JP4647857B2 - 内燃機関のランキンサイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の廃熱を利用したランキンサイクル装置に関し、特にその作動媒体で内燃機関の発熱部を冷却し得るランキンサイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開昭59−174308号公報には、内燃機関の排気ガスで液相作動媒体を加熱して気相作動媒体を発生させる蒸発器と、蒸発器で発生した気相作動媒体で駆動される膨張機と、膨張機を通過した気相作動媒体を冷却して液相作動媒体に戻す凝縮器と、凝縮器からの液相作動媒体を加圧して蒸発器に供給する供給ポンプとを備えたランキンサイクル装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来のものは、液相作動媒体としての水を内燃機関の排気管に設けた蒸発器の内部だけでなく、シリンダヘッドおよびシリンダブロックに形成した冷却通路の内部を通過させて加熱するようになっており、これにより内燃機関の廃熱を一層有効に利用するとともに、シリンダヘッドおよびシリンダブロックを液相作動媒体で冷却して従来のラジエータの廃止を図っている。
【0004】
しかしながら、一般にランキンサイクル装置の液相作動媒体としての水の流量と、内燃機関の冷却水の流量との比は1:100程度であり、内燃機関の冷却水の流量はランキンサイクル装置の水の流量に比べて遙に大きなものとなる。またランキンサイクル装置の蒸発器に供給される水の圧力は、内燃機関のウオータジャケットに供給される冷却水の圧力に比べて約100倍であり、両者の間には大きな差が存在する。
【0005】
従って、ランキンサイクル装置の水循環経路と内燃機関の冷却水循環経路とを直列に接続してラジエータの廃止を図ることは、両循環経路における流量および圧力に大きな差が存在することから事実上困難であり、内燃機関がオーバーヒートしたり、ランキンサイクル装置が充分な性能を発揮できなくなったりする可能性がある。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ランキンサイクル装置の性能を維持しながら、その液相作動媒体で内燃機関の発熱部を充分に冷却できるようにしてラジエータの廃止を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、内燃機関の廃熱で液相作動媒体を加熱して気相作動媒体を発生させる蒸発器と、蒸発器が排出した気相作動媒体の熱エネルギーを機械エネルギーに変換する膨張機と、膨張機が排出した気相作動媒体を冷却して液相作動媒体に戻す凝縮器と、凝縮器が排出した液相作動媒体を貯留するタンクと、タンク内の液相作動媒体を蒸発器に供給するポンプとを備えた内燃機関のランキンサイクル装置において、前記ポンプは低圧ポンプおよび高圧ポンプからなり、前記低圧ポンプはタンク内の液相作動媒体を内燃機関の冷却手段を通過させることで加熱して分配弁に供給し、分配弁で分配された液相作動媒体の一部は前記高圧ポンプで加圧されて蒸発器に供給され、分配弁で分配された液相作動媒体の他の一部は補機において放熱した後にタンクに排出され、分配弁で分配された加熱された液相作動媒体の一部は膨張機の潤滑媒体として使用されることを特徴とする内燃機関のランキンサイクル装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、タンク内の液相作動媒体を低圧ポンプで内燃機関の冷却手段に供給して該内燃機関の発熱部を冷却した後、冷却手段を出た液相作動媒体の一部を分配弁から高圧ポンプに供給して加圧した状態でランキンサイクル装置の蒸発器に供給するとともに、冷却手段を出た液相作動媒体の他の一部を分配弁から補機に供給し、ランキンサイクル装置の膨張機を出て凝縮器を介して液化した液相作動媒体と補機で放熱した液相作動媒体とをタンクに戻すので、ランキンサイクル装置の液相作動媒体循環系統と内燃機関の冷却手段の液相作動媒体循環系統とを統合しながら、ランキンサイクル装置および冷却手段にそれぞれ適した流量および圧力の液相作動媒体を供給することが可能となり、ランキンサイクル装置の性能を維持しながら内燃機関の発熱部を充分に冷却してラジエータを廃止することができる。しかも分配弁で分配された加熱された液相作動媒体の一部は膨張機の潤滑媒体として使用されるので、低温の潤滑媒体による膨張機の温度低下を防止して膨張仕事の低減を抑制し、内燃機関の廃熱回収効率を高めることができる。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、低圧ポンプから出た液相作動媒体は内燃機関の排気管に設けた熱交換器で予熱されて冷却手段に供給されることを特徴とする内燃機関のランキンサイクル装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、低圧ポンプから冷却手段に供給される液相作動媒体を排気管に設けた熱交換器で予熱するので、排気ガスの廃熱を一層有効に利用することができるだけでなく、内燃機関の低温時に冷却手段を通過する液相作動媒体による過冷却の発生を防止して内燃機関の暖機を促進することができる。
【0011】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、潤滑媒体として供給された液相作動媒体の一部を膨張機の膨張行程に気相作動媒体として供給することを特徴とする内燃機関のランキンサイクル装置が提案される。
【0012】
上記構成によれば、潤滑媒体として供給された液相作動媒体の一部を膨張機の膨張行程に気相作動媒体として供給するので、潤滑媒体としての液相作動媒体が持つ熱エネルギーを有効利用して膨張機の出力を増加させることができる。
【0013】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、分配弁から分配される加熱された液相作動媒体の一部を減圧弁を通過させて気相作動媒体に変換し、この気相作動媒体を膨張機の膨張行程に供給することを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、分配弁から分配される加熱された液相作動媒体を減圧弁で気相作動媒体に変換して膨張機の膨張行程に供給するので、液相作動媒体が内燃機関の発熱部から受け取った熱エネルギーを有効利用して膨張機の出力を増加させることができる。
【0015】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の構成に加えて、液相作動媒体として水を使用することを特徴とする内燃機関のランキンサイクル装置が提案される。
【0016】
上記構成によれば、炭化等の組成変化なしに使用できる温度領域が広い水を液相作動媒体として使用するので、膨張機に供給される高温状態の気相作動媒体と内燃機関の冷却手段から排出される低温状態の液相作動媒体とを支障なく融合することができ、しかも潤滑媒体として水を使用した場合に作動媒体および潤滑媒体を支障なく混合することができる。
【0017】
