JP4644990B2 - 無線送信装置及び方法、無線受信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線送信装置及び方法、無線受信装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声や画像などのリアルタイム信号を無線通信方式により伝送するための無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムに係り、特に、リアルタイム信号のデータ品質を保ちながら無線通信方式により伝送するための無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムに関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、BluetoothのACLリンク(Asynchronous Connection Less Link)のように実効スループットが変動する(すなわち保証されない)無線伝送系において、音声や画像などのリアルタイム信号を伝送するための無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムに係り、特に、BluetoothのACLリンクのように実効スループットが変動する伝送系において、データ品質を保ちながらリアルタイム信号を伝送することができる無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムに関する。
【0003】
【従来の技術】
最近、近距離の無線通信技術が脚光を浴び始めている。この種の無線通信方式によれば、機器や端末間の通信をコードレスで確立することができるので、機器どうしの接続作業が簡素化されるとともに、各機器の設置場所を選ぶ必要がなくなるので、利便性が高い。近距離無線通信は、例えばホーム・ネットワークなどのように、局所的で、ネットワーク・ケーブルの敷設が現実的でない場所における伝送媒体としても大いに期待されている。
【0004】
近距離無線通信は、例えば、携帯型情報機器間のデータ交換や、電話機本体や携帯型音楽再生機とヘッドセット、親機と子機などの間におけるデータや音声の伝送に利用することができる。
【0005】
近距離無線通信の代表例である"Bluetooth"は、2.45GHz帯の無線周波数を使用し、全体のデータ伝送速度は1Mbpsであり、その中には電話の音声伝送に利用可能な64kbpsの同期伝送チャンネルと、データ伝送のための非同期伝送チャンネルが設けられている。前者の同期伝送チャンネルは、SCO(Synchronous Connection Oriented Link)伝送法式が採用され、回線接続に適用される。また、後者の非同期伝送チャンネルは、ACL(Asynchronous Connection Less Link)伝送方式が採用され、パケット交換によるデータ伝送に適用される。
【0006】
Bluetoothによる機器間の接続範囲は10m程度であるが、追加増幅器を使用することによって、さらに100mまで延長することができる。Bluetoothは、マスタ機器及びスレーブ機器間でのポイント・ツー・ポイント接続、あるいは、ポイント・ツー・マルチポイント接続を基調とする。後者の場合、1台のマスタは、最大7台のスレーブと、SCO又はACL方式の通信を行うことができる。
【0007】
例えば、Bluetoothを用いて、音声や画像などのリアルタイム信号を扱う機器間(ハイファイ・オーディオなど)の通信を行うというアプリケーションが考えられる。
【0008】
ところが、無線伝送経路上では伝送スループットが変動する可能性が高い。このため、無線通信方式により音声や画像が途切れることなくリアルタイム信号を伝送するためには、充分な回線品質余裕を確保する必要がある。この結果、回線の最大スループットを有効に利用することができないことになる。
【0009】
情報通信においては一般に、送信側で送信データを符号化圧縮するとともに受信側では受信データを復号化処理する、すなわちCODEC処理が行われている。また、圧縮率を回線品質に応じて変更することが行われている。しかしながら、この場合、スループットの余裕度が小さくなればデータ圧縮率を上げるという考え方に基づくので、スループットの余裕度を知る必要がある。
【0010】
ここで、Bluetoothのような近距離無線通信を用いて、音声や画像のようなリアルタイム信号を伝送する場合について考察してみる。
【0011】
前述したように、Bluetoothには、SCOとACLという2通りの伝送方式がある。回線接続を基調とするSCO方式による場合、エラー・コレクションの有無に拘わらず再送要求を行わないので、音質や画質が保証されない。これに対し、ACLはパケット伝送方式であり、エラー発生時(又はエラー・コレクションにより修復されないとき)にはパケット再送によりエラー・フリーを実現しているので、音質や画質を保証することができる。言い換えれば、ACL方式は、データ品質が保証され、音声や画像を途切れなく良好に伝送できるという観点から、リアルタイム信号の伝送に好適であると言うことができよう。
【0012】
しかしながら、ACL方式は、ベスト・エフォット(Best Effort)型のリンクであり、データ品質を保証することのトレードオフとして、回線の品質が低下するとレイテンシやスループットを保証することができないという事態が発生する(例えば、家庭内で無線通信を利用する場合、電子レンジなどの通常の家電機器の稼動により、実効スループットは大きく変動する)。
【0013】
言い換えるならば、BluetoothにおけるACLリンクは、実効スループットが変動する通信システムであり、スループットの実力値を知る方法はない。このため、スループットの余裕度に応じてデータ圧縮率を決定するという仕組みは成立しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、音声や画像などのリアルタイム信号を、そのデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することにある。
【0015】
本発明の更なる目的は、BluetoothのACLリンクのように実効スループットが変動する(すなわち保証されない)無線伝送系において、音声や画像などのリアルタイム信号をデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することにある。
【0016】
本発明の更なる目的は、BluetoothのACLリンクのように実効スループットが変動する伝送系において、伝送期間中にデータ圧縮率を動的に変更することによって音声や画像などのリアルタイム信号をデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、無線回線経由でデータを送信する無線送信装置又は方法であって、
伝送データを入力するデータ入力手段又はステップと、
入力された伝送データを一時格納する入力データ格納手段又はステップと、
一時格納されたデータを先入れ先出し方式で取り出して圧縮するデータ圧縮手段又はステップと、
圧縮されたデータを前記無線回線経由で送信するデータ送信手段又はステップと、
を具備することを特徴とする無線送信装置又は方法である。
【0018】
また、本発明の第2の側面は、無線回線経由でデータを送信する無線送信装置又は方法であって、
伝送データを入力するデータ入力手段又はステップと、
前記入力された伝送データを圧縮するデータ圧縮手段又はステップと、
前記圧縮されたデータを一時格納する圧縮データ格納手段又はステップと、
前記圧縮されたデータを前記無線回線経由で送信するデータ送信手段又はステップと、
を具備することを特徴とする無線送信装置又は方法である。
【0019】
ここで言う無線回線とは、例えば、BluetoothにおけるACLリンクである。無線回線は伝送路が不安定であり、また、ACLリンクは伝送データのエラー発生により再送制御を行うベスト・エフォット型であることから、実効スループットが保証されない。本発明の第1の側面に係る無線送信装置又は方法によれば、回線上のスループットの変動に伴うデータ転送の遅れは、時々刻々と入力されてくる伝送データを入力データ格納手段又はステップが先入れ先出し形式で一時的に蓄積することにより吸収される。
【0020】
データ入力手段又はステップが入力するデータとは、例えば、マイクロフォンやモニタ・カメラから時々刻々と入力されてくるリアルタイム系のオーディオ信号やビデオ信号、あるいは、CD−Rなどの記録メディアから所定の入力速度すなわち再生速度でデータ再生されたデータなどである。
【0021】
入力データ格納手段又はステップ、あるいは圧縮データ格納手段は、伝送データを先入れ先出し形式で格納できるFIFO(first in first out)メモリで構成することができる。FIFOメモリにおけるデータ書き込み場所とのデータ読み出し場所の差は、FIFOメモリに蓄積されたデータ量に相当し、この場合、実効的なスループットとほぼ同義となる。
【0022】
また、データ圧縮手段又はステップは、例えば、ATRAC、ATRAC3、AAC、MP3、ADPCMなどの圧縮方式によりデータ圧縮を行い、圧縮率は可変であってもよい。
【0023】
Bluetoothのような無線通信においては、回線上のスループットを直接計測する手段はないが、入力データ格納手段又はステップにおけるデータ書き込み場所とデータ読み出し場所の差、すなわち伝送処理されないままの蓄積データ量に従って実効的なスループットを判断することができる。
【0024】
