JP4640349B2 - 連続鋳造装置および連続鋳造装置における鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造装置および連続鋳造装置における鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一方向性の大粒径の結晶成長を可能にする連続鋳造装置、および該連続鋳造装置における鋳造方法に関する。
連続鋳造法は、被溶解材料を固形または他の溶解装置で溶解し液状で供給しながら溶解が連続して行われ、その間に、溶解された溶湯の一部は徐々に溶解域から離されて冷却され、溶解と凝固とが連続して行われ、これらの作業が継続されて溶解域の断面形状とほぼ同じ断面形状の長い棒状や厚板状のインゴットが連続して形成される方法である。この連続鋳造法を使用した連続鋳造装置にコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
図6は、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のルツボ(溶解炉)の部分の構成を示す断面図である。図中の符号10Aは誘導連続溶解鋳造装置のルツボ(例えば、内周面の直径が80mm程度の溶解炉)であり、溶解炉10Aは円形断面のインゴットを鋳造するため、内部に冷却水通路16aを有する複数のセグメント16が所定の寸法のスリット17を介して円周方向に分割され、交互に隣接して形成された側壁20と、この側壁20の外周側の上部に、この側壁20の半径方向外周に所定の間隔を有して螺旋状に巻回され、内部が冷却水通路18aになっている中空銅管製の誘導加熱コイル18と、前記の側壁20の内周面より水平方向の直径が僅かに小さく内周面に対し上下動可能に配置された水冷式の底板1と、この底板1を上下に移動する引抜シャフト12などにより構成されている。
また、底板1は、上部材2と下部材3とから成り、両部材は水平方向断面の外径が側壁20の内周面より僅かに小さい寸法で形成され、側壁20との間に溶湯14が漏れない程度の空間を有している。前記の上部材2は上下方向に短い底付きの中空円筒形であり、この中空円筒形の上部材2は倒立され、その底部2aが上方に、中空筒部(冷却水室)2dが下方になるように配置されている。上に配置される底部2aの半径方向中央部には、非貫通の凹部、この例では円錘台形の空間としての穴2bとして設けられているが、この穴を画定する側面2cはテーパ状、正確には逆テーパ状に形成されていて底板の上部材2の内部すなわち下方に行くほど広くなっている。一方、下部材3には、前記の上部材2の冷却水室2dに連通するように軸方向に延在する2つの貫通孔が設けられて、冷却水の流入口3aと流出口3bとになっている。また、下部材3の半径方向中央部には引抜シャフト12が固定されている。
前記の底板の上部材2と下部材3とは、この例では外周側からシール溶接されて一体にされている。このシール溶接により前記の中空円筒部は、冷却水の流入口3a、流出口3bと連通された冷却水室2dとなり、底板1全体を冷却する。図6に示したように、底板1は水冷されているため溶解されずに被溶解材料(溶解対象物)13の凝固相15との境界が明瞭に残るが、溶解の当初には溶湯14は非貫通の穴2bに流れ込んで、この穴2bを埋めて溶湯下部の凝固相と一体に凝固する。この状態で引抜シャフト12を下方に下げると逆テーパの側面2cを介して凝固相15に引張り力が伝達され、凝固相15と溶湯14とは徐々に下降して、溶湯14の下部は時間の経過とともに凝固相15に変化し、鋳造品の長さは逐次大きくなってゆく。
底板1は更に下降されて、このような溶解と凝固とが継続して行われ、凝固相15はその長さが下方に延長され棒状の鋳造品が形成される(例えば、300mm〜400mm程度の長さのインゴット)。この、誘導加熱による溶解炉10Aで、溶解炉10Aの初期溶融過程で炉床となる底板1が、側壁20とは相互に隙間を有して独立して上下に移動可能に設けられ、被溶解材料13の供給に合わせて溶湯14の量を一定に保持したまま徐々に下降し、溶湯14の下部が下降するにつれて誘導加熱コイル18が巻回された溶解域から離れて、セグメント16に誘導加熱コイル18が巻回されていない鋳造域に移動して冷却され、外周側から徐々に凝固され、更に下降すると中央部までが凝固して金属あるいは合金などの丸棒が形成される。
