JP4650913B2 - 中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構 - Google Patents

中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構 Download PDF

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    • F16H57/0471Bearing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空型波動歯車装置において潤滑剤が外部の漏れ出ることを確実に防止可能な潤滑剤漏れ防止機構に関するものである。また、本発明は、中空型波動歯車装置および中空型モータを備えた中空モータにおいて中空型波動歯車装置から中空モータ側に潤滑剤が漏れ出ることを確実に防止可能な潤滑剤漏れ防止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロボット等の駆動機構として、中空型モータと中空型波動歯車装置を同軸状態で隣接配置した構成の中空アクチュエータが知られている。この中空アクチュエータでは、中空型波動歯車装置に充填されている潤滑剤が中空モータ側に漏れ出すことの無いようにオイルシール等の接触シールやラビリンスシール等の非接触シールが配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接触シールであるオイルシールは摩擦抵抗があり、アクチュエータの効率低下を引き起こし、また、高速運転時の発熱が大きいので運転条件が制約を受ける等の問題点がある。
【0004】
また、非接触シールであるラビリンスシールは、長寿命化を達成可能な低粘度(低ちょう度)グリスを使用する場合には、信頼性に欠けるという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、非接触シール構造を用いて外部に潤滑剤が漏れ出ることを確実に防止可能な中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構を提案することにある。
【0006】
また、本発明の課題は、非接触シール構造を用いて、中空型波動歯車装置から隣接配置されている中空モータや外部に潤滑剤が漏れ出ることを確実に防止可能な中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構では、中空型波動歯車装置と中空入力軸と中空出力軸とを有し、前記中空型波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置されていると共に中心に貫通孔が形成されている可撓性外歯歯車と、この内側に嵌め込まれていると共に中心に貫通孔が形成されている波動発生器とを備え、この波動発生器は前記貫通孔が形成されている剛性カム板と、この剛性カム板の外周面に嵌めたベアリングとを備えており、前記波動発生器には、当該波動発生器の前記貫通孔に前記中空入力軸の端部が差し込まれて同軸状態で連結され、前記可撓性外歯歯車には、当該可撓性外歯歯車の前記貫通孔に前記中空出力軸が貫通して同軸状態で連結され、この中空出力軸の端部は前記波動発生器の前記貫通孔の内部にまで延びており、前記中空出力軸の外周面には環状の潤滑剤隔離部材が固定され、この潤滑材隔離部材と前記波動発生器側面との間に形成される環状の出力側潤滑材流路の環状開口が、前記波動発生器の前記ベアリングの近傍位置に形成されていることを特徴としている。
【0008】
ここで、前記出力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該出力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることが望ましい。
【0009】
また、前記出力側潤滑剤流路は、前記中空出力軸の前記端部の外周面と前記波動発生器の前記貫通孔の内周面との隙間に連通しており、この隙間には、出力側ラビリンスシールを形成することが望ましい。
【0010】
本発明では、潤滑剤の漏れ出しが予想される中空出力軸と波動発生器との隙間を潤滑剤隔離部材で覆って、その隙間開口を波動発生器のベアリング近傍位置まで延ばしてある。従って、潤滑剤の漏れ出しを抑制できる。
【0011】
また、テーパ状流路部分を形成してあるので、波動発生器および中空出力軸に取り付けた潤滑剤隔離部剤が高速回転すると、これらの間に侵入あるいは滞留している潤滑剤が遠心力によって外側に押し戻されるので、潤滑剤が外部に漏れ出ることが抑制される。
【0012】
当該流路部分は非接触シールであるラビリンスシールによってシールされており、当該ラビリンスシールの位置まで侵入する潤滑剤は上記にように抑制され、また、当該部分に至った潤滑剤はラビリンスシールによって外部に漏れ出ることが確実に防止される。
【0013】
一方、本発明の潤滑剤漏れ防止機構は、上記の構成に加えて、前記波動発生器における前記潤滑材隔離部材とは反対側の位置に、前記中空入力軸を回転自在に支持している入力軸支持部材を有し、この入力軸支持部材と前記波動発生器の剛性カム板の側面との間には環状の入力側潤滑剤流路が形成され、この入力側潤滑剤流路の環状開口は前記ベアリングの近傍に位置していることを特徴としている。
