JP4653056B2 - 濁水処理方法および濁水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、河川、湖沼、海、貯水池、ダムにおける濁水処理、あるいは土木・建設における排水、骨材・石材等の製造排水、食品加工工場等の各種工場排水の処理、さらには上水処理、下水処理に適用可能な濁水処理方法および濁水処理システムに関するものである。
濁水は土粒子や有機物などの微粒子が水に混合分散したものである。例えば、河川、湖沼、海においては環境汚染により濁水が発生する。また、土木・建設工事や、骨材・石材等の製造、食品加工等では濁水が排水される。さらに上水処理や下水処理では濁水の処理が行われている。
このような濁水を処理する方法の一つとして、凝集沈降剤(例えば特許文献1参照)を濁水に添加・混合し、濁水中の微粒子を凝集させ、大きな凝集体とした後に水底に沈降させ、沈降分と水分とをシックナー等により分離する方法が知られている。このような凝集沈降剤では、凝集体は疎水性であるため、粒子間への水の浸入を拒み、構成粒子が再度水に分散することはない。
特許3345670号公報
しかし、凝集沈降剤の材料特性を有効に発揮させつつ、連続的に高能率な処理が可能であり、混合量の管理が容易であるような方法及びシステムが無いのが現状である。
そこで、本発明の主たる課題は、凝集沈降剤の材料特性を有効に発揮させることができ、連続的に高能率な処理が可能であり、混合量の管理が容易である処理方法および処理システムを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
上下方向に沿って延在する筒体と、この筒体の上下方向に間隔を空けて下側及び上側にそれぞれ設けられた供給口及び排出口と、筒体内に中心軸に沿って配置され、回転駆動される回転軸と、回転軸における前記供給口以上の部位に設けられた噴射口と、回転軸における少なくとも前記噴射口よりも上側の部分に上下方向に間隔を空けて複数突設された撹拌羽根と、を有する筒型撹拌装置を用い、
処理に際し、濁水を前記供給口から前記筒体内に供給するとともに、前記回転軸を回転させつつ、前記噴射口から粉粒体状の凝集沈降剤を圧気に乗せて噴射させ、これによって、前記筒体内に噴射した圧気によるエアリフトポンプ作用により前記筒体内に前記供給口から前記排出口へ向う上昇流を発生させるとともに、上昇する濁水に対して凝集沈降剤を添加し、かつこれらを前記回転軸に伴って回転する前記撹拌羽根により混合し、この混合物を前記排出口から排出する、
ことを特徴とする濁水処理方法。
(作用効果)
本発明では、筒型撹拌装置において筒体の下側の供給口から濁水を供給するとともに、筒体内の濁水に対して凝集沈降剤を圧気に乗せて噴射添加する。これにより、凝集沈降剤の添加だけでなく、筒体内に供給された圧気が無数の気泡となって上昇することによるエアリフトポンプ作用により、筒体内に安定した上昇流が発生し、濁水と凝集沈降剤との混合が促進され、混合比が安定するとともに、筒体内への濁水供給および筒体外への混合物の排出がなされる又は促進される。さらに、本発明では、上昇する濁水に対し、回転軸に伴って回転する噴射口から凝集沈降剤を圧気とともに回転噴射して添加する。この回転噴射により凝集沈降剤を筒体内の周方向全体に均一に供給できる。
よって、小規模な装置を用いながら、少量(例えば100〜150g/m3程度)の凝集沈降剤を有効に作用させることができるため、大容量の混合撹拌を効率良く行うことができ、混合量の管理も容易となる。また、凝集沈降剤の圧気流量の調整により筒体内滞留時間(または凝集時間)を容易に調整できるという利点もある。さらに、凝集沈降剤の供給に用いる圧気によって濁水中に酸素が取り込まれるため、汚濁物質が有機物質である場合に、微生物や酸化剤による酸化分解が促進されるという利点もある。
<請求項2記載の発明>
圧送装置を用いて前記濁水を前記供給口に圧送供給する、請求項1記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、濁水を地上設備に導水して処理する場合に好適なものである。濁水は定量ポンプ等の圧送装置により筒型撹拌装置に供給され、主にその供給圧によって排出口へ移送され排出される。
