本発明の実施形態を以下の実施例に従って説明する。
図1〜3は、第一実施例のスロットマシン1を示したものである。スロットマシン1は、正面矩形状をなす遊技機本体11を備え、その内部に、個別に前方回転する三つの回転リール3a,3b,3cが横並びに設けられている。そして、その回転リール3a,3b,3c前面の一部が、遊技機本体11の前面板11aに形成された三つの表示窓6a,6b,6cから視認可能となっている。この回転リール3a〜3cは、遊技機本体11に内蔵された回胴装置20(図4参照)に連繋されており、該回胴装置20により前方へ回転するようになっている。また、回転リール3a〜3cの外周面には、周方向に沿って複数種類の図柄が所定順序で配設されている。
また、三つの表示窓6a,6b,6cが配設された前面板11aの下方前面には、左側から、スタート操作部5、左停止操作部4a、中停止操作部4b、右停止操作部4cが配設されている。ここで、レバー型のスタート操作部5は、前記三つの回転リール3a,3b,3cを回転始動するゲーム開始処理を遊技者が要求する際に操作されるものである。遊技機本体11の内部には、後述の主制御基板100(図4参照)に接続されたスタート操作検知スイッチ17(図4参照)が配設されており、スタート操作部5が遊技者により押下げ操作されると、スタート操作検知スイッチ17が当該操作を検知して、主制御基板100にゲーム開始処理を要求する電気信号を送信する。
また、ボタン型の三つの停止操作部4a,4b,4cは、回転中の回転リール3a〜3cをそれぞれ別々に回転停止させる停止処理を遊技者が要求する際に操作されるものである。遊技機本体11の内部には、主制御基板100に接続された停止操作検知スイッチ14a〜14c(図4参照)が設けられており、停止操作部4a〜4cが押圧操作されると、対応する停止操作検知スイッチ14a〜14cがその操作を検知して、対応する回転リール3a〜3cの停止処理を主制御基板100に要求する電気信号を送信する。
前面板11aの下方には、前方へ下方傾斜した傾斜上面が形成されており、その右側部に本発明に係るコイン投入装置30が配設される。このコイン投入装置30は、横長溝状のコイン投入口31を備える。コイン投入口31は、遊技機本体11内部に通じており、コイン投入口31に投入されたコインは、遊技機本体11の内部の投入コイン検知センサ18(図4参照)に検知された後でコイン回収装置(図示省略)に回収されることとなる。また、コイン投入口31の直後方には起立案内板32が配設され、該起立案内板32の前面の案内作用によってコインをコイン投入口31に案内し得るようになっている。
また、後述するように、本実施例のコイン投入装置30の内部には、主制御基板100に接続されたベット操作検知スイッチ50と返却操作検知スイッチ51(図4参照)とが設けられており、起立案内板32の前面が押圧操作されると、ベット操作検知スイッチ50がこれを検知して主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信し、一方、起立案内板32の背面が押圧操作されると、返却操作検知スイッチ51がこれを検知して、主制御基板100に返却処理を要求する電気信号を送信する。すなわち、本実施例にあっては、本発明に係る第一遊技処理はベット処理に、第二遊技処理は返却処理に該当する。また、本発明に係る前面側操作検知スイッチはベット操作検知スイッチ50により構成され、背面側操作検知スイッチは返却操作検知スイッチ51により構成される。
また、上述した停止操作部4a〜4cの直上位置には、表示装置2が設けられている。この表示装置2は、液晶表示器、CRT表示器等によって構成され、その表示画面上で様々な映像を表示可能としている。これにより、遊技者に様々な情報を提供するようになっている。
また、コイン投入装置30の直上位置には、クレジット枚数表示部27と入賞払出数表示部28とが並んで形成されている。このクレジット枚数表示部27には、後述の主制御基板100によって電気的に記憶されたクレジット枚数が表示される。一方、入賞払出数表示部28には、入賞として払い出されるコインの枚数が表示される。
また、遊技機本体11前面の最下位置には、クレジット枚数の上限数を超えて払い出されるコインを貯留する受皿13が配設されている。
次に、スロットマシン1の遊技作動を制御する制御回路を、図4に従って説明する。
スロットマシン1は、各種の遊技処理を実行するための基板回路が設けられた主制御基板100を備えている。この主制御基板100の基板回路上には、マイクロコンピュータを構成し、遊技に関する統括的な制御を処理実行する主制御用中央制御装置CPU101が配設されている。本発明に係る遊技制御手段は、この主制御基板100によって構成される。
また、この主制御用中央制御装置CPU101には、記憶装置ROM102が、アドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)を介して接続されている。さらに、記憶装置RAM103も、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続されている。ここで、前記記憶装置ROM102には、演算処理に用いる動作プログラムや各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。一方、記憶装置RAM103には、記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。上記クレジット枚数はかかる記憶装置RAM103に記憶される。
