JP4647801B2 - 半導体エネルギー線検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体エネルギー線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体エネルギー線検出器は、例えば特開平6−29506号公報に開示されている。このような半導体エネルギー線検出器の製造方法は例えば特開平6−350068号公報に記載されている。
【0003】
紫外線等のエネルギー線検出器としての電荷転送素子(CCD)は、電子群をクロックパルスに同期した速度で一方向に順次転送する素子である。CCDは、その端部に出力部を設けることにより、空間情報を時系列信号に変換できる極めて巧妙な機能デバイスである。
【0004】
しかしながら、二次元の画像情報を時系列信号として取り出すには、デバイス構成上の工夫が必要である。上記デバイスに光を照射したままで電荷を転送した場合、それぞれの場所で光励起された電荷と転送されてきた電荷とが混じり合って、いわゆるスミアと呼ばれる現象が生じ、映像信号が劣化する。
【0005】
スミアを避けるためには、光を照射している期間(電荷蓄積期間)と電荷を転送する期間(電荷転送期間)とを時間的に分離する、いわゆる時分割動作が考えられる。
【0006】
時分割動作を行える実用的なCCDの電荷転送方式としては、フレーム転送(FT)方式、フル・フレーム転送(FFT)方式があり、この他、インターライン転送(IT)方式が知られている。時分割動作を行う場合は、映像信号が出力される時間は電荷の転送時間内に限られるので、信号の出力は間欠的になる。
【0007】
これらの電荷転送方式の中で、計測用の転送方式としてはFFT方式が用いられる。FFT方式は、蓄積部が無く、エネルギー線感応領域の面積を大きくすることができるので、光の利用率が高く、微弱光の計測に適しているためである。
【0008】
典型的なFFT方式を採用したCCDは、エネルギー線感応領域の表面が電荷転送電極(ポリシリコン)によって隙間無く覆われた構造を有し、電荷転送電極の形成された表面側から光が入射する。ポリシリコンは、400nm以下の波長の光や電子を吸収してしまうので、光電変換に寄与することができない。
【0009】
特に、厚さ数μmのPSG膜が、各電極を分離するためエネルギー線感応領域上を覆っているので、かかる検出器においては短波長の光の検出は困難である。
【0010】
そこで、裏面入射型(裏面照射型)のCCDが提案されている。裏面入射型のCCDは基板のエネルギー線感応領域を10μmから30μmに薄化した撮像素子である。入射光は電荷転送電極の形成されていない裏面側からエネルギー線感応領域に照射される。エネルギー線感応領域に裏面側から光を入射させた場合、基板の裏面には薄い酸化膜の他に障害物は無いので、短波長の光像を比較的高感度に撮像することができる。裏面入射型CCDは、200nm程度の短波長光まで感度を有し、更に電子衝撃型CCDデバイスにも応用される。
【0011】
また、CCDにおいては、他のイメージセンサと比較して飽和電荷量が小さいという欠点がある。このため、被写体中に光強度の強い点が存在すると、発生した信号電荷が画素から溢れ出して周囲の画素に入り、ハイライト部の像が数倍の広がりとなって見える現象、すなわちブルーミング現象が生じ、その周辺の情報が失われる。
【0012】
したがって、例えば分光器用のCCD等において、強い光のすぐ隣に現れる微弱な光を検出するためには、強い光の信号がブルーミングしないように、過剰不要な電荷を取り除く手法が必要となる。
【0013】
この過剰な電荷を取り除く領域は、オーバーフロードレイン(OFD)と呼称される。
【0014】
表面入射型CCDの感応領域内にOFDを形成する場合、通常は開口率を確保するため、CCDが形成された表面の下側、すなわち基板側にOFDが形成され、不要な電荷は基板方向へと流れる。このような構造のOFDは縦型OFD(VOFD)と呼ばれる。
【0015】
裏面入射型CCDにおいてもOFDを形成することができる。裏面入射型CCDの場合、VOFDの形成される基板部分をエッチングによって除去しているため、OFDは各画素の横側に隣接して形成される。この構造のOFDは横型OFD(LOFD)と呼ばれ、画素列の横側に併設される。なお、LOFDと画素との間の領域には、必要な電荷がLOFD内に流れ込まないように規制するためのバリア領域が形成される。
【0016】
ここで、裏面入射型CCDがLOFDを採用している理由について付記しておく。
【0017】
裏面入射型CCDの場合、物理的にVOFDを形成できないこともあるが、原理的にVOFDは形成できない。すなわち、裏面入射型CCDにおいて、裏面の入射面で光電変換された電子を表面側に形成されたCCDへ集めるため、裏面側のポテンシャルが最も低く、表面(厳密には電荷転送部、最表面部ではない)ほど高くなるように構成されている。一方、通常のVOFDは、過剰電荷を基板の裏面側へ排出するため、ポテンシャルは表面側(厳密には電荷転送部より若干基板側)が最も低く、裏面へ行くほど高く設定される。したがって、基板の光入射面付近で発生した電子は、CCDのチャンネルに移動する前にOFDに排出されてしまう。
【0018】
