JP4640760B2 - 到来波浪の波形予測法および波浪中の航走体の運転制御方法 - Google Patents

到来波浪の波形予測法および波浪中の航走体の運転制御方法 Download PDF

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Description

本発明は到来波浪の波形予測法、波浪中の航走体の運転制御方法および制御装置に関する。さらに詳しくは、航行中の通常船舶、全没式水中翼船、水中航走体等、波浪中を航走する航走体等に到来する波浪の所定時間未来までの波浪を予測する方法、かかる到来波浪の形状予測を行いながらこれを用いて運転制御を行う方法、および、航走体の運転制御装置に関する。
船舶等の水上を移動する航走体の操縦に際して、将来到来する波浪形状を予測して当該航走体が有する推進装置の水力制御を行うことが知られている。一例として、予測した波浪形状に対応して全没式の水中翼船の翼深度を制御する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。全没式の水中翼船は一般に高度(船体の下面から水面までの距離)が一定になるように制御している。
図10に示すように、この技術は、全没式水中翼船の船体51に設置された加速度センサ52と水面高度計53とから地球座標(慣性空間)における所定時間過去から現時刻までの期間の波浪信号を取得する。一般的に到来波浪Wには周期性があるので、このようにして得られた通過波浪形状と船体の運動とから地球座標での時間軸に対する上記所定時間の波浪形状を計測し、この波浪形状を周波数解析することによって将来到来する波浪形状(波の周波数、振幅、位相等)を予測するものである。すなわち、現時刻から所定時間未来に至る期間の波浪形状を予測する。
図11には上記技術によって得られた予測波浪形状が示されている。この波浪形状は制御帯域を超える高周波成分がカットされている。波浪形状の予測は、まず所定時間過去から現時刻までの間に通過した波浪形状の信号をフーリエ変換処理によって実時間軸で周波数解析を行う。これにより、通過した波浪形状の信号に含まれる時系列の全ての波浪について振幅、周波数および位相を算出する。そして、この算出されたデータのうち所定の高周波成分をカットした周波数帯域の時系列のデータを用いてフーリエ逆変換することにより得られる。図12は信号波形についての信号形状予測の例を示している。これは、計測された波形信号をフーリエ変換して振幅分布を求め、振幅の大きい順に所定数の周波数を選択し、その波形の合成によって信号を復元して将来の波形を予測している。
しかしながら、上記波浪形状予測では等速直進時のみ前方の波浪形状を予測することを想定している。そのため、航走体の旋回時や加減速時における到来波浪形状を予測することはできない。したがって、旋回中や加減速中には到来波浪を考慮した的確な航行制御が困難である。さらに、旋回した後の等速直進航行においても、ある程度の時間が経過しないと到来波浪形状を予測することができない。周波数解析に必要なデータを新たに蓄積する必要があるからである。
以上の結果、従来の波浪形状予測を伴う航行制御では、危険な波浪状態での旋回時には適切なタイミングで旋回するために熟練者による手動操作も必要としなければならない。
特開平3−50089号公報
そこで、本発明は、航走体の加減速時や旋回時においても到来波浪形状を予測しうる航走体への到来波浪の形状予測方法を提供すること、および、航走体の加減速時や旋回時においても波浪形状を予測しつつ行うことによって航走体の安全な航行を可能にする制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る到来波浪の波形
予測方法は、波浪中を移動する航走体が旋回及び加減速のうちの少なくとも一方を行う間、その航走体に到来する有限未来までの波浪の形状を予測する方法であって、航走体の所定部位から到来波浪の形状を計測し、所定時間過去から現時点に至る期間の上記計測データを実時間で周波数解析して実測波浪形状の数式を作成し、時間軸を含む上記数式における、航走体の等速直進時において現れず、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方においては現れる未知の波浪パラメータをリアルタイムに同定し、同定された該パラメータを用いて、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方における、現時刻から所定時間未来に至る期間に到来する波浪の形状を表す数式を作成するものである。