また、この主制御基板100の基板回路には、主制御用中央制御装置CPU101が周辺機器とデータ通信を行うための第一I/Oポート105a及び第二I/Oポート105bがそれぞれ設けられている。
第一I/Oポート105aには、スタート操作検知スイッチ17、ベット操作検知スイッチ(前面側操作検知スイッチ)50、左停止操作検知スイッチ14a、中停止操作検知スイッチ14b、右停止操作検知スイッチ14c、返却操作検知スイッチ(背面側操作検知スイッチ)51、投入コイン検知センサ18等が夫々に接続される。そして、主制御用中央制御装置CPU101が所定の時間間隔でこれらのスイッチ又はセンサから出力される信号を調べ、信号を受信すると、その情報を記憶装置RAM103に記憶保持し、信号の種類に応じて種々の遊技処理を実行する。
一方、上述した第二I/Oポート105bには、コイン払出装置21、ランプ装置22、クレジット枚数表示部27、入賞払出数表示部28、効果音発生装置25、表示装置2が接続されている。そして、主制御用中央制御装置CPU101からの制御指令が、各装置等へ一方向に出力される。また、これ以外にも第二I/Oポート105bには、回胴装置20が接続されており、当該第二I/Oポート105bを介して主制御用中央制御装置CPU101と回胴装置20とが信号をやり取りしている。
また、この主制御用中央制御装置CPU101の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられている。そして主制御用中央制御装置CPU101は、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続されている。このタイマTMは、クロック装置のクロックと同期してカウントを計数し、このカウントが所定数に達すると、解除信号を出力するものである。なお、解除信号が出力されると、タイマTMは初期化(リセット)される。
主制御基板100では、コイン投入処理、ベット処理やゲーム開始処理、停止処理、返却処理等の遊技処理が実行される。以下、かかる遊技処理の概要を説明する。
コイン投入処理は、コインの投入に基づいて賭数の設定やクレジット枚数の減算を行うものである。上述のように、コイン投入口31の下方には、投入コイン検知センサ18が配設されており、投入コイン検知センサ18は、投入されたコインを検出すると主制御基板100に所要の電気信号を送信し、該電気信号に基づいて主制御基板100でコイン投入処理が実行される。
コイン投入処理では、主制御用中央制御装置CPU101は、設定賭数が上限数未満であればコインの検出信号に応じて賭数を1加算すると共に、有効ラインを報知するためのライン点灯具15a〜15eを点灯させる。一方、設定賭数が上限数(コイン3枚分)である場合には、記憶装置RAM103に記憶したクレジット枚数を1加算し、加算後のクレジット枚数をクレジット枚数表示部27に表示させる。また、クレジット枚数も上限数である場合には、主制御用中央制御装置CPU101は、コイン払出装置21を作動させて、投入されたコインを受皿13に払い出す。
ベット処理は、投入済みで且つ未消費のコインの数を電気的に記憶したクレジット枚数の減算と引き替えに賭数を設定するための処理である。上述したように、コイン投入装置30には、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信するベット操作検知スイッチ(前面側操作検知スイッチ)50が取り付けられており、起立案内板32の前面が押圧操作されると、ベット操作検知スイッチ50から主制御基板100にベット処理を要求する電気信号が送信され、かかる信号に基づいてベット処理が実行される。
ベット処理では、主制御用中央制御装置CPU101は、クレジット枚数を減算し、減算後のクレジット枚数をクレジット枚数表示部27に表示させると共に、減算したクレジット枚数と同数の賭数を設定し、ライン点灯具15a〜15eを点灯させる。なお、通常は、一回のベット処理で賭数が上限数(コイン3枚分)に設定され、コイン3枚分のクレジット枚数が減算される。ただしクレジット枚数が3枚未満である場合には、クレジット枚数分だけ賭数が加算され、クレジット枚数が0枚となる。
ゲーム開始処理は、回転リール3a〜3cを回転し、ゲームを開始するための処理である。すなわち、ゲーム開始処理では、主制御基板100から回胴装置20へ信号が送信され、停止中の全ての回転リール3a〜3cを所定の速度で回転開始する。かかる開始処理は、上述のスタート操作検知スイッチ17から主制御基板100に送信される、ゲーム開始処理を要求する電気信号に基づいて実行される。
停止処理は、回転リール3a〜3cを停止するための処理である。すなわち、上述の停止操作検知スイッチ14a〜14cから主制御基板100に停止処理を要求する電気信号が送信されると、主制御用中央制御装置CPU101はかかる信号に基づいて対応する回転リール3a〜3cの停止態様を決定し、その後に、主制御基板100から回胴装置20へ信号が送信され、回転中の回転リール3a〜3cは決定された態様で停止することとなる。
