JP4649650B2 - 遮音構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音を遮音する遮音構造体に係り、特に道路や鉄道用トンネルの掘削土木工事において発生する騒音を遮音するのに好適な遮音構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路や鉄道用トンネルの掘削土木工事においては、掘削時に発生する機械の振動音や発破作業時に発生する発破音など騒音が頻繁に発生する。このとき発生する騒音は非常に強力であり、現場の作業員や近隣の住民等に多大な不快感を与えるとともに、また健康に対する悪影響を及ぼす。このため、トンネル土木工事を行う際には十分な遮音対策が必要となる。
【0003】
トンネル土木工事における発破騒音対策としては、トンネル端部に遮音材と吸音材にて扉状に形成した遮音構造体をトンネル入口に設置して、トンネル内で発生する騒音を遮音する方法が一般的である。また、トンネル工事などにおいては、掘削した土砂を搬出する際、掘削土砂を大きな騒音の生じる振動ふるいにかけている。そして、振動ふるいから生じる騒音の遮音は、振動ふるい全体を遮音構造体にて覆うことによって行っている。この他、ビルの建設工事においても近隣の騒音防止に遮音構造体を建てて防止することが多い。
【0004】
従来における遮音構造体としては、遮音材である鋼板で扉を構成し、扉の内側にグラスウールやロックウール等の吸音材を貼りつけた構造のものが一般的である。このように、遮音構造体に吸音材を設けることで、騒音を一部吸音させて、騒音のトンネル内部への反響を低減させている。そして、遮音構造体の遮音材である鋼板により、遮音材を透過する騒音のエネルギを低減して、遮音を行っている。
【0005】
さらに、前記鋼板を2枚設けて、この2枚の鋼板の間に前記吸音材や水を充填して、吸音効果を高めた遮音構造体もある。
また、前記鋼材で構成した扉の内側にダンピング(振動減衰)特性の高い鉛板を貼り付けて、遮音効果を高めた遮音構造体もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来においては以下のような問題があった。
従来における遮音構造体は板材形状の遮音材(鋼板)を用いているため、遮音性能は質量則と呼ばれる法則に依存している。質量則とは、騒音の透過率と遮音効果(透過損失)とを規定する法則であり、
【数1】
Figure 0004649650
の式で表される。ここで、TLは透過損失[単位dB]、mは遮音構造体の面密度(単位面積あたりの質量)[単位kg/m2]、fは騒音の振動数[単位Hz]である。数式(1)に示してあるように、遮音性能(透過損失)を大きくするためには、面密度を大きくする必要があり、遮音材の厚みを大きくする必要がある。
【0007】
しかし、一定の遮音効果を得るために遮音材の厚みを大きくすると、遮音材の重量が増大して取付けや取り外し作業の負担が大きくなるとともに、重量の増大に伴い扉形状に加工するのに負担が増すという問題があった。
【0008】
また、数式(1)に示してあるように、質量則によると、遮音材の遮音性能は、低周波になるほど低下してしまう。トンネル工事における騒音においては特に数10Hz〜数100Hzの低周波領域や可聴周波数以下の超低周波領域の音波が人体に対する影響や建築物などを振動させることで問題となっているため、かかる低周波領域及び超低周波領域の騒音を効果的に遮音することが望まれていた。
【0009】
本発明に係る遮音構造体の一の目的は、従来における問題点に着目してなされたものであり、従来の遮音構造体よりも軽量化を図り、取付けや取り外しを容易に行うことができることにある。
【0010】
