JP4647751B2 - 筒状材と雄ねじ材との結合構造 - Google Patents

筒状材と雄ねじ材との結合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸状の雄ねじ材の一部を筒状材内に同軸状に挿入し、前記筒状材に対し前記雄ねじ材を軸方向に移動可能、かつ任意の位置に固定可能とする筒状材と雄ねじ材との結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は建築物や構造物等において用いられる従来の束金具1(この場合は床束)の縦断面図、図2は図1のII−II線における断面図、図3は該従来の束金具1における下側および上側振れ止めナット2U,2Lを示す正面図(下側振れ止めナット2Lと上側振れ止めナット2Uとの相違は、下側振れ止めナット2Lにおいては後述する雌ねじ部12が左ねじとされているのに対し、上側振れ止めナット2Uにおいては後述する雌ねじ部12が右ねじとされているという点のみであり、他の構成は同じであるので、同一の図面で示している)、図4は該従来の束金具1における筒状材3を示す縦断面図をそれぞれ示している。
【0003】
図1に示されるように、基台4には横断面円形で軸状をなす下側雄ねじ材5が固定立設されており、この下側雄ねじ材5の外周には左ねじの雄ねじ部6が設けられている。図4によく示されるように、鋼鉄等の金属材料からなる筒状材3の上下端部はプレス加工により絞られており、該筒状材3の他の大部分をなす太部3aより細い小径部3b,3cとされている。各小径部3b,3cと太部3aとの間には、テーパー状部3d,3eが形成されている。各小径部3b,3cおよびテーパー状部3d,3eは横断面円形状とされている。前記太部3aは、横断面円形状とされる場合と、横断面非円形(特に四角形状)とされる場合がある。
【0004】
前記筒状材3の下側の小径部3cの内周に設けられた左ねじの雌ねじ部7は、雄ねじ部6に螺合されている。前記上側の小径部3bの内周に設けられた右ねじの雌ねじ部8には、横断面円形で軸状をなす上側雄ねじ材9の外周に設けられた右ねじの雄ねじ部10が螺合されている。前記上側雄ねじ材9の上端部には大引等を受ける受け台11が固定されている。
【0005】
前記下側雄ねじ材5の雄ねじ部6には、下側振れ止めナット2Lに設けられた雌ねじ部12が筒状材3の下方側において螺合されている一方、前記上側雄ねじ材9の雄ねじ部10には、上側振れ止めナット2Uに設けられた雌ねじ部12が筒状材3の上方側において螺合されている。各振れ止めナット2U,2Lには、嵌合部13が一体的に設けられており、この嵌合部13は雌ねじ部12に対し回転不可能となっている。
【0006】
この従来の束金具1においては、基台4および受け台11、ひいては下側および上側雄ねじ材5,9の回転が拘束されている状態かつ下側および上側振れ止めナット2L,2Uが緩められている状態において、筒状材3を回転すると、筒状材3に対し雄ねじ材5,9が相対的に軸方向、かつ互いに反対の向きに移動し、基台4と受け台11との間の間隔が変化することにより、受け台11の高さを調整することができる。そして、(i)そのままでは前記調整した高さが狂う虞があるため、(ii)雄ねじ部6,10と雌ねじ部7,8との間のはめあい公差の関係上、下側雄ねじ材5に対し筒状材3、筒状材3に対し上側雄ねじ材9がそれぞれ振れやすいため、および(iii)地震時に上方へ作用する大きな力による筒状材3からの雄ねじ材5,9の抜けを防止するため等の目的で、前記高さ調整後、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13の内面側が筒状材3のテーパー状部3e,3dや小径部3c,3bに圧接されるように振れ止めナット2L,2Uを締め付けていた。
【0007】
なお、筒状材3の上下端部が絞られて小径部3b,3cが形成されているのは、筒状材3全体を均一な太さとすると、下側および上側雄ねじ材5,9の所定の可動範囲分だけ筒状材3に雌ねじ部7,8を長く形成する(タップを切る)必要が生じ、この雌ねじ形成作業に掛かるコストが非常に高くなるのに対し、筒状材3の上下端部を絞って小径部3b,3cを形成すれば、雌ねじ部7,8は小径部3b,3cのみに形成すればよいので、雌ねじ部7,8の長さを短くし、ひいては雌ねじ形成作業に掛かるコストを低減できるからであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の束金具1の筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造においては、筒状材3の両端部をプレス加工により絞って小径としていたので、この絞り加工が筒状材3の加工コストを上昇させるという問題があった。
【0009】