返却処理は、クレジット枚数の減算と引き替えにコインを払い出すものである。この返却処理では、主制御用中央制御装置CPU101は、クレジット枚数を減算し、減算後のクレジット枚数をクレジット枚数表示部27に表示させると共に、コイン払出装置21に信号を送信し、減算したクレジット枚数分のコインを受皿13へ供出させる。上述したように、コイン投入装置30には、主制御基板100に返却処理を要求する電気信号を送信する返却操作検知スイッチ(背面側操作検知スイッチ)51が取り付けられており、起立案内板32の背面が押圧操作されると、返却操作検知スイッチ51から主制御基板100に返却処理を要求する電気信号が送信され、かかる信号に基づいて返却処理が実行される。
なお、かかるベット処理やゲーム開始処理、停止処理、返却処理等の遊技処理は、既存のスロットマシンにおいて実行される遊技処理と同様のものであり、処理内容の詳細な説明は省略する。
上述した構成にあって、原則、以下のように遊技が進行する。
遊技者が、賭数を設定することが可能な所定期間に、コインの投入、又は起立案内板32の前面の押圧操作を行うと、賭数が設定され、設定された賭数に応じたライン点灯具15a〜15eが点灯して有効ラインを報知する。また、クレジット枚数表示部27には、賭数設定後のクレジット枚数が表示される。このように賭数が設定されると、次に回転リール3a〜3cを回転始動することができる期間となる。ここでスタート操作部5を押し下げ操作すると、全回転リール3a〜3cが一斉に回転始動する。回転リール3a〜3cの回転速度が一定となると、次に回転リール3a〜3cを回転停止することができる期間となる。そして、停止操作部4a〜4cを順に押圧操作することにより、その操作タイミングに基づいて回転リール3a〜3cが順に回転停止する。ここで、有効ライン上に並んだ図柄の組合せが所定の当り組合せであると、予め設定されている個数のコインが遊技者に払い出される。また、遊技内容についていえば、遊技者に有利なボーナスゲーム等の遊技作動が実行開始されることとなる。一方、停止した図柄の組合せが当り組合せ以外である場合は、ハズレ組合せとして確定表示されることとなる。
以下に、本発明の要部に係るコイン投入装置30の構成を説明する。
本発明に係るコイン投入装置30は、図5に示すように、上方からコインを投入可能な横長溝状のコイン投入口31と、該コイン投入口31の直後方に立設され、前面の案内作用によってコインをコイン投入口31に案内する起立案内板32と、コイン投入口31の前縁から前方に形成される断面円弧状のコイン誘導溝33とを具備してなる。
かかるコイン投入装置30にあっては、遊技者が、把持したコインをコイン誘導溝33に沿って並べ、それらをコイン投入口31に向かって押し出すことによって、先頭のコインから順に起立案内板32に案内されて、コイン投入口31に投入されるようになっている。
また、コイン投入装置30の起立案内板32は、図5,6に示すように、前後に移動可能となっており、付勢手段によって所定の中立位置α1に付勢されると共に、中立位置α1より後方の後方操作位置β1と、中立位置より前方の前方操作位置γ1とに位置変換可能となっている。そして、本実施例にあっては、起立案内板32の前面が押圧操作されると、該操作に基づいてベット処理が実行され、起立案内板32の背面が押圧操作されると、これに基づいて返却処理が実行されるようになっている。
コイン投入装置30は、図9に示すように、コイン投入口31とコイン誘導溝33が形成された基体34と、起立案内板32を備え基体34に摺動可能に保持される摺動部材35と、基体34の背面に取り付けられる背板36とを具備してなる。
基体34は略平板状の金属片であり、ビス41a,41aによってその底面を遊技機本体11に螺着される。基体34の略中央には横長溝状のコイン投入口31が上下に貫設されている。このコイン投入口31は、コイン一枚のみが通過し得る厚みをなし、投入されたコインを遊技機本体11内部へ落下させる。また、コイン投入口31の前縁から前方にはコイン誘導溝33が形成される。図7に示すように、このコイン誘導溝33は断面円弧状をなすものであり、複数のコインをその溝面に沿って整列可能とする。
基体34の、コイン投入口31の後方位置には、摺動部材35を前後に摺動させる摺動溝37が形成される。詳述すると、摺動溝37は、図8に示すように、基体34の厚み方向の略中央を左右に貫通する横溝と、該横溝の中央部から上方に伸びる縦溝とからなる背面逆T字状をなすものであり、その横溝は、後述する摺動部材35の台部39が内嵌して前後に摺動し得る幅寸法をなす。また、基体34の上面右側には、起立案内板32の位置を示す3本の位置表示ライン43と、前後に向かう矢印と、各矢印に対応する「BET」と、「PAY OUT」の文字が記されている。
背板36は、矩形の金属板片からなり、図9に示すように、ビス41b,41bによって基体34の背面に螺着されて、摺動部材35が摺動溝37から抜け落ちるのを阻止する。
