JP4640537B2 - 樹脂配合用古紙材料とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、古紙を充填剤として熱可塑性樹脂中に複合した際に、古紙繊維が熱可塑性樹脂中に於いて良好な分散性を示すことにより、既存の押出し成型、射出成型、インフレーション成型等の成型加工性に優れる樹脂配合用古紙材料とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に改質、増量を目的として古紙を熱可塑性樹脂に複合することは公知である。従来技術の多くは微粉状若しくは小片状に粉砕した古紙を熱溶融した熱可塑性樹脂に練り込むものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カッターミル粗砕[5〜10mm角]或はターボミルにより解繊乃至解砕した古紙を用い、既存の押出し機やニーダー等の混練機により熱可塑性樹脂内に混練する場合、古紙が嵩高い為、仕込み性が悪く、また動力負荷も大きい。特に動力過負荷による発熱問題から十分な混練作用を与えることができず、古紙は仕込み時の形状を維持し易く古紙の塊状分散不良若しくは長繊維状態で熱可塑性樹脂内に存在する。特にこのような状態で古紙の高配合を試みたとしても、古紙の分散不良から熱溶融時の流動不良を引き起こすこととなる。無理に古紙を高配合した場合、押出成型、射出成型等の製品加工段階に於いて機械負荷の上昇及びシリンダー発熱等から生産性の低下となる。例えば射出成型では、ショートショット及び焼け、ヒケ、ウェルドライン強度、フローマーク等の成型品欠陥を引き起こしている。
【0004】
これらの問題を改善するために、粉砕機により100メッシュ程度のスクリーンをパスさせ、粉砕古紙を得る方法がある。しかし、古紙が限定され、現在、抄紙設備で再利用することが経済的に困難であるため焼却されている熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた古紙或いは熱可塑性樹脂を含浸した古紙は、粉砕による発熱から樹脂分がスクリーンに融着し目詰まりを起こし適用できない。又、これら以外の古紙を100メッシュパスしても、古紙繊維は、平均長さ0.2〜0.35mm、幅10〜60μmでL材とN材の混合物である。この形状は一般のフィラーである例えば炭酸カルシウム、タルク等と比較してかなり大きい。実際、粉砕機で100メッシュパスした新聞古紙をニーダー或いは高速ミキサーで、古紙比率50重量%にした混練組成物は、熱溶融流動性に劣り前述の成型トラブルを発生している。
【0005】
また、粉砕機により100メッシュスクリーン以上をパスする微粉砕を試みたとしても、機器動力過負荷及びスクリーンの破損から生産効率が著しく低下し、また経済的でもない。このため更に微粉砕古紙を得るため、100メッシュパス古紙粉砕物を粉砕工程後に200〜400メッシュ分級する手段もある。しかし、これも効率が悪く結果的に非常に高価な微粉砕古紙となる。このように古紙の微粉砕は、古紙の限定とセルロース繊維が柔軟であるがために、望む粒度の粉砕物を安価に得ることが難しいといった問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する欠点を克服し、低処理コストで古紙繊維を短繊維化することで、分散性と成型加工性に優れる樹脂配合用古紙材料とその製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記した従来技術に対して、適当な条件下に於いて古紙を粉砕することで解決しようと試みた。本発明者等は、安価で且つ効率的な古紙の微粉砕について種々研究を重ねた結果、古紙に熱的機械的な作用を与えることにより前述の目的を達成し得る事を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明に係る樹脂配合用古紙材料は、3mm角に粗砕した古紙100重量部と熱可塑性樹脂15〜70重量部を含有する混合物であって、該混合物中の前記古紙は、該混合物を高速ミキサーに投入し、ミキサーブレード先端の周速が5〜35m/s、混練温度215〜280℃で加熱処理を施すことによって熱分解されて繊維分散性と成形流動性を備えた微粉状に形成され、全体の嵩比重を0.15〜0.60としたものである。また本発明に係る樹脂配合用古紙材料は、粒状に形成されている。
【0009】
本発明に係る樹脂配合用古紙材料の製造方法は、3mm角に粗砕した古紙100重量部と熱可塑性樹脂15〜70重量部を含有する混合物を高速ミキサーに投入し、ミキサーブレード先端の周速が5〜35m/s、混練温度215〜280℃で前記古紙が熱分解する加熱処理を施して繊維分散性と成形流動性を備えた微粉状に形成され、全体としての嵩比重が0.15〜0.60としたものである。
【0011】
さらに本発明に係る樹脂配合用古紙材料の製造方法は、上記樹脂配合用古紙材料を非スクリュータイプの圧縮造粒機で造粒したものである。
【0012】
本発明に於ける古紙は、一旦抄紙加工した成紙を寸法調整した際に発する端材、オフィスオートメーション古紙(OA古紙)、新聞古紙、雑誌、ダンボール及び熱可塑性樹脂を表面乃至中層に貼合したラミネート紙、樹脂含浸紙等がある。これらの中で、現在焼却処理されているポリエチレンラミネートクラフト古紙が好適である。これらの古紙形態は、絡まない粗砕乃至解繊或いは粉砕されていることが必要であり、互いに絡まない状態であれば数mm角の小片状や打ち抜き屑であってもよい。又、抄紙工程に於いて抜き取った紙料を乾燥或いは脱水した古紙も適用できる。
【0013】
熱可塑性樹脂は、古紙の分散、減容効果を向上させるものであれば特に制限はない。一般的なオレフィン系熱可塑性樹脂が価格の面から特に有利である。前述した古紙は嵩高く、低比重である為、熱溶融による古紙減容効果の大きい樹脂ほど有利であるが、このようなものとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ポリスチレン、アクリルニトリル−スチレン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレン−テレフタレート及び熱可塑性を有する各種生分解性樹脂等が挙げられる。またセルロース繊維との親和性の大きい反応性基や極性基を有するものも有効であり、例えば高流動ポリオレフィン樹脂や、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニルブチラール、各種変性ポリオレフィン等が挙げられる。これらの樹脂は1種用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
【0014】
次に、熱可塑性樹脂比率は、3mm角に粗砕した古紙100重量部に対して、熱可塑性樹脂15〜70重量部とする。熱可塑性樹脂配合比としては、樹脂溶融による古紙繊維の減容効果、機器動力負荷またそれに伴う発熱、また摩擦熱により昇温を行う機器を用いるに際してはその昇温効果を効率的に得られることが望ましい。例えば高速ミキサーを用いた場合、熱可塑性樹脂の配合率が少なすぎれば摩擦熱による昇温を効率的に行えず、生産面上好ましくない。配合率がこの範囲から外れた場合、ゲル化溶融した樹脂が古紙原料表面を完全に覆ってしまい混合物同士の融着が激しくなり、機器動力過負荷から古紙の加熱処理を継続することができない。例として前記古紙に対する熱可塑性樹脂の比率と生産性を示すミキサー混練時間との関係を図1に示す。
【0015】
次に、加熱処理後の樹脂配合用古紙材料は次工程での生産性、加工性を高めるため嵩比重として0.15〜0.60である必要があり、さらに好ましくは0.30以上である。加熱処理後の樹脂配合古紙材料が嵩高い場合、既存のスクリュー押出機ではホッパー落ち、スクリューへの食い込みが悪く生産性と古紙混練性に劣るため、非スクリュータイプ圧縮造粒機を用いることで生産面上有利に減容処理を行うことが可能である。
【0016】
本発明に於ける高速ミキサーを用いた古紙加熱処理の際、ミキサーブレード先端の周速は5〜35m/sであるが、混合初期の昇温を目的とする際は、15m/s以上の高周速であることが生産効率からも望ましい。これらは混合物の昇温状態及び熱可塑性樹脂の配合比率、並びにそのゲル化に伴う高速ミキサーの動力負荷状況によりブレード周速を調整する。
【0017】
又、本発明に於ける高速ミキサーを用いた加熱処理の際、混合温度215〜280℃の範囲内で加熱処理されることが必要である。この温度範囲の下限値未満の場合には、後の実施例で示すように高速ミキサーによる3mm角に粗砕した古紙(以下、「前記古紙」又は単に「古紙」と記載することもある。)の分散効果が得難い。又、混合物の減容効果も得難く、次工程以降の生産性を低下させる原因となる。この温度条件による各混練物の嵩比重との関係は図2に示すとおりである。高速ミキサーに於いて前記古紙を加熱すると、温度が215℃近辺から発煙があり、PH試験紙に於いて酸性分解ガスが認められる。古紙繊維は250℃以上となると変色及び発煙が激しくなり、急激に重量を損失し経済上の利益を減じやすい。従って、温度管理は最も重要であり、より高温にすると前記古紙のヘミセルロース分解、セルロースの低分子量化、熱可塑性樹脂の酸化劣化となる。このことからより望ましい条件を具体的に述べれば、加熱処理温度は215〜250℃である。
【0018】
本発明は使用する目的に応じ、従来の樹脂組成物に添加される各種添加物を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができ、紫外線吸収剤及び光安定剤、無機充填剤、酸化防止剤、塩基性物質、着色剤、帯電防止剤等が挙げられる。塩基性物質は前記酸性ガスを中和する働きがあり、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ナトリウム等の無機粉末の他、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アニリン等のアミン類が挙げられる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。尚、以下に示す実施例並びに比較例に於ける古紙セルロース繊維分散性は次のような手法で評価した。
古紙繊維分散性の評価方法
実施例及び比較例で混練して得た混合物をセルロース繊維が7重量%になるようにポリプロピレン[グランドポリマー(株)製 B701、メルトフローレイト0.5、ブロックコポリマー]と配合し、ラボプラストミル50MR型 一軸押出機D2025型[(株)東洋精機製作所 フルフライトスクリュー使用]を用い、180℃、50rpmでペレット状に押し出した。次に、ペレット5gを直ちに油圧プレスで180℃、100kg/cm2 、3分間プレスして薄膜状のシートを得た。このシートを光透過により、次の基準で4段階に評価し古紙分散性の評価方法とした。
◎:繊維の分散性が良好、○:繊維がほぼ分散している、△:繊維の一部が未分散であり結束している、×:繊維の大部分が未分散であり結束乃至紙片状のままである。
メルトフローレイト
JIS K6758に準拠(230℃−2.16kg)。
【0020】
実施例1
回収新聞古紙をCONDUX製粉砕機CSカッター(3mm角スクリーン使用)で粗砕し、およそ3mm角の粗砕新聞古紙を得た。粗砕された新聞古紙100重量部とポリプロピレン[(株)グランドポリマー製 J707、メルトフローレイト23g/10分、ブロックコポリマー]45重量部の比率でヘンシェルミキサーFM−20B型 [三井鉱山(株)製]に、古紙分が1225gとなる比率で投入し230℃迄、加熱攪拌混練処理し樹脂配合用古紙材料とした。その繊維分散性を表1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1同様の新聞古紙、ポリプロピレンを用い、実施例1同様の配合率でヘンシェルミキサーFM−20B型を用い、280℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0022】
実施例3
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン70重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型を用い、230℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0023】
実施例4
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン25重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型を用い、230℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0024】
実施例5
実施例1の粗砕した新聞古紙をCONDUX社製粉砕機CSカッター[100メッシュスクリーン使用]で粉砕し、100メッシュパスの新聞古紙を得た。
100メッシュパスした新聞古紙100重量部、ポリプロピレン[(株)グランドポリマー製 J107W、メルトフローレイト30、ホモポリマー]45重量部とをヘンシェルミキサーを用い、240℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。
その繊維分散性を表1に示す。
【0025】
実施例6
実施例5同様の粉砕した新聞古紙100重量部と実施例5同様のポリプロピレン55重量部、炭酸カルシウム[白石工業 ホモカル−D]25重量部とをヘンシェルミキサーを用い、240℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0026】
実施例7
実施例1同様の新聞古紙100重量部と生分解性樹脂[昭和高分子(株)製 ビオノーレ]45重量部とをヘンシェルミキサーを用い、240℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0027】
実施例8
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン45重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型を用い、280℃迄、加熱攪拌混練処理を行った後、ディスクペレッターF−5型[不二パウダル(株)製 使用ダイス穴径3mmφ]で造粒した。その繊維分散性を表1に示す。
【0028】
実施例9
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン15重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型で215℃迄、加熱攪拌混練処理した後、ディスクペレッターF−5型で造粒を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0029】
実施例10
古紙分に廃棄ラテックス含浸紙を用い、これを実施例1に用いた粉砕機CSカッターにより3mm角状に粗砕した。粗砕したラテックス含浸紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン50重量部とをヘンシェルミキサーにより240℃迄、加熱攪拌処理した後、実施例9同様に造粒を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0030】
実施例11
実施例1に用いた新聞古紙100重量部とエチレン系低分子量ポリオレフィン[三井化学(株)ハイワックス2203A]20重量部及び実施例6同様の炭酸カルシウム6重量部の配合比率で実施例10同様の処理を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0031】
実施例12
回収したポリプロピレンラミネート古紙[ラミネートポリプロピレン比率20.9重量%]を実施例1同様の粉砕機CSカッターにより3mm角状に粗砕した。この粗砕したポリプロピレンラミネート古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン20重量部とを配合し実施例10同様の処理を行った。その繊維分散性結果を表1に示す。
【0032】
実施例13
回収した包装用ポリエチレンラミネートクラフト古紙[ラミネートポリエチレン比率16.5重量%、以下ポリラミクラフト紙]を粉砕機CSカッター[3mmスクリーン]により粗砕し、およそ3mm角状のポリラミクラフト紙を得た。この粗砕したポリラミクラフト紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン45重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型で240℃迄、加熱攪拌混練処理した後、ディスクペレッターF−5型で造粒を行った。その繊維分散性を表1に示す。
【0033】
実施例14
実施例13に於いてポリプロピレンの代わりに低密度ポリエチレン[三井化学(株)製 403Pメルトフローレイト7g/10分]を用いた以外、実施例13と同様に実施した。その繊維分散性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
比較例1
実施例1に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を200℃迄とした以外は、実施例1と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0036】
比較例2
実施例1に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を210℃迄とした以外は、実施例1と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0037】
比較例3
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1に用いたポリプロピレン100重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型で170℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
比較例4
実施例1同様の新聞古紙100重量部と実施例1に用いたポリプロピレン10重量部とをヘンシェルミキサーFM−20B型で199℃迄、加熱攪拌混練処理を行った。その結果を表2に示す。
【0039】
比較例5
実施例1同様の新聞古紙100重量部(熱可塑性樹脂を混合せず)をヘンシェルミキサーFM−20B型で182℃迄、加熱攪拌処理を行った。その結果を表2に示す。
【0040】
比較例6
実施例3に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を210℃迄とした以外は、実施例3と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0041】
比較例7
実施例4に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を210℃迄とした以外は、実施例4と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0044】
比較例10
古紙繊維の代わりに市販されている400メッシュパス微粉末セルロース KCフロック[(株)日本製紙製 W−400]を用い、これを100重量部と実施例5同様のポリプロピレン100重量部とをヘンシェルミキサーを用いて170℃迄、加熱攪拌処理し、本発明による古紙粉砕繊維との比較例とした。その繊維分散性を表2に示す。
【0045】
比較例11
実施例8に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を210℃迄とした以外は、実施例8と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0046】
比較例12
実施例13に於いてヘンシェルミキサー加熱攪拌混練処理を210℃迄とした以外は、実施例13と同様に実施した。その繊維分散性を表2に示す。
【0047】
比較例13
実施例1の3mm角に粗砕された新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン45重量部とをラボプラストミル50MR型[東洋精機製作所(株)製]、バンバリミキサー[東洋精機製作所(株)製]に57.1g投入し、240℃で加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性結果を表2に示す。
【0048】
比較例14
実施例1の3mm角に粗砕された新聞古紙100重量部と実施例1同様のポリプロピレン100重量部とをラボプラストミル50MR型[東洋精機製作所(株)製]、バンバリミキサー[東洋精機製作所(株)製]に80g投入し、180℃で加熱攪拌混練処理を行った。その繊維分散性結果を表2に示す。
【0049】
比較例15
比較例14に於いて加熱攪拌混練処理を240℃で行った以外は比較例14と同様に行った。その繊維分散性結果を表2に示す。
【0050】
比較例16
比較例14に於いて加熱攪拌混練処理を270℃で行った以外は比較例14と同様に行った。その繊維分散性結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
実施例8及び実施例13並びに比較例3、比較例10、比較例11、比較例12、比較例13、比較例14、比較例15及び比較例16に於いて混練を行った後、ヘンシェルミキサー(比較例13〜16についてはローラミキサー)にて、古紙配合比が50重量%となるように混合し、メルトフローレイトを測定した。その結果を表3に示す。表3より、本発明に係る樹脂配合用古紙材料は、繊維分散性と成形流動性の尺度であるMFRが優れる。尚、比較例10は、繊維分散性とMFR共に良いが高価という欠点がある。
【0053】
【表3】
【0054】
図3は実施例の古紙繊維長がシート中に分散している状態を示す組織図写真であり、図4(a)(b)は比較用−市販KCフロック−100[日本製紙(株)製100メッシュパス率90%−カタログ値]及びW−400[日本製紙(株)製400メッシュパス率90%−カタログ値]の各組織図写真である。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂配合用古紙材料は古紙が微粉砕されており、古紙複合樹脂組成物が熱溶融時に良好な流動性と分散性を示すことができる。特に、焼却処理されているポリエチレンラミネートクラフト古紙を使用した場合、熱可塑性樹脂充填剤として安価に有効利用できる。
【0056】
また本発明は、嵩比重を0.15〜0.60とすることにより、樹脂配合用古紙材料を次工程において充填剤として使用する際、生産性、加工性を高めることができる。即ち、加熱処理後の樹脂配合古紙材料が従来のように嵩高い場合、既存のスクリュー押出機ではホッパー落ち、スクリューへの食い込みが悪く生産性が悪くなったり古紙混練性に劣るなどの弊害が解消される。
さらに、本発明に係る樹脂配合用古紙材料を、非スクリュータイプ圧縮造粒機を用いて造粒することにより、生産面上有利に減容処理を行うことが可能である。
【0057】
本発明に係る樹脂配合用古紙材料の製造方法は、低処理コストで古紙繊維を短繊維化することができ、分散性と成型加工性に優れた樹脂配合用古紙材料を得ることができる。
【0058】
本発明に係る樹脂配合用古紙材料の製造方法は、熱可塑性樹脂比率が、古紙100重量部に対して、熱可塑性樹脂15〜70重量部とすることにより、樹脂溶融による古紙繊維の減容効果、機器動力負荷またそれに伴う発熱、また摩擦熱により昇温を行う機器を用いるに際してその昇温効果を効率的に得られることができる。例えば高速ミキサーを用いた場合、熱可塑性樹脂の配合率が本発明の配合率より少なすぎれば摩擦熱による昇温を効率的に行えず、生産面上好ましくないし、また配合率が本発明の配合率を超えた場合、ゲル化溶融した樹脂が古紙原料表面を完全に覆ってしまい混合物同士の融着が激しくなり、機器動力過負荷から古紙の加熱処理を継続することができない、といった弊害が本発明によって解消される。
【0059】
本発明に於ける高速ミキサーを用いた古紙加熱処理の際、ミキサーブレード先端の周速は5〜35m/sとすることにより、生産効率の向上が図られる。
【0060】
又、本発明に於ける高速ミキサーを用いた加熱処理の際、混合温度215〜280℃の範囲内で加熱処理されるので、高速ミキサーによる古紙の分散効果が良好となる。また混合物の減容効果も得られ、次工程以降の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】古紙に対する熱可塑性樹脂の比率と生産性を示すミキサー混練時間との関係を示す図である。
【図2】高速ミキサーを用いた古紙加熱処理の温度条件による各混練物の嵩比重との関係を示す図である。
【図3】本発明に係る一実施例の古紙繊維長がシート中に分散している状態を示す組織図写真である。
【図4】(a)(b)は比較用−市販KCフロックW−400及びW−100の各組織図写真である。
Claims (4)
- 3mm角に粗砕した古紙100重量部と熱可塑性樹脂15〜70重量部を含有する混合物であって、該混合物中の前記古紙は該混合物を高速ミキサーに投入し、ミキサーブレード先端の周速が5〜35m/s、混練温度215〜280℃で加熱処理を施すことによって熱分解されて繊維分散性と成形流動性を備えた微粉状に形成され、全体としての嵩比重が0.15〜0.60であることを特徴とする樹脂配合用古紙材料。
- 前記樹脂配合用古紙材料は粒状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂配合用古紙材料。
- 3mm角に粗砕した古紙100重量部と熱可塑性樹脂15〜70重量部を含有する混合物を高速ミキサーに投入し、ミキサーブレード先端の周速が5〜35m/s、混練温度215〜280℃で前記古紙が熱分解する加熱処理を施して該古紙は繊維分散性と成形流動性を備えた微粉状に形成され、全体としての嵩比重が0.15〜0.60としたことを特徴とする樹脂配合用古紙材料の製造方法。
- 請求項3記載の樹脂配合用古紙材料を非スクリュータイプの圧縮造粒機で造粒したことを特徴とする請求項3記載の樹脂配合用古紙材料の製造方法。
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