また、筒状材3は、振れ止めナット2に対して該筒状材3を回り止めする際等において、該筒状材3に工具を嵌合する等のために、横断面非円形状とすることが好ましい。そして、筒状材3の両端部に対し絞り加工をせず、筒状材3全体を均一な太さとし、かつ横断面非円形状とする場合には、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13も対応する横断面非円形状としないと、雄ねじ材5,9の振れを効果的に防止することは困難である。しかしながら、前記従来の振れ止めナット2L,2Uでは、もし振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13と筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分との両方を横断面非円形状としたとすると、振れ止めナット2L,2Uを締め付けて行こうとしても、両者が少し嵌合した段階ですぐに、筒状材3に対して振れ止めナット2L,2Uが回転できなくなるので、実際には、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13および筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の両方を横断面非円形状とすることはできないという問題があった。
【0010】
また、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13または筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の両方または一方を横断面円形状とする場合も、はめ合う前における嵌合部13の大きさおよび筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとすることにより、両者が非常にきつく嵌合されるようにしたいと希望しても、実際には、嵌合部13が筒状材3に対して回転しにくくなるので、振れ止めナット2L,2Uを回転して締め付けながら筒状材3に十分嵌合されるようにすることは困難であるという問題があった。
【0011】
また、前記従来の束金具1の筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造においては、長い筒状材3を何度も何度も回転して束金具1の高さ調整を行わなければならぬので、多数の束金具1の高さ調整を行わなければならぬ場合には、この調整作業が作業者に対し大きな負担となるという問題もあった。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の1つの目的は、振れ止めナットの嵌合部と筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分との両方を横断面非円形状とすることができる筒状材と雄ねじ材との結合構造を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、振れ止めナットの嵌合部または筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の少なくとも一方を横断面円形状とする場合も、はめ合う前における嵌合部の大きさおよび筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、両者が非常にきつく嵌合されるようにすることができる筒状材と雄ねじ材との結合構造を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、筒状材の加工コストを低減することができる筒状材と雄ねじ材との結合構造を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、筒状材を回転することなく、筒状材と雄ねじ材との相対位置の調整(ひいては高さ調整等)を行うことができる筒状材と雄ねじ材との結合構造を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
発明による筒状材と雄ねじ材との結合構造は、
金属からなる筒状材と、外周に雄ねじ部を設けられるとともに、一部を前記筒状材内に同軸状に、該筒状材に対し軸方向に移動可能に挿入された軸状の雄ねじ材と、前記雄ねじ部に螺合される雌ねじ部と外側から前記筒状材の端部付近に嵌合される嵌合部とを備えた振れ止めナットを有してなる筒状材と雄ねじ材との結合構造において、
前記振れ止めナットは、前記雌ねじ部を設けられた、金属からなる本体部と、前記嵌合部を形成する、金属からなる被せ部とを有し、
前記嵌合部が前記本体部に対し回転可能となるように、前記本体部および/または前記嵌合部を塑性変形して緩くかしめて、前記本体部と前記嵌合部とを結合することにより、前記嵌合部は前記雌ねじ部に対して該雌ねじ部の軸線を中心として回転可能とされており、
前記雄ねじ部は前記筒状材に螺合されておらず、
はめ合う前における前記嵌合部の大きさおよび前記筒状材のうちの前記嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとされているものである。
【0018】
本発明においては、振れ止めナットの嵌合部が該ナットの雌ねじ部に対して回転可能とされているので、振れ止めナットの嵌合部と筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分との両方を横断面非円形状としても、嵌合部は筒状材に対して回転できない状態のまま、振れ止めナットを十分締め付け、それにより、嵌合部を軸方向に移動させて筒状材に十分に嵌合し、筒状材に対する雄ねじ材の相対的な振れおよび筒状材からの雄ねじ材の抜けを防止することができる。
