該車輪検知センサにより得られる車輪検知信号のうち、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知開始時間とその直後に通過する車輪の検知開始時間との時間差を、先に通過する車輪の検知時間長で除した値が、基準値未満であるとき、前記車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にある左右前輪又は左右後輪と判断する処理ロジックが含まれる判別手段を備えることを特徴とする機械式駐車装置における車両の車輪判別装置。 - 前記検知エリアに車体長さの検知手段が設けられており、前記判別手段には、車体長さの検知中に、車輪検知センサを先に通過する車輪の検知信号及びその直後に通過する車輪の検知信号が2セット得られ、なおかつ、1セット目の検知で得られる、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知時間長と、2セット目の検知で得られる、前記車輪検知センサを先に通過する車輪の検知時間長との比が、所定範囲内にあるとき、前記検知エリアを通過する車両の、前後輪の大きさが同一であると判断する制御ロジックが含まれることを特徴とする請求項5記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別装置
- 前記判別手段には、前後輪の大きさが同一であると判断される場合を除き、前記検知エリアを通過する車両は、入庫に不適切な車輪配置であると判断する制御ロジックが含まれることを特徴とする請求項6記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別装置。
- 前記判別手段には、前記2セットの車輪検知信号の何れからも、前記車輪検知センサを先に通過する車輪とその直後に通過する車輪とが同一車軸上にある左右前輪又は左右後輪と判断される場合を除き、前記検知エリアを通過する車両は、入庫に不適切な車輪配置であると判断する制御ロジックが含まれることを特徴とする請求項6又は7記載の機械式駐車装置における車両の車輪判別装置。
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