本発明の第1及び第2の各側面に係る無線送信装置又は方法は、データ圧縮手段又はステップにおけるデータ圧縮率を制御する圧縮率制御手段又はステップを備えて、スループットの低下とともにデータ圧縮率を高め、スループットの回復とともにデータ圧縮率を低めていくようにしてもよい。このような場合、入力データ格納手段又はステップのメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ圧縮率すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、入力データ格納手段又は圧縮データ格納手段におけるメモリ・サイズを節約することも可能となる。
【0025】
あるいは、データ入力手段又はステップにおけるデータ入力速度を制御する入力速度制御手段を備えて、スループットの低下とともにデータ入力速度を低め、スループットの回復とともにデータ入力速度を高めていくようにしてもよい。このような場合、入力データ格納手段又はステップのメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ入力速度すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、入力データ格納手段又はステップにおけるメモリ・サイズを節約することも可能となる。ここで言うデータ入力速度は、例えば、CD−Rなどの記録メディアからのデータ再生速度に相当する。
【0026】
また、本発明の第3の側面は、無線回線経由でデータを送信する無線受信装置又は方法であって、
圧縮されたデータを前記無線回線経由で受信するデータ受信手段又はステップと、
受信データを伸張するデータ伸張手段又はステップと、
伸張されたデータを一時格納する出力データ格納手段又はステップと、
先入れ先出し形式で取り出されたデータを出力するデータ出力手段又はステップと、
を具備することを特徴とする無線受信装置又は方法である。
【0027】
ここで言う無線回線とは、例えばBluetoothにおけるACLリンクである。無線回線は伝送路が不安定であり、また、ACLリンクは伝送データのエラー発生により再送制御を行うベスト・エフォット型であることから、実効スループットが保証されない。本発明の第2の側面に係る無線受信装置又は方法によれば、回線上のスループットの変動に伴うデータ転送の遅れは、時々刻々と送信されてくる伝送データを出力データ格納手段又はステップにおいて先入れ先出し形式で一時的に蓄積することにより吸収される。
【0028】
データ出力手段又はステップでは、例えば、スピーカやモニタ・ディスプレイを介して音声や画像をリアルタイムで出力するようにしてもよい。あるいは、伸張・再現されたデータをMDやCD−Rなどの記録メディアに所定の出力速度すなわち記録速度で記録するようにしてもよい。
【0029】
また、出力データ格納手段又はステップは、伝送データを先入れ先出し形式で格納できるFIFOメモリによって構成することができる。FIFOメモリにおけるデータ書き込み場所とのデータ読み出し場所の差は、FIFOメモリに蓄積されたデータ量に相当し、この場合、無線回線の実効的なスループットとほぼ同義となる。
【0030】
また、データ伸張手段又はステップは、例えば、ATRAC、ATRAC3、AAC、MP3、ADPCMなど、伝送データの圧縮方式に対応した伸張方式によりデータ伸張を行う。但し、送信側において圧縮率を変更した場合にはその圧縮率パラメータを使用してデータ伸張を行う必要がある。
【0031】
Bluetoothのような無線通信においては、回線上のスループットを直接計測する手段はないが、出力データ格納手段又はステップにおけるデータ書き込み場所とデータ読み出し場所の差に従って実効的なスループットを判断することができる。
【0032】
本発明の第3の側面に係る無線受信装置又は方法は、データ出力手段又はステップにおけるデータ出力速度を制御する出力速度制御手段又はステップを備えて、スループットの低下とともにデータ出力速度を低め、スループットの回復とともにデータ出力速度を高めていくようにしてもよい。このような場合、出力データ格納手段又はステップのメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ出力速度すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、出力データ格納手段又はステップにおけるメモリ・サイズを節約することができる。ここで言うデータ出力速度は、例えば、MDやCD−Rなどの記録メディアへのデータ記録速度に相当する。
【0033】
また、本発明の第4の側面は、無線回線経由でデータを伝送する無線送受信システムであって、
伝送データを入力するデータ入力手段と、
入力された伝送データを先入れ先出し形式で一時格納する入力データ格納手段と、
前記データ格納手段からデータを取り出して圧縮するデータ圧縮手段と、
圧縮されたデータを前記無線回線経由で送信するデータ送信手段と、
とで構成される無線送信部と、
送信データを前記無線回線経由で受信するデータ受信手段と、
受信データを伸張するデータ伸張手段と、
伸張されたデータを先入れ先出し形式で一時格納する出力データ格納手段と、
前記出力データ格納手段からデータを取り出してデータ出力するデータ出力手段と、
とで構成される無線受信部と、
を具備することを特徴とする無線送受信システムである。
【0034】
ここで言う無線回線とは、例えば、BluetoothにおけるACLリンクである。無線回線は伝送路が不安定であり、また、ACLリンクは伝送データのエラー発生により再送制御を行うベスト・エフォット型であることから、実効スループットが保証されない。本発明の第の側面に係る無線送受信システムによれば、回線上のスループットの変動に伴うデータ転送の遅れは、時々刻々と送信される伝送データを入力データ格納手段が先入れ先出し形式で一時的に蓄積したり、受信データを出力データ格納手段が一時的に蓄積することにより吸収することができる。
【0035】
無線送信部において、データ入力手段が入力するデータとは、例えば、マイクロフォンやモニタ・カメラから時々刻々と入力されてくるリアルタイム系のオーディオ信号やビデオ信号、あるいは、CDなどの記録メディアから所定の入力速度すなわち再生速度でデータ再生されたデータなどである。一方、無線受信部におけるデータ出力手段は、例えば、スピーカやモニタ・ディスプレイを介して音声や画像をリアルタイムで出力するようにしてもよい。あるいは、伸張・再現されたデータをMDやCD−Rなどの記録メディアに所定の出力速度すなわち記録速度で記録するようにしてもよい。
【0036】
また、入力データ格納手段や出力データ格納手段は、伝送データを先入れ先出し形式で格納できるFIFOメモリで構成される。FIFOメモリにおけるデータ書き込み場所とのデータ読み出し場所の差は、未処理のままFIFOメモリにおいて蓄積されたデータ量に相当し、この場合、無線回線の実効的なスループットとほぼ同義となる。
【0037】
無線送信部では、データ圧縮手段は、例えば、ATRAC、ATRAC3、AAC、MP3、ADPCMなどの圧縮方式によりデータ圧縮を行い、圧縮率は可変であってもよい。
【0038】
本発明の第4の側面に係る無線送受信システムは、データ圧縮手段におけるデータ圧縮率を制御する圧縮率制御手段を備えて、スループットの低下とともにデータ圧縮率を高め、スループットの回復とともにデータ圧縮率を低めていくようにしてもよい。このような場合、入力データ格納手段のメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ圧縮率すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、入力データ格納手段のメモリ・サイズを節約することも可能である。
【0039】
但し、無線受信部のデータ伸張手段は、無線送信部側のデータ圧縮手段が採用する圧縮方式及び圧縮率に対応する伸張方式でデータ伸張しなければならないので、無線送信部において圧縮率を変更する場合には、無線受信部に圧縮率パラメータを通知する圧縮率通知手段を設ける必要がある。
【0040】
また、データ入力手段におけるデータ入力速度を制御する入力速度制御手段を備えて、スループットの低下とともにデータ入力速度を低め、スループットの回復とともにデータ入力速度を高めていくようにしてもよい。このような場合、入力データ格納手段のメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ入力速度すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、入力データ格納手段におけるメモリ・サイズを節約することも可能である。ここで言うデータ入力速度は、例えば、CDなどの記録メディアからのデータ再生速度に相当する。
【0041】
また、データ出力手段におけるデータ出力速度を制御する出力速度制御手段又はステップを備えて、スループットの低下とともにデータ出力速度を低め、スループットの回復とともにデータ出力速度を高めていくようにしてもよい。このような場合、出力データ格納手段のメモリ・サイズの限界を超えないようにデータ出力速度すなわちデータ・レートを調整することにより、無線データ通信を最適化することができる。また、出力データ格納手段におけるメモリ・サイズを節約することも可能である。ここで言うデータ出力速度は、例えば、MDやCD−Rなどの記録メディアへのデータ記録速度に相当する。
【0042】
また、本発明の第5の側面は、無線回線経由でデータを送信する処理をコンピュータ・システム上で実行するように記述されたコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読形式で物理的に格納した記憶媒体であって、前記コンピュータ・ソフトウェアは、
伝送データを入力するデータ入力ステップと、
入力された伝送データを一時格納する入力データ格納ステップと、
前記データ格納手段からデータを取り出して圧縮するデータ圧縮ステップと、
圧縮されたデータを前記無線回線経由で送信するデータ送信ステップと、
を具備することを特徴とする記憶媒体である。
【0043】
