JP4641349B2 - 転炉銅溶製方法および転炉銅歩止め装置 - Google Patents

転炉銅溶製方法および転炉銅歩止め装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉銅溶製方法および転炉銅歩止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転炉銅溶製方法では、自溶炉で産出した(Cu,Fe)Sを主成分とするマット(「かわ」ともいう;銅品位60〜65%程度)とSiO2を主成分とする珪酸鉱を、図7に示すような例えばピアス・スミス型の周方向傾転可能な円筒横型の転炉1の炉口2(原料等の装入および炉内反応生成物等の抽出などのための通路穴。装入口あるいは仕事口ともいう。)から炉内に装入し、かつ炉体下部に配列されたノズルからなる羽口3から空気または酸素富化空気を吹き込み、造かん期、次いで造銅期(または製銅期ともいう。)を経て、銅湯(「かね」ともいう;銅品位99%程度)を溶製する。
【0003】
造かん期においては、主として、式(1) :2(Cu,Fe)S +2O2 +SiO2→Cu2S+2FeO・SiO2+SO2 の反応が促進される。生成した白かわ(主成分:Cu2S)の溶体が次工程(造銅期)の原料とされる。2FeO・SiO2はスラグ(「かん」または「からみ」ともいう)の主成分であり、スラグは白かわよりも比重が小さくて白かわ湯面上に溜まるので、適宜転炉を傾転させて炉口2から炉外に排出する。なお、亜硫酸ガス(SO2 )は炉口2を覆うように設けたフード4から炉外に排出され硫酸工場に送られる。
【0004】
造銅期においては、主として、式(2) :Cu2S+O2→Cu+SO2 の反応が促進され、銅湯(Cu)が生成する。この反応は発熱反応であり、この発熱過多による炉体損傷を防止するために、冷材(例えばブリスターと呼ばれる寸法0.3 ×1×1(m)程度の銅塊(銅品位90%以上)など)が造銅期の開始前あるいは吹錬中に炉内に投入される。なお、亜硫酸ガス(SO2 )は造かん期と同様にフード4から排出される。
【0005】
一方、造銅期では、式(2) の主反応に付随して、炉内に少量残留したスラグおよび生成した銅湯の少量部分が酸化し、酸化鉄(マグネタイト(Fe3O4) 主体)および酸化銅の混合物に銅湯が少量トラップされたものが副次的に生成する。この副次的生成物は銅歩(ドブ)と呼ばれる。この銅歩Bは銅湯Aよりも高融点かつ小比重のため造銅期の末期には不定形の半溶融凝固物となり銅湯面上に浮遊している。この銅歩は、銅湯排出の際炉内に残し、新しく装入したマットに対する造かん期で処理される。
【0006】
造銅期の終了後は、フード4の前面可動フード4Aを退かせ、図8に示すように、転炉1を傾転20させて炉口2から銅湯Aをレードル5に移して周方向傾転可能な円筒横型の精製炉6まで運搬しその炉口7から炉内に移す。精製炉6では、銅湯をさらに高い銅品位(99.4%程度)の粗銅に精製する操業が行われる。
精製された粗銅はアノードに鋳造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、造銅期終了後、銅歩を転炉内に留めるために、転炉内に少量の冷材を投入して銅湯温度を低下させ、銅歩を固めた後に銅湯排出を行っていたが、それでも銅湯排出の際に一部の銅歩がレードルに排出され精製炉に装入されるため、以下のような問題があった。
【0008】
▲1▼精製炉では銅歩は必要なく銅歩が入った分だけ銅湯処理容量が目減りし、粗銅生産性が悪化する。
▲2▼精製粗銅排出後の銅歩の精製炉内付着防止のため、精製炉操業に先立って精製炉を傾転させてその炉口から銅歩を排出する所謂「銅歩流し」が行われる。この銅歩流しは、1ロット(1回の炉操業)当たり30〜50分程度の時間を要し、粗銅生産性を悪化させる。
【0009】
▲3▼銅歩流しを行っても、銅歩の一部が隅部等の容易被着箇所に付着して炉内に残留し、精製処理量が低下して▲1▼と同様に粗銅生産性が悪化する。
