JP4646445B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、インクジェット記録方式として好適な記録装置および記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアの普及等により、高精細な記録画像の出力が求められている。それを実現する記録方式の1つとしてインクジュト記録方式があり、高精細画像実現のために、記録装置の記録密度を高密度化したり、シリアルスキャン方式における1つの行の記録を複数のキャリッジ走査(パス)によって完成させるマルチパス記録等が行われている。つまり、シリアルスキャン方式においては、記録ヘッドを被記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査させ、かつ各走査において間引きパターンにしたがって間引き画像を形成することによって、被記録媒体に画像を完成させることになる。
【0003】
しかしながら、記録密度の高密度化は、記録ドットを形成するインク滴の着弾精度に対する要求が厳しくなり、記録ヘッドの製造歩留まりが低下するという問題がある。また、マルチパス記録は、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置のずれや、記録装置の紙送りずれ等によって生じる記録画像上におけるスジや濃度ムラ等を目立たなくする効果は大きいが、記録速度が低下してしまうという問題がある。
【0004】
ところで、マルチパス記録時においては、記録ヘッドの全ノズルを使用しない場合も多い。例えば、全80ノズルの記録ヘッドを用いて、3パス記録を行った場合、つまり1つの行の記録を記録ヘッドの3回の走査によって完成させるマルチパス記録方式を採用した場合には、記録ヘッドの使用ノズルを72ノズル(=24ノズル×3パス)とすることが考えられ、全80ノズル中の8ノズルは使用されないことになる。その場合、同じ記録ヘッドを用いたとしても、全80ノズルの内のどのノズルを使用するかによって、画像品位に差が生じることがある。その理由は、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾精度は、全ノズルにおいて均一ではないために、着弾精度の良いノズル部分を使用した場合と、着弾精度の悪いノズル部分を使用した場合との間において、記録画像の品位に差が出るからである。また、記録ヘッドにおける着弾精度のノズル分布は記録ヘッドにより異なるため、どのノズル部分を使用したら画像品位が良いかということも記録ヘッドにより異なる。ところが、記録装置により使用するノズル部分が固定されているため、最適な条件で記録できる記録ヘッドは1部のみとなる。さらに、記録装置における用紙(被記録媒体)の紙送り量等、記録装置毎の機能のバラツキによっても画像品位が変化するため、それぞれの記録ヘッド毎および記録装置毎に最適な記録モードは異なる。
【0005】
また、記録ドットを形成するインク滴の着弾位置は、記録ヘッドの使用中において常に安定しているわけではなく、一般的に、その着弾位置は多少変化する。このような着弾位置の変化は、記録密度の低い画像や文字等の記録では分からなくても、高精細な画像を記録したときには記録品位の変化を招きやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、高精細な記録画像に対応するための手段の1つとしてのマルチパス記録においては、予め、記録装置のマルチパス記録の記録モードが決定されているため、記録ヘッドによっては必ずしも最適な使用条件とはならない。そのため、最適な使用条件に比べて、記録品位の悪化を招く使用条件により記録動作することになり、記録ヘッドの性能を充分に生かしきれないという問題があった。また、記録ドットを形成するインク滴の着弾精度に対する厳しい要求に伴なって、記録ヘッドの製造歩留まりが低下するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、マルチパス記録の最適な記録モードに基づいて、高品位の画像を記録することができ、しかも記録ヘッドの製造の歩留まりを向上させることができる記録装置および記録方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録装置は、複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送手段とを有し、前記走査手段による走査中の記録動作と前記搬送手段による搬送とを繰り返して被記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録制御手段と、被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記記録ヘッドに配列される前記複数の記録素子のうち画像の記録に使用する記録素子の範囲が異なる複数の記録モードから、前記記録制御手段による画像の記録に適用する記録モードを選択する選択手段と、を有し、前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする。