尚、実施例の水は本発明の液相作動媒体に対応し、実施例の蒸気は本発明の気相作動媒体に対応し、実施例のウオータジャケット105は本発明の冷却手段に対応する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図14は本発明の一実施例を示すもので、図1は内燃機関のランキンサイクル装置の概略図、図2は図4の2−2線断面図に相当する膨張機の縦断面図、図3は図2の回転軸線周りの拡大断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6は図4の一部拡大図、図7は図3の7−7線拡大断面図、図8はロータチャンバおよびロータの断面形状を示す模式図、図9はロータの分解斜視図、図10はロータセグメントの分解斜視図、図11はベーンの分解斜視図、図12は回転バルブの分解斜視図、図13は膨張機の膨張行程に潤滑水を供給する位相に対する膨張機の出力の増加量の関係を、潤滑水の温度毎に示すグラフ、図14は膨張機の膨張行程に潤滑水を供給する位相に対する膨張機の出力の増加量の関係を、潤滑水の供給量毎に示すグラフである。
【0019】
図1に示すように、内燃機関1の排気ガスの熱エネルギーを回収して機械エネルギーを出力するランキンサイクル装置2は、内燃機関1の排気ガスを熱源として水を加熱することにより高温高圧蒸気を発生させる蒸発器3と、その高温高圧蒸気の膨張によって軸トルクを出力する膨張機4と、その膨張機4から排出された降温降圧蒸気を冷却して液化する凝縮器5と、凝縮器5から排出された水を貯留するタンク6と、タンク6内の水を再び蒸発器3に供給する低圧ポンプ7および高圧ポンプ8とを有する。
【0020】
タンク6内の水は通路P1上に配置された低圧ポンプ7で2〜3MPaに加圧され、内燃機関1の排気管101に設けられた熱交換器102を通過して予熱される。熱交換器102を通過して予熱された水は、通路P2を経て内燃機関1のシリンダブロック103およびシリンダヘッド104内に形成されたウオータジャケット105に供給され、そこを通過する間に内燃機関1の発熱部を冷却し、それ自身は前記発熱部の熱を奪って更に昇温する。ウオータジャケット105を出た水は通路P3を経て分配弁106に供給され、そこで通路P4に連なる第1の系統と、通路P5に連なる第2の系統と、通路P6に連なる第3の系統と、通路P7に連なる第4の系統とに分配される。
【0021】
分配弁106で通路P4よりなる第1の系統に分配された水は、高圧ポンプ8で10MPa以上の高圧に加圧されて蒸発器3に供給され、そこで高温の排気ガスとの間で熱交換して高温高圧蒸気になって膨張機4の高圧部(後述する膨張機4のシリンダ33…)に供給される。一方、分配弁106で通路P5に連なる第2の系統に分配された水は、そこに介装された減圧弁107を通過して前記高温高圧に比較して低温低圧の蒸気となり膨張機4の低圧部(後述する膨張機4のベーン室50…)に供給される。このように、分配弁106からの加熱された水を減圧弁107で蒸気に変換して膨張機4の低圧部に供給するので、水が内燃機関1のウオータジャケット105で受け取った熱エネルギーを有効利用して膨張機4の出力を増加させることができる。また通路P6に連なる第3の系統に分配された水は膨張機4の被潤滑部に供給される。このときウオータジャケット105で加熱された高温の水を用いて膨張機4の被潤滑部を潤滑するので、膨張機4が過冷却するのを防止していわゆる冷却損失を低減することができる。膨張機4から排出された水を含む降温降圧蒸気は通路P8に介装した凝縮器5に供給され、電動モータ108で駆動される冷却ファン109からの冷却風との間で熱交換し、凝縮水はタンク6に排出される。更に、複数の通路P7に連なる第4の系統に分配された水は、車室暖房用のヒーターや熱電素子等の補機110に供給されて放熱し、温度低下した水は通路P9に介装したチェック弁111を経てタンク6に排出される。
【0022】
低圧ポンプ7、高圧ポンプ8、分配弁106および電動モータ108は、内燃機関1の運転状態、膨張機4の運転状態、補機110の運転状態、タンク6内の水の温度等に応じて電子制御ユニット112により制御される。
【0023】
次に、膨張機4の全体的な構造を図2〜図6に基づいて説明する。
【0024】
膨張機4のケーシング11は金属製の第1、第2ケーシング半体12,13より構成される。第1、第2ケーシング半体12,13は、協働してロータチャンバ14を構成する本体部12a,13aと、それら本体部12a,13aの外周に一体に連なる円形フランジ12b,13bとよりなり、両円形フランジ12b,13bが金属ガスケット15を介して結合される。第1ケーシング半体12の外面は深い鉢形をなす中継チャンバ外壁16により覆われており、その外周に一体に連なる円形フランジ16aが第1ケーシング半体12の円形フランジ12bの左側面に重ね合わされる。第2ケーシング半体13の外面は、膨張機4の出力を外部に伝達するマグネットカップリング(図示せず)を収納する排気チャンバ外壁17により覆われており、その外周に一体に連なる円形フランジ17aが第2ケーシング半体13の円形フランジ13bの右側面に重ね合わされる。そして前記4個の円形フランジ12a,13a,16a,17aは、円周方向に配置された複数本のボルト18…で共締めされる。中継チャンバ外壁16および第1ケーシング半体12間に中継チャンバ19が区画され、排気チャンバ外壁17および第2ケーシング半体13間に排気チャンバ20が区画される。排気チャンバ外壁17には,膨張機4で仕事を終えた降温降圧蒸気を凝縮器5に導く排出口17bが設けられる。
【0025】
両ケーシング半体12,13の本体部12a,13aは外方へ突出する中空軸受筒12c,13cを有しており、それら中空軸受筒12c,13cに、中空部21aを有する回転軸21が一対の軸受部材22,23を介して回転可能に支持される。これにより、回転軸21の軸線Lは略楕円形をなすロータチャンバ14における長径と短径との交点を通る。また回転軸21の右端の小径部21bは、第2ケーシング半体13の中空軸受筒13cを貫通して排気チャンバ20の内部に延び、そこにマグネットカップリングのロータボス24がスプライン結合される。回転軸21の右端の小径部21bの外周と第2ケーシング半体13の中空軸受筒13cの内周との間はシール部材25でシールされており、そのシール部材25は中空軸受筒13c内周に螺合するナット26により固定される。
【0026】
図4および図8から明らかなように、疑似楕円状を成すロータチャンバ14の内部に、円形を成すロータ27が回転自在に収納される。ロータ27は回転軸21の外周に嵌合してピン28で一体に結合されており、回転軸21の軸線Lに対してロータ27の軸線およびロータチャンバ14の軸線は一致している。軸線L方向に見たロータチャンバ14の形状は4つの頂点を丸めた菱形に類似した疑似楕円状であり、長径DLと短径DSとを備える。軸線L方向に見たロータ27の形状は真円であり、ロータチャンバ14の短径DSよりも僅かに小さい直径DRを備える。
【0027】
軸線Lと直交する方向に見たロータチャンバ14およびロータ27の断面形状は何れも陸上競技のトラック状を成している。即ち、ロータチャンバ14の断面形状は、距離dを存して平行に延びる一対の平坦面14a,14aと、これら平坦面14a,14aの外周を滑らかに接続する中心角180°の円弧面14bとから構成され、同様にロータ27の断面形状は、距離dを存して平行に延びる一対の平坦面27a,27aと、これら平坦面27a,27aの外周を滑らかに接続する中心角180°の円弧面27bとから構成される。従って、ロータチャンバ14の平坦面14a,14aとロータ27の平坦面27a,27aとは相互に接触し、ロータチャンバ14内周面とロータ27外周面との間には三日月形を成す一対の空間(図4参照)が形成される。