完全空乏型のCCDが裏面入射型CCDと同様のCCDとして知られている。これは、基板の厚み方向に形成される空乏層を基板内に形成されたPN接合界面から裏面まで到達させるタイプのCCDである。完全空乏型CCDについても、VOFDを形成する基板部分は電荷を集める領域として設計されるため、このようなタイプのCCDにおいてもVOFDを形成することができない。
【0019】
したがって、裏面入射型CCD及び完全空乏型CCDにおいては、いずれもVOFDを形成する部分は存在しないし、例えできたとしても、通常通り動作することはできない。このため、裏面入射型CCD及び完全空乏型CCDはLOFDを採用している。
【0020】
なお、FT方式及びFFT方式に適用されるLOFDは、例えば、技術文献「True two-phase CCD image sensors employing a transparent gate」William Des Jardin, Stephen Kosman, January1999, SPIE Vol. 3649に開示されている。エネルギー線検出器の一例としてLOFDを有する3相駆動CCDについて説明する。
【0021】
図15はLOFDを有する3相駆動CCDの平面図、図16は図15に示したCCDのXVI−XVI矢印線縦断面図、図17は図15に示したCCDのXVII−XVII矢印線縦断面図、図18は図15に示したCCDのXVIII−XVIII矢印線縦断面図である。
【0022】
本例のCCDにおいては、P型Si基板401上に垂直電荷転送チャネル402とアイソレーション領域403が設けられている。これらの上にはSiO2膜404が設けられ、さらにその上には複数の垂直転送電極405が設けられている。本例の場合3相駆動方式を採用しているため、垂直転送電極405の数は1画素当たり3つである。垂直電荷転送チャネル402に平行にLOFD406へ流入する電荷のバリア領域407とLOFD406とが連続して設けられている。
【0023】
LOFD406及びバリア領域407は過剰な不要電荷を除去し、ブルーミング、スミア特性の劣化を防止している。
【0024】
このように、従来のCCDでは、各画素中の全ての転送電極に、各画素の一辺に沿って連続してバリア領域407及びLOFD406が設けられている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構造において、特に裏面入射型CCDにおいてはLOFDの形成によって、電荷を蓄積・転送するための画素の面積が減少する。これにより、CCDの飽和電荷量が低下すると共に開口率が低下するという問題がある。
【0026】
本発明は上述の課題に基づいてなされたものであり、飽和電荷量と開口率の低下を抑制可能なエネルギー線検出器を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は一方向に沿って連続して延びエネルギー線の入射に感応して電荷を発生するエネルギー線感応領域を垂直電荷転送チャネルとし、前記垂直電荷転送チャネルを介して転送された電荷を水平方向に転送して出力する水平電荷転送チャネルを備える半導体エネルギー線検出器において、前記エネルギー線感応領域長さ方向の第1位置における幅を規定する2つの幅方向位置のそれぞれが、前記長さ方向の第2位置における幅を規定する2つの幅方向位置それぞれから変位しており、前記エネルギー線感応領域に対して互いに逆側位置に第1及び第2過剰電荷排出領域が設けられ、前記第1過剰電荷排出領域は、その前記一方向延長線上に、前記第2位置におけるエネルギー線感応領域が位置するように前記第1位置における前記幅方向位置の一方に隣接しており、前記第2過剰電荷排出領域は、その前記一方向延長線上に、前記第1位置におけるエネルギー線感応領域が位置するように前記第2位置における前記幅方向位置の一方に隣接し、前記半導体エネルギー線検出器の撮像領域は前記垂直電荷転送チャネルを複数備え、同一の垂直電荷転送チャネル内に第1画素及び第2画素を備え、測定対象物から出射されるエネルギー線の前記垂直電荷転送チャネル上における速度に同期する速度で、前記第1画素に蓄積された電荷を、第2画素に転送することにより、転送された電荷と転送後に前記第2画素で蓄積される電荷とを加算することを特徴とする。
また、本発明の半導体エネルギー線検出器は、前記垂直電荷転送チャネルの前記一方向に連続する第1及び第2画素群を備え、第1及び第2画素群は、それぞれ前記垂直電荷転送チャネルの前記一方向に連続する全画素群の半分であって、前記第1及び第2画素群は、それぞれの画素群毎に、前記第1及び第2過剰電荷排出領域がそれぞれ設定されていることを特徴とする。
【0028】
ここで、エネルギー線とは紫外線、赤外線、可視光の他に電子線等も含まれるものとする。
【0029】
このエネルギー線検出器によれば、エネルギー線の入射に応じてエネルギー線感応領域で電荷が発生するが、この電荷は垂直電荷転送チャネルを構成する当該エネルギー線感応領域を介して一方向に沿って転送される。垂直電荷転送チャネルを介して転送された電荷は水平電荷転送チャネルによって水平方向に転送して出力される。
【0030】
ここで、第1及び第2過剰電荷排出領域は、第1及び第2位置におけるエネルギー線感応領域において発生した過剰な不要電荷を外部に排出する。これにより、ブルーミング現象は抑制することができる。しかしながら、制限された幅の中に、エネルギー線感応領域、すなわち、垂直電荷転送チャネルと過剰電荷排出領域を設定すると、通常であれば垂直電荷転送チャネルの幅が狭くなる。過剰電荷排出領域は不感領域として機能するので、垂直電荷転送チャネルの幅が狭くなると、垂直電荷転送チャネル内に蓄積可能な電荷量が減少すると共に開口率も低下する。