前述した実測波浪形状の数式と、新たに計測した到来波浪形状との変化分を最小にするための未知パラメータを最小二乗法によって逐次算出するのが好ましい。
本発明の運転制御方法は、
波浪中を航行する航走体の推進装置の操作量を演算して推進装置に付与する、航走体の運転制御方法であって、
リアルタイムに取得する航走体の状態に関する状態量と、外乱としてリアルタイムに予測演算された到来波浪形状と、上記推進装置の操作量に関する評価関数とに基づいて、現時刻から所定時間未来に至る期間についての上記評価関数が最小値または最大値になるという条件を満たす操作量を算出するものであり、
上記到来波浪形状が、前述した到来波浪の波形予測法のうちのいずれか一の予測法によって算出されたものである。
本発明に係る航走体の運転制御装置は、波浪中を航行する航走体の推進装置の操作量を演算して推進装置に付与する、航走体の運転制御装置であって、リアルタイムに到来波浪形状を予測演算する波浪モデル同定部と、リアルタイムに取得された航走体の状態に関する状態量と、波浪モデル同定部から外乱としてリアルタイムに入力された到来波浪形状と、上記推進装置の操作量に関する評価関数とに基づいて、現時刻から所定時間未来に至る期間についての上記評価関数が最小値または最大値になるという条件を満たす操作量を算出し、これを出力する非線形オンラインモデル予測制御部とを備えており、上記波浪モデル同定部が、所定時間過去から現時点に至る期間の計測データを実時間で周波数解析して実測波浪形状の数式を作成し、時間軸を含む上記数式における、航走体の等速直進時において現れず、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方においては現れる未知の波浪パラメータをリアルタイムに同定するように構成されている。




上記運転制御装置において、
上記波浪モデル同定部が、上記実測波浪形状の数式と、新たに計測した到来波浪形状との変化分を最小にするための未知パラメータを最小二乗法によって逐次算出するように構成されているのが好ましい。
上記波浪モデル同定部が同定した所定時間未来の到来波浪の形状を表示する表示装置をさらに備えている運転制御装置が好ましい。
本発明によれば、航走体の加減速時や旋回時においても到来波浪形状を予測することができ、その結果、航走体の加減速時や旋回時においても的確な操縦が可能となる。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態にかかる到来波浪の波形予測方法および航走体の航行制御方法を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る航走体の運転制御装置を含む制御系の構成を示すブロック図である。図2は本発明が適用されうる船舶であり、図2(a)は通常の船舶を示し、図2(b)は全没式の水中翼船を示し、図2(c)は水中航走体を示している。図2(b)の水中翼船の構造は前述した従来の船体51(図10)と同様である。
図1では、航走体として全没式水中翼船を例示しており、その船体1は操船装置2によってその動作が制御される。この操船装置2は、船体1の位置を計測して得られる位置情報を出力する位置計測装置3、速度計測装置4、水面までの高さを計測する波高計測装置(図2に示す加速度センサ5aと高度センサ5bとを含む)5、ピッチ角を検出するピッチジャイロ6、ロール角を検出するロールジャイロ7、船体の方位角(ヨー角)を検出するヨージャイロ8、推進装置9、設定装置10、制御装置11を備えている。符号20は後述する表示装置を示している。
位置計測装置3は、例えばGPS(Global Positioning System)やINS(Inertial Navigation System)を用いて構成される。図2(a)に示すように、上記推進装置9には一般の船舶におけるローリングを抑制するためのいわゆるスタビライザーZを含む。スタビライザーZは一般的に船体のほぼ中央喫水線下に突設され、制御装置によってそのスタビライザー角度が調整される。また、図2(b)に示す全没式水中翼船では、推進装置としてウォータージェット等(図示しない)の推力発生装置の他に、ラダーを兼ねる前後のストラットFS、RSや深度調節のために翼に装備された前後のフラップFF、RFをも含む。なお、航走体としては前記船体1に限られず、ホバークラフトや水中航走体等の水上または水中の航走体も含まれる。水中航走体の場合は、図2(c)に示すようにその波高計測装置5は加速度センサ5aと深度センサ5cとから構成される。