摺動部材35は、図9,10に示すように、正面略半円状をなす起立案内板32と、該起立案内板32の後下方に位置する平板状の台部39と、起立案内板32の背面と台部39の上面とを連結する首部40とを備えてなる。この摺動部材35は、その台部39及び首部40を基体34の摺動溝37に内嵌することによって、基体34に対して前後に摺動可能に保持される。台部39の前後両面の左右両端部には、円筒状のバネ装着穴44a,44bが形成される。各バネ装着穴44a,44bには、付勢手段を構成するコイルバネ42a,42bが取り付けられて、その先端を台部39の前後面に突出させる。また、台部39の前後両面の左側部には、円筒形のスイッチ装着穴45a,45bが形成される。後面側のスイッチ装着穴45aには前記ベット操作検知スイッチ50が、前面側のスイッチ装着穴45bには前記返却操作検知スイッチ51が夫々取り付けられる。
次に、起立案内板32の移動態様について詳述する。
上述のように、摺動部材35は基体34に対して前後に摺動可能に保持されており、図5,6,11に示すように、起立案内板32が後方操作位置β1に位置した状態で、台部39の後面を背板36に当接させ、起立案内板32が前方操作位置γ1に位置した状態で、台部39の前面を摺動溝37の前縁に当接させるようになっている。
ここで、摺動部材35は、台部39の前後両面に突出するコイルバネ42a,42bを摺動溝37の前縁と背板36とに夫々当接させることにより、起立案内板32を中立位置α1に位置するように付勢される。この中立位置α1では、起立案内板32の前面下縁はコイン投入口31の後縁と一致し、起立案内板32の前面によってコインをコイン投入口31へ円滑に案内可能となる。通常のコイン投入は、起立案内板32が中立位置α1にある状態で為されるものである。なお、上述の三本の位置表示ライン43は、起立案内板32が各位置α1,β1,γ1にある状態での、該起立案内板32の背面の位置を示すものであり、遊技者に起立案内板32の現在位置を示す働きをする。
前面側操作検知スイッチを構成するベット操作検知スイッチ50は、図10に示すように、円筒状のスイッチ本体52と、スイッチ本体52の一端から突出する可動検知部53とで構成される一般的な有接点スイッチにより構成されるものであり、スイッチ装着穴45aに装着された状態で、その可動検知部53を台部39の後面に突出させる。そして、起立案内板32が後方操作位置β1へ変換すると、ベット操作検知スイッチ50は、その可動検知部53が背板36に押し付けられることによって、非作動状態から作動状態に切り換わり、図示しない信号線を介して、主制御基板100へベット処理を要求する電気信号を送信するようになっている。
背面側操作検知スイッチを構成する返却操作検知スイッチ51は、ベット操作検知スイッチ50と同種の有接点スイッチにより構成されるものであり、スイッチ装着穴45bに装着された状態で、その可動検知部53を台部39の前面に突出させる。そして、起立案内板32が前方操作位置γ1に変換すると、この返却操作検知スイッチ51は、その可動検知部53が、摺動溝37の前縁に押し付けられることにより、非作動状態から作動状態に切り換わり、図示しない信号線を介して、主制御基板100へ返却処理を要求する電気信号を送信する。
なお、起立案内板32の中立位置α1にあっては、ベット操作検知スイッチ50及び返却操作検知スイッチ51の可動検知部53は、摺動溝37の前縁にも背板36にも押し付けられず、両スイッチ50,51は非作動状態となっている。
次に、コイン投入装置30を用いてベット処理を要求する操作態様について説明する。
本実施例において、遊技者がベット処理を要求する場合には、図11(ロ)に示すように、遊技者は起立案内板32の前面を押圧操作する。これにより、起立案内板32はコイルバネ42bの付勢力に抗して後方操作位置β1に変換される。そして、この位置変換によって、ベット操作検知スイッチ50が作動状態に切り換わり、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信する。そして、当該信号を受信した主制御基板100では、実行可能であればベット処理が実行される。すなわち、賭数が上限数に設定されると共に、賭数の増加分に応じた数だけクレジット枚数が減算される。遊技者が起立案内板32の前面の押圧を解除すると、摺動部材35はコイルバネ42bの付勢力により前方へ摺動して、起立案内板32は中立位置α1に復帰し、ベット操作検知スイッチ50は非作動状態となる(図11(イ)参照)。
このように、本実施例のスロットマシン1では、起立案内板32の前面が押圧操作されると、起立案内板32が中立位置α1から後方操作位置β1へ位置変換するようになっており、ベット操作検知スイッチ50は、かかる後方操作位置β1で背板36に押し付けられることにより、起立案内板32の前面の押圧操作を間接的に検知して、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信する。
かかる構成によれば、遊技者は、コインの投入とベット処理の要求とを、極めてスムーズに続けることができる。具体的に説明すると、遊技者が、把持した数枚のコインをコイン誘導溝に沿って重ねてコイン投入口に向けて押し進め、コインの全てをコイン投入口31へ投入する。ここで、コインの投入によって賭数が上限数に達していない場合、遊技者は、コインを投入した手指(例えば親指)を、先述の投入完了の姿勢から僅かに押し進めて起立案内板32の前面を押圧するだけで、ベット処理を要求し、賭数の不足分をクレジット枚数により充当できる。