【0031】
本エネルギー線検出器においては、第1及び第2位置における垂直電荷転送チャンネルの幅方向位置が互いにずれており、ずれた場所に過剰電荷排出領域を設定する。換言すれば、第1過剰電荷排出領域の一方向(垂直方向)延長線上には、第2位置におけるエネルギー線感応領域が位置し、第2過剰電荷排出領域の一方向(垂直方向)延長線上には、第1位置におけるエネルギー線感応領域が位置する。
【0032】
垂直電荷転送チャネルは垂直方向に電荷を転送しているので、ブルーミング現象を抑制するため第1位置に第1過剰電荷排出領域、すなわち不感領域を設けたとしても、その延長線上には第2位置における感応領域が位置する。第2位置に第2過剰電荷排出領域を設けても、その延長線上には第1位置における感応領域が位置する。
【0033】
これらの第1及び第2の位置における電荷量を加算すると、一方の不感領域に対応する幅方向位置において発生すべき電荷は、他方で補完することができる。すなわち、幅方向の撮像を行うのであれば、飽和電荷量及び開口率の低下を抑制することができる。
【0034】
過剰電荷排出領域としては、様々なものが考えられるが、本エネルギー線検出器においては、第1過剰電荷排出領域は、エネルギー線感応領域の第1位置で発生した過剰な電荷を排出する第1オーバーフロードレイン領域と、第1オーバーフロードレイン領域とエネルギー線感応領域との間に介在し、一定量を超えてエネルギー線感応領域内で発生した電荷を第1オーバーフロードレイン領域内へ流れ込ませる第1バリア領域を備え、第2過剰電荷排出領域は、エネルギー線感応領域の第2位置で発生した過剰な電荷を排出する第2オーバーフロードレイン領域と、第2オーバーフロードレイン領域とエネルギー線感応領域との間に介在し、一定量を超えてエネルギー線感応領域内で発生した電荷を第2オーバーフロードレイン領域内へ流れ込ませる第2バリア領域を備える。
【0035】
一定量以上の電荷がエネルギー線感応領域内で発生した場合には、超えた分が第1及び第2バリア領域を介して第1及び第2オーバーフロードレイン領域内に流れ込み、第1及び第2オーバーフロードレイン領域から外部に排出される。
【0036】
上述のエネルギー線検出器においては、垂直電荷転送チャネルの第1及び第2位置における幅方向位置を変位させたが、これにより、第1及び第2位置をそれぞれ含む第1及び第2画素内のエネルギー線感応領域、すなわち垂直電荷転送チャネルの重心位置が幅方向に変位する。
【0037】
すなわち、本半導体エネルギー線検出器は、エネルギー線の入射に感応すると共に垂直方向に電荷を転送する垂直電荷転送チャネルを複数備えてなる撮像領域における同一垂直電荷転送チャネル内に位置する第1及び第2画素を備えた半導体エネルギー線検出器において、前記第1画素に隣接して形成された第1オーバーフロードレイン領域と、第2画素に隣接して形成された第2オーバーフロードレイン領域とを備え、前記第1画素内の垂直電荷転送チャネルの重心から前記垂直方向に平行に延ばした延長線上からずれた位置に前記第2画素内の垂直電荷転送チャネルの重心が位置する。
【0038】
すなわち、幅方向に重心がずれているので、第1及び第2画素において発生した電荷を加算すると、一方の不感領域、すなわち、第1又は第2オーバーフロードレイン領域に対応する幅方向位置において発生すべき電荷は、他方で補完することができる。すなわち、幅方向の撮像を行うのであれば、飽和電荷量及び開口率の低下を抑制することができる。
【0039】
また、不感領域が存在するので、電荷の加算によって、垂直電荷転送チャネルの幅方向中央部寄りの領域内の方が、幅方向両端部の領域内よりも電荷密度が高くなり、電荷を擬似的に幅方向中央部に圧縮することができる。この擬似信号圧縮効果によって、撮像におけるモアレを圧縮し変調度を低下させることができる。
【0040】
上記の加算を利用することができる駆動方式としては様々なものが考えられるが、1つはTDI駆動である。TDI駆動は、例えば、ベルトコンベアー上を移動する測定対象物を撮像する場合に、対象物の移動速度に同期して垂直電荷転送チャネルにおける電荷転送速度を調整する駆動方式であり、測定対象物の1点に対応するエネルギー線を第1画素によって撮像し、測定対象物の同じ1点に対応するエネルギー線が第2画素上に移動した場合には、第1画素で発生した電荷を第2画素に移動させた上で、第2画素でこれを撮像する駆動方式である。もちろん、エネルギー線がエネルギー線検出器上を走査するのであれば、この走査速度に電荷転送速度を同期させてもよい。
【0041】
すなわち、本エネルギー線検出器は、測定対象物から出射されるエネルギー線の垂直電荷転送チャネル上における速度に同期する速度で第1画素に蓄積された電荷を第2画素に転送することにより、転送された電荷と転送後に第2画素で蓄積される電荷とを加算する。
【0042】
この駆動方式を採用することにより、上記加算(積算)による有用性が更に向上し、不感領域の形成による電荷量の低下を抑制することができる。
【0043】