図1において、設定装置10は、船体1の位置、速度および船首の方位角を設定するように構成されている。かかる設定装置10は図示しない操作装置を具備しており、この操作装置10を船員等が操作することによって船体1の位置、速度および船首の方位角を設定する構成である。なお、船員等が操作装置を操作することによって船体1の位置、速度、船首の方位角、耐水深度等を設定する構成に限定されるものではなく、たとえば、設定装置10が自動的に船体1の位置、速度や方位角等を設定する構成としてもよい。
制御装置11は、コンピュータで構成され、CPU12、入出力インタフェース13、並びに、コンピュータプログラムその他各種情報を格納するためのRAM、ROM、HDD(ハードディスクドライブ)等から成る記憶装置14等を備える。この制御装置11には、上記設定装置10によって設定された船体1の位置、速度および船首の方位角等の各情報が入力される。制御装置11にはさらに、前述の各計測装置3、4、5、6、7、8から船体1の現在位置、船速、ロール角、ピッチ角、ヨー角(方位角)、波高さが時間情報とともに入力される。
制御装置11では、上記設定装置10から入力される動作指令情報と、各計測装置からそれぞれ入力される上記情報とに基づいてCPU12が演算処理を行う。その結果、制御装置11は推進装置9へ出力する動作指令を算出し、船体1の非線形の最適化フィードバック制御を実行する。推進装置9の上記各機器は制御装置11から入力された動作指令に従って作動する。
図3は、制御装置11の機能ブロック図であり、図1に示す入出力インタフェース13から入力された情報および記憶装置14に格納された情報に基づいてCPU12が演算処理を行うことにより、この制御装置11が実現可能な機能について示している。図示するようにこの制御装置11は、実現可能な機能として非線形オンラインモデル予測制御部15および波浪モデル同定部16を有している。非線形オンラインモデル予測制御部15は動作指令部17および最適指令値演算部18を有しており、この最適指令値演算部18は最適化演算部18aおよびモデル部(制御対象や波の動特性を現すモデル部)19を有している。この制御装置11によって船体1は非線形オンラインモデル予測制御が行われる。
波浪モデル同定部16は、波高計測装置5からの波浪信号を取得し、これから船体自身の移動量(船速や旋回量など)を考慮して現時点(現時刻)から所定時間未来に至る期間の到来波浪の形状(周波数、振幅、位相など)を同定する。すなわち、前述したように所定時間過去から現時点までの間に通過した波浪形状の信号を、フーリエ変換処理によって実時間軸で周波数解析を行い、所定の高周波成分をカットした周波数帯域の時系列のデータを用いてフーリエ逆変換することにより、現時点から所定時間未来までに到来する波浪形状を予測するものである。その際、後述するように船体1の旋回中や加減速中の予測波浪波形と波高計測装置5から得られる実際の波浪波形との差から、後述するように等速直進航行では決定できない波浪の未知パラメータをオンラインで同定する。これにより、同定までのわずかな時間は予測波浪形状と実際の波浪の形状に差が生じるが、オンライン同定が進むにつれてこの差が減少する。さらに、その後の直進航行においても引き続きこの予測波浪形状を使用することができ、波浪の予測が途切れることがない。
以上のごとく、この波浪形状の予測法は、従来の技術である航走体の等速直進航行時における到来波浪の予測法に、航走体が旋回や加減速を行った際の到来波浪の予測を加えた改良された予測法である。
最適指令値演算部18においては、設定装置10から入力された動作指令情報と、後述する船体1の状態量と、後述するモデル部19からの情報とにより、最適化演算部18aが後述する評価関数を最小化(係数が正のとき)するように最適化の演算を行う。そして、船体1に与えるべき推力、舵角やフラップ状態(主にフラップの角度)といった操作量を示す動作指令が最適指令値演算部18から出力される。動作指令部17は、最適指令値演算部18から入力された動作指令に基づき、推進装置9が備える推力発生装置の推力、舵角、フラップの状態等を決定し、推力発生装置およびフラップアクチュエータへ個別に動作指令を出力する。上記モデル部19は、現在の位置情報、姿勢角情報、波浪情報等と、それに任意の操作量を加えた場合に推定される一定時間未来までの各状態量を出力する。最適化演算部18aは、推定される一定時間未来までの各状態量を最適化する操作量を、モデル部19を用いてリアルタイムで演算して出力する。なお、水中翼船の高度制御の場合の操作量は上記のごとく主にフラップの角度であるが、水上を航行する通常の船舶であればローリングを抑制するためのスタビライザの角度であり、水中航走体であれば主に縦舵、横舵、潜舵等である。