また、本発明に係る遮音構造体の他の目的は、従来の遮音構造体よりも遮音性能を向上させて、特に低周波領域及び超低周波領域における遮音を効果的に行えることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る遮音構造体は、固体からなる膜内に気体を封入した気泡体の多数を相互に密接させて枠体内に充填してある。上記のように構成した遮音構造体においては、枠体内に入射する際に、騒音の一部が前記気泡体を形成する膜表面にて反射される。前記膜は固体にて形成したため、膜を透過して気泡体内に入射した騒音の一部は、膜の内面で多重反射して減衰するとともに、互いに干渉することでエネルギが低減される。また、気泡体内で多重反射する騒音の一部は、膜を振動させるエネルギに変換される。気泡体同士はそれぞれ密着するように配置されているため、それぞれの膜の振動は互いに干渉して打ち消しあう。また、騒音の一部は気泡体間に形成された空間でも多重反射して減衰するとともに、互いに干渉することでエネルギが低減される。このように、膜表面での反射、気泡体内や気泡体間での多重反射、膜同士の振動の打ち消し合い等の相乗効果により、騒音は遮音構造体を透過する際にはその大部分のエネルギが失われ、従来の遮音構造体に比して高い遮音効果を発揮させることができ、低周波領域及び超低周波領域の騒音をも効果的に低減させることができる。また、気泡体を用いているため、遮音構造体を従来に比して大幅に軽量化することができる。よって、遮音構造体を必要箇所に容易に取付けや取り外しを行うことができる。気泡体の膜としては、可撓性を有するプラスチックが好ましい。このような材質で気泡体を形成すると、枠体内に気泡体を圧縮して充填することができる。このとき、気泡体は、少なくとも数kg/m以上の耐圧を有することが好ましい。このように気泡体を圧縮して充填すると、気泡体同士が密に接触して、気泡体間の空隙が減り、超低周波成分から高周波成分まで含む広帯域な騒音に対して高い遮音効果を得ることができる。また、気泡体の形状としては、球状もしくは半球状が好ましい。膜内に封入する気体としては、空気が気泡体作成の容易性やコスト的な観点から好ましいが、空気に限定されない。また、枠体の構造としては、気泡体を収容する枠本体に、押え枠を当接させて、サンドイッチ構造とすることが、多数の気泡体を圧縮して密閉できるため好ましい。枠体の材質は、木材、パンチングメタル、グレーチング、金網、ゴム等のダンピング材を貼った鉄板で形成することが強度や減衰特性の点から好ましい。
【0012】
また、本発明に係る遮音構造体は、可撓性シートに多数の気泡体が形成してある遮音シートを、枠体内に積層収容してなる。上記のように構成すると、上記した作用効果に加えて、気泡体の取り扱いや圧縮が容易であるとともに高い遮音効果を発揮することができる。
【0013】
特に、本発明に係る遮音構造体は、可撓性シートに多数の気泡体が形成してある遮音シートを柱状に巻いたシートロールと、このシートロールを収容した枠体とを有することを特徴とする構成とした。上記のように構成すると、上記した作用効果に加えて、遮音構造体の形成が容易であるとともに、より一層高い遮音効果を得ることができる。
【0014】
上記構成において、前記枠体には複数の前記シートロールを収容し、これらのシートロールを相互に密接させて騒音の進行方向に対して多層に配置したものである。上記のように構成すると、騒音がシートロール間からもれないため、遮音効果をさらに高めることができる。
【0015】
上記構成において、前記シートロールは、渦巻状に巻いてあることを特徴としてよい。上記のように構成すると、シートロールを容易に形成することができ、遮音構造体の組立、解体を容易に行うことができる。
【0016】
上記構成において、前記気泡体は、直径を0.3cm以上かつ5cm以下としたことを特徴としてよい。上記のように構成すると高い遮音効果を得ることができる。直径が0.3cmよりも小さいと、騒音のエネルギが実質的に気泡体の膜を伝播して遮音体を透過するため、遮音効果を得ることが困難となる。一方、直径が5cmよりも大きいと遮音構造体として形成した際に気泡体相互の間に多数の隙間が生じるため、遮音効率が低下してしまう。
【0017】
上記構成において、前記枠体は騒音入射側に開口部を有して、当該開口部より騒音を気泡体に導入可能としたことを特徴としてよい。上記のように構成すると、枠体に設けた開口部より騒音を気泡体に積極的に導入させて遮音させることができるため、遮音効果をより高めることができる。
【0018】
上記構成において、前記枠体は騒音透過側を遮蔽された構造としたことを特徴としてよい。上記のように構成すると、遮音構造体を透過する騒音の大きさを低減させることができるため、遮音効果をより高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態における遮音構造体について図面を用いて詳細に説明する。