ところで、図6に示す従来のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の溶解炉10Aにおいては、誘導加熱コイル18の電磁力により、溶湯内では矢印A、Bで示される溶湯の流れが固液界面(溶湯と凝固相との境界面)の方向に生じ、溶湯が攪拌し、溶湯内の温度分布を均一にしようと働く。この場合に、溶湯内中央部でぶつかった流れの内、矢印Bで示す下方へ向かう流れにより、中央部の固液界面が下方へ掘り下げられる。このため、引抜凝固塊が誘導加熱コイル18の加熱領域をはずれても、凝固塊内部は引抜き方向の深い部分まで溶融し、固液界面は凹面状となる。このように、固液界面が凹面状となることにより、側面からの初晶が生じ、一方向凝固性をもった結晶組織ができづらくなるという問題があった。これは、小粒径の結晶から大粒径の結晶となるためには、ある程度の結晶成長距離が必要なためである。従って、溶解炉内の固液界面をできるだけ水平面状にすることが望まれていた。
なお、従来技術の誘導加熱方式の溶解炉がある(例えば、特許文献2を参照)。この従来技術の溶解炉は、図7に示すように、溶湯を収容する収容室101と、その底に設けられた漏斗形状の通路体102とを有する溶解炉において、出湯流の流量をスカル層の溶融、凝固という間接的方法ではなく、溶解されて流出している溶解対象物自身に直接の力を作用させて流量を制御することを目的としている。このために、漏斗状の通路体102には、誘導加熱コイル103の他に、通路体102の外周の対向する位置にその両端104N、104Sが位置する磁性体104が設けられている。また、磁性体104を励磁するための励磁用コイル105と、図示してない出湯の流量を検出する流量計により検出された値に基づき、励磁用コイル105に流す電流を制御する直流電源制御部106とが設けられている。このような構成により、通路体102内の出湯流に磁場による力を直接作用させることで、出湯の流速を抑制している。しかしながら、特許文献2で開示された溶解炉では、上述したような溶解炉内で固液界面が凹面状となることにより、一方向凝固性をもった結晶組織ができづらくなるという問題を解決しようとするものではない。
特開平8−141705号公報 特開2001−74736号公報
上述したように、従来の溶解炉を用いた連続鋳造装置においては、溶解炉内の固液界面が凹面状となり、一方向凝固性をもった結晶組織ができづらくなるという問題があった。従って、溶解炉内の固液界面をできるだけ水平面状にすることが望まれていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、溶解炉内において、溶湯の固液界面が凹面状から水平面状となるようにし、一方向性の大粒径の結晶成長を可能にする連続鋳造装置、および該連続鋳造装置における鋳造方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の鋳造装置は、上部より導電性の被溶解材料を添加しつつ、前記被溶解材料を加熱して溶湯を形成する溶解炉を備えると共に、前記溶解炉の底板が昇降可能に構成され、前記底板を下降させることにより前記溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置であって、前記溶解炉は、前記溶解炉の外周に巻回されると共に、前記被溶解材料を誘導加熱して溶湯を形成する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルの下部側であって前記誘導加熱コイルが巻回されていない溶解炉の外周領域から、前記溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する直流磁場発生源と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の鋳造装置では、溶解炉の底板を下降させることにより、溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き金属鋳塊を得る鋳造装置において、前記溶解炉に、被溶解材料を誘導加熱して溶湯を形成する誘導加熱コイルを設けると共に、前記誘導加熱コイルの下部側であって該誘導加熱コイルが巻回されていない外周領域から、溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する直流磁場発生源を設ける。
これにより、連続鋳造装置の溶解炉内において、固液界面を掘り下げる溶湯の流れが直流磁場により制限され、固液界面が水平面状となり、大粒径の結晶組織が成長しやすくなる。これは、固液界面が凹面状から水平面状となることにより側面からの初晶がなくなり、大粒径の結晶が成長しやすくなるためである。すなわち、小粒径の結晶から大粒径の結晶となるためには、ある程度の結晶成長距離が必要であり、固液界面を水平面状にして結晶成長距離を確保することにより、一方向性の大粒径の結晶成長が可能となる。