【0019】
また、振れ止めナットの嵌合部または筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の少なくとも一方を横断面円形状とするが、はめ合う前における嵌合部の大きさおよび筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとする場合も、嵌合部は筒状材に対して回転できないかまたは困難な状態のまま、振れ止めナットを十分締め付け、それにより、嵌合部を軸方向に移動して、嵌合部と筒状材とが非常にきつく嵌合されるようにし、筒状材に対する雄ねじ材の相対的な振れおよび筒状材からの雄ねじ材の抜けを防止することができる。
【0020】
また、本発明の筒状材と雄ねじ材との結合構造においては、筒状材の内周に雌ねじ部を設けないことにより、筒状材の加工コストを低減することができる。そして、雌ねじ部が設けられないことにより筒状材と雄ねじ材との間のねじ結合がなくなり、筒状材に対する雄ねじ材の相対的な振れが生じ易くなる点および地震時に上方へ作用する大きな力によって筒状材からの雄ねじ材の抜けが生じ易くなる点は、振れ止めナットの嵌合部を筒状材の端部付近に嵌合することにより補うことができる。
【0021】
これをさらに詳しく説明すると、本発明の筒状材と雄ねじ材との結合構造においては、雄ねじ部を筒状材に螺合しないため、筒状材の内周に雌ねじ部を形成しないでよいので、筒状材の加工コストを低減することができる。筒状材は横断面円形状としても、横断面非円形状としてもよい。そして、はめ合う前における嵌合部の大きさおよび筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとして、筒状材に対し振れ止めナットの嵌合部が非常にきつく嵌合されるようにする。雌ねじ部が設けられていないことにより筒状材と雄ねじ材との間のねじ結合がなくなる点は、前記のように振れ止めナットを筒状材の端部付近に非常にきつく嵌合し、筒状材の端部付近が嵌合部により雄ねじ材の径方向に圧縮され、筒状材の内周が雄ねじ材の外周(雄ねじ部)に強く押し付けられるようにすることにより補うことができる。また、この場合、筒状材と雄ねじ材とは螺合されていないので、筒状材を回転することなく、筒状材と雄ねじ材との相対位置の調整(ひいては高さ調整等)を行うことができるため、前記相対位置の調整作業に要する労力を従来より大幅に低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0023】
【実施例】
図5〜13は本発明の第一参考例を示しており、このうち図5〜10は本参考例における下側および上側振れ止めナット2L,2U、図11〜13は該振れ止めナット2L,2Uを用いた束金具1をそれぞれ示している。
【0024】
まず、図5〜10を用いて本参考例における下側および上側振れ止めナット2L,2Uを説明する。なお、下側振れ止めナット2Lと上側振れ止めナット2Uとは、下側振れ止めナット2Lにおいては後述する雌ねじ部12が左ねじとされているのに対し、上側振れ止めナット2Uにおいては後述する雌ねじ部12が右ねじとされているという点のみで相違し、他の構成は同じであるので、同一の図面で示している。振れ止めナット2L,2Uはそれぞれ鋼鉄等の金属材料により構成された本体部16と被せ部17とからなる。前記本体部16は基本的には六角ナット状をなしており、その軸心部にねじ穴18を設けられている(図6および9参照)。このねじ穴18の周壁には雌ねじ部12が設けられている。前記本体部16の一方の座面には、図9によく示されるように、回転結合部19が一体的に設けられている。この回転結合部19は、本体部16と被せ部17とが互いに組み立てられる前は前記座面から立ち上がる短い円筒状をなしていて、後述するように塑性変形されることにより、本体部16と被せ部17とを回転可能に結合するようになっている。
【0025】
他方、前記被せ部17は、鋼鉄等の金属板から、プレス加工により天井部20と、回転結合部21と、角筒状部22と、4個の分離片23とを一体的に形成してなる。前記天井部20は、図10によく示されるように、大略角部を丸められた正方形状の中心部に後述する雄ねじ材5,9に対応する大きさの円形の穴24を明けた形状をなしており、本体部16に対し垂直方向に広がっている。前記回転結合部21は、本体部16と被せ部17とが互いに組み立てられる前は穴24の周囲から立ち上がる短い円筒状をなしていて、後述するように塑性変形されることにより、本体部16と被せ部17とを回転可能に結合するようになっている。前記角筒状部22は、横断面を大略角部を丸められた正方形状とされており、天井部20の周縁に連続しており、該周縁から垂直方向に延びている。この角筒状部22はその全周が連続している。各分離片23は、大略のところ、角筒状部22の延長部分の四隅部を切除した形態とされている。さらに詳しく言うと、図5,7および9によく示されるように、各分離片23の角筒状部22側の部分は角筒状部22の4つの面と同方向に延びる平面状をなしている一方、各分離片23の先端側の部分は外側方向に広がるように湾曲されている。また、各分離片23は先端側を丸められていて、全体に舌状の形状をなしている。そして、前記角筒状部22および分離片23は嵌合部13を形成している。