▲4▼銅歩がレードルに付着あるいは残留してレードルの有効容量を減少させる(例えば公称容量45t のレードル(レードル自体の重量=約35t)では1回運搬後は有効容量が0.5 〜1.0 t 程度低下する)ため、レードルの運搬効率が悪化し、▲1▼〜▲3▼と同様に粗銅生産性が悪化する。
【0010】
なお、レードルに付着した銅歩は、レードルを反転させて固形物に衝突させれば剥離させることができるが、この衝突でレードルが損傷しやすい。また、剥離させた銅歩は、転炉造銅期での冷材として使用可能であるが、前記ブリスターよりも銅品位が低い(40%程度)ため、冷材に用いると造銅期の生産効率が悪くなって好ましくない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、転炉での銅湯溶製時に副次的に生成する銅歩がレードルおよび精製炉に入らないようにする手段を提供することを目的としてなされたものであり、その要旨は、以下の通りである。
(1)転炉を用いて銅湯を溶製する転炉銅溶製方法において、吊持されて炉口から転炉内に装入可能で転炉傾転時に炉口からの銅歩流出を防止可能な堰具として、傾転時に前記堰具の下端部を転炉の内壁で支持できるように、前記堰具の被吊持端からその反対端までの距離が炉口の炉周方向の開口寸法よりも大とされた堰具を用いて、溶製後の銅湯出炉時に銅歩を転炉内側にせき止めることを特徴とする転炉銅溶製方法。
【0012】
(2)炉口から転炉内に装入可能で転炉傾転時に炉口からの銅歩流出を防止可能な堰具と、該堰具を吊持して炉口に出し入れ可能な堰具吊持機とを有し、傾転時に前記堰具の下端部を転炉の内壁で支持できるように、前記堰具はその被吊持端からその反対端までの距離が炉口の炉周方向の開口寸法よりも大とされたことを特徴とする転炉銅歩止め装置。
(3)前記堰具がその被吊持端に炉口の周縁部と係合可能なフックを有し、あるいはさらに前記被吊持端の反対側に銅湯と接触する堰板を有する(2)記載の装置。
【0013】
(4)前記堰板が、少なくとも枠となる鋼材と、該枠内に施工された不定形耐火物とからなる(3)記載の装置。
(5)前記堰板が、少なくとも枠となる鋼材と、該枠内に施工された不定形耐火物と、該不定形耐火物の露出部の一部または全部を被覆する耐溶損部材とからなる(3)記載の装置。
【0014】
(6)前記耐溶損部材が鋼材からなる(5)記載の装置。
(7)前記耐溶損部材が肉盛溶射した鋼材からなる(5)記載の装置。
(8)前記堰具吊持機が、堰具吊持用の吊具を巻取・巻出可能に支持する架構と、該架構を旋回させる架構旋回機構とを有する(2)〜(7)のいずれかに記載の装置。
【0015】
(9)(2)〜(8)のいずれかに記載の装置を用い、銅湯出炉前に堰具吊持機にて堰具を炉口に設置することを特徴とする(1)記載の方法。
(10)(3)〜(8)のいずれかに記載の装置を用い、銅湯出炉前に堰具吊持機にて堰具を炉口に設置する際に、フックを炉口の銅湯排出側の炉長方向の周縁部に係合させることを特徴とする(9)記載の方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、造銅期終了後の銅湯出炉時に銅歩を転炉内側にせき止めるようにしたので、ロット毎にこれを行うことにより、レードルへの銅歩流入が防止され、前記▲1▼〜▲4▼の問題は解消する。なお、せき止められて転炉内に残留した銅歩は、次ロットの造かん期で溶解され、その銅分が造銅期を経て銅湯と銅歩とに分配されるものの、もともと残留量が少ない(銅湯100 重量部に対して銅歩10重量部未満)ため、生産性を左右するほどの影響はない。
【0017】
銅歩を転炉内側にせき止める装置としては、作業容易性や装置簡便性などの観点から、図1に示すように、定位置(装入時の位相(やや斜め上向き);図1(a))の炉口2から転炉1内に装入可能で、かつ、銅湯排出の際の傾転20時(図1(b))に炉口2からの銅歩Bの流出を防止可能な堰具8と、該堰具8を吊持して定位置の炉口2に出し入れ10可能な堰具吊持機9を有する転炉銅歩止め装置が好適である。
【0018】