上記駆動方式は、異なる期間に別の画素に入射した同一源からのエネルギー線を撮像することとしたが、第1及び第2画素において同じ期間に蓄積された電荷を加算する駆動方式を採用してもよい。これは所謂ラインビニング駆動方式であり、複数の垂直電荷転送チャネル毎に加算された電荷は全体として、水平方向に一次元電荷列をなし、この場合のエネルギー線検出器は、1次元ホトダイオードアレイと同様にラインセンサとして機能する。
【0044】
このエネルギー線検出器においても、上記加算による有用性は達成される。
【0045】
また、本半導体エネルギー線検出器は、裏面入射型のCCDであることが好ましく、この場合には従来のLOFDの形成による不具合が解消されるので、上述した裏面入射型CCDの特性を更に活用することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係るエネルギー線検出器について、裏面入射型CCDを例に説明する。同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。説明において、エネルギー線とは紫外線、赤外線、可視光の他に、電子線等も含まれるものとする。
【0047】
図1は第1実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側(裏面とは反対側)から見たCCDの平面図である。図2は図1に示したCCDを裏面側から見たCCDのの平面図である。
【0048】
半導体エネルギー線検出器である裏面入射型CCDは、内側領域1iの厚みが周縁部1pの厚みよりも薄い半導体基板1と、半導体基板1の裏面側からのエネルギー線の入射に応じて半導体基板1内において発生した電荷を読み出すために半導体基板1の表面側に形成された電荷読み出し部2とを備える。このCCDはFFT型CCDである。
【0049】
電荷読み出し部2は、垂直方向に電荷を転送する複数の垂直電荷転送チャネル2vと、各垂直電荷転送チャネル2vの終端部まで転送された電荷を水平方向に転送する水平電荷転送チャネル2hと、水平電荷転送チャネル2hの終端部まで転送された電荷を読み出す出力部2oとを備えている。
【0050】
垂直電荷転送チャネル2vの導電型はN型であり、その下に形成されたP型半導体基板1とPN接合を形成している。また、垂直電荷転送チャネル2vの幅は約20μmである。垂直電荷転送チャネル2vの総数は512〜1024列である。垂直電荷転送チャネル2vと直交して垂直転送電極群(図8参照)が配置され、これらは垂直シフトレジスタを構成している。垂直電荷転送チャネル2vの幅は一定ではなく、左右交互に幅狭となる領域があり、この領域内に過剰電荷排出領域3が設けられている。
【0051】
詳説すれば、第1実施形態のCCDと従来技術のCCDとの構造的な相違点は、従来技術においては各画素の1つの辺に連続して過剰電荷排出領域3が設けられているのに対して、本実施形態の過剰電荷排出領域3が垂直電荷転送方向に配置された画素列における前後の画素で左右交互に、すなわち千鳥状に配置されている。
【0052】
垂直電荷転送チャネル2vは、厚みの薄い内側領域1iに形成されたエネルギー線感応領域であり、エネルギー線の入射に応じて電荷を発生する。垂直電荷転送チャネル2v内で発生した電荷は、その上に形成された転送電極に3相の駆動電圧ΦV1、ΦV2、ΦV3を印加することによって順次垂直方向に転送される。すなわち、垂直電荷転送チャネル2v内の1画素内には3つの転送電極が設けられるが、この3つの電極に位相の異なる電圧が印加され、この画素内に蓄積された電荷が次の画素に転送される。
【0053】
複数の垂直電荷転送チャネル2vによって、その終端部まで転送された電荷は、水平電荷転送チャネル2hに入力される。すなわち、垂直電荷転送チャネル2vは、1つの水平電荷転送チャネル2hに接続されている。水平電荷転送チャネル2hの幅は約25乃至100μmである。水平電荷転送チャネル2hと直交して水平転送電極群が配置され、これらは水平シフトレジスタを構成している。水平電荷転送チャネル2h内に入力された電荷は、その上に形成された転送電極に3相の駆動電圧ΦH1、ΦH2、ΦH3を印加することによって水平方向に順次転送され、出力部2oに入力される。
【0054】
図3は、出力部2o周辺の平面図である。
【0055】
電荷蓄積期間に、垂直シフトレジスタのポテンシャル井戸に蓄積された電荷は、順次、垂直シフトレジスタから水平シフトレジスタに転送される。さらに、この電荷は水平シフトレジスタによって水平方向に転送され、時系列の信号として水平シフトレジスタ内を移動する。
【0056】
水平シフトレジスタによって転送された電荷は、一定電位の出力ゲートOGの下を通過し、リセットゲートRGによって一定の電位に保たれたフローティングダイオードFDのポテンシャル井戸内に転送され、フローティングダイオードFDの電位を変化させる。この電位の変化をオンチップの電界効果トランジスタ(FET)TRと外付けの負荷抵抗Zからなるソースホロア回路を介して読み出し、出力端子Voutから出力電圧を得る。なお、トランジスタTRの一端には電源電圧VDDが与えられ、他方は負荷抵抗Zを介して接地されている。
【0057】
この後、フローティングダイオードFDのポテンシャル井戸に転送された電荷は、リセットゲートRGの下を通過してリセットドレインRDより排出される。次に、上述の過剰電荷排出領域3(図1参照)について詳説する。
【0058】
