JP4641831B2 - プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システム - Google Patents

プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システム Download PDF

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Description

本発明は、プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムに関する。
従来より、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像を生成する画像生成システム(ゲームシステム)が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。ロールプレイングゲーム(RPG)を楽しむことができる画像生成システムを例にとれば、プレーヤは、自身の分身であるキャラクタ(オブジェクト)を操作してオブジェクト空間内のマップ上で移動させ、敵キャラクタと対戦したり、他のキャラクタと対話したり、様々な町を町を訪れたりすることでゲームを楽しむ。
さて、このような画像生成システムでは、スクリーントーンと呼ばれる漫画やアニメーション等で用いられているパターン(例えば、メッシュ、グリッド、ハッチングなど。)を表すパターン画像(トーン画像、あるいはトーンテクスチャ)をオブジェクトにマッピングして陰影や濃淡などを表現することがある。このようなパターン画像を用いたテクスチャマッピングでは、例えば、手書き調の画像表現を行うことができる。
ところで、例えば、球体などの曲面を有するオブジェクトに陰影(シェード)を、上記のようなパターン画像のテクスチャマッピングを行って表現する場合、陰影線は本来オブジェクトの表面形状に沿って描かれるべきである。しかしながら、単純にパターン画像をオブジェクトにマッピングしただけでは、画一的な陰影線となってしまい、手書き調の質感を十分に表現することができない。
特開2001−319244号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質な画像を生成することができ、例えば、手書き調の画像における高品質な陰影表現を実現することができるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムを提供することにある。
本発明は、オブジェクト空間における所与の視点から見た画像を生成するための画像生成システムであって、オブジェクトをスクリーン座標系に透視投影してジオメトリ処理を行うジオメトリ処理部と、ジオメトリ処理後におけるオブジェクトの各頂点の頂点スクリーン座標を取得するスクリーン座標取得部と、取得された前記頂点スクリーン座標に対して、前記オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報の加算または減算処理をして、該オブジェクトの各頂点についてテクスチャ座標を求めるテクスチャ座標演算部と、求められた前記テクスチャ座標に基づいて、所与のテクスチャを前記オブジェクトにマッピングするテクスチャマッピング部と、を含む画像生成システムに関係する。また、本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また、本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
本発明によれば、テクスチャ座標を求める際に、スクリーンに透視投影されたオブジェクトの各頂点の頂点スクリーン座標に対して、各頂点における法線ベクトル情報を加算又は減算処理することによって、マッピングされるトーン(テクスチャ)を物体の形状に沿うように変形させることができるようになる。すなわち、本発明によれば、曲面を有するオブジェクト面にトーンをマッピングした場合において、マッピングされる物体(オブジェクト)の形状に沿って手書きしたような質感を表現することができる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記法線ベクトル情報は、視点座標系又はスクリーン座標系での前記オブジェクトの各頂点の法線ベクトルの座標成分を絶対値化したものであってもよい。このようにすれば、法線ベクトル情報の加算又は減算処理によるテクスチャ座標の変化量が大きすぎることなく、手書き調の質感を十分に表現することができるようになる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記法線ベクトル情報は、前記法線ベクトルの座標成分の絶対値に対して所与の補正係数を乗算処理したものであってもよい。