JP4653027B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び赤外線レーザー用フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物及びこれを用いた赤外線レーザー用フィルターに関する。さらに詳しくは、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂と、(b)クォタリレン色素、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料、及び(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物から選ばれる少なくとも1種のリン系安定剤を含有してなる、耐熱性、可視光線遮蔽性、赤外線透過性に優れた赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなるITS(高度道路交通システム)製品向け赤外線レーザー用フィルターに関する。
車間距離検知用装置、運転者の顔向き検知用居眠り防止装置、ナイトビジョン、バックソナー等のITS製品には、赤外線レーザーレーダーが使用されている。一般に、赤外線レーザーレーダーは850nm〜1000nm付近の近赤外線を利用しているが、受光部の感度を上げるために、可視光線を遮蔽するフィルターを必要とする。可視光線を遮蔽し、赤外線を透過する材料としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等の赤外線透過物質からなる基板上に、高屈折率物質膜層と低屈折率物質膜層を交互に積層させてなる赤外線透過・可視光線反射型ミラー(特許文献1)や赤外線透過フィルター(特許文献2、3)が開示されている。しかし、該技術では、膜厚を制御した高屈折率膜と低屈折率膜の薄層を多層に積層する必要があり、高価な装置と高度な技術を必要とするため、高価な材料となってしまうという欠点があった。
これに対し、ポリカーボネート等の透明樹脂に、可視光線を遮蔽するために必要な赤外線吸収剤や染顔料等を添加することで、可視光線を遮蔽し、赤外線を透過する材料が得られる。特に、赤外線レーザーレーダーのフィルター用途では、可視光線による誤作動を防ぐため、レーザーに使用する赤外線波長になるべく近い波長までを遮蔽し、ノイズを除去する必要がある。赤外線レーザー用フィルターとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂に特定の構造を有するアントラキノン系染料を配合してなる赤外線透過フィルター(特許文献4)、透明性熱可塑性樹脂に、緑色着色剤(CI Solvent Green 28)と、赤色着色剤(CI Solvent Red 52)との4:1ないし、2:1の割合からなる混合物を含む可視光遮断赤外線透過フィルタ用樹脂組成物及び可視光遮断赤外線透過フィルタ(特許文献5)、芳香族ポリカーボネート樹脂に、アントラキノン系緑色染料、ペリノン系赤色染料及びキノフタロン系黄色染料を、20〜35:40〜60:0.1〜3の割合で配合した、赤外線透過性樹脂組成物およびこの樹脂組成物から形成された赤外線透過フィルター(特許文献6)が開示されている。
しかし、特許文献4〜6に記載の樹脂組成物及び赤外線透過フィルターは、赤外線波長に近い波長、具体的には波長700〜800nmの可視光線遮蔽性が十分ではない。さらに、該技術で用いられているアントラキノン系染料は耐熱性に難点があるため、樹脂に配合して成形する際、特に250℃以上の高温の成形条件が必要となるポリカーボネート樹脂の混練、成形の場合、染料の分解物が生じそれが樹脂の変色や物性低下を引き起こすこととなりやすい。
また、特許文献7及び8には、本発明に使用するクォタリレン色素の製造方法が開示されているが、具体的な応用手段に関しての記載はなかった。
その他、赤外線レーザー用フィルターに限らず、OA機器や光通信の分野では、近赤外線を利用した光学式文字読み取り装置や受光センサー等の技術が進歩し、これに伴って使用する特定波長領域の光線のみを透過する光学部品や特定の波長領域を遮蔽する光学部品が求められている。
特開平06−167604号公報 特開2000−314807号公報 特開2005−266537号公報 特開昭55−62410号公報 特開平06−194516号公報 特開平09−3311号公報 特許第3650628号公報 特表平11−502546号公報
本発明の目的は、耐熱性、可視光線遮蔽性、赤外線透過性に優れる赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる赤外線レーザー用フィルターを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂に特定の有機色素と安定剤を添加することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(b)クォタリレン色素を0.001〜0.1重量部、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料を0.0001〜1重量部、及び(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物から選ばれる少なくとも1種のリン系安定剤を0.001〜1重量部含有してなる赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる赤外線レーザー用フィルターに存する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる赤外線レーザー用フィルターは、十分な可視光線遮蔽性及び赤外線透過性能を有し、さらには、成形機滞留時の樹脂組成物の劣化による黄変が少なく滞留熱安定性に優れるので、特に、車間距離検知用装置、運転者顔向き検知用居眠り防止装置、ナイトビジョン、バックソナー等のITS製品向け赤外線レーザー用フィルター、あるいはその他の赤外線透過フィルター、近赤外線利用のリモコン装置、レーダー等の受光センサー等の光学部品として使用が可能であり、本発明の工業的効果は顕著である。
以下、本発明について具体的に説明する。
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂:
本発明における(a)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸のジエステルとを反応させることによって得られる、分岐していてもよい芳香族ポリカーボネート重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等の従来法によることができる。また、溶融法で製造され、末端基のOH基量を調整して製造されたポリカーボネート樹脂であってもよい。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的なものとして、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
さらに、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン(THPE)、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等の分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノール等を分岐化剤として少量併用することもできる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物のなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、該ヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