堰具8の被吊持端側は任意の形状に設計してよいが、例えば図2に示すように、この被吊持端側を炉口2の周縁部2Aと係合しうるフック8A形状にしておくと、定位置の炉口2内に吊り下ろすときの堰具8の位置決めが容易となって好ましい。
また、図3に示すように、操作中の堰具8の炉口2からの脱落を防止するためには、傾転時に堰具8の下端部を転炉2の内壁で支持できるように、堰具8の高さH(被吊持端からその反対端までの距離)は、炉口2の縦幅Y(炉周方向の開口寸法)よりも大きくとっておくことが望ましい。しかし、作業員が目視観察しながら堰具吊持用のチェーン、ワイヤ等の吊具の長さをボタン操作等で調節する場合には、堰具8の高さHは炉口2の縦幅Yよりは小さくてもよい。
【0019】
なお、堰具8の炉口2への挿入を可能とするには、図4に示すように、堰具8の厚さD(せき止め方向の堰具寸法)を炉口2の縦幅Yよりも小さく、かつ、堰具8の幅W(高さH方向と厚さD方向に直角な方向の開口寸法)を炉口2の横幅X(炉長方向の開口寸法)よりも小さくしておけばよい。
また、堰具は、銅湯の通過は妨げずに銅湯面上に浮遊する不定形の半溶融凝固物である銅歩の通過を阻止する観点から、炉口流路幅を通過銅歩幅実績範囲の下限(例えば300mm 程度)よりも小さい流路幅に分割しうる構造のものが好ましい。かかる構造は、板、柵、格子、網などの1種または2種以上の組合せの何れでもよいが、高温(例えば1200℃程度)の銅湯流に浸される部分は、強度と耐熱性の観点から板構造が好ましい。堰具の反吊持端側を占めて銅湯と接触する板構造の部分を堰板という。堰板の場合、銅湯は堰板下面と炉口下側周縁部との間および堰板幅両端と炉口左右両側周縁部との間を通過する(図1(b)参照)。この場合、銅湯排出時間短縮のために、炉口の形状を炉長方向の周縁部が外側に膨らんだ樽型形状として流路断面積を拡大することが好ましい。
【0020】
堰具構造部材の材質も、強度と耐熱性を考慮して決定される。特に、溶体すなわち銅湯との接触部分を堰板とした場合は、該堰板は、材質を耐熱鋼あるいは超耐熱合金としてもよいが高価であるため、図5に第一例を示すように、鋼材で形成した枠11内に不定形耐火物12を施工したものが好ましい。
さらに、不定形耐火物の熱膨張・収縮あるいは機械的振動等に起因する剥離・脱落を防止し、耐久性を改善するために、図9に第二例を示すように、枠11を形成する鋼材で覆われていない露出した不定形耐火物12の一部または全部、特に銅湯に浸る露出した不定形耐火物の一部を耐溶損部材で覆うことができる。この耐溶損部材としては、 例えばSS400 等の一般構造用鋼材を使うこともできるがFe-Cr 合金、Fe-Cr-Ni合金等の鋼材を使うことが好ましい。あるいはその鋼材(例えばSS400 )の補強のためにその上に耐熱・耐食性のライニングを行うために肉盛溶射等を行ってもよい。このようにすることにより、堰板に過度に付着凝固した銅歩、銅は砕岩機等を用いて、不定形耐火物12に大きな損傷を与えずに除去することができる。
【0021】
また、堰板が銅湯浸漬中に浮かないよう、あるいは前後左右に不安定に動かないようにするために、堰板の重量は500 〜1000kgとするのが好ましい。
一方、堰具吊持機は、前記前面可動フードとの干渉を避ける観点から、堰具吊持用のチェーン、ワイヤ等の吊具を巻取・巻出可能に支持する架構と、該架構を旋回させる架構旋回機構とを有するものが好ましい。なお、作業性の点から、前記架構の旋回および吊具の昇降はモータで駆動し、該モータの駆動制御はボタン操作により行うようにするのが好ましい。
【0022】
これによれば、前面可動フードが炉口を塞いでいる間は架構を待機位置に逃がしておき、前面可動フードが炉口から退いたときに架構を旋回させて吊具を炉口に移送することができるから、前面可動フードとの干渉は起こらない。
造銅期終了後、上記銅歩止め装置を用い、銅湯出炉前に堰具吊持機にて堰具を炉口に設置する。ここに銅湯出炉前に堰具を炉口に設置するとは、転炉傾転位置が定位置あるいは定位置付近にある場合において、堰具吊持機を操作して堰具を炉口付近に位置させることをいう。この場合、堰具にフックその他の位置決め具を備えることが好ましい。