このようにすれば、手書き調独特の質感が出るようにテクスチャの変化の度合いを調整することができるようになる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記スクリーン座標取得部が、前記頂点スクリーン座標に加えて、前記オブジェクトに対して設定された基準点についての基準点スクリーン座標を取得し、前記テクスチャ座標演算部が、前記頂点スクリーン座標と前記基準点スクリーン座標との差分に対して、前記オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報の加算処理または減算処理をして、該オブジェクトの各頂点についてのテクスチャ座標を求めるようにしてもよい。このようにすれば、オブジェクトごとに基準点が設定されるため、視点やオブジェクトが移動した場合であっても、これらの移動に追従するようにテクスチャ座標が求められる。従って、カメラやオブジェクトの移動による不自然さが生じにくい高品質な画像を生成することができ、例えば、手書き調の画像において高品質な陰影表現を実現することができるようになる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記テクスチャ座標演算部が、前記オブジェクトの各頂点と前記基準点との視点座標系における奥行き方向の距離差に応じて前記テクスチャ座標を補正するようにしてもよい。オブジェクトの各頂点は、ジオメトリ処理後においても奥行き座標値を持っているため、視点が移動すると視点に近いオブジェクトはスクリーン上を速く動き、視点から遠いオブジェクトはスクリーン上をゆっくりと動く。このため、基準点から奥行き方向において互いに奥行き方向において距離差のあるオブジェクトにまたがってテクスチャがマッピングされると、視点やオブジェクト自身が移動した場合にテクスチャの表示変化の度合いに不自然さが生じやすくなる。そこで、オブジェクトの各頂点と基準点との視点座標系またはスクリーン座標系における奥行き方向の距離差に応じてテクスチャ座標を変化させることで、テクスチャの表示変化が視点の移動に追従し、画像が不自然になることを防ぐことで高質な画像表現を実現することができる。
この場合において、前記基準点から前記奥行き方向の距離が近い頂点ほど補正量が小さくなり、前記基準点から前記奥行き方向の距離が遠い頂点ほど補正量が大きくなるように、前記テクスチャ座標を補正することができる。例えば、前記オブジェクトの各頂点のパースペクティブ除算値と前記基準点のパースペクティブ除算値との比に基づいて前記テクスチャ座標を補正するようにしてもよい。
また本発明に係る画像生成システム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記テクスチャ座標演算部が、ランダムまたは周期的に変化する変数を前記テクスチャ座標に対して加算処理して該テクスチャ座標を変化させるようにしてもよい。このようにすれば、手書きアニメーションの各フレーム画像にあるような手書き独特の絵のズレ具合を表現することができる。この場合において、前記変数は、時間、視点の移動情報及びゲームイベントの少なくとも一つに応じて変化するものであってもよい。例えば、視点が移動したときにはフレーム画像が大きく変わるため、視点の移動情報に応じて値が変化する変数を加算してテクスチャ座標を変化させることで、手書き調の質感を十分に表現することができる。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1に本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態の画像生成システムは図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
操作部160は、プレーヤがプレーヤオブジェクト(プレーヤが操作するプレーヤキャラクタ)の操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。通信部196は外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。この処理部100は記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、オブジェクト空間設定部110、移動・動作処理部112、仮想カメラ制御部114、スクリーン座標取得部116、テクスチャ座標演算部118、画像生成部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
オブジェクト空間設定部110は、キャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるパーツオブジェクト、あるいは複数のパーツオブジェクトで構成されるモデルオブジェクトなど)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