このモデル部19は、その基本構成および機能として周知のものを用いることができ、ここではその動作について簡単に説明しておく。モデル部19には船体モデルおよび波浪モデル同定部16から取得した波浪パラメータから発生する波浪外乱モデルが組み込まれている。波浪モデルは、基本的には数種類の正弦波と時間情報とからなる。この中には、過去に実測した波浪形状の数式と、新たに計測した到来波浪形状との変化分を最小にするためのパラメータ(ω、α、L等)も含まれる。
また、本制御装置11には、後述するように予測した到来波浪の形状を表示する表示装置20が接続されている。この表示装置20は液晶等の表示パネルを有している。そして、表示パネルには各時刻において所定時間未来までの予測波浪形状を連続して表示することができる。たとえば、到来波浪の形状を静止画としても動画としても表示することは容易である。前述した波浪モデル同定部16を制御装置11から独立して構成するか、または、制御装置11から独立動作しうるように切換機構を備えることができる。その上で、この表示装置20を波浪モデル同定部16に接続しておけば、到来波浪の予測結果に基づいて手動操船が可能となる。
図4および図5を参照しながら、例として旋回中の船体1に対する到来波浪の形状の予測について説明する。一般的に波浪形状は複数種類の正弦波と時間情報との組み合わせとして下式(1)で表される。
1・sin(ω1・t+φ1)+A2・sin(ω2・t+φ2)+
3・sin(ω3・t+φ3)+・・・ (1)
図4は一方向に進行する単純な正弦波からなる波浪Wと、この波浪W中を当該波浪の進行方向に角度αを成して航行する船体1とを示している。ここの説明では理解容易のために潮流を考えないものとする。図中の左端に示す曲線は波浪形状を表している。ここで、静止座標での波浪の進行速度をVwで表し、波浪の周期をω(rad/sec.)で表し、波長をLで表し、波浪の振幅をA(波浪の高さを2A)で表し、船体1の進行速度をVsで表し、時間をtで表すと、到来波浪形状は単純な正弦波からなるので下式(2)で示される。
A・sin(ω・t+波浪の到来方向に対する船体の移動量/L・2π+φ)(2)
ここで、到来波浪の周期ωは、ω=Vw/L・2πで表される。また、上記「波浪の到来方向に対する船体の移動量」は船体1の移動量に基づいて∫Vs・cos(α)dtと表されるが、船体1が直進している場合は上記角度αおよび船速Vsは定数となり、上記波浪到来方向移動量は、Vs・cos(α)・tとなる。
そして、船体1から観測する波浪形状は下式(3)で表される。
A・sin(ωa・t+φ) (3)
ここで、ωa =ω+Vs・cos(α)/L・2πである。
上記船速Vsは船体1に設置された速度計測装置4で観測可能であるが、到来波浪の周期ω、波浪進行方向と船体進行方向とのなす角α、および、到来波浪の波長Lはそれぞれ未知のパラメータである。等速直進時には波浪の周波数ωa は実際に観測値として得られるのであるが、上記パラメータα、Lは未知ではある。すなわち、これらのパラメータは等速直進時には陽には現れない。
一方、船体1が旋回したり加減速した場合には観測値ωa が変化することになり、新しい条件下での通過波浪形状から再びωa を計算する必要がある。船体1の旋回時や加減速時には波浪形状は上記式(2)に従って時々刻々と変化する。
この場合、上記未知パラメータω、α、Lを同定することができれば、この旋回や加減速に伴って変化する上記式(2)に従い、変化する到来波浪形状を求めることが可能になる。すなわち、旋回や加減速を行うときには上記パラメータは陽に現れるものとなる。このために、旋回や加減速に伴って生じる実測波浪形状と上記式(2)との差を最小とする(上記式(2)を実測波浪形状に一致させる)ための未知パラメータを、逐次最小二乗法などの数値計算によって求める(上記ω、α、Lを同定する)。そして、同定されたこの到来波浪の周期ω、波浪の進行方向と船体1の進行方向とのなす角度α、および、到来波浪の波長Lを用い、将来の波浪形状を上記式(2)によって示すことができる。所定の短い制御サイクルタイムでの未知パラメータ同定およびこれによる予測波浪形状の式(2)の作成を繰り返すことにより、精度の高い波浪形状予測が可能となる。すなわち、船体1の旋回中においても加減速中においても、到来波浪の形状を予測することが可能となる。なお、潮流等も考慮すると同定すべき未知パラメータは増加することになる。
たとえば、水深が波長に比べて十分に大きく、波長に比べて波高が十分に小さいとき、波長Lと周期ωとの間には下記の関係式が成り立つ。
ω=(2π×9.8/L)0.5