エステル交換法による重合においては、ホスゲンの代わりに炭酸ジエステルがモノマーとして使用される。炭酸ジエステルの代表的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造する際には、通常、触媒が使用される。触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が使用されるが、中でもアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。エステル交換法では、上記重合触媒をp−トルエンスルホン酸エステル等で失活させることが一般的である。
芳香族ポリカーボネート樹脂として好ましいものは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。また、難燃性等を付与する目的で、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合させることができる。芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料の異なる2種以上の重合体及び/又は共重合体の混合物であってもよく、分岐構造を0.5モル%まで有していてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル基含有量は、ポリカーボネート成形体の熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。実用的な物性を持たせるためには、通常30〜2000ppm、好ましくは100〜1500ppm、さらに好ましくは200〜1000ppmであり、末端ヒドロキシル基含有量を調節する末端封止剤としては、p−tert−ブチルフェノール、フェノール、クミルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等を使用することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂中の残存モノマー量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物が150ppm以下、好ましくは100ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下である。エステル交換法により合成された場合には、さらに炭酸ジエステル残存量が300ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは150ppm以下である。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限は無いが、溶媒としてメチレンクロライドを用い、20℃の温度で測定した溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは10,000〜50,000の範囲のものであり、より好ましくは11,000〜40,000のものであり、特に好ましくは12,000〜30,000の範囲のものである。粘度平均分子量を10,000以上とすることにより、機械的特性がより効果的に発揮され、50,000以下とすることにより、成形加工がより容易になる。また、粘度平均分子量の異なる2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよく、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合し、上記分子量の範囲内としてもよい。
(b)クォタリレン色素:
本発明に用いられる(b)クォタリレン色素としては、例えば、下記式(1)で表されるクォタリレン色素が挙げられる。
Figure 0004653027
(1)式中、2個のRは同一でも異なっていてもよく、互いに独立していて、水素、エーテル官能性の1〜4個の酸素原子、1〜4個のイミノ基、もしくは1〜4個のN−(炭素数1〜4のアルキル)イミノ基で中断されていてよい炭素数1〜20のアルキル基、又は、非置換の、もしくは炭素数1〜4のアルキル置換されたフェニル基である。
(1)式中のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1〜4(以下、「C〜C」と記載する)のアルキル置換フェニル基は、一般に1〜3個のC〜Cのアルキル置換基を有していて良い。
(1)式中、好適なR基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−又は3−メトキシプロピル、2−又は3−エトキシプロピル、2−又は3−プロポキシプロピル、2−又は3−ブトキシプロピル、2−又は4−メトキシブチル、2−又は4−エトキシブチル、2−又は4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−又は4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル、2−ジメチルアミノエチル、2−又は3−ジメチルアミノプロピル、2−又は4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザサオクチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル、3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル、3,6,9,12−テトラアザテトラデシル、フェニル、2−、3−又は4−メチルフェニル、2,4−又は2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−又は4−エチルフェニル、2,4−又は2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−,3−又は4−プロピルフェニル、2,4−又は2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−又は4−イソプロピルフェニル、2,4−又は2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−又は4−ブチルフェニル、2,4−又は2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−又は4−イソブチルフェニル、2,4−又は2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−又は4−s−ブチルフェニル、2,4−又は2,6−ジ−s−ブチルフェニル又は2,4,6−トリ−s−ブチルフェニルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(b)クォタリレン色素の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.001〜0.1重量部であり、好ましくは0.002〜0.05重量部である。クォタリレン色素の配合量を0.001重量部以上とすることにより、可視光線を効果的に遮蔽することができ、0.1重量部以下とすることにより、良好な透明性を保ち、低コストで好ましい。
(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料:
本発明においては、使用される赤外線レーザーの波長以下の可視光及び使用される赤外線レーザーの波長以上の赤外光の遮蔽性を改善する目的で、さらに上記(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料を配合する。配合する(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料としては、使用される赤外線レーザーの波長及びクォタリレン色素の吸収波長とは異なる波長領域に吸収を持つものが好ましい。
(b)成分以外の赤外線吸収剤としては、例えば、アンチモンドープ酸化錫微粒子、In、Ga、Al及びSbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する酸化亜鉛微粒子、錫ドープ酸化インジウム微粒子、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、硫化銅、銅イオン等の他の有機、無機系赤外線吸収剤が挙げられ、中でも、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物が好ましい。
染顔料としては、例えば、無機顔料 、有機顔料、有機染料等を用いることができる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料、群青等の珪酸塩系顔料、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料、黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料、紺青等のフェロシアン系等が挙げられる。
有機顔料及び有機染料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料、ニッケルアゾイエロー等のアゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、キノリン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料、シアニン系、アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料等が挙げられる。
これらの中でも熱安定性の点から酸化チタン、カーボンブラック、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物が好ましく、カーボンブラック、アンスラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物がさらに好ましい。それらの具体例としては、MACROLEX Blue RR、MACROLEX Violet 3R、MACROLEX Yellow 6G(バイエル社製)、Sumiplast Green G、Sumiplast Violet B(住友化学工業(株)製)、Diaresin Violet D、Diaresin Red HS(三菱化学(株)製)、KP Plast Orange HG、KP Plast Blue GR(紀和化学工業(株)製)等が挙げられる。
(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.0001〜1重量部であり、好ましくは0.0001〜0.3重量部、さらに好ましくは0.0001〜0.1重量部である。配合量を0.0001重量部以上とすることにより、可視光線を十分に遮蔽することができ、1重量部以下とすることにより、良好な透明性を保ち、低コストで好ましい。(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料は、1種でも使用可能であるが、2種以上併用することもできる。
ここで、本発明においてクォタリレン色素と併用する(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料としては、これら(c)成分を、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.005重量部含有してなるポリカーボネート樹脂組成物を用い、シリンダー温度320℃、成形サイクル600秒として厚さ2mmの成形品を成形した際の、3ショット目の滞留成形品の色相と、成形サイクル40秒で成形した通常成形品の色相との色差(ΔE)が、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2以下を満たすものが、安定した性能を得るために好ましく用いられる。
(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物
本発明で好ましく使用されるホスファイト化合物としては、亜リン酸エステル中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステルが挙げられる。
亜リン酸エステル化合物の具体例としては、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジラウリルフェニルホスファイト、ジイソデシルフェニルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)フェニルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、(フェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジメチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(フェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジメチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,4−ブタンジオール)ホスファイト等、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(3−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,3,6−トリメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(3−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ビフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジナフチルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトであり、より好ましくは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトである。
本発明で用いられるホスホナイト化合物としては、下記式(2)で表されるホスホナイト化合物が好ましく用いられる。
(RO)−P−R−R−P−(OR (2)
(2)式中、Rはフェニル基又はフェニレン基、Rはフェニル基、C〜Cのアルキル基又はC〜C15のフェニル誘導体を表す。フェニル誘導体としては、C〜Cのアルキル基によって置換されたフェニル基が挙げられる。
ホスホナイト化合物の具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3,4−トリメチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3−ジメチル−5−エチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチル−5−エチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3,4−トリ−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。中でも、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトなどの4,4’−ビフェニレンジホスホナイト化合物が好ましい。