移動・動作処理部112は、オブジェクト(キャラクタ、車、又は飛行機等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させる処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
仮想カメラ制御部114は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
例えば仮想カメラによりオブジェクト(例えばキャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。この場合には、移動・動作処理部112で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
スクリーン座標取得部116は、オブジェクトにトーンテクスチャ(パターン画像)をマッピングするためのテクスチャ座標(U,V座標)に変換されるスクリーン座標(X,Y座標)を取得する処理を行う。具体的には、ジオメトリ処理された(スクリーン座標系への透視投影により座標変換された)オブジェクトの各頂点のスクリーン座標を、頂点スクリーン座標として取得する。
テクスチャ座標演算部118は、オブジェクトにマッピングされるテクスチャのテクスチャ座標を求める処理を行う。具体的には、スクリーン座標取得部116において取得された頂点スクリーン座標に対して、オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報(ノーマルベクトル情報)の加算または減算処理をしてテクスチャ座標Aを求める。このとき、カメラ座標系又はスクリーン座標系でのオブジェクトの各頂点の法線ベクトル(面の向きを表す法線ベクトル。オブジェクトの頂点に設定された法線ベクトル)の座標成分(X,Y座標成分)を絶対値化(例えば、値域(−1.0〜1.0)が値域(0.0〜1.0)になる)して、その絶対値に対して所与の補正係数を乗算処理したものを法線ベクトル情報とすることができる。なお、スクリーン座標系での法線ベクトルの座標成分を用いる場合には、透視変換後の法線ベクトルの長さを単位ベクトル化することが望ましい。このように法線ベクトルの座標成分を絶対値化しておけば、補正係数の符号の正負によって加算あるいは減算処理を行わせることができ、形状補正の度合いを簡便に制御することができるようになる。
例えば、頂点スクリーン座標をP(x,y)、トーンテクスチャのテクスチャサイズ(ピクセル情報)を(tx×ty)、頂点の法線ベクトルの座標成分をN(Nx,Ny,Nz)とし、補正係数をM(Mx,My)とした場合、頂点スクリーン座標Pについて求められるテクスチャ座標A(ax,ay)は、下式のように求められる。
A(ax,ay)=(x/tx+(|Nx|*Mx),y/ty+(|Ny|*My)) (1A)
なお、加算処理を行う場合には、補正係数M(Mx,My)を正の値とすることにより実現でき、減算処理を行う場合、補正係数M(Mx,My)を負の値とすることにより示現することができる。
またテクスチャ座標演算部118では、スクリーン座標取得部116において取得された頂点スクリーン座標とオブジェクトに対して設定される基準点のスクリーン座標(基準点スクリーン座標)とについて差分処理を行って、トーンテクスチャのマッピング対象となるオブジェクトの各頂点についてテクスチャ座標を求めてもよい。なお、この場合には、スクリーン座標取得部116が、オブジェクトに対して設定される基準点をジオメトリ処理して求められるスクリーン座標を、基準点スクリーン座標として取得する。
例えば、基準点スクリーン座標をB(bx,by)とすると、テクスチャ座標A1(ax1,ay1)は、下式のように求められる。
A1(ax1,ay1)=((x-bx)/tx,(y-by)/ty) (2A)
そして、上記(2A)式の演算手法を上記(1A)式に適用すると、テクスチャ座標A2(ax2,ay2)は、下式のようになる。
A2(ax2,ay2)=((x-bx)/tx+(|Nx|*Mx),(y-by)/ty+(|Ny|*My)) (3A)
またテクスチャ座標演算部118は、オブジェクトの各頂点と基準点とのカメラ座標系(視点座標系)またはスクリーン座標系における奥行き方向の距離差に応じてテクスチャ座標を補正する処理を行う。具体的には、基準点から奥行き方向の距離が近い頂点ほど補正量(補正度合い)が小さくなり、基準点から奥行き方向の距離が遠い頂点ほど補正量が大きくなるように、上記(3A)式で求めたテクスチャ座標について補正演算を行う。この場合、頂点と基準点との間の奥行き方向の距離差を考慮するためにパースペクティブ除算値を用いることができ、例えばオブジェクトの各頂点のパースペクティブ除算値と基準点のパースペクティブ除算値との比に基づいてテクスチャ座標を補正することができる。例えば、オブジェクトの頂点および基準点のパースペクティブ除算値をそれぞれ1/w、1/bwとすると、テクスチャ座標Aの距離補正値dならびに補正後のテクスチャ座標A3(ax3,ay3)は下式のように求められる。