図4は図1に示したCCDの部分拡大図である。エネルギー感応領域である垂直電荷転送チャネル2v間には、過剰電荷排出領域3が配置されている。なお、X方向は垂直方向であり、Y方向は水平方向である。
【0059】
この裏面入射型CCDは、一方向(X方向)に沿って連続して延びエネルギー線の入射に感応して電荷を発生するエネルギー線感応領域を垂直電荷転送チャネル2vとし、垂直電荷転送チャネル2vを介して転送された電荷を水平方向に転送して出力する水平電荷転送チャネルを備えるCCDにおいて、エネルギー線感応領域長さ方向Xの第1位置X1における幅W1を規定する2つの幅方向位置Y11,Y12のそれぞれが、長さ方向Xの第2位置X2における幅W2を規定する2つの幅方向位置Y21,Y22それぞれから変位しており、エネルギー線感応領域2vに対して互いに逆側位置に第1及び第2過剰電荷排出領域31,32が設けられ、第1過剰電荷排出領域31は、その一方向(X方向)延長線上に、第2位置X2におけるエネルギー線感応領域2v2が位置するように第1位置X1における幅方向位置の一方(Y12)に隣接しており、第2過剰電荷排出領域32は、その前記一方向(X方向)延長線上に、第1位置X1におけるエネルギー線感応領域2v1が位置するように第2位置X2における幅方向位置の一方(Y21)に隣接している。
【0060】
このCCDによれば、エネルギー線の入射に応じてエネルギー線感応領域で電荷が発生するが、この電荷は垂直電荷転送チャネル2vを構成する当該エネルギー線感応領域を介して一方向(X方向)に沿って転送される。垂直電荷転送チャネル2vを介して転送された電荷は水平電荷転送チャネル2h(図1)によって水平方向(−Y方向)に転送され、出力部2oを介して外部に出力される。
【0061】
ここで、第1及び第2過剰電荷排出領域3(31,32)は、第1及び第2位置X1,X2におけるエネルギー線感応領域2vにおいて発生した過剰な不要電荷を外部に排出する。これにより、ブルーミング現象は抑制することができる。
【0062】
従来のように、制限された幅の中に、エネルギー線感応領域、すなわち、垂直電荷転送チャネルと過剰電荷排出領域を設定すると、通常であれば垂直電荷転送チャネルの幅が狭くなる。過剰電荷排出領域は不感領域として機能するので、垂直電荷転送チャネルの幅が狭くなると、垂直電荷転送チャネル内に蓄積可能な電荷量が減少すると共に開口率も低下する。
【0063】
このCCDにおいては、第1及び第2位置X1,X2における垂直電荷転送チャンネル2vの幅方向位置(Y11,Y12),(Y21、Y22)が互いにずれおり、ずれた場所に過剰電荷排出領域31,32が設定されている。換言すれば、第1過剰電荷排出領域31の一方向(垂直方向X)延長線上には、第2位置X2におけるエネルギー線感応領域2v2が位置し、第2過剰電荷排出領域32の一方向(垂直方向X)延長線上には、第1位置X1におけるエネルギー線感応領域2v1が位置する。
【0064】
垂直電荷転送チャネル2vは垂直方向に電荷を転送しているので、ブルーミング現象を抑制するため第1位置X1に第1過剰電荷排出領域31、すなわち不感領域を設けたとしても、その延長線上には第2位置X2における感応領域が位置する。第2位置X2に第2過剰電荷排出領域32を設けても、その延長線上には第1位置X2における感応領域が位置する。
【0065】
これらの第1及び第2の位置X1,X2における電荷量を加算すると、一方の不感領域に対応する幅方向位置において発生すべき電荷は、他方で補完することができる。すなわち、幅方向の撮像を行うのであれば、飽和電荷量及び開口率の低下を抑制することができる。
【0066】
過剰電荷排出領域3は、様々なものが考えられる。
【0067】
本CCDにおいては、第1過剰電荷排出領域31は、エネルギー線感応領域2vの第1位置X1で発生した過剰な電荷を排出する第1LOFD領域(第1オーバーフロードレイン領域)3d(3d1)と、第1LOFD領域3d1とエネルギー線感応領域2v(2v1)との間に介在し、一定量を超えてエネルギー線感応領域2v1内で発生した電荷を第1LOFD領域3d1内へ流れ込ませる第1バリア領域3b(3b1)を備える。
【0068】
同様に、第2過剰電荷排出領域32は、エネルギー線感応領域2vの第2位置X2で発生した過剰な電荷を排出する第2LOFD(第2オーバーフロードレイン領域)3d(3d2)と、第2LOFD領域3d2とエネルギー線感応領域2v(2v2)との間に介在し、一定量を超えてエネルギー線感応領域2v2内で発生した電荷を第2LOFD領域3d2内へ流れ込ませる第2バリア領域3b2を備える。
【0069】
一定量以上の電荷がエネルギー線感応領域2v1,2v2内で発生した場合には、超えた分が第1及び第2バリア領域3b1,3b2を介して第1及び第2LOFD領域3d1,3d2内にそれぞれ流れ込み、第1及び第2LOFD領域3d1,3d2から外部に排出される。
【0070】
なお、上述のCCDにおいては、垂直電荷転送チャネル2vの第1及び第2位置X1,X2における幅方向位置を変位させたが、これにより、第1及び第2位置X1,X2をそれぞれ含む第1及び第2画素PX1,PX2内のエネルギー線感応領域2v1,2v2、すなわち垂直電荷転送チャネルの重心位置が幅方向に変位する。各画素PX1、PX2で発生した電荷は加算される。
【0071】
図5は、電荷の加算について説明するための説明図である。
【0072】