実施形態においては、トンネル入口に遮音構造体を取付けて、トンネル内における発破作業時の発破音や掘削時の機器の振動による騒音の遮音を行わせる場合について説明する。なお、遮音構造体は、トンネル工事において好ましく適用できるが、適用対象としてはこれに限られず、例えば建築物の防音に用いてもよい。
【0020】
図1は第1実施形態における遮音構造体20の全体構成を示す斜視図である。
遮音構造体20は、内部が中空の枠体22内に、詳細を後述するシートロール40の複数本を収容した構成となっている。以下、より詳細に説明する。
【0021】
枠体22は、シートロール40を保持可能な略直方体形状の保持枠24と、保持枠22に固着されて前記シートロール40に圧縮力を付与する格子状の押え枠30とを有している。前記保持枠24は、図1の片側(図1の左側)が開口しており、この開口部を介して複数本のシートロール40を挿入できるようにしている。そして、実施形態の場合前記保持枠24の開口部の下辺を除く3辺には、フランジ部28が設けてあり、当該フランジ部28に押え枠30の端面を当接させて、ボルト34、ナット36にて着脱自在に締結している。このような構造としたことで、後述するように、枠体22内に収容したシートロール40に圧縮力を付与して、シートロール40を相互に密着させることができる。なお、枠体22の構造としては、サンドイッチ形状としてシートロール40を挟むことができるものが好ましいがこれに限られるものではない。前記枠体22の材質は、実施形態の場合減衰特性の高い鉄としている。また、保持枠24及び押え枠30には、それぞれくりぬき孔26、32が設けてある。これらのくりぬき孔26、32を設けたことで、枠体22の軽量化を図るとともに、騒音をシートロール40に導入可能としている。
【0022】
本実施形態においては、枠体22内のシートロール40は、長手方向(軸線方向)が騒音の進行方向に対して垂直となるように配置している。このため、枠体22内に入射する騒音がシートロール40の後述する気泡体44にぶつからずに外部に透過することを防止して、シートロール40にて騒音を遮断することができる。
【0023】
シートロール40について図2を用いて説明する。図2(a)はシートロール40形成時の遮音シート42の斜視図であり、図2(b)は当該遮音シート42の側面図である。本実施形態におけるシートロール40は、図2(b)に示したように、遮音シート42を渦巻き状に巻いて円柱形状に形成する。遮音シート42は、可撓性シート43の片面に半球状の気泡体44を多数所定間隔で備えた構造となっている。可撓性シート43は実施形態の場合、市販のいわゆるエアパッキンシートであって、プラスチックからなるベースフィルムと、ベースフィルムを覆って設けた固体であるプラスチックフィルムで形成した遮音膜45とが一体化してある。そして、遮音膜45には、多数の半球体部が設けてあって、この半球体部とベースフィルムとの間に空気が封入され、気泡体44が形成されている。前記遮音シート42の材質は、可撓性を有するプラスチックであるため、遮音シート42は圧縮や変形を容易に行うことができる。このため、遮音シート42を渦巻き状に巻いてシートロール40を形成した際に、それぞれの気泡体44を相互に密着させることができる。このようにして形成したシートロール40は、ひもやテープ等で固定し円柱形状に保持させている。
【0024】
図3は、前記シートロール40を枠体22に収容する工程を示す説明図である。図3(a)に示したように、保持枠24の開口部内に複数本のシートロール40を並べて配置する。このとき、シートロール40は保持枠24の開口部から一部はみ出すように圧縮して配置する。そして、図3(b)に示すように、押え枠30を保持枠24の開口部に当接させて前記シートロール40を保持枠24内に押し込んで圧縮する。そして、保持枠24のフランジ部28と、押え枠30の端面とをボルト34とナット36で締結して、遮音構造体20を形成する。このように形成した遮音構造体20は、シートロール40に形成した気泡体44が相互に密接し、気泡体44間に存在する空間を少なくでき、遮音効果が高められる。また、従来の遮音構造体に比べて大幅に軽量化できるため、遮音構造体の取付け、取り外しが容易に行えるとともに、形状の加工が容易である。