したがって、かかる式によれば上記未知パラメータω、Lを一つの未知パラメータとして扱うことができ、波浪形状の同定が容易となる。さらに、波浪の進行方向と船体1の進行方向とのなす角度αは、船体1の揺動(ロールレート、ピッチレート)とその船体モデルとに基づいた推測が可能である。また、船体前部の左右側それぞれに波高センサを設置しておけば、各センサによって波高を計測し、その結果により上記角度αを求めることも可能である。したがって、かかる方法によって得られたαを採用することができる。その結果、波浪形状の同定は一層容易となる。
以上のごとく、等速直進時はもとより旋回時や加減速時においても将来到来する波浪形状を数式によって表しうることで、この波浪形状を上記表示パネル20のモニタ画面に表示することが可能となる。この結果、オペレータが手動で操船する場合、オペレータは今後到来する波浪形状をモニタ画面によって確認し、旋回や加減速の操作において安全なタイミングを捉えることが可能となる。
図5は、波浪中を一定速度で航行する船体が旋回する際に到来する波浪の一例についてその形状の計算結果を線図で示したグラフである。図5中、横軸は時間(秒)を示しており、上段の直線については縦軸が波浪到来方向に対する船体の走行方位(度)を示しており、下段の曲線(波形)については縦軸は到来波浪の高さを示している。したがって、下段の曲線は到来波浪の周期をも示すことになる。図示の波形は、波浪の到来方向と同一の方向に等速直進していた船体1が、その一定速度を維持したまま180゜旋回して波浪の到来方向と逆方向に等速直進する場合の波形を例示したものである。時間の経過に伴い、到来波浪の高さは変わらないが、船体の旋回とともに周波数は徐々に増加していき、180゜旋回して船首が波浪の到来方向と逆方向に向いたときに最大となっている。
つぎに、図3の非線形オンラインモデル予測制御部15における、船体モデルによるモデル予測制御に波浪外乱モデルを組み込んで行う非線形オンラインモデル予測制御を説明する。非線形オンラインモデル予測制御は各時刻において有限時間未来までの応答を最適化する制御法である。この制御モデルに前述の予測波浪モデルを外乱として組み込むことにより、波浪外乱下で船体の姿勢制御や高度制御(または深度制御)等に最適な制御を実現することが可能となる。
非線形オンラインモデル予測制御とは、制御対象の非線形モデル(本実施形態では船体モデルおよび波浪外乱モデル)を用い、有限時間未来までの任意の評価関数を最小(係数が正のとき)にする最適解をオンラインで求めて制御する非線形フィードバック制御である。
制御系の状態ベクトル(状態量)をx(t)、この制御系へ入力する制御信号の入力ベクトルをu(t)、既知の時変パラメータをp(t)とすると、一般に制御系の状態方程式は下記式(4)のごとく表される。
Figure 0004640760
最適化演算では、船体1の上記状態方程式に対して、各時刻tにおいて区間[t、t+T]にわたる下記式(5)の評価関数を最小(係数が正のとき)にする最適値問題を解き(時刻tから時刻Tだけ未来まで最適化する)、その最適制御の初期値u(t)、ここでt≦u≦t+T、を実際の制御入力(操作量)として与える。
Figure 0004640760
ここで、Φは終端時間t+Tにおける状態量のペナルティを表す関数であり、Mは区間[t、t+T]における状態量と操作量とにペナルティを課す関数である。この評価関数において、Φ、Mに適当な関数を選択して評価関数Jを最小にする(Φ、M<0のときは最大にする)時系列制御入力u(t〜t+T)を求め、その初期値u(t)を船体1に作用させる操作量(推力発生装置、舵角、フラップアクチュエータなど)として出力する。たとえば、 制御偏差の抑制を優先する場合、また、最小エネルギーによる制御を優先する場合等に応じて、上記Φ、Mを適宜変更することができる。そしてこの演算をリアルタイム(オンライン)で遂行する。式(5)における第一項は現在時刻から所定時間だけ未来における状態を評価する項であり、第二項は状態量および制御入力(操作量)を現在時刻から所定時間未来にわたって評価する項である。上記状態量x(t)中に波浪形状を含めることによって非線形オンラインモデル予測制御に前述した波浪モデルを組み込むことができる。
状態量としては以下のパラメータが含まれる。すなわち、地球座標における船体1のX軸上の位置Xe、地球座標における船体1のY軸上の位置Ye、地球座標における船体1のZ軸上の位置Ze、船体1のロール角φ、船体1のピッチ角θ、船体1のヨー角ψ、船体1の前進速度u、船体1の併進速度v、船体1の上下動速度w、ロールレート(ローリング角速度)p、ピッチレート(ピッチング角速度)q、ヨーレート(ヨーイング角速度)r、波浪計算用の時間t、波浪計算用の波の高さHである。この波の高さHは、全没式水中翼船の場合には、波高計測装置によって得られる波浪水面までの高さと上記船体1のZ軸上の位置Zeとから求めることができ、水中航走体の場合には、深度計測装置によって得られる波浪水面までの距離と船体のZ軸上の位置Zeとから求めることができる。