<請求項3記載の発明>
前記筒型撹拌装置の供給口を濁水中に開口させた状態で前記処理を行う、請求項1記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、河川、湖沼、海、貯水池、ダム等における濁水中に筒型撹拌装置の供給口を没して、筒体内に濁水を直接供給して処理するのに適したものであり、筒体内への濁水の供給および排水が撹拌羽根の押し出し作用によってなされるものである。
<請求項4記載の発明>
前記筒型撹拌装置の前記供給口を濁水中に開口させるとともに、前記排出口を濁水中または濁水上に開口させた状態で前記処理を行う、請求項1記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、河川、湖沼、海、貯水池、ダム等における濁水中に筒型撹拌装置の供給口を没して、筒体内に濁水を直接供給して混合処理するとともに混合物を筒体外の濁水中へ直接に排出するのに適したものであり、筒体内への濁水の供給(吸引)および排出はエアリフトポンプ作用を主体として行うことを想定したものである。排出口から排出されるフロック(凝集体)は水底に沈降させることになるが、疎水性のフロックが水底を覆うように沈殿するため、水底からの汚濁物質の溶出を抑制する目的で利用できる。
<請求項5記載の発明>
前記供給口を下端面に開口させ、かつ前記回転軸の先端を前記供給口よりも下方に突出させるとともに、この突出部分に先端部撹拌羽根を設け、この先端部撹拌羽根の撹拌作用を濁水の底部沈殿物に作用させつつ前記処理を行う、請求項3または4記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、水底に存在するヘドロ等の堆積粒子を含めて処理する場合に適したものであり、堆積物を先端部撹拌羽根により撹拌し、粒子を濁水中に浮遊させて筒体内に吸引し、処理するものである。
<請求項6記載の発明>
前記排出口から排出される混合物を、気体分、水分及び凝集分の三相に分離し、気体分は大気に排気し、水分は排水するか又は濁水中に戻し、凝集分はそのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項1〜3のいずれか1項に濁水処理方法。
(作用効果)
筒型撹拌装置により混合処理して得られるフロックを含む混合物は、適宜処理することができるが、本項記載のようにサイクロンまたはシックナーを用いて処理すると、一度の処理で気体分、水分及び凝集分の三相に分離できるため好ましい。
<請求項7記載の発明>
水上に仮受け水槽を設置し、この仮受け水槽内を大気に開放させるとともに、地上に分離装置を設置し、前記仮受け水槽を圧送装置を介して前記分離装置に接続し、前記処理に際し、前記混合物を前記排出口から前記仮受け水槽内に排出させ、気体分はその場で大気に排気する一方、残りの固液分は前記圧送装置により前記地上の分離装置に供給して水分と凝集分とに分離し、水分は排水するか又は濁水中に戻し、凝集分はそのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項3記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、濁水中に筒型撹拌装置の供給口を没して、筒体内に濁水を直接供給して処理する場合において、水上の仮受け水槽で混合物の排気のみを行い、残りの水分および凝集分は仮受け水槽から地上の分離装置に移送し、地上の分離装置で分離・処理することを想定したものである。混合物全体を地上に移送するよりも移送量が少なくて済むとともに、追加設備が仮受け水槽のみで済むため、低コストで効率良く処理できる等の利点がある。
<請求項8記載の発明>