上記(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜1重量部であり、好ましくは0.005〜0.4重量部である。配合量を0.001重量部以上とすることにより、樹脂組成物の黄変を効果的に抑制することができ、1重量部以下とすることにより、耐加水分解性を良好に保つことができる。
さらに、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、離型剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤を配合することが、成形時、及び赤外線レーザー用フィルターとして使用する上で、色相安定性が向上するので好ましい。
離型剤:
本発明で好ましく使用される離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸及びアルコールからなる脂肪酸エステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物及びポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種の化合物である。この中でも特に、(e)脂肪族カルボン酸及びアルコールからなる脂肪酸エステルがより好ましい。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価、2価若しくは3価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価又は2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、モンタン酸、テトラリアコンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸及びアルコールからなる脂肪酸エステルにおける脂肪族カルボン酸としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。この脂肪族カルボン酸と反応しエステルを形成するアルコールとしては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール、又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸及びアルコールとのエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸及びアルコールからなる脂肪酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリスチルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが挙げられる。これらの中でも特に、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましい。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス又は炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。
これらの中で好ましいものは、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレンワックスの部分酸化物であり、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。数平均分子量は200〜15,000であるが、好ましくは200〜5,000である。これらの脂肪族炭化水素は単一物質であっても、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記範囲内であればよい。
また、ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
離型剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.03〜0.7重量部である。配合量を0.01重量部以上とすることにより、離型効果を十分に発揮することができ、配合量を1重量部以下とすることにより、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等を防ぐことができる。離型剤は1種でも使用可能であるが、複数併用して使用することもできる。
紫外線吸収剤:
耐候性改良剤として用いられる紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系の他、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系化合物等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。本発明では、これらのうち有機紫外線吸収剤が好ましく、特にベンゾトリアゾール系化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルから選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、中でも(f)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が最も好ましい。
(f)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物等を挙げることができる。
これらの中で好ましいものは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物である。
紫外線吸収剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。配合量を0.01重量部以上とすることにより、耐候性を十分に改良することができ、5重量部以下とすることにより、成形時のモールドデボジットの発生を抑止することができる。該紫外線吸収剤は1種でも使用可能であるが、2種以上併せて使用することもできる。
酸化防止剤:
本発明で好ましく使用される酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。具体例としては、ペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。上記のうちで,特にペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これら2つのフェノール系酸化防止剤は,チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社よりイルガノックス1010及びイルガノックス1076の名称で市販されている。
酸化防止剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.8重量部である。酸化防止剤の配合量を上記範囲内とすることにより、必要以上の酸化防止剤を配合することなく、酸化防止剤としての効果を十分に発揮することができるので好ましい。
その他の添加剤:
本発明ポリカーボネート樹脂組成物には、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン,ポリエステル等の他の熱可塑性樹脂、リン系、金属塩系、シリコン系等の難燃剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化材、マイカ、タルク、ガラスフレーク等の板状強化材、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイト、ウィスカー等の無機系充填材、及び有機系充填材等の添加剤を配合することができる。
ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法:
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に制限はなく、例えば、(1)(a)芳香族ポリカーボネート樹脂の重合反応時に、(b)クォタリレン色素、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料、(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物、及び、必要に応じて使用される添加剤を混合する方法、(2)混練途中等、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂が溶融した状態で、(b)クォタリレン色素、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料、(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物、及び、必要に応じて使用される添加剤を混合する方法、(3)ペレット等、固体状態の(a)芳香族ポリカーボネート樹脂に、(b)クォタリレン色素、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料、(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物、及び、必要に応じて使用される添加剤を混合後、押出機等で溶融・混練する方法等が挙げられる。
赤外線レーザー用フィルター:
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から赤外線レーザー用フィルターを製造する方法は、特に限定されるものでなく、熱可塑性樹脂について一般的に用いられている成形法、例えば、射出成形、射出圧縮成形、フィルムやシート等の押出成形、熱成形等の何れをも適用できる。さらに、ガス又は水等の流体アシスト成形、超臨界又は亜臨界ガスを使用した成形、各種印刷等の機能化処理されたフィルム又はシートのインサート成形、2色成形、インモールド成形、他樹脂又は紫外線吸収層等の共押し出し、ラミネート等も可能である。成形可能な形状の自由度から、射出成形又は射出圧縮成形が好ましい。さらに、射出成形又は射出圧縮成形ではホットランナーを使用することもできる。
赤外線レーザー用フィルターは、必要に応じて任意の形状に成形可能であるが、フィルターとして平面状又は曲面状の板状部分を有する形状であることが好ましい。板状部分の厚みは特に制限は無いが、本発明においては、好ましくは厚み0.1〜5mm、さらに好ましくは0.2〜5mmのものを用いる。板状部分の厚みが0.1mm以下では、十分な可視光線遮蔽性能を得るために、クォタリレン色素や他の赤外線吸収剤あるいは染顔料を高濃度で配合する必要があり、高濃度で配合した場合、透明性が得難く、経済的にも好ましくない。
また、本発明の赤外線レーザー用フィルターは、必要に応じてさらにアニール処理等を行ったり、他部品と接着したりすることも可能である。接着方法も特に制限は無いが、溶剤による接着のほか、振動溶着、レーザー溶着等公知の方法を使用することができる。
本発明の赤外線レーザー用フィルターは、赤外線レーザー用フィルターに要求される性能を効果的に発揮するために、該フィルターの片面又は両面に、ハードコート層及び反射防止層から選択された少なくとも1種の層を1層以上設けることが好ましい。該フィルターの片面又は両面にハードコート層及び反射防止層から選択された少なくとも1種の層を1層以上形成する方法は、特に限定されるものでなく、従来公知の種々の方法が用いられる。
反射防止層は、例えば、(A)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着法等の各種真空蒸着法、(B)プラズマ蒸着法、(C)2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング法、(D)DC法、RF法、多陰極法、活性化反応法、HCD法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法、(E)CVD法等を用いることによって形成することができる。さらに、反射防止層は、ZrOゾル、TiOゾル、Sbゾル、WOゾルのような高屈折率を有する金属酸化物ゾルをシリコン系ハードコート剤やプライマー中に分散させ、塗布・熱硬化させることによって形成することもできる。
ハードコート層の形成には、エポキシ系、アクリル系、アミノ樹脂系、ポリシロキサン系、コロイダルシリカ系、有機・無機ハイブリッド系等のハードコート剤を、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フローコート法等の各種塗布法により塗布し、熱又は紫外線等の手段により硬化する方法を用いることができる。これらのハードコート層は、ポリカーボネート基材上に1層以上設けることができる。ハードコート剤は、ポリカーボネート基材上に直接塗付することも可能であるが、基材上に予め形成されたアンダーコート層の上に塗布してもよい。さらに、形成されたハードコート層の表面を、プラズマ重合等によりSiO2 等の無機化合物処理の他、防曇処理、反射防止膜塗布等を行うことも可能である。また、ハードコート層を形成する方法としては、上記のような成形品表面にハードコート剤を塗付する方法以外にも、例えば、ハードコート層を有するシート又はフィルムを金型内にセットし、そこへポリカーボネート樹脂組成物を射出成形することでハードコート層を有する一体成形体を作成する方法を用いることができる。
これらハードコート層及び/又はアンダーコート層中には、種々の添加剤、例えばトリアゾール系、トリアジン系化合物等の紫外線吸収剤や、ホウ化物、ITO、ATO、ZnO、アンチモン酸亜鉛等の金属・金属酸化物微粒子系熱線遮蔽剤、銅系化合物、有機錯体系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、アミニウム系、シアニン系、アゾ化合物系、キノン系、ポリメチン系、ジフェニルメタン系等の有機系熱線遮蔽剤等の各種熱線遮蔽剤を含有させることもできる。これらの添加剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
反射防止層やハードコート層の厚さは、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。厚みを1μm以上とすることにより、反射防止層やハードコート層の耐久性を維持でき、20μm以下とすることにより、反射防止層やハードコート層にクラックが発生するのを防ぐことができる。
本発明に関わる赤外線レーザー用フィルターは、厚み0.1〜5mmの板状部分のヘイズが5%未満であることが好ましく、3%以下が特に好ましい。ヘイズを5%未満とすることにより、透明性を良好に保つことができるため、車間距離検知用装置、運転者顔向き検知用居眠り防止装置、ナイトビジョン、バックソナー等のITS製品向け赤外線レーザー用フィルターや、その他赤外線透過フィルター、リモコン装置やレーダーの受光部品等の光学部品に好適である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、使用した原材料の詳細は、以下のとおりである。
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品「商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000F」(以下、「S−3000」と略記する)、粘度平均分子量 22,000
(b−1)赤外線吸収剤1:クォタリレン色素、BASF製「商品名:Lumogen IR−765」
(b−2)赤外線吸収剤2:クォタリレン色素、BASF製「商品名:Lumogen IR−788」
(c−1)赤外線吸収剤3:アントラキノン系赤外線吸収剤、日本化薬(株)社製「商品名:Kayasorb IR−750」
(c−2)赤外線吸収剤4:フタロシアニン系赤外線吸収剤、日本触媒(株)製「商品名:TX−EX−702K」
(c−3)染料1:バイエル社製「商品名:マクロレックスブルーRR」
S−3000 100重量部に対し、マクロレックスブルーRRを0.005重量部配合してなるポリカーボネート樹脂組成物を用い、シリンダー温度320℃、成形サイクル600秒として厚さ2mmの成形品を成形したした際の3ショット目の滞留成形品の色相と、成形サイクル40秒で成形した通常成形品の色相との色差ΔE=0.8。
(c−4)染料2:三菱化学(株)製「商品名:ダイアレジンレッドHS」
S−3000 100重量部に対し、ダイアレジンレッドHS0.005重量部配合してなるポリカーボネート樹脂組成物を用い、シリンダー温度320℃、成形サイクル600秒として厚さ2mmの成形品を成形したした際の3ショット目の滞留成形品の色相と、成形サイクル40秒で成形した通常成形品の色相との色差ΔE=0.3。
(d)リン系安定剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、旭電化工業(株)製「商品名:アデカスタブ2112」
(e)離型剤:ペンタエリスリトールテトラステアレート、日本油脂(株)製「商品名:ユニスターH476」
(f)紫外線吸収剤:2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、シプロ化成(株)「商品名:シーソーブ709」
[実施例1、2及び比較例1〜4]
芳香族ポリカーボネート樹脂及び各種添加剤を表1に示す割合で配合しタンブラーで20分混合後、スクリュー径40mmのベント付き単軸押出機(いすず化工機社製「SV−40」)により、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmで混練し、押出されたストランドを切断してペレットを作製した。
得られたペレットを120℃、5時間乾燥後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ」)にて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、厚み2mm厚の平板を作製した。この平板表面上に、アクリル系アンダーコート、シリコン系ハードコートの順にそれぞれ塗付後UV硬化を行い、厚み10μmのアンダーコート層及び5μmのハードコート層を形成した。このような方法で作製した成形品を、下記評価用の試験片として用い評価を行った。
評価結果を表1及び図1に示す。
[評価法]
(1)ヘイズ:
JIS K−7105に準じ、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターで測定した。
(2)透過光線スペクトル:
(株)島津製作所製のU−3100PC型分光光度計を使用して、390〜1000nm波長域で光線透過率を測定した。
(3)可視光線透過率:
上記(2)で得られた390〜780nm波長域の光線透過率の値を用いて、JIS R−3106に従い可視光線透過率を算出した。
(4)L値、a値、b値:
JIS K−7105に準じ、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法により測定した。
(5)滞留熱安定性試験:
シリンダー温度を320℃、成形サイクルを600秒として、5ショット目の滞留成形品の色相を、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で透過法により測定し、成形サイクル40秒で成形した通常成形品の色相と比較した。滞留成形品のL値、a値、b値と通常成形品のL値、a値、b値の差、ΔL、Δa、Δbから下記式により色差ΔEを算出し色相の指標とした。
ΔE=[(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
Figure 0004653027
表1及び図1より、以下のことが分かる。
赤外線吸収剤として(b)クォタリレン色素を用いた樹脂組成物は、800nm以下の可視光領域の波長を十分に遮蔽し、800nm以上の赤外領域の波長を高い透過率で透過しており、(b)成分以外の赤外線吸収剤を用いた樹脂組成物に比べ可視光線の選択的遮蔽性能に優れている。さらに、(d)ホスファイト化合物を配合することにより、滞留試験後の熱劣化による成形品の色相変化を小さくすることが可能となり、滞留熱安定性に優れた樹脂組成物が得られることが分かる(実施例1、2)。
赤外線吸収剤を含有しない樹脂組成物、及び赤外線吸収剤として(b)クォタリレン色素以外の赤外線吸収剤を用いた樹脂組成物例では、波長800nm以下の可視光線領域を透過するため、可視光線遮蔽性が十分ではなく、赤外線レーザー用フィルターとしての使用は難しい(比較例1〜3)。
実施例1、2及び比較例1〜3の透過光線スペクトル。

Claims (7)

  1. (a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(b)クォタリレン色素を0.001〜0.1重量部、(c)(b)成分以外の赤外線吸収剤及び/又は染顔料を0.0001〜1重量部、及び(d)ホスファイト化合物又はホスホナイト化合物から選ばれる少なくとも1種のリン系安定剤を0.001〜1重量部含有することを特徴とする赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物。
  2. さらに(e)脂肪族カルボン酸及びアルコールからなる脂肪酸エステルを(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部含有してなる、請求項1に記載の赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物。
  3. さらに(f)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部含有してなる、請求項1又は2に記載の赤外線レーザー用フィルター向けポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる赤外線レーザー用フィルター。
  5. 厚み0.1〜5mmの板状部分を有する、請求項4に記載の赤外線レーザー用フィルター。
  6. 板状部分が、その片面又は両面に、ハードコート層及び反射防止層から選択された少なくとも1種の層を1層以上有する、請求項4又は5に記載の赤外線レーザー用フィルター。
  7. 赤外線レーザー用フィルターが、ITS(高度道路交通システム)製品向けである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の赤外線レーザー用フィルター。
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