JP4645073B2 - 燃料油用添加剤及び燃料油組成物 - Google Patents
燃料油用添加剤及び燃料油組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4645073B2 JP4645073B2 JP2004182043A JP2004182043A JP4645073B2 JP 4645073 B2 JP4645073 B2 JP 4645073B2 JP 2004182043 A JP2004182043 A JP 2004182043A JP 2004182043 A JP2004182043 A JP 2004182043A JP 4645073 B2 JP4645073 B2 JP 4645073B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel oil
- additive
- weight
- group
- oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
Description
上述の軽油の低温特性の改善には、これまで種々の燃料油添加剤が提案されてきた。例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン含有共重合体型添加剤が提案されているが、これらの添加剤は、軽油に対して流動点(PP;Pour Point)を低下させる効果は有するものの、目詰まり点の低下については十分ではなかった。
このような問題を解決するために、界面活性剤型流動性向上剤が考案された。界面活性剤型流動性向上剤は、分子内に直鎖アルキル等の疎水基と、アミン、アミド、イミド、エステル、エーテル、ポリオキシアルキレン等の各親水基を有する化合物を含有する燃料油用添加剤であり、例えばアルケニルコハク酸アミド(例えば、特許文献1参照)や、ポリオキシアルキレンエステル/エーテル(例えば、特許文献2参照)、アルカントリオールポリオキシアルキレンエーテルと直鎖飽和脂肪酸との完全エステル(例えば、特許文献3参照)、水酸基を有する含窒素化合物と直鎖状飽和脂肪酸とのエステル(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
一方、フェノール系化合物は燃料油用添加剤として、流動性向上剤、酸化防止剤、助燃剤、添加剤の安定化剤等、種々の用途に用いられている。このようなものとしては、例えば、アルキルフェノール−アルデヒド樹脂を用いた鉱油用流動性向上剤(例えば、特許文献5参照)、ヒンダードフェノール性酸化防止剤組成物(例えば、特許文献6参照)、低温流動性と酸化安定性との両者を改善するアルキルフェノール-硫黄縮合物(例えば、特許文献7参照)、2価以上のフェノール類と界面活性剤を添加した燃料油用助燃剤(例えば、特許文献8参照)、芳香族もしくはシクロ脂肪族ポリカルボン酸アミド/アミン塩流動性向上剤の保存安定化剤としてのフェノール類を含む有機酸(例えば、特許文献9参照)などが挙げられる。しかし、これらのフェノール系化合物の、いずれも、前記の目詰まり点降下能が得られ難くなる問題を改善しうるものではなかった。
すなわち本発明は、
(1)下記(a)成分及び(b)成分を含む燃料油用添加剤。
(a)界面活性剤型流動性向上剤
(b)分子内に、分岐鎖を有する炭素数が5〜10の炭化水素基を1〜3個有するフェノール化合物、
(2)(a)成分100重量部に対して、(b)成分を0.1〜50重量部含有する上記(1)記載の燃料油用添加剤、
(3)(a)界面活性剤型流動性向上剤が、炭素数14〜30の直鎖飽和脂肪酸とアルカントリオールのポリオキシアルキレンエーテルとのエステル又は水酸基を有する含窒素化合物と直鎖状飽和脂肪酸とのエステルである上記(1)又は(2)に記載の燃料油用添加剤、
(4)(b)成分の炭化水素基がα−メチルベンジル基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料油用添加剤、
(5)燃料油100重量部、及び上記(1)〜(4)のいずれかに記載の燃料油用添加剤0.0001〜1重量部を含有する燃料油組成物、及び
(6)燃料油の硫黄分含有量が0.05重量%以下である上記(5)記載の燃料油組成物、
を提供するものである。
本発明の燃料油用添加剤に含有される界面活性剤型流動性向上剤としては、通常当該分野で用いられる界面活性剤型流動性向上剤のいずれも使用することができるが、例えば、アルケニルコハク酸系流動性向上剤、ポリオキシアルキレン系流動性向上剤、ポリオール系流動性向上剤、含窒素系流動性向上剤などを用いることができる。これらの流動性向上剤としては、具体的には、無水アルケニルコハク酸と長鎖アルキルアミン及び/又は高級脂肪酸とのアミド及び/又はエステル等のアルケニルコハク酸系流動性向上剤、ポリオキシアルキレン基と飽和アルキル基を有するポリオキシアルキレンエステル/エーテル等のポリオキシアルキレン系流動性向上剤、脂肪酸とアルカントリオールのポリオキシアルキレンエーテルとのエステル等のポリオール系流動性向上剤、水酸基を有する含窒素化合物と脂肪酸とのエステル等の含窒素系流動性向上剤などが挙げられる。
上述の界面活性剤型流動性向上剤は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のフェノール化合物において、分岐鎖を有する炭化水素基とは、直鎖状の炭化水素基でない分岐構造を有する炭化水素基を意味する。該分岐鎖を有する炭化水素基の炭素数は、本発明の効果の点から、5〜10、好ましくは7〜10の範囲内である。
このような分岐構造を有する炭素数が5〜10の炭化水素基としては、分岐アルキル基が好ましく用いられ、例えば、分岐ペンチル基、分岐ヘキシル基、分岐ヘプチル基、分岐オクチル基、分岐ノニル基、分岐デシル基等が挙げられる。上記炭化水素基における分岐の数や分岐の位置については特に限定はない。また、分岐鎖を有するアルキル基等の炭化水素部位を有していれば、別に環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等を含むこともできる。分岐鎖を有する炭化水素基がフェノールに対し複数結合している場合、該複数の炭化水素基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
上述した分岐鎖を有する炭素数が5〜10の炭化水素基として、本発明においては、分岐オクチル基、分岐ノニル基、分岐デシル基、α−メチル-ベンジル基等が好ましく挙げられ、α−メチルベンジル基が特に好ましい。分岐鎖を有する炭化水素基がα−メチルベンジル基である場合は、フェノール化合物が有する炭化水素基の数は2個もしくは3個であることが好ましい。