そして、船体モデルの例として、たとえば、流体力、付加質量等の項を省略した水中航走体の場合は下記式(6)に示す運動方程式に従う。
Figure 0004640760
ここで、X、Y、Zは三軸方向それぞれの力であり、K、M、Nは三軸それぞれの回りのモーメントであり、u、v、wは三軸方向それぞれの速度であり、p、q、rは三軸それぞれの回りの角速度であり、xg、yg、zg は三軸方向それぞれについての座標中心から船体重心へのベクトルであり、Ix、Iy、Iz は三軸についての慣性モーメントである。
なお、上記式には限定されず、任意の方程式を採用することができる。また、適用航走体に応じて適切な運動方程式が採用されうる。
上記状態量に時間tを含めているのは、非線形オンラインモデル予測制御においては船体モデルを取り込むことにより、操作量に対して船体がどのように動くかという未来の動きを解析して最適な操作量を計算することから、波浪モデルでも未来の波浪の動きを同様に知る必要があるため、波浪モデルの式に対しての現在時間が必要となるからである。この現在時間は絶対時間である必要はなく相対時間であってもよい。この現在時間から現時点における波浪形状を求め、また、波浪モデルによって未来の波浪形状をも求めることができる。なお、状態量から時間軸を外して波浪パラメータ(位相)を毎回変更することによって対応することも可能である。しかし、波浪パラメータは一般的に短時間で変化しないため、本実施形態では波浪パラメータの同定は長周期で行うことが想定されている。このため、波浪パラメータの変更は長周期で行い、時間のみを状態量として実時間計算すればよい。
図6〜図9に、以上説明した非線形オンラインモデル予測制御を全没式の水中翼船に適用した場合の実施例(シミュレーション)の結果を示す。図6〜図9での横軸は時間(秒)を示し、図中の曲線のうち実線は船体の所定部位の海面からの高さ(m)を示し、破線は絶対空間での船体の所定部位の高さ(m)を示し、二点鎖線は操作量(フラップの角度(rad))を示している。図1にも示したように全没式水中翼船はその前後に設置された水中翼のフラップを前後に傾斜させることにより、船体の海面からの高さや姿勢を制御するものである。本シミュレーションでは、簡易化のために波モデルとして一つの周波数の正弦波を設定し、この波の中を船体が等速直進運動し、船体の所定部位の海面からの高さを一定(2m)にすべく制御するシミュレーションを実施した。
本シミュレーションにおいては、前述の評価関数の式(5)を下式(7)に示す形に設定している。
Figure 0004640760
この式(7)は最適レギュレータ問題(いわゆるLQ問題)と同じ形であり、制御偏差に掛かるペナルティと操作量に掛かるペナルティとの重みの比率をパラメータとしている。下式(7)におけるQは状態量偏差x(τ)に掛かる重み行列であり、Rは操作量u(τ)に掛かる重み行列である。
そして、船体1の運動能力によって追従可能な波浪周期の場合(60秒周期であって図6および図7に示す)と追従不可能な波浪周期(5秒周期であって図8および図9に示す)のそれぞれについて、実施例1(図6)および実施例2(図8)と比較例1(図7)および比較例2(図9)とを比較した。図6〜図9中の操作量は、船体の高度制御に大きく作用する前部フラップの動作量を示している。波浪に追従するというのは、船体1の海面からの高度が一定になるようにフラップ角度を制御することであり、いわば波に乗るということである。
実施例と比較例との条件の相違は、実施例(図6および図8)ではモデル部に波浪モデルを組み込んでいるのに対して、比較例(図7および図9)ではこれを組み込んでいない点である。
追従可能な波浪(60秒周期)に対する実施例1(図6)では、その波浪モデルから未来の波浪形状を予測して制御を行っているため、フィードフォワード的な制御となり、海面からの高度はほぼ目標の2mに変動無く安定している。すなわち、到来波浪にほぼ完全に追従できているので、絶対空間(地球座標)での高さは波浪と同程度に変動している。さらに、定期的な操作量(フラップの動作量)も少なくなっている。一方、比較例1(図7)では波浪モデルが組み込まれていないために波浪の到来に対して制御が遅れてしまい、その結果、操作量(フラップの動作量)が大きくなっている。そして、海面からの高さは目標値である2mを中心に±0.7m程度変動している。このように、波浪モデルを組み込んだ実施例1では、波浪モデルを組み込まない比較例1と比較して、より最適な制御が実現されていることが確認できる。