本発明の第5の側面に係る記憶媒体は、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読な形式で提供する媒体である。このような媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やFD(Floppy Disc)、MO(Magneto-Optical disc)などの着脱自在で可搬性の記憶媒体である。あるいは、ネットワーク(ネットワークは無線、有線の区別を問わない)などの伝送媒体などを経由してコンピュータ・ソフトウェアを特定のコンピュータ・システムに提供することも技術的に可能である。
【0044】
このようなプログラム記憶媒体は、コンピュータ・システム上で所定のコンピュータ・ソフトウェアの機能を実現するための、コンピュータ・ソフトウェアと記憶媒体との構造上又は機能上の協働的関係を定義したものである。換言すれば、本発明の第5の側面に係る記憶媒体を介して所定のコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る無線送信装置又は方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0047】
図1には、本発明の実施に供される無線送受信システム1の構成を模式的に図解している。図示の無線送受信システム1は、リアルタイム信号としてオーディオ信号の伝送に好適に適用することができるが、無線送信側10と無線受信側20という2組のユニットで構成される。これら無線送信側10と無線受信側20とは、例えばBluetooth回線(前述)のような近距離無線回線を利用して接続されているものとする。
【0048】
無線送信側10では、マイクロフォンやその他の音声入力機器からのアナログ入力や放送受信機などのリアルタイム系の信号源を持つ場合、あるいは、CD(Compact Disc)などの記録メディアから再生した信号を信号源とする場合がある。
【0049】
他方、無線受信側20では、スピーカやヘッドフォンなどの音声出力機器が接続されてリアルタイムでオーディオを聴取できる場合と、オーディオ信号をそのままMDやCD−Rなどの記録メディアに記録する場合とがある。
【0050】
無線送信側10は、オーディオ信号源から供給されるリアルタイム系のオーディオ信号を先入れ先出し方式で一旦格納する入力FIFOメモリ11と、オーディオ信号を符号化圧縮する符号化部12と、符号化されたデータを1パケット分だけ一時記憶するパケット・バッファ13と、Bluetooth回線経由でパケット送信するBT送信部14とで構成される。
【0051】
入力FIFOメモリ11は、例えば、0.5秒分の音を蓄積するバッファが先入れ先出し方式で配列されて構成されている。但し、オーディオ信号がアナログ入力される場合には、A/D変換器によりデジタル信号に変換してから、入力FIFOメモリ11に書き込む。
【0052】
符号化部12が採用する圧縮方式は、本発明を実現する上で特に限定されない。但し、CDクォリティを実現するには、例えば、ATRAC(Adaptive transform acoustic coding),ATRAC3,AAC,MP3(MPEG-1 Audio Layer-III),ADPCMなどを採用することが好ましく、ビット・レートは400kbps〜64kbps程度である。
【0053】
BT送信部14は、BluetoothのACLリンクによって、Bluetooth回線経由で無線受信側20とベスト・エフォット型のパケット通信を行う。Bluetooth回線におけるACLリンクのスループットは、理想的な通信条件下では700kbps程度が得られるが、条件次第で次第に低下していく。
【0054】
図2には、Bluetooth回線におけるプロトコル・スタック構造を模式的に図解している。このプロトコル・スタックは、最下層から順に、RF層、ベースバンド(BB)層、リンク・マネージャ(LM)層、L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol)層で構成されるが、これはOSI(Open Systems Interconnection)基本参照モデルにおける物理層及びデータリンク層に相当するものである。
【0055】
L2CAP層では、エラー発生時(又はエラー・コレクションにより修復されないとき)には、送受信間でパケット再送手続が行われ、エラー・フリーを実現するようになっている。言い換えれば、伝送路の品質が低下しエラー発生率が高くなると、その分だけパケット再送が頻発する結果として、Bluetooth回線の実効スループットも低下する。
【0056】
再び図1に戻って、無線受信側20の構成について説明する。無線受信側は、Bluetooth回線経由でパケット受信するBT受信部21と、パケット・バッファ22と、受信された符号化データを復号化伸張処理する復号化部23と、復号化されたオーディオ信号を先入れ先出し方式で一旦格納する出力FIFOメモリ24とで構成される。
【0057】
BT受信部21は、BluetoothのACLリンクによって、Bluetooth回線経由で無線送信側10とベスト・エフォット型のパケット通信を行う。すなわち、パケットの受信に失敗した場合には、BT受信部21は、BT送信部14に対してパケット再送要求を発行する。伝送路の品質が低下しエラー発生率が高くなると、その分だけパケット再送が頻発する結果として、実効スループットも低下する(同上)。
【0058】
復号化部23は、受信された符号化データを、符号化部12において採用する符号化方式に対応する復号化伸張処理を行う。符号化方式としては、ATRAC,ATRAC3,AAC,MP3(MPEG-1 Audio Layer-III),ADPCMなどが採用される(前述)。
【0059】
出力FIFOメモリ24は、例えば、0.5秒分の音を蓄積するバッファが先入れ先出し方式で配列されて構成され、復号化されたオーディオ信号を先入れ先出し方式で一旦格納するようになっている。
【0060】
出力FIFOメモリ24に蓄積されたオーディオ信号は、例えばサンプリング周期で読み出されて、アナログ信号にD/A変換された後、スピーカを介してオーディオ出力される。あるいは、オーディオ信号をデジタル信号のままMDやCD−Rなどの記録メディアに記録する。
【0061】
図1に示す構成によれば、無線送信側10と無線受信側20とを接続するBluetooth回線上での実効スループットが低下した場合であっても、無線送信側10では、リアルタイム系のオーディオ信号を入力FIFOメモリ11に蓄積しておくことで、データの喪失を回避することができる。また、無線受信側20では、受信データが途絶えた場合であっても、出力FIFOメモリ24に蓄積されたデータを出力することによって、音声の途切れ(コマ落ち)を防止することができる。
【0062】
FIFOメモリは、一般に、次のデータを書き込む場所すなわちアドレスを示す書き込みポインタ(以下、WPとする)と、次にデータを読み出すアドレスを示す読み出しポインタ(以下、RPとする)とを用いて書き込み及び読み出し動作が制御される。また、WPとRPの差分が現在FIFOメモリに蓄積されているデータ量に相当する。言い換えれば、WPとRPの差がメモリ・サイズを越えると、もはやデータを書き込めなくなり、データを喪失することになる。
【0063】
ここで、図1に示した入力FIFOメモリ11及び出力FIFOメモリ24の動作について説明する。
【0064】
図3には、リアルタイム系のオーディオ信号を処理する場合における、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。また、図4には、入力FIFOメモリ11の読み出しポインタRPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、図3及び図4を参照しながら、入力FIFOメモリ11の動作特性について説明する。
【0065】
リアルタイム系で入力されるオーディオ信号は、サンプル周期毎にA/D変換され、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPで示されるアドレスに書き込まれる(ステップS1)。そして、WPが1だけインクリメントされて(ステップS2)、同様の処理が繰り返し実行される。
【0066】
他方、入力FIFOメモリ11の出力側では、パケット・バッファ13がチェックされる(ステップS11)。そして、送信可能状態であれば、入力FIFOメモリの読み出しポインタRPで示されるアドレスから符号化フレームで1フレーム分だけデータが取り出される(ステップS12)。
【0067】
そして、読み出された符号化部12においてデータを符号化圧縮処理が行われた後(ステップS13)、パケット・バッファ13に書き込まれて(ステップS14)、送信待ち状態となる。
【0068】
読み出しポインタRPを読み出したフレーム相当数分Nだけインクリメントした後(ステップS15)、ステップS11に復帰して、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0069】
図5には、入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示している。
【0070】
この例では、オーディオ信号がリアルタイムで入力されるので、書き込みポインタWPのアドレスは時間に比例してインクリメントすることになる。
【0071】
他方、読み出しポインタRPからの読み出しは、後続のパケット・バッファ13が書き込み可能状態か、言い換えれば、Bluetooth回線が送信可能状態又は送信待ち状態のいずれであるかに依る。したがって、読み出しポインタRPアドレスは、Bluetooth回線の実効スループットが高い状態では速くインクリメントするが、実効スループットが低下するとRPの動きも停滞し一定となる。
【0072】