第1位置X1においては、幅W1を規定する幅方向位置Y11、Y12の有感領域(垂直電荷転送チャネル)2v1と不感領域(LOFD領域及びバリア領域)31とが隣接している。第2位置X2においては、幅W2を規定する幅方向位置Y21、Y22の有感領域(垂直電荷転送チャネル)2v2と不感領域(LOFD領域及びバリア領域)32とが隣接している。
【0073】
本CCDは、図4及び図5を参照すると、エネルギー線の入射に感応すると共に垂直方向(X方向)に電荷を転送する垂直電荷転送チャネル2vを複数備えてなる撮像領域(内側領域1i(図2参照))における同一垂直電荷転送チャネル内に位置する第1及び第2画素PX1,PX2を備えたCCDである。
【0074】
このCCDは、第1画素PX1に隣接して形成された第1LOFD領域3d1と、第2画素PX2に隣接して形成された第2LOFD領域3d2とを備え、第1画素PX1内の垂直電荷転送チャネル2v1の重心G1から垂直方向(X方向)に平行に延ばした延長線上からずれた位置に第2画素PX2内の垂直電荷転送チャネル2v2の重心G2が位置する。
【0075】
すなわち、幅方向に重心G1,G2がずれているので、第1及び第2画素PX1,PX2において発生した電荷を加算すると、一方の不感領域、すなわち、第1又は第2LOFD領域31,32に対応する幅方向位置において発生すべき電荷は、他方で補完することができる。すなわち、幅方向の撮像を行うのであれば、飽和電荷量及び開口率の低下を抑制することができる。
【0076】
この場合、不感領域31,32が存在するので、電荷の加算によって、垂直電荷転送チャネル2vの幅方向中央部寄りの領域内の方が、幅方向両端部の領域内よりも電荷密度が高くなり、電荷を擬似的に幅方向中央部に圧縮することができる。この擬似信号圧縮効果によって、撮像におけるモアレを圧縮し変調度を低下させることができる。なお、本例ではW1=W2である。
【0077】
図6は、幅方向位置(重心位置)が第1及び第2位置X1,X2において変わらない画素で発生した電荷を加算した場合について説明するため説明図である。この場合、第1及び第2画素PX1,PX2で発生した電荷を加算したとしても、過剰電荷排出領域31,32の存在によって失った幅方向情報は補完することができず、また擬似信号圧縮効果も起こらない。
【0078】
次に、実施形態のCCDの説明に戻って、その駆動方式について説明する。上記の加算を利用することができる駆動方式としては様々なものが考えられるが、1つはTDI(Time Delay and Integration:時間遅延積分)駆動である。
【0079】
TDI駆動とは、例えばベルトコンベアー上にある物体を撮像する場合や、所定の測定で等速に移動する航空機から地上を撮像する場合等の、撮像対象と撮像装置とが相対的に一定速度で移動している場合に用いられる撮像法であって、撮像対象の進行方向を垂直シフトレジスタの電荷転送方向と一致させて設置し、エネルギー線感応領域の各ポテンシャル井戸に蓄積された電荷を撮像対象、または撮像装置の移動速度に対応した速度で転送しつつ、電荷の蓄積を行う方法である。TDI駆動法によれば、特定の蓄積電荷は、撮像対象の移動に拘わらず常に撮像対象の特定位置に対応してスミア・ぶれの生じないように撮像を行うことができる。
【0080】
TDI駆動について図面を参照しながら説明するとすれば、これは移動する測定対象物を撮像する場合に、対象物の移動速度に同期して垂直電荷転送チャネルにおける電荷転送速度を調整する駆動方式であり、測定対象物の1点に対応するエネルギー線を第1画素PX1によって撮像し、測定対象物の同じ1点に対応するエネルギー線が第2画素PX2上に移動した場合には、第1画素PX1で発生した電荷を第2画素PX2に移動させた上で、第2画素PX2でこれを撮像する駆動方式である。もちろん、エネルギー線がCCD上を走査するのであれば、この走査速度に電荷転送速度を同期させてもよい。
【0081】
すなわち、本CCDは、測定対象物から出射されるエネルギー線の垂直電荷転送チャネル2v上における速度に同期する速度で第1画素PX1に蓄積された電荷を第2画素PX2に転送することにより、転送された電荷と転送後に第2画素PX2で蓄積される電荷とを加算する。
【0082】
更に詳説すれば、CCDの1行1列に存在する画素は、チャネル2vの右側に沿ってLOFD3d及びバリア領域3bが形成されており、垂直電荷転送方向の次段である2行1列の画素では、チャネル2vの左側に沿ってLOFD3d及びバリア領域3bが形成されている。CCDをTDI駆動することにより、1行1列目の画素PX1に隣接する不感領域であるLOFD3d及びバリア領域3bは、次段の2行1列目の画素PX2では有感領域となり、不感領域が補完されるのである。
【0083】
本例のCCDでは感度自体は減少するが開口率の低下は抑制される。なお、各画素の電荷はTDI駆動により積分されるため、この感度低下分は十分に補うことができる。これは、前の撮像タイミング時に1行1列目に存在した撮像対象が、2行1行目に移動した時点で、次の撮像が行われるTDI駆動特有の効果を利用したものである。
【0084】
この駆動方式を採用することにより、上記加算(積算)による有用性が更に向上し、不感領域(3)の形成による電荷量の低下を抑制することができる。
【0085】