水上に、気体分、水分及び凝集分の三相への分離を行う三相分離装置を設置し、このサイクロン又はシックナーで分離される凝集分を地上へ圧送する圧送装置を設け、前記処理に際し、前記混合物を前記三相分離装置により気体分、水分及び凝集分の三相に分離するとともに、その場で気体分は大気に排気し且つ水分は濁水中に戻す一方、凝集分は前記圧送装置により地上に送り、そのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項3記載の濁水処理方法。
(作用効果)
本項記載の発明は、濁水中に筒型撹拌装置の供給口を没して、筒体内に濁水を直接供給して処理する場合において、水上に三相分離装置を設置し、これを用いて、水上で混合物を気体分、水分及び凝集分の三相に分離するとともに、その場で気体分は大気に排気し且つ水分は濁水中に戻す一方、分離した凝集分(流動性があるためこれのみでも圧送可能)のみを地上に送り処理することを想定したものである。混合物全体を地上に移送するよりも移送量が少なくて済むため、低コストで効率良く処理できる等の利点がある。
<請求項9記載の発明>
上下方向に沿って延在する筒体と、この筒体の上下方向に間隔を空けて下側及び上側にそれぞれ設けられた供給口及び排出口と、筒体内に中心軸に沿って配置され、回転駆動される回転軸と、回転軸における前記供給口以上の部位に設けられた噴射口と、回転軸における少なくとも前記噴射口よりも上側の部分に上下方向に間隔を空けて複数突設された撹拌羽根と、を有する筒型撹拌装置と、
粉粒体状の凝集沈降剤を圧気に乗せて前記筒型撹拌装置の噴射口へ圧送供給する凝集沈降剤圧送機とを備え、
処理に際し、濁水を前記供給口から前記筒体内に供給するとともに、前記回転軸を回転させつつ、前記凝集沈降剤圧送機を作動させて前記凝集沈降剤を前記噴射口から圧気に乗せて噴射させ、これによって、前記筒体内に噴射した圧気によるエアリフトポンプ作用により前記筒体内に前記供給口から前記排出口へ向う上昇流を発生させるとともに、上昇する濁水に対して凝集沈降剤を添加し、かつこれらを前記回転軸に伴って回転する前記撹拌羽根により混合し、この混合物を前記排出口から排出するように構成した、
ことを特徴とする濁水処理装置。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
以上のとおり本発明によれば、材料特性を有効に発揮できるとともに、材料の混合量を管理しながら、連続的に高能率な混合処理が可能となる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
<第1の実施形態>
図1は、濁水を地上設備に導水して処理する場合に好適な第1の実施形態を示している。濁水は図示しない定量ポンプ等により筒型撹拌装置1に定量供給される。濁水の供給路には流量計2が設けられており、濁水の供給流量の管理に使用される。また、筒型撹拌装置1に対して、凝集沈降剤圧送機3により粉粒体状の凝集沈降剤が圧気(圧縮空気)に乗せて圧送供給される。凝集沈降剤としては、粉粒体状のものであれば公知のものを特に限定なく用いることができる。また、供給装置3についても特に限定されないが、例えば特開2004−256311号に記載されたもの等を用いることができる。
筒型撹拌装置1は、上下方向に沿って延在する円筒状の筒体10と、この筒体10の下端部の側面および上端部の側面にそれぞれ設けられた供給口11及び排出口12と、筒体10の中心軸に沿って配置され、上壁および底壁に設けられた軸受けにより軸支され、かつ外部に設けられた電動モータ等の駆動源13により回転駆動される中空の回転軸14と、回転軸14における供給口11以上の部位に設けられた噴射口15と、筒体10外突出部分にする回転軸14における少なくとも噴射口15よりも上側の部分に上下方向に間隔を空けて複数突設された撹拌羽根16とを有する。回転軸14の上端(または下端でも良い)は筒体10外に突出しており、その上端開口が凝集沈降剤の導入口となっている。凝集沈降剤はこの導入口から回転軸14内を介して噴射口15に供給される。