RPの動きが停滞する時間が長く続くと、WPとRPの差が徐々に拡大していく。既に述べたように、WP−RPは入力FIFOメモリ11に蓄積されるデータ量に相当する。したがって、実効スループットが低下した場合を想定して入力FIFOメモリ11のサイズを決定する必要がある。また、メモリ・サイズを越えてWP−RPが拡大した場合には、リアルタイム信号の喪失が発生し、無線受信20側では音飛びやコマ落ちなどの出力信号が不連続となる現象が起こることになる。
【0073】
入力FIFOメモリ11の必要なサイズは、例えば全記憶量を500mS相当分の音声データであるとすれば、88.2KB(=44.1KHz×16bit×2ch×500mS/8)が必要メモリ量である。
【0074】
また、書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPは、入力FIFOメモリ11の全メモリをポイントできるように構成されていればよい。書き込み及び読み出し速度については、メモリが例えば8ビット毎のアクセスを行うものであるとした場合、読み出し及び書き込みはそれぞれ平均的に5.7μS(=1Sec/44.1KHz/2ch/2(16bit/8bit))の頻度で発生する。読み出しは、データ符号化フレーム毎にバースト的に行われるので、実際には、上記数値の10倍程度以上の速度を必要とするが、これは容易に実現できる範囲である。
【0075】
図6には、リアルタイム系のオーディオ信号を処理する場合における、出力FIFOメモリ24の書き込みポインタWPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。また、図7には、出力FIFOメモリ24の読み出しポインタRPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、図6及び図7を参照しながら、出力FIFOメモリ24の動作特性について説明する。
【0076】
出力FIFOメモリ24の入力側では、パケット・バッファ22が満杯か否かをチェックする(ステップS21)。パケット・バッファ22に容量の余裕がある否かは、Bluetooth回線の実効スループットに依存する。
【0077】
パケット・バッファ22に容量の余裕がなければ、バッファリングされたデータを復号化部23に送って(ステップS22)、復号化伸張処理を実行する(ステップS23)。
【0078】
次いで、復号化フレームの1フレーム分が、出力FIFOメモリ24の書き込みポインタWPで示されるアドレスに書き込まれる(ステップS24)。そして、書き込みポインタWPを書き込んだフレーム相当数分Nだけインクリメントした後(ステップS25)、ステップS21に復帰して、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0079】
他方、出力FIFOメモリ24の出力側では、その読み出しポインタRPが示すアドレスから、サンプル周期毎に1サンプル分(例えば16ビット×2ch)のデータが読み出される(ステップS31)。読み出されたデータは、例えばD/A変換されて、スピーカを介して音声出力される。
【0080】
そして、RPが1だけインクリメントされて(ステップS32)、同様の処理が繰り返し実行される。
【0081】
図8には、出力FIFOメモリ24における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示している。
【0082】
この例では、オーディオ信号がリアルタイムで出力されるので、読み出しポインタRPのアドレスは時間に比例してインクリメントする。
【0083】
他方、書き込みポインタWPへの書き込みは、前段のパケット・バッファ22が満杯状態か、言い換えれば、Bluetooth回線の実効スループットが高いか否かに依る。すなわち、書き込みポインタWPアドレスは、Bluetooth回線の実効スループットが高い状態では速くインクリメントするが、実効スループットが低下するとWPの動きも停滞し一定となる。
【0084】
WPの動きが停滞する時間が長く続くと、WPとRPの差が徐々に縮小していく。既に述べたように、WP−RPは出力FIFOメモリ24に蓄積されるデータ量に相当する。したがって、RPがWPに到達すると、出力FIFOメモリ24にはもはや蓄積されたデータがない状態となり、音飛びやコマ落ちなどの出力データが不連続となる現象が発生することになる。
【0085】
出力FIFOメモリ24の必要なサイズは、例えば全記憶量を500mS相当分の音声データであるとすれば、88.2KB(=44.1KHz×16bit×2ch×500mS/8)が必要メモリ量である。
【0086】
また、書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPは、出力FIFOメモリ24の全メモリをポイントできるように構成されていればよい。書き込み及び読み出し速度については、メモリが例えば8ビット毎のアクセスを行うものであるとした場合、読み出し及び書き込みはそれぞれ平均的に5.7μS(=1Sec/44.1KHz/2ch/2(16bit/8bit))の頻度で発生する。書き込みは、データ復号化フレーム毎にバースト的に行われるので、実際には、上記数値の10倍程度以上の速度を必要とするが、これは容易に実現できる範囲である。
【0087】
図9には、無線送信側の他の発明例10−2を模式的に図解している。同図に示す無線送信側10−2では、Bluetooth回線の実効スループットが低下して、入力FIFOメモリ11を備えただけではリアルタイム信号の転送が追いつかないような事態を想定したものであり、より具体的には、実効スループットの低下に伴って符号化部12におけるデータ圧縮率を調整するような機構を備えている。
【0088】
Bluetooth回線における実効スループットを直接計測する手段はない。図9に示す例では、入力FIFOメモリ11における蓄積データ量に基づいて実効スループットを判断するようになっている。すなわち、蓄積データ量が大きくなるとデータ圧縮率を上げて、入力FIFOメモリ11の蓄積データ量が所定値を越えないようにしている。この結果、実効スループットが低下しても、データの喪失(音切れやコマ落ち)を回避することができるし、入力FIFOメモリ11のサイズを小さくすることができる。入力FIFOメモリ11における蓄積データ量は、より具体的には、その書き込みポインタWPと読み出しポインタRPとの差分により求まる。
【0089】
図9に示す無線送信側10−2は、図1に示したものに対して、圧縮率制御部15が追加された構成となっている。この圧縮率制御部15は、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの各アドレスを取り出すWP取出し部15A及びRP取出し部15Bと、WPとRPのアドレス値を比較するアドレス比較部15Cと、実効スループット判断部15Dと、圧縮率指定部15Eとで構成されている。
【0090】
アドレス比較部15Cは、WP取出し部15A及びRP取出し部15Bの各々から供給されるポインタ・アドレスを大小比較する。
【0091】
実効スループット判断部15Dは、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値の相違により、Bluetooth回線の実効スループットを判断する。
【0092】
図5を参照しながら既に説明したように、オーディオ信号がリアルタイムで入力されるので、書き込みポインタWPのアドレスは時間に比例してインクリメントする。これに対して、読み出しポインタRPアドレスは、Bluetooth回線の実効スループットが高い状態では速くインクリメントするが、実効スループットが低下するとRPの動きも停滞し一定となる。RPの動きが停滞する時間が長く続くと、WPとRPの差(すなわち入力FIFOメモリ11に蓄積されるデータ量)が徐々に拡大してしまい、入力FIFOメモリ11のサイズをオーバーしかねない。
【0093】
圧縮率指定部15Eは、実効スループット判断部15Dによる判断結果に基づいて符号化部12におけるデータ圧縮率を指定する。すなわち、実効スループットが低下するのに従ってより高い圧縮率を指定することにより、入力FIFOメモリ11からのデータの読み出しを速くして、その蓄積データ量を減少させる。但し、圧縮率の増大はデータの劣化というトレードオフを伴うので、実効スループットが回復すると、圧縮率を徐々に下げていく。圧縮率は、例えば400kbps〜64kbps程度で調整することができる。
【0094】
図10には、圧縮率制御部15によって符号化部12におけるデータ圧縮率を制御するための処理手順をフローチャートの形式で図解している。以下、このフローチャートに従って、圧縮率制御部15の動作について説明する。
【0095】
まず、アドレス比較部15Cにおいて、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、蓄積データ量が入力FIFOメモリ11のサイズの50%を越えたか否かをチェックする(ステップS41)。
【0096】
WPとRPの差分が入力FIFOメモリ11のサイズの50%を超える場合には、実効スループット判断部15DはBluetooth回線の実効スループットが低下していると判断する。圧縮率指定部15Eは、この判断結果に基づいて、符号化部12における圧縮率を1段階だけ高める(ステップS42)。
【0097】
但し、50%という数値は本発明の要旨とは直接関連せず、圧縮率制御のために適宜任意の閾値を設定することができる。
【0098】
次いで、アドレス比較部15Cにおいて、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、その蓄積データ量が入力FIFOメモリ11のサイズの10%を下回ったか否かをチェックする(ステップS43)。
【0099】