【0028】
次に、図3、図6、図9および図10を参照してロータ27の構造を詳細に説明する。 ロータ27は回転軸21の外周に固定されるロータコア31と、ロータコア31の周囲を覆うように固定されてロータ27の外郭を構成する12個のロータセグメント32…とから構成される。ロータコア31は円板状の本体部31aと、本体部31aの中心部から軸方向両側に突出するギヤ状のボス部31b,31bとを備える。本体部31aにセラミック(またはカーボン)製の12本のシリンダ33…が30°間隔で放射状に装着されてキャップ34…およびキー35…で抜け止めされる。各々のシリンダ33の内端には小径部33aが突設されており、小径部33aの基端はOリング36を介してロータコア31の本体部31aとの間をシールされる。小径部33aの先端は中空の回転軸21の外周面に嵌合しており、シリンダボア33bは小径部33aおよび回転軸21を貫通する12個の第3蒸気通路S3…を介して該回転軸21の中空部21aに連通する。各々のシリンダ33の内部にはセラミック製のピストン37が摺動自在に嵌合する。ピストン37が最も半径方向内側に移動するとシリンダボア33bの内部に完全に退没し、最も半径方向外側に移動すると全長の約半分がシリンダボア33bの外部に突出する。
【0029】
各々のロータセグメント32は5個の部品を結合して構成される。5個の部品は、中空部38a,38aを有する一対のブロック部材38,38と、U字状の板体よりなる一対の側板39,39と、矩形状の板体よりなる底板40とであり、それらはロー付けにより一体化される。
【0030】
各々のブロック部材38の外周面、つまりロータチャンバ14の一対の平坦面14a,14aに対向する面には軸線Lを中心として円弧状に延びる2本のリセス38b,38cが形成されており、このリセス38b,38cの中央に潤滑水噴出口38d,38eが開口する。またブロック部材38の側板39との結合面には、第20水通路W20および第21水通路W21が凹設される。
【0031】
底板40の中央には12個のオリフィスを有するオリフィス形成部材41が嵌合しており、オリフィス形成部材41を囲むように底板40に装着されたOリング42は、ロータコア31の本体部31aの外周面との間をシールする。ブロック部材38に結合される底板40の表面には、オリフィス形成部材41から放射方向に延びる各2本の第14〜第19水通路W14〜W19が凹設されており、それら第14〜第19水通路W14〜W19は側板39との結合面に向けて延びている。
【0032】
各々の側板39のブロック部材38,38および底板40への結合面には第22〜第27水通路W22〜W27が凹設される。底板40の外側の第14水通路W14、第15水通路W15、第18水通路W18および第19水通路W19は、側板39の第22水通路W22、第23水通路W23、第26水通路W26および第27水通路W27に連通し、底板40の内側の第16水通路W16および第17水通路W17は、ブロック部材38の第20水通路W20および第21水通路W21を介して側板39の第24水通路W24および第25水通路W25に連通する。側板39の第22水通路W22、第25水通路W25、第26水通路W26および第27水通路W27の外端は側板39の外面に4個の潤滑水噴出口39a…として開口する。また側板39の第23水通路W23および第24水通路W24の外端は、ブロック部材38,38の内部に形成した第28水通路W28および第29水通路W29を介してリセス38b,38c内の潤滑水噴出口38d,38eにそれぞれ連通する。半径方向外側に移動したピストン37との干渉を回避すべく、側板39の外面には部分円弧状の断面を有する切欠39bが形成される。尚、第20水通路W20および第21水通路W21を側板39ではなくブロック部材38に形成した理由は、前記切欠39bによって側板39が薄肉になり、第20水通路W20および第21水通路W21を形成する肉厚を確保できないからである。
【0033】
図2、図5、図9および図11に示すように、ロータ27の隣接するロータセグメント32…間に放射方向に延びる12個のベーン溝43…が形成されており、これらベーン溝43…に板状のベーン44…がそれぞれ摺動自在に嵌合する。各々のベーン44はロータチャンバ14の平行面14a,14aに沿う平行面44a,44aと、ロータチャンバ14の円弧面14bに沿う円弧面44bと、両平行面44a,44a間に位置する切欠44cとを備えて概略U字状に形成されており、両平行面44a,44aから突出する一対の支軸44d,44dにローラベアリング構造のローラ45,45が回転自在に支持される。
【0034】
ベーン44の円弧面44bにはU字状に形成された合成樹脂製のシール部材46が保持されており、このシール部材46の先端はベーン44の円弧面44bから僅かに突出してロータチャンバ14の円弧面14bに摺接する。ベーン44の平行部44a,44aには合成樹脂製の摺動部材47,47が固定されており、これら摺動部材47,47はロータチャンバ14の平行面14a,14aに摺接する。またベーン44の切欠44cの両側には合成樹脂製の摺動部材48,48が固定されており、これら摺動部材48,48はロータコア31の本体部31aに摺接する。ベーン44の両側面には各々2個のリセス44e,44eが形成されており、これらリセス44e,44eは、ロータセグメント32の各々の側板39,39の外面に開口する4個の潤滑水噴出口39a…の半径方向内側の2個に対向する。ベーン44の切欠44cの中央に半径方向内向きに突設した突起44fが、ピストン37の半径方向外端に当接する。ベーン44の内部には半径方向に延びる水排出通路44gが形成されており、その半径方向内端は前記突起44fの先端に開口し、その半径方向外端はベーン44の一方の側面に開口する。水排出通路44gがベーン44の一方の側面に開口する位置は、ベーン44が最も半径方向外側に突出したときに、ロータ27の円弧面27bよりも半径方向外側に臨んでいる。
【0035】
第1、第2ケーシング半体12,13により区画されるロータチャンバ14の平坦面14a,14aには、4つの頂点を丸めた菱形に類似した疑似楕円状の環状溝49,49が凹設されており、両環状溝49,49に各々のベーン44の一対のローラ45,45が転動自在に係合する。これら環状溝49,49およびロータチャンバ14の円弧面14b間の距離は全周に亘り一定である。従って、ロータ27が回転するとローラ45,45を環状溝49,49に案内されたベーン44がベーン溝43内を半径方向に往復動し、ベーン44の円弧面44bに装着したシール部材46が一定量だけ圧縮された状態でロータチャンバ14の円弧面14bに沿って摺動する。これにより、ロータチャンバ14およびベーン44…が直接固体接触するのを防止し、摺動抵抗の増加や摩耗の発生を防止しながら、隣接するベーン44…間に区画されるベーン室50…を確実にシールすることができる。 ロータチャンバ14の平坦面14a,14aには、前記環状溝49,49の外側を囲むように一対の円形シール溝51,51が形成される。各々の円形シール溝51には2個のOリング52,53を備えた一対のリングシール54が摺動自在に各々嵌合しており、そのシール面は各々のロータセグメント32に形成したリセス38b,38cに対向している。一対のリングシール54,54は、それぞれノックピン55,55で第1、第2ケーシング半体12,13に対して回り止めされる。