供給口11は筒体10の底面に設けることができ、排出口12は筒体10の上面に設けることができる。噴射口15は、好ましくは供給口11より上側であって、排出口12までの間に凝集沈降剤及び濁水の十分な撹拌に必要な距離が確保されるように、排出口12から所定距離下側に設けられる。また、撹拌羽根16は、噴射口15から排出口12までの上下方向範囲の全体にわたり、所定の間隔で複数設けるのが好ましい。撹拌羽根16は同種の寸法形状のもののみ設けても良いが、図示例のように、上下方向中間の位置から噴射口側に筒体10の内径と同程度の回転径を有する撹拌羽根16を設け、排出口12側に回転径が相対的に小さい撹拌羽根16を設けることもできる。噴射口15は撹拌羽根の回転方向背面に近接して設けるのが好ましい。
また、図示例のように、撹拌羽根が回転方向前側が相対的に下側に位置し、回転方向後側が相対的に上側に位置するように傾斜していると、回転する撹拌羽根によって筒体内の濁水が排出口側へ押し出されるようになり、筒体内の上昇流の安定および撹拌効率の向上がより一層のものとなるため好ましい。
筒型撹拌装置1において、回転軸14を回転させながら、濁水を供給口11から供給するとともに、凝集沈降剤圧送機3から回転軸14の導入口に凝集沈降剤を圧気に乗せて供給すると、供給口11から供給された濁水に対して、先ず噴射口15から凝集沈降剤が圧気とともに回転噴射されて添加される。これによって、筒体10内に噴射した圧気の気泡aによるエアリフトポンプ作用により筒体10内に供給口11から排出口12へ向う上昇流が発生するとともに、凝集沈降剤が筒体10内の周方向全体に均一に供給される。濁水中に分散している微粒子は凝集沈降剤により凝集して凝集体(フロック)を形成する。筒体10内には主にエアリフトポンプ作用および濁水の供給圧により排出口12へ向う流れが形成されており、濁水、凝集沈降剤、凝集体は、その流れに乗って上昇する過程で、回転軸14に伴って回転する撹拌羽根16により混合され、混合及び凝集が更に促進される。かくして、エアリフトポンプ作用により安定した上昇流が発生し、混合及び凝集の促進および混合比の安定が図られる。さらに、凝集沈降剤の供給に用いる圧気によって濁水中に酸素が取り込まれるため、汚濁物質が有機物質である場合に、微生物や酸化剤による酸化分解が促進される。
筒体10内で十分に撹拌処理された混合物は、濁水供給圧により排出口12から排出される。筒型撹拌装置1から排出される混合物は、主に凝集体、水分及び空気が混合された状態にあるため、必要に応じてこれらを分離する等の後処理を行うことができる。
図2は、後処理例を示しており、筒型撹拌装置1から排出される混合物を三相(気固液)分離サイクロン4で気体分、水分及び凝集分の三相に分離し、気体分は大気に排気し、水分は排水する一方、凝集分はそのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用するものである。サイクロン4に代えてシックナー等の沈降分離手段や、フィルタープレス、ベルトプレスのような加圧脱水機を用いることもできる。沈降分離の場合、混合物を沈降槽に供給する際に空気分を大気中に放出させ、凝集分及び水分を沈降槽で沈降分離する。沈降分離の場合、分離した凝集分は必要に応じてフィルタープレス等の加圧脱水機により更に脱水することができる。固化材との混合は適宜の方法を採用することができるが、図示例では、凝集分を泥土ポンプ5等のポンプにより管路型ミキサー6等の混合装置に供給するとともに、固化材圧送機7からセメント等の粉粒体固化剤を圧気に乗せて供給し、混合装置6内で凝集分に固化材を添加混合する手法を採用している。
管路型ミキサー6は、横向きに延在する管路6pと、この管路6pの管軸方向に間隔を空けて設けられた凝集投入口6i及び排出口6xと、管路6p内に中心軸に沿って配置され、回転駆動される回転軸6aと、回転軸6aの長手方向に間隔を空けて複数突設された移送及び撹拌機能を有する撹拌羽根6wとを有するものである。図示例では、回転軸6aにおける材料投入口6iと対応する部分にはスクリュー羽根6sが設けられており、材料投入口6iから投入された凝集分はスクリュー羽根6sにより下流側に向かって押し出された後、撹拌羽根6wにより撹拌混合されつつ排出口6xへ移送されるようになっている。固化材は、材料投入口6iから投入する他、図示例のように、回転軸6aを中空軸とするとともに、材料投入口6i以降の部分に噴射口6hを形成し、これらを介して材料投入口6i以外の部分から管路6p内の凝集分中に供給することができる。