本発明の記録装置は、複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送手段とを有し、前記走査手段による走査中の記録動作と前記搬送手段による搬送とを繰り返して被記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録制御手段と、被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記同一領域の画像を完成させる複数回の走査の間に行う複数回の搬送量の組み合わせが異なる複数の記録モードから、前記記録制御手段による画像の記録に適用する記録モードを選択する選択手段と、を有し、前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする。
【0009】
本発明の記録方法は、複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査しながら記録を行う記録走査と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送動作とを繰り返し、被記録媒体に画像を記録する記録方法であって、被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記記録ヘッドに配列される前記複数の記録素子のうち画像の記録に使用する記録素子の範囲が異なる複数の記録モードから、画像の記録に適用する記録モードを選択する選択工程と、前記選択工程において選択された前記記録モードに従い、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録工程と、からなり、前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする。
本発明の記録方法は、複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査しながら記録を行う記録走査と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送動作とを繰り返し、被記録媒体に画像を記録する記録方法であって、被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記同一領域の画像を完成させる複数回の走査の間に行う複数回の搬送量の組み合わせが異なる複数の記録モードから、画像の記録に適用する記録モードを選択する選択工程と、前記選択工程において選択された前記記録モードに従い、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録工程と、からなり、前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(基本構成)
まず、本発明の基本構成を図6から図8により説明する。
【0012】
図7は、本発明を適用可能な記録ヘッドの分解斜視図である。本例の記録ヘッド10において、11は複数の液路壁12が形成された基板、13は天板、14は複数のノズルを構成する複数の吐出口、15は複数の吐出口14のそれぞれに連通する複数の流路、16は複数の流路15に共通に連通する共通液室である。画像記録用のインクは、図示しないインク供給部から供給管17を通して共通液室16内に供給される。共通液室16内のインクは、毛管現象により流路15内に供給され、その流路15の先端の吐出口14にてメニスカスを形成することにより、安定に保持される。流路15内のそれぞれには、発熱素子(電気熱変換体)18が備えられている。配線19を通して発熱素子18に通電して、その発熱素子18から熱エネルギーを発生させることにより、流路15内のインクが加熱されて膜沸騰により発泡し、そのときの発泡エネルギーによって吐出口14からインク滴が吐出される。吐出口14を400dpiなどの高密度に配置することによって、マルチノズルのインクジェット方式の記録ヘッド10が構成される。
【0013】
図8は、本発明を適用可能な記録装置の概略構成を説明するための斜視図である。本例の記録装置50はシリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド軸51,52によって、キャリッジ53が矢印Aの主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ53は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。キャリッジ53には、記録ヘッド10(図8おいては不図示)と、その記録ヘッド10にインクを供給するインクタンク54が搭載される。記録ヘッド10とインクタンク54は、インクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。被記録媒体としての用紙Pは、装置の前端部に設けられた挿入口55から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ56によって矢印Bの副走査方向に搬送される。記録装置50は、記録ヘッド10を主走査方向に移動させつつ、プラテン57上の用紙Pのプリント領域に向かってインクを吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙P上に順次画像を記録する。
【0014】
キャリッジ53の移動領域における図8中左端の定位置(ホームポジション)には、キャリッジ53に搭載された記録ヘッド10の吐出口15の形成面と対向する回復系ユニット(回復処理手段)58が設けられている。回復系ユニット58には、記録ヘッド10の吐出口15のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な吸引ポンプなどが備えられており、吐出口15を覆ったキャップ内に負圧を導入することにより、吐出口15からインクを吸引排出させて、記録ヘッド10の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」ともいう)をする。また、キャップ内に向かって、吐出口15から画像の寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッド10の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吐出回復処理」ともいう)をすることもできる。
【0015】
図9は、本発明を適用可能な記録装置の制御系の概略ブロック構成図である。
図9において、CPU100は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM101は、それらの処理手順等のプログラムが格納され、またRAM102は、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。記録ヘッド10からのインクの吐出は、CPU100が発熱素子19の駆動データ(記録データ)および駆動制御信号(ヒートパルス信号)をヘッドドライバ10Aに供給することにより行われる。CPU100は、キャリッジ53を主走査方向に駆動するためのキャリッジモータ103をモータドライバ103Aを介して制御し、また用紙Pを副走査方向に搬送するためのP.Fモータ104をモータドライバ104Aを介して制御する。さらにCPU100は、ホスト装置200から画像データを入力すると共に、ホスト装置200からの指示にしたがって、後述するヘッド交換処理および記録モードの設定処理をする。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した記録ヘッドの交換シーケンスの説明図である。本例におけるヘッド交換シーケンスは、“ヘッドの交換処理”と‘記録モードの設定処理”の2つの動作に大別される。この交換シーケンスは、記録装置50の使用者がホストコンピュータ(ホスト装置)200の画面上などにおけるヘッド交換キーを押した時点からスタートする。そして、まず始めにヘッド交換処理が行われる。そのヘッド交換処理においては、記録ヘッド10がキャリッジ53と共に所定のヘッド交換位置へ移動し(ステップS1)、使用者がキャリッジ53上の記録ヘッド10の交換作業を行う(ステップS2)。そして、交換終了キーを入力することにより(ステップS3)、記録ヘッド10が回復系ユニット58の位置するホームポジションに移動し、その回復系ユニット58によって前述した回復処理(本例においては、吸引回復処理)が行われる(ステップS4)。その後、引き続いて記録モードの設定処理を開始する。
【0017】
本例では、ステップS1〜S4のヘッド交換処理に連続して、記録モードの設定処理を行う。しかし、ホストコンピュータ200の画面上に、記録モードの設定を開始する表示を行い、そして使用者からの開始のキー入力を待ってからヘッド交換処理を開始するようにしてもよい。
【0018】
記録モードの設定処理においては、後述するチェックパターンの記録を行ってから(ステップS5)、記録モードの入カ待ちとなる。そして、後述するように、使用者がチェックパターンの記録結果物を見て、最適な記録品位のモードをホストコンピュータ上から入力することにより(ステップS6)、記録モードが設定されて(ステップS7)、図1のシーケンスが終了する。
【0019】
図2および図3は、図1中のステップS5におけるチェックパターン記録の一例の説明図である。
【0020】
本例の記録装置50は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、プラック(Bk)の計4色のインクを吐出するための記録ヘッド10を備えている。図2(a),(b)は、チェックパターンの形成例の説明図であり、同図(a)は、Y,M,C,Bkのインクによって単色のチェックパターンを並べて記録する例である。同図(b)は、同図(a)のチェックパターンに加えて、2つのインクを重ね合わせたレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、および3つのインクを重ね合わせたプロセスプラッグ(PB)のチェックパターンを並べて記録した例である。
【0021】
図3は、図2(a),(b)における各色毎のチェックパターンの詳細説明図である。つまり、図2(a),(b)における各色毎のチェックパターンのそれぞれは、図3(a),(b)のようなパターンとして記録される。図3(a)は、記録濃度が50%、25%、12.5%の記録部を並べて記録する例であり、図3(b)は、記録濃度を100%から0%まで連続的に変化させて記録する例である。本発明者の検討結果によれば、マルチパス記録による画像のチェックパターンとして、50〜12.5%程度の記録濃度の部分が良好であった。チェックパターンとしては、この他にも人の肌の色等、スジや濃度ムラが目立ちやすいパターンであればどのようなパターンであってもよい。
【0022】
次に、記録モードについて表1および図4を用いて説明する。
【0023】