d=(1/bw)/(1/w)=w/bw (4A)
A3(ax3,ay3)=((x-bx*d)/tx+(|Nx|*Mx),(y-by*d)/ty+(|Ny|*My)) (5A)
またテクスチャ座標演算部118は、ランダムまたは周期的に変化する動き補正値(変数)を、上記(5A)式で求められたテクスチャ座標に対して加算処理してトーンテクスチャをマッピングするためのテクスチャ座標を変化させる処理を行う。例えば、動き補正値をm(mx,my)とすると、動き補正処理がされたテクスチャ座標A4(ax4,ay4)は下式のように求められる。
A4(ax4,ay4)=(mx+(x-bx*d)/tx+(|Nx|*Mx),my+(y-by*d)/ty+(|Ny|*My)) (6A)
なお、動き補正処理は、上記(1A)式あるいは(3A)式で求めたテクスチャ座標Aあるいはテクスチャ座標A2に対して行ってもよい。
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(オブジェクトデータ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を描画バッファ174(フレームバッファ、中間バッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように生成する。
画像生成部120は、ジオメトリ処理部122、テクスチャマッピング部124、半透明処理部126を含む。
ジオメトリ処理部122は、オブジェクトに対してジオメトリ処理を行う。より具体的には、座標変換、クリッピング処理、透視変換、或いは光源計算等のジオメトリ処理を行う。そして、ジオメトリ処理後(透視変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル、或いは癇l等)は、記憶部170の主記憶部172に保存される。
テクスチャマッピング部122は、テクスチャ記憶部176に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理を行う。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いてテクスチャ記憶部176からテクスチャ(色、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像又はパターンであるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理やバイリニア補間(テクセル補間)などを行う。
半透明処理部126はα値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、α加算ブレンディング又はα減算ブレンディング等)を行う。例えば通常αブレンディングの場合には下式の処理を行う。
=(1−α)×R+α×R (1)
=(1−α)×G+α×G (2)
=(1−α)×B+α×B (3)
一方、加算αブレンディングの場合には下式の処理を行う。
=R+α×R (4)
=G+α×G (5)
=B+α×B (6)
ここで、R、G、Bは、描画バッファ174に既に描画されている画像(元画像)のRGB成分であり、R、G、Bは、描画バッファ174に描画すべき画像のRGB成分である。また、R、G、Bは、αブレンディングにより得られる画像のRGB成分である。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
また半透明処理部126は、通常のテクスチャがマッピングされた画像(元画像)とトーンテクスチャがマッピングされた画像(トーンマップ画像)とを半透明合成する処理を行う。具体的には、まずトーンマップ画像の輝度値から所定色の色画像の輝度値を減算する減算半透明処理をした第1減算トーンマップ画像と、色画像の輝度値からトーンマップ画像の輝度値を減算する減算半透明処理をした第2減算トーンマップ画像とを作成する。そして、元画像と第1減算トーンマップ画像とを加算半透明処理し、加算半透明処理後の画像から第2減算トーンマップ画像を減算半透明処理することにより、元画像とトーンマップ画像とを半透明合成する。すなわち、トーンマップ画像において、色画像の各色成分より明るい色については加算半透明処理が施され、色画像の各色成分より暗い色については減算半透明処理が施されることになる。これにより、トーンテクスチャのパターンの影響が元画像の各色成分に強く出過ぎず、手書き調の絵の質感を表現することができる。
この場合においては、所定色の色画像として中間色(例えばグレー。(R,G,B)=(0.5,0.5,0.5))を用いることができる。