【0036】
ロータ27の組み立ては次のようにして行なわれる。図9において、予めシリンダ33…、キャップ34…およびキー35…を組み付けたロータコア31の外周に12個のロータセグメント32…を嵌合させ、隣接するロータセグメント32…間に形成された12個のベーン溝43…にベーン44…を嵌合させる。このとき、ベーン44…およびロータセグメント32…の側板39…間に所定のクリアランスを形成すべく、ベーン44…の両面に所定厚さのシムを介在させておく。この状態で、治具を用いてロータセグメント32…およびベーン44…をロータコア31に向けて半径方向内向きに締めつけ、ロータコア31に対してロータセグメント32…を精密に位置決めした後、各々のロータセグメント32…を仮止めボルト58…(図2参照)でロータコア31に仮り止めする。続いてロータ27を治具から取り外し、各々のロータセグメント32にロータコア31を貫通するピン孔56,56を共加工し、それらピン孔56,56にノックピン57,57を圧入してロータコア31にロータセグメント32…を結合する。
【0037】
図3、図7および図12から明らかなように、回転軸21の外周面を支持する一対の軸受部材22,23はロータ27側に向かって拡径するようにテーパした内周面を備えており、その軸方向外端部が第1、第2ケーシング半体12,13の中空軸受筒12c,13cに凹凸係合して回り止めされる。尚、回転軸21に対するロータ27の組み付けを可能にすべく、左側の中空軸受筒12cに支持される回転軸21の左端外周部は別部材21cで構成されている。
【0038】
中継チャンバ外壁16の中心に開口16bが形成されており、軸線L上に配置されたバルブハウジング61のボス部61aが前記開口16bの内面に複数のボルト62…で固定され、かつナット63で第1ケーシング半体12に固定される。回転軸21の中空部21aには円筒状の第1固定軸64が相対回転自在に嵌合しており、この第1固定軸64の右端内周に第2固軸65が同軸に嵌合する。第1固定軸64から突出する第2固定軸65の右端外周部と回転軸21の中空部21aとの間がOリング66によりシールされる。第1固定軸64の内部に延びるバルブハウジング61はフランジ61bを備えており、このフランジ61bの右側にOリング67、第1固定軸64の厚肉部64a、Oリング68、ワッシャ69、ナット70および前記第2固定軸65が順次嵌合する。バルブハウジング61に対してナット70および第2固定軸65はネジ結合されており、従って第1固定軸64の厚肉部64aはバルブハウジング61のフランジ61bとワッシャ69との間に一対のOリング66,67を介して位置決めされる。
【0039】
第1ケーシング半体12の中空軸受筒12cの内周にOリング71を介して支持された第1固定軸64の左端は、リング状のオルダム継ぎ手72によってバルブハウジング61のボス部61aに連結されており、このオルダム継ぎ手72で第1固定軸64の半径方向の振れを許容することにより、第1固定軸64の外周に回転軸21を介して支持したロータ27の振れを許容することができる。また第1固定軸64の左端に緩く嵌合する回り止め部材73の腕部73a,73aをボルト74,74で第1ケーシング半体12に固定することにより、第1固定軸64がケーシング11に対して回り止めされる。
【0040】
軸線L上に配置されたバルブハウジング61の内部に蒸気供給パイプ75が嵌合してナット76でバルブハウジング61に固定されており、この蒸気供給パイプ75の右端はバルブハウジング61の内部に圧入されたノズル部材77に接続される。バルブハウジング61とノズル部材77の先端部とに跨がって一対の凹部81,81(図7参照)が180°の位相差をもって形成されており、そこに環状のジョイント部材78,78が嵌合して保持される。ノズル部材77の中心には蒸気供給パイプ75に連なる第1蒸気通路S1が軸方向に形成され、また第1固定軸64の厚肉部64aには一対の第2蒸気通路S2,S2が180°の位相差をもって半径方向に貫通する。そして第1蒸気通路S1の末端部と第2蒸気通路S2,S2の半径方向内端部とが前記ジョイント部材78,78を介して常時連通する。前述したように、回転軸21に固定したロータ27に30°間隔で保持された12個のシリンダ33…の小径部33aおよび回転軸21を12本の第3蒸気通路S3…が貫通しており、これら第3蒸気通路S3…の半径方向内端部は、前記第2蒸気通路S2,S2の半径方向外端部に連通可能に対向する。
【0041】
第1固定軸64の厚肉部64aの外周面には一対の切欠64b,64bが180°の位相差をもって形成されており、これら切欠64b,64bは前記第3蒸気通路S3…に連通可能である。切欠64b,64bと中継チャンバ19とは、第1固定軸64に斜めに形成した一対の第4蒸気通路S4,S4と、第1固定軸64に軸方向に形成した第5蒸気通路S5と、バルブハウジング61のボス部61aに形成した第6蒸気通路S6と、バルブハウジング61のボス部61a外周に開口する通孔61c…とを介して相互に連通する。 図5に示すように、第1ケーシング半体12には、ロータチャンバ14の短径方向を基準にしてロータ27の回転方向進み側15°の位置に、放射方向に整列した複数の吸気ポート79…が形成される。この吸気ポート79…により、ロータチャンバ14の内部空間が中継チャンバ19に連通する。また第2ケーシング半体13には、ロータチャンバ14の短径方向を基準にしてロータ27の回転方向遅れ側15°〜75°の位置に、放射方向複数列に整列した多数の排気ポート80…が形成される。この排気ポート80…により、ロータチャンバ14の内部空間が排気チャンバ20に連通する。
【0042】
第2蒸気通路S2,S2および第3蒸気通路S3…、並びに第1固定軸64の切欠64b,64bおよび第3蒸気通路S3…は、第1固定軸64および回転軸21の相対回転により周期的に連通する回転バルブVを構成する。
【0043】
図2および図3から明らかなように、第1、第2ケーシング半体12,13の円形シール溝51,51に嵌合するリングシール54,54の背面に圧力室86,86が形成されており、第1、第2ケーシング半体12,13に形成された第1水通路W1は、パイプよりなる第2水通路W2および第3水通路W3を介して両圧力室86,86に連通する。第2ケーシング半体13の中空軸受筒13cの半径方向外側に、2個のOリング87,88を備えたカバー89で開閉されるフィルター室13dが形成されており、その内部に環状のフィルター90が収納される。第2ケーシング半体13の第1水通路W1は、パイプよりなる第4水通路W4を介してフィルター90の外周面に連通し、フィルター90の内周面は第2ケーシング半体13に形成した第5水通路W5を介して、第2ケーシング半体13および回転軸21間に形成した環状の第6水通路W6に連通する。そして第6水通路W6は回転軸21の内部を軸方向に延びる12本の第7水通路W7…、回転軸21の外周に形成した環状溝21dおよびロータコア31の内部を半径方向に延びる12本の第8水通路W8…を介して12個のオリフィス形成部材41…にそれぞれ連通する。
【0044】