まず、記録モードAおよびBについて説明する。本例の場合、記録ヘッド10におけるノズル数は80ノズルであり、その全80ノズルの内の72ノズルを使用して、3パス記録を行った。記録モードA,Bにおいては、使用する72ノズルの位置が異なる。記録モードAは、1〜72番目の位置の第1〜第72ノズルを使用し、記録モードBは、9〜80番目の位置の第9〜第80ノズルを使用する。これらの記録モードA,Bにおける使用ノズルと各パスとの関係を図4(a),(b)に示す。図4(a),(b)においては、矢印B方向に搬送される用紙(被記録媒体)Pに対して、記録ヘッド10が矢印Bの逆方向に相対移動するものとして表している。
【0024】
図4(a),(b)における記録モードA,Bは、下表1の記録モードA,Bに対応している。
【0025】
【表1】
Figure 0004646445
【0026】
図4(a)の記録モードAにおいては、第1〜第72ノズルが使用ノズル、第73〜第80ノズルが不使用ノズルとなり、また、図4(b)の記録モードBにおいては、第9〜第80ノズルが使用ノズル、第1〜第8ノズルが不使用ノズルとなる。また、図4(a),(b)においては、全80ノズルを第1〜第8,第9〜第16、…、第73〜第80の8ノズルずつの8ブロックに分け表している。また、図4(a),(b)においては、図中の左から順に、第1パス時のノズル位置、それから24ノズル分の紙送り後の第2パス時のノズル位置、それから24ノズル分の紙送り後の第3パス時のノズル位置、それから24ノズル分の紙送り後の2回目の第1パス時のノズル位置を示す。
【0027】
図4(a),(b)から分かるように、記録モードA,B共に、第1,第2,および第3パス時において同図中の左右方向の同一直線上に並ぶノズル(例えば、第1,第25,第49ノズル)は同じであり、使用ノズルが異なるだけである。したがって、記録モードA,Bにおいては、使用ノズルが異なる以外は全く同じ動作をすることになり、どちらの記録モードであっても記録時間は同じである。
【0028】
しかしながら、前述したように、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾精度は全ノズル均一ではないため、着弾精度の良いノズル部分を使用した場合と、着弾精度の悪いノズル部分を使用した場合において、記録品位に差が生じる。例えば、第1〜第8ノズルと第73〜第80ノズルとの比較において、第1〜第8ノズルの方がインク滴の着弾精度が良い場合には、記録モードAによる記録の方が記録品位が良くなり、逆に、第73〜第80ノズルの方がインク滴の着弾精度が良い場合には、記録モードBによる記録の方が記録品位が良くなる。
【0029】
本例においては、記録モードA,Bの選定に当たって、まず、図2(a)または(b)のようなチェックパターンを記録モードAおよびBのそれぞれによって記録する(図1中のステップS5)。そして、その記録結果を見て、使用者が良好な記録モードを選択して(図1中のステップS6)、その記録モードを設定する(図1中のステップS7)。記録装置は、このようにして設定された良好な記録モードにより、高品位の画像を記録することができる。
【0030】
また、記録モードA,Bの他に、例えば、5〜76ノズルを使用ノズルとする記録モード等を加えて、3つ以上の記録モードの中から、最適な記録モードを選択するようにすることも可能である。また、このようなマルチパス記録において使用されなかった非使用ノズルは、文章などを1パス記録するときには使用されることになる。このような1パス記録においては、それほど高品位が要求されないため、マルチパス記録よりもインク滴の着弾精度が多少悪くても問題はない。
【0031】
以上のように、本例によれば、記録時間等に差を生じることなく、記録装置の使用者が感じる記録動作を全く同一としたまま、より良好な記録モードによって高品位の画像を記録することができる。また、記録ヘッドの製造時の検査においては、マルチパスの複数の記録モードのいずれかにおいて良好な記録ができるものであれば良品とすることができ、記録ヘッドの製造歩留まりが向上して、製造コストを低減することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
下表1および図5は、本例の記録モードC,Dの説明図である。
【0033】
本例の場合、記録ヘッド10におけるノズル数は80ノズルであり、その全80ノズルを使用して4パス記録を行った。記録モードA,Bにおいては、各パスにおける紙送り量が異なる。
【0034】
【表2】
Figure 0004646445
【0035】
記録モードCにおいては、4回の記録パスの全てにおいて、20ノズル分ずつの紙送りを行う。一方、記録モードDにおいては、第1パス記録後は16ノズル分の紙送り、第2パス記録後は24ノズル分の紙送り、第3パス記録後は16ノズル分の紙送り、そして第4パス記録後は24ノズル分の紙送りを行ってから、次の2回目の第1パス記録を行う。このような記録モードC,Dにおいて、図5中の左右方向の同一線上に並ぶノズルは異なる。例えば、記録モードCにおいて第1ノズルと並ぶノズルは、第21,第41,第61ノズルとなり、一方、記録モードDにおいて第1ノズルと並ぶノズルは、第17,第41,第57ノズル、または第25,第41,第65ノズルとなる。
【0036】