追従不可能な波浪(5秒周期)に対しては実施例2(図8)および比較例2(図9)ともに船体の運動能力に起因して到来波浪に追従できない。したがって、両方ともに絶対空間(地球座標)での高さは安定しているが、海面からの高さは波浪と同程度に変動している。しかし、波浪モデルを組み込んだ実施例2では定期的な操作量(フラップの動作量)が少なくなっているのに対し、波浪モデルを組み込まない比較例2ではフラップを大きく動かしており、不必要な操作量が多くなっている。その結果、比較例2ではその機械系に負担がかかる制御となっている。たとえばフラップ駆動用の油圧の作動油温度が上昇したり、可動部の寿命が短縮するなどの問題を生じる可能性がある。実施例2では未来の波浪形状を予測しているため、操作量を増大しても制御偏差が減少せず、前述の評価関数の式(4)を最小とするので、結果として不必要な操作量が減少しているのである。したがって、実施例2では、波浪モデルを組み込まない比較例2と比較して、より最適な制御が実現されていることが確認できる。
以上説明した実施例1、2および比較例1、2の全てが同じ制御パラメータ(式(18)におけるQ、Rの各行列)によるシミュレーションである。非線形オンラインモデル予測制御ではこれらのパラメータをオンラインで変更可能である。すなわち、制御装置による状態判断やオペレータの判断によって制御パラメータをオンラインで変更できる。たとえば、任意のパラメータを運転点モード(たとえば、小振幅波モード、大振幅波モード、短波長波モード、長波長波モード等)に対応させて複数の値に設定しておき、オペレータがボタン操作やレバーの傾倒操作によって所望の航行モードに切り替えると、これに対応してパラメータが変更されるようにすることもできる。これにより、状況に応じて機械系の負担を軽減するために操作量の低減を選択したり、波浪の振幅が大きく周波数が低い場合に安全航行のために当該波浪への追従性を向上させたり、波浪の振幅が小さく周波数が高い場合に乗り心地の向上のために絶対空間での高度を一定にすべく制御するなど、より最適な制御状態とすることが可能となる。
また、船体モデルと波浪外乱モデルに基づいて追従可能な波浪か追従不可能な波浪かを判断するのは、制御装置11がモデル予測制御の結果自分で行うことになる。さらに、波浪パラメータに基づいて、可能な限りは波浪に追従すべく制御するのか、または、できる限り操作量(全没水中翼船の場合は前後フラップの動作量)を少なくすべく制御するのかはオンラインで設定することが可能となる。その結果、オペレータの判断でそのパラメータを最適な値に設定することも可能となることは前述のとおりである。
本発明は、全没式の水中翼船に適用することにより、波浪外乱下でも船体の高度制御や姿勢制御等において最適な制御が可能となる。すなわち、大きな波の場合は安全性を考えてフィードフォワード的に波浪に追従する制御を行うことができ、また、小波浪時には機械系の負担軽減や乗り心地を優先することを目的として操作量を減少する制御および絶対空間における高度制御を行うことができる。このことは、波の影響を受ける程度の浅い水中を航行する水中航走体や水上を航行する通常の船舶に対しても該当することである。
本発明の一実施形態にかかる航走体の運転制御装置を含む制御系の構成を示すブロック図である。 図2(a)は図1に示す制御系が適用されうる、水上を航行する通常の船舶の一例を示す側面図であり、図2(b)は上記制御系が適用されうる全没式水中翼船の一例を示す側面図であり、図2(c)は上記制御系が適用されうる水中航走体の一例を示す側面図である。 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。 波浪中を航行する船体の一例を示す平面図である。 波浪中を波浪の進行方向に一定速度で航行する船体が180゜旋回して波浪の進行方向と逆方向に船首を向ける状態を例示したグラフである。 本発明の一実施形態である波浪モデルを組み込んだ非線形オンラインモデル予測制御を、図2(b)の全没式の水中翼船に適用した場合の一シミュレーション(実施例1)の結果を示すグラフである。 波浪モデルを組み込んでいない非線形オンラインモデル予測制御を図2(b)の全没式の水中翼船に適用した場合の一シミュレーション(比較例1)の結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態である波浪モデルを組み込んだ非線形オンラインモデル予測制御を、図2(b)の全没式の水中翼船に適用した場合の他のシミュレーション(実施例2)の結果を示すグラフである。 波浪モデルを組み込んでいない非線形オンラインモデル予測制御を図2(b)の全没式の水中翼船に適用した場合の他のシミュレーション(比較例2)の結果を示すグラフである。 従来の制御系が適用されうる全没式水中翼船の一例を示す側面図である。 波浪中を一定速度で直進する船体に対して到来する波浪の周波数解析によって未来波形を予測する方法を概念的に示す図である。 図11における信号波形の周波数解析によって未来の波浪形状を予測した例を示すグラフである。