【0014】
ここで、前記入力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該入力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることが望ましい。
【0015】
さらに、前記入力側潤滑剤流路は、前記中空入力軸の外周面と前記入力軸支持部材に形成した円形内周面との隙間に連通しており、この隙間には、入力側ラビリンスシールが形成されていることが望ましい。
【0016】
このように、中空型波動歯車装置の入力側においても潤滑剤漏れ防止機構を取り付ければ、当該入力側から潤滑剤が外部に漏れ出ることも確実に防止される。
【0017】
次に、本発明は中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構に関するものであり、中空型モータと中空型波動歯車装置と中空入力軸と中空出力軸とを有し、前記中空型モータの中心にはモータ出力軸としての前記中空入力軸が貫通しており、前記中空型波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置されていると共に中心に貫通孔が形成されている可撓性外歯歯車と、この内側に嵌め込まれていると共に中心に貫通孔が形成されている波動発生器とを備え、この波動発生器は前記貫通孔が形成されている剛性カム板と、この剛性カム板の外周面に嵌めたベアリングとを備えており、前記波動発生器には、当該波動発生器の前記貫通孔に前記中空入力軸の端部が差し込まれて同軸状態で連結され、前記可撓性外歯歯車には、当該可撓性外歯歯車の前記貫通孔に前記中空出力軸が貫通して同軸状態で連結され、この中空出力軸の端部は前記波動発生器の前記貫通孔の内部にまで延びており、前記中空入力軸は回転自在の状態で入力軸支持部材によって支持され、当該入力軸支持部材は前記中空型モータと前記中空型波動歯車装置を仕切っている仕切り壁として機能しており、この入力軸支持部材と前記波動発生器の剛性カム板の側面との間には環状の入力側潤滑剤流路が形成され、この入力側潤滑剤流路の環状開口は前記ベアリングの近傍に位置していることを特徴としている。
【0018】
この場合、前記入力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該入力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることが望ましい。また、前記入力側潤滑剤流路は、前記中空入力軸の外周面と前記入力軸支持部材に形成した円形内周面との隙間に連通しており、この隙間には、入力側ラビリンスシールが形成されていることが望ましい。
【0019】
さらには、中空出力軸側においても同様な潤滑剤漏れ防止機構を配置することが望ましい。すなわち、前記波動発生器における前記入力軸支持部材とは反対側の位置には、前記中空出力軸の外周面部分に環状の潤滑剤隔離部材が固定され、この潤滑材隔離部材と前記波動発生器側面との間に形成される環状の出力側潤滑材流路の環状開口が、前記波動発生器の前記ベアリングの近傍位置に形成されていることが望ましい。また、前記出力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該出力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることが望ましい。さらには、前記出力側潤滑剤流路は、前記中空出力軸の前記端部の外周面と前記波動発生器の前記貫通孔の内周面との隙間に連通しており、この隙間には、出力側ラビリンスシールが形成されていることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構の例を説明する。
【0021】
図1は本例の中空アクチュエータの断面図である。この図を参照して説明すると、本例の中空アクチュエータ1は、中空型波動歯車装置2と、中空型ACサーボモータ3とを有し、中空型波動歯車装置2には、中空入力軸4および中空出力軸5が同軸状態で連結されている。中空入力軸4は中空ACサーボモータ3の出力軸である。
【0022】
まず、中空ACサーボモータ3は、中空入力軸(モータ出力軸)4の外周面に固着されたロータ31と、このロータ31の外周を取り囲む状態に配置されたステータコイル32を備えている。ステータコイル32は円筒状のアクチュエータハウジング11の内周面に固定されている。このアクチュエータハウジング11の一端には円盤状端板12が固定されており、この端板12の中心孔に取り付けた軸受け13によって中空入力軸4の一端側の部分が回転自在に支持されている。
【0023】
アクチュエータハウジング11の他端側には円盤状端板14が一体形成されており、この端板14の中心孔に取り付けた軸受け15によって中空入力軸4の他端部分が回転自在に支持されている。本例では、この端板14は中空型ACサーボモータ3と中空型波動歯車装置2の仕切り壁として機能していると共に、後述のように、中空型波動歯車装置2の構成部品である剛性内歯歯車が一体形成されている。
【0024】
なお、本例では、端板12の外側には中空入力軸(モータ出力軸)4の回転速度、回転位置を検出するためのロータリエンコーダ6が取り付けられている。
【0025】