【0026】
前記本体部16および被せ部17の回転結合部19,21は、図9に示されるように、本体部16の回転結合部19が外側、被せ部17の回転結合部21が内側になるようにして嵌合された状態で、それぞれ先端側を内側、外側に塑性変形されて互いに軽くかしめられており、これにより、本体部16と被せ部17とは雌ねじ部12の軸線を中心として互いに回転可能に結合されている。
【0027】
次に、図11〜13により、本参考例における束金具1、ひいては筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造の構成を説明する。
【0028】
図11に示されるように、基台4には、鋼鉄等の金属材料からなり、横断面円形で軸状をなす下側雄ねじ材5が固定立設されており、この下側雄ねじ材5の外周には左ねじの雄ねじ部6が設けられている。鋼鉄等の金属材料からなる筒状材3は、全体を実質的に同一太さとされ、横断面を大略角部を丸められた正方形状とされている。この筒状材3の下端側の内周には左ねじの雌ねじ部7が、上端側の内周には右ねじの雌ねじ部8が、それぞれ円周方向に関し非連続に形成されている(図13参照)。すなわち、筒状材3の4つ面の幅方向中央部にのみ雌ねじ部7,8が形成されており、四隅部には雌ねじ部7,8が形成されていない。なお、図13に雌ねじ部7の横断面図のみ示しているが、雌ねじ部8の横断面も全く同様である。
【0029】
前記下側雄ねじ材5の雄ねじ部6には、筒状材3の下端側の雌ねじ部7が螺合されている。前記筒状材3の上端側の雌ねじ部8には、鋼鉄等の金属材料からなり、横断面円形で軸状をなす上側雄ねじ材9の外周に設けられた右ねじの雄ねじ部10が螺合されている。前記上側雄ねじ材9の上端部には大引等を受ける受け台11が固定されている。
【0030】
前記下側雄ねじ材5の雄ねじ部6には筒状材3の下方側において下側振れ止めナット2Lの雌ねじ部12が螺合されている一方、前記上側雄ねじ材9の雄ねじ部10には筒状材3の上方側において上側振れ止めナット2Uの雌ねじ部12が螺合されている。図12は、下側振れ止めナット2L付近を示す拡大縦断面である。
【0031】
参考例においては、基台4および受け台11、ひいては下側および上側雄ねじ材5,9の回転が拘束されている状態かつ下側および上側振れ止めナット2L,2Uが緩められている状態において、筒状材3を回転すると、筒状材3に対し雄ねじ材5,9が相対的に軸方向、かつ互いに反対の向きに移動し、基台4と受け台11との間の間隔が変化することにより、受け台11の高さを調整することができる。そして、前記高さ調整後、振れ止めナット2L,2Uを締め付け、これらの振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が外側から筒状材3の上下端部付近に十分嵌合されるようにすることにより、前記高さを固定するとともに、筒状材3に対する雄ねじ材5,9の相対的な振れおよび地震等による筒状材3に対する雄ねじ材5,9の抜けを防止することができる。
【0032】
ここで、本参考例では、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13および筒状材3全体の両方が横断面非円形状(四角形状)とされているので、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13と筒状材3とが少し嵌合されると、振れ止めナット2L,2Uが十分締め付けられる前に、嵌合部13は筒状材3に対し回転できなくなる。しかし、各振れ止めナット2L,2Uは、嵌合部13が雌ねじ部12に対して回転可能とされているので、嵌合部13が筒状材3に対して回転できない状態でも、振れ止めナット2L,2Uを十分締め付け、嵌合部13を軸方向に移動して筒状材3の端部付近に十分に嵌合することができる。なお、本実施例では、はめ合う前における嵌合部13の横断面の大きさおよび筒状材3の横断面の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとしてあり、振れ止めナット2L,2Uが十分締め付けられた状態では、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合され、筒状材3の両端部付近は嵌合部13により雄ねじ材5,9の径方向に圧縮される。
【0033】
参考例においては、筒状材3の両端部付近を絞って小径としないようにするとともに、筒状材3の内周に雌ねじ部7,8を完全に形成せず、円周方向に関し非連続に形成しているので、筒状材3の加工コストを低減することができる。そして、このように雌ねじ部7,8を円周方向に関し非連続に形成されることにより、筒状材3と雄ねじ材5,9との間のねじ結合が弱くなる点は、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13を筒状材3の端部付近に嵌合することにより補うことができる。さらに本実施例では、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13も筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分に対応する横断面非円形状としていること、さらには、はめ合う前における嵌合部13の横断面の大きさおよび筒状材3の横断面の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合され、筒状材3の両端部付近が嵌合部13により雄ねじ材5,9の径方向に圧縮され、筒状材3の内周(雌ねじ部7,8)が雄ねじ材5,9の外周(雄ねじ部6,10)に強く押し付けられるようにしていることにより、より一層十分に補うことができる。