本発明の添加剤は、硫黄含有量が少ない燃料油に使用することが、本発明の効果の点から有効であり、特に、後述の硫黄分含有量が0.05重量%以下の燃料油に用いることが好ましい。また、上記燃料油としては、後述する中間留出油からなる燃料油、特に軽油において、本発明の効果が有効に発揮される。
このような低硫黄含有軽油は、通常、直留軽油、水素化直接脱硫軽油、水素化間接脱硫軽油、水素化分解軽油、水素化脱硫重質軽油、脱硫灯油などを適宜混合して調製することができる。
また、GTL(Gas to Liquid)などの合成軽油、動物性または植物性油(エステル化されていてもされていなくてもよい)などを混合した燃料を用いることもできる。
本発明の燃料油用添加剤の燃料油への添加方法については、特に制限はなく、単に燃料油に添加する場合を含め、種々の添加方法を採用することができるが、通常は添加剤を予め灯油や軽油などで希釈した溶液を用いて添加する方法、40〜60℃程度まで加温した状態で添加する方法、または両者を併用して添加する方法が用いられる。本発明の燃料油用添加剤は、このような添加時において、特に燃料油の油温が低い場合であって、燃料油用添加剤を使用しうる温度、例えば、−50〜15℃程度の低温時において、優れた効果を発揮することができるものである。
第1表に記載の燃料油A〜Cの各々に、本発明の燃料油用添加剤及びその他の成分を第4表に示す割合で添加して燃料油組成物を調製し、その目詰まり点を、JIS K 2288に準拠して測定した。結果を第5表に示す。
なお、それぞれの燃料油用添加剤1〜9は、第2表及び第3表の各々に記載の(a)成分及び(b)成分を第4表に示すようにその他の成分とともに配合して調製した。また、燃料油組成物は、上記燃料油用添加剤1〜9の各々を、その含有量が10重量%となるように灯油に希釈して添加剤希釈品を調製した後、これを50℃に加温して、燃料油A〜Cの各々に添加して調製した。
なお、目詰まり点の測定においては、添加剤添加時の燃料油の油温は、通常添加時を想定した20℃と外気温が低下した際の添加条件を想定した5℃の2種類の条件で行った。
2) JIS K 2288に準拠して測定
3) JIS K 2269に準拠して測定
4) JIS K 2541に準拠して測定
5) JIS K 2536に準拠して測定
Claims (6)
- 下記(a)成分及び(b)成分を含む燃料油用添加剤。
(a)界面活性剤型流動性向上剤
(b)分子内に、分岐鎖を有する炭素数が5〜10の炭化水素基を1〜3個有するフェノール化合物 - (a)成分100重量部に対して、(b)成分を0.1〜50重量部含有する請求項1記載の燃料油用添加剤。
- (a)界面活性剤型流動性向上剤が、炭素数14〜30の直鎖飽和脂肪酸とアルカントリオールのポリオキシアルキレンエーテルとのエステル又は水酸基を有する含窒素化合物と直鎖状飽和脂肪酸とのエステルである請求項1又は2に記載の燃料油用添加剤。
- (b)成分の炭化水素基がα−メチルベンジル基である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料油用添加剤。
- 燃料油100重量部、及び請求項1〜4のいずれかに記載の燃料油用添加剤0.0001〜1重量部を含有する燃料油組成物。
- 燃料油の硫黄分含有量が0.05重量%以下である請求項5記載の燃料油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004182043A JP4645073B2 (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 燃料油用添加剤及び燃料油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004182043A JP4645073B2 (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 燃料油用添加剤及び燃料油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006002103A JP2006002103A (ja) | 2006-01-05 |
JP4645073B2 true JP4645073B2 (ja) | 2011-03-09 |
Family
ID=35770762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004182043A Active JP4645073B2 (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 燃料油用添加剤及び燃料油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4645073B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090107555A1 (en) | 2007-10-31 | 2009-04-30 | Aradi Allen A | Dual Function Fuel Atomizing and Ignition Additives |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57170993A (en) * | 1981-04-14 | 1982-10-21 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | Fluidity improver for fuel oil |
JPS60127392A (ja) * | 1983-12-12 | 1985-07-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | 燃料油用流動性改良添加剤 |
JPS61181892A (ja) * | 1985-02-06 | 1986-08-14 | Kao Corp | 燃料油の流動性改良剤 |
JPH07157778A (ja) * | 1993-12-06 | 1995-06-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 |
JPH111692A (ja) * | 1997-06-13 | 1999-01-06 | Nof Corp | 燃料油組成物 |