またこの場合においては、元画像とトーンマップ画像との半透明合成処理におけるブレンド率(α値)を以下のように求めることができる。まず元画像をクラット(CLUT;Color Look Up Table)変換によりグレースケール化し、そのグレースケール画像の色成分の輝度値からブレンド率を求めることができる。なお、このとき求められたブレンド率(α値)に対してべき乗補正を行ってもよい。このようにすれば、トーンテクスチャを用いて陰影表現を行う場合などに、元画像の暗い部分ほどトーンが強調されて、手書きの絵に特有の自然な色のにじみを表現することができる。
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。なお以下では、ゲーム画像においてオブジェクトの陰影を表現する際に本実施形態の手法を採用した場合について主に説明するが、本実施形態の手法は、このようなゲーム画像における陰影の表現のみならず、種々の画像表現に適用できる。
2.1 テクスチャ座標の演算手法
手書きによって画像を作成する場合、例えば、球体の陰影(シェード)を手書きアニメーションにおいて表現する場合には、陰影を表すための線画を球体に沿うように表現するはずである。しかしながら、単純にトーンテクスチャをオブジェクトにマッピングしただけでは、例えば、図2に示すように直線的なパターンのトーンテクスチャを陰影表現のためにオブジェクトにマッピングすると、手書きの質感や球体オブジェクトの立体感を十分に表現することができない。
そこで、本実施の形態では、オブジェクトの形状に沿うようにトーンテクスチャのパターンを変形させてマッピングする手法を採用する。特に本実施の形態では、オブジェクトの頂点の法線ベクトル(ノーマルベクトル)に着目した。オブジェクトの各頂点の法線ベクトルは、頂点間の傾きを表しており、この情報をテクスチャ座標の演算に用いることにより、図3に示すように、オブジェクトの面の形状に関連づけてトーンテクスチャのパターンを法線ベクトルの方向成分と長さ成分に従って変形させることができるようになる。より具体的には、上記(1A)式に従って、法線ベクトルの座標成分の絶対値(長さ成分の値域を−1.0〜1.0から0.0〜1.0に変換した値)に任意の調整値を乗算した値をオブジェクトの各頂点のスクリーン座標(頂点スクリーン座標)に対して加算処理あるいは減算処理をしてテクスチャ座標を求める。なお、加算処理をする場合には、調整値を正の値とし、減算処理をする場合には、調整値を負の値とすればよい。ここで、法線ベクトルの座標成分を絶対値化するのは、−1.0〜1.0という値域を取りうる法線ベクトルの長さ成分をそのままトーンテクスチャのパターンの変形に適用すると、陰影表現の場合にはパターンの変形度合いが大きすぎるからである。このようにすると、図4に示すように、トーンテクスチャのパターンが法線ベクトルの方向に対して大きく変形され、オブジェクトにより表現される物体の形状に沿ったパターンでトーンテクスチャがマッピングされ、オブジェクトの立体感を十分に表現することができる。
また本実施の形態では、オブジェクトにマッピングされるテクスチャのテクスチャ座標を、オブジェクトの各頂点のスクリーン座標(頂点スクリーン座標)と、オブジェクトに対して設定される基準点のスクリーン座標(基準点スクリーン座標)とを用いて求めている。「オブジェクトに対して設定される基準点」とは、プリミティブ単位、複数のプリミティブから構成されるパーツオブジェクト単位(図5(A)の点B1〜B6)、あるいは複数のパーツオブジェクトから構成されるモデルオブジェクト単位(図5(B)の点B)で設定される任意の点であり、プリミティブ、パーツオブジェクト、あるいはモデルオブジェクトの1頂点を基準点としてもよい。
例えば、図6(A)に示すようなハッチングパターンのトーンテクスチャ(テクスチャサイズ;128ピクセル×128ピクセル)を図6(B)に示すスクリーン位置に投影された頂点P1,P2,P3からなるプリミティブ面にマッピングする場合を考える。
図6(B)に示すように、各頂点P1,P2,P3のスクリーン座標は、それぞれ(128,64)、(64,192)、および(192,192)である。本実施の形態では、この各頂点P1〜P3のうち頂点P1を基準点Bとして、基準点を含む各頂点のスクリーン座標とトーンテクスチャのテクスチャサイズ(広義には、ピクセル情報)とに基づいて、図6(A)に示すトーンテクスチャをマッピングするためのテクスチャ座標を求める。
具体的には、上記(2A)式に従ってテクスチャ座標を求めると、図6(C)に示すように、基準点Bとなる頂点P1のテクスチャ座標が(0,0)に設定され、頂点P2,P3のテクスチャ座標が(−0.5,1)、(0.5、1)に設定される。
このように設定されたテクスチャ座標に基づきテクスチャマッピングを行うとき、トーンテクスチャは、図7(A)に示すように、基準点B(頂点P1)を原点としてスクリーン座標系に繰返して貼り付けられることを意味し、プリミティブ面PRには、頂点P1〜P3に囲まれた部分のパターンが反映され、図7(B)に示すようにトーンテクスチャがマッピングされる。