符号の説明
1 船体
2 操船装置
3 位置計測装置
4 速度計測装置
5 波高計測装置
5a 加速度センサ
5b 高度センサ
5c 深度センサ
6 ピッチジャイロ
7 ロールジャイロ
8 ヨーレートジャイロ
9 推進装置
10 設定装置
11 制御装置
12 CPU
13 入出力インターフェース
14 記憶装置
15 非線形オンラインモデル予測制御部
16 波浪モデル同定部
17 動作指令部
18 最適指令値演算部
18a 最適化演算部
19 モデル部
20 表示パネル
FF 前部フラップ
RF 後部フラップ
FS 前部ストラット
RS 後部ストラット
W 波浪
Z スタビライザ

Claims (6)

  1. 波浪中を移動する航走体が旋回及び加減速のうちの少なくとも一方を行う間、その航走体に到来する有限未来までの波浪の形状を予測する方法であって、
    航走体の所定部位から到来波浪の形状を計測し、
    所定時間過去から現時点に至る期間の上記計測データを実時間で周波数解析して実測波浪形状の数式を作成し、
    時間軸を含む上記数式における、航走体の等速直進時において現れず、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方においては現れる未知の波浪パラメータをリアルタイムに同定し、
    同定された該パラメータを用いて、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方における、現時刻から所定時間未来に至る期間に到来する波浪の形状を表す数式を作成する到来波浪の波形予測法。
  2. 上記実測波浪形状の数式と、新たに計測した到来波浪形状との変化分を最小にするための未知パラメータを最小二乗法によって逐次算出する請求項1記載の到来波浪の波形予測法。
  3. 波浪中を航行する航走体の推進装置の操作量を演算して推進装置に付与する、航走体の運転制御方法であって、
    リアルタイムに取得する航走体の状態に関する状態量と、外乱としてリアルタイムに予測演算された到来波浪形状と、上記推進装置の操作量に関する評価関数とに基づいて、現時刻から所定時間未来に至る期間についての上記評価関数が最小値または最大値になるという条件を満たす操作量を算出するものであり、
    上記到来波浪形状が、請求項1または2記載の到来波浪の波形予測法によって算出されたものである波浪中の航走体の運転制御方法。
  4. 波浪中を航行する航走体の推進装置の操作量を演算して推進装置に付与する、航走体の運転制御装置であって、
    リアルタイムに到来波浪形状を予測演算する波浪モデル同定部と、
    リアルタイムに取得された航走体の状態に関する状態量と、波浪モデル同定部から外乱としてリアルタイムに入力された到来波浪形状と、上記推進装置の操作量に関する評価関数とに基づいて、現時刻から所定時間未来に至る期間についての上記評価関数が最小値または最大値になるという条件を満たす操作量を算出し、これを出力する非線形オンラインモデル予測制御部とを備えており、
    上記波浪モデル同定部が、所定時間過去から現時点に至る期間の計測データを実時間で周波数解析して実測波浪形状の数式を作成し、時間軸を含む上記数式における、航走体の等速直進時において現れず、航走体の旋回時および加減速時のうちの少なくとも一方においては現れる未知の波浪パラメータをリアルタイムに同定するように構成されている波浪中の航走体の運転制御装置。
  5. 上記波浪モデル同定部が、上記実測波浪形状の数式と、新たに計測した到来波浪形状との変化分を最小にするための未知パラメータを最小二乗法によって逐次算出するように構成されている請求項4記載の波浪中の航走体の運転制御装置。
  6. 上記波浪モデル同定部が同定した所定時間未来の到来波浪の形状を表示する表示装置をさらに備えている請求項5記載の波浪中の航走体の運転制御装置。
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