ところで、記録品位を悪化させる要因としてのスジは、図5中左右方向の同一直線上およびその隣接位置のドットを形成するインク滴の着弾位置の影響が大きい。図6において、格子の交点はインク滴の理想着弾点であり、白丸が実際に着弾したインク滴によって形成されたドットの位置である。図6(a)は、記録モードCによりドットを形成した場合の一例であり、第1,第21,第41,第61ノズルによって形成されるドットD1,D21,D41,D61と、それに隣接するドットとの関係を示す。図6(b)は、記録モードDによりドットを形成した場合の一例であり、第1,第17,第41,第57と、それに隣接するドットとの関係を示す。図6(a)の場合には、ドットD1,D21,D41,D61と、それらに隣接するドットが重なり合っているために、記録画像中に黒スジが生じやすい。また図6(b)の場合には、ドットD17、D57と、それらに隣接するドットとの重なりが小さいために、図6(a)の場合に比べてスジは発生しにくい。
【0037】
このように、記録モードC,Dでは記録品位が異なるため、第1の実施形態の場合と同様に、それぞれの記録モードC,Dによってチェックパターンを記録し、その記録結果を見て、使用者が記録品位の良好な記録モードを選択して、高品位の画像を記録することができる。
【0038】
また、記録モードC,Dの他に、例えば、各パスにおける紙送り量を8ノズル分−16ノズル分−24ノズル分−32ノズル分とする記録モードなどを加えて、3つ以上の記録モードの中から最適な記録モードを選択するようにしてもよい。
【0039】
また、前述した第1の実施形態の場合と同様に、記録時間等に差を生じることなく、記録装置の使用者が感じる記録動作を全く同一としたまま、より良好な記録モードによって高品位の画像を記録することができる。また、記録ヘッドの製造時の検査においては、マルチパスの複数の記録モードのいずれかにおいて良好な記録ができるものであれば良品とすることができ、記録ヘッドの製造歩留まりが向上して、製造コストを低減することができる。
【0040】
(他の実施形態)
上記の実施形態においては、記録ヘッドの交換時に記録モードを設定するようにしたが、記録品位が悪化した時などに、随時、図1のような記録モード設定シーケンスを実施することにより、記録品位が経時変化しても常に最適の記録モードを選択することが可能となる。
【0041】
また上記の実施形態においては、記録装置の使用者がチェックパターンの記録結果を見て最適な記録モードを設定していたが、記録装置本体に備えた読取り手段によりチェックパターンを読み取って、その読取結果に基づいて自動的に最適な記録モードを設定するようにしてもよい。このような自動的に記録モードを設定する場合には、チェックパターンを実際のマルチパス記録ではなく、各ノズルから吐出されるインク滴の着弾位置を測定することにより、それぞれのマルチパスの記録モードにおける記録品位を予測して、最適な記録モードを設定することも可能である。
【0042】
また、記録ヘッドとしては、インクを吐出する記録素子の他、種々の記録素子を備えた記録ヘッドを用いることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マルチパス記録が可能な記録装置において、マルチパス記録の複数の記録モードによる画像の記録品位をチェックするためのチェックパターンを記録することにより、最適な記録モードを選択して、その最適な記録モードに基づいて、高品位の画像を記録することができる。しかも、複数の記録モードのいずれかにおいて良好な記録ができる記録ヘッドを良品とすることができるため、記録ヘッドの製造歩留まりを向上させて、その製造コストを低減することができる。
【0044】
また、記録時間等に差を生じることなく、記録装置の使用者が感じる記録動作を全く同一とする複数の記録モードの中から、より良好な記録モードを選択することによって、使用者に記録モードの変更に伴なう違和感を与えることなく、高品位の画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録モード設定シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるチェックパターンの記録例の説明図である。
【図3】図2のチェックパターンの更に詳細な説明図である。
【図4】(a),(b)は、本発明の第1の実施形態において選択可能な異なる記録モードの説明図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の第2の実施形態において選択可能な異なる記録モードの説明図である。
【図6】(a),(b)は、図5(a),(b)の記録モードによる記録例の説明図である。
【図7】本発明を適用可能な記録ヘッドの一部切り欠き斜視図である。
【図8】本発明を適用可能な記録装置の概略斜視図である。
【図9】図8の記録装置における制御系のブロック構成図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド
50 記録装置
51,52 ガイド軸
53 キャリッジ
54 インクタンク
55 挿入口
56 送りローラ
57 プラテン
58 回復系ユニット(回復処理手段)
100 CPU
101 ROM
102 RAM102
10A ヘッドドライバ
103 キャリッジモータ
103A モータドライバ
104 P.Fモータ
104A モータドライバ104
200 ホスト装置
P 用紙(被記録媒体)

Claims (8)