【0025】
図8は、本実施形態における遮音構造体20をトンネル入口に取付けた場合の一例を示す説明図である。図8に示したように、トンネル100の入口を複数のブロック(a〜k)に分割して、それぞれに遮音構造体20を取付ける。図8に示した、トンネル100の壁面に接しないa、b、eのブロックは、規格品の矩形形状の遮音構造体20を適用することができる。また、トンネル100の壁面に接するc、d、f〜kのブロックに遮音構造体20を取付ける場合でも、トンネル100の壁面のカーブにそった形状に遮音構造体20を容易に加工することができる。このため、従来に比して遮音構造体20の取付け、取り外し作業が容易となる。なお、ブロックaは、車両の出入りが可能な開閉できる扉状に形成してある。
【0026】
上記のように構成した遮音構造体20の遮音原理について説明する。図4は、気泡体44の遮音原理を示す説明図である。騒音源50から枠体22内に入射した騒音52は、前記気泡体44の遮音膜45表面にて一部反射される。前記遮音膜45は固体にて形成したため、遮音膜45を透過して気泡体44内に入射した騒音52の一部は、遮音膜45の内面で多重反射56して減衰するとともに互いに干渉することでエネルギが低減される。また、遮音膜45の内面で多重反射56する騒音52の一部は、遮音膜45自体を振動させるエネルギに変換される。気泡体44は遮音膜45同士がそれぞれ密着するように配置されているため、それぞれの遮音膜45の振動58は減衰し、互いに干渉して打ち消しあう。また、騒音52の一部は遮音膜45間でも多重反射56して減衰し、また相互に干渉してエネルギが低減される。すなわち、遮音膜45表面での反射、気泡体44内や気泡体44間の空間での多重反射56、57、遮音膜45同士の振動58の打ち消し合い等の相乗効果により、遮音構造体20を透過した騒音60はその大部分のエネルギが失われる。このように、騒音52同士を干渉等させて騒音52のエネルギを低減させるため、従来の遮音構造体に比して高い遮音効果を発揮させることができ、低周波領域及び可聴周波数より低い超低周波領域の騒音52も効果的に低減させることができる。また、遮音膜45の振動は互いに干渉して打ち消し合うため、枠体22には遮音膜45の振動がほとんど伝わらない。このため、遮音構造体20自体が新たな音源となるおそれがなく、従来のように遮音効果が低下することがない。そして、実施形態においては、気泡を設けたプラスチックからなる遮音シート42を採用したことにより、遮音構造体20を大幅に軽量化することができ、トンネル出口における遮音構造体の取付けや、振動ふるいやプレス装置などの騒音を発生する機械を覆う遮音構造体による囲いの構築などを容易に行うことができる。
【0027】
なお、本実施形態においては、遮音シート42を渦巻き状に巻いて円柱状のシートロール40を形成したが、シートロール40の形成の仕方はこれに限らず、例えば複数枚の遮音シート42を同心円状に巻きつけて形成してもよい。また、シートロール40は枠体22内に垂直に立てた状態で配置したが、シートロール40の配置の仕方はこれに限らず、例えば横向きや斜め向きに配置してもよい。また、枠体22は、シートロール40を圧縮して挟み込める構造のものであればよく、例えば一対の窓枠状に形成した枠体でシートロール40を圧縮して挟み込んで、ワッシャやナットで固定する構造としてもよい。そして、前記枠体22は、騒音透過側を遮蔽された構造とすると遮音効果をさらに高めることができる。
【0028】
図5〜図7は、本発明における遮音構造体の変形例を示している。なお、第1実施形態に示した部材と同様の部材には、同一の番号を付すとともに説明を適宜省略する。図5に示した第2実施形態に係る遮音構造体70は、シートロール40を、騒音の進行方向に対して多層構造となるように枠体22内に配置してある。本実施形態においては、騒音の進行方向に対して3層に配置している。このようにすることで、騒音に対する遮音効果を高めることができる。このとき、層内のシートロール40は隣接する層のシートロール40と半ピッチずらして配置すると、枠体22内のシートロール40間からの騒音のもれを防止することができる。すなわち、層内のシートロール40間は、騒音に対して厚みが若干薄くなっているが、次の層のシートロール40にて遮音できるようになっている。このため、シートロール40間からの騒音のもれを防止することができ、遮音効果をさらに高めることができる。また、枠体22内の両側部には、空隙に合わせた小径のシートロール40aが圧縮して配置してあり、枠体22内のシートロール40の充填率を高めて遮音効果を一層高めている。