【0034】
また、本参考例では、各振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13のうち、雄ねじ部6,10に最初に嵌合される分離片23は、互いに分離されているので、比較的に弾性変形しやすく、かつこれらの分離片23の先端側の部分は外側方向に広がるように曲げられているので、筒状材3に嵌合部13を円滑に嵌合させることができる。また、嵌合部13のうち、分離片23が嵌合された後、雄ねじ部6,10に嵌合される角筒状部22は、全周が連続しているので、比較的に弾性変形しにくいため、嵌合部13を最終的に非常にきつく嵌合材3に嵌合できる。
【0035】
なお、筒状材3の内周に、雌ねじ部7,8の代わりに、雌ねじを構成しない(螺旋状ではない等の)凹凸を設けてもよい。
【0036】
図14〜19は本発明の第実施例を示しており、このうち図14〜17は本実施例における下側および上側振れ止めナット2L,2U、図18および19は該振れ止めナット2L,2Uを用いた束金具1をそれぞれ示している。
【0037】
まず、図14〜17を用いて本実施例における振れ止めナット2L,2Uを説明すると、振れ止めナット2L,2Uは前記第一参考例の場合と同様の構成とされている(対応する部分は同一符号を持って示してある)。ただし、図17によく示されるように、被せ部17には前記第一参考例における回転結合部21に相当する部分は設けられておらず、本体部16の回転結合部19が被せ部17の天井部20の穴24に挿入された状態で、該回転結合部19の先端側が外側に塑性変形されて該先端側と本体部16の一方の座面との間に天井部20が軽くかしめられており、これにより、本体部16と被せ部17とが雌ねじ部12の軸線を中心として互いに回転可能に結合されている。
【0038】
次に、図18および19により、本実施例における束金具1、ひいては筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造の構成を説明する。前記第一参考例の場合と同様に、筒状材3は、両端部付近を絞られて小径とされておらず、全体を実質的に同一太さとされ、横断面を大略角部を丸められた正方形状とされている。しかしながら、筒状材3の内周には、雌ねじ部7,8は設けられていない。他の構成は、前記第一参考例の場合と同様である。
【0039】
本実施例においては、筒状材3と雄ねじ材5,9とは螺合されていないので、筒状材3を回転することなく、筒状材3と雄ねじ材5,9との相対位置の調整、ひいては受け台11の高さ調整を行うことができるため、高さ調整作業に要する労力を従来より大幅に低減できる。そして、振れ止めナット2L,2Uを締め付け、これらの振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が外側から筒状材3の上下端部付近に十分嵌合されるようにすることにより、前記高さを固定するとともに、筒状材3に対する雄ねじ材5,9の相対的な振れおよび地震等による筒状材3に対する雄ねじ材5,9の抜けを防止することができる。
【0040】
なお、本実施例においても、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13および筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の両方が横断面非円形状(四角形状)とされているので、両者が少し嵌合されると、振れ止めナット2L,2Uが十分締め付けられる前に、嵌合部13は筒状材3に対し回転できなくなる。しかし、振れ止めナット2L,2Uは、嵌合部13が雌ねじ部12に対して回転可能とされているので、嵌合部13が筒状材3に対して回転できない状態でも、振れ止めナット2L,2Uを十分締め付け、嵌合部13を軸方向に移動させて筒状材3に十分に嵌合することができる。
【0041】
また、本実施例においても、筒状材3の嵌合部13を嵌合される部分付近を絞って小径としないようにするとともに、筒状材3の内周に雌ねじ部を設けていないので、筒状材3の加工コストを低減することができる。
【0042】
そして、筒状材3と雄ねじ材5,9との間のねじ結合がなくなる点は、前記のように振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13も筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分に対応する横断面非円形状としていること、さらには、はめ合う前における嵌合部13の横断面の大きさおよび筒状材3の横断面の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合されるようにしていることにより、十分補うことができる。