また、本発明の鋳造装置は、前記直流磁場発生源は、前記溶解炉の外周の対向する位置にその両端が位置するように設けられた磁性体と、前記磁性体を励磁する励磁用コイルと、前記励磁用コイルに流す電流を可変に制御する直流電源制御部と、で構成されることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の鋳造装置では、溶解炉の外周の対向する位置にその両端(磁極)が位置する磁性体を設ける。そして、この磁性体を励磁する励磁用コイルに流す電流を直流電源制御部により制御することにより、磁極間の磁束密度の強さを調整する。
これにより、溶解炉内において、固液界面を掘り下げる溶湯の流れが直流磁場により制限され、固液界面が水平面状となり、大粒径の結晶組織が成長しやすくなるという効果に加えて、被溶解材料の溶湯の性質等に応じて、磁極間の磁束密度の強さを好適に調整することができる。
また、本発明の鋳造装置は、前記誘導加熱コイルの下部側に、前記誘導加熱コイルにより生成される磁場を遮蔽する磁気遮蔽板を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の鋳造装置では、溶解炉において、誘導加熱コイルにより生成される磁場を磁気遮蔽板により遮蔽する。
これにより、溶解炉において、誘導加熱コイルにより生成される磁場が直流磁場に与える影響を少なくすることができる。
また、本発明の鋳造装置は、前記鋳造装置がコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置であることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の鋳造装置では、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置に本発明の溶解炉を使用するようにしたので、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の溶解炉内において、固液界面を掘り下げる溶湯の流れが直流磁場により制限され、固液界面が水平面状となり、大粒径の結晶組織が成長しやすくなる。
また、本発明の鋳造方法は、上部より導電性の被溶解材料を添加しつつ、前記被溶解材料を加熱して溶湯を形成する溶解炉を備えると共に、前記溶解炉の底板が昇降可能に構成され、前記底板を下降させることにより前記溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における鋳造方法であって、前記溶解炉において、前記溶解炉の外周に巻回された誘導加熱コイルにより前記被溶解材料を誘導加熱して溶湯を形成する手順と、前記誘導加熱コイルの下部側であって前記誘導加熱コイルが巻回されていない溶解炉の外周領域から、前記溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する手順と、が行われることを特徴とする
上記手順を含む鋳造方法では、溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き金属鋳塊を得る鋳造装置の溶解炉において、被溶解材料を誘導加熱コイルにより加熱して溶湯を形成すると共に、前記誘導加熱コイルの下部側の外周領域から、溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する。
これにより、溶解炉内において、固液界面を掘り下げる溶湯の流れが直流磁場により制限され、固液界面が水平面状となり、大粒径の結晶組織が成長しやすくなる。これは、固液界面が凹面状から水平面状となることにより側面からの初晶がなくなり、大粒径の結晶が成長しやすくなるためである。すなわち、小粒径の結晶から大粒径の結晶となるためには、ある程度の結晶成長距離が必要であり、固液界面を水平面状にして結晶成長距離を確保することにより、一方向性の大粒径の結晶成長が可能となる。
本発明によれば、溶解炉内において、固液界面を掘り下げる溶湯の流れが直流磁場により制限され、固液界面が水平面状となり、大粒径の結晶組織が成長しやすくなる。これは、固液界面が凹面状から水平面状となることにより側面からの初晶がなくなり、大粒径の結晶となるやすくなるためである。すなわち、小粒径の結晶から大粒径の結晶となるためには、ある程度の結晶成長距離が必要であり、固液界面を水平面状にして結晶成長距離を確保することにより、一方向性の大粒径の結晶成長が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る連続鋳造装置の構成を示す図である。図1に示す連続鋳造装置の溶解炉10は、図6に示す従来技術の溶解炉10Aに対して、誘導加熱コイル18の下側に、磁気遮蔽板24と磁性体21とを追加したものである。この磁性体21は、溶解炉の外周の対向する位置に、その両端の磁極21N(N極)、21S(S極)が位置する。なお、磁気遮蔽板24は金属板であり、誘導加熱コイル18により生成される磁場を遮蔽し、磁性体21により生成される直流磁場に影響を与えないようにするものである。