【0029】
図6は第3実施形態の遮音構造体80を示し、当該遮音構造体80は複数枚の遮音シート42を平板状に積層して枠体22内に配置している。このときも、図6に示した上下方向に隣接する遮音シート42同士の気泡体44を半ピッチずらすように配置することが遮音効果の均一化を図る点で好ましい。また、遮音構造体80は枠体22を貫通するシャフト82の両側をワッシャ84で押えて、ナット86にて固着させることにより、遮音シート42を圧縮させて配置している。このため、遮音効果を高めることができる。なお、枠体22の固着手段としては、ワッシャ84やナット86に限られるものではない。
【0030】
図7は第4実施形態の遮音構造体90を示し、当該遮音構造体90は球状の独立した気泡体92を枠体22内に多数密着配置している。気泡体92は、前記気泡体44と形状以外は同様の構造をしている。気泡体92は、球状に形成したことにより任意の方向に圧縮変形が容易である。このため、枠体22内により密に圧縮して充填することができ、遮音効果を高めることができる。なお、気泡体92の形状は、球状もしくは半球状が好ましいが、これに限られるものではない。
【0031】
実施形態における遮音構造体の遮音性能を測定した結果を以下に示す。図9は遮音構造体の遮音効果の測定環境を示す説明図である。図9に示すように発破騒音発生部112が、コンクリート製の風洞114の一端側に設けてあり、当該発生部112の開口部110を前記風洞114内に突出させている。発破騒音発生部112内には重さ50gの産業用火薬が装填し、当該火薬に発火して爆発させ、風洞114内に騒音113を発生させた。風洞114は1.4m角に形成してあり、風洞114の長さは約6.6mである。そして、風洞114の出口には、遮音構造体を取付けた。風洞114の出口から距離約10mの地点を計測点118として、この計測点118に騒音計を配置して、発破騒音を測定した。このとき風洞114の上部と側部とには盛り土116を設けて、風洞118の周囲から発破騒音の漏れを防いだ。
【0032】
図10は風洞114の入口に設けた各遮音構造体の遮音性能の比較図である。
図10の縦軸は音圧レベル(単位dB)を、横軸はオクターブバンド中心周波数(単位Hz)を示している。図10に示したAは枠体22のみを配置した場合、Bは枠体22に厚さ1mmの鉄板を設けた場合、Cは第2実施形態と同様に形成した3層構造のシートロール40を枠体22内に収容した遮音構造体70を設けた場合である。また、A〜Cに用いたそれぞれの枠体22は同一形状、同一サイズとしている。枠体22は厚さ方向内法寸法を140mm、横方向内法寸法を570mm、高さ方向内法寸法を970mmで形成している。Cのシートロール40の気泡体44は直径が10mmである。図10に示したように、実施形態に係る遮音構造体70を用いた場合は、鉄板を用いた場合よりも周波数のほぼ全域に亘り遮音効果があることがわかる。特に、人体に影響があるとされる63Hz以下の低周波領域及び超低周波領域において、鉄板に比べて大きく遮音効果を発揮することができている。面密度で対比すると、厚さ1mmの鉄板の面密度は7.8kg/m2であるが、前記遮音構造体70の枠体22内の面密度は4.9kg/m2であり、鉄板に比べて40%近い軽量化を図ることができる。
【0033】