ここで、仮想カメラがスクリーン座標系のX軸方向に平行移動した場合を考える。このとき図8(A)に示すように、プリミティブ面PRのスクリーン座標は変更されるが、基準点Bは頂点P1に設定されている。このため、仮想カメラの移動によって各頂点のスクリーン座標が変更されても、テクスチャ座標は変更されることがなく、図8(B)に示すように、図7(B)の場合と同一のパターンがマッピングされる。
これに対して、スクリーン座標系の1点(原点)を基準点としてテクスチャ座標を求める場合を比較例として検討すると、図9(A)に示すように、仮想カメラが平行移動すると、各頂点のスクリーン座標の変更に伴って、テクスチャ座標も変更されてしまう。これは、仮想カメラが移動したにもかかわらず原点は変更されていないため、基準点と各頂点との相対的な位置関係が変更されてしまうためである。この場合、求められたテクスチャ座標に基づいて、トーンテクスチャをマッピングすると、図9(B)に示すように、マッピングされたパターンが仮想カメラの移動に伴って流れるように変化してしまい、生成画像に不自然さが生じる。
従って、本実施の形態の手法を用いれば、図8(B)に示すように仮想カメラが平行移動してもオブジェクトにマッピングされるトーンテクスチャのパターンが流れることがなく高品質な画像表現を実現することができる。そして、例えば、手書き調の画像表現をする場合などにおいて、高品質な陰影表現を実現することができる。
2.2 テクスチャ座標の距離補正手法
オブジェクト空間に配置されたオブジェクトの各頂点は、図10に示すように、カメラ座標系(視点座標系)におけるZ軸方向(奥行き方向)において距離差がある。そのため、基準点Bよりも手前側に位置するオブジェクトの頂点P1はスクリーン座標系での動きが大きくなり、基準点Bよりも奥側に位置するオブジェクトの頂点P2はスクリーン座標系での動きが小さくなる。すなわち、基準点Bからの距離差に応じてオブジェクトの各頂点P1,P2間に動きの差が出てしまう。このため、一様に基準点Bからの差分に応じてトーンテクスチャをマッピングするためのテクスチャ座標を求めてしまうと、例えば、パターンの伸び縮みなど、表示変化の度合いにズレが生じ、画像に不自然さ生じやすくなる。
そこで、本実施の形態では、上述したようにオブジェクトの各頂点P1,P2と基準点Bとの奥行き方向の距離差に応じてスクリーン座標系での動きが異なることに着目し、当該距離差に応じて、テクスチャ座標を補正する距離補正手法を採用する。具体的には、トーンテクスチャのマッピング対象のオブジェクトの頂点毎に基準点との奥行き方向の距離差に応じて、基準点スクリーン座標を補正し、補正後の基準点スクリーン座標との差分に基づいて、各頂点についてテクスチャ座標を補正する(上式(5A)参照)。すなわち、この手法ではマッピング対象のオブジェクトの各頂点ごとに仮想の基準点を設定することになる。
このとき、基準点Bから奥行き方向の距離が近い頂点ほど補正量(補正の度合い)が小さくなり、基準点Bから奥行き方向の距離が遠い頂点ほど補正量が大きくなるように、各頂点についてのテクスチャ座標を補正する。この補正量を決定する距離補正値dは、基準点Bと各頂点P1,P2の奥行き方向の距離差がテクスチャ座標に反映されるように、例えば、各頂点P1,P2と基準点Bとのパースペクティブ除算値の比に基づいて求めることができる(上式(4A)参照)。このようにすると、図10に示す例では、基準点Bより仮想カメラ(視点)から近い頂点P1については距離補正値dが小さくなり(d<1)、基準点Bより仮想カメラから遠い頂点P2については距離補正値dが大きくなる(d>1)。このようにすることで、仮想カメラが移動した場合における基準点Bと各頂点P1,P2との動きの差によるテクスチャの表示変化の度合いのズレが低減され、テクスチャの表示変化の度合いが仮想カメラの移動に適切に追従して高質な画像表現を実現することができる。
2.3 手書きアニメーション調の表現手法
例えば、手書きアニメーションではフレーム画像をアニメータが手書きで作成するため、各フレーム画像間で線画の微妙なズレが生じる。本実施の形態では、このような手書きアニメーションのフレーム画像に特有の線画のズレを表現するために、トーンテクスチャをマッピングするためのテクスチャ座標にランダムあるいは周期的に値が変化する動き補正値(変数)を加えてテクスチャ座標をランダムあるいは周期的に変化させて(上式(6A)参照)、手書き調の質感を表現することができる。動き補正値は、例えば、時間、視点の移動情報及びゲームイベントの少なくとも一つに応じて変化させることができる。特に、視点が移動したときにはフレーム画像が大きく変わるため、視点の移動情報に応じて値が変化する動き補正値を加算してテクスチャ座標を変化させることで、手書きアニメーション調の質感をコンピュータグラフィックスでも十分に表現することができる。
3.本実施の形態の処理