  1. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送手段とを有し、前記走査手段による走査中の記録動作と前記搬送手段による搬送とを繰り返して被記録媒体に画像を記録する記録装置において、
    前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録制御手段と、
    被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記記録ヘッドに配列される前記複数の記録素子のうち画像の記録に使用する記録素子の範囲が異なる複数の記録モードから、前記記録制御手段による画像の記録に適用する記録モードを選択する選択手段と、を有し、
    前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする記録装置。
  2. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送手段とを有し、前記走査手段による走査中の記録動作と前記搬送手段による搬送とを繰り返して被記録媒体に画像を記録する記録装置において、
    前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録制御手段と、
    被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記同一領域の画像を完成させる複数回の走査の間に行う複数回の搬送量の組み合わせが異なる複数の記録モードから、前記記録制御手段による画像の記録に適用する記録モードを選択する選択手段と、を有し、
    前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする記録装置。
  3. 前記選択手段は、複数の前記記録モードにより、画像品位をチェックするためのチェックパターンを記録したことに伴う使用者の選択に従い、適用する記録モードを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 複数の前記記録モードにより、画像品位をチェックするためのチェックパターンを記録した結果を読み取る読取手段をさらに有し、
    前記選択手段は、前記読取手段による読み取りの結果に従って適用する記録モードを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  5. 前記チェックパターンは、50〜12.5%の記録濃度を示す記録画像であることを特徴とする請求項3または4に記載の記録装置。
  6. 前記記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口を有し、吐出したインクにより画像を記録することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査しながら記録を行う記録走査と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送動作とを繰り返し、被記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
    被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記記録ヘッドに配列される前記複数の記録素子のうち画像の記録に使用する記録素子の範囲が異なる複数の記録モードから、画像の記録に適用する記録モードを選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択された前記記録モードに従い、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録工程と、からなり、
    前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする記録方法。
  8. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを前記配列の方向とは異なる方向に走査しながら記録を行う記録走査と、被記録媒体を前記走査と異なる方向へ搬送する搬送動作とを繰り返し、被記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
    被記録媒体の前記同一領域の画像を完成させるための走査の回数が同一の複数の記録モードであって、前記同一領域の画像を完成させる複数回の走査の間に行う複数回の搬送量の組み合わせが異なる複数の記録モードから、画像の記録に適用する記録モードを選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択された前記記録モードに従い、前記搬送手段による搬送の量を前記記録ヘッドに前記複数の記録素子が配列される幅よりも少なくし、前記走査手段による各走査において間引いた画像を形成することにより、前記記録ヘッドを被記録媒体の同一領域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録工程と、からなり、
    前記複数の記録モードは、画像の記録に使用する前記記録素子の数が同一の記録モードのみであることを特徴とする記録方法。
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