【0043】
図20〜26は本発明の第二参考例を示しており、このうち図20〜24は本参考例における下側および上側振れ止めナット2L,2U、図25および26は該振れ止めナット2L,2Uを用いた束金具1をそれぞれ示している。
【0044】
まず、図20〜24を用いて本参考例における振れ止めナット2L,2Uを説明すると、振れ止めナット2L,2Uはそれぞれ鋼鉄等の金属材料により構成された本体部16と被せ部17とからなる。前記本体部16は前記第一参考例および第実施例の場合と同様に、基本的には六角ナット状をなしているとともに、回転結合部19を一体的に設けられている。
【0045】
他方、前記被せ部17は、天井部20と、回転結合部21と、円筒状部25と、4個の分離片23とをプレス加工により一体的に形成されている。前記天井部20は環状をなしており、本体部16に対し垂直方向に広がっている。前記円筒状部25は天井部20の周縁に連続しており、該周縁から垂直方向に延びている。この円筒状部25はその全周が連続している。各分離片23は、大略のところ、円筒状部25の延長部分を90度間隔で切り割った形態とされている。さらに詳しく言うと、各分離片23の円筒状部25側の部分は円筒状部25の周壁と同方向に延びている一方、各分離片23の先端側の部分は外側方向に広がるように湾曲されている。そして、前記円筒状部25および分離片23は嵌合部13を形成している。
【0046】
前記本体部16および被せ部17の回転結合部21は、図24に示されるように、本体部16の回転結合部19が外側、被せ部17の回転結合部21が内側になるようにして嵌合された状態で、それぞれ内側、外側に塑性変形されて互いに軽くかしめられており(前記各実例の場合と同様に、塑性変形前は回転結合部19,21は円筒状をなしている)、これにより、本体部16と被せ部17とが雌ねじ部12の軸線を中心として互いに回転可能に結合されている。
【0047】
次に、図25および26により、本参考例における束金具1、ひいては筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造の構成を説明する。
【0048】
前記第一参考例および第実施例の場合と同様に、筒状材3は、両端部付近を絞られて小径とされておらず、全体を実質的に同一太さとされている。しかしながら、筒状材3は横断面円形状とされており、筒状材3の下端側の内周には左ねじの雌ねじ部7,筒状材3の上端側の内周には右ねじの雌ねじ部8が、それぞれ通常より浅く設けられている。これにより、下側および上側雄ねじ材5,9の雄ねじ部6,10と筒状材3の雌ねじ部7,8とのひっかかり率はそれぞれ40%以下とされている。
【0049】
他の構成は、前記第一参考例の場合と同様であり、本参考例においても、はめ合う前における嵌合部13の径および筒状材3の径を、前者の方が後者より小さいかまたは同じとしてあり、振れ止めナット2L,2Uが十分締め付けられた状態では、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合され、筒状材3は嵌合部13により雄ねじ材5,9の径方向に圧縮されるようになっている。
【0050】
参考例においては、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13および筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の両方が横断面円形状とされているが、前記のように筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合されるようになっているので、本体部16(雌ねじ部)と嵌合部13とが一体的になっているとすると、振れ止めナット2L,2Uを回転して締め付けながら筒状材3に十分きつく嵌合されるようにすることは困難である。しかしながら、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が雌ねじ部12に対して回転可能とされているので、嵌合部13は筒状材3に対して回転しないか回転困難な状態のまま、振れ止めナット2L,2Uを十分締め付け、嵌合部13を軸方向に移動して筒状材3に十分に嵌合することができる。
【0051】
また、筒状材3の両端部付近を絞らず、全体を実質的に同一太さとし、かつ筒状材3の内周に雌ねじ部7,8を通常より浅く設けているので、筒状材3の加工コストを低減することができる。
【0052】
また、雌ねじ部7,8が通常より浅く設けられ、雄ねじ部6,10と雌ねじ部7,8とのひっかかり率が小さくなることにより、筒状材3と雄ねじ材5,9との間のねじ結合が弱くなる点は、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13を筒状材3の端部付近に嵌合することにより補うことができる。さらに本参考例では、はめ合う前における嵌合部13の径および筒状材3の径を、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合され、筒状材3の両端部付近が嵌合部13により雄ねじ材5,9の径方向に圧縮され、筒状材3の内周(雌ねじ部7,8)が雄ねじ材5,9の外周(雄ねじ部6,10)に強く押し付けられるようにしていることにより、より一層十分に補うことができる。