【0023】
堰具にフック等の位置決め具を有していないときには堰具面積の30〜100 %を炉内に入れた状態にする。なおこのとき、炉内に堰具をその面積の 100%入れるとしても、吊具の急激な劣化を避けるために堰具を過度に炉内に入れないようにすることが好ましい。
その後、銅湯を出炉させるために転炉を銅湯排出側(レードル側)に傾転させながら堰具吊持機の吊具の長さを調整する。銅湯出炉中は堰具を炉口で支えるような状態にすることが好ましい。
【0024】
また、転炉傾転位置が定位置あるいは定位置付近にある場合において、堰具に位置決め具としてフックを有しているときにはそのフックを炉口の銅湯排出側の炉長方向の周縁部に係合させることが好ましい。この場合、堰具面積の 100%が炉内に入った状態となるが、前記のように位置決めが容易となるとともに、 吊具の急激な劣化を避けることができる。その後、銅湯を出炉させるために転炉を銅湯排出側に傾転させながら堰具吊持機の吊具の長さを調整するが、この場合、吊具が弛んでも堰具が炉内に落ち込むことがないので堰具吊持機の操作が容易となる。銅湯出炉中は例えば図1(b)に示すように堰具を炉口で支えるような状態とすることが好ましい。
【0025】
【実施例】
堰具8の一例を図5に示す。この例は、肉厚9mm の鋼材(材質SS400 )を組み立ててなる格子枠11の上部(吊持端側)二箇所に鋼製のフック8Aを接合し、該格子枠11の下部(銅湯流に浸される部分)に不定形耐火物12を施工して該施工部を堰板となしたものである。この堰板8の重量は約700kg とした。不定形耐火物12としては、ヨータイ株式会社製のヨータイキャスコC-140-SC30を使用した。この不定形耐火物12は、鋼製枠内に植設された複数のアンカーにより支持されて、剥離・脱落を防止されている。
【0026】
この堰具8は、横幅X=2700mm,縦幅Y=2000mmの炉口2から不定形耐火物の露出面をレードル5配置側に向けて転炉内に装入されて通過幅300mm 以上の銅歩をせき止め可能に設計されている。なお、高さH=1650mm,幅W=1500mm,厚さD=150mm である。
堰具吊持機9の一例を図6に示す。この例では、吊具13は、堰具8を2点吊りする1対のチェーン13A およびこれにそれぞれ接続する1対のワイヤ13B からなる。架構9Aは、前記1対の吊具13を個別に案内する滑車14と、前記1対のワイヤ13B を巻取・巻出するモータ(巻取・巻出モータ)15を有する。モータ15の動作はボタン操作で制御される。架構旋回機構9Bは、架構9Aを支持して炉口2直上位置と待機位置との間を90°旋回21させて往復させる。この旋回21は図示しない旋回用モータをボタン操作で制御して実行される。
【0027】
1ロットの造銅期が終了し、前面可動フード4Aが炉口2から退かされた後、図5〜図6に例示した転炉銅歩止め装置を用いて堰具8を待機位置から吊持移送して定位置の炉口2内に吊り下ろし、フック8Aを炉口2の周縁部2Aに掛けた。その後チェーンを弛ませながら、転炉1を傾転させて銅湯をレードルに移す間、堰具8は銅湯の流出を妨げることなく銅湯面上の銅歩の流出だけを首尾よく阻み、銅歩を転炉1内に止まらせた。銅湯は堰板の左右両側および/または下側を通り、レードル5内に排出された。銅湯をレードルに移し終えた後は、転炉1を定位置に起こし、堰具8を炉口2から吊り上げて待機位置に戻した。
【0028】
この装置の使用により、銅歩のレードルへの付着が半減するとともに精製炉の1バッチ毎に約40分かけて行っていた銅歩流しは約20分で済むようになった。
また、精製炉内への銅歩の付着がほとんどなくなったために、銅湯処理量は、従来では新炉での500tonが炉修前では約470tonに低減していたのに対し、本発明実施後では炉修前でも約495tonとほぼ一定に保つことができた。
【0029】
