以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態に係るインターロック制御回路の基本的構成を説明する。
図1A〜Iは、本発明の実施の形態に係るインターロック制御装置の概略構成を示すブロック図であり、図1Aはインターロック制御装置全体の概略構成を示すブロック図であり、図1B〜Iはインターロック制御装置の概略構成を示す部分拡大図である。以下の説明においては、インターロック制御装置は、複数の処理を実行する処理装置における各機能毎の機器グループを制御する制御モジュールA,B,C間においてインターロック制御を実行するものとする。
図1Aに示すように、インターロック制御装置1は、制御モジュールA,B,Cに夫々対応するスレーブスイッチ装置100,200,300と、スレーブスイッチ装置100,200,300と接続するマスタスイッチ装置400とを備える。スレーブスイッチ装置100,200,300はケーブル配線180,280,380を介してマスタスイッチ装置400に夫々通信可能に接続されている。
スレーブスイッチ装置100は、図1B,Cに示すように、信号変換装置101,102,103と、多重化装置110と、メモリ120と、書き込みアドレス制御装置121と、読み出しアドレス制御装置124と、分離装置130と、復号化装置141,142と、安全化装置(分離信号監視装置)151,155と、インターロック制御部161,162とを備える。インターロック制御部161,162は、制御モジュールAが制御する機器であるインターロック実行先510A,520Aに対してインターロック指令を送信して、インターロック実行先510A,520Aにインターロック制御を実行する。
スレーブスイッチ装置100において、信号変換装置101,102,103は、対応する制御モジュールAの機能に関連する所定の状態を夫々検知する状態検知装置501A,502A,503Aに夫々接続されている。状態検知装置501A,502A,503Aは、処理装置における所定の機器の状態又は所定のパラメータの状態を示す状態検知信号を送信するセンサ又は機器であり、検知対象の状態に応じてHighレベル信号又はLowレベル信号を出力する。状態検知信号は、後述するようにインターロック制御装置1においてインターロック制御を実行するための要因となるので、状態検知装置501Aが送信する状態検知信号をインターロック要因信号A、状態検知装置502Aが送信する状態検知信号をインターロック要因信号B、状態検知装置503Aが送信する状態検知信号をインターロック要因信号Cとも称呼する。尚、インターロック要因信号A,B,Cは、状態検知装置501A,502A,503Aが検知した状態を示すON/OFF信号(Highレベル/Lowレベル信号)である。
信号変換装置101は、状態検知装置501Aからのインターロック要因信号AをA/D変換してデジタル信号に変換する。同様に、信号変換装置102,103は、状態検知装置502A,503Aからのインターロック要因信号B,CをA/D変換してデジタル信号に変換する。
多重化装置110は、予め設定されたパルス幅のフレームパルス信号を生成するフレームパルス信号生成部111と、後述するエラー監視データを生成するエラー監視データ生成部112と、信号を多重化する多重化部113とを備える。フレームパルス信号は、後述するように多重化装置110等の生成する多重化信号の1フレームの長さ(時間的長さ)を規定するための信号である。多重化装置110は、信号変換装置101,102,103に接続されていると共に、後述する安全化装置170とケーブル配線180とを介してマスタスイッチ装置400に接続されており、デジタル化されたインターロック要因信号A,B,C及び後述するマスタスイッチ装置400から伝送される信号を後述するように予め設定された順番で多重化して多重化信号を生成する。フレームパルス信号生成部111は、生成するフレームパルス信号のパルス幅を変更可能に構成されている。
メモリ120は、データの書き込み及び読み出しが可能なメモリであり、書き込みアドレス制御装置121の制御に従って多重化信号を記憶し、また、読み出しアドレス制御装置124の制御に従って多重化信号を読み出す。書き込みアドレス制御装置121は、書き込みアドレス制御部122と、書き込みアドレス設定メモリ123とを備え、読み出しアドレス制御装置124は、読み出しアドレス制御部125と、読み出しアドレス設定メモリ126とを備える。
書き込みアドレス設定メモリ123は、書き込みアドレス設定データを備える。書き込みアドレス設定データには、多重化信号を構成する各データ(以下、要素データと称する)とそれらを書き込む順番及び書き込み先のメモリ120内のアドレスとの関係が設定されている。書き込みアドレス設定メモリ123の書き込みアドレス設定データは変更可能であり、任意の書き込みアドレスが設定可能になっている。
書き込みアドレス制御部122は、多重化信号の各要素データを書き込みアドレス設定データによって指定された書き込み先アドレスに書き込むようにメモリ120を制御する。このように、多重化装置110において生成された多重化信号は、書き込みアドレス設定データに従ってメモリ120内の所定のアドレスに記憶される。
読み出しアドレス設定メモリ126は、読み出しアドレス設定データを備える。読み出しアドレス設定データには、メモリ120から読み出すデータの順番が設定されている。即ち、読み出しアドレス設定データには、メモリ120から読み出すデータとこれらのデータを読み出す順番、及びこれらのデータに対応したメモリ120のアドレスとの関係が設定されている。読み出しアドレス設定メモリ126の読み出しアドレス設定データは変更可能であり、任意の読み出しの順番が設定可能になっている。
読み出しアドレス制御部125は、読み出しアドレス設定データに指定された順番に要素データをメモリ120から読み出すようにメモリ120を制御する。メモリ120は、読み出しアドレス制御部125の制御に従って、読み出しアドレス設定データに設定された順番に要素データを読み出し、読み出した各要素データを読み出した順番に多重化する。尚、書き込みアドレス設定メモリの設定に基づいて、読み出しアドレス設定メモリの読み出しアドレスを設定することができる。
分離装置130は、メモリ120によって読み出された多重化信号を分離して各出力先に振り分けて振り分けられた信号を多重化し、出力先毎に対応する分離信号を生成する。図1Bにおいては、出力先としての復号化装置141、復号化装置142、及び伝送装置143が、分離装置130の第1出力端子131、第2出力端子132、及び第3出力端子133に夫々接続されているので、受信した多重化信号を復号化装置141、復号化装置142、及び伝送装置143に対応して分離して3つのグループに振り分け、各グループの信号を多重化し、3つの出力先に夫々対応した3つの分離化信号を生成する。
復号化装置141と、分離装置130との間には安全化装置151が設けられており、安全化装置151は、エラー監視部152と、信号生成部153と、選択部154とから構成されている。安全化装置151において、エラー監視部152は、分離装置130から出力される分離信号を監視して分離信号にエラーが発生しているか否かを判別し、エラーが発生している場合は信号生成部153にエラー信号を送信すると共に選択部154に切換信号を送信する。信号生成部153は、エラー監視部152からエラー信号を受信すると、この分離信号が送信される機器(図1Bにおいてはインターロック実行先510A)を安全側に駆動するための信号(以下、安全駆動信号と称する)を生成して選択部154に送信する。選択部154は、分離装置130から受信した分離信号と信号生成部153から受信した安全駆動信号のいずれの信号を復号化装置141に送信するかを選択する。具体的には、エラー監視部152から切換信号を受信した場合、つまり受信した分離信号にエラーがある場合は復号化装置141に安全駆動信号を送信し、エラー監視部152から切換信号を受信しない場合、つまり受信した分離信号にエラーがない場合は、分離信号をそのまま復号化装置141に送信する。
復号化装置141は、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化してインターロック要因信号に分離する。
インターロック制御部161は、復号化装置141で復号化された各インターロック要因信号を解析し、解析結果に応じたインターロック指令を接続されたインターロック実行先510Aに送信する。インターロック指令を受信したインターロック実行先510Aは、受信したインターロック指令に応じて動作する。尚、送信するインターロック指令は、インターロック要因信号の状態(ON又はOFF)に対応して予め設定されており、また、任意の指令に変更可能である。従って、インターロック実行先の制御方法は、受信するインターロック要因信号の内容に応じて任意に設定可能となっている。
伝送装置143は、分離装置130から受信した分離信号をケーブル配線180を介してマスタスイッチ装置400に伝送する。
スレーブスイッチ装置100において、復号化装置142、安全化装置155、及びインターロック制御部162は、上述の復号化装置141、安全化装置151、及びインターロック制御部161と同様に構成されている。安全化装置170は、上述の安全化装置151と同様に構成されている。従って、各構成要素の詳細な説明は省略する。
また、スレーブスイッチ装置100は、メモリ120に書き込まれる多重化信号及びメモリ120から読み出された多重化信号を蓄積するデータ蓄積部181を備え、データ蓄積部181には、パーソナルコンピュータ等のモニタ端末を接続可能にするインタフェース(I/F)182が接続されている。また、I/F182には、書き込みアドレス設定メモリ123の書き込みアドレス設定データ、及び読み出しアドレス設定メモリ126の読み出しアドレス設定データを変更可能にするメモリ書き込み制御部183が接続されている。この構成により、ユーザは、モニタ端末をI/F182に接続することにより、蓄積された多重化信号をモニタ端末において観察することができる。つまり蓄積されたインターロック要因信号を、即ち現在又は過去の種々の装置状態を観察することができ、装置に障害が発生した場合には原因の解析などを容易に行うことができる。また、ユーザは、モニタ端末によって、設定されている書き込みアドレス設定データ及び読み出しアドレス設定データを確認、変更することができる。
また、スレーブスイッチ回路100は、所定の周波数のクロック信号を生成するクロック信号生成装置184を備える。
制御モジュールBに対応するスレーブスイッチ装置200及び制御モジュールCに対応するスレーブスイッチ装置300は上記スレーブスイッチ装置100と同様に構成されているためその説明は省略する(図1D〜G参照)。
マルチスイッチ装置400は、図1H,Iに示すように、ケーブル配線180,280,380を介してスレーブスイッチ装置100,200,300の伝送装置143,243,343に夫々接続された安全化装置410,420,430を備える。安全化装置410はスレーブスイッチ装置100の安全化装置151と同様の構成をしており、伝送装置143から伝送される分離信号にエラーが生じているか否かをエラー監視部411において判別して、エラーが発生している場合は、信号生成部412において分離信号に対応するインターロック要因信号が安全側になるような信号(安全駆動信号)を生成して選択部413から出力し、エラーが発生していない場合は、分離信号をそのまま選択部413から出力する。安全化装置420,430も安全化装置410と同様に構成されているので説明を省略する。
また、マスタスイッチ装置400は、安全化装置410,420,430に接続された多重化装置440と、メモリ450と、書き込みアドレス制御装置451と、読み出しアドレス制御装置454と、分離装置460と、データ蓄積部471、I/F472、メモリ書き込み制御部473、及びクロック信号発生装置474とを備える。分離化装置460は、ケーブル配線180,280,380及び安全化装置170,270,370を介してスレーブスイッチ装置100,200,300の多重化装置110,210,310に夫々接続されている。
マスタスイッチ400の多重化装置440、メモリ450、書き込みアドレス制御装置451、読み出しアドレス制御装置454、分離装置460、データ蓄積部471、I/F472、メモリ書き込み制御部473、及びクロック信号発生装置474は、上述のスレーブスイッチ装置100の多重化装置110、メモリ120、書き込みアドレス制御装置121、読み出しアドレス制御装置124、分離装置130、データ蓄積部181、I/F182、メモリ書き込み制御部183、及びクロック信号発生装置184と同様に構成されているので詳細な説明は省略する。
次いで、インターロック制御装置1の動作について説明する。
図2A,Bは、インターロック制御装置1の基本的動作を説明するための図であり、図2A(A)〜(E)及び図2B(F)〜(H)は図1B,CのA、B,C,D,E,F1〜F3点において伝送されるデータを例示する図である。
まず、インターロック制御装置1の動作の概略を説明する。制御モジュールAに対応するスレーブスイッチング装置100において、インターロック制御部161は状態検知装置501A,502Aの検知結果、即ちインターロック要因信号A,Bの示す値に応じてインターロック実行先510Aをインターロック制御する。また、インターロック制御部162は状態検知装置501A,502A,503A、及び状態検知装置501B,502Bの検知結果、即ちインターロック要因信号A,B,C,D,Eの示す値に応じてインターロック実行先520Aをインターロック制御する。
制御モジュールBに対応するスレーブスイッチング装置200において、インターロック制御部261は状態検知装置503A,501B,503Bの検知結果、即ちインターロック要因信号C,D,Fの示す値に応じてインターロック実行先510Bをインターロック制御する。また、インターロック制御部262は状態検知装置503A,501B,502B,503Bの検知結果、即ちインターロック要因信号C,D,E,Fの示す値に応じてインターロック実行先520Bをインターロック制御する。
制御モジュールCに対応するスレーブスイッチング装置300において、インターロック制御部361は状態検知装置503A,501C,502Cの検知結果、即ちインターロック要因信号C,G,Hの示す値に応じてインターロック実行先510Cをインターロック制御する。また、インターロック制御部362は状態検知装置503A,501C,502C,503Cの検知結果、即ちインターロック要因信号C,G,H,Jの示す値に応じてインターロック実行先520Cをインターロック制御する。
上述の関係から、マスタスイッチ装置400は、ケーブル配線180を介してインターロック要因信号D,Eを含む多重化信号をスレーブスイッチ装置100に送信し、ケーブル配線280を介してインターロック要因信号Cを含む多重化信号をスレーブスイッチ装置200に送信し、ケーブル配線380を介してインターロック要因信号Cを含む多重化信号をスレーブスイッチ装置300に送信する。また、各スレーブスイッチ装置100,200,300から、これらに対応する制御モジュールA,B,Cの機能に関する状態検知信号がマスタスイッチ装置400に伝送される。つまり、スレーブスイッチ装置100の伝送装置143からインターロック要因信号A,B,Cが、スレーブスイッチ装置200の伝送装置243からインターロック要因信号D,E,Fが、スレーブスイッチ装置300の伝送装置343からインターロック要因信号G,H,Jが伝送される。
次いで、インターロック制御装置1の動作について詳細に説明する。
まず、スレーブスイッチ装置100の動作について説明する。
信号変換装置101,102,103は、状態検知装置501A,502A,503Aからインターロック要因信号A,B,Cを夫々受信する。インターロック要因信号A,B,Cは、図2A(A)に示すように、インターロック要因A,B,Cの内容をHighレベル信号(例えば、+24V)又はLowレベル信号(例えば、0V)のON/OFF信号で示す信号であり、状態検知装置501A,502A,503Aが検知した状態に応じてON信号又はOFF信号を出力するように構成されている。信号変換装置101,102,103は、インターロック要因信号A,B,CをA/D変換してデジタル変換し、図2A(B)に示すようにON/OFFのデジタル信号を生成する。
安全化装置170は、後述するようにマスタスイッチ装置400からのインターロック要因信号D,Eを含む多重化信号を受信し、エラー監視等を行って多重化信号を多重化装置110に出力する。安全化装置170における動作の詳細な説明は後述する。安全化装置170がマスタスイッチ装置400から受信する伝送データには、多重化信号、所定周期のクロック信号、及び多重化信号の1つのフレーム長を規定するためのフレームパルス信号が含まれる(図2A(C)参照)。多重化信号には、後述するエラー監視データと、所定のインターロック要因信号(D,E)とが含まれている。
次いで、多重化装置110は、フレームパルス生成部111においてクロック信号生成部184からのクロック信号に基づいて、予め設定されたパルス幅のフレームパルス信号を生成し、エラー監視データ生成部112においてエラー監視データを生成し、多重化部112においてエラー監視データと、信号変換装置101,102,103からのインターロック要因信号A,B,Cと、マスタスイッチ装置400からのインターロック要因信号D,Eとを予め設定された順番で多重化する。
エラー監視データ生成部111において生成されるエラー監視データは、予め設定されたデータであり、具体的には、図3に示すように、1,0,1,0、1,0,1,0の55のデジタルデータと、0,1,0,1、0,1,0,1のAAのデジタルデータとからなる。エラー監視データ生成部112は、エラー監視データとして55のデジタルデータとAAのデジタルデータとを交互に生成する。このエラー監視データにより、後述するようにエラー監視部152等において多重化信号のエラー監視を行うことができる。尚、エラー監視データは上述のものに限らない。
多重化部113は、エラー監視データに次いで受信したインターロック要因信号をアルファベット順に多重化して多重化信号を生成する。多重下部113は、生成する1フレームの多重化信号の長さがフレーム信号生成部111からのフレームパルス信号の1パルス周期に対応する長となるように多重化信号を生成する(図2A(D)参照)。エラー監視データと受信したインターロック要因信号とを多重化した多重化信号がこのフレームパルス信号よって規定されるフレーム長より短い場合は、多重化部113は所定数のブランク信号Xを多重化し、生成する多重化信号の長さをこのフレーム長にする。尚、ブランク信号Xは、インターロック制御において意味をなさない所定の信号であり、例えば、0又は1の1ビットの信号である。また、1フレームの多重化信号に付与されるエラー監視データには、上述のように55のデジタルデータとAAのデジタルデータとが交互に使用される。
上述のように多重化部113において生成される多重化信号は、図2A(D)に示すように、エラー監視データ、インターロック要因信号A,B,C,D,E、及び所定数のブランク信号がこの順番で多重化された信号となる。
フレームパルス信号生成部111において、生成するフレームパルス信号のパルス幅は変更可能となっている。このように、多重化装置110に送信されるインターロック要因信号の種類に応じて出力する多重化信号の1フレームの長が変更可能になっている。
次いで、多重化装置110は、クロック信号と、フレームパルス信号生成部111において生成したフレームパルス信号と、多重化部113で生成した多重化信号とを1つの伝送データとして出力する(図2A(D)参照)。
多重化装置110で多重化された多重化信号は、書き込みアドレス制御装置121の制御に従ってメモリ120に記憶される。書き込みアドレス設定メモリ123の書き込みアドレス設定データには、多重化信号の要素データが先頭から順番にメモリ120の所定のアドレスに書き込まれるように多重化信号の要素データの順番と書き込み先アドレスとの関係が設定されており、メモリ120は、書き込みアドレス制御部122に制御されて書き込みアドレス設定データに従って多重化信号の各要素データを先頭から所定のアドレスに書き込む。具体的には、メモリ120は、多重化信号の先頭の要素データであるエラー監視データをメモリ120の所定のアドレス、例えば、番号が最も若いアドレスに書き込み、2番目の要素データであるインターロック要因信号Aを次のアドレスに、3番目の要素データであるインターロック要因信号Bをその次のアドレスに、4番目の要素データであるインターロック要因信号Cをその次のアドレスに、と順番に1フレームの多重化信号の最後の要素データまで書き込む。
メモリ120に書き込まれた多重化信号は、次いで、読み出しアドレス制御装置124の制御に従ってメモリ120から読み出される。読み出しアドレス設定メモリ126の読み出しアドレス設定データには、まず分離装置130から出力すべき分離信号(多重化信号)の数mだけ(スレーブスイッチ装置100においてはm=3)エラー監視信号を読み出し、次いで、分離装置130から出力すべき分離信号の各々の要素データであるインターロック要因信号を1つずつ順番に読み出すように、読み出す要素データと、これらの要素データを読み出す順番と、要素データの読み出しアドレスとの関係が設定されている。つまり、まず、エラー監視データを3回読み出し、次いでインターロック制御部161に送信される分離信号(以下、第1分離信号とも称する)(図2B(F)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、インターロック制御部162に送信される分離信号(以下、第2分離信号とも称する)(図2B(G)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、伝送装置143に送信すべき分離信号(以下、第3分離信号とも称する)(図2B(H)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、第1分離信号のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Bを、第2分離信号のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号B、第3分離信号のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Bを読み出し、そして、第1分離信号のインターロック要因信号は既に全て読み出されているためブランク信号Xを読み出し、第2分離信号のインターロック要因の1つであるインターロック要因信号C、第3分離信号のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Cを読み出し、各分離信号のインターロック要因信号が全て読み出されるまで順番に交互に読み出しを行う。
上記読み出しにおいて、各分離信号に対応する要素データの読み出し回数は同じであり、分離信号のインターロック要因信号が全て読み出された場合はブランク信号を読み出す。つまり、読み出しは、各分離信号の長さが同じになるように行う。そして、メモリ120は読み出した順番に各要素データを重合する(図2A(E)参照)。尚、生成される重合化信号の1フレームの長さは、重合化装置110から出力されるフレームパルス信号の1パルス周期となる。また、このときの重合化の速度は、重合化装置110における重合化の速度のm倍(分離装置130の出力数)である。つまり、本実施の形態においては、重合化装置110における重合化の速度の3倍の速度である。次いで、メモリ120は、クロック信号と、フレームパルス信号と、読み出した重合化信号とを含む伝送データを出力する(図2A(E)参照)。
次いで、分離装置130において、メモリ120において読み出された重合化信号の要素データを先頭から1つずつ順番に各出力端子に順番に振り分ける。具体的には、重合化信号の先頭の要素データであるエラー監視データを第1出力端子131に、重合化信号内の2番目の要素データであるエラー監視データを第2出力端子132に、重合化信号内の3番目の要素データであるエラー監視データを第3出力端子133に、重合化信号内の4番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第1出力端子131に、重合化信号内の5番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第2出力端子132に、重合化信号内の6番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第3出力端子133に、と重合化信号の要素データがなくなるまで要素データを1つずつ端子毎に順番に振り分ける(図2B(F)〜(H)参照)。
次いで、振りえ分けられた信号を重合化して分離信号を生成する。この場合、第1出力端子131に対応してインターロック制御部161に送信すべき第1分離信号が生成され(図2B(F)参照)、第2出力端子132に対応してインターロック制御部162に送信すべき第2分離信号が生成され(図2B(G)参照)、第3出力端子133に対応して伝送装置143に送信すべき第3分離信号が生成される(図2B(H)参照)。尚、分離装置130は、各分離信号の長さが受信したフレームパルス信号の1パルス周期となるように分離及び重合化を行う。
尚、上述の動作は連続して行われる。即ち、図2A,B(C)〜(H)に示すように、各重合化信号(1フレーム長)は連続して生成される。
次いで、分離装置130は、第1出力端子131からクロック信号とフレームパルス信号と第1分離信号とを含む伝送データを安全化装置151に、第2出力端子132からクロック信号とフレームパルス信号と第2分離信号とを含む伝送データを安全化装置152に、出力端子133からクロック信号とフレームパルス信号と第3分離信号とを含む伝送データを伝送装置143に夫々出力する。
安全化装置151は、エラー監視部152において、受信した伝送データにクロック信号が抜けているか否か、受信したフレームパルス信号と第1分離信号を観察してパルス信号毎に多重化装置110で付された2種類(55/AA)のエラー監視データ(図3参照)が交互に付されているか否かを監視して、分離信号のデータの欠落及びデータのBitズレ等を監視する。クロック信号が抜けていない場合や、フレームパルス信号毎に多重化装置110で付された2種類のエラー監視データが交互に付されている場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等がなく、分離信号にエラーは無いと判別する。一方、クロック信号が抜けている場合や、フレームパルス信号毎に多重化装置110で付された2種類のエラー監視データが交互に付されていない場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等が発生しており、分離信号にエラーが有ると判別して信号生成部153にエラー信号を送信すると共に選択部154に切換信号を送信する。
次いで、信号生成部153が、エラー監視部152からエラー信号を受信すると、この第1分離信号が送信されるインターロック制御部161がインターロック実行先510Aを安全側に駆動させるように第1分離信号のインターロック要因信号(インターロック要因信号A,B)の値をON又はOFFの予め設定された値に変更し、所定の安全駆動信号を生成して選択部154に送信する。
次いで、選択部154は、エラー監視部152から切換信号を受信した場合、つまり第1分離信号にエラーがある場合は復号化装置141に安全駆動信号を送信し、エラー監視部152から切換信号を受信しない場合、つまり第1分離信号にエラーがない場合は、第1分離信号をそのまま復号化装置141に送信する。
安全化装置156も上記安全化装置151と同様に動作する。
安全化装置151から分離信号又は安全駆動信号を受信した復号化装置141は、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化して各要素信号に分離し、インターロック要因信号のみ(インターロック要因信号A,B)を抽出してインターロック制御部161に出力する。復号化装置142も同様に、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化して各要素信号に分離し、インターロック要因信号のみ(インターロック要因信号A,B,C,D,E)を抽出してインターロック制御部162に出力する。
一方、伝送装置143は、分離装置130から受信した第3分離信号をケーブル配線180を介してマスタスイッチ装置400に伝送する。
そして、復号化装置141からインターロック要因信号A,Bを受信したインターロック制御部161は、受信したインターロック要因信号A,Bの内容を解析して、即ち、ON信号であるかOFF信号であるかを判別して、インターロック要因信号A,Bの内容の組み合わせに応じて予め設定されたインターロック指令(インターロック指令A)をインターロック実行先510Aに送信する。これによりインターロック実行先510Aは、所定のインターロック動作を行う。同様に、インターロック制御部162は、受信したインターロック要因信号A,B、C,D,Eの内容を解析して、インターロック要因信号A,B、C,D,Eの内容の組み合わせに応じて予め設定されたインターロック指令(インターロック指令B)をインターロック実行先520Aに送信する。これによりインターロック実行先520Aは、所定の動作を行う。
スレーブスイッチ装置200,300もスレーブスイッチ装置100と同様に動作するので説明を省略する。
尚、書き込みアドレス設定データ及び読み出しアドレス設定データの内容は上述のものに限らず他の内容であってもよい。この場合、分離装置130の分離方法を読み出しアドレス設定データに対応させればよい。
次いで、マルチスイッチ装置400の動作を図4A,Bを参照して説明する。図4A,Bは、マスタスイッチ装置の基本的動作を説明するための図であり、図4A,B(A)〜(E)は図1H,Iのマスタスイッチ装置400のG、H,I1,I2,I3点において伝送されるデータを例示する図である。
安全化装置410,420,430は、スレーブスイッチ装置100,200,300の伝送装置143,243,343からケーブル配線180,280,380を介して第1,2,3の伝送データ(図2B(H)参照)を夫々受信する。第1の伝送データは、上述のように、分離装置130において生成された第3分離信号を含み、クロック信号と、フレームパルス信号と、エラー監視データとスレーブスイッチ装置100に対応する制御モジュールAにおいて検知される全てのインターロック要因信号(インターロック要因信号A,B,C)を含む多重化信号とを含むデータであり、同様に、第2の伝送信号は、クロック信号と、フレームパルス信号と、エラー監視データとスレーブスイッチ装置200に対応する制御モジュールBにおいて検知される全てのインターロック要因信号(インターロック要因信号D,E,F)を含む多重化信号とを含み、第3の伝送信号は、クロック信号と、フレームパルス信号と、エラー監視データとスレーブスイッチ装置300に対応する制御モジュールCにおいて検知される全てのインターロック要因信号(インターロック要因信号G,H,J)を含む多重化信号とを含む。
安全化装置410,420,430は、安全化装置151と同様に、エラー監視部411,421,431においてクロック信号の抜け及びエラー監視データの観察を行い、エラーの有無の判別を行う。エラーが無い場合は、選択部413,423,433から受信した伝送データをそのまま出力する。一方、エラーがある場合は、信号生成部412,422,432において夫々の多重化信号のインターロック要因信号の内容を各機器(インターロック実行先)が安全側に駆動されるように予め設定された値(ON又はOFF)に変更して安全駆動信号を重合化信号として、選択部413,423,433からクロック信号及びフレームパルス信号と共に出力する。尚、安全化装置410,420,430から送信される伝送データにおけるクロック信号及びフレームパルス信号は夫々互いに同じ信号である。また、各安全化装置410,420,430から送信される多重化信号におけるエラー監視データも互いに同じである。
次いで、多重化装置440は、上記多重化装置110と同様に、受信した多重化信号を予め設定された順番で多重化する。具体的には、多重化装置440は、エラー監視データに次いで受信したインターロック要因信号をアルファベット順に多重化して多重化信号を生成する。多重化装置440は、生成する1フレームの多重化信号の長さが受信したフレームパルス信号の1パルス周期に対応する長さとなるように多重化信号を生成する。エラー監視データと受信したインターロック要因信号とを多重化した多重化信号がこのフレームパルス信号よって規定されるフレーム長より短い場合は、多重化装置440は所定数のブランク信号を多重化し、生成する多重化信号の長さをこのフレーム長にする。
次いで、多重化装置440は、クロック信号と、フレームパルス信号と、生成した多重化信号とを1つの伝送データとして出力する(図4A(A)参照)。
多重化装置440で多重化された多重化信号は、書き込みアドレス制御装置451の制御に従ってメモリ450に記憶される。書き込みアドレス設定メモリ453の書き込みアドレス設定データには、多重化信号の要素データが先頭から順番にメモリ450の所定のアドレスに書き込まれるように、多重化信号の要素データと、これらの要素データの順番と、書き込み先アドレスとの関係が設定されており、メモリ450は、書き込みアドレス制御装置452に制御されて書き込みアドレス設定データに従って多重化信号の各要素データを先頭から所定のアドレスに書き込む。具体的には、メモリ450は、多重化信号の先頭の要素データであるエラー監視データをメモリ450の所定のアドレス、例えば、番号が最も若いアドレスに書き込み、2番目の要素データであるインターロック要因信号Aを次のアドレスに、3番目の要素データであるインターロック要因信号Bをその次のアドレスに、4番目の要素データであるインターロック要因信号Cをその次のアドレスに、と順番に1フレームの多重化信号の最後の要素データまで連続するアドレスに書き込む。
メモリ450に書き込まれた多重化信号は、次いで、読み出しアドレス制御装置454の制御に従ってメモリ450から読み出される。読み出しアドレス設定メモリ456の読み出しアドレス設定データには、まず分離装置460から出力すべき分離信号(多重化信号)の数nだけ(マスタスイッチ装置400においてはn=3)エラー監視信号を読み出し、次いで、分離装置460から出力すべき分離信号の各々の要素データであるインターロック要因信号を1つずつ順番に読み出すように、読み出す要素データと、これらの要素データを読み出す順番と、要素データの読み出しアドレスとの関係が設定されている。つまり、まず、エラー監視データを3回読み出し、次いでスレーブスイッチ装置100に送信される分離信号(以下、第10分離信号とも称する)(図4B(C)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Dを読み出し、スレーブスイッチ装置200に送信される分離信号(以下、第11分離信号とも称する)(図4B(D)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Cを読み出し、スレーブスイッチ装置300に送信すべき分離信号(以下、第12分離信号とも称する)(図4B(E)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Cを読み出し、第10分離信号のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Eを読み出し、そして、第11分離信号のインターロック要因信号は既に全て読み出されているためブランク信号を読み出し、第12分離信号のインターロック要因信号も既に全て読み出されているためブランク信号を読み出し、各分離信号のインターロック要因信号が全て読み出されるまで読み出しをおこなう。
上記読み出しにおいて、各分離信号に対応する要素データの読み出し回数は同じであり、分離信号のインターロック要因信号が全て読み出された場合はブランク信号を読み出す。つまり、読み出しは、各分離信号の長さが同じになるように行う。そして、メモリ450は読み出した順番に各要素データを重合して重合化信号を生成し、この重合化信号をクロック信号及びフレームパルス信号と共に出力する(図4A(B)参照)。尚、生成される重合化信号の1フレームの長さは、受信したフレームパルス信号のパルス周期となる。
次いで、分離装置460において、メモリ120において読み出された重合化信号の要素データを先頭から1つずつ順番に各出力端子に順番に振り分ける。具体的には、重合化信号の先頭の要素データであるエラー監視データを第1出力端子461に、重合化信号内の2番目の要素データであるエラー監視データを第2出力端子462に、重合化信号内の3番目の要素データであるエラー監視データを第3出力端子463に、重合化信号内の4番目の要素データであるインターロック要因信号Dを第1出力端子461に、重合化信号内の5番目の要素データであるインターロック要因信号Cを第2出力端子462に、重合化信号内の6番目の要素データであるインターロック要因信号Cを第3出力端子463に、と重合化信号の要素データがなくなるまで要素データを1つずつ端子毎に順番に交互に振り分ける。次いで、振り分けられた信号を重合化して分離信号を生成する。この場合、第1出力端子461に対応してスレーブスイッチ装置100に送信すべき第10分離信号が生成され(図4B(C)参照)、第2出力端子462に対応してスレーブスイッチ装置200に送信すべき第11分離信号が生成され(図4B(D)参照)、第3出力端子463に対応してスレーブスイッチ装置300に送信すべき第12分離信号が生成される(図4B(E)参照)。尚、分離装置460は、各分離信号の長さが受信したフレームパルス信号のパルス周期となるように分離及び重合化を行う。
尚、上述の動作は連続して行われる。即ち各重合化信号(1フレーム長)は連続して生成される。
次いで、分離装置460は、出力端子461からクロック信号とフレームパルス信号と第10分離信号とを含む伝送データ(図4B(C)参照)を伝送装置481に、出力端子462からクロック信号とフレームパルス信号と第11分離信号とを含む伝送データ(図4B(D)参照)を伝送装置482に、出力端子463からクロック信号とフレームパルス信号と第12分離信号とを含む伝送データ(図4B(E)参照)を伝送装置483に夫々出力する。
伝送装置481,482,483は伝送データをケーブル配線180,280,280を介してスレーブスイッチ装置100の安全化装置170、スレーブスイッチ装置200の安全化装置270、及びスレーブスイッチ装置300の安全化装置370に夫々送信する。
スレーブスイッチ装置100において、安全化装置170は、安全化装置151と同様に、マスタスイッチ装置400から受信した伝送データを処理する。即ち、安全化装置170は、エラー監視部171において、受信した伝送データにおいてクロック信号が抜けているか否か、受信したフレームパルス信号と第10分離信号を観察してパルス信号毎に2種類(55/AA)のエラー監視データ(図3参照)が交互に付されているか否かを監視して、分離信号のデータの欠落及びデータのBitズレ等を監視する。クロック信号が抜けてない場合や、フレームパルス信号毎に2種類のエラー監視データが交互に付されている場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等がなく、分離信号にエラーは無いと判別する。一方、クロック信号が抜けている場合や、フレームパルス信号毎に2種類のエラー監視データが交互に付されていない場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等が発生しており、分離信号にエラーが有ると判別して信号生成部172にエラー信号を送信すると共に選択部173に切換信号を送信する。
次いで、信号生成部172が、エラー監視部171からエラー信号を受信すると、この第10分離信号が送信されるインターロック実行先を安全側に駆動させるように第10分離信号のインターロック要因信号(インターロック要因信号C,D)をON又はOFFに変更して所定の安全駆動信号を生成して選択部173に送信する。
次いで、選択部173は、エラー監視部171から切換信号を受信した場合、つまり第10分離信号にエラーがある場合は多重化装置110に安全駆動信号を送信し、エラー監視部171から切換信号を受信しない場合、つまり第10分離信号にエラーがない場合は、第10分離信号をそのまま多重化装置110に送信する。
スレーブスイッチ装置200の安全化装置270及びスレーブスイッチ装置300の安全化装置370も上記安全化装置170と同様に動作する。
尚、マスタスイッチ装置400において、書き込みアドレス設定データ及び読み出しアドレス設定データの内容は上述のものに限らず他の内容であってもよい。この場合、分離装置460の分離方法を読み出しアドレス設定データに対応させればよい。
上述のように、本発明の実施の形態に係るインターロック制御装置によれば、複数の制御モジュール間のインターロック制御を実行する場合に、各制御モジュール間(各スレーブスイッチ装置間)で送受信するインターロック要因信号を多重化して送受信するので、制御モジュール間で送受信する信号を少なくすることができ、制御モジュール間を接続するための配線を少なくすることができる。従って、インターロック制御装置の構成を簡単にすることができる。
また、本実施の形態に係るインターロック制御装置によれば、各制御モジュール間(各スレーブスイッチ装置間)をマスタスイッチ装置によって接続し、各制御モジュールのインターロック制御に必要なインターロック要因信号をマスタスイッチ装置において夫々多重化して夫々の制御モジュールに送信するので、制御モジュール間で送受信する信号をより少なくすることができ、制御モジュール間を接続するための配線をより少なくすることができる。従って、インターロック制御装置の構成をより簡単にすることができる。
本実施の形態に係るインターロック制御装置によれば、送受信するインターロック要因信号の多重化や分離の条件を、各スレーブスイッチ装置及びマスタスイッチ装置における多重化条件、書き込みアドレス設定データ、読み出しアドレス設定データ、分離条件、及びフレームパルス信号のパルス周期等の予め設定された変更可能な条件によって設定している。このため、各制御モジュールにおいて機能の追加や変更が行われたり、新たな制御モジュールが追加されたりしても、上記予め設定された条件を変更することで制御モジュール間での所望のインターロック制御を行うことができる。このように、本実施の形態に係るインターロック制御装置は、各制御モジュールの機能の追加や変更、新たな制御モジュールの追加に対して容易に対応することができる。
本実施の形態に係るインターロック制御装置は、安全化装置を備え、安全化装置は、制御モジュール間を伝送される伝送データにエラーがある場合は、各機器を安全側に駆動させる信号を生成する。従って、制御モジュール間を伝送される伝送データにエラーが発生した場合は、各機器を安全側に駆動するように制御するので、インターロック制御装置の安全性を向上させることができ、装置の安全性を向上させることができる。
本実施の形態に係るインターロック制御装置は、各スレーブスイッチ装置及びマスタスイッチ装置がデータ蓄積部を備え、データ蓄積部はI/Fを介してモニタ端末が接続可能であるので、オペレータは多重伝送される状態検知信号、即ちインターロック要因信号を容易に観察することができる。従って、このインターロック要因信号から装置の状態を容易に監察することができ、障害が発生した場合には原因の解析などを容易に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るインターロック制御装置においては、処理装置が3つの制御モジュールを備え、対応して3つのスレーブスイッチ装置を備えるものとしたが、スレーブスイッチ装置の数はこれに限るものではない。例えば、装置の制御モジュールの数に対応してスレーブスイッチ装置の数を増やしても良く、各機能を更に細分化して細分化した機能に対応してスレーブスイッチ装置を増やしてもよい。
次いで、本発明の実施例として本発明の実施の形態に係るインターロック制御装置を備える基板処理装置について説明する。該基板処理装置は反応性活性ガスを用いて基板に所定の処理を施すように構成されている。
図5は、本実施の形態に係るインターロック制御装置を備える基板処理装置としてのプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。このプラズマ処理装置は基板としての半導体ウエハWにRIE(Reactive Ion Etching)処理を施し、またWLDC処理が実行可能なように構成されている。
図5において、プラズマ処理装置10は円筒形状の真空容器11(減圧容器)を有し、該真空容器11は内部に処理空間Sを有する。また、真空容器11内には、例えば、直径が300mmの半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)を載置する載置台としての円柱状のサセプタ12が配置されている。真空容器11の内壁面は側壁部材45で覆われる。該側壁部材45はアルミニウムからなり、その処理空間Sに対向する面はイットリア(Y2O3)等のセラミックによってコーティングされている。また、真空容器11は電気的に接地し、サセプタ12は真空容器11の底部に絶縁性部材29を介して設置される。
プラズマ処理装置10では、真空容器11の内側壁とサセプタ12の側面とによって、サセプタ12上方の気体分子を真空容器11の外へ排出する流路として機能する排気路13が形成される。この排気路13の途中にはプラズマの漏洩を防止する環状のバッフル板14が配置される。また、排気路13におけるバッフル板14より下流の空間は、サセプタ12の下方へ回り込み、可変式バルブである自動圧力制御弁(Adaptive Pressure Control Valve)(以下、「APCバルブ」という。)15に連通する。APCバルブ15は、アイソレータ(Isolator)16を介して真空引き用の排気ポンプであるターボ分子ポンプ(Turbo Molecular Pump)(以下、「TMP」という。)17に接続され、TMP17は、バルブV1を介して排気ポンプであるドライポンプ(以下、「DP」という。)18に接続されている。APCバルブ15、アイソレータ16、TMP17、バルブV1及びDP18によって構成される排気流路(以下、「本排気ライン」という。)は、APCバルブ15によって真空容器11内の圧力制御を行い、さらにTMP17及びDP18によって真空容器11内をほぼ真空状態になるまで減圧する。
また、配管19がアイソレータ16及びAPCバルブ15の間からバルブV2を介してDP18に接続されている。配管19及びバルブV2(以下、「バイパスライン」という。)は、アイソレータ16及びTMP17をバイパスして、DP18によって真空容器11内を粗引きする。
図5に示すように、DP18にはガス無毒化装置50が接続されており、ガス無毒化装置50は、真空容器11から排気された気体を無毒化する。
サセプタ12には下部電極用の高周波電源20が給電棒21及び整合器(Matcher)22を介して接続されており、該下部電極用の高周波電源20は、所定の高周波電力をサセプタ12に供給する。これにより、サセプタ12は下部電極として機能する。また、整合器22は、サセプタ12からの高周波電力の反射を低減して高周波電力のサセプタ12への供給効率を最大にする。
サセプタ12の内部上方には、導電膜からなる円板状のESC電極板23が配置されている。ESC電極板23には直流電源24が電気的に接続されている。ウエハWは、直流電源24からESC電極板23に印加された直流電圧により発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力によってサセプタ12の上面に吸着保持される。また、サセプタ12の上方には、サセプタ12の上面に吸着保持されたウエハWの周りを囲うように円環状のフォーカスリング25が配設される。このフォーカスリング25は、処理空間Sに露出し、該処理空間SにおいてプラズマをウエハWの表面に向けて収束し、RIE処理の効率を向上させる。
また、サセプタ12の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室26が設けられる。この冷媒室26には、チラーユニット(図示せず)から冷媒用配管27を介して所定温度の冷媒、例えば、冷却水やガルデン(登録商標)液が循環供給され、当該冷媒の温度によってサセプタ12上面に吸着保持されたウエハWの処理温度が制御される。
さらに、サセプタ12の上面のウエハWが吸着保持される部分(以下、「吸着面」という。)には、複数の伝熱ガス供給孔28が開口している。これら複数の周縁伝熱ガス供給孔28は、サセプタ12内部に配置された伝熱ガス供給ライン30を介して伝熱ガス供給部32に接続され、該伝熱ガス供給部32は伝熱ガスとしてのヘリウムガスを、伝熱ガス供給孔28を介して吸着面及びウエハWの裏面の間隙に供給する。
また、サセプタ12の吸着面には、サセプタ12の上面から突出自在なリフトピンとしての複数のプッシャーピン33が配置されている。これらのプッシャーピン33は、モータ(図示せず)とボールねじ(図示せず)を介して接続され、ボールねじによって直線運動に変換されたモータの回転運動に起因して吸着面から自在に突出する。ウエハWにRIE処理を施すためにウエハWを吸着面に吸着保持するときには、プッシャーピン33はサセプタ12に収容され、RIE処理が施されたウエハWを真空容器11から搬出するときには、プッシャーピン33はサセプタ12の上面から突出してウエハWをサセプタ12から離間させて上方へ持ち上げる。
真空容器11の天井部には、サセプタ12と対向するようにガス導入シャワーヘッド34が配置されている。ガス導入シャワーヘッド34には整合器35を介して上部電極用の高周波電源36が接続されており、上部電極用の高周波電源36は所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド34に供給するので、ガス導入シャワーヘッド34は上部電極として機能する。なお、整合器35の機能は上述した整合器22の機能と同じである。
ガス導入シャワーヘッド34は、多数のガス穴37を有する天井電極板38と、該天井電極板38を着脱可能に支持する電極支持体39とを有する。また、該電極支持体39の内部にはバッファ室40が設けられ、このバッファ室40には処理ガス供給装置47から延びる処理ガス導入管41が接続されている。この処理ガス導入管41の途中には配管インシュレータ42が配置されている。この配管インシュレータ42は絶縁体からなり、ガス導入シャワーヘッド34へ供給された高周波電力が処理ガス導入管41によって処理ガス供給装置47へリークするのを防止する。ガス導入シャワーヘッド34は、処理ガス導入管41を介してガス供給装置47からバッファ室40へ供給された処理ガス、例えば、反応性活性ガスであるCxFyガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスを、ガス穴37を経由して真空容器11内部(処理空間S)へ供給する。ガス導入シャワーヘッド34は容器蓋31によって覆われている。また、ガス供給装置47には供給する処理ガスの漏洩を検知するガス漏洩センサ48が取り付けられている。
また、真空容器11の側壁には、プッシャーピン33によってサセプタ12から上方へ持ち上げられたウエハWの高さに対応する位置にウエハWの搬出入口43が設けられ、搬出入口43には、該搬出入口43を開閉するゲートバルブ44が取り付けられている。真空容器11は、ゲートバルブ44を介して図示しないロードロックユニットに接続されている。ロードロックユニットはその内部圧力を調整可能な真空予備搬送室と機能する。ゲートバルブ44にはゲートバルブ44の開閉を検知するためのチャンバ開閉検出センサ49が取り付けられている。また、真空容器11には、処理空間S内の圧力を検出するチャンバ内圧力監視センサ51が取り付けられている。
また、プラズマ処理装置10は、エアや、冷却水や、N2ガスをプラズマ処理装置10内に供給するutility供給装置52を備える。utility供給装置52は、ゲートバルブ44等を駆動するためのエアを供給したり、チラーユニットから冷却水を供給したり、N2タンクからN2ガスを上記図示しないロードロックユニットに供給したりして、プラズマ処理装置10内の種々の状態を制御する。utility供給装置52は、供給するエアの圧力を検知するエア供給圧監視センサ53を備える。
このプラズマ処理装置10の真空容器11内では、上述したように、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド34に高周波電力を供給して、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド34の間の処理空間Sに高周波電力を印加することにより、該処理空間Sにおいてガス導入シャワーヘッド34から供給された混合ガスをプラズマ化し、イオンを発生させ、イオン等によってウエハWにRIE処理を施す。
上述の構成を有するプラズマ処理装置10は、その各構成要素が図6で後述するシステムコントローラ60によって制御されて各種の処理を実行する。
図6は、システムコントローラ60の概略構成を模式的に示すブロック図である。
システムコントローラ60は、プラズマ処理装置10の各機能を実現するための機器グループを制御する複数の制御モジュールを機能毎に備える。プラズマ処理装置10の備える機能には、例えば、ウエハ搬送機能や処理ガス流量制御機能、電力制御機能等がある。図6に示すように、システムコントローラ60は、プラズマ処理装置10の各機能を実現するための機器グループを制御する制御モジュール61,62と、プラズマ処理装置10の動作状況を表示し、且つユーザのプラズマ処理装置10に対する操作を受け付けるオペレーションコントローラ63とを備える。システムコントローラ60において各制御モジュールは、スイッチングハブ64を介してEC(Equipment Controller)65に接続されている。システムコントローラ60はEC65からLAN(Local Area Network)71を介して、プラズマ処理装置10が設置されている工場全体の製造工程を管理するMES(Manufacturing Execution System)としてのPC70に接続されている。MESは、システムコントローラと連携して工場における工程に関するリアルタイム情報を基幹業務システム(図示しない)にフィードバックすると共に、工場全体の負荷等を考慮して工程に関する判断を行う。