<第2の実施形態>
図3は、河川、湖沼、海、貯水池、ダム等における濁水中に筒型撹拌装置1の供給口11を沈めて、筒体10内に濁水を直接供給して処理する第2の実施形態を示している。第2の実施形態の筒型撹拌装置1では、筒体としてのケーシング管10が、水上から深さ方向に対象位置(図示例では水底B近傍)まで上下方向に沿って延在している。筒体10の下端は供給口11として開口されており、水上部分は逆さU字状に曲げられ、その先端開口が水面を臨む排出口とされている。その他の点は、基本的に第1の実施形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明は省略する。
処理に際しては、筒体10を濁水中の対象部位(例えばヘドロ層Hまたはその近傍)に供給口11を位置させた状態で、回転軸14を回転させるとともに、凝集沈降剤圧送機3から回転軸14の導入口に凝集沈降剤を圧気に乗せて供給する。これによって、筒体10内に噴射した圧気の気泡aによるエアリフトポンプ作用により筒体10内に供給口11から排出口12へ向う上昇流が発生し、供給口11近傍の濁水やヘドロ等の堆積物が供給口11から筒体10内に吸引供給され、排出口12へ向けて上昇されるとともに、この過程で下部に位置する噴射口15から凝集沈降剤が筒体10内に回転噴射され、濁水中に分散している微粒子は凝集沈降剤により凝集して凝集体(フロック)を形成する。さらに、濁水、凝集沈降剤、凝集体は、筒体10の流れに乗って上昇する過程で、回転軸14に伴って回転する撹拌羽根16により撹拌混合され、混合及び凝集が促進される。
筒体10内で十分に撹拌処理された混合物は、撹拌羽根16の押し出し作用により排出口12から水面に排出される。この排出により混合物中に含まれる気体分は大気中に放出される一方、凝集分および水分は水中に戻され、凝集分は水底Bに沈殿する。水は水面と水底の間を循環することになる。沈殿した凝集体は疎水性であるため、水底Bからの汚濁物質の溶出を抑制することができる。
<第3の実施形態>
図4は、小規模の沼やため池、どぶ川などの浄化に適した簡便な実施形態を示している。この第3の実施形態では、筒体としてのケーシング管10の全体が濁水中に沈む程度に短く構成されており、筒体10の下端は供給口11として開口されており、上端は排出口12として開口されている。その他の点は、基本的に第2の実施形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明は省略する。
処理に際しても、筒型撹拌装置10の供給口11および排出口12を濁水中に開口させた状態で実施し、混合物を水中で排出し、水分を水中で循環させる点以外は、第2の実施形態と基本的に同様である。
<第4の実施形態>
図5は、第2の実施形態や第3の実施形態のように、筒体10の供給口11を濁水中に沈めて直接処理を行うにあたり、水底Bに存在するヘドロH等の堆積粒子を含めて処理する場合に適した実施形態である。すなわち、回転軸14の先端を供給口11よりも下方に突出させるとともに、この突出部分に先端部撹拌羽根17を設け、この先端部撹拌羽根17の撹拌作用を濁水の底部堆積物Hに作用させ、堆積粒子を濁水中に浮遊させて筒体10内に吸引し、処理するものである。
<第5の実施形態>
第2〜第4の実施形態は凝集分を濁水に戻すものであるが、図6に示すように、凝集分を濁水に戻さずに、第1の実施形態と同様に後処理することもできる。特に図6の例は、水上に仮受け水槽20を設置し、この仮受け水槽20内を大気に開放させるとともに、地上に分離装置を設置し、仮受け水槽20をポンプ21および管路22を介して分離装置に接続し、処理に際し、排出口12から混合物を仮受け水槽20内に排出させ、気体分は仮受け水槽20から大気に放出する一方、残りの固液分は地上の分離装置に供給して水分と凝集分とに分離するものである。分離した水分は排水するか又は濁水中に戻し、凝集分は第1の実施形態と同様に固化材と混合した後またはそのまま廃棄又は再利用することができる。この場合、混合物全体を地上に移送するよりも移送量が少なくて済むとともに、追加設備が仮受け水槽のみで済むため、低コストで効率良く処理できる。分離装置としては、サイクロンの他、シックナー等の沈降分離手段や、フィルタープレス、ベルトプレスのような加圧脱水機等、公知の装置を用いることができる。気体分は、筒体10における排出口12近傍に設けた排気口18から排出させることもできる。