WPとRPの差分が入力FIFOメモリ11のサイズの10%を下回った場合には、実効スループット判断部15DはBluetooth回線の実効スループットが回復してきていると判断する。このような場合、高いデータ圧縮率を保ち続けると、データの劣化を招来するとともに回線効率の無駄が生じる。そこで、圧縮率指定部15Eは、この判断結果に基づいて、符号化部12における圧縮率を1段階だけ低める(ステップS44)。但し、圧縮率を1回当り高めたり低めたりする単位は任意である。
【0100】
そして、指定された圧縮率に従い符号化処理並びにBluetooth回線を介したデータ送信が行われた後(ステップS45)、再びステップS41に戻って、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0101】
なお、図10に示すように、圧縮率が可変のデータを無線送信する場合には、無線受信側20において圧縮データを正常に復号化伸張処理するためには、無線受信側20に対して現在のパケット・データの圧縮率を通知する仕組みが必要となる。
【0102】
無線受信側20に対して圧縮率パラメータを伝送する方法としては、データ・フレームに圧縮率パラメータを多重化する方法や、データ・チャンネルとは別のチャンネル(例えば制御チャンネル)を利用して圧縮率パラメータを伝送する方法などが挙げられる。
【0103】
この実施形態では、無線通信側10でネットワーク回線の揺らぎを考慮して送信するので、無線受信側20でスループットの判断を行う必要がなくなる。
【0104】
図11には、圧縮率パラメータが多重化されたデータ・フレームの構造を示している。同図に示す例では、データ・フレームに付加されるヘッダに、符号化部12が利用した圧縮方式を識別するためのCodec_IDと、圧縮率パラメータと、バイト数が書き込まれるようになっている。勿論、ヘッダにはその他の制御情報を含んでいてもよい。
【0105】
また、図12には、データ・チャンネルとは別のチャンネル(例えば制御チャンネル)を利用して圧縮率パラメータを伝送する場合について図解している。同図に示すように、データ・フレーム自体を伝送するデータ・チャンネルとは別に用意された制御チャンネルで伝送されるデータに、符号化部12が利用した圧縮方式を識別するためのCodec_IDと、圧縮率パラメータが書き込まれるようになっている。
【0106】
図9に示す無線送信側10−2の入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの処理動作は、基本的には、図3並びに図4を参照しながら説明した処理手順とほとんど同様である。但し、ステップS13において使用する圧縮率パラメータを無線受信側20に伝送するための処理が加わる点で相違する。
【0107】
例えば、図11に示したように、データ・フレーム中に圧縮率パラメータを多重化する場合には、ステップS14におけるパケット・バッファ13へのデータ書き込み時(すなわち送信パケット生成時)に、そのヘッダ部分に圧縮率パラメータを挿入するようにすればよい。
【0108】
また、図12に示したように、データ・チャンネルとは別の制御チャンネルを利用して圧縮率パラメータを伝送する場合には、ステップS13において使用した圧縮率パラメータを制御チャンネル用のフレームに挿入するための図示しない処理ステップを追加すればよい。
【0109】
図23には、図9に示した無線送信側10−2の変形例10−2’を模式的に図解している。同図に示す無線送信側10−2’は、図9に示した構成例10−2と同様に、実効スループットの低下に伴って符号化部12におけるデータ圧縮率を調整するための圧縮率制御部15が追加された構成となっている。
【0110】
この圧縮率制御部15は、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの各アドレスを取り出すWP取出し部15A及びRP取出し部15Bと、WPとRPのアドレス値を比較するアドレス比較部15Cと、実効スループット判断部15Dと、圧縮率指定部15Eとで構成されている。
【0111】
アドレス比較部15Cは、WP取出し部15A及びRP取出し部15Bの各々から供給されるポインタ・アドレスを大小比較する。実効スループット判断部15Dは、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値の相違により、Bluetooth回線の実効スループットを判断する。圧縮率指定部15Eは、実効スループット判断部15Dによる判断結果に基づいて符号化部12におけるデータ圧縮率を指定する。すなわち、実効スループットの低下に従ってより高い圧縮率を指定して、入力FIFOメモリ11からのデータの読み出しを速くして蓄積データ量を減少させるとともに、実効スループットが回復すると圧縮率を徐々に下げていく。圧縮率は、例えば400kbps〜64kbps程度で調整することができる。
【0112】
図23と図9の相違点は、前者の無線送信側10−2’の場合、符号化部12が入力FIFOメモリ11よりも前段に配置されている点にある。このような構成によれば、入力FIFOメモリ11には圧縮されたデータのみが蓄積されるので、圧縮前のデータが蓄積される図9の場合に比較して、メモリ・サイズを格段に小さくすることができる。
【0113】
図13には、無線送信側のさらに他の発明例10−3を模式的に図解している。同図に示す無線送信側10−3は、リアルタイム系のオーディオ信号ではなく、CDなどの記録メディアから再生されたオーディオ信号を伝送するタイプの装置である。この無線送信側10−3は、Bluetooth回線の実効スループットが低下して、入力FIFOメモリ11を備えただけではリアルタイム信号の転送が追いつかないような事態を想定したものであり、実効スループットの低下に伴ってメディア再生部におけるデータ再生速度を調整するような機構を備えている。
【0114】
Bluetooth回線における実効スループットを直接計測する手段はない。図13に示す例では、入力FIFOメモリ11における蓄積データ量に基づいて実効スループットを判断するようになっている。すなわち、蓄積データ量が大きくなるとデータ圧縮率を上げて、入力FIFOメモリ11の蓄積データ量が所定値を越えないようにしている。この結果、実効スループットが低下しても、データの喪失(音切れやコマ落ち)を回避することができるし、入力FIFOメモリ11のサイズをより小さくすることができる。入力FIFOメモリ11における蓄積データ量は、より具体的には、その書き込みポインタWPと読み出しポインタとの差分により求まる。
【0115】
図13に示す無線送信側10−3は、図1に示したものに対して、再生速度制御部16が追加された構成となっている。この再生速度制御部16は、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの各アドレスを取り出すWP取出し部16A及びRP取出し部16Bと、WPとRPのアドレス値を比較するアドレス比較部16Cと、実効スループット判断部16Dと、再生速度指定部16Eとで構成されている。但し、WP取出し部16A及びRP取出し部16Bと、アドレス比較部16Cと、実効スループット判断部16Dは、図9に示した無線送信側10−2と共用することができる。
【0116】
アドレス比較部16Cは、WP取出し部16A及びRP取出し部16Bの各々から供給されるポインタ・アドレス値を大小比較する。
【0117】
実効スループット判断部16Dは、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値の相違により、Bluetooth回線の実効スループットを判断する。
【0118】
図5を参照しながら既に説明したように、オーディオ信号がリアルタイムで入力されるので、書き込みポインタWPのアドレスは時間に比例してインクリメントする。これに対して、読み出しポインタRPのアドレスは、Bluetooth回線の実効スループットが高い状態では速くインクリメントするが、実効スループットが低下するとRPの動きも停滞し一定となる。RPの動きが停滞する時間が長く続くと、WPとRPの差(すなわち、入力FIFOメモリ11に蓄積されるデータ量)が徐々に拡大していき、入力FIFOメモリ11のサイズをオーバーしかねない。
【0119】
再生速度指定部16Eは、実効スループット判断部16Dによる判断結果に基づいてメディア再生部における記録メディアからのデータ再生速度を指定する。すなわち、実効スループットが低下するに従ってより低い再生速度を指定することにより、入力FIFOメモリ11へのデータ書き込み速度を遅くして、蓄積データ量を減少させる。但し、再生速度の低下は記録メディアからの先読みデータの減少というトレードオフを伴い、音飛び(あるいはコマ落ち)の原因となるので、実効スループットが回復すると、データ再生速度を徐々に上げていくことが好ましい。
【0120】
図14には、再生速度制御部16によってメディア再生部における記録メディアからのデータ再生速度を制御するための処理手順をフローチャートの形式で図解している。以下、このフローチャートに従って、再生速度制御部16の動作について説明する。
【0121】
まず、アドレス比較部16Cにおいて、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、蓄積データ量が入力FIFOメモリ11のサイズの50%を越えたか否かをチェックする(ステップS51)。
【0122】
WPとRPの差分が入力FIFOメモリ11のサイズの50%を超える場合には、実効スループット判断部16DはBluetooth回線の実効スループットが低下していると判断する。再生速度指定部16Eは、この判断結果に基づいて、メディア再生部におけるデータ再生速度を1段階だけ低下させる(ステップS52)。
【0123】
但し、50%という数値は本発明の要旨とは直接関連せず、適宜任意の閾値を設定することができる。
【0124】