【0053】
また、本参考例においても、各振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13のうち、雄ねじ部6,10に最初に嵌合される分離片23は、互いに分離されているので、比較的に弾性変形しやすく、かつこれらの分離片23の先端側の部分は外側方向に広がるように曲げられているので、筒状材3に嵌合部13を円滑に嵌合させることができる。また、嵌合部13のうち、分離片23が嵌合された後、雄ねじ部6,10に嵌合される円筒状部25は、全周が連続しているので、比較的に弾性変形しにくいため、嵌合部13を最終的に非常にきつく嵌合材3に嵌合できる。
【0054】
なお、前記同様に、筒状材3の内周に、雌ねじ部7,8の代わりに、雌ねじを構成しない(螺旋状ではない等の)凹凸を設けてもよい。
【0055】
図27〜32は本発明の第実施例を示しており、このうち図27〜30は本実施例における下側および上側振れ止めナット2L,2U、図31および32は該振れ止めナット2L,2Uを用いた束金具1をそれぞれ示している。
【0056】
まず、図27〜30を用いて本実施例における振れ止めナット2L,2Uを説明すると、振れ止めナット2L,2Uは前記図20〜26の第二参考例の場合と同様の構成とされている(対応する部分は同一符号を持って示してある)。ただし、被せ部17には前記第二参考例における回転結合部21に相当する部分は設けられておらず、本体部16の回転結合部19が被せ部17の天井部20の穴24に挿入された状態で、該回転結合部19の先端側が外側に塑性変形されて該先端側と本体部16の一方の座面との間に天井部20が軽くかしめられており、これにより、本体部16と被せ部17とが雌ねじ部12の軸線を中心として互いに回転可能に結合されている。
【0057】
次に、図31および32により、本実施例における束金具1、ひいては筒状材3と雄ねじ材5,9との結合構造の構成を説明する。前記図20〜26の第二参考例の場合と同様に、筒状材3は、両端部付近を絞られて小径とされておらず、全体を同一太さとされ、横断面円形状とされている。しかしながら、筒状材3の内周には、雌ねじ部は設けられていない。他の構成は、前記第二参考例の場合と同様である。
【0058】
本実施例においても、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13および筒状材3のうちの嵌合部13に嵌合される部分の両方が横断面円形状とされているが、はめ合う前における嵌合部13の径および筒状材3の径を、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合されるようになっているので、本体部16(雌ねじ部)と嵌合部13とが一体的になっているとすると、振れ止めナット2L,2Uを回転して締め付けながら筒状材3に十分きつく嵌合されるようにすることは困難である。しかしながら、振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が雌ねじ部12に対して回転可能とされているので、嵌合部13が筒状材3に対して回転しないか回転困難な状態のまま、振れ止めナット2L,2Uを十分締め付け、嵌合部13を軸方向に移動して筒状材3に十分に嵌合することができる。
【0059】
また、本実施例においても、筒状材3の両端部付近を絞って小径としないようにするとともに、筒状材3の内周に雌ねじ部を設けていないので、筒状材3の加工コストを低減することができる。
【0060】
また、筒状材3と雄ねじ材5,9との間のねじ結合がなくなる点は、はめ合う前における嵌合部13の径および筒状材3の径を、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、筒状材3に対し振れ止めナット2L,2Uの嵌合部13が非常にきつく嵌合され、筒状材3の両端部付近が嵌合部13により雄ねじ材5,9の径方向に圧縮され、筒状材3の内周が雄ねじ材5,9の外周(雄ねじ部6,10)に強く押し付けられるようにしていることにより、十分補うことができる。
【0061】
さらに、本実施例においては、筒状材3と雄ねじ材5,9とは螺合されていないので、筒状材3を回転することなく、筒状材3と雄ねじ材5,9との相対位置の調整、ひいては受け台11の高さ調整を行うことができるため、高さ調整作業に要する労力を従来より大幅に低減できる。
【0062】
た、前記各実施例では、下側雄ねじ材5の雄ねじ部6を左ねじ、上側雄ねじ材9の雄ねじ部10を右ねじとしているが、本発明においては逆に下側雄ねじ材5の雄ねじ部6を右ねじ、上側雄ねじ材9の雄ねじ部10を左ねじとしてもよい。
【0063】
また、前記各実施例では、ねじの巻き方向を異にする2つの雄ねじ材5,9が筒状材3の上下両側に設けられているが、本発明の筒状材と雄ねじ材との結合構造においては、雄ねじ材が筒状材の片側にのみ設けられる構成としてもよい。
【0064】
また、前記各実施例は、本発明を束金具に適用した実施例であるが、本発明は束金具以外の分野にも適用できるものである。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明は、