次に、本実施形態の詳細な処理例について図11のフローチャートを用いて説明する。
まず本実施の形態の手法を適用するための前提処理としてオブジェクトの頂点データ群をある程度の頂点数の頂点リスト群に分割しておくことが好ましい。例えば、24頂点を1組とした頂点リストを作成する。各頂点リストには、トーンテクスチャをマッピングする際にテクスチャ座標を求めるための基準点が含まれる。
そして、本実施の形態の手法では、頂点リスト単位で以下の処理ルーチンを実行する。
(1)まず、頂点リストに含まれる各頂点と基準点とについてジオメトリ処理を行う(ステップS10)。すなわち、頂点および基準点をスクリーン座標系に透視投影変換する。
(2)次に、ジオメトリ処理後の頂点のスクリーン座標(頂点スクリーン座標)と基準点のスクリーン座標(基準点スクリーン座標)とを取得する(ステップS11)。
(3)次に、頂点リスト内の各頂点について通常描画を行う(ステップS12)。すなわち、頂点リストに含まれる各頂点について通常のシェーディング処理、通常のテクスチャマッピング処理を行う。
(4)次に、トーンテクスチャをマッピングするためのテクスチャ座標を求める(ステップS13)。具体的には、各頂点のスクリーン上の座標からテクスチャ座標A0を求める。このとき、頂点スクリーン座標と基準点スクリーン座標との差分および各頂点と基準点とのカメラ座標系における奥行き差を考慮して座標A0を求める。
(5)次に、トーンテクスチャをマッピング対象のオブジェクトの表面形状に合わせて変化させる処理を行う(ステップS14)。具体的には、トーンテクスチャに表されたパターン(模様)をオブジェクトの表面形状に沿うように変形させるために、テクスチャ座標を各頂点のカメラ座標系(視点座標系)での法線ベクトルで重み付けする。より具体的には、各頂点のカメラ座標系の法線ベクトルを求めて、法線ベクトルの座標成分のX,Y要素の絶対値に任意の倍率(調整値、補正係数)を乗算処理し、これをテクスチャ座標A0に加えて座標A3とする。なおテクスチャ座標A3を求める場合に加算処理をする際は、法線ベクトルの座標成分のX,Y要素の絶対値に乗算処理される任意の倍率(調整値、補正係数)を正の値とする。一方でテクスチャ座標A3を求める場合に減算処理をする際は、法線ベクトルの座標成分のX,Y要素の絶対値に乗算処理される任意の倍率(調整値、補正係数)を負の値とする。
(6)次に、テクスチャ座標を変化(移動)させる動き調整値を座標A3に加える処理を行い、座標A4を算出する(ステップS15)。具体的には、テクスチャ座標をランダムや周期的に変化(移動)させることで、手書きアニメ風の表現を実現する。
(7)次に、求められたテクスチャ座標A4に基づき、トーンテクスチャをオブジェクトにマッピングする(ステップS16)。このとき、トーンテクスチャをマッピングした画像をステップS12の描画処理で通常のテクスチャがマッピングされた画像とは異なるバッファ(描画バッファとは異なるバッファ)に描画してもよい。この場合には、通常のテクスチャによる画像(元画像)とトーンテクスチャによる画像(トーンマップ画像)との合成処理を半透明処理により行うことができる。
(8)頂点リスト内の頂点を全て描画したか判断する(ステップS17)。全ての頂点についての描画処理が済んでいない場合には(ステップS17でN)、ステップS13〜ステップS16の処理を繰り返し行う。
(9)最終的には、全ての頂点リストについて描画したことを条件に(ステップS18でY)、処理を終了する。
4.ハードウェア構成
図12に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、DVD982(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。DVDドライブ980(CDドライブでもよい)は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるDVD982(CDでもよい)にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(トーンテクスチャ、カメラ座標系、動き補正値、法線ベクトル、テクスチャサイズなど)として引用された用語(パターン画像、視点座標系、変数、ノーマルベクトル、ピクセル情報など)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
またテクスチャ座標の演算手法、テクスチャ座標の距離補正手法、手書きアニメーション調の表現手法、およびテクスチャ座標の形状補正手法についても、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。
また本発明は種々のゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々の画像生成システムに適用できる。