<第6の実施形態>
図7は、水上で凝集分と水との分離までを行い、流動性のある凝集分のみを地上へ送り処理する実施形態を示している。より詳細には、水上に、気体分、水分及び凝集分の三相への分離を行うシックナー30(三相分離を行うものであれば、図2に示すようなサイクロン等、他の装置を用いることもできる)を設置し、このシックナー30で分離される凝集分を地上へ圧送するポンプ31及び管路32を設け、処理に際し、シックナー30により混合物を気体分、水分及び凝集分の三相に分離するとともに、その場で気体分は大気に排気し且つ水分はオーバーフローにより濁水中に戻す一方、凝集分は地上に送り、第1の実施形態と同様に固化材と混合した後またはそのまま廃棄又は再利用するものである。
<第7の実施形態>
図8および図9は、筒型撹拌装置1を濁水中に没して処理する手法を用い、凝集沈降剤圧送機3および筒型撹拌装置1を台船40上に設置し、適宜の移動装置により、筒型撹拌装置1を台船40に対して水平方向に移動させながら処理を行うことにより、広い範囲を効率良く処理しようとするものである。
すなわち、図8に示す実施形態は、台船40上に凝集沈降剤圧送機3を設置するとともに、筒型撹拌装置1をバックホウ41にアタッチメントとして取り付けて設置し、バックホウ41の操作により筒型撹拌装置1を台船40に対して水平方向に移動させる、台船40自体を移動させる、或いはこれらを組み合わせて行いながら処理を行うものである。符号19は圧送機3に圧気を供給するためのエアーコンプレッサー(空気圧縮機)を示している。また、図9に示す実施形態は、作業台船40上に横行装置42を設置し、この横行装置42により筒型撹拌装置1を横行自在に支持して処理を行うものである。図示例の筒型撹拌装置1は第2の実施形態のものであるが、第3、第4の実施形態の筒型撹拌装置1を用いることもできる。また、後処理については特に限定されず、前述した全ての後処理を採用することができる。
本発明は、濁水処理であれば、河川、湖沼、海、貯水池、ダムにおける濁水処理、あるいは土木・建設における排水、骨材・石材等の製造排水、食品加工工場等の各種工場排水の処理、さらには上水処理、下水処理など、広範な用途で利用できるものである。
第1の実施形態を示すフロー図である。 後処理例のフロー図である。 第2の実施形態を示す縦断面図である。 第3の実施形態を示す縦断面図である。 第4の実施形態の要部を示す縦断面図である。 第5の実施形態の後処理例を示すフロー図である。 第6の実施形態の後処理例を示すフロー図である。 第7の実施形態を示す縦断面図である。 第7の実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1…筒型撹拌装置、2…流量計、3…凝集沈降剤圧送機、4…サイクロン、5…ポンプ、6…管路型ミキサー、7…固化材圧送機、10…筒体、11…供給口、12…排出口、13…駆動源、14…回転軸、15…噴射口、16…撹拌羽根、17…先端部撹拌羽根、18…排気口、19…エアーコンプレッサー、20…仮受け水槽、21…ポンプ、22…管路、30…シックナー、31…ポンプ、32…管路、40…台船、41…バックホウ、42…横行装置、H…水底堆積物、B…水底、a…気泡。

Claims (9)

  1. 上下方向に沿って延在する筒体と、この筒体の上下方向に間隔を空けて下側及び上側にそれぞれ設けられた供給口及び排出口と、筒体内に中心軸に沿って配置され、回転駆動される回転軸と、回転軸における前記供給口以上の部位に設けられた噴射口と、回転軸における少なくとも前記噴射口よりも上側の部分に上下方向に間隔を空けて複数突設された撹拌羽根と、を有する筒型撹拌装置を用い、