EC65は、各制御モジュールを統括してプラズマ処理装置10全体の動作を制御する主制御部(マスタ制御部)である。また、EC65は、CPU、RAM、HDD等を有し、オペレーションコントローラ63においてユーザ等によって指定されたウエハWの処理方法、すなわち、レシピに対応するプログラムに応じてCPUが、各制御モジュールに制御信号を送信することにより、プラズマ処理装置10の各機器の動作を制御する。
スイッチングハブ64は、EC65からの制御信号に応じてEC65の接続先としての制御モジュールを切り替える。
制御モジュール61,62は、プラズマ処理装置10の各機器の動作を制御する副制御部(スレーブ制御部)であり、図示しないネットワークを介して機能毎の機器グループに夫々接続される。制御モジュール61は、プロセスチャンバモジュールであり、プラズマ処理装置10の真空容器11においてRIE処理を実行する機器グループを制御する。また、制御モジュール62は、システムモジュールであり、上記RIEを連続してシステマティックに実行するために必要なウエハの搬送等を実行するための機器グループを制御する。
プラズマ処理装置10において、ウエハWに各種の処理を施す場合には、各処理のレシピに対応するプログラムに応じてEC65のCPUが、スイッチングハブ64を切り換えて制御モジュールに制御信号を送信し、制御モジュールが受信した制御信号に基づいて各機器を制御する。
また、システムコントローラ60は、図6に示すように、制御モジュール間においてインターロック制御を実行するインターロック制御装置66を備える。
図6においては、説明をわかりやすくするためにシステムコントローラ60が2つの制御モジュールのみを備えるものとしたが、システムコントローラ60の備える制御モジュールは上記制御モジュールに限るものではない。例えば、システムコントローラ60はプラズマ処理装置10の機能をより細分化して、これらの機能に対応したより多くの制御モジュールを備えるものであってもよい。
次いで、プラズマ処理装置10が備えるインターロック制御装置66について説明する。
図7A〜Gは、プラズマ処理装置10が備えるインターロック制御装置66の概略構成を示すブロック図であり、図7Aはインターロック制御装置66全体の概略構成を示すブロック図であり、図7B〜Gはインターロック制御装置66の概略構成を示す部分拡大図である。以下の説明においては、説明をわかりやすくするために、インターロック制御装置66が行うプロセスチャンバモジュール61及びシステムモジュール62の間におけるインターロック制御は、プロセスチャンバモジュール61が制御する真空機器及びガス供給装置47、並びにシステムモジュール62が制御するutility装置52に対して行われるものとする。
インターロック制御装置66は、図7Aに示すように、プロセスチャンバモジュール61に設けられたスレーブスイッチ装置としてのスレーブスイッチ回路600と、システムモジュール62に設けられたスレーブスイッチ装置としてのスレーブスイッチ回路700と、スレーブスイッチ装置600とスレーブスイッチ装置700とを接続するマスタスイッチ装置としてのマスタスイッチ回路800とを備える。
スレーブスイッチ回路600は、図7B,Cに示すように、信号変換装置としてのA/D変換回路601,602,603と、多重化装置610と、メモリとしてのデュアルポートメモリ回路620と、デュアルポートメモリ回路620を制御する書き込みアドレス制御装置としての書き込みアドレス回路621と、デュアルポートメモリ回路620を制御する読み出しアドレス制御装置としての読み出しアドレス回路624と、分離装置としてのデマルチプレクサ630と、復号化装置としての復号化回路641,642と、伝送装置としてのドライバ回路643と、安全化装置としての安全化回路651,655,670と、インターロック制御部としてのインターロック回路661,662とを備える。
多重化回路610は、フレームパルス信号生成回路611と、エラー監視データ生成回路612と、多重化部としてのマルチプレクサ613とを備える。
書き込みアドレス回路621は書き込みアドレス制御回路622と書き込みアドレス設定メモリ623とを備え、読み出しアドレス回路624は読み出しアドレス制御回路625と読み出しアドレス設定メモリ626とを備える。
安全化回路651,655,670は、エラー監視回路652,656,671と、信号生成回路653,657,672と、選択回路654,658,673とを夫々備える。
また、スレーブスイッチ回路600は、データ蓄積部としてのデータ蓄積回路681と、I/F回路682と、メモリ書き込み制御部としてのメモリ書き込み制御回路683と、クロック信号生成装置としてのクロック信号生成回路684とを備える。さらに、スレーブスイッチ回路600は、レシーバ回路691を備える。
スレーブスイッチ回路600において、A/D変換回路601,602,603は、チャンバ開閉検出センサ49、ガス漏洩センサ48、チャンバ内圧力センサ51に夫々接続されている。
チャンバ開閉検出センサ49は、プラズマ処理装置10のゲートバルブ44の開閉状態を示すインターロック要因信号Aを出力する。チャンバ開閉検出センサ49は、ゲートバルブ44が開状態の場合にインターロック要因信号AとしてON信号を出力し、ゲートバルブ44が閉状態の場合にインターロック要因信号AとしてOFF信号を出力する。
ガス漏洩センサ48は、ガス供給装置47において処理ガスの漏洩が発生しているか否かを示すインターロック要因信号Bを出力する。ガス漏洩センサ48は、ガス供給装置47において処理ガスの漏洩が発生している場合にインターロック要因信号BとしてON信号を出力し、ガス供給装置47において処理ガスの漏洩が発生していない場合にインターロック要因信号BとしてOFF信号を出力する。
チャンバ内圧力監視センサ51は、真空容器11の処理空間Sが大気圧状態か否かを示すインターロック要因信号Cを出力する。チャンバ内圧力監視センサ51は、真空容器11の処理空間Sが大気圧状態の場合にインターロック要因信号CとしてON信号を出力し、真空容器11の処理空間Sが大気圧状態でない場合にインターロック要因信号CとしてOFF信号を出力する。
インターロック回路661は、プラズマ処理装置10のガス供給装置47に接続されており、インターロック要因信号A,B,Cの値に応じてガス供給装置47に対してインターロック制御を行う。具体的には、インターロック回路661は、インターロック要因信号Aの値がONであってゲートバルブ44が開状態である場合、インターロック要因信号Bの値がONであってガス供給装置47においてガス漏洩が発生している場合、又はインターロック要因信号CがON状態であって真空容器11の処理空間Sが大気圧状態である場合のいずれかの条件に該当する場合に、ガス供給装置47に対して処理ガスのガス供給を停止して中止するように指令するインターロック指令Aを発する。このインターロック指令Aを受信するとガス供給装置47は処理ガスのガス供給を停止して中止する。一方、インターロック要因信号Aの値、インターロック要因信号Bの値、及びインターロック要因信号Cの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路661はインターロック指令Aを発しない。
また、インターロック回路662は、プラズマ処理装置10の真空機器に接続されており、インターロック要因信号A,B,C,D,Eの値に応じて真空機器に対してインターロック制御を行う。真空機器は、APCバルブ15、TMP17、及びDP18等の機器である。また、インターロック要因信号Dは、エア供給圧監視センサ53が出力する信号であり、utility装置52から供給するエアの圧力がプラズマ処理装置10のゲートバルブ44等のシステムを駆動するために必要な所定の圧力より低下した場合をその値がONになる。インターロック要因信号Eは、ガス無毒化装置50の状態を示す信号であり、ガス無毒化装置50が故障した場合にその値がONになる。
インターロック回路662は、具体的には、インターロック要因信号Aの値がONであってゲートバルブ44が開状態である場合、インターロック要因信号BがON状態であってガス供給装置47においてガス漏洩が発生している場合、インターロック要因信号CがON状態であって真空容器11の処理空間Sが大気圧状態である場合、インターロック要因信号DがON状態であってutility装置52から供給するエアの圧力が上記所定の圧力より低下している場合、又はインターロック要因信号EがON状態であってガス無毒化装置50が故障している場合のいずれかの条件に該当する場合に、真空機器に対して真空容器11内の真空引きを停止して中止するように指令するインターロック指令Bを発する。このインターロック指令Bを受信すると真空機器は真空容器11内の真空引きを停止して中止する。一方、インターロック要因信号A,B,C,D,Eの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路662はインターロック指令Bを発しない。
スレーブスイッチ回路700は、図7D,Eに示すように、信号変換装置としてのA/D変換回路701,702と、多重化装置710と、メモリとしてのデュアルポートメモリ回路720と、デュアルポートメモリ回路720を制御する書き込みアドレス制御装置としての書き込みアドレス回路721と、デュアルポートメモリ回路720を制御する読み出しアドレス制御装置としての読み出しアドレス回路724と、分離装置としてのデマルチプレクサ730と、復号化装置としての復号化回路741と、伝送装置としてのドライバ回路742と、安全化装置としての安全化回路751,770と、インターロック制御部としてのインターロック回路761とを備える。
多重化回路710は、フレームパルス信号生成回路711と、エラー監視データ生成回路712と、多重化部としてのマルチプレクサ713とを備える。
書き込みアドレス回路721は書き込みアドレス制御回路722と書き込みアドレス設定メモリ723とを備え、読み出しアドレス回路724は読み出しアドレス制御回路725と読み出しアドレス設定メモリ726とを備える。
安全化回路751,770は、エラー監視回路752,771と、信号生成回路753,772と、選択回路754,773とを夫々備える。
また、スレーブスイッチ回路700は、データ蓄積部としてのデータ蓄積回路781と、I/F回路782と、メモリ書き込み制御部としてのメモリ書き込み制御回路783と、クロック信号生成装置としてのクロック信号生成回路784とを備える。さらに、スレーブスイッチ回路700は、レシーバ回路791を備える。
スレーブスイッチ回路700において、A/D変換回路701,702は、エア供給圧監視センサ53、及びガス無毒化装置I/F50aを介してガス無毒化装置50に夫々接続されている。
エア供給圧監視センサ53は、上述のように、utility装置52から供給するエアの圧力の状態を示すインターロック要因信号Dを出力する。エア供給圧監視センサ53は、utility装置52から供給するエアの圧力がプラズマ処理装置10のゲートバルブ44等のシステムを駆動するために必要な上記所定の圧力より低下した場合にインターロック要因信号DとしてON信号を出力し、utility装置52から供給するエアの圧力が上記所定の圧力以上の場合にインターロック要因信号DとしてOFF信号を出力する。
ガス無毒化装置50はガス無毒化装置I/F50aを介してガス無毒化装置50の状態を示すインターロック要因信号Eを出力する。ガス無毒化装置50は、ガス無毒化装置50内に故障が発生しているか否かを判別することが可能であり、ガス無毒化装置50が故障した場合にインターロック要因信号EとしてON信号を出力し、ガス無毒化装置50が故障していない場合にインターロック要因信号EとしてOFF信号を出力する。
インターロック回路761は、プラズマ処理装置10のutility供給装置52に接続されており、インターロック要因信号D,Eの値に応じてutility供給装置52に対してインターロック制御を行う。具体的には、インターロック回路761は、インターロック要因信号Dの値がONであってutility装置52から供給するエアの圧力がプラズマ処理装置10のゲートバルブ44等のシステムを駆動するために必要な上記所定の圧力より低下した場合、又はインターロック要因信号EがON状態であってガス無毒化装置50が故障した場合のいずれかの条件に該当する場合に、utility供給装置52に対して処理エアや水、N2ガスの供給を停止するように指令するインターロック指令Cを発する。このインターロック指令Cを受信するとutility供給装置52はエアや水、N2ガスの供給を停止する。一方、インターロック要因信号Dの値及びインターロック要因信号Eの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路761はインターロック指令Cを発しない。
マスタスイッチ回路800は、図7F,Gに示すように、スレーブスイッチ回路600のドライバ回路643、スレーブスイッチ回路700のドライバ回路743に夫々接続されたレシーバ回路801,802と、レシーバ回路801,802に夫々接続された安全化装置としての安全化回路810,820と、多重化装置830と、メモリとしてのデュアルポートメモリ回路840と、デュアルポートメモリ回路840を制御する書き込みアドレス制御装置としての書き込みアドレス回路841と、デュアルポートメモリ回路840を制御する読み出しアドレス制御装置としての読み出しアドレス回路844と、分離装置としてのデマルチプレクサ850と、伝送装置としてのドライバ回路871,872とを備える。
多重化回路830は、フレームパルス信号生成回路831と、エラー監視データ生成回路832と、多重化部としてのマルチプレクサ833とを備える。
書き込みアドレス回路841は書き込みアドレス制御回路842と書き込みアドレス設定メモリ843とを備え、読み出しアドレス回路844は読み出しアドレス制御回路845と読み出しアドレス設定メモリ846とを備える。
安全化回路810,820は、エラー監視回路811,821、信号生成回路812,822と、選択回路813,823とを夫々備える。
また、マルチスイッチ回路800は、データ蓄積部としてのデータ蓄積回路861と、I/F回路862と、メモリ書き込み制御部としてのメモリ書き込み制御回路863と、クロック信号生成装置としてのクロック信号生成回路864とを備える。
スレーブスイッチ回路600とマルチスイッチ回路800とは、ドライバ回路643とレシーバ回路801とにより、レシーバ回路691とドライバ回路871とにより通信可能に接続されている。従って、ドライバ回路643及びレシーバ回路801、並びにレシーバ回路691及びドライバ回路871が、図1のインターロック制御装置1の伝送装置及びケーブル配線に対応する。同様に、スレーブスイッチ回路700とマルチスイッチ回路800とは、ドライバ回路742とレシーバ回路802とにより、レシーバ回路791とドライバ回路872とにより通信可能に接続されている。従って、ドライバ回路742及びレシーバ回路802、並びにレシーバ回路791及びドライバ回路872が、図1のインターロック制御装置1の伝送装置及びケーブル配線に対応する。
スレーブスイッチ回路600,700、及びマスタスイッチ回路800の構成は、図1のインターロック制御装置1におけるスレーブスイッチ装置及びマスタスイッチ装置と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以下、インターロック制御回路66の動作について図8A,B及び図9A,Bを参照して説明する。図8A,Bは、スレーブスイッチ回路600の動作を説明するための図であり、図8A,B(A)〜(E)は図7B,Cのスレーブスイッチ回路600のA、B,C1,C2,C3点において伝送される伝送データを示す図である。図9A,Bは、スレーブスイッチ回路700の動作を説明するための図であり、図9A,B(A)〜(D)は図7D,Eのスレーブスイッチ回路700のA、B,C1,C2点において伝送される伝送データを示す図である。図10は、マスタスイッチ回路800の動作を説明するための図であり、図10(A)〜(C)は図7F,Gのマスタスイッチ回路800のA、B,C点において伝送される伝送データを示す図である。
まず、スレーブスイッチ回路600の動作について説明する。
A/D変換回路601,602,603は、チャンバ開閉検出センサ49、ガス漏洩センサ48、及びチャンバ内圧力監視センサ51から夫々受信したインターロック要因信号A,B,CをA/D変換し、インターロック要因信号A,B,Cをデジタル信号にする。チャンバ開閉検出センサ49、ガス漏洩センサ48、及びチャンバ内圧力監視センサ51から夫々出力されるインターロック要因信号A,B,Cは図2A(A)に示すようなHighレベルのON信号又はLowレベルのOFF信号である。A/D変換回路601,602,603において夫々A/D変換されたインターロック要因信号A,B,Cは、図2A(B)示すようなON/OFFのデジタル信号となる。
次いで、マルチプレクサ613が、エラー監視データ生成回路612において生成されたエラー監視データと、A/D変換されたインターロック要因信号A,B,Cと、後述するようにマスタスイッチ回路800から伝送されるインターロック要因信号D,Eとを多重化して多重化信号を生成する。エラー監視データは、2種類の所定のデータであり、例えば、図3に示すデータである。
マルチプレクサ613は、エラー監視データに次いで受信したインターロック要因信号をアルファベット順に多重化して多重化信号を生成する。またマルチプレクサ613は、生成する1フレームの多重化信号の長さがフレーム信号生成部612からのフレームパルス信号の1パルス周期に対応する長となるように多重化信号を生成する(図8A(A)参照)。エラー監視データと受信したインターロック要因信号とを多重化した多重化信号がこのフレームパルス信号よって規定されるフレーム長より短い場合は、マルチプレクサ613は所定数のブランク信号を多重化し、生成する多重化信号の長さをこのフレーム長にする。マルチプレクサ613において生成される多重化信号は、図8A(A)に示すように、エラー監視データ、インターロック要因信号A,B,C,D,E、及び所定数のブランク信号がこの順番で多重化された信号となる。
フレームパルス信号は予め設定されたパルス幅のパルス信号であり、フレームパルス生成部612がクロック発生回路611からのクロック信号に基づいてフレームパルス信号を生成する。フレームパルス生成部612は生成するフレームパルス信号のパルス幅を変更可能に構成されている。
次いで、多重化装置610は、クロック信号と、フレームパルス信号生成部612において生成したフレームパルス信号と、マルチプレクサ613で生成した多重化信号とを1つの伝送データとして出力する(図8A(A)参照)。
多重化装置610で多重化された多重化信号は、図1のメモリ120の場合と同様に、書き込みアドレス回路621の制御に従ってデュアルポートメモリ回路620に記憶される。書き込みアドレス設定メモリ123の書き込みアドレス設定データには、多重化信号の要素データが先頭から順番にデュアルポートメモリ回路620の所定のアドレスに書き込まれるように多重化信号の要素データの順番と書き込み先アドレスとの関係が設定されており、デュアルポートメモリ回路620は、書き込みアドレス制御回路622に制御されて書き込みアドレス設定データに従って多重化信号の各要素データを先頭から所定のアドレスに書き込む。
具体的には、デュアルポートメモリ回路620は、多重化信号の先頭の要素データであるエラー監視データをデュアルポートメモリ回路620の所定のアドレス、例えば、番号が最も若いアドレスに書き込み、2番目の要素データであるインターロック要因信号Aを次のアドレスに、3番目の要素データであるインターロック要因信号Bをその次のアドレスに、4番目の要素データであるインターロック要因信号Cをその次のアドレスに、と順番に1フレームの多重化信号の要素データを連続するアドレスに書き込む。
デュアルポートメモリ回路620に書き込まれた多重化信号は、次いで、読み出しアドレス回路624の制御に従ってデュアルポートメモリ回路620から読み出される。読み出しアドレス設定メモリ626の読み出しアドレス設定データには、まずデマルチプレクサ630から出力すべき分離信号(多重化信号)の数mだけ(スレーブスイッチ回路600においてはm=3)エラー監視信号を読み出し、次いで、デマルチプレクサ630から出力すべき分離信号の各々の要素データであるインターロック要因信号を1つずつ順番に読み出すように、読み出す要素データと、これらの要素データを読み出す順番と、要素データの読み出しアドレスとの関係が設定されている。
つまり、まず、エラー監視データを3回読み出し、次いでインターロック回路661に送信される分離信号(以下、分離信号Aとも称する)(図8B(C)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、インターロック回路662に送信される分離信号(以下、分離信号Bとも称する)(図8B(D)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、ドライバ回路643に送信される分離信号(以下、分離信号Cとも称する)(図8B(E)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Aを読み出し、次いで、分離信号Aのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号B、分離信号Bのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号B、分離信号Cのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号B、分離信号Aのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号C、分離信号Bのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号C、分離信号Cのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Cを順次読み出し、そして、分離信号Aのインターロック要因信号は既に全て読み出されているためブランク信号を読み出し、分離信号Bのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号D、分離信号Cのインターロック要因信号は既に全て読み出されているためブランク信号、ブランク信号、分離信号Bのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号E、ブランク信号を順番に読み出し、各分離信号のインターロック要因信号が全て読み出されるまで読み出しをおこなう。
上記読み出しにおいて、各分離信号に対応する要素データの読み出し回数は同じであり、分離信号のインターロック要因信号が全て読み出された場合は上述のようにブランク信号を読み出す。つまり、読み出しは、各分離信号の長さが同じになるように行う。そして、デュアルポートメモリ回路620は読み出した順番に各要素データを重合する(図8A(B)参照)。尚、生成される重合化信号の1フレームの長さは、重合化回路610から出力されるフレームパルス信号の1パルス周期となる。また、このときの重合化の速度は、マルチプレクサ613における重合化の速度のm倍(デマルチプレクサ630の出力数)である。つまり、マルチプレクサ613における重合化の速度の3倍の速度である。次いで、デュアルポートメモリ回路620は、クロック信号と、フレームパルス信号と、読み出した重合化信号とを含む伝送データを出力する(図8A(B)参照)。
次いで、デマルチプレクサ630において、デュアルポートメモリ回路620において読み出された重合化信号の要素データを先頭から1つずつ順番に各出力端子に順番に振り分ける。具体的には、重合化信号の先頭の要素データであるエラー監視データを第1出力端子631に、重合化信号内の2番目の要素データであるエラー監視データを第2出力端子632に、重合化信号内の3番目の要素データであるエラー監視データを第3出力端子633に、重合化信号内の4番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第1出力端子631に、重合化信号内の5番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第2出力端子632に、重合化信号内の6番目の要素データであるインターロック要因信号Aを第3出力端子633に、7番目のインターロック要因信号B、8番目のインターロック要因信号B、9番目のインターロック要因信号B、10番目のインターロック要因信号C、11番目のインターロック要因信号C、12番目のインターロック要因信号C、13番目のブランク信号X、14番目のインターロック要因信号D、15,16番目のブランク信号X、17番目のインターロック要因信号E、18番目のブランク信号Xを第1、第2、第3出力端子631,632,633に交互に振り分け、重合化信号の要素データがなくなるまで要素データを1つずつ端子毎に順番に振り分ける(図8B(C),(D),(E)参照)。
次いで、振りえ分けられた信号を重合化して分離信号を生成する。この場合、第1出力端子631に対応してインターロック回路661に送信すべき分離信号Aが生成され(図8B(C)参照)、第2出力端子632に対応してインターロック回路662に送信すべき分離信号Bが生成され(図8B(D)参照)、第3出力端子633に対応してドライバ回路663に送信すべき分離信号Cが生成される(図8B(E)参照)。尚、デマルチプレクサ630は、各分離信号の長さが受信したフレームパルス信号の1パルス周期となるように分離及び重合化を行う。
次いで、デマルチプレクサ630は、第1出力端子631からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Aとを含む伝送データを安全化回路651に、第2出力端子632からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Bとを含む伝送データを安全化回路652に、第3出力端子633からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Cとを含む伝送データをドライバ回路643に夫々出力する。
安全化回路651は、エラー監視回路652において、受信した伝送データにクロック信号が抜けているか否か、受信したフレームパルス信号と分離信号Aを観察してパルス信号毎にマルチプレクサ613で付された2種類(55/AA)のエラー監視データ(図3参照)が交互に付されているか否かを監視して、分離信号のデータの欠落及びデータのBitズレ等を監視する。クロック信号が抜けていない場合や、フレームパルス信号毎にマルチプレクサ613で付された2種類のエラー監視データが交互に付されている場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等がなく、分離信号にエラーは無いと判別する。一方、クロック信号が抜けている場合や、フレームパルス信号毎にマルチプレクサ613で付された2種類のエラー監視データが交互に付されていない場合は、分離信号にデータの欠落及びデータのBitズレ等が発生しており、分離信号にエラーが有ると判別して信号生成回路653にエラー信号を送信すると共に選択回路654に切換信号を送信する。
次いで、信号生成回路653が、エラー監視回路652からエラー信号を受信すると、この分離信号Aが送信されるインターロック回路661がインターロック実行先であるガス供給装置47を安全側に駆動させるように分離信号Aのインターロック要因信号(インターロック要因信号A,B,C)の値をON又はOFFの予め設定された値に変更し、所定の安全駆動信号を生成して選択回路654に送信する。信号生成回路653は、例えば、インターロック要因信号AがON信号であり、インターロック要因信号BがON信号であり、インターロック要因信号CがON信号である安全駆動信号を生成する。これにより、ガス供給装置47はガスの供給を停止して中止するので、ガス供給装置47が安全側に駆動される。
次いで、選択回路654は、エラー監視回路652から切換信号を受信した場合、つまり分離信号Aにエラーがある場合は復号化回路641に安全駆動信号を送信し、エラー監視回路652から切換信号を受信しない場合、つまり分離信号Aにエラーがない場合は、分離信号Aをそのまま復号化回路641に送信する。
安全化回路656も上記安全化回路652と同様に動作する。即ち、エラー監視回路656が受信した分離信号Bにエラーが有ると判別した場合、信号生成回路657が真空機器を安全側に駆動する安全駆動信号を生成し、この安全駆動信号を選択回路658が複合回路642に出力する。一方、エラー監視回路656が受信した分離信号Bにエラーが無いと判別した場合、選択回路658は受信した分離信号Bをそのまま復号化回路642に出力する。ここで、信号生成回路657は、例えば、インターロック要因信号A,B,C,D,Eが全てON信号である安全駆動信号を生成する。これにより、真空機器が真空引きを停止して中止するので、真空機器が安全側に駆動される。
安全化回路651から分離信号又は安全駆動信号を受信した復号化回路641は、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化して各要素信号に分離し、インターロック要因信号のみ(インターロック要因信号A,B,C)を抽出してインターロック回路661に出力する。復号化回路642も同様に、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化して各要素信号に分離し、インターロック要因信号のみ(インターロック要因信号A,B,C,D,E)を抽出してインターロック回路662に出力する。
一方、ドライバ回路643は、デマルチプレクサ630から受信した分離信号Cをケーマスタスイッチ回路800に伝送する。
そして、復号化回路641からインターロック要因信号A,B,Cを受信したインターロック回路661は、受信したインターロック要因信号A,B,Cの内容を解析して、即ち、ON信号であるかOFF信号であるかを判別して、インターロック要因信号A,B,Cの内容の組み合わせに応じて上述のようにガス供給装置47に対してインターロック制御を実行する。
つまり、インターロック回路661は、インターロック要因信号Aの値がONであってゲートバルブ44が開状態である場合、インターロック要因信号Bの値がONであってガス供給装置47においてガス漏洩が発生している場合、又はインターロック要因信号CがON状態であって真空容器11の処理空間Sが大気圧状態である場合のいずれかの条件に該当する場合に、ガス供給装置47に対して処理ガスのガス供給を停止して中止するように指令するインターロック指令Aを発する。このインターロック指令Aを受信するとガス供給装置47は処理ガスのガス供給を停止して中止する。一方、インターロック要因信号Aの値、インターロック要因信号Bの値、及びインターロック要因信号Cの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路661はインターロック指令Aを発しない。
同様に、インターロック回路662は、受信したインターロック要因信号A,B、C,D,Eの内容を解析して、インターロック要因信号A,B、C,D,Eの内容の組み合わせに応じて上述のように真空機器に対してインターロック制御を実行する。
つまり、インターロック回路662は、インターロック要因信号Aの値がONであってゲートバルブ44が開状態である場合、インターロック要因信号BがON状態であってガス供給装置47においてガス漏洩が発生している場合、インターロック要因信号CがON状態であって真空容器11の処理空間Sが大気圧状態である場合、インターロック要因信号DがON状態であってutility装置52から供給するエアの圧力が上記所定の圧力より低下している場合、又はインターロック要因信号EがON状態であってガス無毒化装置50が故障している場合のいずれかの条件に該当する場合に、真空機器に対して真空容器11内の真空引きを停止し中止するように指令するインターロック指令Bを発する。このインターロック指令Bを受信すると真空機器は真空容器11内の真空引きを停止して中止する。一方、インターロック要因信号A,B,C,D,Eの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路662はインターロック指令Bを発しない。
次いで、スレーブスイッチ回路700の動作について説明する。
A/D変換回路701,702は、エア供給圧監視センサ53、及びガス無毒化装置I/F50aを介してガス無毒化装置50から夫々受信したインターロック要因信号D,EをA/D変換し、インターロック要因信号D,Eをデジタル信号にする。
次いで、マルチプレクサ713が、エラー監視データ生成回路712において生成されたエラー監視データ(図3参照)と、A/D変換されたインターロック要因信号D,Eとを多重化して多重化信号を生成する。
マルチプレクサ713は、スレーブスイッチ回路600のマルチプレクサ613と同様に、エラー監視データに次いで受信したインターロック要因信号をアルファベット順に多重化して多重化信号を生成する。生成される1フレームの多重化信号の長さはフレーム信号生成部711からのフレームパルス信号の1パルス周期に対応する長となり(図9A(A)参照)、エラー監視データと受信したインターロック要因信号とを多重化した多重化信号がこのフレームパルス信号よって規定されるフレーム長より短い場合は、ブランク信号が多重化される。マルチプレクサ713において生成される多重化信号は、図9A(A)に示すように、エラー監視データ、インターロック要因信号D,E、及び所定数のブランク信号がこの順番で多重化された信号となる。尚、インターロック回路761においてインターロック要因信号A,B,Cはインターロック要因ではないので、マスタスイッチ回路800からインターロック要因信号は伝送されない。
次いで、多重化装置710は、クロック信号と、フレームパルス信号生成部712において生成したフレームパルス信号と、マルチプレクサ713で生成した多重化信号とを1つの伝送データとして出力する(図9A(A)参照)。
多重化装置710で多重化された多重化信号は、書き込みアドレス回路721の制御に従ってデュアルポートメモリ回路720に記憶される。書き込みアドレス設定メモリ723の書き込みアドレス設定データには、スレーブスイッチ装置600の書き込みアドレス設定メモリ623と同様に、多重化信号の要素データが先頭から順番にデュアルポートメモリ回路720の所定のアドレスに書き込まれるように多重化信号の要素データの順番と書き込み先アドレスとの関係が設定されており、デュアルポートメモリ回路720は、書き込みアドレス制御回路722に制御されて書き込みアドレス設定データに従って多重化信号の各要素データを先頭から所定のアドレスに書き込む。
デュアルポートメモリ回路720に書き込まれた多重化信号は、次いで、読み出しアドレス制御装置724の制御に従ってデュアルポートメモリ回路720から読み出される。読み出しアドレス設定メモリ726の読み出しアドレス設定データには、スレーブスイッチ装置600の読み出しアドレス設定メモリ626と同様に、まずデマルチプレクサ730から出力すべき分離信号(多重化信号)の数nだけ(スレーブスイッチ回路700においてはn=2)エラー監視信号を読み出し、次いで、デマルチプレクサ730から出力すべき分離信号の各々の要素データであるインターロック要因信号を1つずつ順番に読み出すように、読み出す要素データと、これらの要素データを読み出す順番と、要素データの読み出しアドレスとの関係が設定されている。
つまり、まず、エラー監視データを2回読み出し、次いでインターロック回路761に送信される分離信号(以下、分離信号Dとも称する)(図9B(C)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Dを読み出し、ドライバ回路762に送信される分離信号(以下、分離信号Eとも称する)(図9B(D)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Dを読み出し、分離信号Dのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Eを、分離信号Eのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Eを読み出し、所定数のブランク信号を読み出す。
そして、デュアルポートメモリ回路720は読み出した順番に各要素データを重合する(図9A(B)参照)。尚、生成される重合化信号の1フレームの長さは、重合化回路710から出力されるフレームパルス信号の1パルス周期となる。また、このときの重合化の速度は、マルチプレクサ713における重合化の速度のn倍(デマルチプレクサ730の出力数)である。つまり、マルチプレクサ713における重合化の速度の2倍の速度である。次いで、デュアルポートメモリ回路720は、クロック信号と、フレームパルス信号と、読み出した重合化信号とを含む伝送データを出力する(図9A(B)参照)。
次いで、デマルチプレクサ930において、デュアルポートメモリ回路720において読み出された重合化信号の要素データを先頭から1つずつ順番に各出力端子に順番に振り分ける。具体的には、重合化信号の先頭の要素データであるエラー監視データを第1出力端子731に、重合化信号内の2番目の要素データであるエラー監視データを第2出力端子732に、重合化信号内の3番目の要素データであるインターロック要因信号Dを第1出力端子731に、重合化信号内の4番目の要素データであるインターロック要因信号Dを第2出力端子732に、5番目のインターロック要因信号E、6番目のインターロック要因信号Eを第1、第2出力端子731,732に交互に振り分け、重合化信号の要素データがなくなるまで要素データを1つずつ端子毎に順番に振り分ける(図9B(C),(D)参照)。
次いで、振りえ分けられた信号を重合化して分離信号を生成する。この場合、第1出力端子731に対応してインターロック回路761に送信すべき分離信号Dが生成され(図9B(C)参照)、第2出力端子732に対応してドライバ回路742に送信すべき分離信号Eが生成される(図9B(D)参照)。尚、デマルチプレクサ730は、各分離信号の長さが受信したフレームパルス信号の1パルス周期となるように分離及び重合化を行う。
次いで、デマルチプレクサ730は、第1出力端子731からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Dとを含む伝送データを安全化回路751に、第2出力端子732からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Eとを含む伝送データをドライバ回路742に夫々出力する。
安全化回路751は、スレーブスイッチ回路600の安全化回路651と同様に動作する。即ち、エラー監視回路752が受信した分離信号Dにエラーが有ると判別した場合、信号生成回路753がutility供給装置52を安全側に駆動する安全駆動信号を生成し、この安全駆動信号を選択回路754が複合回路741に出力する。一方、エラー監視回路752が受信した分離信号Eにエラーが無いと判別した場合、選択回路754は受信した分離信号Eをそのまま複合回路741に出力する。ここで、信号生成回路753は、例えば、インターロック要因信号D,Eが全てON信号である安全駆動信号を生成する。これにより、utility供給装置52がエア、水、N2の供給を停止するので、utility供給装置52が安全側に駆動される。
安全化回路751から分離信号又は安全駆動信号を受信した復号化回路741は、受信した分離信号又は安全駆動信号を復号化して各要素信号に分離し、インターロック要因信号のみ(インターロック要因信号D,E)を抽出してインターロック回路761に出力する。
一方、ドライバ回路742は、デマルチプレクサ730から受信した分離信号Eをマスタスイッチ回路800に伝送する。