上記TDI駆動方式は、異なる期間に別の画素PX1,PX2に入射した同一源からのエネルギー線を撮像することとしたが、第1及び第2画素PX1,PX2において同じ期間に蓄積された電荷を加算する駆動方式を採用してもよい。これは所謂ラインビニング駆動方式であり、複数の垂直電荷転送チャネル毎に加算された電荷は全体として、水平方向に一次元電荷列をなし、この場合のCCDは、1次元ホトダイオードアレイと同様にラインセンサとして機能する。
【0086】
このCCDにおいても、上記加算による有用性は達成される。
【0087】
また、本CCDは、裏面入射型のCCDであり、この場合には従来のLOFDの形成による不具合が解消されるので、上述した裏面入射型CCDの特性を更に活用することができる。
【0088】
次に、上記CCDの縦断面構造について説明する。
【0089】
図7は上記実施形態に係る3相駆動CCDの平面図、図8は図7に示したCCDのVIII−VIII矢印線縦断面図、図9は図7に示したCCDのIX−IX矢印線縦断面図、図10は図7に示したCCDのX−X矢印線縦断面図、図11は図7に示したCCDのXI−XI矢印線縦断面図である。
【0090】
P型Siからなる半導体基板(内側領域1i)1上に、N型半導体層2vが垂直電荷転送チャネルとして形成されている。半導体基板1上には、高不純物濃度(N型)のLOFD領域3dが形成され、LOFD領域3dの横方向周囲は、低不純物濃度(N型)のバリア領域3bで囲まれている。この画素PX1と水平方向に隣接する画素との間には、高不純物濃度(P型)のアイソレーション領域Iが形成されており、アイソレーション領域IはN型半導体層2vと隣接している。
【0091】
半導体基板1の表面上にはSi酸化膜OXが形成されている。各画素上には、水平方向に延びる3本の転送電極TE1,TE2,TE3が酸化膜OXを介して形成されており、さらに、これらはパッシベーション膜PVによって被覆されている。
【0092】
従来のLOFDはチャネル2vの一辺に連続して隣接していたため、LOFDの1箇所を外部に接続すれば良かったが、第1実施形態におけるLOFDは1行目の画素の横方向に隣接するLOFDとは逆側(千鳥)に、次の行の画素の横方向に隣接するLOFDが配置されているため、各画素毎に対応するLOFD3dが、それぞれパッシベーション膜PVに上を這うアルミ配線で電気的に結ばれている。
【0093】
より具体的には、各画素に対応したLOFD3d毎に、その転送電極(ポリシリコン転送ゲート)TE2に穴を空け、この開口部を通してLOFD3dをドレイン電極(アルミ配線)DEに接続している。すなわち、LOFD領域3dは、酸化膜OX、転送電極TE2及びパッシベーション膜PVに設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極DEに接続されている。ドレイン電極DEはパッシベーション膜PV上を1画素内においてはX方向に延びており、LOFD3dからの過剰電荷を外部に排出する。
【0094】
図12は第2実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。第1実施形態においては、垂直方向(X方向)に隣接する画素毎に過剰電荷排出領域3を左右交互に設定した。本実施形態のCCDと第1実施形態のものとの相違点は、垂直方向(X方向)に隣接する画素対(X方向に隣接する2画素からなる)毎に過剰電荷排出領域3を左右交互に設定する点のみである。過剰電荷排出領域3は、上述のものと同一の構造であり、周辺部にバリア領域が形成されたLODF領域からなる。
【0095】
図13は第3実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。本実施形態のCCDと第1実施形態のものとの相違点は、垂直方向(X方向)に隣接する画素群(X方向に連続する全画素中の半分からなる)毎に過剰電荷排出領域3を左右交互に設定する点のみである。
【0096】
図14は第4実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。本実施形態のCCDと第1実施形態のものとの相違点は、図1に示した垂直電荷転送チャネル2vからなる撮像領域と、水平電荷転送チャネル2hとの間に複数の垂直シフトレジスタからなる蓄積部ACが形成され、CCDがFT駆動される点のみである。この場合、TDI駆動とFT駆動とが組み合わされるので、素子全体ではなく、蓄積部ACに蓄積可能な任意の画素数の画像を出力することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のエネルギー線検出器によれば、飽和電荷量と開口率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。
【図2】図1に示したCCDを裏面側から見たCCDのの平面図である。
【図3】出力部2o周辺の平面図である。
【図4】図1に示したCCDの部分拡大図である。
【図5】電荷の加算について説明するための説明図である。
【図6】幅方向位置(重心位置)が第1及び第2位置X1,X2において変わらない画素で発生した電荷を加算した場合について説明するため説明図である。
【図7】上記実施形態に係る3相駆動CCDの平面図である。
【図8】図7に示したCCDのVIII−VIII矢印線縦断面図である。
【図9】図7に示したCCDのIX−IX矢印線縦断面図である。