JPH1129769A (ja) * | 1997-05-20 | 1999-02-02 | Ciba Specialty Chem Holding Inc | 液体多機能性添加剤 |
JP2004149773A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-05-27 | Clariant Gmbh | 鉱油および鉱油留分のための添加剤混合物の製法 |
JP2005509086A (ja) * | 2001-11-14 | 2005-04-07 | クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング | アルコキシル化されたポリオールのエステル及びアルキルフェノール−アルデヒド樹脂を含む低硫黄鉱油蒸留物用添加剤 |
-
2004
- 2004-06-21 JP JP2004182043A patent/JP4645073B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57170993A (en) * | 1981-04-14 | 1982-10-21 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | Fluidity improver for fuel oil |
JPS60127392A (ja) * | 1983-12-12 | 1985-07-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | 燃料油用流動性改良添加剤 |
JPS61181892A (ja) * | 1985-02-06 | 1986-08-14 | Kao Corp | 燃料油の流動性改良剤 |
JPH07157778A (ja) * | 1993-12-06 | 1995-06-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 |
JPH1129769A (ja) * | 1997-05-20 | 1999-02-02 | Ciba Specialty Chem Holding Inc | 液体多機能性添加剤 |
JPH111692A (ja) * | 1997-06-13 | 1999-01-06 | Nof Corp | 燃料油組成物 |
JP2005509086A (ja) * | 2001-11-14 | 2005-04-07 | クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング | アルコキシル化されたポリオールのエステル及びアルキルフェノール−アルデヒド樹脂を含む低硫黄鉱油蒸留物用添加剤 |
JP2004149773A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-05-27 | Clariant Gmbh | 鉱油および鉱油留分のための添加剤混合物の製法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006002103A (ja) | 2006-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2617199C (en) | Fuel additives | |
JP3532217B2 (ja) | 燃料添加剤 | |
JP5854581B2 (ja) | 燃料組成物 | |
JP2000514125A (ja) | 燃料油組成物 | |
PT2231728E (pt) | Utilização de copolímeros modificados por enxerto de etileno e/ou propileno e ésteres vinílicos a título de aditivos bifuncionais com capacidade lubrificante e resistência ao frio de hidrocarbonetos líquidos | |
JP2001192681A (ja) | 組成物 | |
JP3968820B2 (ja) | 燃料油組成物 | |
JP5132937B2 (ja) | レブリン酸c4〜c8アルキル含有燃料組成物 | |
JP5205699B2 (ja) | 燃料油用潤滑性向上剤及びそれを含有する燃料油組成物 | |
WO1999066010A1 (fr) | Additif pour fioul et composition de fioul | |
JP4645073B2 (ja) | 燃料油用添加剤及び燃料油組成物 | |
JP4715289B2 (ja) | 燃料油用潤滑性向上剤 | |
JP3841368B2 (ja) | 低硫黄軽油用油性向上剤及び低硫黄軽油組成物 | |
JP3807743B2 (ja) | 2サイクル潤滑油 | |
JP2007100087A (ja) | 添加剤濃厚物 | |
JP5105895B2 (ja) | 軽油組成物 | |
KR101781672B1 (ko) | 연료유용 유동성 향상제 및 연료유 조성물 | |
JP4715287B2 (ja) | 燃料油用流動性向上剤 | |
EP3916074B1 (en) | Synergistic antiknock fuel additive and gasoline composition comprising the same | |
JP6042874B2 (ja) | 軽油組成物 | |
JP3797439B2 (ja) | ディーゼル機関用燃料組成物 | |
JP4761717B2 (ja) | A重油組成物 | |
JP5068034B2 (ja) | 燃料添加剤及び組成物 | |
JP2001200275A (ja) | ディーゼル軽油組成物 | |
JP2001098285A (ja) | 軽油組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101027 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101109 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101122 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4645073 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |