JP4643254B2 - 透析機器洗浄排水の中和処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は透析機器類の消毒,洗浄排水のpHを中性にする透析機器洗浄排水の中和処理装置に関する。
人工透析を行う病院,診療所等では透析終了後に、例えば水洗−酸洗浄−水洗−薬洗−水洗といった工程を経る透析機器の消毒,洗浄がなされる。酸洗浄には酢酸などの酸性洗浄水が、薬洗には次亜塩素酸ナトリウムなどのアルカリ洗浄水が用いられる。これに伴って酸性に傾いた洗浄排水やアルカリ性に傾いた洗浄排水が排出される。
また、病院,診療所等によっては酢酸などの酸洗浄のみによる殺菌洗浄も行われ、これに伴い酸性に傾いた洗浄排水が排出される。該透析機器洗浄排水は水質基準内に収まっていないため、中和処理してから下水道へ流されることとなる。本出願人はこの酸性に傾いた透析機器洗浄排水を中和処理する装置を先に提案した(特許文献1参照)。
特開2002−282869公報
しかるに、特開2002−282869公報技術(従来技術1)には次のような問題があった。
透析機器洗浄排水の配管途中のラインに半円筒形のpH調節機を組み込んでいるので、20床程度のベッド数の比較的小規模の病院向けに限られていた。ベッド数の増加と共に配管途中に収めるのが困難になると共に、中和処理が不十分になるときがあった。配管を流れる実際の透析機器洗浄排水は流量,流速が常に変動している。該洗浄排水の流量が少ない場合は配管壁面をつたって流れ落ちることが多く、流量が多くなっても配管内を充満しているケースはともかく、充満してない場合は偏流する傾向にある。pH調節機に至るまでの排水経路がいくつも分岐していたりしているのが原因と考えられるが、そもそもベッド数増加のスケールアップ化が偏流を生まれ易くしている。上階から下階へ垂直配設される透析機器の洗浄排水用配管の途中にpH調節機を設けても、該洗浄排水が偏流状態でpH調節機内を流下するため、所定の効果を得にくく、また固形pH調節剤たる中和剤も均等に消耗しないで不必要に消費量が多くなることがあった。
さらに透析機器の洗浄排水用配管途中に設けられることから、時としてpH調節機内に透析機器洗浄排水が溜まったまま放置される場合があり、透析機器洗浄排水に浸かったままの固形中和剤を溶解させやせ細らせていた。
本発明は上記問題点を解決するもので、比較的簡単な構造ながら大型化に対応でき、維持管理も容易で、中和剤の不必要な消耗を減らし、透析機器の洗浄排水を安定的に且つ確実に排水処理できる透析機器洗浄排水の中和処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、請求項に記載の発明の要旨は、塔内の下部に水切り用簀子板を設け、該簀子板の下方の塔底部に液流出管を設けると共に、塔上部に透析機器の洗浄排水を散水する液分布器を設けた塔本体(1)と、水に溶解してアルカリ性を呈する粒状物にして、前記簀子板上に充填される固形の中和剤(2)と、透析機器の洗浄排水用本管の途中に設けられる開閉弁(3)と、該開閉弁よりも上流側の前記本管から略水平又は下降傾斜して分岐し前記液分布器へ導く上流側分岐管(4)と、前記液流出管から水平又は下降傾斜して前記開閉弁よりも下流側の前記本管へと接続する下流側分岐管(5)、又は前記液流出管から略水平又は下降傾斜して雑排水管へと接続する下流側分岐管(5)と、を具備し、前記中和剤を濡らすように前記液分布器から透析機器の洗浄排水を散水して流下させ、該中和剤の溶解により中和処理をなすことを特徴とする透析機器洗浄排水の中和処理装置にある。
請求項の発明たる透析機器洗浄排水の中和処理装置は、請求項で、中和剤が水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物からなり、且つ前記液分布器がパイプの下面側に透孔を多数形成した液分配管からなることを特徴とする。
請求項の発明たる透析機器洗浄排水の中和処理装置は、請求項で、塔本体の外形をその正面板の縦横長さに比べ奥行き幅が狭い略方形体に形成し、且つ該塔本体の外形の奥行き幅の略中間地点を一直線状に1本の前記液分配管が横断するよう配設されてなることを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、塔内の下部に水切り用簀子板を設け、該簀子板の下方の塔底部に液流出管を設けると共に、塔上部に透析機器の洗浄排水を散水する液分布器を設けた塔本体(1)と、水に溶解してアルカリ性を呈する粒状物にして、前記簀子板上に充填される固形の中和剤(2)と、を具備し、該中和剤を濡らすように前記液分布器から透析機器の洗浄排水を散水して流下させ、該中和剤の溶解により中和処理をなすと、透析機器の洗浄排水管のラインから別個独立して塔本体を設置できるので、簡単な構造ながら透析機器の洗浄排水量が大なるものに対してもたやすく対応できる。また維持管理も楽に対応できる。中和剤は充填塔形式で簀子板上に充填され、該簀子板によって水切りされるので、中和剤の不必要な消耗を減らす。透析機器の洗浄排水を安定的に且つ確実に処理できる。透析機器の洗浄排水用本管の途中に設けられる開閉弁(3)と、該開閉弁よりも上流側の前記本管から略水平又は下降傾斜して分岐し前記液分布器へ導く上流側分岐管(4)と、前記液流出管から水平又は下降傾斜して前記開閉弁よりも下流側の前記本管へと接続する下流側分岐管(5)、又は前記液流出管から略水平又は下降傾斜して雑排水管へと接続する下流側分岐管(5)と、を具備すると、重力落差を利用して透析機器の洗浄排水を簡単に処理できる。請求項の発明のごとく、中和剤が水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物からなると、酸中和処理中にアクが出ず、且つ粒径も適度な大きさで、作業性,取扱いに優れたものとなる。前記液分布器がパイプの下面側に透孔を多数形成した液分配管からなると、液分布器がシンプルになる。請求項の発明のごとく、塔本体の外形をその正面板の縦横長さに比べ奥行き幅が狭い略方形体に形成し、且つ該塔本体外形の奥行き幅の略中間地点を一直線状に1本の前記液分配管が横断するよう配設されると、中和処理装置の構造を簡素化できる。
本発明の透析機器洗浄排水の中和処理装置は、比較的簡単な構造にして透析機器の洗浄排水処理量が増えても容易に装置化でき、更に維持管理が楽で中和剤の不必要な消耗を減らし、加えて低コストで透析機器の洗浄排水を安定的に且つ確実に排水処理できるなどの優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係る透析機器洗浄排水の中和処理装置(以下、単に「中和処理装置という。)について詳述する。図1〜図6は本発明の中和処理装置の一形態で、図1は透析機器の洗浄排水用本管に接続してなる中和処理装置の概略正面断面図、図2は図1の側面図、図3は(イ)が図1のI-I線矢視図で(ロ)が液分布器の横断面図で(ハ)が塔本体の上蓋周りの拡大図である。図4は上蓋を外した中和処理装置の平面図、図5は液分布器周りの拡大図、図6は図1〜図5と別態様の透析機器の洗浄排水用本管、雑排水管との接続例を示す中和処理装置の説明図である。尚、図5は液分散板の図示を省く。
中和処理装置は塔本体1と中和剤2と開閉弁3と上流側分岐管4と下流側分岐管5とを備える(図1)。
塔本体1は塔内に中和剤2を充填して透析機器の洗浄排水6を中和処理する装置の本体部分である。正面板10aと背面板10bと側板10cと底板10dとで上面開口の有底筒状体に形成され、上面開口を上蓋10eで開閉自在にして塔本体1の外壁シェルが形成される。本実施形態は図3,図4のごとく塔本体1の外形をその正面板10aの縦横長さに比べ奥行き幅Wが狭い略方形体に形成する。底板10dは側面視が図3のごとく中央下部に向けてコーン状に狭まり、塔内に注がれた洗浄排水6が中央下部に集まるようにする。正面板10a,背面板10bの下縁は、スカート縁として該中央下部より下に延び、それらの下端部分にレベル調節具LTを取付けて、塔本体1が床GLに立設する。
該塔本体1に係る塔内の下部には水切り用簀子板11が設けられ、該簀子板11の下方の塔底部1bに液流出管12が設けられると共に、塔上部1cには透析機器の洗浄排水6を散水する液分布器14が設けられる。本実施形態は、さらに一側板10c寄りの塔内部で、該側板10cに沿って液分布器14から簀子板11に至る所まで仕切板10fが立設し、液分布器14から簀子板11に至る塔内は、該仕切板10fにより中和剤2が充填される室とオーバーフロー室とに区画化される。中和剤2が充填される室の横断面は、中和剤2の充填層が存在しても、透析機器の洗浄排水6が速やかに流下するに十分な断面積が確保される。尚、前記オーバーフロー室は、中和剤2が経時変化で透析機器洗浄排水6に溶解し小さくなったり不溶物で充填層に沈着したりして、充填層が目詰まり状態になる万一の場合に備えるものである。中和剤2の充填層が詰まってもオーバーフロー室に洗浄排水6をバイパスさせて対処できるようにする。
符号18は液分布器14の若干下方で塔内を横断敷設される多孔板からなる液分散板を示す。液分散板18は中和剤2が充填される室の方だけに設けられる。液分散板18は必要に応じ設けられる。該液分散板18を設けることによって、簀子板11上に充填される中和剤2に対し、液分布器14だけによる透析機器洗浄排水6の散水よりも一段と散水61の均等分配が進み、透析機器洗浄排水6の一層確実な中和処理をなす。符号19bは塔上部1cの内壁に固着する受部材で、液分散板18を支持する。
透析機器の洗浄排水用本管9が図1のごとく塔本体1近くで垂直方向に配設されており、塔上部1c側寄りの高さの地点に開閉弁3が設けられる。そして、透析機器の洗浄排水用本管9の途中に設けられるこの開閉弁3よりも上流側に位置する本管9から上流側分岐管4が分岐して前記液分布器14とつながる。また、前記開閉弁3よりも下流側に位置する本管9から下流側分岐管5が分岐して前記液流出管12と接続する。上流側分岐管4は本管9から液分布器14へほぼ同レベルの高さでほぼ水平配設されるが、本管9から液分布器14へは透析機器洗浄排水6を流れ易くすべく下降傾斜をつけて配設するとより好ましくなる。下流側分岐管5は本管9から液流出管12へほぼ同レベルの高さでほぼ水平配設されるが、本管9から液流出管12へは透析機器洗浄排水6を流れ易くすべく上昇傾斜をつけて配設するとより好ましくなる。すなわち、下流側分岐管5は液流出管12から下降傾斜して開閉弁3よりも下流側の本管9へ接続することによって透析機器洗浄排水6が重力落差で円滑に流れ落ちる。尚、上流側分岐管4,下流側分岐管5は本管9から分岐するT型継手の所で、図1のごとく一旦立ち上がるようにする。開閉弁3が開のときに、透析機器洗浄排水6が不用意に中和処理装置の方へ流れ込まないようにするためである。符号92は本管ライン上で、上流側分岐管4が分岐する地点から開閉弁3までの上流側短管である。該短管は開閉弁3が閉のとき透析機器洗浄排水6が溜まる所になるので短くする方がよい。符号93は本管ライン上で、開閉弁3から下流側分岐管5が本管9に合流する地点までの下流側短管を示す。
前記簀子板11は多孔板や網の目状、或いは格子状として、水切りし得る通水性を有する平板状体又はグリッドである。ここでは金属製金網を平板状にした簀子板11とする。塔底部1bから所定高さの塔下部1aの内周壁に金属製角材からなる受部材19bを固着し、該受部材に支持されるようにして簀子板11が水平に載置される。簀子板11の篩の目は固形粒状物たる中和剤2を載せることのできる大きさにする。
前記液流出管12は塔内と導通するようにして塔底部1bから外方に突出するノズルで、ここでは底板10dが形成する前記中央下部の高さレベルの塔本体1側板10cに固着される。液流出管12は透析機器洗浄排水6の本管9と略同径とする。符号12aは液流出管12の先端に設けたフランジを示す。フランジ結合で液流出管12は下流側分岐管5と連結して本管9とつながる。符号13は該液流出管12と対向する塔本体側板10cに設けられる下部ノズル、符号13aは下部ノズル13の先端に設けたフランジ、符号13bは盲フランジを示す。液流出管12と下部ノズル13が一直線上にあり、盲フランジ13bを外して定期点検,清掃等のメンテナンスがし易くなっている。
前記液分布器14は塔上部1cに設けられる透析機器洗浄排水6の液分配器で、より詳しくは塔本体1内の簀子板11上に充填される中和剤2の充填層にその上から透析機器の洗浄排水6を分散させて注水し得る液分配器である。ここでの液分布器14は図3(ロ)のようにパイプの下面側に透孔141を多数形成した液分配管14aからなり、図1,図4のごとく塔本体1の奥行き幅Wの略中間地点を一直線状に1本の液分配管14aが横断するよう配設される。透孔141は中和剤2の充填層に略均等に散水できるようパイプ下面側に所定ピッチで設けられる。塔上部1cの側板10cから突設する液分配管14aに係る導入ノズル16は、その内端部分が塔内に収まる。また該導入ノズル16と対向する塔上部1cの側板10cに上部ノズル15が突設し、該上部ノズル15の内端部分が塔内に収まる。上部ノズル15の内端は仕切板10fを越え、中和剤2が充填される室内に達する。液分配管14aは図1のごとく両側板10c間の長さより若干小さめの管長で、導入ノズル16の内端と上部ノズル15の内端との間に嵌まる長さの透孔141付きパイプである。液分配管14aの両端をバンド締結することにより導入ノズル16,液分配管14a,上部ノズル15が一直線につながる。透析機器洗浄排水6の本管9の上流部91から上流側分岐管4,導入ノズル16を経て、液分配管14aに導かれた透析機器の洗浄排水6は透孔141から散水となって、雨だれのごとく降り落ちる(図5)。塔本体1の奥行き幅Wが狭いため、1本の液分配管14aを通すだけで中和剤2の充填層上面に略均等に透析機器洗浄排水6を散水できる。中和剤2を濡らすように前記液分布器14から透析機器洗浄排水6を散水して流下させ、該中和剤2の溶解により中和処理をなす。簀子板11が水切りとなって、散水,流下する透析機器洗浄排水6を流し去る。中和剤2が不必要に透析機器洗浄排水6に長時間浸からないので、中和剤2のやせ細りや過度の溶解が起こる虞はない。導入ノズル16,液分配管14a,上部ノズル15の管径は透析機器洗浄排水6の本管9の径と略同じとする。液分配管14aはパイプ径,パイプ長さを同じくして、透孔141の個数や大きさ、透孔141のピッチ配列等が違うタイプのものが適宜準備される。バンド17a,17bを外せば(図3のイの鎖線)、透孔141の個数や透孔141の大きさの異なる液分配管14aと容易に取り替えることができる。尚、液分配管14aはパイプを半割りにしてその半割り椀状部に透孔141を多数設けるものでもよい。
中和剤2は水に溶解して酸性又はアルカリ性を呈する粒状物にして、前記簀子板11上に充填される固形物である。図1のごとく粒状中和剤2が液分散板18近くまで充填される。透析機器洗浄排水6が酸性の場合、中和剤2には水に溶解してアルカリ性を呈する粒状物が用いられる一方、透析機器洗浄排水6がアルカリ性の場合、中和剤2には水に溶解して酸性を呈する粒状物が用いられる。
本実施形態は酢酸などの酸洗浄による殺菌洗浄がなされた透析機器洗浄排水6であり、中和剤2は水に溶解してアルカリを呈する水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウム,炭酸カルシウム等の粒状物で、より好ましくは水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物2aとする。海水法水酸化マグネシウムによって得られる粒径が3mm〜5mmの水酸化マグネシウム粒状物又はそれを所定温度で焼成した酸化マグネシウムを用い、具体的には宇部マテリアルズ株式会社製の水酸化マグネシウム粒状物を用いる。海水法水酸化マグネシウムは、「脱炭酸海水に消石灰乳を添加して生成されるが、その水酸化マグネシウムではコロイド状となり沈降及び洗浄が困難になるので、種晶循環を実施し、粒子を大きくして沈降性,濾過性の良い水酸化マグネシウムが得られる」(『13398の化学商品』,化学工業日報社,165頁,1998)ことから、これを中和処理装置で用いても酸中和処理中にアク等が出ず、またその粒径も適度な大きさで、取扱いに優れたものとなっている。
尚、図3で符号10eは上蓋10e内周に固着する当て部材、符号10eは上蓋10eに係る嵌合部、符号gはパッキンで、これらは補助塔上部1cへの上蓋10eの開け閉めを容易にすると共に簡便且つ確実に蓋ができる構成にある。
次に、前記構成の中和処理装置を用いた透析機器洗浄排水の一処理方法について説明する。塔本体1の簀子板11上に酸化マグネシウムからなる粒状の中和剤2を所定高さ充填し上蓋10eで蓋をし、開閉弁3を開にしてスタンバイする。人工透析中の排水は本管上流部91から上流側短管92,開閉弁3,下流側短管93,下流部94へと、塔本体1を通らずにそのまま流下する。その後、人工透析が終了し、透析機器が洗浄,消毒される。そして、透析機器類の洗浄で酸性側に傾いた透析機器洗浄排水6が流されると、透析機器洗浄排水6の本管上流部91で透析機器洗浄排水6が酸性側に変わったのを図示しない検出器が検知し、この検出信号が開閉弁3に伝達されて該開閉弁3を閉にする。酸性側に傾いた透析機器洗浄排水6は開閉弁3によって下流側短管93に向かうのが阻止され、上流部91から上流側分岐管4,導入ノズル16を経て液分配管14aに入る。透析機器洗浄排水6は図5のように液分配管14aが緩衝器になってそこに一旦溜められる。液分配管14aが洗浄排水6の流量変動を吸収する。符号62はその溜められた透析機器洗浄排水6の液面を示す。その一方で、液分配管14aに係るパイプの下面側には透孔141が多数形成されていることから、液分配管14aに溜められる透析機器洗浄排水6は同時進行で透孔141から散水61となって垂れ落ちる。中和剤2の充填層に均等に散水できるよう透孔141が所定ピッチで設けられているので、該散水は中和剤2のほぼ全域を濡らすようにして流下し、その過程で中和剤2の溶解により酸性側に傾いていた透析機器洗浄排水6を中和処理していく。中和処理された水7は簀子板11から流れ落ち、液流出管12から下流側分岐管5を通って本管下流部94へと向かう。塔本体1の横断面は洗浄排水6が速やかに流下するに十分な断面積が確保され、且つ簀子板11の下に塔底部1bの空間を設けると共に簀子板11が透析機器洗浄排水6の水を切るので、中和剤2が洗浄排水6に浸されることはない。中和剤2の不必要な消耗がない。
その後、酢酸などによる酸洗浄が終わると、水洗に変わる。すると、透析機器洗浄排水6の本管上流部91でpHが中性に戻ったことを検出器が検知し、その検出信号を受けて開閉弁3が開になって、中性の洗浄排水6は本管上流部91から開閉弁3を通って下流部94に流下する。塔本体1を通過しない。中和処理装置は次なる酸性の透析機器洗浄排水6がくるのを待つこととなる。酸性側に傾いた透析機器洗浄排水6がまた流されると前述と同様の処理をし、透析機器洗浄排水6のpHの円滑な中和処理がなされていく。
図6は中和処理装置と透析機器洗浄排水本管9の接続を異にした別態様図である。透析機器の洗浄排水用本管9の途中に開閉弁3を設け、該開閉弁3よりも上流側の本管上流部91から上流側分岐管4が下降傾斜して分岐し液分布器14に接続する。また、下流側分岐管5が液流出管12から下降傾斜して雑排水管Mへ接続する。液流出管12,下流側分岐管5には透析機器洗浄排水6を処理した処理水7を流すので、開閉弁3の下流部94に接続しなくても、一般雑排水管Mに接続できる。
このように構成した中和処理装置は、塔下部1aに水切り用の簀子板11を設けて該簀子板11上に粒状中和剤2を充填すると共に、塔上部1cに液分配管14aを設置して酸性に傾いた透析機器洗浄排水6をこの液分配管14aに導き、該液分配管14aの透孔141から中和剤2の充填層に散水して流下させ、中和剤2の溶解により中和処理をなすので、透析機器洗浄排水量が多くなり装置が大きくなっても簡単に対応できる。ベッド数規模が大で透析機器の洗浄排水6の処理量が増せば、塔本体1の中和剤2が充填される断面積を大きな塔本体1にし、且つその断面積にほぼ均一に透析機器洗浄排水6が散水できるよう液分配管14aを設けることによって容易に対応できる。透析機器の洗浄排水6の流量に変動があっても、液分配管14aに一旦溜められるので、液分配管14aがバッファーになってその変動を吸収する。さらに透析機器洗浄排水6の流量に変動があっても、塔本体を横断するようにして所定ピッチで設けられた透孔141を通じて充填層上に散水されるので、偏流の虞はない。
そして、塔本体1が充填塔の構造にして、液分配管14aから降り落ちる透析機器洗浄排水6の散水は、粒状中和剤2を濡らしながら流下するので、その過程で中和剤2は中和処理に必要な分だけその散水に溶け込んでいく。簀子板11が塔下部1aの流下する透析機器洗浄排水6の水切り用として働く。液槽等のように液中に中和剤2が長く浸かることがないので、中和剤2が不必要に消耗されない。透析機器洗浄排水6を長期に亘って安定且つ確実に処理できる。
上流側分岐管4が開閉弁3よりも上流側の本管上流部91から水平又は下降傾斜して分岐し液分布器14に接続し、また下流側分岐管5が液流出管12から水平又は下降傾斜して開閉弁3よりも下流側の本管下流部94へと接続するか、又は液流出管12から水平又は下降傾斜して雑排水管Mへ接続するので、重力落差を利用して透析機器洗浄排水6を難なく処理できる。透析機器洗浄排水6の処理に何ら動力を要しない。