(イ)振れ止めナットの嵌合部と筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分との両方を横断面非円形状とすることができる、
(ロ)振れ止めナットの嵌合部または筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の少なくとも一方を横断面円形状とする場合も、はめ合う前における嵌合部の大きさおよび筒状材のうちの嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとし、両者が非常にきつく嵌合されるようにすることができる、
(ハ)筒状材の端部を絞って小径としないようにしたり、雌ねじ部を設けないようにしたりして、筒状材の加工コストを低減することができる、
(ニ)筒状材の内周に雄ねじ材を螺合しないので、筒状材を回転することなく、筒状材と雄ねじ材との相対位置の調整を行うことができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の束金具の一例を示す縦断面図である。
【図2】 図1のII−II線における断面図である。
【図3】 前記従来の束金具における振れ止めナットを示す正面図である。
【図4】 前記従来の束金具における筒状材を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の第一参考例における振れ止めナットを示す正面図である。
【図6】 前記第一参考例における振れ止めナットを示す平面図である。
【図7】 前記第一参考例における振れ止めナットを示す右側面図である。
【図8】 前記第一参考例における振れ止めナットを示す底面図である。
【図9】 図6のIX−IX線における断面図である。
【図10】 図9のX−X線における断面図である。
【図11】 前記第一参考例における束金具を示す縦断面図である。
【図12】 図11の下側振れ止めナット付近を示す拡大縦断面である。
【図13】 図11のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】 本発明の第実施例における振れ止めナットを示す正面図である。
【図15】 前記第実施例における振れ止めナットを示す平面図である。
【図16】 前記第実施例における振れ止めナットを示す底面図である。
【図17】 図15のXVII−XVII線における断面図である。
【図18】 前記第実施例における束金具を示す縦断面図である。
【図19】 図18のXIX−XIX線における断面図である。
【図20】 本発明の第二参考例における振れ止めナットを示す正面図である。
【図21】 前記第二参考例における振れ止めナットを示す平面図である。
【図22】 前記第二参考例における振れ止めナットを示す右側面図である。
【図23】 前記第二参考例における振れ止めナットを示す底面図である。
【図24】 図21のXXIV−XXIV線における断面図である。
【図25】 前記第二参考例における束金具を示す縦断面図である。
【図26】 図25のXXVI−XXVI線における断面図である。
【図27】 本発明の第実施例における振れ止めナットを示す正面図である。
【図28】 前記第実施例における振れ止めナットを示す平面図である。
【図29】 前記第実施例における振れ止めナットを示す底面図である。
【図30】 図28のXXX−XXX線における断面図である。
【図31】 前記第実施例における束金具を示す縦断面図である。
【図32】 図31のXXXII−XXXII線における断面図である。
【符号の説明】
2L 下側振れ止めナット
2U 上側振れ止めナット
3 筒状材
5 下側雄ねじ材
6 下側雄ねじ材の雄ねじ部
7 筒状材の下端側の雌ねじ部
8 筒状材の上端側の雌ねじ部
9 上側雄ねじ材
10 上側雄ねじ材の雄ねじ部
12 下側および上側の振れ止めナットの雌ねじ部
13 嵌合部
16 本体部
17 被せ部
22 角筒状部
23 分離片
25 円筒状部

Claims (2)

  1. 金属からなる筒状材と、外周に雄ねじ部を設けられるとともに、一部を前記筒状材内に同軸状に、該筒状材に対し軸方向に移動可能に挿入された軸状の雄ねじ材と、前記雄ねじ部に螺合される雌ねじ部と外側から前記筒状材の端部付近に嵌合される嵌合部とを備えた振れ止めナットを有してなる筒状材と雄ねじ材との結合構造において、
    前記振れ止めナットは、前記雌ねじ部を設けられた、金属からなる本体部と、前記嵌合部を形成する、金属からなる被せ部とを有し、
    前記嵌合部が前記本体部に対し回転可能となるように、前記本体部および/または前記嵌合部を塑性変形して緩くかしめて、前記本体部と前記嵌合部とを結合することにより、前記嵌合部は前記雌ねじ部に対して該雌ねじ部の軸線を中心として回転可能とされており、
    前記雄ねじ部は前記筒状材に螺合されておらず、
    はめ合う前における前記嵌合部の大きさおよび前記筒状材のうちの前記嵌合部に嵌合される部分の大きさを、前者の方が後者より小さいかまたは同じとされている筒状材と雄ねじ材との結合構造。
  2. 筒状材の端部付近は絞られて小径とされていない請求項記載の筒状材と雄ねじ材との結合構造。
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