また回転軸21の外周に形成した環状溝21dは軸方向に延びる12本の第9水通路W9…(図7参照)を介して回転軸21の外周に形成した環状溝21eに連通し、環状溝21eは回転軸21の内部を軸方向に延びる12本の第10水通路W10…を介して回転軸21eの左端および第1ハウジング12間に形成した環状の第11水通路W11に連通する。環状の第6水通路W6および第11水通路W11は、軸受部材22,23に螺合したオリフィス形成ボルト91…の外周のオリフィスを通過し、更に軸受部材22,23内に形成した第12水通路W12…を経て、軸受部材22,23内周および回転軸21の外周間の摺動面に連通する。そして軸受部材22,23の内周および回転軸21の外周間の摺動部面はドレン用の第13水通路W13…を経てベーン溝43…に連通する。
【0045】
環状の第6水通路W6は、回転軸21に軸方向に穿設した2本の第30水通路W30,30を経て、回転軸21の中空部21a内周面と第1固定軸64の右端外周面との摺動部に連通する。第1固定軸64の厚肉部64aの右側に形成されたシール溝64cは第1固定軸64の内部に斜めに穿設した第31水通路W31,31を介して第5蒸気通路S5に連通する。環状の第11水通路W11は回転軸21の中空部21a内周面と第1固定軸64の左端外周面との摺動部に連通しており、第1固定軸64の厚肉部64aの左側に形成されたシール溝64dは、第1固定軸64を半径方向に貫通する第32水通路W32,32および前記第31水通路W31,31を介して第5蒸気通路S5に連通する。
【0046】
而して、図1および図2を比較すると明らかなように、蒸発器3からの高温高圧蒸気は通路P4を経て膨張機4の蒸気供給パイプ75に供給され、分配弁106の下流の減圧弁107からの蒸気は通路P5を経て膨張機4の中継チャンバ19に供給され、分配弁106からの高温の水は通路P6を経て膨張機4の第1水通路W1に供給され、また膨張機4の排出口17bからの降温降圧蒸気は通路P8に排出される。
【0047】
次に、上記構成を備えた本実施例の作用について説明する。
【0048】
先ず、膨張機4の作動について説明する。図3において、蒸発器3の下流側に連なる通路P4からの高温高圧蒸気は蒸気供給パイプ75と、ノズル部材77に軸方向に形成した第1蒸気通路S1と、ノズル部材77、ジョイント部材78,78および第1固定軸64の厚肉部64aを半径方向に貫通する一対の第2蒸気通路S2,S2とに供給される。図6および図7において、ロータ27と一体に回転する回転軸21が所定の位相に達すると、ロータチャンバ14の短径位置から矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側に在る一対の第3蒸気通路S3,S3が一対の第2蒸気通路S2,S2に連通し、第2蒸気通路S2,S2の高温高圧蒸気が前記第3蒸気通路S3,S3を経て一対のシリンダ33,33の内部に供給され、ピストン37,37を半径方向外側に押圧する。これらピストン37,37に押圧されたベーン44,44が半径方向外側に移動すると、ベーン44,44に設けた一対のローラ45,45と環状溝49,49との係合により、ピストン37,37の前進運動がロータ27の回転運動に変換される。
【0049】
ロータ27の矢印R方向の回転に伴って第2蒸気通路S2,S2と前記第3蒸気通路S3,S3との連通が遮断された後も、シリンダ33,33内の高温高圧蒸気が更に膨張を続けることによりピストン37,37をなおも前進させ、これによりロータ27の回転が続行される。ベーン44,44がロータチャンバ14の長径位置に達すると、対応するシリンダ33,33に連なる第3蒸気通路S3,S3が第1固定軸64の切欠64b,64bに連通し、ローラ45,45を環状溝49,49に案内されたベーン44,44に押圧されたピストン37,37が半径方向内側に移動することにより、シリンダ33,33内の蒸気は第3蒸気通路S3,S3、切欠64b,64b、第4蒸気通路S4,S4、第5蒸気通路S5、第6蒸気通路S6および通孔61c…を通り、第1の降温降圧蒸気となって中継チャンバ19に供給される。第1の降温降圧蒸気は、蒸気供給パイプ75から供給された高温高圧蒸気がピストン37,37を駆動する仕事を終えて温度および圧力が低下したものである。第1の降温降圧蒸気の持つ熱エネルギーおよび圧力エネルギーは高温高圧蒸気に比べて低下しているが、依然としてベーン44…を駆動するのに充分な熱エネルギーおよび圧力エネルギーを有している。
【0050】
また中継チャンバ19には分配弁106の下流の減圧弁107から通路5を経て蒸気が供給され、この蒸気は前記第1の降温降圧蒸気に合流して一体に混合する。
【0051】
中継チャンバ19内で混合した第1の降温降圧蒸気および分配弁106からの蒸気は第1ケーシング半体12の吸気ポート79…からロータチャンバ14内のベーン室50、つまりロータチャンバ14、ロータ27および隣接する一対のベーン44,44により区画された空間に供給され、そこで更に膨張することによりロータ27を回転させる。そして仕事を終えて更に温度および圧力が低下した第2の降温降圧蒸気は、第2ケーシング半体13の排気ポート80…から排気チャンバ20に排出され、そこから排出口17bを経て凝縮器5に供給される。
【0052】
このように、高温高圧蒸気の膨張により12個のピストン37…を次々に作動させてローラ45,45および環状溝49,49を介しロータ27を回転させ、また高温高圧蒸気が降温降圧した第1の降温降圧蒸気および分配弁106からの蒸気の膨張によりベーン44…を介しロータ27を回転させることによって回転軸21より出力が得られる。
【0053】
次に、前記膨張機4の各摺動部の水による潤滑について説明する。尚、潤滑用の水の供給は分配弁106から通路P6を経てケーシング11の第1水通路W1に供給される。
【0054】
第1水通路W1に供給された水はパイプよりなる第2水通路W2および第3水通路W3を経て第1ケーシング半体12および第2ケーシング半体13の円形シール溝51,51の底部の圧力室86,86に供給され、リングシール54,54をロータ27の側面に向けて付勢する。また第1水通路W1からパイプよりなる第4水通路W4に供給された水はフィルター90で異物を濾過された後に、第2ケーシング半体13に形成された第5水通路W5、第2ケーシング半体13および回転軸21間に形成された第6水通路W6、回転軸21内に形成された第7水通路W7…、回転軸21の環状溝21dおよびロータコア31に形成された第8水通路W8…に供給され、そこでロータ27の回転に伴う遠心力で更に加圧されてロータセグメント32…のオリフィス形成部材41…に供給される。
【0055】
各々のロータセグメント32において、オリフィス形成部材41を通過して底板40の第14水通路W14に流出した水は、側板39の第22水通路W22を通って潤滑水噴出口39a…から噴出し、オリフィス形成部材41を通過して底板40の第17水通路W17に流出した水は、ブロック部材38の第21水通路W21および側板39の第25水通路W25を通って潤滑水噴出口39a…から噴出し、オリフィス形成部材41を通過して底板40の第18水通路W18に流出した水は、側板39の第26水通路W26を通って潤滑水噴出口39a…から噴出し、オリフィス形成部材41を通過して底板40の第19水通路W19に流出した水は、側板39の第27水通路W27を通って潤滑水噴出口39a…から噴出する。側板39の表面に開口する前記4個の潤滑水噴出口39a…のうち、下側の2個はベーン44のリセス44e,44e内に連通する。