また、遊技者は、ベット処理を要求してからコインを投入することもできる。すなわち、遊技者は、上記手順同様にコイン誘導溝33に並べたコインをコイン投入口31に押し進めるが、かかるコインをコイン投入口31に投入する前に、まず、先頭のコインで起立案内板32の前面を押圧することによりベット処理を要求し、その後に当該コインを順次コイン投入口31に投入することができる。この場合、投入されたコインは通常はクレジット枚数として記憶されることとなるが、クレジット枚数の不足により、先に要求されたベット処理によって賭数が上限数に達しなかった場合には、投入されたコインによって賭数の不足分が補われることとなる。
次に、コイン投入装置30を用いて返却処理を要求する操作態様について説明する。
本実施例において、遊技者が返却処理を要求する場合には、図11(ハ)に示すように、起立案内板32の背面を押圧操作する。これにより、起立案内板32はコイルバネ42aの付勢力に抗して前方操作位置γ1に変換される。そして、この位置変換によって、返却操作検知スイッチ51が作動状態に切り換わり、主制御基板100に返却処理を要求する電気信号を送信する。そして、当該検知信号を受信した主制御基板100では、実行可能であれば返却処理が実行される。すなわち、記憶されたクレジット枚数を減算すると共に、コイン払出装置21を作動させて、減算した数のコインを受皿13に払い出す。遊技者が起立案内板32の押圧を解除すると、摺動部材35がコイルバネ42aの付勢力により後方へ摺動して、起立案内板32は中立位置α1に復帰し、返却操作検知スイッチ51は非作動状態となる(図11(イ)参照)。
このように、本実施例にあっては、遊技者は、コインを投入する手の姿勢を維持したまま、起立案内板32の前面・背面を押圧操作するだけで、ベット処理並びに返却処理を要求することが可能となり、各操作の度に手を移動させたり、或いは反対の手を用いて操作したりする必要がなくなり、操作の煩雑さから解放される。
また、図11(ハ)示すように、本実施例のコイン投入装置30にあっては、起立案内板32は、前方操作位置γ1において、コイン投入口31の上方に迫り出して、コイン投入口31へのコインの投入を阻止するようになっており、遊技者が、返却処理を要求している最中は、コインを投入できないようにしている。かかる構成によれば、従来構成に比べて遊技制御手段の処理を簡易化できるという利点がある。すなわち、コインの投入と返却処理の要求は、本来同時に行う必要のないものであるが、既存のスロットマシンでは、機構上はこれらを同時に実行可能となっており、返却処理の要求と同時にコインが投入された場合には、投入されたコインの処理やコインの払出処理、クレジット枚数の加減算等を、遊技制御手段において、同時に且つ正確に処理しなければならない。これに対し、本実施例に係るコイン投入装置30では、返却処理の要求時にコインの投入が機械的に阻止されるため、返却処理の要求とコイン投入が同時に為されることがなく、その分だけ、遊技制御手段の処理内容を簡易化できる。
次に、上記第一実施例からコイン投入装置の構造を変更した第二実施例について説明する。なお、本実施例では、コイン投入装置以外の構造は第一実施例と同じであり、重複する部分については、図中で符号を共通させて説明を省略する。
本実施例に係るコイン投入装置60は、図12に示すように、第一実施例のコイン投入装置30と同様に、表示窓6a,6b,6cの右下前方の傾斜面に設けられる。また、コイン投入装置60には、コインを投入可能な横長溝状のコイン投入口61と、該コイン投入口61の直後方に立設され、前面の案内作用によってコインをコイン投入口61に案内する起立案内板62と、コイン投入口61の前縁から前方に形成される断面円弧状のコイン誘導溝63とを具備してなる。かかるコイン投入装置60では、遊技者が、コイン誘導溝63に沿ってコインを並べ、コイン投入口61に押し出すことによって、先頭のコインからコイン投入口61に連続して投入可能となっている。
ここで、本実施例のコイン投入装置60にあっては、図13に示すように、起立案内板62が前後に傾動可能となっており、付勢手段によって所定の中立位置α2に付勢されると共に、中立位置α2より後方の後方操作位置β2と、中立位置より前方の前方操作位置γ2とに位置変換可能となっている。そして、第一実施例のコイン投入装置30と同様に、起立案内板32の前面が押圧操作されると、該操作に基づいてベット処理が実行され、起立案内板32の背面が押圧操作されると、これに基づいて返却処理が実行されるようになっている。すなわち、本実施例においても、本発明に係る第一遊技処理はベット処理、第二遊技処理は返却処理に該当する。
コイン投入装置60は、図14に示すように、コイン投入口61とコイン誘導溝63が形成された基体64と、起立案内板62を備え基体64に傾動可能に軸支される傾動部材65とを具備してなる。