次いで、アドレス比較部16Cにおいて、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、蓄積データ量が入力FIFOメモリ11のサイズの10%を下回ったか否かをチェックする(ステップS53)。
【0125】
WPとRPの差分が入力FIFOメモリ11のサイズの10%を下回った場合には、実効スループット判断部16DはBluetooth回線の実効スループットが回復してきていると判断する。このような場合、高いデータ圧縮率を保ち続けると、データの劣化を招来するとともに回線効率の無駄が生じる。そこで、再生速度指定部16Eは、この判断結果に基づいて、メディア再生部におけるデータ再生速度を1段階だけ上げる(ステップS54)。但し、データ再生速度を1回当り上げたり下げたりする単位は任意である。
【0126】
そして、指定されたデータ再生速度に従い記録メディアからのデータ再生並びにBluetooth回線を介したデータ送信が行われた後(ステップS55)、再びステップS51に戻って、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0127】
図13に示す無線送信側10−3の入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの処理動作は、基本的には、図3並びに図4を参照しながら説明した処理手順とほとんど同様である。但し、リアルタイム系で入力されるオーディオ信号を扱う場合とは相違し、所定のサンプル周期毎に一定量のデータが供給される訳ではなく、したがって、入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPのアドレスは時間に比例してインクリメントするとは限らない。
【0128】
図15には、無線送信側10−3の入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示している。但し、図示の例では、説明の便宜上、メディア再生速度を、標準速、2倍速、停止の間で段階的に切り替えることとした。
【0129】
同図に示すように、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPとの差分は、図5に示した場合に比して小さくなるので、再生データの書き込みミスによる音飛び(コマ落ち)などの事態を回避することができるとともに、入力FIFOメモリ11のサイズをより小さくすることができる。
【0130】
なお、上記では、無線送信側10の変形例として、図9並びに図13に示す2例を個別に紹介したが、圧縮率制御部15と再生速度制御部16の双方を装備するように無線送信装置を構成してもよい。このような場合、データ圧縮率とデータ再生速度の双方を調整することによって、Bluetooth回線における実効スループットの変動に対応することができる。また、WP取出し部と、RP取出し部と、アドレス比較部と、実効スループット判断部を、圧縮率制御部15と再生速度制御部16の間で共用することによって、装置構成を簡素化することができる。
【0131】
図16には、無線受信側の他の発明例20−2を模式的に図解している。同図に示す無線受信側20−2は、リアルタイム系のオーディオ信号出力を行うのではなく、MDやCD−Rなどの記録メディアにオーディオ信号を記録するタイプの装置である。無線受信側20−2では、Bluetooth回線の実効スループットが低下して、出力FIFOメモリ24を備えただけではデータ記録動作に対してデータ受信が追いつかないような事態を想定したものであり、実効スループットの低下に伴ってメディア記録部におけるデータ記録速度を調整するような機構を備えている。
【0132】
Bluetooth回線における実効スループットを直接計測する手段はない。図16に示す例では、出力FIFOメモリ24における蓄積データ量に基づいて実効スループットを判断するようになっている。すなわち、蓄積データ量が大きくなるとデータ記録速度を上げて、出力FIFOメモリ24の蓄積データ量が所定値を越えないようにしている。この結果、実効スループットが低下しても、データの喪失を回避することができるし、出力FIFOメモリ24のサイズをより小さくすることができる。出力FIFOメモリ24における蓄積データ量は、より具体的には、スループットは、その書き込みポインタWPと読み出しポインタとの差分により求まる。無線受信側20−2が受信データをメディアに記録する機能を備えている場合には、無線送信側10とのネットワーク回線の揺らぎに応じて記録速度制御しなければならないため、スループットの判断が必要である。
【0133】
図16に示す無線受信側20−2は、図1に示したものに対して、記録速度制御部25が追加された構成となっている。この記録速度制御部25は、出力FIFOメモリ24の書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの各アドレスを取り出すWP取出し部25A及びRP取出し部25Bと、WPとRPのアドレス値を比較するアドレス比較部25Cと、実効スループット判断部25Dと、記録速度指定部25Eとで構成されている。
【0134】
アドレス比較部25Cは、WP取出し部25A及びRP取出し部25Bの各々から供給されるポインタ・アドレス値を大小比較する。
【0135】
実効スループット判断部25Dは、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値の相違により、Bluetooth回線の実効スループットを判断する。
【0136】
記録速度指定部25Eは、実効スループット判断部25Dによる判断結果に基づいてメディア記録部における記録メディアへのデータ記録速度を指定する。すなわち、実効スループットが回復するに従ってより高い記録速度を指定することにより、出力FIFOメモリ11からのデータ読み出し速度を速くして、蓄積データ量を減少させる。
【0137】
図17には、記録速度制御部25によってメディア記録部における記録メディアのデータ記録速度を制御するための処理手順をフローチャートの形式で図解している。以下、このフローチャートに従って、記録速度制御部25の動作について説明する。
【0138】
まず、アドレス比較部25Cにおいて、出力FIFOメモリ24の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、蓄積データ量が出力FIFOメモリ24のサイズの50%を越えたか否かをチェックする(ステップS61)。
【0139】
WPとRPの差分が出力FIFOメモリ11のサイズの50%を超える場合には、実効スループット判断部25DはBluetooth回線の実効スループットが向上していると判断する。記録速度指定部25Eは、この判断結果に基づいて、メディア記録部におけるデータ記録速度を1段階だけ低下させる(ステップS62)。
【0140】
但し、50%という数値は本発明の要旨とは直接関連せず、適宜任意の閾値を設定することができる。
【0141】
次いで、アドレス比較部25Cにおいて、出力FIFOメモリ24の書き込みポインタWPと読み出しポインタRPのアドレス値を比較して、蓄積データ量が出力FIFOメモリ24のサイズの10%を下回ったか否かをチェックする(ステップS63)。
【0142】
WPとRPの差分が出力FIFOメモリ24のサイズの10%を下回った場合には、実効スループット判断部25DはBluetooth回線の実効スループットが低下してきていると判断する。このような場合、高いデータ記録を保ち続けていても意味がない。そこで、記録速度指定部25Eは、この判断結果に基づいて、メディア記録部におけるデータ記録速度を1段階だけ上げる(ステップS64)。但し、データ記録速度を1回当りで上げたり下げたりする単位は任意である。
【0143】
そして、指定されたデータ記録速度に従い記録メディアへのデータ書き込みが行われた後(ステップS65)、再びステップS61に戻って、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0144】
図16に示す無線受信側20−2の出力FIFOメモリ24における書き込みポインタWP及び読み出しポインタRPの処理動作は、基本的には、図6並びに図7を参照しながら説明した処理手順とほとんど同様である。但し、リアルタイム系で入力されるオーディオ信号を扱う場合とは相違し、所定のサンプル周期毎に一定量のデータが読み出される訳ではなく、したがって、出力FIFOメモリ25の読み出しポインタRPのアドレスは時間に比例してインクリメントするとは限らない。
【0145】
図18には、無線受信側20−2の出力FIFOメモリ24における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示している。但し、図示の例では、説明の便宜上、メディア記録速度を、標準速、2倍速、停止の間で段階的に切り替えることとした。
【0146】
同図に示すように、書き込みポインタWPと読み出しポインタRPとの差分は、図8に示した場合に比して小さくなるので、受信データの記録ミスなどの事態を回避することができるとともに、出力FIFOメモリ24のサイズをより小さくすることができる。
【0147】
図19には、無線受信側のさらに他の発明例20−3を模式的に図解している。同図に示す無線受信側20−3は、図1に示すものとは相違し、出力FIFOメモリ26が復号化部23よりも前段に配置されている。このような構成によれば、出力FIFOメモリ26には圧縮されたデータのみが蓄積されるので、復号化後のデータを蓄積する図1の場合に比較して、メモリ・サイズを格段に小さくすることができる。このような構成による場合、復号化部23の後段にデータ・バッファ27をさらに配設する必要があるが、出力FIFOメモリ26とデータ・バッファ27を合わせても、そのメモリ・サイズは図1に示した出力FIFOメモリ24のそれよりも小さくすることができる。
【0148】