    処理に際し、濁水を前記供給口から前記筒体内に供給するとともに、前記回転軸を回転させつつ、前記噴射口から粉粒体状の凝集沈降剤を圧気に乗せて噴射させ、これによって、前記筒体内に噴射した圧気によるエアリフトポンプ作用により前記筒体内に前記供給口から前記排出口へ向う上昇流を発生させるとともに、上昇する濁水に対して凝集沈降剤を添加し、かつこれらを前記回転軸に伴って回転する前記撹拌羽根により混合し、この混合物を前記排出口から排出する、
    ことを特徴とする濁水処理方法。
  2. 圧送装置を用いて前記濁水を前記供給口に圧送供給する、請求項1記載の濁水処理方法。
  3. 前記筒型撹拌装置の供給口を濁水中に開口させた状態で前記処理を行う、請求項1記載の濁水処理方法。
  4. 前記筒型撹拌装置の前記供給口を濁水中に開口させるとともに、前記排出口を濁水中または濁水上に開口させた状態で前記処理を行う、請求項1記載の濁水処理方法。
  5. 前記供給口を下端面に開口させ、かつ前記回転軸の先端を前記供給口よりも下方に突出させるとともに、この突出部分に先端部撹拌羽根を設け、この先端部撹拌羽根の撹拌作用を濁水の底部沈殿物に作用させつつ前記処理を行う、請求項3または4記載の濁水処理方法。
  6. 前記排出口から排出される混合物を、気体分、水分及び凝集分の三相に分離し、気体分は大気に排気し、水分は排水するか又は濁水中に戻し、凝集分はそのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項1〜3のいずれか1項に濁水処理方法。
  7. 水上に仮受け水槽を設置し、この仮受け水槽内を大気に開放させるとともに、地上に分離装置を設置し、前記仮受け水槽を圧送装置を介して前記分離装置に接続し、前記処理に際し、前記混合物を前記排出口から前記仮受け水槽内に排出させ、気体分はその場で大気に排気する一方、残りの固液分は前記圧送装置により前記地上の分離装置に供給して水分と凝集分とに分離し、水分は排水するか又は濁水中に戻し、凝集分はそのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項3記載の濁水処理方法。
  8. 水上に、気体分、水分及び凝集分の三相への分離を行う三相分離装置を設置し、このサイクロン又はシックナーで分離される凝集分を地上へ圧送する圧送装置を設け、前記処理に際し、前記混合物を前記三相分離装置により気体分、水分及び凝集分の三相に分離するとともに、その場で気体分は大気に排気し且つ水分は濁水中に戻す一方、凝集分は前記圧送装置により地上に送り、そのまま又は固化材と混合した後に廃棄又は再利用する、請求項3記載の濁水処理方法。
  9. 上下方向に沿って延在する筒体と、この筒体の上下方向に間隔を空けて下側及び上側にそれぞれ設けられた供給口及び排出口と、筒体内に中心軸に沿って配置され、回転駆動される回転軸と、回転軸における前記供給口以上の部位に設けられた噴射口と、回転軸における少なくとも前記噴射口よりも上側の部分に上下方向に間隔を空けて複数突設された撹拌羽根と、を有する筒型撹拌装置と、
    粉粒体状の凝集沈降剤を圧気に乗せて前記筒型撹拌装置の噴射口へ圧送供給する凝集沈降剤圧送機とを備え、
    処理に際し、濁水を前記供給口から前記筒体内に供給するとともに、前記回転軸を回転させつつ、前記凝集沈降剤圧送機を作動させて前記凝集沈降剤を前記噴射口から圧気に乗せて噴射させ、これによって、前記筒体内に噴射した圧気によるエアリフトポンプ作用により前記筒体内に前記供給口から前記排出口へ向う上昇流を発生させるとともに、上昇する濁水に対して凝集沈降剤を添加し、かつこれらを前記回転軸に伴って回転する前記撹拌羽根により混合し、この混合物を前記排出口から排出するように構成した、
    ことを特徴とする濁水処理装置。
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