基体64は略平板状の金属片であり、ビス41a,41aによってその底面を遊技機本体11に螺着される。この基体64の略中央には横長溝状のコイン投入口61が上下に貫設される。また、コイン誘導溝63は、コイン投入口61の前縁から前方に向けて形成される。
また、図15に示すように、基体64上面の、コイン投入口61の直後方位置には、傾動部材65の底面と当接する断面円弧状の案内凹部66が形成される。案内凹部66の両脇には、傾動部材65を軸支するための軸孔69aが穿設された一対の軸保持部68,68が設けられる。また、案内凹部66の中央には、更に下方に向かって凹室67が形成される。この凹室67の底面には横長溝状のバネ装着穴70a,70bが前後に並設される。バネ装着穴70a,70bには、付勢手段を構成する板バネ72a,72bが夫々取り付けられて、凹室67内に、該板バネ72a,72bの上端が突出する。
また、基体64上面の、案内凹部66の左側方位置には、側面凹字状をなす検出スイッチ取付部71が設けられている。この検出スイッチ取付部71は中央の溝部を、後述する傾動部材65の被検出部76を遊嵌させる検出用間隙74とする。また、検出スイッチ取付部71の、検出用間隙74の前後位置には円筒形のスイッチ装着孔73a,73bが穿設される。後方のスイッチ装着孔73aにはベット操作検知スイッチ(前面側操作検知スイッチ)50が、前方のスイッチ装着孔73bには返却操作検知スイッチ(背面側操作検知スイッチ)51が夫々取り付けられる。
傾動部材65は、図14に示すように、起立案内板62と、該起立案内板62の左上部から左方に延成される被検出部76と、起立案内板62の底部から下方に突出するバネ当接部77とを備えてなる。起立案内板62の下部には、左右方向の軸孔69bが貫設される。傾動部材65は、この軸孔69bに挿通された支軸75を、前記軸保持部68,68の軸孔69a,69aに挿通することにより、基体64に対して前後に傾動可能に保持される。
基体64に軸支された傾動部材65は、図13,16に示すように、その被検出部76を検出スイッチ取付部71の検出用間隙74に遊嵌させており、起立案内板62が後方操作位置β2に位置した状態で、被検出部76の背面を検出用間隙74の後縁に当接させ、起立案内板62が前方操作位置γ2に位置した状態で、被検出部76の前面を検出用間隙74の前縁に当接させるようになっている。
ここで、傾動部材65は、図16,17に示すように、そのバネ当接部77を、凹室67内の板バネ72a,72bの間に挿入させており、該板バネ72a,72bの付勢力によって中立位置α2に付勢されるようになっている。
ベット操作検知スイッチ(前面側操作検知スイッチ)50及び返却操作検知スイッチ(背面側操作検知スイッチ)51は、第一実施例と同構成のスイッチにより構成されるものであり、第一実施例の各スイッチと同様にして主制御基板100と接続している(図4参照)。ここで、本実施例にあっては、ベット操作検知スイッチ50は、スイッチ装着孔73aに装着された状態で、その可動検知部53を検出用間隙74の後縁から前方に突出させる。そして、起立案内板62が後方操作位置β2に変換すると、ベット操作検知スイッチ50は、その可動検知部53を検出用間隙74の後縁に押し付けられることによって、非作動状態から作動状態に切り換り、主制御基板100へベット処理を要求する電気信号を送信する。
一方、返却操作検知スイッチ51は、その可動検知部53を検出用間隙74の前縁から後方に突出するようにして取り付けられる。そして、起立案内板62が前方操作位置γ2に変換すると、返却操作検知スイッチ51は、可動検知部53が検出用間隙74の前縁に押し付けられることによって、非作動状態から作動状態に切り換わり、主制御基板100へ返却処理を要求する電気信号を送信する。
本実施例のコイン投入装置60によれば、第一実施例のコイン投入装置30と同様の操作によってベット処理と返却処理を要求することができる。
すなわち、本実施例において、遊技者がベット処理を要求する場合には、図16(ロ)に示すように、起立案内板62の前面を押圧操作する。これにより、板バネ72aの付勢力に抗して起立案内板62が後方操作位置β2に変換される。そして、かかる位置変換によって、ベット操作検知スイッチ50が作動状態に切り換わり、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信することとなる。また、遊技者が起立案内板62の前面の押圧を解除すると、傾動部材65は板バネ72aの付勢力により前方へ傾動し、起立案内板62は中立位置α2に復帰して、ベット操作検知スイッチ50は非作動状態となる(図16(イ)参照)。
このように、本実施例に係るコイン投入装置60では、起立案内板62の前面の押圧操作によって、起立案内板62が中立位置α2から後方操作位置β2へ傾動するようになっており、ベット操作検知スイッチ50は、後方操作位置β2へ変換した傾動部材に押圧されることにより、起立案内板62の前面の押圧操作を間接的に検知して、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信する。