また中和剤2に水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物を用いているので、中和剤2を濡らすように液分布器14から透析機器洗浄排水6を散水して流下させることによって、中和剤2が適度に溶解し上手く中和処理ができる。水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物2aを用いているので、天然岩石粒子等に比べ中和反応が速く、充填塔の充填物のごとく濡らすだけで十分となる。塔本体1内に充填する量も少なくて済む。海水法水酸化マグネシウムからなる中和剤2を用いると、粒子を大きくして沈降性,濾過性の良いものが得られることから、酸中和処理中にアクが出ず、且つ粒径も適度な大きさで、作業性,取扱いに一段と優れたものとなる。
さらに、塔本体1をその正面板10aの縦横長さに比べ奥行き幅Wが狭い略方形体に形成し、且つ該塔本体1の奥行き幅Wの略中間地点を一直線状に1本の前記液分配管14aが横断するよう配設しているので、塔本体1及び液分配管14aを簡単な構造にして、加えて中和剤2の充填層に透析機器洗浄排水6を均等散水し易くなる。奥行き幅Wが狭いので場所をとらず、少ない空きスペースでも図2のごとく建物壁に寄り添わせて本中和処理装置を設置できる。
尚、本発明においては、前記実施形態,実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。塔本体1,中和剤2,上流側分岐管4,下流側分岐管5,透析機器洗浄排水6の本管9,雑配水管M等の形状,大きさ,材質,成分組成等は用途に合わせて本発明の範囲内で適宜選択できる。
本発明の透析機器洗浄排水の中和処理装置の一形態で、透析機器の洗浄排水用本管に接続してなる中和処理装置の概略正面断面図である。 図1の側面図である。 (イ)が図1のI-I線矢視図で、(ロ)が液分布器の横断面図で、(ハ)が塔本体の上蓋周りの拡大図である。 蓋を外した状態の中和処理装置の平面図である。 液分布器周りの拡大図である。 別態様の透析機器洗浄排水本管,雑排水管との接続例を示す中和処理装置の説明図である。
符号の説明
1 塔本体
1a 塔下部
1b 塔底部
1c 塔上部
10a 正面板
11 簀子板
12 液流出器
14 液分布器
14a 液分配器
141 透孔
2 中和剤
2a 水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物
3 開閉弁
4 上流側分岐管
6 透析機器洗浄排水(洗浄排水)
5 下流側分岐管
9 透析機器洗浄排水の本管
W 奥行き幅

Claims (3)

  1. 塔内の下部に水切り用簀子板を設け、該簀子板の下方の塔底部に液流出管を設けると共に、塔上部に透析機器の洗浄排水を散水する液分布器を設けた塔本体(1)と、
    水に溶解してアルカリ性を呈する粒状物にして、前記簀子板上に充填される固形の中和剤(2)と、
    透析機器の洗浄排水用本管の途中に設けられる開閉弁(3)と、
    該開閉弁よりも上流側の前記本管から略水平又は下降傾斜して分岐し前記液分布器へ導く上流側分岐管(4)と、
    前記液流出管から水平又は下降傾斜して前記開閉弁よりも下流側の前記本管へと接続する下流側分岐管(5)、又は前記液流出管から略水平又は下降傾斜して雑排水管へと接続する下流側分岐管(5)と、を具備し、前記中和剤を濡らすように前記液分布器から透析機器の洗浄排水を散水して流下させ、該中和剤の溶解により中和処理をなすことを特徴とする透析機器洗浄排水の中和処理装置。
  2. 前記中和剤が水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物からなり、且つ前記液分布器がパイプの下面側に透孔を多数形成した液分配管からなる請求項記載の透析機器洗浄排水の中和処理装置。
  3. 前記塔本体の外形をその正面板の縦横長さに比べ奥行き幅が狭い略方形体に形成し、且つ該塔本体の外形の奥行き幅の略中間地点を一直線状に1本の前記液分配管が横断するよう配設されてなる請求項記載の透析機器洗浄排水の中和処理装置。
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