そして、復号化回路741からインターロック要因信号D,Eを受信したインターロック回路761は、受信したインターロック要因信号D,Eの内容を解析して、即ち、ON信号であるかOFF信号であるかを判別して、インターロック要因信号D,Eの内容の組み合わせに応じて上述のようにutility供給装置52に対してインターロック制御を実行する。つまり、インターロック回路761は、インターロック要因信号Dの値がONであってutility装置52から供給するエアの圧力がプラズマ処理装置10のゲートバルブ44等のシステムを駆動するために必要な上記所定の圧力より低下した場合、又はインターロック要因信号EがON状態であってガス無毒化装置50が故障した場合のいずれかの条件に該当する場合に、utility供給装置52に対して処理エアや水、N2ガスの供給を停止するように指令するインターロック指令Cを発する。このインターロック指令Cを受信するとutility供給装置52はエアや水、N2ガスの供給を停止する。一方、インターロック要因信号Dの値及びインターロック要因信号Eの値のいずれもONでない場合は、インターロック回路761はインターロック指令Cを発しない。
次いで、マスタスイッチ回路800の動作について説明する。
上述のように、スレーブスイッチ装置600,700のドライバ回路643,742から夫々伝送された分離信号C,Eを夫々含む伝送データ(図8B(E),図9B(D)参照)は、安全化回路810,820に受信される。
安全化回路810,820は、安全化回路651と同様に、エラー監視回路811,821においてクロック信号の抜け及びエラー監視データの観察を行い、エラーの有無の判別を行う。エラーが無い場合は、選択回路813,823から受信した伝送データをそのまま出力する。一方、エラーがある場合は、信号生成回路812,822において夫々の分離信号C,Eのインターロック要因信号の内容を真空機器、ガス供給装置47、及びutility供給52が安全側に駆動されるように予め設定された値(ON又はOFF)に変更して安全駆動信号を重合化信号として、選択回路813,823からクロック信号及びフレームパルス信号と共に出力する。信号生成回路812は、例えば、インターロック要因信号A,B,CがON信号である安全駆動信号を生成する。また、信号生成部822は、例えば、インターロック要因信号D,EがON信号である安全駆動信号を生成する。これにより、真空機器、ガス供給装置47、及びutility供給52が安全側に駆動されるようになる。
次いで、マルチプレクサ833は、上記スレーブスイッチ回路600のマルチプレクサ613と同様に、受信した多重化信号を予め設定された順番で多重化する。具体的には、マルチプレクサ833は、エラー監視データに次いで受信したインターロック要因信号をアルファベット順に多重化して多重化信号を生成する。マルチプレクサ833は、生成する1フレームの多重化信号の長さが受信したフレームパルス信号の1パルス周期に対応する長さとなるように多重化信号を生成する。エラー監視データと受信したインターロック要因信号とを多重化した多重化信号がこのフレームパルス信号よって規定されるフレーム長より短い場合は、マルチプレクサ833は所定数のブランク信号を多重化し、生成する多重化信号の長さをこのフレーム長にする。
次いで、多重化回路830は、クロック信号と、フレームパルス信号と、生成した多重化信号とを1つの伝送データとして出力する(図10(A)参照)。
マルチプレクサ833で多重化された多重化信号は、書き込みアドレス回路841の制御に従ってデュアルポートメモリ回路840に記憶される。書き込みアドレス設定メモリ843の書き込みアドレス設定データには、スレーブスイッチ回路600の書き込みアドレス設定データと同様に、多重化信号の要素データが先頭から順番にデュアルポートメモリ回路840の所定のアドレスに書き込まれるように、多重化信号の要素データと、これらの要素データの順番と、書き込み先アドレスとの関係が設定されており、デュアルポートメモリ回路840は、書き込みアドレス制御回路842に制御されて書き込みアドレス設定データに従って多重化信号の各要素データを先頭から所定のアドレスに書き込む。具体的には、デュアルポートメモリ回路840は、多重化信号の先頭の要素データであるエラー監視データをデュアルポートメモリ回路840の所定のアドレス、例えば、番号が最も若いアドレスに書き込み、2番目の要素データであるインターロック要因信号Aを次のアドレスに、3,4,5番目の要素データであるインターロック要因信号C,D,Eを連続するアドレスに、と順番に1フレームの多重化信号の要素データを連続するアドレスに書き込む。
デュアルポートメモリ回路840に書き込まれた多重化信号は、次いで、読み出しアドレス回路844の制御に従ってデュアルポートメモリ回路840から読み出される。読み出しアドレス設定メモリ846の読み出しアドレス設定データには、スレーブスイッチ回路600の読み出しメモリ設置データと同様に、まずデマルチプレクサ850から出力すべき分離信号(多重化信号)の数pだけ(マスタスイッチ回路800においてはp=2)エラー監視信号を読み出し、次いで、デマルチプレクサ850から出力すべき分離信号の各々の要素データであるインターロック要因信号を1つずつ順番に読み出すように、読み出す要素データと、これらの要素データを読み出す順番と、要素データの読み出しアドレスとの関係が設定されている。
マスタスイッチ回路800においては、まず、エラー監視データを1回読み出し、次いで、本インターロック制御においてはスレーブスイッチ回路700にインターロック要因信号を送信する必要がないので、スレーブスイッチ回路700に送信される分離信号(以下、分離信号Gとも称する)の要素信号としてブランク信号を読み出す。次いでスレーブスイッチ回路600に送信される分離信号(以下、分離信号Fとも称する)(図10(C)参照)のインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Dを読み出し、ブランク信号Xを読み出し、分離信号Fのインターロック要因信号の1つであるインターロック要因信号Eを読み出し、ブランク信号Xを読み出し、分離信号Fのインターロック要因信号は既に全て読み出されているため所定数のブランク信号の読み出しをおこなう。そして、デュアルポートメモリ回路840は読み出した順番に各要素データを重合して重合化信号を生成し、この重合化信号をクロック信号及びフレームパルス信号と共に出力する(図10(B)参照)。尚、生成される重合化信号の1フレームの長さは、受信したフレームパルス信号のパルス周期となり、この長さに成るようにブランク信号Xが読み出される。
次いで、デマルチプレクサ850において、デュアルポートメモリ回路840において読み出された重合化信号の要素データを先頭から1つずつ順番に各出力端子に順番に振り分ける。具体的には、重合化信号の先頭の要素データであるエラー監視データを第1出力端子851に、2番目の要素データであるブランク信号Xを第2出力端子852に、3,4,5,6番目の要素データであるインターロック要因信号D、ブランク信号X、インターロック要因信号D、ブランク信号Xを第1,2出力端子851,852に交互に振り分け、重合化信号の要素データがなくなるまで要素データを1つずつ端子毎に順番に振り分ける。次いで、振りえ分けられた信号を重合化して分離信号を生成する。この場合、第1出力端子851に対応してスレーブスイッチ回路600に送信すべき分離信号Fが生成され(図10(C)参照)、第2出力端子852に対応してスレーブスイッチ回路700に送信すべき分離信号Gが生成される。分離信号Gはブランク信号Xのみから構成される。尚、デマルチプレクサ850は、各分離信号の長さが受信したフレームパルス信号のパルス周期となるように分離及び重合化を行う。
次いで、デマルチプレクサ850は、出力端子851からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Fとを含む伝送データ(図10(C)参照)をドライバ回路871に、第2出力端子852からクロック信号とフレームパルス信号と分離信号Gとを含む伝送データをドライバ回路872に夫々出力する。
ドライバ回路871は伝送データをスレーブスイッチ回路600のレシーバ回路691を介して安全化回路670に送信する。
スレーブスイッチ回路600において、安全化回路670は、安全化回路651と同様に駆動する。即ち、エラー監視回路671が受信した分離信号Fにエラーが有ると判別した場合、信号生成回路672が真空機器やガス供給装置47、utility供給装置52を安全側に駆動する安全駆動信号を生成し、この安全駆動信号を選択回路673がマルチプレクサ613に出力する。一方、エラー監視回路671が受信した分離信号Fにエラーが無いと判別した場合、選択回路673は受信した分離信号Fをそのままマルチプレクサ613に出力する。ここで、信号生成回路672は、例えば、インターロック要因信号D,Eが全てON信号である安全駆動信号を生成する。これにより、真空機器やガス供給装置47、utility供給装置52が安全側に駆動される。
一方、ドライバ回路872は伝送データをスレーブスイッチ回路700のレシーバ回路791に送信する。上述のように、スレーブスイッチ回路700においては、utility装置52に対するインターロック制御においてスレーブスイッチ回路600からのインターロック要因信号は必要ないので、レシーバ回路791は、マスタスイッチ回路800から受信した伝送データを安全化回路770に出力しない。尚、マスタスイッチ回路800のドライバ回路872は伝送データ(ブランク信号)をスレーブスイッチ回路700のレシーバ回路791に送信しないようにしてもよい。
上述のように、本発明の実施例に係るインターロック制御装置66によれば、複数の制御モジュール間のインターロック制御を実行する場合に、各制御モジュール間(各スレーブスイッチ回路間)で送受信するインターロック要因信号を多重化して送受信するので、制御モジュール間で送受信する信号を少なくすることができ、制御モジュール間を接続するための配線を少なくすることができる。従って、インターロック制御装置の構成を簡単にすることが、プラズマ処理装置10のシステムコントローラ60の構成を簡単にすることができる。
また、インターロック制御装置66によれば、各制御モジュール間(各スレーブスイッチ回路間)をマスタスイッチ回路によって接続し、各制御モジュールのインターロック制御に必要なインターロック要因信号をマスタスイッチ回路において夫々多重化して夫々の制御モジュールに送信するので、制御モジュール間で送受信する信号をより少なくすることができ、制御モジュール間を接続するための配線をより少なくすることができる。従って、インターロック制御装置の構成をより簡単にすることができる。
インターロック制御装置66によれば、送受信するインターロック要因信号の多重化や分離の条件を、各スレーブスイッチ回路及びマスタスイッチ回路におけるマルチプレクサ613,713,833の多重化条件、書き込みアドレス設定回路621,721,841における書き込みアドレス設定データ、読み出しアドレス設定回路624,724,844における読み出しアドレス設定データ、デマルチプレクサ630,730,850における分離条件、及びフレームパルス信号のパルス周期等の予め設定された変更可能な条件によって設定している。このため、各制御モジュールにおいて機能の追加や変更が行われたり、新たな制御モジュールが追加されたりしても、上記予め設定された条件を変更することで制御モジュール間での所望のインターロック制御を行うことができる。このように、インターロック制御装置66は、プラズマ処理装置10において各制御モジュールの機能の追加や変更、新たな制御モジュールの追加に対して容易に対応することができる。
インターロック制御装置66は、安全化回路を備え、安全化回路は、制御モジュール間を伝送される伝送データにエラーがある場合は、真空機器やガス供給装置47、utility供給装置52を安全側に駆動させる信号を生成する。従って、制御モジュール間を伝送される伝送データにエラーが発生した場合は、空機器やガス供給装置47、utility供給装置52等の各機器を安全側に駆動するように制御するので、インターロック制御装置の安全性を向上させることができ、プラズマ処理装置の安全性を向上させることができる。
インターロック制御装置66は、各スレーブスイッチ回路及びマスタスイッチ回路がデータ蓄積回路を備え、データ蓄積回路はI/Fを介してモニタ端末が接続可能であるので、オペレータは多重伝送される状態検知信号、即ちインターロック要因信号を容易に観察することができる。従って、このインターロック要因信号からプラズマ処理装置10の状態を容易に監察することができ、障害が発生した場合には原因の解析などを容易に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るインターロック制御装置66は、プラズマ処理装置10の備える制御モジュールの内2つの制御モジュールの間でインターロック制御を実行するものとしたが、インターロック制御装置66は、スレーブスイッチ回路を増やすことにより多数の制御モジュール間におけるインターロック制御を実行することができる。この場合も、上記と同様の効果を奏することができる。
また、インターロック制御装置66においては、制御モジュール61において検知されたインターロック要因信号をスレーブスイッチ回路700において制御モジュール62に対応するインターロック実行先であるutility供給装置52のインターロック制御に使用していないが、スレーブスイッチ回路700はスレーブスイッチ回路600と同様に、他のスレーブスイッチ回路600から送信されるインターロック要因信号をインターロック実行先に対するインターロック制御に使用することもできる。