このため、本実施例のコイン投入装置60にあっても、遊技者は、コインを投入した手指(例えば親指)を、投入完了の姿勢から僅かに押し進めて起立案内板62の前面を押圧するだけでベット処理を要求することができ、遊技者は、コインの投入と、ベット処理の要求操作を円滑に行うことができる。また、把持したコインで起立案内板62の前面を押圧してベット処理を要求し、その後に、その手を殆ど動かすことなく当該コインをコイン投入口61に投入することもできる。
また、本実施例において、遊技者が返却処理を要求する場合には、図16(ハ)に示すように、起立案内板62の背面を押圧して、板バネ72bの付勢力に抗して起立案内板62を前方操作位置γ2に移動させる。これにより、返却操作検知スイッチ51が作動状態に切り換わり、主制御基板100に返却処理を要求する電気信号を送信することとなる。そして、遊技者が起立案内板62の背面の押圧を解除すると、傾動部材65は板バネ72bの付勢力により後方傾動し、起立案内板62は中立位置α2に復帰する。
このように、本実施例にあっても、遊技者は、コインを投入する右手の姿勢を維持したまま、起立案内板62の前面と背面を押圧操作するだけで、ベット処理並びに返却処理の要求が可能となり、コイン投入と各操作の度に手を大きく移動させたり、或いは両手を用いて操作したりする必要がなくなり、操作の煩雑さから解放される。
次に、第一実施例からコイン投入装置の構造を変更した第三実施例について説明する。なお、本実施例では、コイン投入装置以外の構造は第一実施例と同じであり、重複する部分については、図中で符号を共通させて説明を省略する。
本実施例に係るコイン投入装置80は、図18,19に示すように、第一実施例と同様に、表示窓6a,6b,6cの右下前方の傾斜面に設けられる。また、コイン投入装置80には、コインを投入可能な横長溝状のコイン投入口81と、該コイン投入口81の直後方に立設され、前面の案内作用によってコインをコイン投入口81に案内する起立案内板82と、コイン投入口81の前縁から前方に形成される断面円弧状のコイン誘導溝83とを具備してなる。かかるコイン投入装置80では、遊技者が、コイン誘導溝83に沿ってコインを並べてコイン投入口81に押し出すことによって、コインをコイン投入口81に連続投入可能となっている。
また、本実施例にあっても、起立案内板82の前面が押圧操作されると、該操作に基づいてベット処理が実行され、起立案内板82の背面が押圧操作されると、これに基づいて返却処理が実行される。すなわち、本実施例においても、本発明に係る第一遊技処理はベット処理、第二遊技処理は返却処理に該当する。
本実施例のコイン投入装置80にあっては、図19,20に示すように、コイン投入口81とコイン誘導溝83と起立案内板82とが金属製の基体86によって一体的に形成される。すなわち、上述の実施例とは異なり、起立案内板82は固定されたものとなっている。基体86は、ビス41a,41aによってその底面を遊技機本体11に螺着される。
図20に示すように、起立案内板82には、その前面にベット操作検知スイッチ(前面側操作検知スイッチ)84が装着される。このベット操作検知スイッチ84は、半円形のシート状圧力センサにより構成されるものであり、上記実施例のベット操作検知スイッチ50と同様に主制御基板100に接続されて(図4参照)、起立案内板82の前面が、かかるスイッチ84の上から押圧されると、その圧力によって非作動状態から作動状態に切り換り、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信する。
一方、起立案内板82の背面には、返却操作検知スイッチ(背面側操作検知スイッチ)85が装着される。この返却操作検知スイッチ85は、ベット操作検知スイッチ84と同構成の半円形のシート状圧力センサにより構成されるものであり、第一実施例の返却操作検知スイッチ51と同様に主制御基板100に接続されて(図4参照)、起立案内板82の背面が、スイッチ85の上から押圧されると、その圧力によって非作動状態から作動状態に切り換り、主制御基板100に返却処理を要求する電気信号を送信する。
本実施例のコイン投入装置80にあっても、第一実施例のコイン投入装置30と同様の操作によってベット処理と返却処理を要求することができる。
すなわち、本実施例において、遊技者がベット処理を要求する場合には、図21(イ)に示すように、起立案内板82の前面を押圧する。これにより、ベット操作検知スイッチ84が作動状態に切り換わり、主制御基板100にベット処理を要求する電気信号を送信する。遊技者が起立案内板82の前面の押圧を解除すると、ベット操作検知スイッチ84は非作動状態に復帰する。
このため、本実施例のコイン投入装置80にあっても、遊技者は、コインを投入した手指(例えば親指)を、先述の投入完了の姿勢から僅かに押し進めて起立案内板82の前面を押圧するだけでベット処理を要求することができ、遊技者は、コインの投入と、ベット処理の要求操作を円滑に行うことができる。また、把持したコインで起立案内板82の前面を押圧してベット処理を要求し、その後に、その手を殆ど動かすことなく当該コインをコイン投入口81に投入することができる。
また、遊技者が返却処置を要求する場合には、図21(ロ)に示すように、起立案内板82の背面を押圧する。これにより、返却操作検知スイッチ85が作動状態に切り換わり、主制御基板100に返却処置を要求する電気信号を送信する。遊技者が起立案内板82の背面の押圧を解除すると、返却操作検知スイッチ85は非作動状態に切り換わる。