図20には、出力FIFOメモリ26の書き込みポインタWPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。また、図21には、出力FIFOメモリ26の読み出しポインタRPを制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、図20及び図21を参照しながら、出力FIFOメモリ26の動作特性について説明する。
【0149】
出力FIFOメモリ26の入力側では、パケット・バッファ22が満杯か否かをチェックする(ステップS71)。パケット・バッファ22が満杯か否かは、Bluetooth回線の実効スループットに依存する。
【0150】
パケット・バッファ22が満杯であれば、バッファリングされた1パケット分のデータ・フレームを出力FIFOメモリ26に送って書き込むとともに(ステップS72)、その書き込みポインタWPのアドレス値を書き込んだデータ・フレーム相当分Mだけインクリメントする(ステップS73)。そして、ステップS71に復帰して、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0151】
他方、出力FIFOメモリ26の出力側では、前フレームの出力(例えばオーディオ出力や記録メディアへの記録)が完了しているか否かをチェックする(ステップS81)。
【0152】
前フレームの出力が完了している場合には、出力FIFOメモリ26から1音声フレーム分のデータを読み出して、後段の復号化部23に送り(ステップS82)、復号化伸張処理を実行する(ステップS83)。
【0153】
復号化フレームは、後段のデータ・バッファに一時格納される(ステップS84)。
【0154】
そして、出力FIFOメモリ26の読み出しポインタRPのアドレス値を読み出したデータ相当分だけインクリメントしてから、ステップS81に復帰して、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0155】
復号化データをオーディオ出力する場合には、サンプル周期毎にデータ・バッファ27から1サンプル分のデータを読み出して、D/A変換器に送るようにすればよい。
【0156】
図22には、本実施形態に係る無線送受信システム1における実効スループットの変動に伴う挙動をタイムチャートの形式で図解している。
【0157】
図22(A)には、Bluetooth回線の変動をモデル化して示している。同図では、500kbpsの信号を伝送する場合について例示している。同図中で、*1で示すタイミングでは、比較的軽い回線品質劣化が生じ、また、*2で示すタイミングでは、比較的重度の回線品質劣化が生じているものとする。なお、無線送信側10における音源再生スタート後から0.5秒間は、無線受信側20では音声を出力せず、出力FIFOメモリ24にデータ蓄積のみを行うものとする。
【0158】
図22の(B)、(C)、(D)にはそれぞれ無線送信側10の入力FIFOメモリ11のデータ蓄積量、無線受信側20の出力FIFOメモリ24のデータ蓄積量、出力音声のオン/オフの時間的変化を示している。
【0159】
無線送信側10が音源再生をスタートしてから0.5秒間は出力音を出さず、バッファすなわち出力FIFOメモリ24にデータ蓄積が行われる。すなわち、定常状態では、送信メモリは空であるが、一方、受信メモリは満杯状態となっている。
【0160】
*1で示すタイミングでは、比較的軽い回線品質劣化が生じた結果として、無線送信側10ではスループット不足分が送信メモリとしての入力FIFOメモリ11に蓄積され、他方、無線受信側20では受信メモリとしての出力FIFOメモリ24に蓄積されたデータで補うことによって出力音が途切れることなく再生される。
【0161】
また、*2で示すタイミングでは、比較的重度の回線品質劣化が生じた結果として、無線送信10側では入力FIFOメモリ11がオーバーフローしてしまい、無線受信側20では出力FIFOメモリ24に空(Empty)になった後に音切れが発生する。
【0162】
図22において、*2で示すタイミング期間中で破線で示す部分は、圧縮率制御部15が作動した場合の動作特性を示している。
【0163】
この場合、無線送信側10で入力FIFOメモリ11のデータ蓄積量がメモリ・サイズの50%を超える度に符号化部12におけるデータ圧縮率を段階的に上げるようになっている(すなわち、データ・レートを下げるようになっている)。また、入力FIFOメモリ11のデータ蓄積量がメモリ・サイズの10%を下回る度にデータ圧縮率を段階的に下げるようになっている。
【0164】
なお、圧縮率の切り替えは、例えば符号化処理のフレーム周期毎に行うようにしてもよい。但し、これに限らず、任意の時間的間隔で圧縮率の切り替えを適応的に制御するようにしてもよい。
【0165】
圧縮率制御部15により、実効スループットの変動に伴ってデータ圧縮率を動的に変更することによって(図10を参照のこと)、図22(B)に示すように入力FIFOメモリ11がオーバーフローする以前にデータ・レートを下げることが可能となる。この結果、図22(C)に示すように、出力FIFOメモリ25が空になる事態は回避されるとともに、図22(D)に示すように出力音が途切れることも回避される。
【0166】
また、圧縮率制御部15の動作によって、実効スループットに応じて可能な最大データ・レートを使用することができるので、高音質のデータ伝送を実現することができる。
【0167】
入力FIFOメモリ11は、符号化部12の前段に配置することが好ましい。何故ならば、データ圧縮率の切り替えを即座に反映させることができるからである。これに対し、出力FIFOメモリ24は、図16を参照しながら既に説明したように、復号化部23の前後いずれに配置することができ、復号化部23の前段に配置することによって、出力FIFOメモリ24のサイズを節約することができる。
【0168】
入力信号源がリアルタイム系ではなく記録メディア系であり、且つ、可変速再生ができる場合には、入力FIFOメモリ11のサイズを小さくしあるいは省略することができる。その場合、圧縮率制御部15におけるデータ圧縮率の判断は、メディア再生速度が標準よりも遅く制御されたときにデータ圧縮率を大きくするように制御し、標準よりも早く制御されたときには圧縮率を小さくするように制御すればよい。
【0169】
なお、図22に示すタイムチャートにおいて、*2に示すタイミング期間における音切れ回避の効果は、圧縮率制御部15ではなく再生速度制御部16を用いた場合や、圧縮率制御部15と再生速度制御部16の双方を用いた場合であっても、同様に実現することができる。
【0170】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0171】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、音声や画像などのリアルタイム信号を、そのデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することができる。
【0172】
また、本発明によれば、BluetoothのACLリンクのように実効スループットが変動する(すなわち保証されない)無線伝送系において、音声や画像などのリアルタイム信号をデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することにある。
【0173】
また、本発明によれば、BluetoothのACLリンクのように実効スループットが変動する伝送系において、伝送期間中にデータ圧縮率を動的に変更することによって音声や画像などのリアルタイム信号をデータ品質を保ちながら伝送することができる、優れた無線送信装置、無線受信装置、並びに無線送受信システムを提供することにある。
【0174】
本発明に係る無線送受信システムによれば、回線のスループットが低下しても、音切れやコマ落ちなどを発生することなくリアルタイム系のデータを確実に伝送することができる。また、回線の実効スループットに応じて高音質又は高画質の信号を伝送することができる。
【0175】
本発明に係る無線送受信システムでは、回線の実効スループットが低下したときに、送信側における簡単な圧縮率制御により、音切れやコマ落ちなどのリアルタイム系信号の喪失を防止することができる。
【0176】
また、本発明に係る無線送受信システムによれば、送信側及び受信側の各々において伝送データを一時蓄積するメモリのサイズを小さくすることができる。また、回線の瞬断にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に供される無線送受信システム1の構成を模式的に示した図である。
【図2】 Bluetooth回線におけるプロトコル・スタック構造を模式的に示した図である。
【図3】 入力FIFOメモリ11の書き込みポインタWPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図4】 入力FIFOメモリ11の読み出しポインタRPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図5】 入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示した図である。
【図6】 出力FIFOメモリ23の書き込みポインタWPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図7】 出力FIFOメモリ23の読み出しポインタRPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図8】 出力FIFOメモリ23における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を例示した図である。
【図9】 無線送信側の他の構成例10−2を模式的に示した図である。