また、図2は、本発明の実施の形態に係る連続鋳造装置の概観斜視図を示しており、図に示すように、磁性体21には、該磁性体21を励磁するための励磁用コイル22が設けられており、この励磁用コイル22に流す電流Iは直流電源制御部23により制御される。この直流電源制御部23により励磁用コイル22に流す電流Iの強さを制御することにより、磁極21N、21S間の直流磁場の強さを調整する。
なお、前述した直流磁場発生源は、磁性体21と、励磁用コイル22と、直流電源制御部23とが相当する。
図3は、直流磁場による溶湯流の抑制作用について説明するための図である。図3に示されるように、溶解炉内に被溶解材料(溶解対象物)13が投入されると、溶解炉内の溶解対象物は、誘導加熱コイル18よって誘導加熱されて溶湯となる。溶湯は矢印A、Bで示す状態で流れようとし、溶解炉内の中心部における溶湯流が速度ベクトルVを持って下方向に流れようとする。
この場合に、磁性体21は、その両端21N 、21S 間で、直流電源制御部23から励磁用コイル22に供給された電力に応じた直流磁場を発生させる。直流磁場は、速度ベクトルVを持った溶湯流の下方向の流れに対して垂直な方向に作用する。このため、速度ベクトルVを持つ溶湯流に対して、この流れを抑制する方向に電磁力ベクトルFが作用し、溶湯流の流れが抑制される。その結果、矢印Bで示す溶湯流の流れが制限されて、固液界面が水平面に近づくようになる。
更に、詳しく、溶湯流の制限について図4を参照しつつ説明する。図4は、速度ベクトルVを持った溶湯流の直流磁場内のふるまいについて説明するための図である。
以下、図4を参照して、溶湯内を流れる金属液体に働く電磁力ベクトルFについて説明する。溶湯流の流速をベクトルV[m/S]、溶湯流と直交している磁束密度をベクトルBとすると、溶湯流は導電性流体だから磁場中では、
「電磁力ベクトルFo=ベクトルJo×ベクトルB」、
を受ける。厳密には、ベクトルJoの値は流体方程式と電磁場方程式を連成させて解かねばならないが、一次近似として下記の式の導出のようにおける。
補足的に説明すると、図4に示す「コ」の字型の導線に直線状の導線Lが乗っているものとし、外部より、導線で囲まれた平面を垂直に鎖交する磁束密度Bを考える。直線状導線L内では、銅の金属結晶内の格子点に銅原子が配置され、その周囲に自由電子(伝導電子)が自由に動きまわっている。この場合、格子点の原子も電子も電荷を持っていて、速度Vと磁束密度Bにより、ローレンツ力(Jo×B)を受ける。しかし、電子のみが自由に動き回れることにより、電流Jとなる。
一方、導電性の溶湯を対象としているので、溶湯も+電荷を持った原子核の周りに自由電子が動き回っていると考えられる。図4に当てはめると、直線状導線Lを溶湯流とおけて、+電荷の原子と自由電子の構成と考えられる。溶湯流の場合は、+電荷の原子は、格子点に束縛されていないが、質量がはるかに電子より重いので、ローレンツ力による電流Jには寄与せず、導線の場合と同様に電子のみを誘導電流Jとおくことができる。
よって、下記のような式の導出が可能となる。
Figure 0004640349
上式から分かるように、溶湯流は溶湯流の速度ベクトルに比例して、流れと反対方向に力を受ける、よって、溶湯流の流速は、減速されて磁場の大きさに応じた速度となる。
このように、誘導加熱コイル18の下方に磁極21N、21Sを置き、溶場内に水平方向の直流磁場を印加することにより、下方へ向かおうとする溶湯流を制動しようとする電磁力が働き、下方への流動が抑えられる。その結果、固液界面が掘り下げられることがなくなり、ほぼ水平面状の固液界面となる。
なお、本発明は、上述したコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の溶解炉だけを対象とせず、側壁が耐火物のルツボにも適用することができる。耐火物のルツボでも誘導加熱コイルの領域をはずれたら、投入電力が放熱より少なくなり、凝固が始まる。この場合でも、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の場合と同じように下方に向かう流れにより、固液界面が凹面状となる現象は生じるので、本発明を適用することができる。
また、図5は、本発明による効果の例を示す図であり、インゴット(金属鋳塊)の右半分(中心軸に添って2分割した右半分)の断面図を示している。図5(A)に示す従来例の場合の固液界面M1は凹面状であるのに対して、図5(B)に示す本発明の場合の固液界面M2は、ほぼ水平面に近づいていることが分かる。