【0056】
オリフィス形成部材41を通過して底板40の第15水通路W15に流出した水は、側板39の第23水通路W23およびブロック部材38の第29水通路W29を通ってリセス38c内の潤滑水噴出口38eから噴出し、オリフィス形成部材41を通過して底板40の第16水通路W16に流出した水は、ブロック部材38の第20水通路W20、側板39の第24水通路W24およびブロック部材38の第28水通路W28を通ってリセス38b内の潤滑水噴出口38dから噴出する。
【0057】
而して、各々のロータセグメント32の側板39の潤滑水噴出口39a…からベーン溝43内に噴出した水は、ベーン溝43に摺動自在に嵌合するベーン44との間に静圧軸受けを構成して該ベーン44を浮動状態で支持し、ロータセグメント32の側板39とベーン44との固体接触を防止して焼き付きおよび摩耗の発生を防止する。このように、ベーン44の摺動面を潤滑する水をロータ27の内部に放射状に設けた第8水通路W8を介して供給することにより、水を遠心力で加圧することができるだけでなく、ロータ27周辺の温度を安定させて熱膨張による影響を少なくし、設定したクリアランスを維持して蒸気のリークを最小限に抑えることができる。
【0058】
ところで、各々のベーン44に加わる円周方向の荷重(板状のベーン44に対して直交する方向の荷重)には、ロータチャンバ14内のベーン44の前後面に加わる蒸気圧の差圧による荷重と、ベーン44に設けたローラ45,45が環状溝49,49から受ける反力の前記円周方向の成分との合力になるが、それらの荷重はロータ27の位相に応じて周期的に変化する。従って、この偏荷重を受けたベーン44はベーン溝43内で傾くような挙動を周期的に示すことになる。
【0059】
このようにして前記偏荷重でベーン44が傾くと、両側のロータセグメント32の側板39,39に開口する各4個の潤滑水吐出孔39a…とベーン44との隙間が変化するため、隙間が広がった部分の水膜が流失してしまい、かつ隙間が狭まった部分に水が供給され難くなるために摺動部に圧力が立たなくなり、ベーン44が側板39,39の摺動面に直接接触して摩耗が発生する可能性がある。しかしながら、本実施例によれば、ロータセグメント32に設けたオリフィス形成部材41により潤滑水吐出孔39a…にオリフィスを介して水が供給されるため、上記不具合が解消される。
【0060】
即ち、潤滑水吐出孔39a…とベーン44との隙間が広がった場合、水の供給圧力が一定であるので、定常状態でオリフィスの前後に発生する一定の差圧に対し、前記隙間からの流出量の増大により水の流量が増大することにより、オリフィス効果でオリフィスの前後の差圧が増大して前記隙間の圧力が減少することとなり、その結果、広がった隙間を狭めて元に戻す力が発生する。また潤滑水吐出孔39a…とベーン44との隙間が狭まった場合、前記隙間からの流出量が減少してオリフィスの前後の差圧が減少するため、その結果、前記隙間の圧力が増大して狭まった隙間を広げて元に戻す力が発生する。
【0061】
このように、ベーン44に加わる荷重で潤滑水吐出孔39a…とベーン44との隙間が変化しても、その隙間の大きさの変化に応じて該隙間に供給される水の圧力をオリフィスが自動的に調整するので、ベーン44および両側のロータセグメント32の側板39,39間のクリアランスを所望の大きさに安定して維持することができる。これにより、ベーン44および側板39,39間に常時水膜を保持してベーン44を浮動状態で支持し、ベーン44が側板39,39の摺動面に固体接触して摩耗が発生するのを確実に回避することができる。
【0062】
またベーン44の両面に各2個ずつ形成されたリセス44e,44eに水が保持されるため、このリセス44e,44eが圧力溜まりとなって水のリークによる圧力低下を抑制する。その結果、一対の側板39,39の摺動面に挟まれたベーン44が水によって浮動状態になり、摺動抵抗を皆無に近い状態まで低減することが可能になる。またベーン44が往復運動するとロータ27に対するベーン44の半径方向の相対位置が変化するが、前記リセス44e,44eは側板39,39側でなくベーン44側に設けられており、かつベーン44に最も荷重の掛かるローラ45,45の近傍に設けられているため、往復運動するベーン44を常に浮動状態に保持して摺動抵抗を効果的に低減することが可能となる。
【0063】
尚、側板39,39に対するベーン44の摺動面を潤滑した水は遠心力で半径方向外側に移動し、ベーン44の円弧面44bに設けたシール部材46とロータチャンバ14の円弧面14bとの摺動部を潤滑する。そして潤滑を終えた水は、ロータチャンバ14から排気ポート80…を介して排気チャンバ20に排出される。
【0064】
側板39,39とベーン44との摺動面を潤滑した後にロータチャンバ14に流入した水のうち、ロータチャンバ14の膨張行程のベーン室50…に流入した水は、そこで高温の蒸気と混合して蒸気化することで膨張機4の出力を増加させる。
【0065】
図13に示すグラフの横軸はベーン室50に水が供給されるタイミング(位相)であり、縦軸は膨張機4の出力の増加量である。また摺動面を介してベーン室50に供給される水の圧力は2MPaであり、蒸発器3から通路P4を経て膨張機4のベーン室50に供給される水の量に対する、摺動面を介してベーン室50に供給される水の量の比率は60%である。図13には摺動面を介してベーン室50に供給される水の温度が50℃、100℃、200℃の場合が示されており、水の温度が高いほど膨張機4の出力の増加量が大きくなり、かつ出力の増加量がピークになる位相が早まることが分かる。
【0066】
図14に示すグラフの横軸および縦軸は前記図13に示すグラフと同じであり、蒸発器3から通路P4を経て膨張機4のベーン室50に供給される水の量に対する、摺動面を介してベーン室50に供給される水の量の比率が、0%、20%、40%、60%の場合が示されている。ここで、摺動面を介してベーン室50に供給される水の圧力は2MPa、温度は200℃で一定である。摺動面を介してベーン室50に供給される水の量の比率が増加すると膨張機4の出力の増加量が増加するが、出力の増加量のがピークになる位相は常に一定で変化しないことが分かる。
【0067】
前述したように、第1ケーシング半体12および第2ケーシング半体13の円形シール溝51,51の底部の圧力室86,86に水を供給してリングシール54,54をロータ27の側面に向けて付勢し、かつ各々のロータセグメント32のリセス38b,38cの内部に形成した潤滑水噴出口38d,38eから水を噴出してロータチャンバ14の平坦面14a,14aとの摺動面に静圧軸受けを構成することにより、円形シール溝51,51の内部で浮動状態にあるリングシール54,54でロータ27の平坦面27a,27aをシールすることができ、その結果ロータチャンバ14内の蒸気がロータ27との隙間を通ってリークするのを防止することができる。このとき、リングシール54,54とロータ27とは潤滑水噴出口38d,38eから供給された水膜で隔絶されて固体接触することがなく、またロータ27が傾いても、それに追従して円形シール溝51,51内のリングシール54,54が傾くことにより、摩擦力を最小限に抑えながら安定したシール性能を確保することができる。
【0068】