【図10】 圧縮率制御部15によって符号化部12におけるデータ圧縮率を制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図11】 圧縮率パラメータが多重化されたデータ・フレームの構造を示した図である。
【図12】 データ・チャンネルとは別のチャンネル(例えば制御チャンネル)を利用して圧縮率パラメータを伝送する方法を示した図である。
【図13】 無線送信側のさらに他の構成例10−3を模式的に示した図である。
【図14】 再生速度制御部16によってメディア再生部における記録メディアからのデータ再生速度を制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図15】 無線送信側10−3の入力FIFOメモリ11における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を示した図である。
【図16】 無線受信側の他の構成例20−2を模式的に示した図である。
【図17】 記録速度制御部25によってメディア記録部における記録メディアのデータ記録速度を制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図18】 無線受信側20−2の出力FIFOメモリ24における書き込みポインタWPと読み出しポインタRPが変動する様子を示した図である。
【図19】 無線受信側のさらに他の構成例20−3を模式的に示した図である。
【図20】 無線受信側20−3における出力FIFOメモリ26の書き込みポインタWPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図21】 無線受信側20−3における入力FIFOメモリ26の読み出しポインタWPを制御するための処理手順を示したフローチャートである。
【図22】 本実施形態に係る無線送受信システム1における実効スループットの変動に伴う挙動を示したタイムチャートである。
【図23】 図9に示した無線送信側10−2の変形例10−2’を示した図である。

Claims (13)

  1. 無線回線経由でデータを送信する無線送信装置であって、
    伝送データを入力するデータ入力手段と、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断手段と、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ入力手段におけるデータ入力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ入力手段におけるデータ入力速度を高めていく入力速度制御手段と、
    入力された伝送データを一時格納する入力データ格納手段と、
    前記入力データ格納手段に一時格納されている伝送データを前記無線回線経由で送信するデータ送信手段と、
    を具備することを特徴とする無線送信装置。
  2. 伝送データを圧縮するデータ圧縮手段と、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ圧縮手段におけるデータ圧縮率を高め、スループットの回復とともに前記データ圧縮手段におけるデータ圧縮率を低めていく圧縮率制御手段と、
    をさらに備え、
    前記データ送信手段は、圧縮された伝送データを前記無線回線経由で送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
  3. 前記入力データ格納手段は先入れ先出し形式のメモリで構成され、
    前記スループット判断手段は、前記入力データ格納手段のデータ書き込み場所とデータ読み出し場所の差に従ってスループットを判断する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線送信装置。
  4. 前記データ送信手段は、再送要求に応じるベスト・エフォット型のパケット伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
  5. 前記データ入力手段は、所定の記録媒体から再生した伝送データを入力し、
    前記入力速度制御部は、該記録媒体からのデータ再生速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
  6. 無線回線経由でデータを送信する無線送信方法であって、
    伝送データを入力するデータ入力ステップと、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断ステップと、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ入力ステップにおけるデータ入力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ入力ステップにおけるデータ入力速度を高めていく入力速度制御ステップと、
    入力された伝送データを一時格納する入力データ格納ステップと、
    前記入力データ格納ステップで一時格納されている伝送データを前記無線回線経由で送信するデータ送信ステップと、
    を有することを特徴とする無線送信方法。
  7. 無線回線経由でデータを受信する無線受信装置であって、
    データを前記無線回線経由で受信するデータ受信手段と、
    受信データを一時格納する出力データ格納手段と、
    前記出力データ格納手段から受信データを取り出してデータ出力するデータ出力手段と、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断手段と、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ出力手段におけるデータ出力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ出力手段におけるデータ出力速度を高めていく出力速度制御手段と、
    を具備することを特徴とする無線受信装置。
  8. 前記出力データ格納手段は先入れ先出し形式のメモリで構成され、
    前記スループット判断手段は、前記出力データ格納手段のデータ書き込み場所とデータ読み出し場所の差に従ってスループットを判断する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線受信装置。
  9. 前記データ受信手段は、パケット受信エラーの発生に応答して再送要求を行うベスト・エフォット型のパケット伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線受信装置。
  10. 前記データ出力手段は、前記出力データ格納手段から取り出したデータを所定の記録媒体への記録を行い、
    前記出力速度制御手段は、該記録媒体へのデータ記録速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線受信装置。
  11. 無線回線経由でデータを受信する無線受信方法であって、
    データを前記無線回線経由で受信するデータ受信ステップと、
    受信データを一時格納する出力データ格納ステップと、
    前記出力データ格納ステップで一時格納した受信データを出力するデータ出力ステップと、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断ステップと、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ出力ステップにおけるデータ出力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ出力ステップにおけるデータ出力速度を高めていく出力速度制御ステップと、
    を有することを特徴とする無線受信方法。
  12. 無線回線経由でデータを送信するための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    伝送データを入力するデータ入力手段、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断手段、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ入力手段におけるデータ入力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ入力手段におけるデータ入力速度を高めていく入力速度制御手段、
    入力された伝送データを一時格納する入力データ格納手段、
    前記入力データ格納手段に一時格納されている伝送データを前記無線回線経由で送信するデータ送信手段、
    として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
  13. 無線回線経由でデータを受信するための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    データを前記無線回線経由で受信するデータ受信手段、
    受信データを一時格納する出力データ格納手段、
    前記出力データ格納手段から受信データを取り出してデータ出力するデータ出力手段、
    前記無線回線におけるスループットを判断するスループット判断手段、
    該判断されたスループットに基づいて、スループットの低下とともに前記データ出力手段におけるデータ出力速度を低め、スループットの回復とともに前記データ出力手段における出力速度制御手段、
    として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
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