次に、中空型波動歯車装置2は、端板14に一体形成されている剛性内歯歯車部分21と、この内側に配置されているカップ形状をした可撓性外歯歯車22と、この内側に嵌めた楕円形輪郭の波動発生器23とを備えている。カップ形状の可撓性外歯歯車22は、円筒状胴部221と、この一端から半径方向の内側に延びる円環状のダイヤフラム222と、このダイヤフラム222の内周端に連続して形成したボス223と、円筒状胴部221の開口端部外周面に形成した外歯224とを備えており、ボス223の中心には貫通孔225が形成されている。
【0026】
波動発生器23は楕円形輪郭の剛性カム板231と、この外周面に嵌めた可撓性軌道輪を備えたウエーブベアリング232とを備えており、波動発生器23の中心には貫通孔233が形成されている。波動発生器23によって可撓性外歯歯車22の外歯形成部分は楕円形に撓められ、その楕円形の長軸方向の両端位置に位置する外歯の部分を剛性内歯歯車部分21の内歯の部分にかみ合わせている。波動発生器23が回転すると、これらの両歯車の噛み合い位置が円周方向に移動し、両歯車の歯数差に応じて大幅に減速された減速回転が可撓性外歯歯車22から取出される。
【0027】
ここで、波動発生器23の剛性カム板231の貫通孔235には中空入力軸(モータ出力軸)4の端部41が差し込まれて、同軸状態で連結固定されている。この中空入力軸4の内部には回転自在の状態で中空出力軸5が貫通して、その端部51が中空入力軸端部41から突出している。この端部51の先端部分52が、ボス223の貫通孔225に差し込まれ、同軸状態で連結固定されている。このボス223は、その外周面が円盤状出力部材7にスプライン結合等によって連結固定されており、この出力部材7はクロスローラベアリング8を介して、アクチュエータハウジング11によって回転自在の状態で支持されている。
【0028】
次に、図2は上記構成の中空型波動歯車装置2に形成した潤滑材漏れ防止機構の部分を取出して示す部分拡大断面図である。図1および図2を参照して本例の潤滑材漏れ防止機構を説明する。
【0029】
まず、中空出力軸側に形成されている潤滑材漏れ防止機構を説明する。中空出力軸5の端部51の外周面部分51aにおけるボス223の隣接位置には、L形断面をした環状の潤滑剤隔離部材9が固着されている。この潤滑剤隔離部材9の筒状部分91は波動発生器23における剛性カム板231の側面近傍位置まで延びている。剛性カム板231の側面からは、筒状部分91と中空出力軸端部51の外周部分51aとの間に差し込まれた筒状部分236が延びている。これらの潤滑剤隔離部材9、剛性カム板の筒状部分236および中空出力軸端部外周面51aによって、コの字状に入り組んだ潤滑材流路10が形成されている。また、潤滑剤隔離部材9の筒状部分91の先端と剛性カム板側面との間に形成されている潤滑材流路開口10aは、ウエーブベアリング232の近傍まで立ち上がった位置とされている。
【0030】
さらに、この潤滑材流路開口10aに連続している潤滑材流路部分は波動発生器23の側に向けて外側に広がったテーパ状流路部分10bとされている。すなわち、潤滑剤材隔離部材9の筒状部分91の先端に形成した環状のテーパ面91aと、これに対応するように、剛性カム板側面に形成された環状のテーパ面237とによって、このようなテーパ状流路部分10bが区画形成されている。
【0031】
次に、剛性カム板の筒状部分236の内周面235と中空出力軸の端部外周面51aの間には、ラビリンスシール101が配置されている。本例では、外周面51aの側にラビリンスリングが取り付けられている。
【0032】
このように構成した潤滑剤漏れ防止機構では、中空型波動歯車装置2の内部から中空出力軸5の外周面を伝って外部に漏れ出る潤滑剤の流路開口10aがウエーブベアリング232の近傍位置まで立ち上がった位置にあるので、潤滑剤の漏れ量を低減できる。また、運転停止中等に潤滑剤流路10内に侵入してそこに滞留している潤滑剤は、運転中においては、テーパ状流路部分10bが回転することにより生ずる遠心力によって外部に押出される。すなわち、中空型波動歯車装置内に戻される。また、ラビリンスシール101の側から潤滑剤が中空型波動歯車装置内部に向けて吸引される。よって、潤滑剤の漏れが抑制される。さらには、ラビリンスシール101によって、潤滑剤が外部に漏れ出ることが確実に防止される。
【0033】
次に、中空入力軸側に形成されている潤滑剤漏れ防止機構を説明する。この場合においても、潤滑剤の漏れ出す可能性のある中空入力軸4の外周面4aと端板14の内周面14aの間の潤滑剤流路110にはラビリンスシール111が配置され、中空型ACサーボモータ内部に潤滑剤が侵入しないようにしている。
【0034】
また、この潤滑剤流路110の端をL形に折り曲げて半径方向の外側に立ち上げると共に、立ち上げた潤滑剤流路部分112の開口112aをウエーブベアリング232の近傍位置としてある。さらには、この開口112aに連続している潤滑剤流路部分を波動発生器側に向けて外側に広がったテーパ状流路部分112bとしてある。
【0035】
このように構成した入力軸側の潤滑剤漏れ防止機構においても、潤滑剤が漏れ出す開口112aがウエーブベアリング近傍位置まで立ち上がっているので、漏れ出し量が低減される。また、開口112aに連続した部分はテーパ状流路部分112bとしてあるので、運転中において、この部分に侵入あるいは滞留している潤滑剤は遠心力によって、中空型波動歯車装置内に戻される。よって、潤滑剤が中空入力軸外周面を伝わって中空型ACサーボモータ側に漏れ出してしまうことを確実に防止できる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の潤滑剤漏れ防止機構では、中空型波動歯車装置において潤滑剤が外部あるいは隣接配置されている中空型ACサーボモータ側に漏れ出す潤滑剤漏れ出し開口を波動発生器のベアリング近傍位置まで断ち上げて、潤滑剤の漏れが少なくなるようにしてある。
【0037】
また、当該開口に連続する潤滑剤流路部分をテーパ状流路部分とすることにより、運転中において当該テーパ状流路部分に侵入あるいは滞留している潤滑剤を遠心力によって中空型波動歯車装置内部に強制的に戻すようにしている。
【0038】
さらには、潤滑剤が漏れ出す流路部分には非接触シールであるラビリンスシールを配置して、潤滑剤の漏れを防止している。
【0039】
従って、本発明によれば、波動歯車装置内部から外部、あるいは隣接配置されているモータの側に潤滑剤が漏れ出てしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した中空アクチュエータの断面図である。
【図2】図1における潤滑剤漏れ防止機構の部分を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 中空アクチュエータ
2 中空型波動歯車装置
3 中空型ACサーボモータ
4 中空入力軸
31 ロータ
32 ステータ
11 ハウジング
12 端板
13 軸受
14 端板
15 軸受
6 ロータリエンコーダ
21 剛性内歯歯車部分
22 可撓性外歯歯車
23 波動発生器
225 貫通孔
231 剛性カム板
232 ウエーブベアリング
235 貫通孔
41 中空入力軸端部
5 中空出力軸
51 中空出力軸の端部
52 先端部分
7 出力部材
8 クロスローラベアリング
51a 中空出力軸の端部の外周面部分
9 潤滑材隔離部材
91 筒状部分
236 筒状部分
10 潤滑材流路
10a 潤滑材流路開口
10b テーパ状流路部分
101 ラビリンスシール
4a 中空入力軸外周面
14a 端板内周面
110 潤滑材流路
111 ラビリンスシール
112 潤滑材流路部分
112a 開口
112b テーパ状流路部分

Claims (15)

  1. 中空型波動歯車装置と中空入力軸と中空出力軸とを有し、
    前記中空型波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置されていると共に中心に貫通孔が形成されている可撓性外歯歯車と、この内側に嵌め込まれていると共に中心に貫通孔が形成されている波動発生器とを備え、この波動発生器は前記貫通孔が形成されている剛性カム板と、この剛性カム板の外周面に嵌めたベアリングとを備えており、
    前記波動発生器には、当該波動発生器の前記貫通孔に前記中空入力軸の端部が差し込まれて同軸状態で連結され、前記可撓性外歯歯車には、当該可撓性外歯歯車の前記貫通孔に前記中空出力軸が貫通して同軸状態で連結され、この中空出力軸の端部は前記波動発生器の前記貫通孔の内部にまで延びており、
    前記中空出力軸の外周面には環状の潤滑剤隔離部材が固定され、この潤滑材隔離部材と前記波動発生器側面との間に形成される環状の出力側潤滑材流路の環状開口が、前記波動発生器の前記ベアリングの近傍位置に形成されていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  2. 請求項1において、
    前記出力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該出力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  3. 請求項1または2において、
    前記出力側潤滑剤流路は、前記中空出力軸の前記端部の外周面と前記波動発生器の前記貫通孔の内周面との隙間に連通しており、この隙間には、出力側ラビリンスシールが形成されていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
    前記波動発生器における前記潤滑材隔離部材とは反対側の位置に、前記中空入力軸を回転自在に支持している入力軸支持部材を有し、
    この入力軸支持部材と前記波動発生器の剛性カム板の側面との間には環状の入力側潤滑剤流路が形成され、この入力側潤滑剤流路の環状開口は前記ベアリングの近傍に位置していることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  5. 請求項4において、
    前記入力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該入力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  6. 請求項4または5において、
    前記入力側潤滑剤流路は、前記中空入力軸の外周面と前記入力軸支持部材に形成した円形内周面との隙間に連通しており、この隙間には、入力側ラビリンスシールが形成されていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  7. 中空型波動歯車装置と中空入力軸と中空出力軸とを有し、
    前記中空型波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置されていると共に中心に貫通孔が形成されている可撓性外歯歯車と、この内側に嵌め込まれていると共に中心に貫通孔が形成されている波動発生器とを備え、この波動発生器は前記貫通孔が形成されている剛性カム板と、この剛性カム板の外周面に嵌めたベアリングとを備えており、
    前記波動発生器には、当該波動発生器の前記貫通孔に前記中空入力軸の端部が差し込まれて同軸状態で連結され、前記可撓性外歯歯車には、当該可撓性外歯歯車の前記貫通孔に前記中空出力軸が貫通して同軸状態で連結され、この中空出力軸の端部は前記波動発生器の前記貫通孔の内部にまで延びており、
    前記中空入力軸は回転自在の状態で入力軸支持部材によって支持されており、
    この入力軸支持部材と前記波動発生器の剛性カム板の側面との間には環状の入力側潤滑剤流路が形成され、この入力側潤滑剤流路の環状開口は前記ベアリングの近傍に位置していることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  8. 請求項7において、
    前記入力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該入力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  9. 請求項7または8において、
    前記入力側潤滑剤流路は、前記中空入力軸の外周面と前記入力軸支持部材に形成した円形内周面との隙間に連通しており、この隙間には、入力側ラビリンスシールが形成されていることを特徴とする中空型波動歯車装置の潤滑剤漏れ防止機構。
  10. 中空型モータと中空型波動歯車装置と中空入力軸と中空出力軸とを有し、
    前記中空型モータの中心にはモータ出力軸としての前記中空入力軸が貫通しており、
    前記中空型波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置されていると共に中心に貫通孔が形成されている可撓性外歯歯車と、この内側に嵌め込まれていると共に中心に貫通孔が形成されている波動発生器とを備え、この波動発生器は前記貫通孔が形成されている剛性カム板と、この剛性カム板の外周面に嵌めたベアリングとを備えており、
    前記波動発生器には、当該波動発生器の前記貫通孔に前記中空入力軸の端部が差し込まれて同軸状態で連結され、前記可撓性外歯歯車には、当該可撓性外歯歯車の前記貫通孔に前記中空出力軸が貫通して同軸状態で連結され、この中空出力軸の端部は前記波動発生器の前記貫通孔の内部にまで延びており、
    前記中空入力軸は回転自在の状態で入力軸支持部材によって支持され、当該入力軸支持部材は前記中空型モータと前記中空型波動歯車装置を仕切っている仕切り壁として機能しており、
    この入力軸支持部材と前記波動発生器の剛性カム板の側面との間には環状の入力側潤滑剤流路が形成され、この入力側潤滑剤流路の環状開口は前記ベアリングの近傍に位置していることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
  11. 請求項10において、
    前記入力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該入力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
  12. 請求項10または11において、
    前記入力側潤滑剤流路は、前記中空入力軸の外周面と前記入力軸支持部材に形成した円形内周面との隙間に連通しており、この隙間には、入力側ラビリンスシールが形成されていることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
  13. 請求項10ないし12のうちのいずれかの項において、
    前記波動発生器における前記入力軸支持部材とは反対側の位置には、前記中空出力軸の外周面部分に環状の潤滑剤隔離部材が固定され、この潤滑材隔離部材と前記波動発生器側面との間に形成される環状の出力側潤滑材流路の環状開口が、前記波動発生器の前記ベアリングの近傍位置に形成されていることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
  14. 請求項13において、
    前記出力側潤滑剤流路の前記環状開口につながっている当該出力側潤滑剤流路の部分は、前記波動発生器に向かって外方に広がるテーパ状流路部分とされていることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
  15. 請求項13または14において、
    前記出力側潤滑剤流路は、前記中空出力軸の前記端部の外周面と前記波動発生器の前記貫通孔の内周面との隙間に連通しており、この隙間には、出力側ラビリンスシールが形成されていることを特徴とする中空アクチュエータの潤滑剤漏れ防止機構。
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