【図10】図7に示したCCDのX−X矢印線縦断面図である。
【図11】図7に示したCCDのXI−XI矢印線縦断面図である。
【図12】第2実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。
【図13】第3実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。
【図14】第4実施形態に係る裏面入射型CCDを表面側から見たCCDの平面図である。
【図15】LOFDを有する3相駆動CCDの平面図である。
【図16】図15に示したCCDのXVI−XVI矢印線縦断面図である。
【図17】図15に示したCCDのXVII−XVII矢印線縦断面図である。
【図18】図15に示したCCDのXVIII−XVIII矢印線縦断面図である。
【符号の説明】
1i…内側領域、1…半導体基板、1p…周縁部、2v、2v1,2v2…エネルギー線感応領域(垂直電荷転送チャネル)、2o…出力部、2h…水平電荷転送チャネル、3b,3b1,3b2…バリア領域、3d,3d1,3d2…LFOD領域、3,31,32…過剰電荷排出領域、AC…蓄積部、DE…ドレイン電極、FD…フローティングダイオード、G1,G2…重心、I…アイソレーション領域、OG…出力ゲート、OX…酸化膜、PV…パッシベーション膜、PX1,PX2…画素、RD…リセットドレイン、RG…リセットゲート、TE1,TE2,TE3…転送電極、Vout…出力端子、W1…幅、W2…幅、Y11,Y12…幅方向位置、Y21,Y22…幅方向位置、Z…負荷抵抗。
Claims (6)
- 一方向に沿って連続して延びエネルギー線の入射に感応して電荷を発生するエネルギー線感応領域を垂直電荷転送チャネルとし、前記垂直電荷転送チャネルを介して転送された電荷を水平方向に転送して出力する水平電荷転送チャネルを備える半導体エネルギー線検出器において、
前記エネルギー線感応領域長さ方向の第1位置における幅を規定する2つの幅方向位置のそれぞれが、前記長さ方向の第2位置における幅を規定する2つの幅方向位置それぞれから変位しており、
前記エネルギー線感応領域に対して互いに逆側位置に第1及び第2過剰電荷排出領域が設けられ、
前記第1過剰電荷排出領域は、その前記一方向延長線上に、前記第2位置における前記エネルギー線感応領域が位置するように前記第1位置における前記幅方向位置の一方に隣接しており、
前記第2過剰電荷排出領域は、その前記一方向延長線上に、前記第1位置における前記エネルギー線感応領域が位置するように前記第2位置における前記幅方向位置の一方に隣接し、
前記半導体エネルギー線検出器の撮像領域は前記垂直電荷転送チャネルを複数備え、同一の垂直電荷転送チャネル内に第1画素及び第2画素を備え、測定対象物から出射されるエネルギー線の前記垂直電荷転送チャネル上における速度に同期する速度で、前記第1画素に蓄積された電荷を、第2画素に転送することにより、転送された電荷と転送後に前記第2画素で蓄積される電荷とを加算する、
ことを特徴とする半導体エネルギー線検出器。 - 前記第1過剰電荷排出領域は、前記エネルギー線感応領域の前記第1位置で発生した過剰な電荷を排出する第1オーバーフロードレイン領域と、第1オーバーフロードレイン領域と前記エネルギー線感応領域との間に介在し、一定量を超えて前記エネルギー線感応領域内で発生した電荷を前記第1オーバーフロードレイン領域内へ流れ込ませる第1バリア領域を備え、
前記第2過剰電荷排出領域は、前記エネルギー線感応領域の前記第2位置で発生した過剰な電荷を排出する第2オーバーフロードレイン領域と、第2オーバーフロードレイン領域と前記エネルギー線感応領域との間に介在し、一定量を超えて前記エネルギー線感応領域内で発生した電荷を前記第2オーバーフロードレイン領域内へ流れ込ませる第2バリア領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体エネルギー線検出器。 - 前記第1画素に隣接して前記第1オーバーフロードレイン領域が形成され、前記第2画素に隣接して前記第2オーバーフロードレイン領域が形成され、前記第1画素内の垂直電荷転送チャネルの重心から前記垂直方向に平行に延ばした延長線上からずれた位置に前記第2画素内の垂直電荷転送チャネルの重心が位置することを特徴とする請求項2に記載の半導体エネルギー線検出器。
- 前記垂直電荷転送チャネルの前記一方向に連続する第1及び第2画素群を備え、第1及び第2画素群は、それぞれ前記垂直電荷転送チャネルの前記一方向に連続する全画素群の半分であって、前記第1及び第2画素群は、それぞれの画素群毎に、前記第1及び第2過剰電荷排出領域がそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体エネルギー線検出器。
- 前記第1及び第2画素において同じ期間に蓄積された電荷を加算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体エネルギー線検出器。
- 前記半導体エネルギー線検出器は、裏面入射型のCCDであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体エネルギー線検出器。
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