このように、本実施例にあっても、遊技者は、コインを投入する右手の姿勢を維持したまま、起立案内板82の前面と背面を押圧操作するだけで、ベット操作並びに返却操作が可能となり、コイン投入と各操作の度に手を移動させたり、両手を用いて操作したりする必要がなくなり、操作の煩雑さから解放される。特に、本実施例のコイン投入装置80は、起立案内板82を移動可能とするための機構を要しないため、構造を単純化できるという利点がある。
また、図19に示すように、本実施例にあっては、シート状の圧力センサにより構成されるベット操作検知スイッチ84は、起立案内板82の前面上部に装着されている。ベット処理は遊技中に頻繁に要求されるものであり、また、起立案内板82の前面上部は、起立案内板82の中で最も押圧し易い部位であるから、本構成のようにベット操作検知スイッチ84がかかる部位に装着されることにより、遊技者は、頻繁に行うベット処理の要求を、腕に負担をかけることなくスムーズに繰り返すことができる。
また、図19に示すように、本実施例にあっては、シート状の圧力センサにより構成される返却操作検知スイッチ85は、起立案内板82の背面下部に装着されている。返却処理は、遊技中に要求される頻度が低く、また、起立案内板82の背面下部は、起立案内板82の中で遊技者から最も遠く、押圧し難い部位であるから、本構成のように返却操作検知スイッチが、かかる部位に装着されることにより、遊技者が不用意に返却処理を要求して、遊技が中断されてしまうのを防止できる。
さらに、図19に示すように、本実施例にあっては、ベット操作検知スイッチ84が起立案内板82の前面上部に、返却操作検知スイッチ85が起立案内板82の背面下部に装着されることにより、ベット操作検知スイッチ84と返却操作検知スイッチ85とが前後方向に重ならない位置に配置される。かかる構成によれば、起立案内板82の、一面側のスイッチ84,85の裏側にあたる部分には、他面側のスイッチが装着されないため、遊技者が、起立案内板の一面側を押圧操作する際に、起立案内板82を摘むように操作した場合でも、他面側のスイッチが押圧され難く、ベット処理や返却処理が誤操作によって要求され難いようになっている。
次に、本発明に係る第一遊技処理をゲーム開始処理とした第四実施例について説明する。
本実施例に係るコイン投入装置は、第三実施例のコイン投入装置80と略同じ構成である。第三実施例のコイン投入装置80と異なる構成のみを、図19を参照して説明すると、本実施例の起立案内板82の背面には、背面側操作検知スイッチ85は装着されていない。また、前面側操作検知スイッチ84は、第三実施例と同じシート状の圧力センサよりなるが、ベット操作検知スイッチではなく、スタート操作検知スイッチを構成する。なお、本実施例では、ベット処理や返却処理を要求するための操作部や操作検知スイッチは、既存のスロットマシン同様に、コイン投入装置以外の場所に配設される。
本実施例のコイン投入装置によれば、遊技者は、コインを投入した手指(例えば親指)を、投入完了の姿勢から僅かに押し進めて起立案内板の前面を押圧するだけでゲーム開始処理を要求することができる。すなわち、遊技者は、コインを投入して賭数を設定し、その後にゲーム開始処理を要求するといった二つの動作を、一連の動作としてスムーズに行うことが可能となる。
次に、本発明に係る第一遊技処理をゲーム開始処理に、第二遊技処理をベット処理とした第五実施例について説明する。本実施例係るコイン投入装置は、第三実施例のコイン投入装置80と略同じ構成である。図19を参照して第三実施例のコイン投入装置80と異なる構成のみを説明すると、本実施例では、前面側操作検知スイッチ84がスタート操作検知スイッチを構成し、背面側操作検知スイッチ85がベット操作検知スイッチを構成する。なお、本実施例では、返却処理を要求するための操作部や操作検知スイッチは、既存のスロットマシン同様にコイン投入装置以外の場所に配設される。
本実施例のコイン投入装置によれば、遊技者は、起立案内板の背面の押圧操作によりベット処理を、前面の押圧操作によりゲーム開始処理を要求することができる。このため、遊技者が、クレジット枚数から賭数を設定してゲームを行う場合には、起立案内板の背面と前面とを連続して押圧操作するだけで、ベット処理とゲーム開始処理を瞬時に要求することができ、クレジット枚数から賭数を設定後、速やかにゲームを開始させることができる。また、本実施例においては、第四実施例同様にして、遊技者は、コインの投入とゲーム開始処理の要求とを一連の動作として行うこともできる。
尚、本発明のスロットマシンは、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、実施例は、本発明に係る第一遊技処理や第二遊技処理を、ベット処理や返却処理、ゲーム開始処理としたものであるが、第一遊技処理や第二遊技処理を、停止処理等の他の遊技処理とすることもできる。また、第一遊技処理と第二遊技処理に割り当てる遊技処理の組合せも自由に変更可能である。
また、実施例では、ベット処理や返却処理等を起立案内板の押圧操作によってのみ要求し得るようになっているが、起立案内板以外にも、ベット処理や返却処理を要求するための操作部を別途設けることができる。