以上説明したように、本発明の連続鋳造装置によれば、溶解炉内の溶湯に直流磁場を作用させて溶湯流を減速させることにより、固液界面を水平面に近づける。これにより、側面からの初晶が少なくなり、一方向性の大粒径の結晶を成長させることができる。すなわち、小粒径の結晶から大粒径の結晶となるためには、ある程度の結晶成長距離が必要であり、この結晶成長距離を確保することにより、一方向性の大粒径の結晶成長を可能としている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の連続鋳造装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明においては、溶湯の固液界面が凹面状から水平面状となるようにし、一方向性の大粒径の結晶成長を可能にする効果を奏するので、本発明は、連続鋳造装置等に有用である。
本発明の実施の形態に係る連続鋳造装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る連続鋳造装置の概観斜視図である。 直流磁界による溶湯流の抑制作用について説明するための図である。 速度ベクトルVを持った溶湯流の直流磁場内のふるまいについて説明するための図である。 本発明による効果の例を示す図である。 従来のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の溶解炉の構成を示す図である。 従来の誘導加熱方式の溶解炉の他の例を示す図である。
符号の説明
1・・・底板、10、10A・・・溶解炉、12・・・引抜シャフト、13・・・被溶解材料、14・・・溶湯、15・・・凝固相、16・・・セグメント、17・・・スリット、18・・・誘導加熱コイル、20・・・側壁、21・・・磁性体、21N、21S・・・磁極、22・・・励磁用コイル、23・・・直流電源制御部、24・・・磁気遮蔽板

Claims (5)

  1. 上部より導電性の被溶解材料を添加しつつ、前記被溶解材料を加熱して溶湯を形成する溶解炉を備えると共に、前記溶解炉の底板が昇降可能に構成され、前記底板を下降させることにより前記溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置であって、
    前記溶解炉は、
    前記溶解炉の外周に巻回されると共に、前記被溶解材料を誘導加熱して溶湯を形成する誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルの下部側であって前記誘導加熱コイルが巻回されていない溶解炉の外周領域から、前記溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する直流磁場発生源と、
    を備えることを特徴とする連続鋳造装置。
  2. 前記直流磁場発生源は、
    前記溶解炉の外周の対向する位置にその両端が位置するように設けられた磁性体と、
    前記磁性体を励磁する励磁用コイルと、
    前記励磁用コイルに流す電流を可変に制御する直流電源制御部と、
    で構成されることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造装置。
  3. 前記誘導加熱コイルの下部側に、
    前記誘導加熱コイルにより生成される磁場を遮蔽する磁気遮蔽板を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造装置。
  4. 前記鋳造装置がコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続鋳造装置。
  5. 上部より導電性の被溶解材料を添加しつつ、前記被溶解材料を加熱して溶湯を形成する溶解炉を備えると共に、前記溶解炉の底板が昇降可能に構成され、前記底板を下降させることにより前記溶解炉内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における鋳造方法であって、
    前記溶解炉において、
    前記溶解炉の外周に巻回された誘導加熱コイルにより前記被溶解材料を誘導加熱して溶湯を形成する手順と、
    前記誘導加熱コイルの下部側であって前記誘導加熱コイルが巻回されていない溶解炉の外周領域から、前記溶湯に対して水平方向の直流磁場を印加する手順と、
    が行われることを特徴とする鋳造方法。
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