本実施形態の画像生成システムの機能ブロック図の例。 従来の手法の説明図。 本実施の形態の手法の説明図。 本実施の形態の手法の説明図。 図5(A)(B)は本実施の形態の手法の説明図。 図6(A)〜図6(C)は本実施の形態の手法の説明図。 図7(A)〜図7(C)は本実施の形態の手法の説明図。 図8(A),図8(B)は本実施の形態の手法の説明図。 図9(A),図9(B)は比較例の手法の説明図。 本実施の形態の手法の説明図。 本実施形態の具体的な処理のフローチャート。 ハードウェア構成例。
符号の説明
100 処理部、
110 オブジェクト空間設定部、112 移動・動作処理部、
114 仮想カメラ制御部、116 スクリーン座標取得部、
118 テクスチャ座標変更部、
120 画像生成部、
122 ジオメトリ処理部、124 テクスチャマッピング部、
126 半透明処理部、
140 音生成部、160 操作部、
170 記憶部、
172 主記憶部、174 描画バッファ、176 テクスチャ記憶部
180 情報記憶媒体、194 携帯型情報記憶装置、
190 表示部、192 音出力部、196 通信部

Claims (8)

  1. オブジェクト空間における所与の視点から見た画像であって手書き調の画像を生成するためのプログラムであって、
    オブジェクトをスクリーン座標系に透視投影してジオメトリ処理を行うジオメトリ処理部と、
    ジオメトリ処理後におけるオブジェクトの各頂点の頂点スクリーン座標を取得するスクリーン座標取得部と、
    取得された前記頂点スクリーン座標に対して、前記オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報の加算または減算処理をして、該オブジェクトの各頂点についてテクスチャ座標を求めるテクスチャ座標演算部と、
    求められた前記テクスチャ座標に基づいて、所与のパターンを表すトーンテクスチャを前記オブジェクトにマッピングするテクスチャマッピング部として、
    コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  2. 請求項1において、
    前記法線ベクトル情報は、視点座標系又はスクリーン座標系での前記オブジェクトの各頂点の法線ベクトルの座標成分を絶対値化したものであることを特徴とするプログラム。
  3. 請求項2において、
    前記法線ベクトル情報は、前記法線ベクトルの座標成分の絶対値に対して所与の補正係数を乗算処理したものであることを特徴とするプログラム。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記スクリーン座標取得部が、
    前記頂点スクリーン座標に加えて、前記オブジェクトに対して設定された基準点についての基準点スクリーン座標を取得し、
    前記テクスチャ座標演算部が、
    前記頂点スクリーン座標と前記基準点スクリーン座標との差分に対して、前記オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報の加算処理または減算処理をして、該オブジェクトの各頂点についてのテクスチャ座標を求めることを特徴とするプログラム。
  5. 請求項において、
    前記テクスチャ座標演算部が、
    前記オブジェクトの各頂点と前記基準点との視点座標系における奥行き方向の距離差に応じて前記テクスチャ座標を補正することを特徴とするプログラム。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記テクスチャ座標演算部が、
    ランダムまたは周期的に変化する変数を前記テクスチャ座標に対して加算処理して該テクスチャ座標を変化させることを特徴とするプログラム。
  7. コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜6のいずれかに記載のプログラムを記憶することを特徴とする情報記憶媒体。
  8. オブジェクト空間における所与の視点から見た画像であって手書き調の画像を生成するための画像生成システムであって、
    オブジェクトをスクリーン座標系に透視投影してジオメトリ処理を行うジオメトリ処理部と、
    ジオメトリ処理後におけるオブジェクトの各頂点の頂点スクリーン座標を取得するスク
    リーン座標取得部と、
    取得された前記頂点スクリーン座標に対して、前記オブジェクトの各頂点についての法線ベクトル情報の加算処理または減算処理をして、該オブジェクトの各頂点についてテクスチャ座標を求めるテクスチャ座標演算部と、
    求められた前記テクスチャ座標に基づいて、所与のパターンを表すトーンテクスチャを前記オブジェクトにマッピングするテクスチャマッピング部と、
    を含むことを特徴とする画像生成システム。
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