尚、リングシール54,54とロータ27との摺動部を潤滑した水は、遠心力でロータチャンバ14に供給され、そこから排気ポート80…を経て排気チャンバ20に排出される。
【0069】
一方、第6水通路W6から供給された水は、軸受部材23のオリフィス形成ボルト91…の外周に形成されたオリフィスおよび第12水通路W12…を経て、軸受部材23内周および回転軸21外周の摺動面に水膜を形成し、その水膜によって回転軸21の右半部の外周を浮動状態で支持することにより、回転軸21と軸受部材23との固体接触を防止して焼き付きや摩耗が発生しないように潤滑する。第6水通路W6から回転軸21に形成した第7水通路W7…、第9水通路W9…、第10水通路W10…および第11水通路W11に供給された水は、軸受部材22のオリフィス形成ボルト91…の外周に形成されたオリフィスおよび第12水通路W12…を経て、軸受部材22内周および回転軸21外周の摺動面に水膜を形成し、その水膜によって回転軸21の左半部の外周を浮動状態で支持することにより、回転軸21と軸受部材22との固体接触を防止して焼き付きや摩耗が発生しないように潤滑する。両軸受部材22,23の摺動面を潤滑した水は、その内部に形成した第13水通路W13…を経てベーン溝43…に排出される。
【0070】
尚、ベーン溝43…に溜まった水はベーン44…の底部とベーン44…の一側面とを接続する水排出通路44g…に流入するが、この水排出通路44g…はベーン44…がロータ27から最も突出する所定角度範囲でロータチャンバ14に開口するため、ベーン溝43…とロータチャンバ14との圧力差によりベーン溝43…内の水は水排出通路44g…を経てロータチャンバ14に排出される。
【0071】
また第6水通路W6から回転軸21に形成した第30水通路W30…を経て供給された水は、第1固定軸64外周および回転軸21内周の摺動面の右半部を潤滑し、第1固定軸64のシール溝64cから第31水通路W31,W31を経て第5蒸気通路S5に排出される。更に、前記第11水通路W11からの水は、第1固定軸64外周および回転軸21内周の摺動面の左半部を潤滑し、第1固定軸64のシール溝64dから第31水通路W31を経て第5蒸気通路S5に排出される。
【0072】
以上のように、膨張機4のロータ27をロータコア31と複数のロータセグメント32…とに分割して構成したので、ロータ27のベーン溝43…の寸法精度を容易に高めることができる。即ち、単体のロータ27においてベーン溝43…の溝幅を精度良く加工して摺動面を面粗度を高めることは極めて困難であるが、予め製作した複数のロータセグメント32…をロータコア31に組み付けることにより上記問題を解決することができる。しかも複数のロータセグメント32…の組み付けにより誤差が集積されても、最後の1個のロータセグメント32の寸法を調整することにより前記誤差の集積を吸収して全体として高精度のロータ27を得ることができる。
【0073】
また高温高圧蒸気が供給される内側のロータコア31と、比較的に低温である外側のロータセグメント32…とを別部材で構成したので、高温のロータコア31からロータセグメント32…への熱伝導を抑制することができ、ロータ27外部への熱の放散を防止して熱効率を高めることが可能となるだけでなく、ロータ27の熱変形を緩和して精度を高めることができる。しかもロータコア31およびロータセグメント32…の各々の機能に見合った材質や加工方法を選択できるので設計自由度や加工方法の自由度が増加し、ロータセグメント32…およびベーン44…の摺動面の摩耗軽減、耐久性の向上、シール性の向上を図ることができる。更にロータ27の一部に不具合が生じた場合でも、その一部を交換するだけで補修することができるので、ロータ27全体を交換あるいは廃棄する場合に比べてコストの削減に寄与することができる。
【0074】
次に、ランキンサイクル装置2を含む内燃機関1の冷却系の作用を、主として図1および図2を参照しながら説明する。
【0075】
低圧ポンプ7でタンク6から汲み上げられた水は通路P1を経て排気管101に設けた熱交換器102に供給され、そこで予熱された後に通路P2を経て内燃機関1のウオータジャケット105に供給される。ウオータジャケット105内を流れる水は内燃機関1の発熱部であるシリンダブロック103およびシリンダヘッド104を冷却し、温度上昇した状態で分配弁106に供給される。このように、排気管101の熱交換器102で予熱した水をウオータジャケット105に供給するので、内燃機関1の低温時にはその暖機を促進することができ、また内燃機関1の過冷却を防止して排気ガス温度を上昇させることで蒸発器3の性能を高めることができる。
【0076】
分配弁106で分配された高温の水の一部は通路P4に介装した高圧ポンプ8で加圧されて蒸発器3に供給され、そこで排気ガスとの間で熱交換して高温高圧蒸気になる。蒸発器3で発生した高温高圧蒸気は、膨張機4の蒸気供給パイプ75に供給されてシリンダ33…およびベーン室50…を通過して回転軸21を駆動した後に排出口17bから排出される。
【0077】
分配弁106で分配された高温の水の他の一部は通路P5に介装した減圧弁107で減圧されて蒸気となり、膨張機4の中継チャンバ19に供給される。中継チャンバ19に供給された蒸気は、蒸気供給パイプ75から供給されてシリンダ33…を通過した第1の降温降圧蒸気と合流し、回転軸21を駆動した後に排出口17bから排出される。このように、分配弁106からの高温の水の一部を減圧弁107で蒸気化して膨張機4に供給するので、水が内燃機関1のウオータジャケット105で受け取った熱エネルギーを有効利用して膨張機4の出力を増加させることができる。また分配弁106で分配された高温の水の他の一部は通路P6を経て膨張機4の第1水通路W1に供給され、各被潤滑部を潤滑する。このように高温の水を用いて膨張機4の被潤滑部を潤滑するので、膨張機4が過冷却するのを防止していわゆる冷却損失を低減することができる。また潤滑後に膨張行程のベーン室50…に入った水は、ベーン室50…の蒸気と混合することで加熱されて蒸気化し、その膨張作用で膨張機4の出力を増加させる。そして膨張機4の排出口17bから通路P8に排出された第2の降温降圧蒸気は凝縮器5に供給され、そこで冷却ファン19により冷却されて水になり、タンク6に戻される。また分配弁106で分配された高温の水の他の一部は通路P7に介装した補機110との間で熱交換して冷却された後に、チェックバルブ111を経てタンク6に戻される。
【0078】
以上のように、低圧ポンプ7でタンク6から汲み上げた水をウオータジャケット105に供給して内燃機関1の発熱部を冷却した後に、その水を補機110に供給して冷却してからタンク6に戻す水循環経路と、ウオータジャケット105を出た水の一部を作動媒体として分配し、その水を高圧ポンプ8、蒸発器3、膨張機4および凝縮器5を経てタンク6に戻すランキンサイクル装置2の水循環経路とを複合させ、かつウオータジャケット105および補機110を通過する内燃機関1の冷却系の水循環経路を低圧大流量とし、ランキンサイクル装置2の水循環経路と高圧小流量としたので、内燃機関1の冷却系およびランキンサイクル装置2にそれぞれ適した流量および圧力の水を供給することが可能となり、ランキンサイクル装置2の性能を維持しながら内燃機関1の発熱部を充分に冷却してラジエータを廃止することができる。しかも低圧ポンプ7からウオータジャケット105に供給される水を排気管101に設けた熱交換器102で予熱するので、内燃機関1の廃熱を一層有効に利用することができる。