また、図11においては、枠体のみを配置した場合と本発明の第1実施形態から第3実施形態と同様に形成した遮音構造体を配置した場合の遮音性能を測定して、実施形態の遮音構造体の中でどの構造がより好ましいかを測定した。図11に示したAは枠体22のみを配置した場合、Cは第2実施形態と同様に形成した3層構造のシートロール40を枠体22内に収容した遮音構造体70を設けた場合、Dは第1実施形態と同様に形成したシートロール40を単層構造に枠体22内に収容した遮音構造体20を設けた場合、Eは第3実施形態と同様に形成した遮音シート42を積層配置した遮音構造体80を設けた場合である。C〜Eに用いたそれぞれの枠体22は、図10の場合と同様に、同一形状及び同一サイズとしている。C、Dで用いた気泡体44の直径は10mmであり、Eで用いた気泡体44の直径は30mmである。図11からわかるように、遮音シート42をそのまま積層させた遮音構造体80よりもシートロール40を形成した遮音構造体20、50の方が、遮音効果が高い。また、シートロール40を単層構造に配置した遮音構造体20よりも積層構造に配置した遮音構造体70の方が、より遮音効果が高い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、膜表面での反射、気泡体内や気泡体間での多重反射、膜同士の振動の打ち消し合い等の相乗効果により、騒音は遮音構造体を透過する際にはその大部分のエネルギが失われ、従来の遮音構造体に比して高い遮音効果を発揮させることができ、特に、低周波領域及び超低周波領域の騒音を効果的に低減させることができる。また、枠体は従来の鋼板に比して形状の加工が容易であり、この枠体に気泡体を充填することで、遮音構造体を容易に形成することができる。このため、トンネルの入口等の取付け箇所に応じて容易に加工することができる。また、気泡体を用いているため、遮音構造体を従来に比して大きく軽量化を図ることができる。よって、遮音構造体を必要箇所に容易に取付けや取り外しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における遮音構造体の斜視図である。
【図2】実施形態におけるシートロール形成方法を示す説明図である。
【図3】実施形態の遮音構造体の組立方法を示す説明図である。
【図4】実施形態の遮音原理を示す説明図である。
【図5】第2実施形態における遮音構造体の平面図である。
【図6】第3実施形態における遮音構造体の拡大平面図である。
【図7】第4実施形態における遮音構造体の拡大平面図である。
【図8】トンネル入口に実施形態の遮音構造体を配置した一例を示す正面図である。
【図9】遮音構造体の遮音効果の測定環境を示す説明図である。
【図10】遮音効果の測定結果を示すグラフである。
【図11】遮音効果の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
20………遮音構造体、22………枠体、24………保持枠、
26………保持枠くりぬき孔、28………フランジ部、30………押え枠、
32………押え枠くりぬき孔、34………ボルト、36………ナット、
40………シートロール、42………遮音シート、44………気泡体、
45………遮音膜、46………空気、50………騒音源、52………入射音、
54………反射音、56………多重反射、58………振動、60………透過音、
70………遮音構造体、80………遮音構造体、90………遮音構造体、
92………気泡体、100………トンネル入口、110………騒音源、
112………発生機器、113………騒音、114………風洞、
116………盛り土、118………計測点

Claims (5)

  1. 可撓性シートに多数の気泡体が形成してある遮音シートを柱状に巻いたシートロールと、このシートロールを収容した枠体とを有し、前記枠体には複数の前記シートロールを収容し、これらのシートロールを相互に密接させて騒音の進行方向に対して多層に配置したことを特徴とする遮音構造体。
  2. 前記シートロールは、渦巻状に巻いてあることを特徴とする請求項1に記載の遮音構造体。
  3. 前記気泡体は、直径を0.3cm以上かつ5cm以下としたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれか一に記載の遮音構造体。
  4. 前記枠体は騒音入射側に開口部を有して、当該開口部より騒音を気泡体に導入可能としたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれか一に記載の遮音構造体。
  5. 前記枠体は騒音透過側を遮蔽された構造としたことを特徴とする請求項4に記載の遮音構造体。
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