また、露出する不定形耐火物の下部を図9に示すように鋼材(SS400 ,肉厚9mm)で覆い、その鋼材の補強のためにその上に厚さ10〜15mmで高Cr鋼の肉盛溶射(下地組成=Cr/24.6%,Ni/4.89%,Mn/1.56%,Si/0.44%,C/0.025%,P/0.019%,S/0.0015%,表層部組成=Cr/31.88%,Mo/1.19%,Mn/1.17%,Si/0.53%, C/0.030%,P/0.020%,S/0.014% )を行った鋼材で覆った堰具を使用したところ、堰具の耐久性が約35%向上した。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、転炉からの銅歩流出を有効に防止できるので、精製炉での銅歩流し時間が短縮され、また、レードルや精製炉での銅歩付着による銅湯処理容量の目減りを防止できて、粗銅生産性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転炉銅歩止め装置の概要を示す模式図である。
【図2】定位置での堰具装入状態をを示す断面図である。
【図3】銅湯排出時の堰具保持状態を示す断面図である。
【図4】堰具と炉口との相互寸法関係を示す説明図である。
【図5】堰具の第一例を示す正面図(a) と側面図(b) である。
【図6】堰具吊持機の一例を示す模式図である。
【図7】通常の転炉銅溶製方法の説明図である。
【図8】転炉から精製炉への銅湯運搬工程の説明図である。
【図9】堰具の第二例を示す正面図(a) と側面図(b) である。
【符号の説明】
1 転炉
2 転炉の炉口
2A 周縁部
3 羽口
4 フード
4A 前面可動フード
4B 後面可動板
5 レードル
6 精製炉
7 精製炉の炉口
8 堰具
8A フック
9 堰具吊持機
9A 架構
9B 架構旋回機構
10 出し入れ
11 枠(格子枠)
12 不定形耐火物
13 吊具
13A チェーン
13B ワイヤ
14 滑車
15 モータ(巻取・巻出モータ)
16 肉盛溶射部
20 傾転
21 旋回
30 転炉廃熱ボイラ

Claims (10)

  1. 転炉を用いて銅湯を溶製する転炉銅溶製方法において、吊持されて炉口から転炉内に装入可能で転炉傾転時に炉口からの銅歩流出を防止可能な堰具として、傾転時に前記堰具の下端部を転炉の内壁で支持できるように、前記堰具の被吊持端からその反対端までの距離が炉口の炉周方向の開口寸法よりも大とされた堰具を用いて、溶製後の銅湯出炉時に銅歩を転炉内側にせき止めることを特徴とする転炉銅溶製方法。
  2. 炉口から転炉内に装入可能で転炉傾転時に炉口からの銅歩流出を防止可能な堰具と、該堰具を吊持して炉口に出し入れ可能な堰具吊持機とを有し、傾転時に前記堰具の下端部を転炉の内壁で支持できるように、前記堰具はその被吊持端からその反対端までの距離が炉口の炉周方向の開口寸法よりも大とされたことを特徴とする転炉銅歩止め装置。
  3. 前記堰具がその被吊持端に炉口の周縁部と係合可能なフックを有し、あるいはさらに前記被吊持端の反対側に銅湯と接触する堰板を有する請求項2記載の装置。
  4. 前記堰板が、少なくとも枠となる鋼材と、該枠内に施工された不定形耐火物とからなる請求項3記載の装置。
  5. 前記堰板が、少なくとも枠となる鋼材と、該枠内に施工された不定形耐火物と、該不定形耐火物の露出部の一部または全部を被覆する耐溶損部材とからなる請求項3記載の装置。
  6. 前記耐溶損部材が鋼材からなる請求項5記載の装置。
  7. 前記耐溶損部材が肉盛溶射した鋼材からなる請求項5記載の装置。
  8. 前記堰具吊持機が、堰具吊持用の吊具を巻取・巻出可能に支持する架構と、該架構を旋回させる架構旋回機構とを有する請求項2〜7のいずれかに記載の装置。
  9. 請求項2〜8のいずれかに記載の装置を用い、銅湯出炉前に堰具吊持機にて堰具を炉口に設置することを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 請求項3〜8のいずれかに記載の装置を用い、銅湯出炉前に堰具吊持機にて堰具を炉口に設置する際に、フックを炉口の銅湯排出側の炉長方向の周縁部に係合させることを特徴とする請求項9記載の方法。
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