【0079】
また低圧ポンプ7から低温の水が供給される熱交換器102を、蒸発器3の位置より排気ガスの温度が低下している排気管101の下流に設けたので、排気ガスの持つ余剰の廃熱を余すところなく効率的に回収することができる。更に、熱交換器102で予熱された水をウオータジャケット105に供給するので、内燃機関1の過冷却を防止するとともに、燃焼熱、即ち排気ガスを更に高温化して排気ガスの熱エネルギーを高め、廃熱回収効率を向上させることができる。
【0080】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0081】
例えば、実施例では作動媒体として水(蒸気)を例示したが、本発明ではアンモニア等の他の任意の作動媒体を採用することができる。但し、水は炭化等の組成変化なしに使用できる温度領域が広いことから作動媒体兼潤滑媒体として好適であり、膨張機4に供給される作動媒体としての高温の蒸気と、内燃機関1のウオータジャケット105から排出される比較的に低温の潤滑媒体としての水とを支障なく混合することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、タンク内の液相作動媒体を低圧ポンプで内燃機関の冷却手段に供給して該内燃機関の発熱部を冷却した後、冷却手段を出た液相作動媒体の一部を分配弁から高圧ポンプに供給して加圧した状態でランキンサイクル装置の蒸発器に供給するとともに、冷却手段を出た液相作動媒体の他の一部を分配弁から補機に供給し、ランキンサイクル装置の膨張機を出て凝縮器を介して液化した液相作動媒体と補機で放熱した液相作動媒体とをタンクに戻すので、ランキンサイクル装置の液相作動媒体循環系統と内燃機関の冷却手段の液相作動媒体循環系統とを統合しながら、ランキンサイクル装置および冷却手段にそれぞれ適した流量および圧力の液相作動媒体を供給することが可能となり、ランキンサイクル装置の性能を維持しながら内燃機関の発熱部を充分に冷却してラジエータを廃止することができる。しかも分配弁で分配された加熱された液相作動媒体の一部は膨張機の潤滑媒体として使用されるので、低温の潤滑媒体による膨張機の温度低下を防止して膨張仕事の低減を抑制し、内燃機関の廃熱回収効率を高めることができる。
【0083】
また請求項2に記載された発明によれば、低圧ポンプから冷却手段に供給される液相作動媒体を排気管に設けた熱交換器で予熱するので、排気ガスの廃熱を一層有効に利用することができるだけでなく、内燃機関の低温時に冷却手段を通過する液相作動媒体による過冷却の発生を防止して内燃機関の暖機を促進することができる。
【0084】
また請求項3に記載された発明によれば、潤滑媒体として供給された液相作動媒体の一部を膨張機の膨張行程に気相作動媒体として供給するので、潤滑媒体としての液相作動媒体が持つ熱エネルギーを有効利用して膨張機の出力を増加させることができる。
【0085】
また請求項4に記載された発明によれば、分配弁から分配される加熱された液相作動媒体を減圧弁で気相作動媒体に変換して膨張機の膨張行程に供給するので、液相作動媒体が内燃機関の発熱部から受け取った熱エネルギーを有効利用して膨張機の出力を増加させることができる。
【0086】
また請求項5に記載された発明によれば、炭化等の組成変化なしに使用できる温度領域が広い水を液相作動媒体として使用するので、膨張機に供給される高温状態の気相作動媒体と内燃機関の冷却手段から排出される低温状態の液相作動媒体とを支障なく融合することができ、しかも潤滑媒体として水を使用した場合に作動媒体および潤滑媒体を支障なく混合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内燃機関のランキンサイクル装置の概略図
【図2】 図4の2−2線断面図に相当する膨張機の縦断面図
【図3】 図2の回転軸線周りの拡大断面図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 図2の5−5線断面図
【図6】 図4の一部拡大図
【図7】 図3の7−7線拡大断面図
【図8】 ロータチャンバおよびロータの断面形状を示す模式図
【図9】 ロータの分解斜視図
【図10】 ロータセグメントの分解斜視図
【図11】 ベーンの分解斜視図
【図12】 回転バルブの分解斜視図
【図13】 膨張機の膨張行程に潤滑水を供給する位相に対する膨張機の出力の増加量の関係を、潤滑水の温度毎に示すグラフ
【図14】 膨張機の膨張行程に潤滑水を供給する位相に対する膨張機の出力の増加量の関係を、潤滑水の供給量毎に示すグラフ
【符号の説明】
1 内燃機関
3 蒸発器
4 膨張機
5 凝縮器
6 タンク
7 低圧ポンプ(ポンプ)
8 高圧ポンプ(ポンプ)
101 排気管
102 熱交換器
105 ウオータジャケット(冷却手段)
106 分配弁
107 減圧弁
110 補機
Claims (5)
- 内燃機関(1)の廃熱で液相作動媒体を加熱して気相作動媒体を発生させる蒸発器(3)と、蒸発器(3)が排出した気相作動媒体の熱エネルギーを機械エネルギーに変換する膨張機(4)と、膨張機(4)が排出した気相作動媒体を冷却して液相作動媒体に戻す凝縮器(5)と、凝縮器(5)が排出した液相作動媒体を貯留するタンク(6)と、タンク(6)内の液相作動媒体を蒸発器(3)に供給するポンプ(7,8)とを備えた内燃機関のランキンサイクル装置において、
前記ポンプ(7,8)は低圧ポンプ(7)および高圧ポンプ(8)からなり、前記低圧ポンプ(7)はタンク(6)内の液相作動媒体を内燃機関(1)の冷却手段(105)を通過させることで加熱して分配弁(106)に供給し、分配弁(106)で分配された液相作動媒体の一部は前記高圧ポンプ(8)で加圧されて蒸発器(3)に供給され、分配弁(106)で分配された液相作動媒体の他の一部は補機(110)において放熱した後にタンク(6)に排出され、分配弁(106)で分配された加熱された液相作動媒体の一部は膨張機(4)の潤滑媒体として使用されることを特徴とする内燃機関のランキンサイクル装置。 - 低圧ポンプ(7)から出た液相作動媒体は内燃機関(1)の排気管(101)に設けた熱交換器(102)で予熱されて冷却手段(105)に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のランキンサイクル装置。
- 潤滑媒体として供給された液相作動媒体の一部を膨張機(4)の膨張行程に供給することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関のランキンサイクル装置。
- 分配弁(106)から分配される加熱された液相作動媒体の一部を減圧弁(107)を通過させて気相作動媒体に変換し、この気相作動媒体を膨張機(4)の膨張行程に供給することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関のランキンサイクル装置。
- 液相作動媒体として水を使用することを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の内燃機関のランキンサイクル装置。
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